第1 この記事の対象
この記事は,東京国税局の「考査課情報」と「情報公開事務整理簿」について,令和8年9月7日現在で確認できた公開資料を年度別に整理するものである。
考査課情報は職員向けの不祥事防止その他の注意喚起資料であり,情報公開事務整理簿は開示請求の受付及び処理の経過を記録した行政文書であるため,両者は性質が異なる。
考査課情報については令和2年分から令和7年分までを,情報公開事務整理簿については平成24年度分,平成30年度分及び令和元年度分から令和7年度分までを掲載する。
平成25年度分から平成29年度分までの情報公開事務整理簿及び令和8年分の考査課情報は確認できなかったが,これは文書が存在しないことを意味しない。
第2 東京国税局考査課の所掌と考査課情報
1 考査課の所掌
財務省組織規則453条は,東京国税局総務部に考査課を置くものとしている。
同規則456条3号及び4号並びに457条によれば,考査課は,国税局所属職員についての職務上必要な身分上の調査並びに表彰及び儀式を所掌する。
2 考査課情報の性質と保存期間
掲載資料の上欄では,考査課情報は「情報通信類」とされている。
国税庁標準文書保存期間基準は,情報通信その他これらに類するものを暦年で管理し,保存期間を3年としている。
したがって,本記事の年別表示は各資料に記載された年分に従う。
ただし,本記事が保有しているPDFの範囲を示すものであり,その年に作成された考査課情報をすべて収録していると断定するものではない。
第3 考査課情報の年度別資料
1 令和2年分から令和7年分まで
①令和2年分(13頁)
②令和3年分(21頁)
③令和4年分(7頁)
④令和5年分(23頁)
⑤令和6年分(34頁)
⑥令和7年分(13頁)
令和7年分は,令和7年1月の第1号から同年12月の第12号までを収録している。
令和7年4月の第6号は,OB税理士との会合に関する注意点を改めて説明し,令和6年7月の第8号も参照するよう求めている。
2 OB税理士との会合に関する個別資料
①令和元年6月・第128号「OB税理士との会合の自粛等について」(4頁)
②令和3年7月・第145号「OB税理士との会合について」(5頁)
③令和5年6月・第164号「OB税理士との会合について【新ガイドライン】」(6頁)
④令和6年7月・第8号「OB税理士との会合について【新ガイドライン】」(10頁)
3 非行とスマートフォンに関する個別資料
令和5年5月・第163号「非行とスマホの関係性~スマホに潜む様々なリスク~」は,スマートフォンの利用に伴う情報漏えいその他の非行リスクを扱う10頁の資料である。
第4 OB税理士との会合に関する取扱いの変遷
1 各資料が示す変遷
| 時期 | 資料 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 令和元年6月 | 第128号 | OB税理士との会合の自粛及び個室での会合禁止等を周知した。 |
| 令和3年7月 | 第145号 | 一定規模の会合等について自粛を一部緩和したが,1対1の会合禁止等は維持した。 |
| 令和5年6月 | 第164号 | 令和5年7月3日から適用する新ガイドラインを示した。 |
| 令和6年7月 | 第8号 | 新ガイドラインを補足し,届出様式を改めた。 |
| 令和7年4月 | 第6号 | 会合時の重要なポイントを再度周知した。 |
2 令和7年分で再確認された主な取扱い
令和7年4月の第6号によれば,同一のOB税理士との私的な会合は,管理事務年度内に原則2回までである。
会合は職員2人以上で参加し,会費は参加者が均等に自己負担し,1人当たり1万円以内とすることなどが示されている。
事務所の個室で会合を行う場合も,職員2人以上で参加する必要がある。
また,事前の届出その他の具体的な手続については,同号が参照を求める令和6年7月の第8号及び所定の様式を確認する必要がある。
3 資料を読む際の留意点
これらは東京国税局の職員向け資料であり,一般の税理士又は納税者に対する法令上の義務を直接定めたものではない。
また,個別資料には適用除外及び細かな条件があるため,短い要約だけで具体的な会合の可否を判断せず,該当時期の原文を確認する必要がある。
第5 情報公開事務整理簿
1 情報公開事務整理簿の意味
情報公開事務整理簿は,行政文書の開示請求について,受付から決定までの事務処理を記録した文書である。
掲載資料では,受付番号,受付年月日,請求者,請求する行政文書の名称等,補正,開示決定等の内容,決定年月日及び担当課等の欄を確認できる。
整理簿の記載は,開示請求がされたこと及びその処理経過を示すものである。
請求対象文書の存在,記載内容又は開示範囲を整理簿の件名だけから確定できるとは限らない。
2 年度別の情報公開事務整理簿
①平成24年度分(62頁)
②平成30年度分(28頁)
③令和元年度分(30頁)
④令和2年度分(30頁)
⑤令和3年度分(29頁)
⑥令和4年度分(34頁)
⑦令和5年度分(32頁)
⑧令和6年度分(43頁)
⑨令和7年度分(44頁)
整理簿は受付年度ごとに整理されているため,年度末に受け付けた請求の決定年月日が翌年度になることがある。
このことだけを理由として年度の分類が誤っているとはいえない。
3 税務署分が付された年度
令和5年度分のPDFでは29頁から32頁までに,令和7年度分のPDFでは42頁から44頁までに,東京国税局管内の税務署分の整理簿が付されている。
東京国税局本局分だけを調べる場合は,PDF後半の所属欄にも注意する必要がある。
4 保存期間と公表資料の限界
国税庁標準文書保存期間基準は,開示決定等をしない情報公開関係書類の例として情報公開事務整理簿等を挙げ,保存期間を5年としている。
ただし,保存期間とウェブ上の掲載期間は同じ意味ではなく,本記事に年度間の空白があることから直ちに未作成又は廃棄と結論付けることはできない。
第6 行政文書開示請求の手続
1 開示請求と決定期限
行政機関の保有する情報の公開に関する法律3条により,何人も行政機関の長に対し,行政文書の開示を請求できる。
開示又は不開示の決定は,同法10条により原則として開示請求があった日から30日以内に行うこととされているが,補正に要した日数は算入されず,延長又は期限の特例が適用される場合がある。
2 請求方法と手数料
国税庁の情報公開案内及び開示請求等の手続は,開示請求書の提出先及び手続を案内している。
電子申請の案内によれば,開示請求手数料は,書面による請求では1件につき300円,オンライン申請では1件につき200円である。
第7 行政文書の取扱い及び研修資料
1 行政文書の取扱いに関する資料
①国税庁行政文書取扱規則(令和6年1月4日現在)
②東京国税局における行政文書の取扱いについて(令和5年6月30日最終改正)
これらはPDFに記載された基準日現在の資料である。
現行の行政文書管理については,国税庁行政文書管理規則及び最新の関係規程を別途確認する必要がある。
2 確定申告期の審理事務研修資料
令和5年12月開催の確定申告期における審理事務研修資料は400頁である。
同PDFでは,青色コーナーは2頁~40頁,所得税・消費税の誤りやすい事例集は50頁~128頁,消費税の審理上の留意点は129頁~182頁に収録されている。
該当部分の個別PDFは,①青色コーナーの運営における留意事項(39頁),②所得税・消費税 誤りやすい事例集(79頁)及び③消費税の審理上の留意点(54頁)である。
研修資料は作成時点の法令及び運用を前提とするため,現在の申告又は税務判断に利用するときは,改正の有無を確認する必要がある。
第8 関連資料
国税庁の通達の法的性質では,通達が行政組織内部の命令であり,国民を直接拘束する法規ではないことなどを説明している。
考査課情報その他の内部資料の位置付けを理解する際にも,法令,通達及び職員向け周知文書を区別する必要がある。
国税職員が引継ぎを受ける場合の留意事項も,東京国税局に関する内部資料を扱う関連記事である。
資料を分野別に探す場合は,行政文書・情報公開及び税務の各カテゴリーを参照されたい。
第9 出典
1 法令
①財務省組織規則
②行政機関の保有する情報の公開に関する法律
2 国税庁の公表資料
①情報公開
②開示請求等の手続
③オンラインによる開示請求等
④国税庁標準文書保存期間基準
⑤国税庁行政文書管理規則
3 本記事に掲載した東京国税局関係資料
第3,第5及び第7に掲げた各PDFによる。
各PDFの文書名,作成年月,頁数及び本文はリンク先の原資料で確認されたい。