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優良な電子帳簿・デジタルシームレス保存・青色申告特別控除75万円―令和9年に向けた届出と導入手順(AI作成)

第1 結論

令和8年度税制改正後の電子帳簿等保存制度では,①優良な電子帳簿に関する過少申告加算税5%軽減,②デジタルシームレス保存に関する重加算税10%加重の不適用,③令和9年分以後の所得税における75万円の青色申告特別控除を区別して確認する必要がある。
いずれも単に会計ソフトを導入すれば適用される制度ではなく,対象,保存要件,届出及び適用開始時期を制度ごとに確認しなければならない。

第2 三つの制度を区別する

優良な電子帳簿は,国税関係帳簿の備付け・保存の品質に着目する制度である。
デジタルシームレス保存は,デジタルインボイスや金融機関の決済データ等と帳簿との連携に着目する制度である。
75万円の青色申告特別控除は個人の所得税の制度であり,対象者,複式簿記,決算書の添付及び期限内申告等の所得税上の要件も別に満たさなければならない。

第3 優良な電子帳簿

電子帳簿保存法上の優良な電子帳簿として,訂正削除履歴,帳簿間の相互関連性,検索機能その他の要件を満たして対象帳簿を保存し,所定の届出をしている場合,その帳簿に記録された事項に関して生じた申告漏れについて,過少申告加算税が通常より5%軽減される。
ただし,隠蔽又は仮装がある場合などは対象外であり,帳簿に関連しない申告漏れまで一律に軽減される制度ではない。

第4 デジタルシームレス保存

デジタルシームレス保存は,国税庁長官の定める基準に適合するシステムを利用し,対象となる電子取引データを所定の要件で保存する制度である。
国税庁の届出書及び解説は,デジタル庁の仕様に従って送受信されたデジタルインボイス及び金融機関等の預貯金口座における決済データを対象例として示している。

要件を満たす対象データについては,電子取引データに係る隠蔽・仮装があった場合の重加算税10%加重の対象から除外される。
個人事業者については令和8年分の所得税及び消費税から適用が始まるが,通常の重加算税そのものが免除される制度ではない。

第5 75万円の青色申告特別控除

令和9年分以後,不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営む青色申告者は,正規の簿記の原則による記帳,貸借対照表及び損益計算書の添付並びに期限内申告等の基礎要件に加え,優良な電子帳簿の保存又はデジタルシームレス保存のいずれか所定の要件を満たすと,75万円の青色申告特別控除を選択できる。
令和8年分までの65万円控除と,令和9年分以後の75万円控除とでは,適用年及び追加要件が異なる。

第6 届出と導入時期

令和9年分から適用を受けるためには,原則として令和9年1月1日から該当要件を満たす運用を開始する必要がある。
届出書の種類及び提出期限は,優良な電子帳簿とデジタルシームレス保存とで異なるため,国税庁の最新の届出書案内を確認する必要がある。
既に優良な電子帳簿による65万円控除等の届出をしている者については,再提出を要しない場合がある。

第7 JIIMA認証の意味

JIIMA認証情報リストに掲載されたソフトは,認証区分に応じた機能要件を満たしている。
しかし,認証は,利用者側の保存期間,入力時期,対象帳簿及び対象データの範囲,検索可能性,届出並びに日々の運用まで当然に充足することを保証するものではない。
ソフト選定と自社の運用設計を分けて確認すべきである。

第8 導入前チェック

導入前には,①利用する制度,②対象税目・対象帳簿・対象データ,③年初から要件を満たせるか,④訂正削除履歴及びデータ連携が機能するか,⑤届出書と提出期限,⑥保存データから原取引・仕訳・申告数値を追跡できるかを確認する必要がある。
電子帳簿保存制度の基礎は「国税実務の基礎-税務調査,予定納税,納付方法及び電子帳簿保存(AIリライト)」,e-Taxとの関係は「e-Taxの利用方法-WEB版・電子納税・令和9年改正(AI作成)」を参照されたい。

第9 出典・参考資料

①電子帳簿保存法(e-Gov法令検索)
②国税庁「電子帳簿等保存制度を活用して、デジタル化をさらに進めてみませんか?」
③国税庁「優良な電子帳簿の要件」
④国税庁「JIIMA認証情報リスト」
⑤国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
⑥国税庁「電子取引の取引情報に係る電磁的記録に係る重加算税の加重措置の不適用の特例及び75万円の青色申告特別控除の適用を受ける旨の届出書」
⑦財務省「令和8年度税制改正の大綱」