裁判文書の文書管理に関する規程及び通達

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目次
1 事件の受付段階
2 事件処理中の段階
3 事件終了後の段階
4 書記官事務等の査察段階
5 退職段階
6 訴額の算定に関する裁判例
7 裁判所書記官の処分に対する異議申立て(令和3年7月7日追加)
8 関連記事その他

1 事件の受付段階
① 事件の受付及び分配に関する事務の取扱いについて(平成4年8月21日付の最高裁判所事務総長通達)(平成25年4月現在のもの)
・ 略称は「受付分配通達」です。
・   別表第1が民事事件,別表第2が行政事件,別表第3が刑事事件,別表第4が没収の裁判の取消請求事件及び同控訴事件,別表第5が家事事件及び訴訟等事件,別表第6が少年事件,別表第7が医療観察事件,別表第8が法廷等の秩序維持に関する法律違反事件,別表第9が裁判官の分限事件です。
② 予納郵便切手の取扱いに関する規程(昭和46年6月14日最高裁判所規程第4号)
③ 予納郵便切手の取扱いに関する規程の運用について(平成7年3月24日付の最高裁判所事務総長通達)
④ 裁判所の事件に関する保管金等の取扱いに関する規程(昭和37年9月10日最高裁判所規程第3号)
⑤ 裁判所の事件に関する保管金等の取扱いに関する規程の運用について(平成7年3月24日付の最高裁判所事務総長通達)
⑥ 保管金の預金口座による受入れ等に関する事務の取扱いについて(平成28年9月30日付の最高裁判所経理局長通達)
⑦ 訴訟物の価額の算定について(昭和31年12月12日付の最高裁判所民事局長通知)
⑧ 土地を目的とする訴訟の訴訟物の価額の算定基準について(平成6年3月28日付の最高裁判所民事局長の通知)
⑨ 予納収入印紙及び予納登記印紙の取扱いについて(平成23年3月28日付の最高裁判所事務総長通達)
⑩ 過納手数料等の還付金の支払及び旅費,鑑定費用等の概算払等の取扱いについて(平成7年3月30日付の最高裁判所総務局長及び経理局長通達)
⑪ 閉庁時間中に裁判所の夜間郵便受け等に投かんされた書類の取扱いについて(平成27年9月1日付の最高裁判所総務局第一課長,民事局第一課長,刑事局第一課長,行政局第一課長及び家庭局第一課長事務連絡)


2 事件処理中の段階
(1) 民事・刑事・家事・少年に共通の文書
① 事件記録等の閲覧等に関する事務の取扱いについて(平成9年8月20日付の最高裁判所総務局長通達)
・ 略称は「閲覧等通達」です。
・ 別紙様式第1が民事事件記録等閲覧・謄写票であり,別紙様式第2が刑事事件記録等閲覧・謄写票であり,別紙様式第3が家事事件記録等閲覧・謄写票であり,別紙様式第4が少年事件記録等閲覧・謄写票であり,別紙様式第5が医療観察事件記録等閲覧・謄写票です。
② 事件関係の帳簿諸票の備付け及び保存について(平成4年8月21日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 略称は「帳簿諸票通達」です。
・ 別表第1が簡易裁判所に備え付ける帳簿諸票であり,別表第2が地方裁判所に備え付ける帳簿諸票であり,別表第3が家庭裁判所に備え付ける帳簿諸票であり,別表第4が高等裁判所に備え付ける帳簿諸票であり,別表第5が簡易裁判所に備え付けることができる帳簿諸票であり,別表第6が地方裁判所に備え付けることができる帳簿諸票であり,別表第7が家庭裁判所に備え付けることができる帳簿諸票であり,別表第8が高等裁判所に備え付けることができる帳簿諸票であり,別表第9が他の通達の定めにより備え付けた帳簿諸票です。
・ 帳簿諸票備付経過簿記載の手引(平成5年12月27日付の最高裁判所事務総局の文書)を掲載しています。
③ 帳簿諸票の備付け及び保存に関する事務の取扱いについて(平成4年8月21日付の最高裁判所総務局長通達)
④ 民事事件,行政事件及び家事事件に関する文書の契印の取扱いについて(平成11年2月3日付の最高裁判所総務局長,民事局長,行政局長,家庭局長通知)
・ 略称は「契印通達」です。
⑤ 認証等特殊用紙に関する事務の取扱いについて(平成22年5月25日付の最高裁判所総務局長の通達)
⑥ 認証等特殊用紙に関する事務の取扱いについて(平成25年6月24日付の最高裁判所大法廷首席書記官指示)
⑦ 最高裁判所事件管理システム等を利用した事務処理について(平成25年7月26日付の最高裁判所大法廷首席書記官指示)
⑧ 訴訟等関係人の尋問,供述等の記録媒体への保存等に関する事務の取扱いについて(平成29年5月31日付の最高裁判所総務局長,情報政策課長通達)
⑨ 記録目録及び丁数の取扱いについて(平成17年10月14日付の最高裁判所総務局長書簡)
⑩ 事件記録における記録目録及び丁数の取扱いについて(平成17年10月14日付の最高裁判所総務局第三課長の事務連絡)
⑪ 正本等の作成事務について(平成26年7月24日付の最高裁判所総務局第三課長の事務連絡)
⑫ 判決書の書式等の標準的な設定について(平成29年7月24日付の最高裁判所総務局長等の書簡)


(2) 個別の文書
ア 民事事件
① 民事訴訟記録の編成について(平成9年7月16日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 略称は「民事編成通達」であり,「民事訴訟記録の編成」でhtml化されています。
・ 第1分類が弁論関係書類であり,第2分類が証拠関係書類であり,第3分類がその他の書類です。
② 民事事件の口頭弁論調書等の様式及び記載方法について(平成16年1月23日付けの最高裁判所総務局長,民事局長及び家庭局長通達)
・ 略称は「民事調書通達」です。
・ 第1号様式が口頭弁論調書等であり,第2号様式が弁論準備手続調書合議用及び弁論準備手続調書単独用であり,第3号様式が書証目録であり,第4号様式が証人等目録であり,第5号様式が証人等調書であり,第6号様式が調書合議用及び調書単独用です。
③ 事件記録の保管及び送付に関する事務の取扱いについて(平成7年3月24日付の最高裁判所総務局長通達)
・ 略称は「保管送付通達」です。
④ 少額訴訟における手続教示,録音テープ等への記録の手続及び口頭弁論調書の作成について(平成9年7月16日付の最高裁判所総務局長,民事局長通達)
⑤ 録音反訳方式に関する事務の運用について(平成10年3月20日付の最高裁判所総務局長通達)
→ 略称は「録音反訳通達」であり,録音反訳通達の解説が別に存在します。
⑥ 予納郵便切手の取扱いに関する規程(昭和46年6月14日最高裁判所規程第4号)
⑦ 予納郵便切手の取扱いに関する規程の運用について(平成7年3月24日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 略称は「郵券通達」です。
⑧ 「郵券通達等の改正の概要について」等の送付について(平成18年2月24日付の最高裁判所総務局第三課長等の事務連絡)
⑨ 民事訴訟法第198条第2項による申立事件の手数料および立件の可否について(昭和47年1月12日付の最高裁判所民事局長等の通知)
→ 現在の民訴法260条2項の取扱いです。


イ 刑事事件
① 刑事訴訟記録の編成等について(平成12年10月20日付の最高裁判所事務総長の通達)
・ 略称は「刑事編成通達」です。
・ 第1分類が手続関係書類であり,第2分類が証拠関係書類であり,第3分類が身柄関係書類であり,第4分類がその他の書類であり,第5分類が裁判員等選任手続関係書類です。
② 刑事事件に関する書類の参考書式について(平成18年5月22日付の最高裁判所刑事局長,総務局長,民事局長及び家庭局長送付)
③ 刑事事件に関する書類の参考書式について(平成18年5月22日付の最高裁判所刑事局長,総務局長及び家庭局長送付)
④ 刑事上訴事件記録の送付について(平成27年11月16日付の最高裁判所訟廷首席書記官補佐事務連絡)
⑤ 刑事上訴事件記録の送付について(平成28年6月22日付の最高裁判所訟廷首席書記官補佐事務連絡)
⑥ 証拠等関係カードの様式等について(平成12年8月28日付の最高裁判所事務総長通達)
⑦ 証拠等関係カードの記載要領について(平成12年8月28日付の最高裁判所刑事局長及び総務局長の依命通達)
⑧ 証拠等関係カード等に関する通達の解説の送付について(平成12年12月22日付の最高裁判所刑事局第二課長及び総務局第三課長の事務連絡)
⑨ 行政手続における各種令状の参考書式について(平成12年11月27日付の最高裁判所刑事局長,行政局長送付)
(道路交通法違反事件)
⑩ 道路交通法違反事件及び自動車の保管場所の確保等に関する法律違反事件の共用書式による処理について(昭和63年4月6日付の最高裁判所事務総長通達)
⑪ 交通切符による刑事事件の処理について(昭和63年4月6日付の最高裁判所刑事局長依命通達)


ウ 家事事件
① 家事事件記録の編成について(平成24年12月11日付の最高裁判所事務総長通達)
・ 略称は「家事編成通達」です。
・ 3分方式による編成方法が採用された場合,第1分類が手続関係書類であり,第2分類が証拠関係書類であり,第3分類がその他の書類です。
この場合,第1分類は調書群,審判書群及び申立書群からなり,第2分類は事実の調査関係書類群及び証拠調べ関係書類群からなり,第3分類は代理及び資格証明関係書類並びにその他の書類からなります。
・ 2分方式による編成方法が採用された場合,第1分類が手続関係書類及び証拠関係書類であり,第2分類がその他の書類です。
② 家事事件の期日調書等の様式及び記載方法について(平成24年12月10日付の最高裁判所家庭局長,総務局長通達)
③ 家事事件等調査報告書の方式について(平成24年11月29日付の最高裁判所家庭局長通達)
④ 人事訴訟事件の事実の調査において作成する調書その他の文書の様式,編成等について(平成16年1月23日付の最高裁判所家庭局長及び総務局長の通達)
⑤ 家庭裁判所調査官の調査事務に関する帳簿の備付け等について(平成16年3月31日付の最高裁判所家庭局長通達)
エ 少年事件

① 家庭裁判所の少年保護事件記録及び準少年保護事件記録の編成について(平成18年7月20日付の最高裁判所総務局長及び家庭局長の書簡)
② 少年事件に関する書類の参考書式等について(平成18年9月14日付の最高裁判所家庭局長及び総務局長の送付文書)
③ 少年調査記録規程(昭和29年6月1日最高裁判所規程第5号)
④ 少年調査記録規程の運用について(平成4年8月21日付の最高裁判所家庭局長及び総務局長の通達)
⑤ 少年調査記録の様式について(平成12年6月30日付の最高裁判所家庭局長の通達)
オ 非訟事件
① 非訟事件の期日調書及び事件経過表の様式及び記載方法について(平成24年12月14日付の最高裁判所民事局長及び総務局長の通達)
カ 子の返還に関する事件
① 子の返還に関する事件の記録の編成等について(平成26年2月12日付の最高裁判所事務総長通達)
キ 法廷等の秩序維持に関する法律違反事件

① 法廷等の秩序維持に関する法律違反事件記録の取扱及び保存について(昭和27年10月27日付の最高裁判所事務総長通達)
ク 医療観察事件
① 医療観察事件記録の編成について(平成17年7月12日付の最高裁判所事務総長通達)
ケ 刑事損害賠償命令事件
 刑事損害賠償命令事件の調書の様式,記録の編成等について(平成20年10月22日付の最高裁判所総務局長及び刑事局長の通達)


3 事件終了後の段階
① 事件記録等保存規程(昭和39年12月12日最高裁判所規程第8号)
・ 略称は「保存規程」です。
・ 別表第1が第一審裁判所で保存する記録及び事件書類の保存期間であり,別表第2が上訴裁判所で保存する事件書類の保存期間です。
② 事件記録等保存規程の運用について(平成4年2月7日付の最高裁判所事務総長依命通達)
・ 略称は「保存通達」です。
・ 事件記録等保存規程及びその運用通達は「事件記録等保存規程」でhtml形式になっています。
③ 刑事事件記録等の事件終結後の送付及び保存に関する事務の取扱いについて(平成4年9月4日付の最高裁判所総務局長の通達)
・ 検察庁に刑事記録を送付した後の取扱いについては,「実況見分調書等の刑事記録の保管期間」を参照してください。
④ 事件記録等の保存,送付及び廃棄並びに事件関係帳簿諸票の備付け,保存,廃棄等について(平成25年7月26日付の最高裁判所首席書記官指示)
 後見等に関する事件に係る記録の廃棄事務等について(平成28年9月30日付の最高裁判所総務局第三課長及び家庭局第二課長の事務連絡)


4 書記官事務等の査察段階
① 書記官事務等の査察について(昭和61年6月30日付の最高裁判所事務総長通達)
 最高裁判所による書記官事務等の査察について(平成13年9月4日付の最高裁判所事務総長通達)
・ ②につき,平成22年1月27日付の改正通達を含んでいます。
③ 家庭裁判所調査官事務の査閲等について(平成18年3月28日付の最高裁判所家庭局長通達)

5 退職段階
 裁判官が所持する裁判書の写し等の廃棄に関する申合せに関する照会及び回答
→ 裁判官が所持する裁判書の写し等の廃棄に関する申合せ(平成29年12月18日高等裁判所長官申合せ)が含まれています。
 裁判官が所持する裁判書の写し等の廃棄に関する申合せ(平成29年12月20日付の最高裁判所裁判官会議申合せ)
③ 裁判官以外の裁判所の職員が所持する裁判事務に関する書類の廃棄について(平成31年2月20日付の最高裁判所事務総長通達)


6 訴額の算定に関する裁判例
(1) 訴訟物の価額の算定基準について(昭和31年12月12日付の最高裁判所民事局長通知)(略称は「訴額通知」です。)は裁判所を拘束するものではありません(最高裁昭和47年12月26日判決(判例秘書に掲載))が,訴額の具体的算定を用意とする特段の事情の損しない限り,訴額は,訴額通知の示す基準に従って算定するのが相当とされています(最高裁昭和44年6月24日判決参照)。
(2) 財産権上の請求にかかる訴訟物の価額の算定が著しく困難な場合、裁判長又は裁判所は、その算定にとつて重要な諸要因を確定し、これを基礎とし、裁量によつて右価額を算定することができます(最高裁昭和49年2月5日判決)。
(3) 訴額の算定にあたり,必ずしも鑑定その他の証拠調べによりこれを認定しなければならないものではなく,その他の方法によりこれを認定することも許されますし,訴額の算定は訴え提起の時が基準となります(最高裁昭和47年12月26日判決(判例秘書に掲載))。
(4)ア 地方自治法242条の2第1項4号所定の損害賠償請求訴訟(いわゆる住民訴訟)の訴額は160万円です(最高裁昭和53年3月30日判決)。
イ 判例タイムズ1439号(2017年10月1日号)に「住民訴訟の訴額-住民訴訟の請求の性質とその個数について-」が載っています。
(5)  労働基準法114条の付加金の請求については,同条所定の未払金の請求に係る訴訟において同請求とともにされるときは,民訴法9条2項にいう訴訟の附帯の目的である損害賠償又は違約金の請求に含まれるものとして,その価額は当該訴訟の目的の価額に算入されません(最高裁平成27年5月19日決定)。
(6) 以下の資料を掲載しています。
・ 「民事訴訟費用等に関する法律」,「刑事訴訟費用等に関する法律」等の運用について(平成9年12月22日付の最高裁判所事務総長通達)

7 裁判所書記官の処分に対する異議申立て
(1)ア 裁判所書記官による以下の処分に対しては,500円の印紙を貼付して(民事訴訟費用等に関する法律3条1項・別表第一の17項イ(イ)),異議申立てをすることができます。
① 何人でも行える,訴訟記録の閲覧(民事訴訟法91条1項)の拒絶処分
② 当事者及び利害関係を疎明した第三者が行える,訴訟記録の謄写,謄抄本の交付請求,訴訟に関する事項の証明書の交付請求(民事訴訟法91条3項)の拒絶処分
③ 当事者及び利害関係を疎明した第三者が行える,判決確定証明書交付請求(民事訴訟規則48条)の拒絶処分
イ 第三者が訴訟記録を閲覧する場合,閲覧・謄写票に150円の印紙を貼付する必要があります(民事訴訟費用等に関する法律7条・別表第二の1項)。
ウ 異議申立ての場合,相手方がいませんから,私の経験では,「異議申立てに対する決定については御庁書記官室まで取りに行く予定であるから,予納郵券は添付していない。」と記載しておけば,予納郵券は不要でした。
(2) 裁判所書記官の処分に対する異議の申立てがあった場合,裁判所書記官所属の受訴裁判所が決定で裁判をします(民事訴訟法121条)。
(3) 受訴裁判所の決定に対して不服がある場合,抗告の利益がある限りいつでも通常抗告ができますし(民事訴訟法328条1項),高等裁判所の決定に対して不服がある場合,裁判の告知を受けた日から5日以内に特別抗告(民事訴訟法336条)及び許可抗告(民事訴訟法337条)ができます。

8 関連記事その他
(1) 実務の友HP「裁判文書作成の技術」が載っています。
(2) 口頭弁論調書の記載に対する異議(民事訴訟法160条2項)は,当該調書作成後の最初の口頭弁論期日までに行う必要があります(東京地裁昭和31年3月31日判決及び名古屋高裁平成4年11月10日決定(いずれも判例秘書に掲載)参照)。
(3) 当事者が準備書面の直送をするためにした支出については,民事訴訟費用等に関する法律2条2号の規定は類推適用されません(最高裁平成26年11月27日決定)。
(4) 以下の資料を掲載しています。
・ 書記官実務研究のテーマ(昭和30年度から平成30年度まで)
(5) 以下の記事も参照してください。
 民事事件の裁判文書に関する文書管理
・ 司法行政文書に関する文書管理
・ 裁判所書記官の役職
・ 家庭裁判所調査官の役職
・ 最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携
・ 書記官事務等の査察
・ 秘匿情報の管理に関する裁判所の文書
・ 裁判所の情報公開に関する通達等

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