その他裁判所関係

破産管財人の選任及び報酬

目次
1 破産管財人の報酬
2 破産管財人の選任及び報酬に関する国会での質疑応答(令和元年5月15日)
3 東京地裁破産部裁判官の収賄事件を受けた,破産管財人の選任方法に関する国会答弁(昭和56年5月13日)
4 関連記事その他

1 破産管財人の報酬
(1) 破産管財人の報酬に関する条文は以下のとおりです。
・ 破産法87条(破産管財人の報酬等)
① 破産管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。
② 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
③ 前二項の規定は、破産管財人代理について準用する。
・ 破産規則27条(破産管財人の報酬等・法第八十七条)
    裁判所は、破産管財人又は破産管財人代理の報酬を定めるに当たっては、その職務と責任にふさわしい額を定めるものとする。
(2) 破産管財人の報酬は破産者及び破産債権者の感覚からすれば高額にすぎることが多いです。
    具体的には,形成された財団総額が100万円未満の場合は通常,財団債権の額によりますものの,全部又は大部分が破産管財人の報酬とされる結果,異時廃止決定により破産手続が終了します。
(3)ア 形成された財団総額から①管財人報酬以外の財団債権の額,及び②和解契約による弁済許可(破産法78条2項11号)なり労働債権の弁済許可(破産法101条1項)なりを利用した簡易な分配を予定している優先的破産債権の額を控除した金額が40万円以下の場合,その全額は管財人報酬となります。
イ 大阪地裁では,一般管財手続の場合,計算報告集会において,残郵券及び同集会後1か月以内に生じる3万円以下の財団残について,包括的に追加報酬とする決定がなされ,その結果について,追加報酬受領報告書により裁判所に報告するという運用が行われています。
(4) 西野法律事務所HPの「破産管財人の報酬は?」には「財産が集まらなかったら、報酬は予納金のみですが、財産が結構集まったら「大盤振舞い」の報酬をもらえると後で聞き、少し残念な気がしていました。」と書いてあります。
(5) 弁護士である破産管財人は,所得税法204条1項2号の規定に基づき,自らの報酬の支払の際にその報酬について所得税を徴収し,これを国に納付する義務を負います(最高裁平成23年1月14日判決)。
(6)ア 破産管財人以外の抗告権者に対しては,個別に報酬決定の告知がされるわけではありませんから,これらの者は,報酬決定を知ったときから即時抗告の期間内に即時抗告をすることができます。
    ただし,破産手続が終了するまでの間に,破産管財人から関係者に対して計算の報告がされ,手続終了についての異議の手続が保障されています(破産法88条及び89条)から,破産手続終了後に即時抗告をすることはできません(大コンメンタール破産法371頁参照)。
イ 財団債権者及び破産債権者は当然,告知を受けた日から1週間以内に破産管財人報酬に対する即時抗告をすることができるものの,破産者が破産管財人報酬に対する即時抗告をすることができるかどうかは不明です。


2 破産管財人の選任及び報酬に関する国会での質疑応答(令和元年5月15日)
・   
管財事件に関する,令和元年5月15日の衆議院法務委員会における質疑応答は以下のとおりです。なお,文中の井野委員は井野俊郎衆議院議員(自由民主党)であり,神田政府参考人は神田眞人財務省主計局次長であり,小野瀬政府参考人は38期の小野瀬厚法務省民事局長であり,門田最高裁判所長官代理者は45期の門田友昌最高裁判所事務総局民事局長です。

○井野委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の井野俊郎でございます。
   本日は、二十五分という時間をいただきまして、主に管財事件について、裁判所に対して中心に質疑を行いたいと思っております。
   管財事件というと、ちょっとなかなか皆さんにはわかりにくいかもしれませんけれども、簡単に言うと、会社などが債務超過に陥って、会社が運営ができなくなったという場合に、裁判所に破産申請なり民事再生等を申し立てて、裁判所の監督のもとで、いわば、会社財産が、借金が、倒産したとなると債権者とかがどんどん押しかけて勝手に換価されるのは困る。そういう中で、会社財産等を裁判所の管轄の中で監督していきながら換価手続を行い、債権者に公平に会社財産を分配して清算を終える、会社を終えるというようなことが管財事件というものでございまして、これについて、ちょっと裁判所に対して中心に質疑をしていきたい、私も、弁護士の経験上、その点について一つ疑問に思っている点があったものですから、質疑をしていきたいと思っております。
   まず一つは、裁判所が、こういった管財事件だったり、例えば国選弁護等だったり、いわゆる外の、外部の弁護士といいましょうか、そういった者に事件を委託する場合、こういったものは、そもそも、よく普通にこういう公共的機関が外に出して仕事を委託なりしたりとか、はたまた建物を建てるとか、いわゆる公共事業と言われるものですけれども、そういったものとどういう関係、いわゆる公共調達という言葉が正しいのかどうかわかりませんけれども、こういった裁判所が税金なり手数料を使って、外に、民間に委託する場合の、そういった場合の法的規制といいましょうか、公共調達というか、そういったものの法的規制はどうなっているのか、まずお伺いしたいと思います。
○神田政府参考人 お答え申し上げます。
   予算の適正な使用を図るための手続につきましては会計法で定められてございます。ここでは、公正性及び経済性の原則に基づきまして、透明な手続のもとでの一般競争契約を国の契約方式の原則としてございます。
   この一般競争契約は、不特定多数の者に競争を行わせて、国にとって最も有利な条件で申込みをした者と契約を締結する方式でございますが、この方式を原則として採用した趣旨は、第一に公正性、すなわち、国が発注する契約は、その財源が税金であることから、納税者である国民についての機会均等という思想、また、第二に経済性、すなわち、なるべく広い範囲で競争することにより、最も公正な処理を図り、かつ、国にとって最も有利な価格を見出そうとする考えに基づくものでございます。
   なお、行政事務の遂行上、一般競争に付する必要がない場合、あるいは競争に付することが望ましくない場合、こういったときには、一定の場合において、指名競争契約と随意契約の契約方式がそれぞれ、一般競争契約の例外として認められてございます。
○井野委員 基本的には、公共機関がそういった、当然、お金を使うというか、税金を使うわけですから、なるべく安く、かつ、なるべく、税金を使う以上は公正にやるということがメーンの趣旨だというふうに理解をしました。
一応念のため確認しますけれども、裁判所が発注する、委託するという言い方なのかもしれませんけれども、これについても当然に、もっと具体的には管財事件だとか、例えばまあ刑事弁護というのが適切なのかどうかわかりませんけれども、そういった場合にも該当する、当然、裁判所にも当てはまるということで、もう一度確認ですけれども、よろしいですか。
○小野瀬政府参考人 お答えいたします。
   裁判所が行います破産管財人の選任でございますけれども、一般にいわゆる公共調達と申しますのは、国等が私人から役務の提供等を受けることを内容とする、会計法令の適用を受ける契約を指すものと解されていると承知しておりまして、この契約といいますのは、国の締結する私法上の契約のうち、国の金銭その他、財産価値の移動増減を伴うものと解されているものと承知しております。
 破産管財人の選任でございますが、この選任は、裁判所の、裁判によって行われるものでございまして、私法上の契約に基づくものではございません。また、この費用と報酬は破産財団から弁済されるものでございまして、その原資は税収等によるものではございませんので、国の財産価値が移動増減するものでもございません。したがいまして、裁判所が行います破産管財人の選任につきましては、いわゆる公共調達には該当しないものと考えております。
○井野委員 大分話が進んでしまったように思いますけれども。いいです、了解しました、その点は。
   その上で、管財事件等について入っていきますけれども、そうしますと、小野瀬さんのお話によりますと、国家の財源上の移動がないというお話をおっしゃられるんであれば、ちょっとその点について、では、反論をさせていただきたいなと思うんですけれども。
   基本的に、まず、管財の申立ての段階では、申立て手数料が定められるかと思います。この申立て手数料についてなんですけれども、国家機関に当然、裁判所という国家機関に納付されるわけです。
   これは管財から離れて、ちょっとまず先に手数料についてなんですけれども、手数料は、普通、国家機関に納付された、例えば市役所とかでも、戸籍とか住民票をとった段階で、三、四百円、支払われますね、手数料として。こういった手数料は、国家機関に入った場合というのは、どういうような法的規制になるんでしょうか。
○神田政府参考人 お答え申し上げます。
   国の徴収する手数料につきましては、国が特定の者のために役務を提供するのに際し、その反対給付として徴収するものでございます。
   この徴収された手数料は、会計法第二条の規定に基づいて、当該手数料の納付を必要とする事務事業を所掌する各府省庁を通じて、国の収入として国庫に一旦納められて、そして支出経費の財源に充当されることになってございます。
したがって、徴収された手数料を直ちに使用することはできないということになってございます。
○井野委員 そうすると、国庫に収納されるということですから、それを、手数料として入ったものを、お金を使おうとなったら、当然、それはまた、会計法の趣旨に該当し、要は、簡単に言うと、手数料でもらったんだから勝手に使ってもいいとか、税金とは違うんだから勝手に、国として幾らでも好き勝手に使っていいということではなくて、あくまで、やはりそこの部分も、手数料収入についても会計法の趣旨を、適用を受けるというか、そういう理解でいいですか。
○神田政府参考人 お答え申し上げます。
   さようでございます。
○井野委員 そうすると、管財事件についても手数料なんですよね、たしか。当然、安くはない金額。私の経験でも、そんな会社の破産申請をするに当たって、最低ラインが約百万円ぐらいだと私は理解をしています、申立ての際に裁判所に納める手数料としてですね。これぐらいの金額をまず納めなさい、もちろん事件によっては大分低くなる場合もありますけれども、少なくとも一般的な会社の場合には大体それぐらいの手数料を納めなさいという、じゃないと事件が始まらない、管財の申立て事件を受理できません、破産申立て事件を受理できませんということになっているかと思うんです。
   その上で、これはどういうお金かというと、大体、申立ての手数料というのは簡単に言うと管財人報酬に充てられるというのが、一般的な、我々弁護士というか法曹業界の中での何となくのイメージというか常識というか、その管財人報酬、最低限を担保するために申立て手数料を納付しなさいというのが裁判所の趣旨だと思うんだけれども、じゃ、そもそもとして、管財人の報酬の決め方、これについて裁判所はどのような客観的な基準で決めているんですか。
○門田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
   まず前提といたしましてですけれども、破産申立てに当たりまして当事者の方に納めていただく手数料につきましては、債務者が申し立てられます破産手続の申立てにつきましては、手数料自体は千円ということになっております。今委員御指摘のような金額のものは予納金ということで納めていただくということになりますので、その前提でお答えさせていただきます。
   破産管財人の報酬ですけれども、これにつきましては、破産裁判所の裁判官が個別の事案ごとに事案の性質等の具体的事情に応じて適切な報酬を定めているというふうに承知をしております。
 少し実情を申し上げますと、これは事件ごとにまさにケース・バイ・ケースということで、事案によってさまざまということになりますけれども、一般的に考慮されております要素としましては、形成された破産財団の規模ですとか、あるいは破産管財業務の難しさ、あるいは手間ですとか、あるいは破産管財人の職務遂行の適切さ、あるいは破産財団の財団増殖や、あるいは破産事件の早期処理の面における破産管財人の功績の度合いですとか、配当額や配当率との均衡といった諸般の事情を総合的に考慮しているものと認識しております。


○井野委員 結局、客観的な基準というのは何にもないということ、いわゆる総合的にいろいろ考えると。裁判所がよく総合考慮とか判決のときは言うけれども、結局それと変わらない。何ら客観的な基準はないというのが私に言わせると問題じゃないかという意識を持っています。
   もう一つ聞くけれども、じゃ、管財人を選任って、管財人報酬も正直、何百万から何千万単位ありますよね。大型事件になると、ある程度、新聞とかに報道される場合には、管財人報酬だけで何百万、何千万と。それだけの、ある意味、公共事業といいましょうか、仕事といいましょうか、そういうものを出すに当たって、弁護士を、私の理解では一本釣りをしていると思うんだけれども、この人にやらせると。
   競争入札とかそういったことは一切なくて、なぜそうやって指名して、裁判所が勝手に、勝手にという言い方は悪いか、多分裁判所の言い分としては名簿に基づいて適切な人を指名しているというんだろうけれども、なぜそうやって、ある意味、一般的に競争入札とか周知させた上でじゃなくて、指名するやり方をするんですか。
○門田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
   破産管財人の選任につきましては、破産裁判所の裁判官が、事案の性質ですとかあるいは各庁の実情等に応じて、適切な破産管財人を選任するということでやっております。
 これにつきましても実情を御紹介しますと、これもケース・バイ・ケースということにはなりますけれども、一般的に考慮されている要素といたしましては、事件の規模、あるいは予想される破産管財業務の内容や難しさ、それから候補者の法曹あるいは破産管財人としての経験、それから当該破産管財業務に必要となる特殊分野での経験、候補者が破産管財人となっている手持ちの未済事件の件数及びその進捗状況、事件関係者との利害関係の有無といった要素を総合的に考慮しておるものと認識しております。
○井野委員 全く私には、総合的に考慮、結局、裁判所はそれだけで逃げ切れると思っているのは、私は大問題だと思っていますよ。選ぶのも、総合的にいろいろなことを考えてこの人がいいと思っている、管財人の報酬も、これぐらいの事件のあり方を考えて、いいと思っている。
   ちょっと問題だと思うのは、先ほど予納金と言ったよね。これ、予納金だったら、悪いけれども、会計法の趣旨、一切適用されないんですか。多分そういうことで予納金と言ったんだと思うけれどもね。
   だって、予納金といったって、裁判所にそういった金を納めない限り、管財事件を受任しないでしょう、予納金を納めないと。それはある意味、税金と一緒ですよね、手数料と一緒ですよね。それで、予納金だから裁判所が好き勝手に自由に処分できるんだ、そういう考え方ですか。
○門田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
   管財事件におきまして破産管財人に支払われる費用あるいは報酬の原資になりますものは、国の予算ではございませんで、破産財団から弁済されるものということになります。先ほど申し上げました予納金も、その破産財団に組み入れまして、その破産財団から弁済されるということになります。会計法による規制の趣旨がそのまま当たるものではないというふうに認識しております。
   ただ、もっとも、一般論として申し上げますと、事案の性質等に応じて適切な破産管財人を選任すべきであるというのは先ほど申し上げたところですけれども、その一方で、裁判所の選任が不当に偏っているとの誤解を受けぬように、適正な選任をすべきものであるとは認識しております。
○井野委員 私の経験上、それこそ公正性が担保されているか、管財事件で、全くもって、広く機会均等に行われているとはとても思えないですよ。何でそれで公正性が担保されていると言えるんですか。まあ、今まで弁護士が余り文句を言わなかったかもしれないけれども。
   だって、結局、どういう管財事件があって、よっぽど社会に、耳目を集める、新聞報道されない限りは、どういう管財事件が申し立てられているかなんかわからないし、私がその事件をやりたいとか、そう言う機会すら与えられなくて、この人と決めているわけでしょう。
   これはどう考えたって、最初の財務省が言った公正性はたまた経済性、こういったものは該当しないんじゃないんですか。どこでこういったものが担保されていると言えるんですか。
○門田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
   破産管財人の選任ですとか報酬につきましては裁判事項ということになりますので、破産事件を担当する裁判官が個別の事案に応じて決定することになりますので、その具体的な選任方法あるいは報酬の決定方法について、司法行政の立場からコメントすることは差し控えさせていただきます。
○井野委員 私は個別の事件なんて一つも言っていないぞ。そうやってすぐ逃げるなというんだよ、裁判所は、いつも。管財事件一般について議論しているんだよ、こっちは。どうやったら公正性、経済性、担保されているのかと聞いているんだよ。
   もう一回。
○門田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
   一般論としましては、先ほども申し上げましたとおり、裁判所による破産管財人の選任が不当に偏っているとの誤解を受けぬように、客観性と公平性に配慮した適正な選任をすべきであるとは存じております。
   ただ、先ほど、入札等によってはどうかというようなお話もございましたけれども、例えば、入札によって破産管財人を選任するという方法では、その事案を適正かつ迅速に処理するのに適した弁護士を選任することができず、その結果、破産管財事件の処理に支障を来し、債権者や債務者の権利利益を害する結果となることが懸念されるところでございます。
 また、手続の問題としましても、破産管財人は破産開始決定と同時に定めなければならないというふうにされておりますので、破産管財事件は一般的に密行性や迅速性が要求される事件類型であるということも考慮しますと、破産の申立ての後、開始決定前に事案の概要等を踏まえた入札手続等を実施するということは実際上困難であると思われます。
○井野委員 全くもって、なぜそれができないか。私、まだ入札の話はしていないけれども、これからやろうと思ったけれども、先に言ったからね。じゃ、入札の話をさせていただきますよ。
   正直言って、入札した方が私ははるかに債権者にとって有利だと思うし、なぜそれができないのかというのが全く理解できないんです。先ほど言ったけれども、だって、ある意味、公共事業だって、レクのときにも言ったけれども、ちゃんとランクを分けてやっているじゃない。ゼネコンはAランク企業、そして難しい事件はAランク企業の指名競争入札だ、普通のBランク、Cランク企業は入れませんとやっているじゃないか。何でそこで一本釣りしなきゃ適正性が確保できない。
   ある程度、例えば経験を積んだ、管財事件はこの先生とこの先生とこの先生、名簿を持っているんでしょう。その名簿の中から、この中で、できる先生で、一番安くやってくれる先生はどれですかって入札できるでしょう、何でそういったことができないんですか。もっと、その理由を述べてください。
○門田最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げたところの繰り返しになりますけれども、入札等の……(井野委員「繰り返しになるんならいいです」と呼ぶ)よろしいですか、繰り返しになります。
○井野委員 結局、答えられないということでしょう。裁判所は、そういう扱いをして今まで文句出なかったからそれでいいやということなんでしょう。だけれども、せっかくだから、これを機会に考え直してくださいよ。
   だって、債権者にとっては本当にスズメの涙ぐらいの配当しかないでしょう、経済事件。そのときに少しでも、いきなり全く関係ない弁護士が管財事件を担当して、何百万、何千万も報酬を持っていって、配当率はスズメの涙ほど、数%ですよ。そうでしょう、皆さん。管財事件をやっていて、何千万の債権があったのに、ほんの十何万円しか配当ありませんとか、そんなのざらでしょう。だけれども、管財人報酬になったら、何百万、何千万持っていく弁護士が出てくるんですよ。
   もちろん、それが全て悪いとは言いませんよ、適切な報酬だ。だけれども、そこに、入札とか、もっと広く公正性を出したりとか、経済性、何で求めないんですか。その方が国民的理解を得られると思いますよ。小野瀬さんは、税金使ってないからいいんだと言うけれども、だけれども、債権者一般からしてみたら、税金じゃないからいいやという理解を得られますか。そうじゃないと思いますよ。これはちょっと検討してくれませんか。
○門田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
   先ほど申し上げたところですけれども、破産管財人の選任等は裁判事項とされております。破産裁判所の裁判官が、事案の性質や各庁の実情に応じて適切な破産管財人候補者を選任しておりますし、先ほど申し上げた破産管財業務の執行の状況等々を踏まえて、あとは破産財団の規模、配当率等も踏まえまして、適切に報酬を定めているものと承知しております。
   そのような状況でございますので、実務の適切な運用を見守ってまいりたいというふうに考えております。
○井野委員 実務は、私は不正にやっているとは言っていないんです。ただ、システムとして公正性、経済性が担保できていないんでしょうと言っているんです。個別の事件について、あの裁判官はあの弁護士だけ優遇しているとか、そういうことを言っているんじゃない。システムとして公正性、経済性が担保されていないと言っているんだよ。それをよく検討してください。
以上です。


3 東京地裁破産部裁判官の収賄事件を受けた,破産管財人の選任方法に関する国会答弁(昭和56年5月13日)
・ 25期の谷合克行東京地裁判事補が破産管財人からゴルフクラブ,背広2着等を受領した事件(Wikipediaの「梓ゴルフ場事件」参照)に関連して,高輪1期の矢口洪一最高裁判所事務総長は,昭和56年5月13日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリング及び改行を追加しています。)。
① 破産事件の処理というものは、債権に対する債務が足りないということで債権者に非常に迷惑をかける、その場合に、裁判所が間に入りまして足りないながらも公平な財産の分配をする、これが破産法の精神でございます。
    そうであるからこそ、裁判所がそういう責務を負わされておる、裁判所がそういった事件を取り扱うのに最も適しておるとされて破産法というものができておるわけでございますが、そういう観点からして、この破産事件の処理等についてもう少し慎重な扱いをしていくべきではなかったか。
    現に東京地裁では、単独で処理いたしておりましたのを直ちに取りやめまして、全部を合議体で処理して、慎重の上にも慎重を期していくという扱いに改めております。
② また、管財人の選任等につきましても、もちろん、客観的にりっぱな人格者であり、経験も豊富な弁護士さんの中から適任者を選ぶということは必要でございまして、その中には、場合によって同期の者あるいは同期に近いような人が入ってくることもございますけれども、ただ同期の友人であるというだけで選ぶ、かりそめにもそういったような選び方をすることのないように、管財人の選任につきましても十分配慮するように、直ちに現在の破産部において取り扱いを十分検討してまいっております。
③ その他、先ほどもちょっと触れましたけれども、訴訟事件の処理というのは、いわば対立する当事者の間における判断でございまして、両当事者がお互いに監視し合うというような構造の中に、監視体制と申しますか公平を保つ体制というものができておるわけでございますが、非訟事件の処理ということになりますと、ある意味での対立当事者というものがございませんので、どうしてもそこに気の緩みというようなものができてくる可能性がありますが、これをどのようにして緩みというものができてこないような、いわゆるチェック・アンド・バランスといったような形から来る処理体制というものをとっていくか、そういった点も早急に検討すべきである。
   幸い、来月の上旬には全国の長官、所長が集まりまして、重要な司法問題につきまして隔意ない意見を交換するいわゆる長官所長会同が予定されておりますので、そういう機会をとらえまして、全国の同じような事件の処理をいたしておりますところの実情を把握し、かつ、そういった事件処理体制から来る経験といったものを発表してもらって、さらに何らかの改善策がないか、そういったことを検討する、それに全力を挙げていきたいと考えております。


4 関連記事その他
(1) 破産管財人の善管注意義務違反に係る責任(破産法85条2項)は,破産管財人としての地位において一般的に要求される平均的な注意義務に違反した場合に生じますところ,破砕裁判所の許可を得て行った行為についても善管注意義務違反の責任を負うことがあります(最高裁平成18年12月21日判決)。
(2)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 差押禁止債権が振り込まれた預貯金口座に係る預貯金債権の差押えについて(令和2年1月31日付の国税庁徴収部長の指示)
→ 大阪高裁令和元年9月26日判決(裁判長は36期の中村也寸志裁判官)を踏まえた取扱いを指示した文書です。
イ 以下の記事も参照してください。
・ 倒産事件に関するメモ書き
・ 司法研修所弁護教官の業務は弁護士業務でないものの,破産管財人として行う業務は弁護士業務であること
・ 大阪弁護士会の負担金会費
→ 大阪弁護士会所属の弁護士が破産管財人報酬を受領した場合,税抜価格の7%を負担金会費として大阪弁護士会に支払う必要があります。

最高裁判所裁判官等の公用車

目次
1 最高裁判所裁判官等の公用車に関する文書
2 送り迎えの公用車がある幹部裁判官
3 治安関係者の公用車の車種等は不開示情報であること
4 関連記事その他

1 最高裁判所裁判官等の公用車に関する文書
(1) 最高裁判所裁判官等の公用車に関する文書を以下のとおり掲載しています。
① 最高裁判所長官の公用車の調達価格,調達時期及び車種が分かる文書,並びに車検証
・ 最高裁判所長官の公用車は,平成26年3月24日に1543万5900円で取得したトヨタレクサスLS600hlです。
・ Car Watchの「写真で見るトヨタ「レクサス LS600hL」」には,「トヨタの高級車ブランド「レクサス」。その中でもトップに位置するのが「LS」である。前身は1994年4月にトヨタのフラッグシップサルーンとして発売された「セルシオ」。」と書いてあります。
② 最高裁判所判事の公用車14台の調達価格,調達時期及び車種が分かる文書,並びに車検証
・ 最高裁判所判事の公用車14台は,平成26年3月18日から平成30年2月5日までの間に,468万4785円から643万8890円の間で取得したトヨタクラウンです。
③ 最高裁判所事務総長の公用車の調達価格,調達時期及び車種が分かる文書,並びに車検証
・ 最高裁判所事務総長の公用車は,平成26年3月18日に465万3285円で取得したトヨタクラウンです。
④ 最高裁判所首席調査官の公用車の調達価格,調達時期及び車種が分かる文書,並びに車検証
・ 最高裁判所首席調査官の公用車は,平成26年3月18日に465万3285円で取得したトヨタクラウンです。
⑤ 司法研修所長の公用車の調達価格,調達時期及び車種が分かる文書,並びに車検証
・ 司法研修所長の公用車は,平成26年3月25日に463万4383円で取得したトヨタクラウンです。
⑥ 裁判所職員総合研修所長の公用車の調達価格,調達時期及び車種が分かる文書,並びに車検証
・ 裁判所職員総合研修所長の公用車は,平成28年3月24日に317万6525円で取得したトヨタカムリハイブリッドです。
(2) 最高裁判所長官の公用車に関する以下の文書を掲載しています。
① 最高裁判所長官の公用車の調達関係文書(入札説明書,性能等証明書,開札経過調書等)
② 最高裁判所長官の公用車に関する売買契約書(平成25年12月24日付)
③ 最高裁判所長官の公用車に関する自賠責保険証明書


最高裁判所長官の公用車の品目,規格,数量及び単価が書いてある文書

最高裁判所長官の公用車の車検証

2 送り迎えの公用車がある幹部裁判官
(1) 以下の幹部裁判官については,送り迎えの公用車があります(平成31年2月22日の衆議院法務委員会における,42期の笠井之彦最高裁判所経理局長の答弁参照)。
① 最高裁判所長官
② 最高裁判所判事14名
③ 最高裁判所事務総長
④ 最高裁判所首席調査官
⑤ 司法研修所長
⑥ 裁判所職員総合研修所長
⑦ 高等裁判所長官8名
⑧ 知的財産高等裁判所所長
⑨ 地方・家庭裁判所所長71名
(2) 公用車とは,専ら人の移動に使用することを目的とする運転手付の車両であって,特定の職員が終日又は一日のうち一定の時間帯において,専用として又は優先して使用するものをいいます(平成28年3月15日付の参議院議員有田芳生君提出国の公用車の使用に関する質問に対する答弁書参照)。


3 治安関係者の公用車の車種等は不開示情報であること
(1) 平成27年度(行情)答申第440号(平成27年10月28日答申)には以下の記載があります。
     防衛省及び警察庁の車両に関する情報 別表3の番号8欄に掲げる不開示部分には,防衛省運用企画局長,同統幕運用部長及び警察庁長官官房長が使用する車両の車種,車両番号及び色が記載されている。
     当該部分は,これを公にすることにより,当該職員を狙ったテロ等の犯罪行為を誘発し,又はその実行を容易ならしめるなど,犯罪の予防,鎮圧又は捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由があると認められるので,法5条4号に該当し,不開示とすることが妥当である。
(2) 令和2年度(行情)答申第286号(令和2年9月29日答申)には,法務省の補足説明として以下の記載があります。
     法務大臣は,法務省の長である(法務省設置法2条2項)ところ,法務省は,法秩序の維持等を図ることを任務としており(同法3条1項),その所掌事務には,検察に関すること(同法4条7号),犯罪の予防に関すること(同条10号),刑及び勾留,少年院に送致する保護処分及び少年鑑別所に送致する観護の措置,補導処分並びに監置の裁判の執行に関すること(同条12号),破壊活動防止法の規定による破壊的団体の規制に関すること(同条19号),無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の規定による無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関すること(同条20号)など,犯罪の予防又は捜査,公訴の維持,刑の執行を始めとした公共の安全と秩序の維持に関する事務が多数含まれている。
     加えて,死刑は,法務大臣の命令により執行される(刑事訴訟法475条1項)。
    以上に照らせば,法務大臣は,国務大臣の中でも,特に襲撃のおそれが高く,法務大臣が使用する公用車を特定し得る情報や装備等に関する情報について,法5条4号及び6号の不開示情報に該当することは明らかである。

4 関連記事その他
(1) 令和元年5月17日付の司法行政文書不開示通知書によれば,最高裁判所裁判官が乗車する公用車の運転手の注意事項が書いてある文書は存在しません。
(2) 国産の超高級車については以下の記事が参考になります。
① モータHPトヨタセンチュリーVSレクサスLSどっちが買い!?徹底比較
② クラシーノHP【2018】日本一高い車ランキング15!世界に負けない国産の超高級車が凄い!
(3) 吉野川市,吉野川市教育委員会及び吉野川市民コンサート実行委員会が主催し,徳島県及び公益財団法人徳島県文化振興財団が共催して平成29年7月22日に開催された,とくしま国民文化祭記念管弦楽団の演奏会に出席することは徳島県の公務に該当しますから,徳島県知事が公務として当該演奏会に出席し,そのために公用車を使用したことは適法であるとされました最高裁令和3年5月14日判決)。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 司法行政を担う裁判官会議,最高裁判所事務総長及び下級裁判所事務局長
・ 最高裁判所裁判官及び事務総局の各局課長は襲撃の対象となるおそれが高いこと等

裁判官の記録紛失に関して作成し,又は取得した文書は全部が不開示情報であること

目次
1 裁判官の記録紛失に関して作成し,又は取得した文書は全部が不開示情報であること
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1 裁判官の記録紛失に関して作成し,又は取得した文書は全部が不開示情報であること
(1) 平成31年3月8日付の名古屋地裁の司法行政文書不開示通知書によれば,「伊藤達也判事補が平成30年9月29日又は同月30日にタクシーに乗車した結果,民事事件の記録等を紛失したことに関して作成し,又は取得した文書」は,全体として不開示情報に該当するそうです。
(2) 令和元年6月13日付の理由説明書には,「最高裁判所の考え方及びその理由」として以下の記載があります。
ア 本件開示申出に係る文書は,特定の裁判官が事件記録等を紛失した件に関して作成し,又は取得した文書であるところ, 当該文書には行政機関情報公開法(以下「法」という。)第5条第1号に相当する個人識別情報が記載されている。また, 当該文書の中には,公になると,法人等の具体的な業務に関する情報が明らかとなるなど,法人等の権利,競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの法人等に対する調査結果などが記載されたものがある(法第5条第2号イ) 。
   加えて,一般的に,事件記録を紛失した場合には,人事上の措置を検討する蓋然性が高く,事件記録の紛失に関する調査等に係る文書に記載された情報は,全てが一体として人事上の措置を検討する資料となり得る。このため,当該文書の内容を一部でも明らかにすると,人事上の措置の検討に関する調査手法及び調査結果等が明らかとなり,関係者等から正確な事実関係が確認できなくなるなど,今後の人事管理に支障を及ぼすおそれがある(法第5条第6号二) 。
イ さらに, 当該文書の中に,公になると,報道機関における取材活動の内容が明らかになる等,個々の報道機関の取材活動の存在,取材源の秘匿を基本原則とする報道機関と裁判所との信頼関係を大きく損なうおそれがある情報が全て一体として記載された文書があり, この文書に記載された情報を一部でも公にすると,裁判所の広報事務の遂行を困難にする可能性がある(法第5条第6号柱書) 。
ウ よって, 当該文書に記載されている情報は,全体として法第5条第1号,第2号イ並びに第6号柱書及び同号二に定める不開示情報に相当する。
エ なお,同判事補が平成30年9月29日又は同月30日にタクシーに乗車した結果,民事事件の記録等を紛失した事実は報道されているが,同事実に関して裁判所から何らかの対応をした場合でも,報道機関の責任において当該報道がされたにとどまるのであって,裁判所が上記事実について報道機関に対応したからといって,裁判所として公表したと整理することはできない。
オ 以上より,全体として不開示と.した原判断は相当である。

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毎年6月開催の長官所長会同

目次
1 総論
2 長官所長会同の開始時の経緯
3 最高裁判所長官あいさつ
4 過去の開催日
5 戦前の司法長官会同
6 「会同」という名称の意義
7 最高裁が長官・所長会同において策定した,次年度概算要求の方針や執行計画は存在しないこと
8 関連記事その他

1 総論
(1) 毎年6月に開催される長官所長会同では,全国の高等裁判所長官,地方裁判所所長及び家庭裁判所所長が一堂に集まり,当面の司法行政上の諸問題等について協議しています。
(2)ア   平成28年度までの毎年の流れは大体,以下のとおりです。
1日目:最高裁判所長官あいさつ→協議→(昼食・休憩)→協議→懇談会
2日目:協議→(昼食・休憩)→皇居での拝謁等
イ   1日間だけの開催となった平成23年6月9日の長官所長会同流れは以下のとおりでした。
最高裁判所長官あいさつ→協議→(昼食・休憩)→皇居での拝謁等→協議
ウ 平成29年度以降,皇居での拝謁がなくなりました。
(3)ア 長官所長会同における協議結果概要は裁判所時報に掲載されています。
イ 裁判所時報編集マニュアルについては「裁判所時報」を参照して下さい。

2 長官所長会同の開始時の経緯
(1) 長官所長会同は最高裁発足に続き高裁長官及び地裁所長の任命が完了した昭和22年12月に初めて招集されました。
(2) 昭和24年1月1日の家庭裁判所制度発足により,家裁所長を加えた現行の長官所長会同となったのは昭和24年5月からであり,以後,毎年5月又は6月に開催されてきました。
(3) J-STAGE「最高裁における「信頼」の文脈-『裁判所時報』における最高裁長官訓示・あいさつにみる-」が参考になります。

3 最高裁判所長官あいさつ
(1) 長官所長会同における最高裁判所長官あいさつ(平成11年度までは,「最高裁判所長官訓示」でした。)は裁判所時報及び裁判所HPに掲載されています。
(2)
ア 関根小郷最高裁判所総務局長は,昭和33年7月9日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
   今お話の長官訓示は、打ちあけたところを申し上げますと、毎年行われます長官所長会同におきましての長官の訓示は、裁判官会議の議を経ましていろいろ手も入れられましてでき上るものでございます。これは、最高裁判所長官御自身で作られたものではない。でありますから、結局最高裁判所全体の意見ということになると申し上げていいと思います。
イ 5期の大西勝也最高裁判所総務局長は,昭和53年9月14日の参議院決算委員会において以下の答弁をしています。
   いわゆる長官・所長会同におきます最高裁長官の訓示は、いま寺田委員御指摘のように、まずその原案の原案とでも申すべきものを総務局でつくりまして、事務総局で検討をいたしました上、さらに裁判官会議の慎重な御検討を得て決まる、こういう形になっております。
ウ 9期の山口繁最高裁判所総務局長は,昭和59年12月18日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
   寺田長官が新年のあいさつあるいは長官・所長会同の訓示におきまして、ただいま横山委員御指摘のような発言あるいは意見表明をなさっておられることはそのとおりでございます。長官・所長会同の訓示と申しますのは、年一回行われます長官・所長会同におきまして、司法行政の最終的な責任者としての長官の立場をお述べになっていることでございまして、その内容につきましては裁判官会議で慎重に検討された上決められたものでございますので、事務当局といたしましては訓示の本文自体から御判断いただくほかはないと考えておりますが、ただ原案の作成に若干関連いたしました者といたしまして、少しばかり述べさせていただきたいと思います。
 ただいまお尋ねの時代の変化という点につきましては、御承知のように高度成長から低成長への移行、あるいは技術革新の問題、高齢化社会の到来、あるいは意識の面では価値観の多様化、権利意識の高揚、そういった問題がございまして、訴訟の面ではコンピューターに絡まる犯罪あるいは特許の問題、さらには環境権といったような新しい権利主張の問題、離婚訴訟の増大でございますとか、隣人訴訟の到来でございますとか、従来見られなかったような形での訴訟につきまして我々裁判官は対応を迫られるわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、時代の変化を的確に見通して時代の要請を的確に把握しながら、それに相応したような紛争の解決を図らなければならない、そういうふうに考えておりますところから、ただいま御指摘のような長官の訓示あるいは「新年のことば」にあらわれているわけでございます。


4 過去の開催日
・ 長官所長会同の過去の開催日は以下のとおりです。
令和 5年6月14日(水)~6月15日(木)
令和 4年6月 1日(水)~6月 2日(木)
令和 3年6月16日(水)(オンライン形式による開催)
(令和2年6月はなし。)
令和 元年6月19日(水)~6月20日(木)
平成30年6月20日(水)~6月21日(木)
平成29年6月21日(水)~6月22日(木)
平成28年6月23日(木)~6月24日(金)
平成27年6月18日(木)~6月19日(金)
平成26年6月18日(水)~6月19日(木)
平成25年6月19日(水)~6月20日(木)
平成24年6月13日(水)~6月14日(木)
平成23年6月  9日(木)
平成22年6月  9日(水)~6月10日(木)
平成21年6月17日(水)~6月18日(木)
平成20年6月18日(水)~6月19日(木)

5 戦前の司法長官会同
(1) 戦前においては,司法大臣が,毎年一回,全国の控訴院長,検事長,地裁所長及び検事正(この四者は「長官」と称されていました。)を司法省に招集して「司法長官会同」を開催しており,その際には,宮中での天皇拝謁及び内閣総理大臣官邸での午餐が行われていました。
(2) 昭和19年2月28日及び同月29日に開催された臨時司法長官会同では以下の行事がありました。
(2月28日の行事)
① 司法大臣官舎における岩村通世司法大臣の訓示
② 宮中に参内した上での天皇拝謁
③ 総理大臣官邸における東条英機内閣総理大臣の訓示,軍事概況に関する佐藤賢了陸軍軍務局長の説明,外交事情に関する重光葵外務大臣の説明
(2月29日の行事)
① 軍需生産状況に関する岸信介商工大臣の説明
② 各閣僚との懇談
(3)ア 昭和19年2月28日の東条英機内閣総理大臣の訓示(昭和19年当時,部外秘扱いされていたもの)には以下の記載があります(出典は「司法権独立の歴史的考察」(昭和37年7月30日出版)47頁及び48頁ですが,私の方で平仮名に変更したり,改行を追加したりしました。)。
     勝利無くしては司法権の独立もあり得ないのであります。筍且(山中注:かりそめ)にも心構へに於て、将又(山中注:はたまた)執務振りに於て、法文の末節に捉はれ、無益有害なる慣習に拘はり、戦争遂行上に重大なる障害を与ふるが如き措置をせらるるに於ては、洵に寒心に堪へない所であります。
     万々一にも斯くの如き状況にて推移せん乎、政府と致しましては、戦時治安確保上緊急なる措置を講ずることをも考慮せざるを得なくなると考へて居るのであります。
     斯くして此の緊急措置を執らざるを得ない状況に立ち至ることありと致しまするならば、之国家の為洵に不幸とする所であります。
     然し乍ら、真に必要巳むを得ざるに至れば、政府は機を失せず此の非常措置にも出づる考へであります。此の点に付ては特に諸君の充分なる御注意を願ひ度いものと存ずる次第であります。
イ Wikipediaの「東條演説事件」には「東條演説事件(とうじょうえんぜつじけん)とは、太平洋戦争中の1944年に、日本の内閣総理大臣だった東條英機が司法関係者に対して戦時体制に協力した司法権の運用を求める演説をした事件。 」と書いてあります。
(4) 戦前の司法長官会同については,「私の最高裁判所論-憲法の求める司法の役割」(著者は泉徳治 元最高裁判所判事)48頁ないし56頁が参考になります。

6 「会同」という名称の意義
・ 人は死ねばゴミになる-私のがんとの闘い-(著者は伊藤栄樹 元検事総長)14頁及び15頁には以下の記載があります。
     法務・検察の世界には、会同という古めかしい名前が残っている。要するに、全国の検事をポスト、担当任務に応じて、中央に招集して開く会議のことである。検事は、一人ひとりが独立して職権を行使する建前になっているから、会議でも、一同に会して議論するだけで、結論を出して各人に押し付けることをしない。そんな気分を表すのに「会同」がふさわしいというのがわれわれのいささか古い語感なのである。


7 最高裁が長官・所長会同において策定した,次年度概算要求の方針や執行計画は存在しないこと
(1) 全司法新聞 2017年4月20日(2262号)には以下の記載があるものの,長官所長会同の資料にはなぜか,該当する資料がありません。
   諸要求貫徹闘争は、次年度(2018年度)裁判所予算の概算要求や今年度予算の具体的な執行計画に、私たちの要求を反映させるたたかいです。最高裁は6月に全国長官・所長会同を開催し、次年度概算要求の方針や執行計画の策定を行いますが、全司法はこの時期から全国一丸となった統一行動を展開し、各職場の要求を支部から地連、本部へと積み上げ、対応当局に対し要求実現に向けた上級庁への上申を求めています。
(2) 平成30年1月11日付の司法行政文書不開示通知書によれば,最高裁が全国長官・所長会同において策定した,次年度概算要求の方針や執行計画(最新版)は存在しません。

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(1)ア 「思い出すまま」(著者は2期の石川義夫裁判官)221頁及び222頁には以下の記載があります。
     高裁長官は裁判官とは名ばかりで、裁判業務にたずさわることは全くなく、司法行政に関しても、当時の徹底した中央集権制度のもと、高裁長官が腕を振るう余地は殆どないように思われた。私の経験した全国長官所長会同においても、高裁長官は単なる並び大名に過ぎなかったから、私は高裁長官になるよりも、むしろ高裁裁判長を自分の双六のあがりと考えて、裁判業務に専心し、それに満足していた。
イ 「裁判官とは何者か?-その実像と虚像との間から見えるもの-」(講演者は24期の千葉勝美 元最高裁判所判事)には以下の記載があります(リンク先のPDF17頁)。
    キャリアが30年程度になると、所長(全国で100ある地家裁の長で、兼務があるので、結局75人が就任する)、高裁長官(全国8高裁の長で、いわゆる認証官:就任に際し、天皇陛下から皇居で認証を受ける)を経験する。これらは、大きな組織の長として組織全体を動かす。いわばお山の大将であり、自由に自分のアイデア等を述べて実現させることができ、誠に楽しい思い出が多い(甲府地家裁所長、仙台高裁長官)。そこでは、事件処理を離れて、広い視野で司法を捉える目が養われ、人を使って組織を動かす苦労と喜びがある。同じ課題に取り組んだ部下の人達とは、そのポストを離れても、その後も一生の付き合いとなる(○○前所長を囲む会等)。
(2) Chatwork HPの「対面会議とオンライン会議の特徴とメリット・デメリットとは?」によれば,オンライン会議のデメリット及びデメリットは以下のとおりです。
(メリット)
・ 場所を選ばずに開催できるので出張経費や移動時間が不要
・ 会議室の確保や紙の会議資料の準備などの手間が不要
(デメリット)
・ 参加者の表情や雰囲気をつかみづらい
・ 通信状況や機器の調子の影響を受けやすい
・ ITリテラシーが必要になる
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 平成17年度から平成30年度までの長官所長会同の資料等
・ 令和元年度以降の長官所長会同の資料及び議事概要
・ 裁判所の協議会等開催計画
 高等裁判所長官事務打合せ
 高等裁判所事務局長事務打合せ
→ 初開催は,平成28年2月25日です。

録音反訳方式による逐語調書

目次
1 総論
2 逐語調書の作成方法
3 録音反訳方式による逐語調書の法的根拠
4 録音反訳方式に関する事務の運用
5 録音反訳方式に関する最高裁判所作成の文書
6 法廷用デジタル録音機
7 録音反訳方式及び速記方式の比較に関する国会答弁
8 裁判員裁判における尋問と供述調書に関する国会答弁
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1 総論
(1) 録音反訳方式とは,録音テープ等の反訳を裁判所職員以外の者に委託して逐語調書を作成する方式をいいます(録音反訳方式に関する事務の運用について(平成10年3月20日付の最高裁判所総務局長通達)参照)。
(2) 録音反訳方式は,速記官制度を取り巻く客観的状況を踏まえ,今後増大すると予想される逐語録需要に的確かつ機動的に応えるため,平成9年4月から導入されましたが,平成10年4月からは,録音反訳方式の本格的な展開が開始しました。


2 逐語調書の作成方法
(1) 逐語調書の作成方法としては,速記録を引用する方法及び録音反訳方式を利用する方法の2種類があります。
(2) 最高裁判所が平成10年4月以降,速記官の新規養成を停止した(「平成9年2月26日付の最高裁判所裁判官会議議事録」参照)関係で,速記録を作成できる速記官の人数は年々,減少しています。
    そのため,逐語調書は通常,録音反訳方式を利用して作成されています。

3 録音反訳方式による逐語調書の法的根拠
(1) 録音反訳方式による逐語調書の法的根拠は,民事訴訟規則76条後段です。
(2) 民事訴訟規則76条(口頭弁論における陳述の録音)は以下のとおりです。
裁判所は、必要があると認めるときは、申立てにより又は職権で、録音装置を使用して口頭弁論における陳述の全部又は一部を録取させることができる。この場合において、裁判所が相当と認めるときは、録音テープを反訳した調書を作成しなければならない。

4 録音反訳方式に関する事務の運用
(1) 録音反訳方式に関する事務の運用について(平成10年3月20日付の最高裁判所総務局長通達)によれば,以下のとおりです。
① 録音反訳方式は,事件内容,供述内容等を考慮し,証人の供述等を録音した録音テープを反訳して逐語調書を作成することが相当である場合に利用します。
② 録音反訳方式を利用する証拠調べ等に立ち会う裁判所書記官は,証人の供述等を2台の録音機を用いて同時に録音します。
③ 録音テープは,当該調書の記載の正確性に対する異議申立てをすることができる期間が経過するまでは保管するものの,当該期間が経過すれば消去します。
④ 訴訟関係人が希望すれば,裁判所職員の立ち会いの下で録音テープを聴取できます。
(2) 私の経験では,当事者尋問又は証人尋問を実施した場合,尋問直後に訴訟上の和解が成立したケースを除き,常に逐語調書が作成されています。

5 録音反訳方式に関する最高裁判所作成の文書
(1) 録音反訳方式に関する最高裁判所作成の文書を以下のとおり掲載しています。
(総務局長通達)
・ 録音反訳方式に関する事務の運用について(平成10年3月20日付の最高裁判所総務局長通達)
(総務局第三課長の事務連絡)
・ 録音事務を行うに当たっての留意事項について(平成27年10月14日付の最高裁判所総務局第三課長書簡)
・ 「音声認識システムの認識結果を利用した録音反訳業務について」の送付について(平成21年6月29日付の最高裁判所総務局第三課長の事務連絡)
 録音反訳業務における反訳業務の発注について(平成28年2月23日付の最高裁判所総務局第三課長及び経理局用度課長の事務連絡)
 録音反訳事務における反訳の発注に関する留意点について(平成28年2月23日付の最高裁判所総務局第三課課長補佐の事務連絡)
・ 録音反訳方式を利用する上での留意事項について(平成30年4月26日付の最高裁判所総務局第三課長の事務連絡)
・ 録音反訳方式を利用する上での留意事項について(平成31年4月22日付の最高裁判所総務局第三課長の事務連絡)
(2) 「録音反訳参考資料(改訂版)」(平成13年3月)に含まれる「録音反訳通達の解説」も参照してください。


6 法廷用デジタル録音機
・ 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)158頁には,「法廷用デジタル録音機【要望】」として以下の記載があります。
<要求要旨>
    社会,経済情勢の変化により,複雑困難な事件が増えている中で,逐語録需要の増加に容量的,機動的に対応するために,速記録に加え,法廷供述を録音反訳して逐語録を作成する方式(録音反訳方式)により法廷における証人尋問等の供述内容を正確に記録する必要があり,そのために,質問者及び供述者の音声を確実かつ明瞭に録音するためにデジタル録音機を整備する必要がある。
    また,簡易裁判所における民事訴訟事件については,民事訴訟規則において,証拠調べの証人等の陳述の結果の記載を省略できることとされているが,この場合,当事者の裁判上の利用に供するため,その証人等の陳述の結果を記録する必要があり,そのためにもデジタル録音機を整備する必要がある。
<整備計画>
    令和4年度は,285台の更新整備にかかる経費を要求する。

7 録音反訳方式及び速記方式の比較に関する国会答弁
・ 40期の中村慎最高裁判所総務局長は,平成28年3月16日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリングを追加しています。)。
① 委員が要約調書と速記調書というものの比較をされました。要約調書というのは書記官が概要を書く調書でございますので、それと比較いたしますと、速記調書の方が、まさに逐語的にとっているのでそういう感想が出たんだと思います。
 逐語調書という中におきましては、録音反訳方式と速記の調書、両方がございます。一般的に、裁判利用者の要望については真摯に耳を傾ける必要があると考えております。
 ただ、録音反訳方式でありましても、反訳業者が提出した反訳書を裁判所書記官が確認して、必要に応じて校正を行った上で書記官の調書として完成させておりまして、正確性を欠くということはございません。また、反訳書をつくる期間につきましても、最短の場合では音声データを業者が受領したときから四十八時間で完成させるというような迅速性についても、十分な手当てをしているところでございます。
② このように、録音反訳方式と速記とについては、いずれも逐語録需要に対応するものであるところ、この両者について、どちらがすぐれているということはないというふうに考えておりまして、利用者からの要望のみによって速記録を作成するということにはならないというふうに考えております。


8 裁判員裁判における尋問と供述調書に関する国会答弁
・ 40期の中村慎最高裁判所総務局長は,平成28年3月16日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリングを追加しています。)。
① 具体的にどの程度という数のところは把握しておりませんけれども、裁判員裁判におきましても、他の事件と同様に、逐語録を作成する必要があるものについては、録音反訳方式にするのか、速記録にするのかということを各裁判体において判断されているというふうに承知しているところでございます。
② 裁判員裁判におきましては、記憶が鮮明なうちに連日的な審理が進められるということから、速記録を含めた供述調書を用いて証人等の供述内容を確認するという必要性は低いものと考えています。
 速記官が尋問後即時に速記録を作成するということを御指摘になりましたけれども、そのような速記録を作成できるのは全ての速記官ということではございません。
 一方、尋問の終了後、訴訟当事者には、音声認識システムを用いて認識、録音いたしました音声データ及び文字データを提供しておりまして、いわばその文字データをインデックスとして利用することで、証人の供述等の検索をして確認できるような運用を行っているところでございます。


9 関連記事その他
(1) 以下の資料を掲載しています。
・ 広島高裁本庁の録音反訳方式の実施要領(令和元年9月最終改訂)
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所速記官
 裁判所速記官の新規養成停止を決定した際の国会答弁
 地方裁判所において尋問調書の作成が省略される場合
 簡易裁判所においては尋問調書の作成が原則として省略されること
 裁判文書の文書管理に関する規程及び通達
・ 民事事件記録一般の閲覧・謄写手続

勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)

目次
1 勲章受章者名簿
2 叙勲等の内定者名簿が不開示となっている理由
3 関連記事その他

1 勲章受章者名簿
・ 「令和5年春の勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)」といったファイル名で,勲章受賞者名簿を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
・ 令和7年春の勲章受賞者名簿
・ 令和6年秋の勲章受章者名簿
・ 令和6年春の勲章受章者名簿
・ 令和5年秋の勲章受章者名簿
・ 令和5年春の勲章受賞者名簿
・ 令和4年秋の勲章受章者名簿
・ 令和4年春の勲章受章者名簿
・ 令和3年秋の勲章受賞者名簿
・ 令和3年春の勲章受章者名簿
・ 令和2年秋の勲章受賞者名簿
・ 令和2年春の勲章受賞者名簿
・ 令和元年秋の勲章受賞者名簿
・ 令和元年春の勲章受賞者名簿
(平成時代)
・ 平成30年秋の勲章受賞者名簿
・ 平成30年春の勲章受章者名簿
・ 平成29年秋の勲章受章者名簿
・ 平成29年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成28年秋の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成28年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成27年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成27年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成26年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成26年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成25年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成25年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成24年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成24年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成23年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成23年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成22年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成22年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成21年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成21年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成20年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成20年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成19年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成19年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成18年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成18年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成17年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成17年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成16年秋の叙勲受章者名簿(内定)
 平成16年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成15年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成15年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成14年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成14年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成13年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成13年春の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成12年秋の叙勲受章者名簿(内定)
・ 平成12年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成11年秋の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成11年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成10年秋の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成10年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 9年秋の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 9年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 8年秋の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 8年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 7年秋の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 7年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 6年秋の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 6年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 5年秋の勲章受章者名簿(内定)
 平成 5年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 4年秋の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 4年春の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 3年秋の勲章受章者名簿(内定)
・ 平成 3年春の勲章等受章者名簿(内定)
・ 平成 2年秋の勲章等受章者名簿(内定)
 平成 2年春の勲章等受章者名簿(内定)
・ 平成 元年秋の勲章等受章者名簿(内定)
・ 平成 元年春の勲章等受章者名簿(内定)

2 叙勲等の内定者名簿が不開示となっている理由
(1) 令和4年度(最情)答申第13号(令和4年7月27日答申)には以下の記載があります。
    春の叙勲及び賜杯内定者名簿に登載された者の氏名、官職及び内定者数等が記載されている部分について、その記載内容に照らして検討すると、実際の受章者数は内定者の辞退や推薦取消等により内定者数から減少する場合があり、官職及び内定者数を公にすると、受章に至らなかった者の有無及び人数が明らかになると推測され、その結果、受章に至らなかった具体的理由を第三者から追及されたり、様々な憶測や誤解を招いたりするおそれがあるということができる。したがって、これらの情報は、公にすることにより適正な栄典事務の遂行に支障を及ぼすおそれがある情報にも相当するという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。
(2) 平成29年春の叙勲までの内定者名簿は,内定者の辞退や推薦取消等により叙勲に至らなかった人の名前を黒塗りにした上で開示されていました。


3 関連記事その他
(1) 栄典事務の手引(平成30年・内閣府賞勲局)を掲載しています。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場


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下級裁判所の部の数

1 下級裁判所の部の数については,下級裁判所の部の数を定める規程(昭和31年10月29日最高裁判所規程第10号)で定められています。

2 高裁の部の数は以下のとおりです。
東京高裁:37部,知財高裁:5部
大阪高裁:21部
名古屋高裁:7部,名古屋高裁金沢支部:2部
広島高裁:5部,広島高裁岡山支部:2部
福岡高裁:9部,福岡高裁宮崎支部:2部,福岡高裁那覇支部:2部
仙台高裁:6部,札幌高裁:5部,高松高裁:5部

3 地裁の部の数は以下のとおりです。
東京地裁:71部,東京地裁立川支部:7部
横浜地裁:15部,横浜地裁川崎支部:2部,横浜地裁小田原支部:2部
さいたま地裁:11部,さいたま地裁川越支部:2部
千葉地裁:10部,千葉地裁松戸支部:2部
水戸地裁:3部
宇都宮地裁:3部
前橋地裁:4部
静岡地裁:4部,静岡地裁沼津支部:2部,静岡地裁浜松支部:2部
甲府地裁:3部
長野地裁:2部
新潟地裁:3部
大阪地裁:41部,大阪地裁坂井支部:4部
京都地裁:10部
神戸地裁:10部,神戸地裁尼崎支部:3部,神戸地裁姫路支部:2部
奈良地裁:3部
大津地裁:2部
和歌山地裁:3部
名古屋地裁:16部,名古屋地裁岡崎支部:2部
津地裁:3部
岐阜地裁:3部
福井地裁:3部
金沢地裁:3部
富山地裁:2部
広島地裁:6部
山口地裁:3部,山口地裁下関支部:2部
岡山地裁:5部
鳥取地裁:2部
松江地裁:2部
福岡地裁:10部,福岡地裁久留米支部:2部,福岡地裁小倉支部:6部
佐賀地裁:3部
長崎地裁:3部,長崎地裁佐世保支部:2部
大分地裁:3部
熊本地裁:5部
鹿児島地裁:4部
宮崎地裁:3部
那覇地裁:5部,那覇地裁沖縄支部:2部
仙台地裁:6部
福島地裁:3部
山形地裁:2部
盛岡地裁:3部
秋田地裁:3部
青森地裁:3部
札幌地裁:8部
函館地裁:3部
旭川地裁:3部
釧路地裁:2部
高松地裁:3部
徳島地裁:3部
高知地裁:3部
松山地裁:3部

4 家裁の部の数は以下のとおりです。
東京家裁:10部,東京家裁立川支部:2部
横浜家裁:3部
さいたま家裁:2部
千葉家裁:2部
大阪家裁:6部
京都家裁:2部
神戸家裁:2部
名古屋家裁:3部
福岡家裁:2部
札幌家裁:2部

東京地裁民事第27部(交通部)

目次
1 東京地裁27民の状況
2 民事交通訴訟事件の新受件数が顕著な増加傾向を示している原因等
3 交通事件における一覧表の活用及びその狙い
4 交通事件におけるカルテの提出方法の検討例
5 東京地裁交通部の執筆記事及び書籍
6 関連記事その他

1 東京地裁27民の状況
(1) 東弁リブラ2021年11月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編(2021年版)-」には「はじめに」として以下の記載があります。
    東京地方裁判所民事第 27部は,当庁の民事訴訟事件係において受け付けた事件のうち,交通事故に関する事件のみを取り扱う専門部です。
    令和 3年 4月時点において,裁判官 14名,書記官 17名(主任書記官 3名,書記官 14名),速記官2名及び事務官 3名,単独事件を担当する係が 12係(1・2・3・4・5・6・7・A・B・C・D・E),合議事件を担当する係が 5係(甲 1・2・3,乙 A・B)で審理にあたっています。
(2) 法曹時報69巻7号(平成29年7月1日発行)73頁及び74頁によれば,東京地裁27民の状況は以下のとおりです(ナンバリングを追加した上での引用です。)。
① 東京地裁27民(交通部)は,平成28年4月以降,裁判官11名ないし12名(平成29年4月1日現在,未特例判事補1名を含む12名),書記官16名(うち主任書記官3名),速記官2名及び事務官3名の総勢32名ないし33名が所属し,合議5係,単独11係を構成して,事件処理に当たっています。
②   東京地裁27民の平成28年度の新受件数は,全体で2091件,うち地方裁判所を第一審とする事件(ワ号事件)は1956件,簡易裁判所を第一審とする控訴事件(レ号事件)は135件でした。
③   東京地裁27民が発足した昭和37年度の新受件数は428件であり,発足後間もないころには,交通事故の増加に比べて訴訟件数が少ないことが課題とされた時期もあったようでしたが,その後,新受件数は次第に増加し,ピークになった昭和45年度には2184件に達しました。
   昭和58年度には457件にまで減少しましたが,平成12年度には再び1000件を超え,以後ほぼ増加の一途をたどり,平成28年度にはついに2000件を超えるに至りました。
   平成20年度(全体で1369件,ワ号事件1313件,レ号事件56件)と比較すると,全体で約52.7%,ワ号事件については約49.0%,レ号事件については約141.1%もの増加(レ号事件は約2.4倍)となっています。


2 民事交通訴訟事件の新受件数が顕著な増加傾向を示している原因等
(1) 法曹時報69巻7号(平成29年7月1日発行)74頁によれば,交通事故の発生件数自体は平成16年以降減少が続いており,民事訴訟の新受件数も全体としては減少傾向(過払金等事件を除くと横ばい傾向)にある中で,このように民事交通訴訟事件の新受件数が顕著な増加傾向を示している原因として,以下の事情が指摘されています。
① 社会経済情勢の変化により,損害保険会社の保険金の支払の査定が厳しくなる一方,当事者の権利意識が高揚している。
② 高次脳機能障害により高額の将来介護費を請求する事案など,示談では容易に解決し得ない問題を含む事案が増加している。
③ 自動車保険における弁護士費用補償特約により,訴訟経済的には見合わないように思われる事件を含め,少額の訴訟の提起及び控訴も増加している。
(2) 東弁リブラ2021年11月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編(2021年版)-」には「当部における令和 2年の交通訴訟の新受件数は,1940件で,令和元年の 2190件から 11.4%減少しました。これは,明らかにコロナ禍の影響によるもので,東京地裁民事部の通常訴訟の新受件数も,令和 2年は前年より約 6.1%減少しています」と書いてあります。
(3) 二弁フロンティア2022年4月号「【前編】交通事故訴訟の最新の運用と留意点~東京地裁民事第27部(交通部)インタビュー~」には「既済件数についてですが、当部における令和2年の交通訴訟の既済件数は、1838件で、令和元年の2156件から14.7%減少しました。令和2年4月の緊急事態宣言下における審理の停止により、新受件数以上にコロナ禍の影響があったものと考えられます。既済事件を終局内容別に見ますと、判決が15.5%、和解が72.7%、取下げその他が11.8%となっており、当部における和解率は、ここ数年70%を超える高水準が維持されています。」と書いてあります。


3 交通事件における一覧表の活用及びその狙い
(1) 令和3年度専門訴訟担当裁判官事務打合せ 協議結果要旨8頁(PDF14頁)には「交通事件における一覧表の活用及びその狙い」として以下の記載があります。
◯ 令和3年から,交通事件につき,審理の早期の段階から定型の一覧表を用いて審理を行うこととした。一覧表の有用性として,主張等の漏れをなくせること,主張・争点・証拠等の争点整理を可視化でき,それを裁判所と代理人の共通認識として審理を進めることができることが挙げられる。また,ウェブ会議による期日では画面共有機能を用いて,一覧表を基に,現時点の争点整理の状況や今後の方針を口頭議論することができる。新しい一覧表の書式の浸透度としては,新件段階で書式が用いられているのは1割程度であるが,提訴後に作成を促すことで,合議事件では全件,単独事件では多い係で7割から8割程度使用されている。
◯ 一覧表の効用として,まず,準備書面のみだと記載漏れや記載順序にばらつきが多く,訴状審査をする書記官や裁判官の負担が大きかったが,定型の一覧表により一覧できるようになり,負担が減った。また,定型の一覧表を使用することより損害の把握計算がしやすくなる。一覧表は当事者が作成するので,裁判所は準備書面から手控えを作成する作業を省略でき審理に集中することができる。また,書記官の事案把握が容易化し,書記官事務の効率化が図れる。さらに,主張対比による主張・争点整理の促進及び和解案作成時の労力の削減も図れるし,弁護士は該当する欄に証拠を記入することになるので,証拠提出の促進にもつながる。IT化に向けて,様々なフォーマットの一覧表が乱立するのを避けたいという狙いもある。
(2) 東京地裁HPの「民事第27部(交通部)」に,交通事故事件の訴状,事案の概要及び損害額一覧表の書式が載っています。


4 交通事件におけるカルテの提出方法の検討例
(1) 令和3年度専門訴訟担当裁判官事務打合せ 協議結果要旨11頁(PDF17頁)には「証拠の提出方法」として以下の記載があります。
◯ カルテの証拠提出の方法について,病院へ送付嘱託すると,ほとんどの事案で大量に書類が届き保管に苦心しているため,全体をPDF化してもらい重要なもののみ紙で提出してもらう等の方法を検討している。これに限らず,IT化に伴い,大量の証拠が未整理のまま裁判所に提出されることも懸念されるが,それでは,真に重要な証拠が分かりづらくなってしまう。主張と証拠の対応関係を裁判所が主導して明らかにさせることが必要であり,一覧表にカルテの重要部分を書いてもらい該当部分のみ提出するとか,いずれは一覧表のリンクからカルテが見られるなどの方法も考えられるのではないか。
◯ 電子カルテを証拠提出する場合には,記載箇所を判決書で特定するためにページ数を付ける必要があることから,代理人には,一旦紙に出力してページ数を付してから,それをPDF化して提出してもらっている。IT化後の提出方法について弁護士会とも議論していく必要があると思われる。
(2) セコム医療システム株式会社HP「電子カルテを導入するメリット・デメリット」が載っています。


5 東京地裁交通部の執筆記事及び書籍
(1) 東京地裁交通部の執筆記事
ア 東弁リブラ2013年8月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編」が載っていて,東弁リブラ2021年11月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編(2021年版)-」が載っています。
イ 二弁フロンティア2022年4月号「【前編】交通事故訴訟の最新の運用と留意点~東京地裁民事第27部(交通部)インタビュー~」が載っていて,二弁フロンティア2022年5月号「【後編】EDR(イベント・データ・レコーダー)の技術と交通事故紛争への活用」が載っています。
(2) 東京地裁交通部の書籍
・ 東京地裁交通部の書籍としては以下のものがあります。
① 交通関係損害訴訟(2013年7月1日付)
② 交通関係訴訟の実務(2016年8月31日付)
③ 裁判官が説く民事裁判実務の重要論点(交通損害賠償編)(2021年3月24日付)


6 関連記事その他
(1) 「高齢者の死亡慰謝料額の算定」(筆者は38期の大島眞一 大阪高裁6民部総括)によれば,名古屋地裁の交通専門部は昭和37年9月に設置され,大阪地裁の交通専門部は昭和38年9月に設置されました(判例タイムズ1471号(2020年6月号)7頁参照)。
(2) 大阪地裁交通部は,「大阪地裁における交通損害賠償の算定基準〈第4版〉」(2022年5月6日付)を執筆しています。
(3) 榎木法律事務所HPに「東京地裁交通部のモデル書式(一覧表)を用いた対応について」(2021年11月24日付)が載っています。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 交通事故に関する赤い本講演録の分野別目次
・ 東京地裁裁判官会議の概況説明資料
・ 地方裁判所の専門部及び集中部
・ 弁護士費用特約

地方裁判所の専門部及び集中部

目次
1 総論
2 各地方裁判所の専門部及び集中部,並びに破産再生執行保全部
3 専門部に関する国会答弁
4 東京地裁専門部の裁判官が執筆した書籍
5 専門部及び集中部に関する外部HPの説明
6 東弁リブラの「東京地裁書記官に訊く」等
7 関連記事その他
    
1 総論
(1) 専門部とは,特定の種類の事件が集中的に配点され,かつ,通常の事件が配点されない部をいい,集中部とは,特定の種類の事件が集中的に配点され,かつ,通常の事件も配点される部をいいます。
    ただし,破産事件,再生事件,執行事件又は保全事件を担当している部は通常,専門部又は集中部とはいわれません。
(2) 専門部があるのは東京地裁及び大阪地裁だけです。
(3) 専門部又は集中部につき,取り扱う事件の範囲はそれぞれの裁判所の事務分配で定められていますから,微妙に内容が異なります。
   
2 各地方裁判所の専門部及び集中部,並びに破産再生執行保全部
(1) 東京地裁の場合
ア   2民,3民,38民及び51民が行政専門部であり,8民が商事専門部であり,11民,19民,33民及び36民が労働専門部であり,14民,34民及び35民が医療集中部であり,22民が調停・借地非訟・建築専門部であり,27民が交通専門部であり,29民,40民,46民及び47民が知財専門部です。
イ   9民が保全部であり,20民が破産再生部であり,21民が執行部です。
ウ 東京地裁46民につき,2005年11月14日発行の「特技懇」誌第239号「知財部に配属になって」が参考になります。
(2) 横浜地裁の場合
ア   1民が行政・知財集中部であり,4民及び5民が医療集中部であり,6民が交通集中部であり,7民が労働集中部です。
イ   3民が破産再生執行保全部です(横浜地裁HPの「第3民事部の業務」参照)。
(3) さいたま地裁の場合
ア   1民が医療集中部であり,4民が行政・知財集中部であり,5民が労働集中部です。
イ   3民が破産再生執行保全部です。
(4) 千葉地裁の場合
ア   1民が労働・知財集中部であり,2民が医事集中部であり(千葉地裁HPの「医療集中部における取組」参照),3民が行政集中部です。
イ   4民が破産再生執行保全部です。
(5) 大阪地裁の場合
ア   2民及び7民が租税・行政専門部であり(平成28年3月までは行政集中部でした。),4民が商事専門部であり,5民が労働専門部であり,10民が建築・調停専門部であり,15民が交通専門部であり,17民,19民及び20民が医療集中部であり,21民及び26民が知財専門部です。
イ   1民が保全部であり,6民が破産再生部であり,14民が執行部です。
ウ 平成30年12月10日付の大阪地裁の司法行政文書不開示通知書によれば,大阪地裁第15民事部の審理モデルが書いてある文書は,同日までに廃棄されました。
(6) 京都地裁の場合
ア   2 民が知財集中部であり,3民が行政集中部であり,4民が交通集中部であり,6民が労働集中部です。
イ   5民が破産再生執行保全部です。
(7) 神戸地裁の場合
ア   1民が交通集中部であり,2民が行政集中部であり,5民が知財集中部であり,6民が労働集中部です。
イ   3民が破産再生執行保全部です。
(8) 名古屋地裁の場合
ア   1民が労働集中部であり,3民が交通集中部であり,4民が医療集中部であり,9民が行政集中部です。
イ   2民が破産再生執行保全部です。
(9) 広島地裁の場合
ア   1民が医療集中部であり,3民が労働集中部です。
イ   4民が破産再生執行保全部です。
(10) 福岡地裁の場合
ア   3民が医療集中部であり,5民が行政・労働集中部です。
イ   4民が破産再生執行保全部です。
(11) 仙台地裁の場合
ア   3民が医療集中部です。
イ   4民が破産再生執行保全部です。
(12) 札幌地裁の場合
ア   2民が医療集中部であり,3民が建築集中部です。
イ   4民が破産再生執行保全部です。


3 専門部に関する国会答弁
・ 35期の安浪亮介最高裁判所人事局長は,平成26年3月27日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリング及び改行を追加しています。)。
① 専門事件につきまして、事件数が多い庁につきましては専門部あるいは集中部という体制を取りまして、その知見を集中的に活用するという体制を、ノウハウというのを活用するという体制を取っております。
    そのような専門部、集中部につきましては一定のやはり事件数があるということが前提になるわけですけれども、そういうような要件を満たすような庁につきましてはそのような体制を今後とも考えていって、それぞれの事件について、裁判官についてもそのノウハウの蓄積、そのノウハウの活用ということをやっていきたいというふうに考えているところでございます。
② 各裁判所におきます裁判官の配置につきましては、毎年それぞれの裁判所の裁判官会議の議決によって定められるものでございます。
    東京地裁の行政部についてお尋ねがございましたが、東京地裁におきましても、裁判官会議の議決によりまして行政部の裁判官の配置を決めておるものでございます。
    その際に、殊更こういう裁判官を行政部にというふうなことで配置していることは考えられないところでありますし、最高裁といたしましても、そのようなことはあり得ないものと考えております。


4 東京地裁専門部の裁判官が執筆した書籍
(1) 裁判実務シリーズとして以下の書籍が出版されています(至誠堂書店HP「シリーズから探す」「商事法務 裁判実務シリーズ」参照)。
労働関係訴訟の実務,特許訴訟の実務,民事保全の実務
民事再生の手引,医療訴訟の実務,会社訴訟の実務
行政関係訴訟の実務,著作権・商標・不競法関係訴訟の実務
交通関係訴訟の実務,破産実務の基礎
(2)ア 東京地裁8民(破産部)の裁判官は,「破産・民事再生の実務」破産編民事再生・個人再生編のほか,「会社更生の実務」上巻下巻を執筆しています。
イ 東京地裁9民(保全部)の裁判官は,「民事保全の実務」上巻下巻を執筆しています。
ウ 東京地裁11民,19民,33民及び36民(労働専門部)の裁判官は,「類型別 労働関係訴訟の実務〔改訂版〕」Ⅰを執筆しています。
ウ 東京地裁21民(執行部)の裁判官は,「民事執行の実務 債権執行編」上巻下巻,及び「民事執行の実務 不動産執行編」上巻下巻を執筆しています。
エ 東京地裁22民(調停・借地非訟・建築専門部)の裁判官は,「Q&A 建築訴訟の実務-改正債権法対応の最新プラクティス」を執筆しています。
(3) 東京地裁民事交通訴訟研究会が執筆した「別冊判例タイムズ38号 (民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準全訂5版) 」は,平成26年7月4日に判例タイムズ社から出版されています。


5 専門部及び集中部に関する外部HPの説明
(1) 東北大学法科大学院HPの「民事訴訟における専門部・集中部について」には以下の記載があります。
    下級裁判所においては,部が複数あるとき,係属した事件をどの部で取り扱うかは各裁判所の裁判官会議において予め定められた事務分配規程の定めるところによるが,規模の大きな裁判所では,専門性の強い事件について特定部を取扱部と定めて,一つ又は複数の部に集約して取り扱うこととされていることが多い。例えば東京地裁では,行政・労働・知財・医療・建築・交通・商事の七つの専門訴訟について,専門的に取り扱う部を設け,これらの事件はそれ以外の部では取り扱われない。
    もっとも,このようにして特定の部で取り扱う専門訴訟事件は,各庁ごとにその取扱範囲が定義されており,同じように「行政部」「労働部」「建築部」という表現がされていても,その取り扱う範囲は各裁判所によって微妙に異なっている。東京地裁の場合,行政事件であっても,公務災害不認定処分の取消しなど労働に関する行政事件は労働部に,知的財産権に関する行政処分に関する行政事件は知財部が取り扱うものとされ,「行政部」(2 部・3 部・38 部・51 部)では取り扱われない。
    当該部が専ら特定の種類の事件のみを取り扱い,通常事件の配てんを受けないときには,その部を「専門部」と呼び,通常事件も併せて取り扱うときには,その部を「集中部」と呼んでいる。
(2) 東北大学HPの「裁判官の学びと職務」(令和5年11月22日に東北大学法科大学院で行われた、法科大学院学生を対象とした47期の井上泰士の講演原稿に大幅に加筆したもの)には以下の記載があります。
京都地方裁判所で配属先となった集中部というのは、大規模又は中規模の地方裁判所で見られる形態で、例えば京都府内で発生する行政事件は必ず第3民事部に配点されるのですが、これだけでは第3民事部の仕事が少なくなりすぎるので、通常民事事件も相応に受け付けて処理するのです。

(3) 林総合法律事務所HP「東京地裁での民事訴訟 – 通常部・専門部・集中部」が載っています。



6 東弁リブラの「東京地裁書記官に訊く」等
 東弁リブラには以下のとおり「東京地裁書記官に訊く」等が載っています。
・ 東弁リブラ2009年 1月号「東京地裁書記官に訊く(上)-保全・執行・刑事編-」
・ 東弁リブラ2009年 3月号「東京地裁書記官に訊く(下)-民事訴訟手続・破産編-」
・ 東弁リブラ2009年 7月号「東京家裁書記官に訊く-家事部編-」
・ 東弁リブラ2010年11月号「東京地裁書記官に訊く-建築関係訴訟・借地非訟編-」
・ 東弁リブラ2011年12月号「東京家裁書記官・調査官に訊く-少年部編-」
・ 東弁リブラ2012年11月号「東京地裁書記官に訊く-労働部編-」
・ 東弁リブラ2013年 8月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編-」
・ 東弁リブラ2014年11月号「東京地裁書記官に訊く-商事部編-」
・ 東弁リブラ2015年 5月号「東京高裁書記官に訊く-民事部・刑事部編-」
・ 東弁リブラ2021年10月号「東京簡裁書記官に訊く-民事訴訟手続を中心に-」
・ 東弁リブラ2021年11月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編(2021年版)-」
・ 東弁リブラ2022年 9月号「東京地裁書記官に訊く-建築関係訴訟・借地非訟編-」


7 関連記事その他
(1)ア 東京家裁の場合,第1部が後見・財産管理部であり,第5部が遺産分割部であり,第6部が人事訴訟部です(平成25年度事務分配参照)。
イ 大阪家裁の場合,少なくとも平成31年度以降については,第3部が遺産分割・人事訴訟部であり,第4部が後見・財産管理部です。
    ただし,平成25年度事務分配では,第3部は遺産分割・財産管理部であり,第4部は後見・人事訴訟部でした。
(2)ア 司法の窓80号(平成27年5月発行)「不動産競売物件情報サイト(BIT)が新しくなりました」が載っています。
イ 二弁フロンティア2021年4月号「建築紛争処理の実務」が載っています。
(3)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 令和3年度専門訴訟担当裁判官事務打合せ 協議結果要旨及び配布資料
イ 以下の記事も参照してください。
・ 高裁の部総括判事の位置付け
・ 高等裁判所の集中部
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 東京地裁民事第27部(交通部)
・ 東京地裁裁判官会議の概況説明資料
・ 医療過誤事件に関するメモ書き

高等裁判所の集中部

目次
1 東京高裁の場合
2 大阪高裁の場合
3 その他の高裁の場合
4 関連記事

1 東京高裁の場合
(1) 家事抗告事件については,四つの部に集中して処理しています。
   従前は三つの部が担当していましたが,事件数が増加したため,平成18年1月からは4つの部が担当しています。
(2)ア 家事抗告事件の担当部は建制順に持ち回りであり,2年度ごとに二つの部が交代します。
イ 平成28年の担当部は,17民,19民,20民及び21民です。
(3) 平成17年4月1日以降,東京高裁管内の知財事件は,東京高裁の特別の支部である知的財産高等裁判所が担当しています。

2 大阪高裁の場合
(1) 大阪高裁8民は知財集中部です。
   そのため,大阪高裁に対して意匠権及び商標権に関する事件を控訴した場合,大阪高裁8民に係属します。
(2)ア 大阪高裁第9民事部及び大阪高裁第10民事部は家事抗告集中部です。
   そのため,大阪高裁に対して家事抗告,保護命令抗告をした場合,いずれかの部に係属しますところ,令和6年4月現在,書記官室は同じ部屋にあります。
イ 平成13年に大阪高裁10民が家事抗告集中部となり,平成20年に大阪高裁9民が家事抗告集中部となりました(近弁連会報112号(令和2年11月発行)37頁)。
ウ 家事抗告審の場合,民事控訴審の場合と異なり,不利益変更禁止の原則は適用されません(家事事件手続法93条3項前段による民事訴訟法296条1項及び304条の準用除外)。
(3)ア 大阪高裁第11民事部は民事抗告集中部です。
   そのため,大阪高裁に対して執行抗告,倒産抗告,民事保全抗告,商事非訟抗告,借地非訟抗告等をした場合,大阪高裁11民に係属します。
イ 例えば,原発差止めの仮処分に対して保全異議審を経て保全抗告をした場合,大阪高裁11民に係属することとなります。
(4) その他の民事抗告については,忌避関係抗告事件及びこれを除く抗告事件とに区分した上で,1民から14民までの各部に順次,配分されます。

3 その他の高裁の場合
・ 東京高裁及び大阪高裁以外の高裁の場合,集中部はありません。

4 関連記事
・ 地方裁判所の専門部及び集中部
・ 東京地裁民事第27部(交通部)

裁判所職員に関する記事の一覧

目次
1 裁判所職員採用試験関係
2 執務等の関係
3 文書管理の関係
4 役職等の関係
5 研修関係
6 幹部職員の名簿
7 退職後の関係
8 定員関係
9 関連資料その他

1 裁判所職員採用試験関係
 平成3年度以降の裁判所職員採用試験の採用案内パンフレット
 裁判所職員採用試験に関する各種データ
 裁判所職員採用試験における得点分布は開示されないこと
・ 平成26年度裁判所職員採用試験でミスがあった結果,24人が誤って不合格になったこと
・ 司法試験受験生が裁判所職員採用試験を受ける場合の面接対策
・ 執行官の採用選考実施結果

2 執務等の関係
・ 首席書記官の職務
 首席家庭裁判所調査官の職務
・ 最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携
・ 上告審から見た書記官事務の留意事項
 書記官事務等の査察
・ 裁判官秘書官
・ 執行官
 裁判所書記官,家裁調査官及び下級裁判所事務局に関する規則,規程及び通達


3 文書管理の関係
 司法行政文書に関する文書管理
・ 裁判文書の文書管理に関する規程及び通達
・ 民事事件の裁判文書に関する文書管理
 裁判文書及び司法行政文書がA4判・横書きとなった時期


4 役職等の関係
・ 裁判所における一般職の職員
・ 裁判所の指定職職員
・ 指定職未満の裁判所一般職の級
・ 裁判所書記官の役職
・ 司法行政部門における役職と,裁判部門における裁判所書記官の役職の対応関係
・ 家庭裁判所調査官の役職
・ 裁判所調査官
・ 裁判所職員の病気休職
 裁判所職員の旧姓使用


5 研修関係
・ 裁判所職員用ポータルサイトシステム(J・NETポータル)の主な掲載コンテンツ(平成30年度)
 裁判所職員総合研修所の研修実施計画等


6 幹部職員の名簿
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
 最高裁判所が作成している,首席家裁調査官等名簿



 退職後の関係
・ 裁判所職員の再就職
・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)


8 定員関係
・ 級別定数の改定に関する文書
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議
 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見


9 関連資料その他
(1) 裁判所職員臨時措置法(昭和26年12月6日法律第299号)(制定時のもの)が昭和27年1月1日に施行されるまでの間,裁判所の職員は,国家公務員法に定める一般職に属する職員とされていました(第一次改正法律付則(昭和23年12月3日法律第222号)11条)。
(2) 東弁リブラには以下のとおり「裁判所書記官に訊く」が載っています。
・ 東弁リブラ2009年 1月号「東京地裁書記官に訊く(上)-保全・執行・刑事編-」
・ 東弁リブラ2009年 3月号「東京地裁書記官に訊く(下)-民事訴訟手続・破産編-」
・ 東弁リブラ2009年 7月号「東京家裁書記官に訊く-家事部編-」
・ 東弁リブラ2010年11月号「東京地裁書記官に訊く-建築関係訴訟・借地非訟編-」
・ 東弁リブラ2011年12月号「東京家裁書記官・調査官に訊く-少年部編-」
・   東弁リブラ2012年11月号「東京地裁書記官に訊く-労働部編-」
・ 東弁リブラ2013年 8月号「東京地裁書記官に訊く-交通部編-」
・ 東弁リブラ2014年11月号「東京地裁書記官に訊く-商事部編-」
・ 東弁リブラ2015年 5月号「東京高裁書記官に訊く-民事部・刑事部編-」
・ 東弁リブラ2021年10月号「東京簡裁書記官に訊く-民事訴訟手続を中心に-」
(3) 裁判官の秘書官としては,最高裁判所裁判官の秘書官(裁判所法54条)及び高等裁判所長官の秘書官(裁判所法56条の5)がいます。
(4) 以下の資料を掲載しています。
・ 中長期的観点に立った職員制度に関する提言(平成8年3月1日付の最高裁判所人事局参事官室の提言)
・ 裁判所職員臨時措置法において準用する国家公務員倫理法等の運用について(平成12年4月6日付の最高裁判所倫理監督官通達)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の兼業の許可等について(平成4年6月26日付の最高裁判所事務総長の依命通達)
・ 裁判所における出産・育児と仕事を両立させるための制度(最高裁判所事務総局)
・ 裁判所職員のための両立支援制度ハンドブック~介護編~(平成29年3月)
・ 裁判所職員のための両立支援制度ハンドブック~フレックスタイム制編~(平成29年5月)
・ 裁判所職員のための両立支援制度ハンドブック~妊娠・出産編~(平成29年7月)
・ 裁判所職員のための両立支援制度ハンドブック~育児編~(平成29年8月)
・ パワー・ハラスメント防止ハンドブック(平成27年7月の人事院職員福祉局の文書)

司法試験受験生が裁判所職員採用試験を受ける場合の面接対策

目次
第1 69期司法修習生になった人の,裁判所職員採用試験の面接体験
1 面接時の発言は人事部には届いていないみたいであること
2 裁判所職員採用試験における面接時のやり取り
3 69期司法修習生となったこと
第2 司法試験に三振した人が裁判所職員になった体験談に関するブログ
第3 関連記事その他

第1 69期司法修習生になった人の,裁判所職員採用試験の面接体験
1 面接時の発言は人事部には届いていないみたいであること
・ ダーレム七転び八起き日記ブログ「追記 司法試験受験生による公務員試験対策 【裁判所職員 一般職】」(平成27年8月31日付)に以下の記載があります。

   司法試験受験生ならば、必ず司法試験に合格した場合の身の振り方を聞かれると思います。なので、絶対にこの点だけは考えておいてください。おそらく、結論はどちらでもよいと思うのですが、矛盾せずに筋の通った答えを用意しておいてください。個人的には、やはり面接のときは、司法修習に進まない、裁判所職員が第一志望と言っておいた方が無難かなぁと思います。たとえ、後で内定を辞退したとしても、考えが変わったといえば嘘をついたことにはならないですからねw それにそれくらいのことは想定済みでしょう。
   これは余談ですが、おそらく面接時の発言(司法修習に進むかどうかとか、第一志望が何かとか)は人事部には届いていないみたいなので、後で面接時の発言を掘り返されて咎められるなんてことはないみたいです。先日、人事部の方から今後の進路について質問されたのですが、そのとき人事部の担当者は、僕の選択肢については全く知らなかったみたいですし、正直に答えてもらってかまわないといってくださいました。しかも、司法試験合格だったら悩むのも仕方ないよねと親身にお話してくださいました。

    裁判所職員の面接試験対策は、事前準備をしっかりして、本番では丁寧に答えるべしという感じでしょうか。事前準備としては、面接カード等に書いたことに対する質問を想定しておくことのほか、「他には?」と聞かれた時のために予備の答えも用意しておく、司法試験も合格した場合の身の振り方を決めておくという感じですかね。
2 裁判所職員採用試験における面接時のやり取り
・ ダーレム七転び八起き日記ブログ「H27裁判所職員 面接」(平成27年9月3日付)には,裁判所職員採用試験における面接時のやり取りとして以下の記載があります。

左「司法研究科の大学院とありますが、これはいわゆるロースクール出身ということですか?」
ダ「はい。」
左「(進路についての記述を見て)今年も司法試験を受験されていて、短答も通ったみたいですね。合否はどう思いますか?」
ダ「短答はギリギリ通過ですし、論文式試験もあまり自信がありませんので、最終合格は難しいと思っています。」
左「もし、最終合格すればどうしますか?」

ダ「今年最終合格しても修習にはいきません。去年も司法試験を受けていたのですが、その当時の試験制度においては最後の受験資格だったので、最後だと思って受けていました。したがって、そのときは自分の全力を尽くしたつもりです。しかし、残念ながら不合格となりました。ただ、偶然にもそのころに、試験制度が変わり、僕は復権となったので、今年も受けられるようになりました。」

左「なるほど。」
ダ「私は、去年で全てやりきったと思ったのですが、まだ受験資格がある以上、最後の最後まで受験したうえで、この受験生活にけじめをつけたいと思い、今年受けました。したがって、今年はけじめをつけるために受けたのであり、法曹になるために受けたのではなかったので、試験の結果にかかわらず、修習にはいきません。
左「本当に?」

ダ「本当です。」

(中略)

中「わかりました。ところで、仮に裁判所職員になることができたとしても、他の友人は弁護士等の法曹になっていますよね。それで悔しいというか羨望というか、そんな気持ちになったりしませんか?」
ダ「いえ、全くなりません。そもそも、そのように人と比較して劣等感を抱いたり優越感に浸るのは良くないと思っています。それぞれのステージで輝いているのならば、別にかまわないと思います。たとえ、司法試験から離れてフリーターになっていても、その人が頑張っているならばそれでいいと思います。したがって、私が裁判所職員になっても人と比べる必要はないと思っていますから悔しいみたいな気持ちにはなりません。」
中「わかりました。」
中「確認したいのですが、司法試験に合格しても、本当に修習に行かないのですか?今まで頑張ったのに?」
ダ「確かに、その点については事前に自分なりに考えました。しかし、去年の不合格後に、友人からせっかく法律の勉強をしているわけだし、もう少し視野を広げて、法曹以外の仕事も考えるべきではないかと言われたことをきっかけに、裁判所職員を受けることにしました。こういったアドバイスを受けたことから、法曹に固執するのはやめようと思いましたし、司法試験に未練はないので、修習にはいきません。

中「わかりました。」


3 69期司法修習生となったこと
・ ブログ主のダーレムさんは平成27年の裁判所職員採用試験と並行して受験した司法試験に合格したため,69期司法修習生となったみたいです。


第2 司法試験に三振した人が裁判所職員になった体験談に関するブログ
・ noteの「僕が国家公務員を辞めて「成年後見」分野に飛び込む理由」(2019年3月26日付)に以下の記載があります。

司法試験の挫折と、裁判所に拾ってもらったこと

ロースクールを卒業した後、3回ほど司法試験落ちてみたら、あっという間に30歳が目前に迫っていました。

大学の友人達は既に立派な社会人8年生になっており連絡を取りづらく、母親にも当時の彼女(今の嫁)にも不甲斐ないと泣かれ、「いやぁ…俺も泣きてぇよ…」と絶望しておりました。

そんな折、司法試験浪人仲間から、
「国家公務員はほとんど年齢制限に引っ掛かるけど、裁判所事務官は29歳まで受験資格あるよ~」
との情報が。ワラをもすがる思いで受験してみたら裁判所に拾って頂けました。ありがたやー!


第3 関連記事その他
1 法律事務所フロンティア・ロー代表の内山宙弁護士は,参考人として,令和元年5月23日の参議院文教科学委員会において以下の発言をしています。
    中央大学法学部で旧司法試験の勉強をしておりましたが、在学中では合格せず、裁判所事務官となりました。その後、書記官を五年、事務局の係長を三年やりまして、その事務局係長のときに仕事と並行して夜間で成蹊大学の法科大学院に通い、三年で修了いたしました。そのことは職場には言っておりませんでした。修了の年、最高裁民事局民事訴訟係長をしていたときに新司法試験を受験して合格し、退職いたしました。ですので、旧試験と新試験の両方を経験しているということになります。
2 以下の記事も参照してください。
・ 裁判所職員採用試験に関する各種データ
・ 裁判所職員に関する記事の一覧

保釈中の被告人が罪証隠滅に成功した事例等に関する文書は存否応答拒否の対象となること

目次
第1 「保釈中の被告人が保釈保証金を没取されることなく罪証隠滅に成功した事例に関する文書」については存否応答拒否になるとした,令和元年5月の法務大臣の理由説明書の記載
第2 「保釈中の被告人が事件関係人に接触した結果,事件関係人の供述を自己に有利に変更して無罪判決を獲得した事例に関する文書」については存否応答拒否になるとした,令和元年5月の法務大臣の理由説明書の記載
第3 カルロス・ゴーンの保釈条件
第4 関連記事

第1 「保釈中の被告人が保釈保証金を没取されることなく罪証隠滅に成功した事例に関する文書」については存否応答拒否になるとした,令和元年5月の法務大臣の理由説明書の記載
1 本件対象文書について
   具体的な事件に関し,当該事件を担当する地方検察庁等から法務大臣に対して報告がなされた場合の文書には,例えば,刑事関係報告規程(昭和62年法務省刑総訓秘第28号)第2条及び同規程別冊第1事件報告一覧表に基づく事件報告によるものがある。
   同規程による事件報告の対象となるのは,特定の罪名の事件や,特定の身分を有する者の事件等のほか,犯罪捜査上参考となる事件や公判遂行上参考となる事件とされている。
2 存否応答拒否について
   本件開示請求は, 「保釈中の被告人が保釈保証金を没取されることなく罪証隠滅に成功した事例に関して法務省が作成し,又は取得した文書(直近の事例に関するもの)」であるが,特定の具体的かつ詳細な状況を前提とした事案について,法務省において把握しているか否かを明らかにすることは,検察庁において,そのような事案として把握しているか否か,また当該事案を刑事関係報告規程等に基づき犯罪捜査や公判遂行上参考になるものなどとして,法務省が把握すべき事件であると認めたか否かという事実の有無を明らかにする結果を生じさせるものと認められる。
   当該文書が存在することを明らかにした場合,本件請求に係る内容が相当限定的なものであることも踏まえると,例えば,既iこ報道されている情報や公開の法廷等で明らかにされている情報等.(保釈保証金の没取の有無や当該被告人の罪証隠滅等の行動等)と結び付けて理解されることで,特定の事件において保釈中の被告人による罪証隠滅行為について,検察庁が, 「成功した」もので,法務省に報告すべき事件と評価していることが明らかとなる結果,当該罪証隠滅行為は実効的であるなどとの評価,誤解,憶測等を招くおそれがある。
   他方,当該文書が存在しないことを明らかにした場合,例えば,被告人による罪証隠滅行為が行われたことを個人的に把握している者において,検察庁が当該罪証隠滅行為を把握していないなどと考え,当該罪証隠滅行為は検察に露見することなくなし得るものという評価,誤解,憶測等を招くおそれがあり, さらには,それらが世間一般に拡散するおそれもある。
   そして, これらの評価,誤解,憶測等を招いた結果,現に保釈中の被告人や被疑者による罪証隠滅行為を誘発するとともに,それらの手口の巧妙化が進むおそれがある。
   いったん罪証隠滅行為が行われれば,捜査機関の証拠収集活動や公判立証への影響はきわめて大きく,請求に係る文書の存否情報は, これを公にすることにより,犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由があると認められ,法第5条第4号の不開示情報に該当するものと認められる。
   したがって,請求に係る文書の存否情報を回答するだけで,法第5条第4号の不開示情報を開示することとなるため,法第8条による存否応答拒否により対応することが相当であると考えられる。


第2 「保釈中の被告人が事件関係人に接触した結果,事件関係人の供述を自己に有利に変更して無罪判決を獲得した事例に関する文書」については存否応答拒否になるとした,令和元年5月の法務大臣の理由説明書の記載
1 本件対象文書について
   具体的な事件に関し,当該事件を担当する地方検察庁等から法務大臣に対して報告がなされた場合の文書には,例えば,刑事関係報告規程(昭和62年法務省刑総訓秘第28号)第2条及び同規程別冊第1事件報告一覧表に基づく事件報告によるものがある。
   同規程による事件報告の対象となるのは,特定の罪名の事件や,特定の身分を有する者の事件等のほか,犯罪捜査上参考となる事件や公判遂行上参考となる事件とされている。
2 存否応答拒否について
   本件開示請求は, 「保釈中の被告人が事件関係人に接触した結果,事件関係人の供述を自己に有利に変更して無罪判決を獲得した事例に関して法務省が作成し,又は取得した文書(直近の事例に関するもの)」であるが,特定の具体的かつ詳細な状況を前提とした事案について,法務省において把握しているか否かを明らかにすることは,検察庁において,そのような事案として把握しているか否か,当該事案を刑事関係報告規程等に基づき,犯罪捜査や公判遂行上参考になるものなどとして,法務省が把握すべき事件であると認めたか否かという事実の有無を明らかにする結果を生じさせるものと認められる。
   当該文書が存在することを明らかにした場合,本件請求に係る内容が相当限定的なものであることも踏まえると,例えば,既に報道されている情報や公開の法廷等で明らかにされた情報等(被告人による事件関係人への接触の有無,無罪判決の理由で指摘された事件関係人の供述状況等)と結び付けて理解されることで,無罪判決は,保釈中の被告人が事件関係人に接触し,同人の供述を被告人に有利に変更させたことで得られたものであるとして,検察庁において認識され,法務省に報告すべき事件と評価しているなどという評価,誤解,憶測等を招くおそれがある。
   他方,当該文書が存在しないことを明らかにした場合,例えば,被告人による事件関係人への接触やその際の供述変更の働きかけを個人的に把握している者において,無罪判決の理由は被告人による事件関係人への接触やその際の働きかけにあるが,検察庁が当該接触や働きかけを把握していないなどと考え, これらの行為は検察庁に露見することなくなし得るものという評価,誤解,憶測等を招くおそれがあり, さらには,それらが世間一般に拡散するおそれもある。
   そして, これらの評価,誤解,憶測等を招いた結果,現に保釈中の被告人や被疑者による事件関係人への接触行為,事件関係人に対する供述変更の働きかけを誘発するとともに,それらの手口の巧妙化が進むおそれがある。
   いったんこのような行為が行われれば,捜査機関の証拠収集活動や公判立証への影響はきわめて大きく,請求に係る文書の存否情報は,これを公にすることにより,犯罪の予防,鎮圧又は捜査,公訴の維持,刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由があると認められ,法第5条第4号の不開示情報に該当するものと認められる。
   したがって,請求に係る文書の存否情報を回答するだけで,法第5条第4号の不開示情報を開示することとなるため,法第8条による存否応答拒否により対応することが相当であると考えられる。


第3 カルロス・ゴーンの保釈条件
1 東京地検次席検事は,平成31年3月8日の定例記者会見で,東京地裁が会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告(64)の保釈にあたって決めた監視カメラの設置など約10項目の条件について「実効性がない」との見解を示しました(産経ニュースHPの「ゴーン被告保釈条件 地検次席が地裁決定に異例の批判「実効性ない」」(平成31年3月8日付)参照)。
2 平成31年3月の保釈決定で出された,カルロス・ゴーンの保釈条件は以下のとおりです(BLOGOSの「保釈条件について」参照)。
1 被告人は、東京都***に居住しなければならない。
  住居を変更する必要ができたときは、書面で裁判所に申し出て許可を受けなければならない。
2 召喚を受けたときは、必ず定められた日時に出頭しなければならない(出頭できない正当な理由があれば、前もって、その理由を明らかにして、届け出なければならない。)
3 逃げ隠れしたり、証拠隠滅と思われるような行為をしてはならない。
4 3日以上の旅行をする場合には、前もって、裁判所に申し出て、許可を受けなければならない。
5 海外渡航をしてはならない。
6 被告人は、所持する旅券すべてを弁護人に預けなければならない。
7 被告人は、第一審の判決宣告に至るまでの間、本邦における在留期間を更新し又は在留資格を取得できるように努め、弁護人を介して、その経過及び結果を裁判所に報告しなければならない。
8 被告人は、グレゴリー ルイス ケリー、大沼敏明、西川廣人、ヘマント クマール ナダナサバパシー、真野力、小坂厚夫、ハーリド、ジュファリ(Khaled Juffali)、ジル ノルマンその他の本件事件関係者及び罪体に関する弁護人請求の証人(証人請求予定者を含む。)に対し、直接又は弁護人を除く他の者を介して、面接、通信、電話等による一切の接触をしてはならない。
9 被告人は、弁護人が上記制限住居の玄関に監視カメラ(24時間作動するもの)を設置して録画し、かつその画像を①マイクロSDカード又はビデオレコーダー及びUSBメモリーに保存すること、その録画画像(毎月末日までの分)を翌月15日までに裁判所に提出することを、妨げてはならない。
10 被告人は、弁護人から提供される携帯電話1台(番号***)のみを使用し、それ以外の携帯電話機、スマートフォンなどの通信機器を使用してはならない。被告人は、使用を許可された上記携帯電話機の通話履歴明細を保存しておかなければならない。
11 被告人は、弁護士法人法律事務所ヒロナカから提供されるパーソナルコンピューター(機種名***、製造番号***)のみを、平日午前9時から午後5時までの間、同事務所内(東京都千代田区***)において使用し、それ以外の日時・場所で、パーソナルコンピューターを使用してはならない。被告人は、使用を許可された上記パーソナルコンピューターのインターネットのログ記録を保存しておかなければならない。
12 被告人は、制限住居の内外を問わず、面会した相手の氏名(ただし、被告人の妻、弁護人、弁護士法人法律事務所ヒロナカの事務員を除く)、日時・場所を記録しておかなければならない。
13 被告人は、弁護人を介して、10項の通話履歴明細(毎月末日までの分)を翌月末日までに、11項のインターネットのログ記録(毎月末日までの分)及び12項の面会記録(毎月末日までの分)を翌月15日までに、それぞれ裁判所に提出しなければならない。
14 被告人は日産自動車株式会社の株主総会、取締役会その他の会合に出席する場合には、前もって、裁判所に申し出て、許可を受けなければならない。
15 本件につき公判期日の召喚状、保釈許可決定謄本等裁判所から郵便で送達された書類については、保釈制限住居で受領すべきはもちろんのこと、不在時に配達された場合には、すみやかに集配局に出頭する等の方法により、必ず受領しなければならない。


第4 関連記事
・ 保釈保証金の没取
・ カルロス・ゴーンの刑事手続に関する文書は個人識別情報として不開示情報であること

級別定数の改定に関する文書

目次
1 級別定数の改定に関する文書
2 定数配布に関する文書は不開示であること
3 級別定数表に関する最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の答申書の記載内容
4 関連記事その他

1 級別定数の改定に関する文書
(1) 最高裁判所が毎年度,裁判所職員臨時措置法一般職の職員の給与に関する法律8条に基づき作成している級別定数の改定に関する文書を以下のとおり掲載しています。
(令和時代)
令和2年度令和3年度令和4年度令和5年度
令和6年度令和7年度
(平成時代)
平成27年度平成28年度平成29年度平成30年度平成31年度
* 「令和6年度の級別定数の改定について(最高裁判所)」といったファイル名です。
(2) 一般職の職員の給与に関する法律6条の2第1項及び8条1項に基づく人事院の意見は,人事院HPの「級別定数等に関する内閣総理大臣への意見」に載っています。


2 定数配布に関する文書は不開示であること
・ 平成28年度(最情)答申第30号(平成28年10月24日答申)には,「2 本件対象文書の不開示情報該当性について」として以下の記載があります(本件対象文書とは,「具体的な職名,級についてどのような考え方に基づいて定数配付を行っているのかが分かる文書(最新版)」のことです。)。
(1) 原判断においては,本件対象文書は,全体として法5条6号ニに相当する不開示情報が記録されているものであるとして,標題も含めた全体を不開示としたところ,苦情申出がされたが,最高裁判所事務総長は,原判断を相当としているから,最高裁判所の職員の口頭説明の結果を踏まえ,検討する。
(2) 本件対象文書の見分の結果及び最高裁判所の職員の口頭説明の結果を総合すると,定数配布とは,級別定数の範囲内で適任者を適正に昇格させるために用いられる手法であると認められる。
   そして,本件対象文書の見分の結果によれば,本件対象文書には,その手法に関する事項の一部が記載されているところ,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,具体的な手法の内容は,ごく一部の職員にしか知られることのない極めて機密性の高い性質のものであり,たとえ標題だけが知られることになったとしても,裁判所の人事管理に関して無用の憶測を呼ぶなどするおそれがあるとのことであり,当該説明が不合理とはいえない。
   そうすると,人事管理に係る事務という公平性と機密性が要求される事務の性質上,本件対象文書に記録された情報については,標題も含めた全体について,これを公にすると,これを知った者に無用な憶測を生じさせたり,さらには,職員の適正かつ円滑な職務遂行に好ましくない影響が及ぶなどして,裁判所の人事事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
   したがって,本件対象文書に記録された情報は,標題も含めたその全体が法5条6号ニに規定する不開示情報に相当すると認められる。

3 級別定数表に関する最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の答申書の記載内容
・ 令和4年度(最情)答申第32号(令和5年2月27日答申)には以下の記載があります。
 当委員会庶務を通じた確認の結果は、次のようなものである。まず、級別定数表とは、各年度の一般予算参照書の予算定員表に定められた職名別の定員の数値を基礎資料として、最高裁判所が予算の範囲内で職務の級の定数を設定するために毎年度作成されている文書であって、級別定数表における職務の級の定数は、裁判所職員定員法で定められている裁判所職員の定員(法律定員)を予算面から裏付けている予算定員の範囲内で、組織ごとに、俸給表別、職名別及び職務の級別に内訳の数が定められている。また、級別定数表の職名は予算定員表に定められた職名と一致し、特定の個別具体的な官職の職務内容は、それぞれの設置についての定めと関連付けて定められている。そして、例えば、最高裁判所の級別定数表の「職名」欄に記載されている「技術員」に該当する官職としては、工務検査官及び主任技官ほか複数の官職がある。
    上記確認結果を踏まえれば、級別定数表の職名について、特定の個別具体的な官職の名称ではなく、複数の官職を総称するための代表的な官職又は包括的な官職の名称としているとする最高裁判所事務総長の説明は合理的である。これらの事実を踏まえれば、最高裁判所においては、特定の個別具体的な官職の設置の定めと関連付けて各官職の職務内容を定めているため、「級別定数表の職名として出てくる調査員」等又は「級別定数表の職名として出てくる技術員」等の職務内容が分かる文書は作成し、又は取得していないとする最高裁判所事務総長の上記説明の内容も不合理とはいえない。


 関連記事その他
(1)ア 全司法新聞2327号(2020年2月)には,「昇格課題については、「『退職までに誰でも5級』の枠組みが厳しくなっているのではないか。4級昇格を確実に、そして早く発令するようなとりくみも必要ではないか」(香川)との問題提起がなされました。」と書いてあります。
イ 人事院HPに「級別定数等に関する内閣総理大臣への意見」が載っています。
(2) 令和4年9月9日付の最高裁判所事務総長の理由説明書には以下の記載があります。
    級別定数表とは、最高裁判所が予算の範囲内で職務の級の定数を設定するために毎年度作成している文書であり、職名別に職務の級ごとの定数が記載され炉単ている。
級別定数表は、各年度の予算書のうち、裁判所職員予算定員及び俸給額表(以下「予算定員表」という場合はこの表を指す。)に定められた職名別の定員の数値を基礎資料として作成している。

(3) 令和4年10月17日付の最高裁判所事務総長の理由説明書には以下の記載があります。
    級別定数表とは、各年度の一般会計予算参照書のうち予算定員及び俸給額表(以下「予算定員表」という場合はこの表を指す。)を基礎資料として、最高裁判所が予算の範囲内で職務の級の定数を設定するために毎年度作成している文書であり、裁判所職員定員法で定められている裁判所職員の定員(法律定員)を予算面から裏付けている予算定員の範囲内で、組織ごとに、俸給表別、職名別及び職務の級別に内訳の数が定められたものである。
(4)ア 以下の資料も参照してください。
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の標準的な官職を定める規則(平成21年3月31日最高裁判所規則第6号)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の官職の属する職制上の段階等について(平成21年3月31日付の最高裁判所事務総長依命通達)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則(昭和41年7月22日最高裁判所規則第6号)
・ 裁判官及び裁判官の秘書官以外の裁判所職員の管理職員等の範囲に関する規則の運用について(昭和63年9月30日付の最高裁判所事務総長依命通達)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所の概算要求書(説明資料)
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 最高裁判所が作成している,高裁長官・地家裁所長等名簿

・ 裁判所における一般職の職員
・ 裁判所の指定職職員
・ 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 指定職未満の裁判所一般職の級
・ 裁判所書記官の役職
・ 家庭裁判所調査官の役職

裁判官の希望勤務地を取りまとめた文書は存在しないこと

目次
1 最高裁判所の公式説明
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1 最高裁判所の公式説明
(1) 平成27年度(最情)答申第8号(平成28年2月23日答申)には以下の記載があります。
    本件開示申出文書は,平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡易裁判所判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書であるところ,最高裁判所事務総長の説明によれば,全国の裁判官は,他に転任する場合の任地希望等をカードに記載して,最高裁判所事務総局人事局長に提出するとのことである。
    そうすると,人事局においては,各裁判官がカードに記載した任地希望を把握していることになるが,同説明によれば,人事局が人事異動計画の原案の立案等をする際には,各カードを個別に確認すれば足り,その記載内容を集計する必要はなく,現にその集計は行っていないというのである。人事異動事務が,任地希望を一つの考慮要素としつつも他の要素を含めて総合的に勘案して個別に検討すべき性質の事務であることに照らせば,上記説明に不合理な点は見当たらない。
(2) 本件開示申出文書は,「平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡裁判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書」です。

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