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仮差押えとは―要件・手続の流れ・担保・効力・解放金・担保の取戻しの全体像(AIリライト)

第1 本記事の対象と結論

1 本記事の対象

本記事は,金銭債権の強制執行を保全するための仮差押えについて,要件,申立てから発令までの流れ,担保,効力,仮差押解放金,債務者の対抗手段及び担保の取戻しの全体像を説明するものである。
調査基準日は令和8年9月17日である。
条文はe-Gov法令検索の現行条文(民事保全法は令和8年5月21日施行の改正を反映したもの)で確認し,裁判例は裁判所ウェブサイト又は判例秘書で本文を確認したものだけを挙げている。

本記事は,令和8年9月17日に全面的に改訂し,論点ごとの詳しい説明を後記第10の個別記事に分けた。
本記事では各論点の結論と根拠を簡潔に示し,詳細は個別記事へのリンクで案内する。

2 結論

①仮差押命令は,金銭の支払を目的とする債権について,強制執行をすることができなくなるおそれ又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあるときに,債務者の特定の財産の処分を暫定的に禁止する裁判所の決定である(民事保全法20条1項,21条)。
②債権者は,被保全債権と保全の必要性を疎明し(同法13条),通常は担保を立てた上で発令を受ける(同法14条1項)。
③担保の額は,実務上,仮差押えの目的物の価格を基準として,被保全債権の種類,目的物の種類及び疎明の程度に応じて定められる。
④仮差押えは処分を禁止するにとどまり,換価や取立てによる回収はできず,優先弁済権も生じない。
⑤仮差押えは,現行民法では時効の完成猶予事由であり(民法149条1号),債務者について破産手続開始の決定があると,破産財団に対してその効力を失う(破産法42条2項)。
⑥債務者が仮差押解放金を供託すると,保全執行裁判所は仮差押えの執行を取り消さなければならない(民事保全法51条1項)。
⑦債務者は,保全異議,起訴命令による保全取消し及び事情変更による保全取消しで争うことができ,これらの裁判に対する保全抗告の期間は送達を受けた日から2週間である(同法26条,37条,38条,41条1項)。
⑧債権者が立てた担保は,担保の事由の消滅,担保権利者の同意,権利行使催告による担保取消し(同法4条2項,民事訴訟法79条)又は担保の簡易の取戻し(民事保全規則17条)によって取り戻す。

第2 仮差押えの意義と要件

1 仮差押えの意義

民事保全法1条は,民事訴訟の本案の権利の実現を保全するための仮差押え,係争物に関する仮処分及び仮の地位を定める仮処分を「民事保全」と総称している。
このうち仮差押えは,金銭債権について,判決を得るまでの間に債務者が財産を処分してしまい,強制執行ができなくなることを防ぐための手続である。

仮差押命令は,特定の物について発しなければならない(民事保全法21条本文)。
ただし,動産の仮差押命令は,目的物を特定しないで発することができる(同条ただし書)。
対象となる主な財産は,不動産,預金債権・給料債権・売掛金債権その他の債権,動産等である。

2 被保全債権と保全の必要性

(1) 被保全債権

仮差押えで保全される権利は,金銭の支払を目的とする債権である(民事保全法20条1項)。
その債権が条件付又は期限付であっても,仮差押命令を発することができる(同条2項)。

(2) 保全の必要性と疎明

保全の必要性は,強制執行をすることができなくなるおそれ又は強制執行をするのに著しい困難を生ずるおそれがあることである(民事保全法20条1項)。
保全命令の申立ては,その趣旨並びに保全すべき権利及び保全の必要性を明らかにしてしなければならず,これらは疎明しなければならない(同法13条)。
申立書の理由には,保全すべき権利及び保全の必要性を具体的に記載し,立証を要する事由ごとに証拠を記載しなければならない(民事保全規則13条2項)。

債権者が既に確定判決等の債務名義を有している場合は,原則として保全の必要性(権利保護の必要性)が否定されるが,速やかに強制執行ができない特別の事情がある場合には認められる余地がある(東京高等裁判所平成24年11月29日決定・判例タイムズ1386号349頁)。
詳しくは債務名義があっても仮差押えはできるか―保全の必要性と東京高裁平成24年11月29日決定で説明している。

3 管轄裁判所

保全命令事件は,本案の管轄裁判所又は仮に差し押さえるべき物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する(民事保全法12条1項)。
本案の管轄裁判所は第一審裁判所であるから(同条3項本文),本案が簡易裁判所の事物管轄に属する場合には,簡易裁判所にも申し立てることができる。
仮に差し押さえるべき物が債権であるときは,その債権は第三債務者の普通裁判籍の所在地にあるものとされる(同条4項本文)。

第3 申立てから発令・執行までの流れ

1 申立てから発令まで

(1) 大阪地方裁判所の場合

大阪地方裁判所では,保全事件は原則として第1民事部(保全部)が担当する。
同部の案内(令和8年9月17日確認)によれば,債権者面接は原則として全件で実施され,申立ての翌日に行われることが多く,代理人弁護士が申し立てた事件ではウェブ会議による債権者面接も実施されている。
担保決定の後,供託書正本等の担保を立てたことの証明書が午後4時までに提出されたときは,原則として同日中に保全命令が発令される。

申立てから発令までの詳しい流れは,大阪地裁で仮差押命令を得るまでの流れ―申立て,債権者面接,担保提供及び午後4時の発令で説明している。

(2) 却下と即時抗告

保全命令の申立てを却下する裁判に対しては,債権者は,告知を受けた日から2週間の不変期間内に即時抗告をすることができる(民事保全法19条1項)。
この即時抗告を却下する裁判に対しては,更に抗告をすることができない(同条2項)。

(3) 電子申立ての現状

民事保全法には最高裁判所の定める裁判所に対する電子情報処理組織による申立ての規定がある(同法6条の3)。
もっとも,東京地方裁判所民事第9部の案内(令和8年9月17日確認)では,保全事件の担保取消し等の手続は令和8年5月21日から始まった民事訴訟の全面電子化の対象外とされ,書面で提出することとされている。

2 執行と効力の発生

(1) 不動産と債権

不動産に対する仮差押えの執行は,仮差押えの登記をする方法又は強制管理の方法により行い,仮差押えの登記は裁判所書記官が嘱託する(民事保全法47条1項・3項)。
債権に対する仮差押えの執行は,保全執行裁判所が第三債務者に対し債務者への弁済を禁止する命令を発する方法により行い(同法50条1項),その効力は仮差押命令が第三債務者に送達された時に生ずる(同条5項,民事執行法145条5項)。

(2) 陳述の催告

債権者の申立てがあるときは,裁判所書記官は,仮差押命令を送達するに際し,第三債務者に対し,送達の日から2週間以内に債権の存否等について陳述すべき旨を催告する(民事保全法50条5項,民事執行法147条1項)。
通常は申立ての際に陳述催告も併せて申し立てるから,発令から2週間程度で仮差押えが奏功したかどうかがおおむね判明する。

(3) 保全執行期間

保全執行は,債権者に対して保全命令が送達された日から2週間を経過したときは,することができない(民事保全法43条2項)。
保全執行は,保全命令が債務者に送達される前であってもすることができる(同条3項)。

預金債権・給料債権の仮差押えに特有の問題(取扱店舗の特定,差押禁止の範囲等)は,預金・給料の仮差押え―取扱店舗の特定,差押禁止の範囲及び陳述催告で説明している。
電子記録債権の仮差押えは,電子記録債権(でんさい)の仮差押え―債権の特定,送達及び決済停止の実務で説明している。

3 事件記録の閲覧

保全命令に関する手続の記録は,利害関係を有する者が閲覧・謄写等を請求することができる(民事保全法5条本文)。
ただし,債権者以外の者は,口頭弁論若しくは債務者を呼び出す審尋の期日の指定があり,又は債務者に対する保全命令の送達があるまでの間は,閲覧等をすることができない(同条ただし書)。

第4 担保

1 担保の趣旨と額

保全命令は,担保を立てさせて,若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として,又は担保を立てさせないで発することができる(民事保全法14条1項)。
担保は,違法・不当な仮差押えによって債務者が被る損害を担保するためのものである。

司法研修所編『民事弁護教材 改訂 民事保全(補正版)』(日本弁護士連合会,平成25年3月1日発行)26頁~27頁によれば,担保の額は仮差押目的物の価格に応じて定められるのが一般的であり,被保全債権額が目的物の価格より高い場合も,目的物の価格が基準となる。
担保基準を公表した裁判所はないが,同書28頁によれば,一般に知られている一応の基準として,貸金・賃料・売買代金等を被保全債権とする場合,目的物の価格に対し,不動産で10~25%,預金・給料で10~30%程度とされている。
もっとも,給料の仮差押えは被保全権利を問わず30%以上,預金の仮差押えは20%以上(交通事故の損害賠償請求権の場合は15%程度)とすべきとする実務書の見解もある(岡口基一『民事保全・非訟マニュアル―書式のポイントと実務』(ぎょうせい,2019年)54頁)。

2 担保の立て方

担保は,法務局(供託所)に金銭又は裁判所が相当と認める有価証券を供託する方法のほか,裁判所の許可を得て,銀行等との間で支払保証委託契約を締結する方法でも立てることができる(民事保全法4条1項,民事保全規則2条)。

担保額の考え方と立て方は,仮差押えの担保金はいくらか―目的物の価格を基準とする算定方法,担保基準表及び立て方で説明している。

3 担保の取戻し

債権者が立てた担保を取り戻す方法は,次のとおりである。
①担保の事由が消滅したことを証明して担保取消決定を得る(民事保全法4条2項,民事訴訟法79条1項)
②担保権利者(債務者)の同意を得たことを証明して担保取消決定を得る(民事訴訟法79条2項)
③訴訟の完結後に権利行使催告をし,権利行使がないことによる同意の擬制で担保取消決定を得る(同条3項)
④登記・送達ができなかった場合その他債務者に損害が生じないことが明らかな場合で,保全執行期間の経過又は申立ての取下げがあったときに,担保の簡易の取戻しの許可を得る(民事保全規則17条1項)

東京地方裁判所民事第9部の案内(令和8年9月17日確認)では,①は約1か月,②は約1週間,③は約2か月が目安とされている。
③の権利行使の催告期間は,東京地方裁判所の取扱いでは,催告書の送達を受けた日から14日とされ,さらに権利行使の証明書の提出期間として5日が加えられている(前記岡口377頁)。
債権の仮差押えで第三債務者の陳述書に債権が存在しない旨の記載があっても,担保の簡易の取戻しは認められない運用である(前記教材114頁)。
詳しくは仮差押えの担保(供託金)を取り戻す方法―担保取消しの3類型,簡易の取戻し及び所要期間で説明している。

4 不当な仮差押えによる損害賠償

保全命令が異議若しくは上訴手続において取り消され,又は本案訴訟で債権者の敗訴判決が確定した場合には,他に特段の事情のない限り,申立人に過失があったものと推認するのが相当であるとされている(最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日判決(昭和43年(オ)第260号,民集22巻13号3428頁),仮処分の事案)。
債務者は,損害賠償請求権の存在を確認する確定判決等を得て,担保から支払を受けることができる。
詳しくは不当な仮差押えによる損害賠償―過失の推認と担保(供託金)からの回収で説明している。

第5 仮差押えの効力と限界

1 処分禁止の効力

(1) 債務者の処分の制限

仮差押えがされると,債務者は目的物を処分しても,その処分を仮差押債権者に対抗することができない。
最高裁判所第三小法廷令和3年1月12日判決(令和元年(受)第1166号,集民265号1頁)は,債権の仮差押えを受けた仮差押債務者は当該債権の処分を禁止されるから,その後に第三債務者との間で当該債権の金額を確認する旨の示談をしても,仮差押債務者及び第三債務者は,仮差押債権者を害する限度において,当該示談をもって仮差押債権者に対抗することができないと判示している。

(2) 法定地上権

最高裁判所第一小法廷平成28年12月1日判決(平成27年(受)第477号,民集70巻8号1793頁)は,地上建物に仮差押えがされ,その後当該仮差押えが本執行に移行してされた強制競売手続における売却により買受人が建物の所有権を取得した場合において,土地及び地上建物が当該仮差押えの時点で同一の所有者に属していたときは,その後に土地が第三者に譲渡された結果,差押えの時点では同一の所有者に属していなかったとしても,法定地上権が成立すると判断した。

2 仮差押えではできないこと

仮差押えは処分を禁止するにとどまるから,仮差押えだけで不動産を換価したり,預金を取り立てたりすることはできない。
仮差押えは担保権の設定ではなく,仮差押債権者は優先弁済権を取得しない。
回収するには,本案訴訟で債務名義を得て本執行に移行する必要がある。

そのため,仮差押えの実務上の意味は,債務者の財産の散逸を防いで判決後の強制執行の実効性を確保することと,債務者に早期の和解を促すことにある。

3 時効の完成猶予

令和2年4月1日施行の改正民法の下では,仮差押えは時効の完成猶予事由であり,その事由が終了した時から6か月を経過するまでの間は,時効は完成しない(民法149条1号)。
仮差押えだけで時効が更新されるわけではないから,時効の更新を得るには本案訴訟を提起して確定判決等を得る必要がある(民法147条)。
同日前に仮差押えがされた場合は,なお改正前の「時効の中断」の規定による(平成29年法律第44号附則10条2項)。

改正前の民法の下では,仮差押えによる時効中断の効力は,仮差押えの執行保全の効力が存続する間は継続し,本案の勝訴判決が確定しても消滅しないとされていた(最高裁判所第三小法廷平成10年11月24日判決(平成7年(オ)第1413号,民集52巻8号1737頁))。
改正法の「その事由が終了した時」について,立案担当者は,法制審議会民法(債権関係)部会第79回会議(平成25年10月29日)において,従来の判例法理における終了時点と同じ時点を指すと説明している(議事録24頁)。
ただし,改正後の民法149条について同じ判断をした最高裁判例は,本記事の調査範囲では見当たらない。

4 破産手続開始による失効

債務者について破産手続開始の決定があると,破産財団に属する財産に対する破産債権に基づく仮差押えはすることができず,既にされている仮差押えは,破産財団に対してはその効力を失う(破産法42条1項・2項)。
これに対し,再生手続開始の決定や更生手続開始の決定があった場合,既にされている仮差押えは直ちに失効するのではなく中止し,再生計画認可の決定の確定又は更生計画認可の決定があったときに効力を失う(民事再生法39条1項・184条,会社更生法50条1項・208条)。

仮差押えと差押えの違い,時効及び破産の扱いは,仮差押えと差押えの違い―処分禁止の効力,時効の完成猶予及び破産手続開始による失効で説明している。

第6 仮差押解放金

1 解放金の意味と供託の効果

仮差押命令においては,仮差押えの執行の停止を得るため,又は既にした仮差押えの執行の取消しを得るために債務者が供託すべき金銭の額を定めなければならない(民事保全法22条1項)。
債務者がこの額に相当する金銭を供託したことを証明したときは,保全執行裁判所は,仮差押えの執行を取り消さなければならない(同法51条1項)。
取り消されるのは仮差押えの執行であり,仮差押命令そのものではない。

2 供託後の効力

解放金の供託により仮差押えの執行が取り消されても,仮差押えの執行保全の効力は,債務者が有する供託金取戻請求権の上に存続する(最高裁判所第三小法廷平成6年6月21日判決(平成2年(オ)第1211号,民集48巻4号1101頁))。
債権者は,本案で勝訴した後,この取戻請求権に対して強制執行をすることになる。

債権の仮差押えがされた場合に,第三債務者が仮差押えの対象となった金銭債権の額に相当する金銭を供託したときは,債務者が解放金を供託したものとみなされる(民事保全法50条3項)。

解放金の額の決まり方や取戻しの手続は,仮差押解放金とは―金額の決まり方,供託による執行の取消し及び債権者の回収方法で説明している。

第7 債務者の対抗手段と取下げ

1 保全異議・保全取消し・保全抗告

(1) 保全異議と保全取消し

保全命令に対しては,債務者は,その命令を発した裁判所に保全異議を申し立てることができる(民事保全法26条)。
また,債務者の申立てにより,裁判所は,債権者に対し,2週間以上の相当な期間内に本案の訴えを提起してその提起を証する書面を提出すべきことを命じなければならず,債権者がこれを提出しないときは,債務者の申立てにより保全命令は取り消される(同法37条1項~3項)。
被保全権利や保全の必要性が消滅するなど事情の変更があるときも,保全命令が取り消されることがある(同法38条1項)。
特別の事情による保全取消し(同法39条)は仮処分命令についての制度であり,仮差押命令には適用されない。

(2) 保全抗告

保全異議又は保全取消しの申立てについての裁判に対しては,その送達を受けた日から2週間の不変期間内に保全抗告をすることができる(民事保全法41条1項)。
保全抗告についての裁判に対しては,更に抗告をすることができない(同条3項)。
もっとも,高等裁判所がした保全抗告についての決定は許可抗告の対象となり(最高裁判所第一小法廷平成11年3月12日決定(平成10年(ク)第699号,民集53巻3号505頁)),憲法違反を理由とする特別抗告もでき,いずれも告知を受けた日から5日の不変期間内にしなければならない(民事訴訟法336条2項,337条6項)。

詳しくは仮差押えを受けた債務者の対抗手段―保全異議,起訴命令,事情変更による保全取消し及び保全抗告で説明している。

2 仮差押えの取下げ

保全命令の申立てを取り下げるには,保全異議又は保全取消しの申立てがあった後においても,債務者の同意を得ることを要しない(民事保全法18条)。
取下げは,口頭弁論又は審尋の期日においてする場合を除き,書面でしなければならない(民事保全規則4条1項)。

詳しくは仮差押えの取下げ―債務者の同意の要否,書面での取下げ,執行の解放及び担保の取戻しで説明している。

第8 担保(供託金)の払渡しを受ける方法

担保取消決定等を得た後は,裁判所から供託原因消滅証明書の交付を受け,供託物払渡請求書に添付して供託所に取戻しを請求する(供託規則25条1項)。
供託金の払渡しを受ける方法には,預貯金振込み,国庫金振替,小切手の振出し及び隔地払がある(供託規則22条2項5号イ~ニ)。
小切手の振出しの方法による場合,供託官は,払渡しを認可した上で小切手を振り出して請求者に交付する(同規則28条4項)。

第9 関連する既存記事

①債権差押命令の申立てと取立て・配当の実務
②強制執行に対する債務者の対抗手段―執行抗告,請求異議の訴え,執行停止,差押禁止債権の範囲変更
③消滅時効に関するメモ書き――起算点,完成猶予・更新,経過措置
④電子記録債権(でんさい)の仮差押え―債権の特定,送達及び決済停止の実務
⑤交通事故の仮払い仮処分-要件,申立書,必要資料及び自賠責の仮渡金との違い
⑥振り込め詐欺救済法の「被害者からの権利行使の届出」―法定分配を止めて口座名義人訴訟・預金差押えに進む手続
⑦民事訴訟の和解案・和解条項案の作り方-確認・給付・清算・執行のチェックリスト
⑧地方裁判所の専門部及び集中部―意味と主要地裁の担当部
⑨不動産登記の主要判例・調査資料・関連記事一覧
⑩時効の完成猶予と更新の違い―旧法の中断・停止との対応関係と事由の一覧
⑪強制執行・財産開示手続と時効の完成猶予・更新―差押えの了知不要,申立ての取下げ及び配当要求

第10 論点ごとの個別記事

①仮差押えの担保金はいくらか―目的物の価格を基準とする算定方法,担保基準表及び立て方
②仮差押えの担保(供託金)を取り戻す方法―担保取消しの3類型,簡易の取戻し及び所要期間
③仮差押えと差押えの違い―処分禁止の効力,時効の完成猶予及び破産手続開始による失効
④仮差押解放金とは―金額の決まり方,供託による執行の取消し及び債権者の回収方法
⑤大阪地裁で仮差押命令を得るまでの流れ―申立て,債権者面接,担保提供及び午後4時の発令
⑥仮差押えを受けた債務者の対抗手段―保全異議,起訴命令,事情変更による保全取消し及び保全抗告
⑦不当な仮差押えによる損害賠償―過失の推認と担保(供託金)からの回収
⑧仮差押えの取下げ―債務者の同意の要否,書面での取下げ,執行の解放及び担保の取戻し
⑨債務名義があっても仮差押えはできるか―保全の必要性と東京高裁平成24年11月29日決定
⑩預金・給料の仮差押え―取扱店舗の特定,差押禁止の範囲及び陳述催告

第11 出典・参考資料

1 法令・裁判所規則

①民事保全法(e-Gov法令検索)1条,4条,5条,6条の3,12条~14条,18条~22条,26条,37条~39条,41条,43条,47条,50条,51条
②民事保全規則(裁判所)2条,4条,13条,17条
③民事訴訟法(e-Gov法令検索)79条
④民事執行法(e-Gov法令検索)145条,147条
⑤民法(e-Gov法令検索)147条,149条,平成29年法律第44号附則10条2項
⑥破産法(e-Gov法令検索)42条
⑦供託規則(e-Gov法令検索)22条,25条,28条
⑧民事再生法(e-Gov法令検索)39条,184条
⑨会社更生法(e-Gov法令検索)50条,208条
⑩民事訴訟法(e-Gov法令検索)336条,337条

2 裁判例

①最高裁判所第三小法廷昭和43年12月24日判決(昭和43年(オ)第260号,民集22巻13号3428頁)
②最高裁判所第三小法廷平成6年6月21日判決(平成2年(オ)第1211号,民集48巻4号1101頁)
③最高裁判所第三小法廷平成10年11月24日判決(平成7年(オ)第1413号,民集52巻8号1737頁)
④東京高等裁判所平成24年11月29日決定(平成24年(ラ)第2506号,判例タイムズ1386号349頁,判例秘書で本文確認,裁判所ウェブサイト未掲載)
⑤最高裁判所第一小法廷平成28年12月1日判決(平成27年(受)第477号,民集70巻8号1793頁)
⑥最高裁判所第三小法廷令和3年1月12日判決(令和元年(受)第1166号,集民265号1頁)
⑦最高裁判所第一小法廷平成11年3月12日決定(平成10年(ク)第699号,民集53巻3号505頁)

3 裁判所等の案内

①大阪地方裁判所第1民事部「保全命令の申立て」(令和8年9月17日確認)
②大阪地方裁判所第1民事部「保全命令の発令」(令和8年9月17日確認)
③東京地方裁判所民事第9部「担保取消しの手続」(令和8年9月17日確認)
④東京地方裁判所民事第9部「担保の簡易の取戻しの手続」(令和8年9月17日確認)
⑤法制審議会民法(債権関係)部会第79回会議議事録24頁
⑥法務省「民法の一部を改正する法律(債権法改正)について」
⑦供託書正本の取扱いについて(平成17年2月28日付の最高裁判所総務局第三課長及び経理局監査課長の事務連絡)

4 文献

①司法研修所編『民事弁護教材 改訂 民事保全(補正版)』(日本弁護士連合会,平成25年3月1日発行)26頁~28頁,114頁
②岡口基一『民事保全・非訟マニュアル―書式のポイントと実務』(ぎょうせい,2019年)54頁,377頁