第1 この記事が扱う対象
1 対象とする判決及び資料の範囲
本記事は,2000年の米国大統領選挙において,フロリダ州の手作業による票の数え直しを打ち切らせた連邦最高裁判所2000年12月12日判決(Bush v. Gore, 531 U.S. 98 (2000))を対象とし,その前後の州裁判所及び連邦裁判所の判断,判決が依拠した合衆国法典の規定,並びに判決後に行われた州法及び連邦法の改正までを整理するものである。生成AIを用いて,合衆国判例集の公式PDF,フロリダ州最高裁判所の公式意見書,連邦控訴裁判所の公式意見書,合衆国法典の2000年版及び2023年版,フロリダ州法の現行条文を通読し,判示内容と数値を原資料と照合した上で構成した。二次的な解説によらず判決文そのものに当たった結果として,一般に流布している要約と原文とが一致しない箇所が複数あったため,その点は本文中で個別に指摘する。
米国の大統領制度と法制度の関係については,暗殺された米国の現職大統領4人――事件を裁いた手続と,事件が動かした法制度でも扱っている。本記事は,大統領の「選び方」の側で生じた紛争を対象とする点で,これと役割を分けている。
2 判決の特定と本記事の表記
本記事が主題とする判決は,合衆国判例集531巻98頁に登載された法廷意見(per curiam)であり,事件番号は00-949である。同じ2000年の一連の紛争には,これに先立つ連邦最高裁判所2000年12月4日判決(Bush v. Palm Beach County Canvassing Bd., 531 U.S. 70 (2000))と,2000年12月9日の執行停止決定(531 U.S. 1046 (2000))があり,いずれも本記事の対象に含める。
米国の裁判所の裁判には元号による表記がないため,本記事では裁判年月日を西暦で表記し,判例集の巻・頁は米国の慣行に従って「531 U.S. 98」の形式で示す。フロリダ州法の条番号は「102.166条」のように小数点を含む州の表記をそのまま用いる。判決文の引用は,合衆国判例集の公式PDF,フロリダ州最高裁判所の公式意見書及び連邦控訴裁判所の公式意見書から取ったものであり,訳文は本記事による仮訳である。
本件は,2000年11月7日の投票から同年12月22日までのわずか45日間に,州の選挙集計委員会・州最高裁判所・州の第一審裁判所・連邦最高裁判所の判断が入れ替わりながら積み重なった事件である。個々の判断の意味は前後関係が分からないと追いにくいので,2000年中の経過を第2の1に,判決後2023年までの制度と裁判例の動きを第6の1に,それぞれ一覧表として掲げた。
第2 フロリダ州における選挙争訟の経過
1 経過の一覧
2000年11月7日の投票から,フロリダ州最高裁判所が破棄差戻しを受けて訴えを終結させた同年12月22日までの経過は,次のとおりである。日付はいずれも現地の裁判所又は選挙機関が判断を示した日であり,各項目の内容は第2の2以下及び第3以下で詳述する。
| 年月日 | 判断・行為をした主体 | 内容 |
|---|---|---|
| 2000年11月7日 | 有権者 | 投票。翌日のフロリダ州選挙部の集計でブッシュ候補が1,784票先行 |
| 2000年11月中旬 | 各郡の選挙集計委員会 | 州法による機械の自動再集計で差が縮小。ゴア候補が4郡に手作業の数え直しを請求(102.166条) |
| 2000年11月17日 | フロリダ州最高裁判所 | 職権で,州務長官及び選挙集計委員会に対し結果の認証を差し止める命令 |
| 2000年11月21日 | フロリダ州最高裁判所 | 全員一致で認証期限を延長し,同月26日までの手集計結果の受理を命じる(772 So. 2d 1220) |
| 2000年11月26日 | フロリダ州選挙集計委員会 | 537票差でブッシュ候補・チェイニー候補を勝者と認証 |
| 2000年11月27日 | ゴア候補 | 102.168条の争訟手続により,レオン郡巡回裁判所に認証の効力を争う訴えを提起 |
| 2000年12月4日 | 連邦最高裁判所 | 全員一致で,11月21日の州最高裁判決を取り消して差戻し(531 U.S. 70) |
| 2000年12月4日 | レオン郡巡回裁判所 | 争訟の請求を棄却 |
| 2000年12月8日 | フロリダ州最高裁判所 | 4対3で一部破棄し,州全域のアンダーボートの手集計等を命じる(772 So. 2d 1243) |
| 2000年12月9日 | 連邦最高裁判所 | 手集計の執行を停止し,同時に上告を受理(531 U.S. 1046。スカリア補足意見・スティーヴンズ反対意見) |
| 2000年12月11日 | フロリダ州最高裁判所 | 12月4日の差戻しに応じ,11月21日判決の理由を敷衍(772 So. 2d 1273) |
| 2000年12月11日 | 連邦最高裁判所 | 午前11時から口頭弁論 |
| 2000年12月12日 | 連邦最高裁判所 | 平等保護違反を理由に州最高裁判決を破棄(531 U.S. 98) |
| 2000年12月18日 | 選挙人団 | 各州で選挙人が投票(ブライヤー反対意見が救済の期限として示した日) |
| 2000年12月22日 | フロリダ州最高裁判所 | 破棄差戻しを受けて訴えを終結(773 So. 2d 524) |
2 投票日から機械による再集計まで
2000年11月7日の投票の翌日,フロリダ州選挙部の集計では,共和党のジョージ・W・ブッシュ候補が民主党のアルバート・ゴア候補を1,784票上回っていた。州の選挙法により機械による自動再集計が行われ,その結果として差はさらに縮小した。ゴア候補は,フロリダ州法102.166条に基づき,ボルーシア,パームビーチ,ブロワード及びマイアミ・デイドの4郡の選挙集計委員会に対し,手作業による数え直しを書面で請求した。
争いの核心にあったのは,投票用紙の方式である。当時のフロリダ州では,多くの郡が,投票者が針状の器具で紙片を打ち抜くパンチカード方式を用いていた。打ち抜きが不完全な場合,紙片(チャド)が一部だけつながって垂れ下がったり,へこみが付いただけで穴が開いていなかったりすることがあり,機械はこれを票として読み取らない。どの候補にも票が読み取れなかった票をアンダーボート,複数の候補に印が付いていて無効とされた票をオーバーボートといい,この二種類の票の扱いが,以後の訴訟のすべての段階で問題になった。
3 州最高裁の11月21日判決と連邦最高裁の差戻し
フロリダ州法には,選挙集計委員会が投票日から7日を経過して提出した集計結果について,州務長官がこれを「無視しなければならない(shall)」と読める規定(102.111条)と,「無視することができる(may)」と読める規定(102.112条)が併存していた。フロリダ州最高裁判所は,2000年11月21日,全員一致で,この両規定を調和的に解釈して認証期限を延長し,同月26日までに提出された手作業の集計結果を受理すべきものとした(Palm Beach County Canvassing Bd. v. Harris, 772 So. 2d 1220 (Fla. 2000))。同判決に先立ち,州最高裁は同月17日,職権により,州務長官及び選挙集計委員会に対して結果の認証を差し止める命令を発している。
連邦最高裁判所は,2000年12月4日,全員一致の法廷意見により,この州最高裁判決を破棄せずに取り消し(vacate),州最高裁に差し戻した。理由の中核は,州最高裁が州憲法に依拠したのか,合衆国法典第3編5条を考慮したのかが判決文から明らかでないという点にあり,法廷意見は「5条は,選挙日前に存在した州法に従ってされた州の決定について終局性を保障する連邦法上の原理を含むから,『セーフハーバー』の利益を得ようとする立法府の意思は,連邦議会が法の変更と評価しかねない選挙法の解釈を採ることに反対する方向に働く」と述べた。この一文は,後に本件判決自身が引用することになる。
4 争訟手続と州最高裁の12月8日判決
2000年11月26日,フロリダ州選挙集計委員会は選挙結果を認証し,ブッシュ候補及びチェイニー候補を州の選挙人票の獲得者と宣言した。認証された両陣営の差は537票であり,この数字はフロリダ州最高裁判所の判決文に明記されている。ゴア候補は翌27日,フロリダ州法102.168条の争訟(contest)手続により,レオン郡巡回裁判所に認証の効力を争う訴えを提起した。
レオン郡巡回裁判所は2000年12月4日に請求を棄却したが,フロリダ州最高裁判所は同月8日,4対3の多数によりこれを一部破棄し,①マイアミ・デイド郡の未集計のアンダーボート約9,000票を手作業で数えること,②手作業の数え直しがされていないすべての郡について,アンダーボートを州全域で手作業により数えること,③パームビーチ郡及びマイアミ・デイド郡の部分的な集計結果を加算することを命じた(Gore v. Harris, 772 So. 2d 1243 (Fla. 2000))。多数意見は,何を有効な票とするかの基準について,州議会が制定したフロリダ州法101.5614条(5)の「投票者の意思の明白な表示(clear indication of the intent of the voter)」という文言をそのまま用いるものとした。
この判決には,ウェルズ首席裁判官と,ショウ裁判官が同調するハーディング裁判官の反対意見が付されている。ウェルズ首席裁判官の反対意見の脚注26は,アンダーボートだけを対象としてオーバーボートを放置することの問題を指摘しており,この指摘は後に連邦最高裁の法廷意見が違憲判断の理由の一つとして引用することになる。
5 2000年12月9日の執行停止
連邦最高裁判所は2000年12月9日,フロリダ州最高裁の命令の執行を停止し,同時に停止申立てを上告受理申立てとみなして受理し,同月11日午前11時の口頭弁論を指定した。この停止決定には,通常は付されない個別意見が付いている。
スカリア裁判官の補足意見は,「停止が発せられたことは,当法廷の多数が,提示された争点について判断を示すものではないにせよ,申立人が相当程度勝訴する見込みがあると考えていることを示唆する」と述べ,回復し難い損害については,「適法性に疑いのある票を数えることは,申立人にとって,また国にとって,申立人が自らの当選の正統性であると主張するものに雲をかけるという形で,回復し難い損害をもたらすおそれがある。先に数え,適法性は後から判断するというやり方は,民主的な安定に必要な社会の受容を得られる選挙結果を生む処方箋ではない」と述べた。これに対しスティーヴンズ裁判官は反対意見を述べており,その趣旨は,適法に投じられた票を数えることが回復し難い損害になり得るのかという点にある。
第3 連邦最高裁の法廷意見
1 平等保護違反とされた具体的な事実
法廷意見は,まず,州議会が大統領選挙人の選任を州民の投票に委ねた以上,州が定めたところに従って投票する権利は基本的権利であり,「その基本的性質の一つの淵源は,各票に与えられる等しい重みと,各投票者に対して払われるべき等しい尊厳にある」とした上で,「平等に投票する権利をいったん付与した以上,州は,後の恣意的かつ差別的な取扱いによって,ある者の票を他の者の票より価値あるものとすることはできない」と述べた。援用された先例は,投票価値の平等に関するグレイ対サンダース判決(Gray v. Sanders, 372 U.S. 368 (1963))及びレイノルズ対シムズ判決(Reynolds v. Sims, 377 U.S. 533 (1964))などである。
法廷意見が違憲と評価したのは,抽象的な基準の当否ではなく,州最高裁の命令の下で現に行われていた数え直しの具体的な姿である。法廷意見は,「投票者の意思」という基準それ自体は「抽象的命題としても出発点としても異論のないもの」であるとしつつ,「問題は,その平等な適用を確保するための具体的基準が存在しない点に内在する」と述べ,①判定基準が郡ごとに異なるだけでなく同一郡内でも集計班ごとに異なり得たこと,②パームビーチ郡が集計の途中で基準を1990年の指針から「光が透ければ有効」とする扱いに変え,再び1990年の指針に戻し,さらに一律の準則そのものを放棄したこと,③3つの郡ではアンダーボートに限らずすべての票が対象とされたこと,④誰が数えるかが特定されず,各郡が訓練を受けていない裁判官による臨時の集計班を編成せざるを得なかったこと,⑤立会いは認められたが異議を述べることは禁じられていたこと,⑥推計で約11万票に上るオーバーボートの問題がまったく扱われていないことを列挙した。パームビーチ郡の基準変更について,法廷意見は「これは平等な取扱いを十分に保障する手続ではない」と結論している。
2 「本件限りの判断」という限定の書き方
法廷意見には,しばしば先例的価値の否認と説明される次の一節がある。「当法廷の検討は現在の事情に限られる。選挙過程における平等保護の問題は,一般には多くの複雑さを伴うからである。当法廷に提示されている問題は,地方の主体がその知見を用いて異なる選挙実施の仕組みを設けてよいかどうかではない。そうではなく,当法廷が直面しているのは,画一性を確保する権限を有する州裁判所が,手続的保障の乏しい州全域の数え直しを命じたという事態である」。
この一節が自ら射程を限定する趣旨であることは文面上明らかであるが,同時に,除外される範囲を具体的に特定してもいる。すなわち,地方の主体ごとに投票の仕組みが異なることの当否は本件の判断対象ではないと明言する一方,画一性を確保できる立場にある州裁判所が手続的保障を欠いたまま州全域の救済を命じた場面については判断していることになる。先例的価値をおよそ否定した文言であるとまでは読み難く,むしろ適用場面を絞り込んだ書き方であると本記事では整理する。実際に下級審が本判決をどのように扱ったかは,第7で述べる。
3 差戻しをせずに数え直しを終わらせた理由
法廷意見は,合憲的な数え直しを行うには「相当の追加作業なしには不可能であることは明らかである」とし,州全域の基準を弁論の機会を与えた上で採択すること,これを実施する手続を整えること,争いが生じた場合の秩序ある司法審査を用意すること,アンダーボートだけを抽出するために用いる集計機器及びソフトウェアについて州務長官による正確性の評価を経ること(フロリダ州法101.015条)を挙げた。
その上で法廷意見は,フロリダ州最高裁が「州議会は州の選挙人が連邦の選挙過程に完全に参加することを意図した」と述べていることを引き,合衆国法典第3編5条は「選挙人の終局的な選任に至ることを予定した争いや争訟が12月12日までに完了することを求めている」として,同日が到来している以上,最小限の憲法上の基準を満たす数え直しの手続は存在しないと結論し,差戻しではなく破棄の判断をした。この「5条が12月12日までの完了を求めている」という読み方が,本判決に対する批判が最も集中した箇所であり,その内容は第5で述べる。
第4 補足意見及び反対意見
1 レンキスト首席裁判官の補足意見
レンキスト首席裁判官は,スカリア裁判官及びトマス裁判官とともに,法廷意見に加わった上で,別個の破棄理由があるとする補足意見を書いた。その出発点は,通常であれば州裁判所による州法の解釈に敬譲すべきであるが,「憲法が州政府の特定の部門に義務を課し,又は権限を付与している例外的な事案が少数ながら存在し,本件はその一つである」という理解にある。合衆国憲法第2編1条2項は,各州が「その立法府が定める方法により」大統領選挙人を任命すると定めており,補足意見は,この文言により「選挙法の文言それ自体が,州裁判所による解釈と並んで独自の意義を帯びる」とした。
補足意見は,マクファーソン対ブラッカー判決(McPherson v. Blacker, 146 U.S. 1 (1892))を引きながら,「大統領選挙人の任命に関する立法府の仕組みからの重大な逸脱は,連邦憲法上の問題を生じさせる」と述べ,州裁判所の解釈が「公正な読み方が求める範囲を超えて州法を許容し難い程度に歪めた」かどうかを連邦最高裁が審査すると論じた。この考え方は,当時は法廷意見に採用されなかったが,後に「独立州議会理論」と呼ばれる主張の原型となり,2020年以降に改めて援用されることになる。
2 4人の裁判官の反対意見
反対意見は,スティーヴンズ,ソーター,ギンズバーグ及びブライヤーの各裁判官が,一部を相互に同調しながら別々に書いている。スティーヴンズ裁判官の反対意見は,「今年の大統領選挙の勝者が誰であるかを完全な確実性をもって知ることはついにできないかもしれないが,敗者が誰であるかは全く明らかである。それは,法の支配の公平な守り手としての裁判官に対する国民の信頼である」という一文で結ばれている。
ソーター裁判官は,そもそも本件及び先行事件を受理すべきではなく,執行停止も発すべきではなかったとした上で,第2編1条2項に関する審査基準としては,州裁判所の解釈が「合理的な法解釈の限界を超えて,第2編にいう『立法府』が制定した法律に取って代わるに至った」かどうかを問うべきであるとした。ギンズバーグ裁判官は,州法の解釈に対する連邦裁判所の敬譲を強調し,「合憲的に十分な数え直しが実行不可能であるという当法廷の結論は,当法廷自身の判断がその検証を許さない予言である。そのような検証されない予言が合衆国大統領を決めるべきではない」と述べ,通例用いられる「敬意をもって」という語を付けずに「私は反対する」と結んだ。ブライヤー裁判官は,「当法廷が本件を取り上げたのは誤りであった。執行停止を認めたのも誤りであった。当法廷は今,その停止を取り消し,フロリダ州最高裁に数え直しを再開すべきかどうかを判断させるべきである」と述べ,救済としては選挙人団の会合日である12月18日までに合憲的な数え直しを行わせる差戻しを提案した。この提案に対し,レンキスト補足意見は,フロリダ州最高裁自身が州議会のセーフハーバー取得の意思を認定している以上,12月18日までの数え直しは州選挙法に違反し,フロリダ州法102.168条(8)にいう「適切な」命令にはなり得ないと反論している。
3 「7人の裁判官」という記述の読み方
法廷意見には,「当法廷の7人の裁判官が,フロリダ州最高裁の命じた数え直しには救済を要する憲法上の問題があることに同意している。相違があるのは救済についてのみである」という一文があり,ソーター裁判官の反対意見及びブライヤー裁判官の反対意見の該当頁が引用されている。この記述を根拠として,「平等保護違反については7対2,救済については5対4であった」と説明されることが多い。
もっとも,各意見の内容に当たると,この要約はそのまま採用し難い。ソーター裁判官及びブライヤー裁判官は,基準の不統一が平等保護上の問題を生じ得ることを認めつつ,救済としては州に基準を作らせる差戻しを主張したにとどまり,法廷意見の法理そのものに同調しているわけではない。さらにギンズバーグ裁判官は,「私はスティーヴンズ裁判官と同様に,上告人らは実質的な平等保護の主張を提示していないと考える」と明示的に述べており,スティーヴンズ裁判官も同旨である。したがって,原文に即して述べるならば,「数え直しの手続に憲法上の問題があることを7人が認め,そのうち5人が破棄し,2人は差戻しを主張し,残る2人は平等保護違反の主張自体を否定した」という整理になる。本判決の内訳に言及する場合は,法廷意見の自己申告と各意見の実質とを区別しておく必要がある。
第5 合衆国法典第3編5条と12月12日という期限
1 当時のセーフハーバー規定の内容
2000年当時の合衆国法典第3編5条は,州が選挙人の任命に関する争いの終局的解決を選挙日前に制定した法律により定めており,かつその解決が選挙人団の会合の6日前までにされたときは,その決定が「終局的なものとされ,選挙人票の集計を規律する」と定めていた。同条は州に何らかの義務を課す規定ではなく,条件を満たした州に対して連邦議会に対する終局性という利益を与える規定であり,この構造から「セーフハーバー」と呼ばれてきた。
条件を満たさなかった場合に州の選挙人票が失われるわけではない。合衆国法典第3編15条は1月6日の両院合同会議における集計手続を定めており,条件を満たさない州の選挙人票の効力は,最終的にはこの場で判断されることになる。
2 期限の性質をめぐる対立
法廷意見は,5条が12月12日までの完了を「求めている」と述べ,同日の到来を破棄の決定的な理由とした。これに対しギンズバーグ裁判官の反対意見は,「連邦議会が『1月6日』に選挙人票の効力を判断するための詳細な規定を置いていることに照らせば,これらの日付のいずれも究極的な意義を有するものではない。15条」と述べ,12月12日を期限として扱うこと自体を否定した。
これに対する法廷意見側の反論は,レンキスト補足意見が担っている。すなわち,フロリダ州最高裁自身が5条を援用して州法を解釈し,州議会がセーフハーバーの利益を得ようとしていたと認定している以上,12月12日は連邦法上の締切りとしてではなく,州法の解釈を通じて州法上の期限として作用する,という構成である。この対立は,条文の文言だけで決着する性質のものではなく,州最高裁の判示をどこまで拘束的に受け止めるかという問題を含んでいる。もっとも,後述するとおり,この論点の前提となった条文は2022年の改正により姿を消しており,現行法の下では同じ形で再現しない。
第6 判決後の法改正
1 判決後の主な動きの一覧
判決の後に生じた制度と裁判例の動きは,フロリダ州法の改正,連邦の投票制度立法,下級審における平等保護法理の展開,第2編1条2項をめぐる連邦最高裁の判断,そして選挙人集計手続そのものの改正という5つの系列に分かれ,2001年から2023年まで断続的に続いている。以下の一覧の各項目は,本記事の第6の2以下及び第7で詳述する。
| 年月日 | 主体 | 内容 | 詳述箇所 |
|---|---|---|---|
| 2001年 | フロリダ州議会 | 選挙法改正。得票差0.25パーセント以下なら全域でオーバーボート及びアンダーボートの手集計を義務化し,判定規則に包括的な受け皿条項を置くことを禁止 | 第6の2 |
| 2002年 | 連邦議会 | Help America Vote Actを制定。投票システムの連邦基準・暫定投票・有権者登録データベース | 第6の3 |
| 2003年9月23日 | 第9巡回区連邦控訴裁判所(大法廷) | 本判決を適用した3人合議体の判断を維持せず,仮の差止めを認めなかった原審を維持(344 F.3d 914) | 第7の1 |
| 2006年4月21日 | 第6巡回区連邦控訴裁判所 | 本判決を適用して厳格審査を及ぼし,原審の判断を破棄(444 F.3d 843) | 第7の1 |
| 2007年1月12日 | 第6巡回区連邦控訴裁判所 | 州が投票機を廃止して訴えの利益が消滅したため,上記判決を取消し | 第7の1 |
| 2011年1月27日 | 第6巡回区連邦控訴裁判所 | 暫定投票の郡内での不統一な取扱いに本判決を適用し,仮の差止めを維持(635 F.3d 219) | 第7の1 |
| 2020年10月26日 | 連邦最高裁判所 | 郵便投票の期限をめぐる決定で,レンキスト補足意見を援用する個別意見(20A66) | 第7の2 |
| 2022年12月29日 | 連邦議会 | Electoral Count Reform Act of 2022。旧5条のセーフハーバー規定を全面改正し,旧2条を廃止 | 第6の4 |
| 2023年6月27日 | 連邦最高裁判所 | Moore v. Harper。独立州議会理論の強い形を否定する一方,審査基準の確定は留保(600 U.S. 1) | 第7の2 |
2 フロリダ州法の改正
フロリダ州は2001年に選挙法を改正し,現行のフロリダ州法102.166条は,本判決が違憲と評価した欠陥をいずれも立法で塞ぐ形になっている。すなわち,第2回目の非公式集計の結果,得票差が0.25パーセント以下である場合には,当該公職又は住民投票の対象となる区域の全域について,オーバーボート及びアンダーボートの手作業による数え直しを命じなければならないものとされ,連邦・州・複数郡にまたがる選挙については州務長官がこれを命じる。候補者の請求は要件とされておらず,敗れた候補者が書面で数え直しを求めない旨を申し出た場合と,オーバーボート及びアンダーボートの数が結果を左右し得る票数に満たない場合が例外として定められているにすぎない。
判定基準についても,同条(4)(a)は「投票用紙上に,投票者が確定的な選択をしたことの明白な表示があるときは,票として数えなければならない」と定めた上で,同条(4)(b)は,州務省が認証された投票システムごとに,何が「明白な表示」に当たるかの具体的な規則を制定しなければならないとし,その規則が「投票者が確定的な選択をしたことを明白に示すその他の印又は表示」といった包括的な受け皿条項を置くことを明文で禁じている。基準の不統一を違憲とした判決に対し,州が基準の内容そのものを規則で確定させる方向で応答したことになる。
3 2002年のHelp America Vote Act
連邦議会は2002年,Help America Vote Actを制定し,投票システムに関する連邦の基準,暫定投票の保障,州全域の有権者登録データベースの整備などを定めた。パンチカード方式の投票機の更新に対する連邦資金の交付を含み,2000年の紛争が直接の契機となった立法である。
4 2022年の選挙人集計法改正
2022年12月29日に成立したElectoral Count Reform Act of 2022により,合衆国法典第3編の規定は大きく改められた。旧5条のセーフハーバー規定は全面的に改められ,現行5条は,州の執行機関(原則として知事)が選挙人団の会合の6日前までに選挙人任命の確認書を発行する義務を定める規定となった。同条(c)(1)(B)は,選挙人団の会合日前に州又は連邦の裁判所の裁判により発行又は修正を命じられた確認書が他の確認書に優先し,これを置き換えると定め,同条(c)(2)は,確認書に関する連邦憲法上又は連邦法上の争点についての連邦裁判所の判断が連邦議会を拘束すると定める。
さらに同条(d)は,大統領又は副大統領の候補者が提起する連邦訴訟について,州都の所在する連邦地方裁判所を管轄とし,控訴裁判所の裁判官2名と地方裁判所の裁判官1名による3人合議体で審理し,連邦最高裁への直接の上告を認めた上で,選挙人団の会合日の前日までに差戻し後の終局的な裁判ができるよう促進審理を行うべきものと定める。旧2条(選挙日に選任できなかった場合に州議会が事後に選挙人を任命できるとする規定)は廃止され,1条は「選挙人は,選挙日に,選挙日前に制定された州法に従って任命される」と改められた。15条では,上院議長の役割が「専ら儀礼的なもの」に限られ,確認書や選挙人票の当否を単独で裁定する権限がないことが明記され,異議申立ての要件も両院それぞれ5分の1以上の署名に加重されている。
したがって,本判決が救済の判断において依拠した「12月12日のセーフハーバー」という枠組みは,現行の連邦法には存在しない。本判決を引用して現在の制度を説明する場合には,当時の合衆国法典第3編5条であることを明示しなければ,制度の説明として不正確になる。
第7 その後の裁判例における射程
1 平等保護法理が及ぶ範囲と及ばない範囲
本判決の平等保護法理は,当初期待されたほど広くは用いられていない。判決から3年後の2003年,カリフォルニア州知事のリコール選挙をめぐり,第9巡回区連邦控訴裁判所の3人合議体は本判決を適用してパンチカード方式を用いる郡の有権者に不利益が生じているとし,仮の差止めを認めなかった原審を破棄した。しかし大法廷は,2003年9月23日,原判決を維持した(Southwest Voter Registration Education Project v. Shelley, 344 F.3d 914 (9th Cir. 2003))。もっとも大法廷は,平等保護の主張それ自体を否定したのではなく,「勝訴の可能性は認められるが,現段階で強い蓋然性が示されたとはいえない」とした上で,選挙が既に始まっている段階で州全体の選挙を差し止めることによる州及び住民の不利益と公益とを重視し,原審の裁量権の逸脱を認めなかったものである。
オハイオ州のパンチカード方式を争った事件では,第6巡回区連邦控訴裁判所が2006年4月21日,本判決を適用して厳格審査を及ぼし,原審の判断を破棄した(Stewart v. Blackwell, 444 F.3d 843 (6th Cir. 2006))。同判決に付されたギルマン裁判官の反対意見は,第9巡回区の3人合議体の判断が10日足らずで大法廷により取り消された経緯に触れた上で,本件の多数意見が「ブッシュ対ゴア判決の平等保護に関する判示を根拠として州の選挙実務を違憲とした連邦控訴裁判所の唯一の判断」であると述べている。この多数意見は,州が争われていた投票機を廃止したことにより訴えの利益が消滅したため,2007年1月12日の命令により取り消され,訴え却下を命じて差し戻された。
他方,同一の選挙の中で票の取扱いが不統一になる場面では,本判決は現に機能している。オハイオ州ハミルトン郡で,投票所職員の誤りにより投票所を誤って案内された有権者の暫定投票が郡内で一様に扱われなかった事案において,第6巡回区連邦控訴裁判所は2011年1月27日,原告らが平等保護の主張について勝訴の強い蓋然性を示したとして,郡選挙管理委員会に対する仮の差止めを維持した(Hunter v. Hamilton County Board of Elections, 635 F.3d 219 (6th Cir. 2011))。以上を踏まえると,州や郡ごとに投票の仕組みが異なること自体には本判決は及びにくく,一つの集計又は救済の手続の中で恣意的に取扱いが分かれる場面に及ぶ,という線引きが実務の到達点に最も近いと本記事では整理する。
判決を引用する裁判例の総数自体も多くはない。判例データベースの引用関係を用いて調べた限りでは,あらゆる裁判所を通じて本判決を引用する裁判例は254件であり,このうち連邦最高裁の署名のある意見は3件,連邦控訴裁判所は77件である。この件数は特定のデータベースの引用抽出に依存するため網羅的なものではないが,24年間の蓄積としては限定的な数字である。
2 2020年以降の連邦最高裁とMoore v. Harper判決
2020年の大統領選挙をめぐる一連の緊急申立てにおいて,改めて援用されたのは平等保護に関する法廷意見ではなく,レンキスト補足意見であった。ウィスコンシン州の郵便投票の期限が争われた事件で,ケイヴァノー裁判官の補足意見の脚注1は,「合衆国憲法の下で,州裁判所は連邦選挙について州の選挙法を書き換える白紙委任を受けているわけではない」とした上で,「立法府の明確に表明された意思が優越しなければならない」というレンキスト補足意見の一節を引用している(Democratic National Committee v. Wisconsin State Legislature, 592 U.S. ___ (2020))。
この論点に一応の決着を付けたのが,Moore v. Harper, 600 U.S. 1 (2023) である。法廷意見は,州議会が連邦選挙に関する規則を定める権限を行使するときは「州憲法によって創設され,これに拘束される立法機関としてと,連邦憲法によって特定の権限を割り当てられた主体としての双方の資格において行動するのであり,両方の憲法が立法府の権限行使を制約する」として,独立州議会理論の強い形を否定した。他方で法廷意見は,州裁判所が「自由な裁量」を有するわけではないとして連邦裁判所による審査の余地を認め,その文脈で本判決のレンキスト補足意見とソーター反対意見の基準に言及した上で,「当法廷は,選挙条項に関わる事件において州裁判所の州法解釈を測るこれらの基準その他いかなる基準も採用しない」と述べて,審査基準の確定を明示的に留保した。ケイヴァノー裁判官の補足意見はレンキスト補足意見の基準を採用すべきであるとし,トマス裁判官の反対意見は,本判決が州制定法の解釈が問題となった事案であるのに対しMoore事件は州裁判所が州憲法違反として州法を無効とした事案であって類比が適切でないと批判している。審査基準が留保された点は,現在も残された論点である。
なお,本記事で判決の全文を検索した限りでは,大統領選挙人が誓約に反して投票した場合の州法上の規制を扱ったChiafalo v. Washington, 591 U.S. 578 (2020) は,マクファーソン対ブラッカー判決を複数回引用する一方で,本判決には一度も言及していない。選挙人制度そのものの憲法論において連邦最高裁が用いている先例は,1892年の判決であって本判決ではない。
第8 どの票を数えれば結果が変わったかという問い
判決後に行われた票の再検分のうち最も大規模なものは,報道機関のコンソーシアムの委託により全米世論調査センター(NORC)が実施した検分である。この検分に基づく分析によれば,どのような基準で不完全な打ち抜きを評価するか,及びフロリダ州のどの範囲の郡を対象とするかによって,僅差でブッシュ候補が勝つ場合から僅差でゴア候補が勝つ場合まで,複数の結論が導かれ得る。
これらの想定の多くは,適法な数え直しの過程ではオーバーボートが無視されるであろうという前提を置いていた。NORCのデータと投票用紙の画像ファイルを用いた分析は,オーバーボートとされた票の中に,ブッシュ候補又はゴア候補への投票を意図していたことが明らかであるにもかかわらず廃棄された票が5万票以上含まれていたとし,フロリダ州で当時最も精度の高かった投票所単位で光学読取を行う方式が州全域で用いられていれば,ゴア候補が3万票以上の差で勝っていたと結論している。もっとも,この結論は現に行われた集計の結果ではなく,異なる投票機器が用いられていたと仮定した場合の推計であり,実際の数え直しの結果を示すものではない。
この問題が判決との関係で持つ意味は,法廷意見が違憲事由の一つとして約11万票のオーバーボートが放置されている点を挙げていたことにある。オーバーボートを含めるかどうかは,違憲判断の理由であると同時に,結果を左右し得る変数でもあった。
第9 日本の選挙争訟制度との違い
日本の公職選挙法では,選挙の効力に関する争いは同法204条により,選挙人又は公職の候補者が,当該選挙の日から30日以内に高等裁判所に訴訟を提起する形で扱われる。同法205条1項は,「選挙の規定に違反することがあるときは選挙の結果に異動を及ぼす虞がある場合に限り」,裁判所は選挙の全部又は一部の無効を判決しなければならないと定めており,違反の存在と結果への影響とを区別して要件化している。個々の票の有効・無効の判定基準は全国的に統一された法令及び実務の運用によっており,郡や市町村ごとに異なる基準が用いられることは制度上想定されていない。この点で,判定基準の不統一そのものが憲法問題となった2000年のフロリダ州の状況とは,前提が大きく異なる。
また,日本には大統領選挙人に相当する中間機関がなく,連邦制に由来する州法解釈権と連邦司法審査の緊張関係という問題も生じない。投票価値の平等が争われる局面は主として議員定数配分の合憲性という形をとっており,その概要は一票の格差とは何か|違憲状態・違憲判決の違いと最高裁判例一覧で扱っている。選挙無効訴訟の手続的な位置付けについては第1号法定受託事務としての選挙無効訴訟を,統治行為に関する司法審査の限界については衆議院の解散は司法審査の対象とならないことを参照されたい。本判決を日本法の議論に引く場合には,制度の前提が異なることを踏まえ,投票価値の平等という一般論のレベルで類比するにとどめるのが妥当であると本記事では整理する。
出典・参考資料
1 法令
①合衆国法典第3編第1章(2000年版)1条・2条・5条・15条(米国政府出版局)
②合衆国法典第3編第1章(2023年版)1条・5条・15条・21条(Electoral Count Reform Act of 2022による改正後。米国政府出版局)
③Help America Vote Act of 2002(Pub. L. 107-252)(米国政府出版局)
④フロリダ州法102.166条(2024年版)(フロリダ州議会上院)
⑤公職選挙法(昭和25年法律第100号)204条・205条・219条(e-Gov法令検索)
⑥日本国憲法15条(e-Gov法令検索)
2 判例
①連邦最高裁判所2000年12月12日判決 Bush v. Gore, 531 U.S. 98(事件番号00-949。合衆国判例集公式PDF。米国議会図書館)
②連邦最高裁判所2000年12月4日判決 Bush v. Palm Beach County Canvassing Bd., 531 U.S. 70(事件番号00-836。合衆国判例集公式PDF。米国議会図書館)
③連邦最高裁判所2000年12月9日決定 Bush v. Gore, 531 U.S. 1046(スカリア裁判官の補足意見)(コーネル大学ロースクールLegal Information Institute)
④連邦最高裁判所1892年10月17日判決 McPherson v. Blacker, 146 U.S. 1(合衆国判例集公式PDF。米国議会図書館)
⑤連邦最高裁判所2023年6月27日判決 Moore v. Harper, 600 U.S. 1(事件番号21-1271。連邦最高裁公式PDF)
⑥連邦最高裁判所2020年7月6日判決 Chiafalo v. Washington, 591 U.S. 578(事件番号19-465。連邦最高裁公式PDF)
⑦連邦最高裁判所2020年10月26日決定 Democratic National Committee v. Wisconsin State Legislature, 592 U.S. ___(申立番号20A66。コーネル大学ロースクールLegal Information Institute)
⑧フロリダ州最高裁判所2000年11月21日判決 Palm Beach County Canvassing Bd. v. Harris, 772 So. 2d 1220(訂正版)(事件番号SC00-2346・SC00-2348・SC00-2349。Internet Archive所蔵のフロリダ州裁判所公式PDF)
⑨フロリダ州最高裁判所2000年12月8日判決 Gore v. Harris, 772 So. 2d 1243(事件番号SC00-2431。Internet Archive所蔵のフロリダ州裁判所公式PDF)
⑩フロリダ州最高裁判所2000年12月11日判決 Palm Beach County Canvassing Bd. v. Harris, 772 So. 2d 1273(差戻後)(Internet Archive所蔵のフロリダ州裁判所公式PDF)
⑪フロリダ州最高裁判所2000年12月22日判決 Gore v. Harris, 773 So. 2d 524(差戻後)(Internet Archive所蔵のフロリダ州裁判所公式PDF)
⑫第9巡回区連邦控訴裁判所2003年9月23日大法廷判決 Southwest Voter Registration Education Project v. Shelley, 344 F.3d 914(事件番号03-56498。同裁判所公式PDF)
⑬第6巡回区連邦控訴裁判所2006年4月21日判決 Stewart v. Blackwell, 444 F.3d 843(事件番号05-3044。同裁判所公式PDF)
⑭第6巡回区連邦控訴裁判所2007年1月12日命令 Stewart v. Blackwell(原判決の取消し)(事件番号05-3044。同裁判所公式PDF)
⑮第6巡回区連邦控訴裁判所2011年1月27日判決 Hunter v. Hamilton County Board of Elections, 635 F.3d 219(事件番号10-4481・11-3059・11-3060。同裁判所公式PDF)
3 公的資料
①フロリダ州最高裁判所2000年11月17日執行停止命令(事件番号SC00-2346・SC00-2348・SC00-2349。Internet Archive所蔵のフロリダ州裁判所公式PDF)
②米国公民権委員会「Voting Irregularities in Florida During the 2000 Presidential Election」(2001年6月)(米国公民権委員会)
4 文献
①Richard L. Hasen「The Untimely Death of Bush v. Gore」Stanford Law Review 60巻1頁~44頁(2007年)
②Walter R. Mebane, Jr.「The Wrong Man is President! Overvotes in the 2000 Presidential Election in Florida」Perspectives on Politics 2巻3号(2004年)。本記事が参照したのは,同論文の2004年4月6日付草稿である。
③倉田玲「大統領選挙と平等保護――ブッシュ対ゴア事件判決の再検討」立命館法学2001年3号677頁~733頁
④樋口範雄『アメリカ憲法〔第2版〕』(弘文堂,2021年)501頁
⑤松井茂記『ブッシュ対ゴア――2000年アメリカ大統領選挙と最高裁判所』(日本評論社,2001年)
⑥猪股弘貴「ブッシュ対ゴア連邦最高裁判決とその含意」商学討究53巻1号129頁~152頁(2002年)