メインコンテンツへスキップ
       

「技術・人文知識・国際業務」と「特定技能」の違い――上陸許可基準の分岐点を条文で確認する(AI作成)

第1 この記事が扱う対象

1 検討の対象と時点

「技術・人文知識・国際業務」と「特定技能」は,いずれも出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)別表第一の二に定める就労系の在留資格であり,外国人材の採用を検討する企業から,どちらの在留資格が自社の採用予定者に当てはまるのかという相談を受けることが少なくない。本記事は,令和8年8月22日現在で確認できる入管法及び関係省令の条文,出入国在留管理庁が公表する審査基準,並びに国会会議録に基づき,両在留資格を分ける主要な論点を条文レベルで比較整理するものである。各在留資格の上陸許可基準の細目や専攻・業務関連性の審査実務そのものについては,「技術・人文知識・国際業務」の在留資格――上陸許可基準と専攻・業務関連性の審査実務で個別に扱っているため,本記事では両者の相違点に絞って整理する。

出入国在留管理庁が作成した内部の審査基準である「入国・在留審査要領」(令和8年4月開示文書)第12編第2章第15節及び第18節の3は,本記事が扱う両在留資格の審査実務を最も詳細に記載した一次資料である。当該文書は,出入国在留管理庁作成の「入国・在留審査要領」(令和8年4月の開示文書)で全編を掲載しているので,個別の条文や運用の詳細を原文で確認したい場合はそちらを参照されたい。

2 この記事の位置付け

以下では,まず両在留資格の制度上の位置付けの違いを概観し(第2),次に実務上の分岐点を,学歴と試験のいずれで専門性を証明するか(第3),対象分野が限定されているか否か(第4),在留期間の上限(第5),家族帯同の可否(第6),受入れ機関に課される支援体制(第7)の順に確認する。さらに,技能実習・育成就労制度との接続関係(第8)及び特定技能から技術・人文知識・国際業務への移行が制度上想定されていないという実務上の留意点(第9)を扱った上で,直近の制度改正の動向(第10)を紹介する。個々の事案でいずれの在留資格に該当するかの当てはめは,本記事の対象としない。

第2 二つの在留資格の位置付けの違い

1 「技術・人文知識・国際業務」の制度の骨格

入管法別表第一の二の「技術・人文知識・国際業務」の項の下欄は,本邦において行うことができる活動を「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」と定めている。上陸許可基準は,出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(以下「上陸基準省令」という。)の「技術・人文知識・国際業務」の項に定められており,大学卒業等の学歴又は10年以上の実務経験を要件とする。対象となる業種や契約機関の規模に法令上の制限はなく,専攻内容と従事する業務との関連性が認められる限り,幅広い職種で利用できる制度である。

2 「特定技能」の制度の骨格――特定産業分野への限定

これに対し,入管法別表第一の二の「特定技能」の項の下欄は,1号を「法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用に関する契約…に基づいて行う特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるものをいう。)…に属する法務省令で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動」と定めている。特定技能は,法務大臣が指定する特定産業分野に属する業務にしか利用できない点で,業種を問わない技術・人文知識・国際業務とは制度設計が根本的に異なる。

特定産業分野は,「出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令」(平成31年法務省令第6号)で個別に指定される。令和8年4月1日施行の同省令は,介護,ビルクリーニング,リネンサプライ,工業製品製造業,建設,造船・舶用工業,自動車整備,航空,宿泊,自動車運送業,鉄道,物流倉庫,農業,漁業,飲食料品製造業,外食業,林業,木材産業,資源循環の19分野を列挙している。もっとも,出入国在留管理庁が公表する分野別運用方針の一覧によれば,このうち物流倉庫及び資源循環の2分野は「省令等の準備が整い次第受入れが可能」とされており,令和8年8月22日現在では制度上決定済みだが運用が開始されていない分野を含む。特定産業分野は,令和5年6月9日の閣議決定による対象拡大,令和6年3月29日の閣議決定による自動車運送業,鉄道,林業,木材産業の追加(このとき分野数は12から16に拡大したとされる)等を経て段階的に拡大してきた経緯があり,分野の区分そのものが再編されている場合もあるため,記事執筆時点の正確な分野数は,出入国在留管理庁が公表する最新の分野別運用方針で確認する必要がある。

3 特定技能1号と2号の違い

特定技能は,さらに1号と2号に区分される。同じ条文構造で,2号は「熟練した技能を要する業務に従事する活動」と定められており,1号の「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」よりも高い技能水準が求められる。出入国在留管理庁の審査要領は,2号が求める「熟練した技能」について,「長年の実務経験等により身につけた熟達した技能をいい,自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行できる,又は監督者として業務を統括しつつ,熟練した技能で業務を遂行できる水準のものをいうこととされている」とした上で,これを「在留資格『技術・人文知識・国際業務』等の専門的・技術的分野の在留資格を有する外国人と同等以上の技能水準」と位置付けている。もっとも,2号が利用できる分野は1号よりも狭い。「出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令」は,2号の対象を「第二号,第四号から第九号まで又は第十三号から第十六号まで」に限定しており,これは番号順に,ビルクリーニング,工業製品製造業,建設,造船・舶用工業,自動車整備,航空,宿泊,農業,漁業,飲食料品製造業,外食業の11分野に当たる。介護,リネンサプライ,自動車運送業,鉄道,物流倉庫,林業,木材産業,資源循環の8分野は,令和8年8月22日現在,条文上2号の対象に含まれていない。1号と2号の実務上の相違点は,第3から第7までの各論点で個別に扱う。

第3 学歴による証明か,試験による証明か

読者が最も知りたいのは,専門性の証明方法という制度設計の根本的な違いである。この違いの根拠は,上陸基準省令の各項の文言そのものにある。技術・人文知識・国際業務の上陸基準省令第1号は,自然科学又は人文科学の分野に属する業務に従事する場合の要件として,「イ 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し,又はこれと同等以上の教育を受けたこと」,「ロ …本邦の専修学校の専門課程又は専攻科を修了…したこと」,「ハ 十年以上の実務経験…を有すること」のいずれかへの該当を求めている。学歴又は長期の実務経験によって専門性を推定する制度である。

これに対し,特定技能1号の上陸基準省令は,「従事しようとする業務に必要な相当程度の知識又は経験を必要とする技能を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること」を要件とし,特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令が定める技能試験への合格(又は技能実習2号を良好に修了した場合の試験免除)によって技能水準を証明する仕組みを採る。特定技能2号の上陸基準省令は,同様に「熟練した技能を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること」を要件とするが,1号と異なり技能実習の修了による試験免除の規定を置いていない。すなわち,技術・人文知識・国際業務は学歴を,特定技能は試験を,それぞれ専門性・技能の証明手段として制度の中核に据えている。学歴を有しないが実務上の技能を持つ人材を受け入れる制度として特定技能が設計されている一方,学歴を有する人材の受入れには技術・人文知識・国際業務が対応するという役割分担が,条文の要件構造そのものに表れている。

日本語能力についても両者は異なる扱いをする。技術・人文知識・国際業務の上陸基準省令には日本語能力に関する要件がない。これに対し,特定技能1号の上陸基準省令は「本邦での生活に必要な日本語能力及び従事しようとする業務に必要な日本語能力を有していることが試験その他の評価方法により証明されていること」を要件としており(技能実習2号を良好に修了した場合は原則として試験を免除するが,介護分野の介護日本語評価試験,並びに自動車運送業分野のタクシー・バス運転者及び鉄道分野の運輸係員が必要とする日本語能力試験N3相当の証明は,この免除の対象外とされている),特定技能2号の上陸基準省令には日本語能力に関する要件が置かれていない。

第4 対象分野が限定されているか否か

第2で述べたとおり,技術・人文知識・国際業務には業種の限定がなく,特定技能は法務大臣が指定する特定産業分野に限定される。この違いは,実務上どのような場面で問題になるか。技術・人文知識・国際業務は,専攻内容と従事する業務との関連性が審査される代わりに,業種自体は問わない。これに対し,特定技能は,専攻内容の審査に代えて分野該当性の審査を行う。出入国在留管理庁の審査要領によれば,特定技能外国人が従事する業務が特定産業分野に該当するかどうかは,分野ごとに設置される協議会への加入の有無で判断するのが基本的な取扱いであり(工業製品製造業分野及び建設分野は,所管大臣の登録を受けた法人への加入で判断する),分野該当性の審査基準そのものは審査要領の総論部分ではなく,分野ごとに公表される分野別運用方針及び分野別運用要領という別建ての文書群に定められている。したがって,ある業務が特定技能の対象になるかを検討する際は,入管法別表や上陸基準省令だけでなく,当該分野の運用方針・運用要領を個別に確認する必要がある。

もう一つの重要な相違点は,雇用形態への制約である。特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令は,特定技能外国人の所定労働時間について,特定技能所属機関に雇用される通常の労働者と同等であることを求めており,出入国在留管理庁が公表する基本方針は,特定技能外国人の雇用形態を原則としてフルタイムの直接雇用とし,労働者派遣の形態を認めるのは農業分野及び漁業分野に限っている。技術・人文知識・国際業務の上陸基準省令には,このような雇用形態そのものへの制約は置かれていない。

第5 在留期間の上限と通算の考え方

在留期間の運用にも明確な違いがある。技術・人文知識・国際業務は,5年,3年,1年又は3月のいずれかの在留期間が決定される制度であるが,更新回数そのものに上限はなく,上陸許可基準を満たし続ける限り,更新を重ねて在留を継続することができる。

これに対し,特定技能1号の上陸基準省令は,「特定技能(法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に係るものに限る。)の在留資格をもつて本邦に在留したことがある者にあつては,当該在留資格をもつて在留した期間(妊娠,出産,育児その他のやむを得ない事情により業務に従事することができなかつた期間を除く。)が通算して五年(当該在留資格をもつて五年を超えて在留することについて相当の理由がある場合にあつては,六年)に達していないこと」を要件としており,通算在留期間に明確な上限がある。出入国在留管理庁の審査要領によれば,令和7年9月30日以降は,特定技能2号への移行に必要な試験で合格基準点の8割以上を得点した者等一定の要件を満たす場合,「五年を超えて在留することについて相当の理由がある場合」に該当するものとして通算6年までの在留が認められる取扱いが新設されているが,この延長要件を満たさない限り,1号での在留は通算5年で終了する。特定技能2号の上陸基準省令には,この通算在留期間の上限に相当する規定がなく,1号と異なり在留を継続する制度上の期間制限がない。

第6 家族帯同の可否

家族帯同の可否は,条文上,別表そのものではなく,入管法別表第一の四「家族滞在」の項の下欄に定められている。同項下欄は,家族滞在の在留資格で行うことができる活動を,「一の表,二の表又は三の表の上欄の在留資格(外交,公用,特定技能(二の表の特定技能の項の下欄第一号に係るものに限る。),技能実習及び短期滞在を除く。)をもつて在留する者又はこの表の留学の在留資格をもつて在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動」と定めている。この括弧書きが明示的に除外しているのは「特定技能(二の表の特定技能の項の下欄第一号に係るものに限る。)」,すなわち特定技能1号だけである。技術・人文知識・国際業務及び特定技能2号は,この除外規定の対象になっていない。

したがって,条文上,技術・人文知識・国際業務の在留資格者は,従来どおり配偶者・子を家族滞在の在留資格で呼び寄せることができ,特定技能2号の在留資格者も同様に家族帯同が可能である。これに対し,特定技能1号の在留資格者は,家族滞在の対象から明示的に除外されており,配偶者・子を家族滞在の在留資格で呼び寄せることができない。この違いは,特定技能1号が通算5年という期間限定の受入れであるのに対し,2号が期間の上限を設けない長期的な受入れを予定していることと対応していると考えられる。

第7 受入れ機関に課される支援体制の違い

特定技能に特有の制度として,1号特定技能外国人支援計画がある。入管法第2条の5第6項は,特定技能1号の活動を行おうとする外国人と契約を締結しようとする受入れ機関に対し,当該外国人が活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上,日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)の作成を義務付けている。特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令第3条は,支援計画に記載すべき支援の内容として,事前ガイダンス,出入国の際の送迎,住居確保及び生活に必要な契約に係る支援,生活オリエンテーション,公的手続への同行等の支援,日本語学習の機会の提供,相談又は苦情への対応,日本人との交流の促進,責めに帰すべき事由によらない解除の場合の転職支援,定期的な面談の実施及び労働法令違反等の行政機関への通報の10項目を掲げている。受入れ機関は,これらの支援の全部を,出入国在留管理庁長官の登録を受けた登録支援機関に委託することもできる(同条第5項)。

これに対し,入管法第2条の5第3項は,特定技能雇用契約の相手方となる機関の基準として,適正な特定技能雇用契約の履行(1号)と1号特定技能外国人支援計画の適正な実施(2号)の2つを掲げているが,上陸基準省令の特定技能2号の項は,この基準への適合を求める際に「同条第三項(第二号を除く。)」という限定を付している。すなわち,2号については支援計画の適正な実施という要件そのものが適用除外とされており,受入れ機関に支援計画の作成・実施は求められない。技術・人文知識・国際業務には,そもそもこうした支援計画の制度自体が存在しない。特定技能1号だけが,受入れ機関に対して法定の支援体制を義務付けている点は,採用担当者が実務上最も負担として意識すべき違いである。

第8 技能実習・育成就労との接続関係

特定技能は,技能実習制度との接続を制度上組み込んでいる。上陸基準省令は,技能実習2号を良好に修了した者について,特定技能1号の技能水準・日本語能力水準の証明を試験によらずに行うことを認めている。もっとも,この接続が常に円滑に機能するとは限らない。鹿児島地方裁判所令和8年3月3日判決(令和5年(ワ)第699号,損害賠償請求事件)は,技能実習2号を修了した外国人が特定技能1号への在留資格変更及び就労先変更を計画していたところ,監理団体及びその職員が,海外の送出機関から受けた誤った説明を鵜呑みにして,本国への一時帰国が必要であるとの誤った指導を行い,移行を断念させたことにより,約4か月間就労できなかったとして,監理団体に対する不法行為(民法719条1項)に基づく損害賠償請求を認容した事案である。同判決は,監理団体の注意義務違反と因果関係を認め,逸失利益相当額の全額(77万5028円)の支払を命じた。技能実習から特定技能への移行を巡っては,受入れ側の説明・指導が不正確であったために生じる紛争もあり得ることを示す事例である。

技能実習制度自体は,令和6年法律第60号(外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律)により,育成就労制度に置き換えられることが決まっている。同法の公布は令和6年6月21日,施行は公布の日から起算して3年以内の政令で定める日とされ,現時点では令和9年(2027年)4月1日が想定されている。出入国在留管理庁が公表する制度概要によれば,育成就労は「育成就労産業分野」において3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成する制度であり,育成就労(3年)から特定技能1号(通算5年)を経て特定技能2号(期間の上限なし)へ移行するという段階的な制度設計が想定されている。育成就労産業分野は,特定技能制度の受入れ対象分野と原則一致させる方針とされているが,国内での育成になじまない分野は対象外とする方針も示されている。技術・人文知識・国際業務は,この技能実習・育成就労・特定技能という一連の制度体系の外側に位置する在留資格である。

第9 特定技能から技術・人文知識・国際業務への移行が想定されていないこと

技能実習から特定技能への接続が制度上組み込まれているのとは対照的に,特定技能から技術・人文知識・国際業務への移行は,出入国在留管理庁の審査要領上,想定されていない。同庁の審査要領は,技術・人文知識・国際業務の上陸基準省令が求める実務経験の考え方について,特定技能で得た就労経験をこの実務経験として評価するかを取り上げ,「特定技能制度で受け入れられた外国人のキャリアアップは,基本的には,『特定技能1号』から『特定技能2号』への移行によつて行うこととされており,同制度での実務経験を土台にして,『特定技能1号』から『技術・人文知識・国際業務』の在留資格に変更してキャリアアップを図ることは想定されていない」とした上で,「特定技能等の活動によつて得た経験は上陸基準省令に定める『実務経験』とは評価しない」との考え方を示している。特定技能で就労した期間があっても,これを実務経験として通算した上で技術・人文知識・国際業務への在留資格変更を申請することは,原則として想定されていない。特定技能の在留期間中に大学等を卒業する等,技術・人文知識・国際業務の学歴要件を別途満たす場合は別論であるが,特定技能での就労経験のみを理由とする移行は,制度上の想定に含まれていない点に留意する必要がある。

第10 制度改正の最新動向

両在留資格とも,直近で審査基準の重要な改定があった。技術・人文知識・国際業務については,出入国在留管理庁が令和8年4月15日付けで,「翻訳・通訳業務等の言語能力を用いる対人業務に従事する場合の在留資格の明確化について」と題する基準を新設し,通訳・翻訳やホテルフロント業務等の言語能力を用いる対人業務に主に従事する場合,CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)B2相当の言語能力(日本語能力試験N2以上等)を証する資料の提出が新たに必要になった。特定技能については,令和8年1月23日の関係閣僚会議及び閣議で,リネンサプライ,物流倉庫,資源循環の3分野を追加する分野別運用方針が決定されており,省令改正等の準備が整い次第,これらの分野での受入れが始まる見込みである。また,令和5年6月9日の閣議決定により特定技能2号の対象分野が建設・造船舶用工業の2分野から現行の11分野に拡大し,令和6年3月29日の閣議決定により自動車運送業,鉄道,林業,木材産業の4分野が特定産業分野に追加されるなど,特定技能は制度創設から現在まで対象分野の拡大が続いている。いずれの在留資格も,出入国在留管理庁が公表する審査基準・分野別運用方針の改定が頻繁に行われているため,個別の案件を検討する際は,本記事執筆時点の情報を鵜呑みにせず,同庁の最新の公表資料を確認する必要がある。

出典・参考資料

1 法令・省令

出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)別表第一の二,別表第一の四,2条の3,2条の4,2条の5,7条(e-Gov法令検索)
出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(平成2年法務省令第16号)「技術・人文知識・国際業務」及び「特定技能」の項(e-Gov法令検索)
出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄に規定する産業上の分野等を定める省令(平成31年法務省令第6号)(e-Gov法令検索)
特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(平成31年法務省令第5号)1条,3条(e-Gov法令検索)

2 裁判例

鹿児島地方裁判所令和8年3月3日判決(令和5年(ワ)第699号,損害賠償請求事件,裁判所ウェブサイト)

3 公的資料

在留資格「特定技能」について(出入国在留管理庁)
特定技能2号の対象分野の追加について(令和5年6月9日閣議決定)(出入国在留管理庁)
特定技能の受入れ見込数の再設定及び対象分野等の追加について(令和6年3月29日閣議決定)(出入国在留管理庁)
特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する基本方針及び育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する基本方針について(令和7年3月11日閣議決定)/分野別運用方針(令和8年1月23日閣議決定)(出入国在留管理庁)
育成就労制度の概要(出入国在留管理庁)
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について(出入国在留管理庁,令和8年4月15日最終改定)
第197回国会衆議院本会議第5号(平成30年11月13日)山下貴司法務大臣趣旨説明(国立国会図書館国会会議録検索システム)
第197回国会衆議院法務委員会第2号(平成30年11月13日)和田雅樹法務省入国管理局長答弁(国立国会図書館国会会議録検索システム)
⑨出入国在留管理庁「入国・在留審査要領」(令和8年4月開示文書)第12編第2章第15節及び第18節の3(山中弁護士ブログ掲載版