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法テラスの契約弁護士が減っているのか―契約率と受任実態を分けて読む(AI作成)

第1 契約率だけでは受任体制は分からない

法テラスの担い手を考える際は,契約弁護士の人数,弁護士全体に占める契約率,実際に事件を受任した人数を区別する必要がある。
契約率の低下だけでは,どの地域・分野で支援へつながりにくいのか,対応できる弁護士がどれだけいるのかまでは分からない。

令和8年10月26日の「法テラスの在り方に関する有識者検討会」第8回会議では,担い手の確保が検討課題となった。
本記事は,同会議の資料2・3・3-2を基に,民事法律扶助の契約状況と統計を読む際の注意点を整理する。

第2 契約弁護士数と契約率は同じ動きをするとは限らない

資料3によると,令和7年度末の民事法律扶助契約弁護士数は24,362人である。
令和8年4月1日現在の弁護士数48,119人に対する契約率は50.6%とされている。
同資料の別の箇所には,7月1日現在の参考値として24,421人・50.7%が示されている。
基準日が異なる数字を混在させないことが重要である。

資料の推移を見ると,契約弁護士数がおおむね維持されていても,弁護士全体の人数が増えることによって契約率が低下する場合がある。
したがって,契約率の低下を,そのまま契約弁護士の人数の減少と読み替えることはできない。

国選弁護の契約と民事法律扶助の契約も別の集計である。
国選弁護の契約率を,民事事件の援助に対応する弁護士の割合として使うことはできない。

出典:第8回資料3・PDF2~4頁

第3 契約の有無と実際の受任状況を分ける

資料3には,民事法律扶助を受任した弁護士の件数別の分布も掲載されている。
この分布は,受任実績のある12,249人を対象とする。
契約弁護士全員を分母とした割合ではない。

また,全国の件数分布だけでは,各地域の状況は分からない。
弁護士会ごとの規模や受任状況も異なるため,全国値をそのまま特定地域へ当てはめることには注意が必要である。

相談先を探す際は,法テラスの利用に対応しているかに加え,取扱分野,新しい事件の受付状況,利益相反の有無,通所・移動上の事情などを個別に確認することが有用である。
これは統計を踏まえた本記事の実務上の整理であり,資料が個々の事務所の受任能力を判定しているという意味ではない。

出典:第8回資料3・PDF5~6頁

第4 若い層の契約率は集計方法と時点を確かめる

資料3・3-2には,修習期に対応する登録番号の区分による契約状況が掲載されている。
ただし,一斉登録時の登録番号を基にした集計であり,各弁護士の実際の修習期を確認したものではない。

第78期に対応する区分は登録から間がない。
資料の注記によると,民事法律扶助では,初めて事件を受任する際に契約する場合もある。
比較する際には,登録後の期間,契約の時期,集計時点や母集団の事情を確かめる必要がある。

このような条件を離れて,若い層の契約率だけから公益性や法的支援への関心が低下したと結論付けることはできない。

出典:第8回資料3,資料3-2

第5 担い手確保には報酬と事務負担の両方が関わる

資料3が引用する日弁連アンケートでは,契約を続ける理由として社会的意義や収入が挙げられている。
一方,契約や受任に消極的な理由には,報酬,事務手続,依頼者への対応,他業務との関係などがある。
相談援助と代理援助では,理由の順位も同じではない。

このアンケートは,令和4年11月から令和5年1月に実施されたウェブ調査で,対象弁護士42,897人に対し,回答者は2,719人である。
複数回答の集計も含まれる。
現在の全弁護士の考えを直接示すものや,契約率の低下の原因を一つに特定した調査として扱うことはできない。

資料2は,報酬基準の見直しだけでなく,手続の改善,法曹人材の育成,地域間の協力,スタッフ弁護士の役割やキャリア等も検討課題に挙げている。
担い手確保は,一つの理由や一つの対策だけで説明することが難しい課題である。

出典:第8回資料2・PDF1~5頁,資料3・PDF8~11頁

第6 現行制度と今後の提案を区別する

第8回会議の資料には,担い手確保の選択肢や委員の提案が含まれる。
報酬の増額や利用者負担の変更が決まったことを示すものではない。
実際に利用する際は,現行の利用要件と負担の説明を確認する必要がある。

司法アクセス全体の論点は,法テラスの在り方に関する有識者検討会と司法アクセスで整理している。
現行規程の確認には,法テラス業務方法書の記事及び民事法律扶助業務運営細則の記事も参照されたい。