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執行官の採用選考実施結果―平成21年度から令和6年度まで(AI作成)

第1 この記事が扱う資料と集計方法

1 対象と基準日

本記事は,平成21年度から令和6年度までの執行官採用選考について,各年度の司法行政文書に記載された応募者数,筆記試験受験者数,筆記試験合格者数,最終合格者数及び採用人数を一覧にしたものである。各年度の名称から,その年度の原資料又は原資料を掲載したページを開くことができる。

裁判所ウェブサイトでは令和7年度の筆記試験問題まで公表されているが,令和7年度の全国集計である「執行官採用選考実施結果」は,令和8年8月15日現在,今回確認した公開資料では見当たらなかった。そのため,本記事の集計対象は令和6年度までとし,令和7年度の人数は推測で補っていない。

2 応募者数と欠測値の扱い

「応募者数」は,各年度の結果表にある第1回,第2回,「その他」,A選考又はB選考の応募者欄を単純に合計した数であり,応募した実人数を示すとは限らない。特にB選考は,他の地方裁判所が実施したA選考の第1次試験合格者のうち最終合格者を除く者を対象とするため,A選考との間で同一人が重複し得る。

また,年度によって選考区分が異なり,平成21年度から平成25年度までの結果表には筆記試験関係の人数又は採用人数が記載されていない欄がある。本記事では,原資料から確認できない数を「―」と表示し,ゼロとは扱っていない。

第2 年度別の執行官採用選考実施結果

1 平成21年度から令和6年度までの一覧

年度応募者数(選考欄の単純合計)筆記試験受験者数筆記試験合格者数最終合格者数採用人数
平成21年度17533
平成22年度18327
平成23年度1851919
平成24年度2102222
平成25年度1671414
平成26年度787225
平成27年度1109937
平成28年度97883510
平成29年度118115521212
平成30年度97893710
令和元年度114102351313
令和2年度125100421513
令和3年度11386361818
令和4年度897631
令和5年度153122471818
令和6年度127108411313

平成29年度の応募者数118人は,第1回83人,第2回23人及びその他12人の単純合計である。平成30年度の97人は,第1回89人及びその他8人の単純合計である。後記の平成31年4月10日衆議院法務委員会答弁にいう平成29年83人及び平成30年89人は,各年度の第1回選考の応募者数と一致しており,全選考欄の合計ではない。

令和4年度の応募者数89人はA選考53人,B選考5人及び第2回31人,令和5年度の153人はA選考122人,B選考4人及び第2回27人の単純合計である。B選考はA選考の第1次試験合格者を対象とするため,応募者数には重複の可能性がある一方,筆記試験を行わないB選考の人数は筆記試験受験者数に含めていない。

2 最終合格者数と採用人数は同じとは限らないこと

最終合格者数と採用人数が一致しない年度がある。平成27年度は最終合格者8人に対して採用7人,平成28年度は10人に対して8人,平成30年度は10人に対して9人,令和2年度は15人に対して13人,令和4年度は9人に対して8人である。

したがって,最終合格者数をそのまま採用人数又は任命人数として扱うことはできない。令和2年度の原資料は,採用人数が令和3年4月1日現在であることも明記しているため,採用人数を比較するときは,原資料の基準日と注記も確認する必要がある。

第3 執行官の採用選考に関する現行資料

1 現行の選考資格及び試験内容

裁判所の執行官採用選考試験案内によれば,選考資格は,法律に関する実務を経験した年数が通算して10年以上であることである。ただし,日本の国籍を有しない者及び国家公務員法38条に該当する者は選考対象から除かれ,列挙された職種以外の経歴については,執行官採用選考委員会が個別に審査する。

第1次試験は,憲法,執行官法,民法,民事訴訟法,民事執行法,民事保全法及び刑法の択一式20問と,民法,民事訴訟法及び民事執行法の論文式3問である。第2次試験は,人物,適性及び執行官に必要とされる専門的能力についての個別面接であり,欠員状況等に応じて各地方裁判所が実施する。現在の実施庁は,執行官採用選考試験実施庁で確認できる。

2 法令,資格基準及び選考通達

裁判所法62条は,各地方裁判所に執行官を置き,執行官に任命されるために必要な資格に関する事項を最高裁判所が定めるものとしている。執行官規則1条は,最高裁判所が定める基準に該当する者のうちから,筆記試験及び面接試験によって選考することを定め,同規則2条は選考を地方裁判所が行うものとしている。

現行の10年以上という資格基準は,平成28年6月15日の最高裁判所裁判官会議決議を受けた同月16日付最高裁民三第357号「執行官規則第1条第1項に規定する最高裁判所が定める基準について」に基づく。選考委員会の構成,募集,提出書類,筆記試験及び面接試験等は,同月24日付最高裁民三第381号「執行官採用選考の実施について」が定めている。ただし,同通達後には欠格条項の見直し等があるため,受験時には前記の現行案内及び当該年度の受験案内を確認すべきである。

3 結果資料の保存期間と令和7年度の取扱い

最高裁判所民事局の標準文書保存期間基準は,「執行官選考関係(令和○○年度)」の保存期間を5年とし,具体例として事務連絡,試験問題送付,最終合格者報告及び試験問題公表を挙げている。公表されていない年度の結果又は集計根拠を司法行政文書開示手続で確認する場合,保存期間を意識して早めに対象文書を特定する必要がある。

令和7年度については筆記試験問題が公表されているものの,全国集計の結果は確認できていない。今後,裁判所又は開示資料によって応募者数等を確認できた場合に,令和6年度と同じ項目及び同じ集計上の注意を付して追加するのが相当である。

第4 平成27年度神戸地裁の数値に関する補足

平成28年2月1日付のツンデレブログ記事は,作成者不明の文書を画像で掲載している。同文書は,平成27年度神戸地裁について,応募者28人,筆記試験受験者25人,筆記試験合格者10人と記載しているが,公式の実施結果は,応募者29人,筆記試験受験者23人,筆記試験合格者10人,最終合格者1人及び採用者1人であり,応募者数と筆記試験受験者数が一致しない。

同文書は特定の候補者を念頭に合格者数が決められた旨を述べるものの,その核心部分自体を推測として記載しており,裏付けとなる客観的資料は確認できない。添付された口述試験の予定表から確認できるのは10人分の受験番号と時刻であり,成績順位又は便宜供与ではないため,同文書のみから選考の公正に関する事実を認定することはできない。本記事の表は,公式の実施結果の数値を採用した。

第5 平成31年の国会答弁と女性登用に関する附帯決議

1 平成31年4月10日の衆議院法務委員会答弁

平成31年4月10日の衆議院法務委員会で,最高裁判所は,同裁判所が把握する限り,それまで女性が執行官に採用された例はなかったと答弁した。また,平成29年の受験者総数83人のうち女性1人,平成30年の受験者総数89人のうち女性4人であり,合否判定は男女の別なく行っている旨を説明した。

前記のとおり,この答弁の83人及び89人は,各年度の結果表における第1回選考の応募者数と一致する。全選考欄を単純合計した本記事の118人及び97人とは集計範囲が異なるため,両者を同じ母数として比較することはできない。

2 参議院答弁,附帯決議及び現行の募集案内

平成31年4月25日の参議院法務委員会でも,最高裁判所は,その時点で女性の執行官はおらず,女性の受験者はいるものの結果的に女性の合格者がまだいなかったと答弁した。その上で,男女を問わず,執行官としての適性が認められる人材を確保する考えを示した。

令和元年5月9日の参議院法務委員会による民事執行法等改正案の附帯決議は,執行官に女性がいない当時の現状を踏まえ,女性の登用の在り方等を検討するとともに,職務環境整備及び研修の充実等を求めた。現在の裁判所の採用案内は,「性別を問わず,執行官に適性のある人材を募集しています」と明記している。

もっとも,平成31年4月以後に女性が採用されたか否かを確認できる新たな公式公表資料は,今回の調査では見つからなかった。したがって,平成31年の国会答弁はその時点の事実として記載し,現在も女性の採用例がないと断定することはできない。

第6 関連情報

執行官の法的地位,職務,権限,監督,研修及び執行官に関する裁判例については,「執行官―職務,権限,監督,採用選考及び最高裁判例(AIリライト)」で整理している。受験を検討する場合は,本記事の過年度集計だけで判断せず,裁判所の現行案内と,各年度の実施庁が公表する受験案内を確認する必要がある。

出典・参考資料

1 法令・規則

裁判所法62条
国家公務員法38条
③ 最高裁判所「執行官規則」1条及び2条

2 採用選考の公表資料

平成21年度から平成25年度までの執行官採用選考実施結果
平成26年度執行官採用選考実施結果
平成27年度執行官採用選考実施結果
平成28年度執行官採用選考実施結果
平成29年度執行官採用選考実施結果
平成30年度執行官採用選考実施結果
令和元年度執行官採用選考実施結果
令和2年度執行官採用選考実施結果
令和3年度執行官採用選考実施結果
令和4年度執行官採用選考実施結果
令和5年度執行官採用選考実施結果
令和6年度執行官採用選考実施結果
⑬ 最高裁判所「執行官採用選考試験案内」及び「執行官採用選考試験実施庁
⑭ 平成28年6月16日付最高裁民三第357号「執行官規則第1条第1項に規定する最高裁判所が定める基準について
⑮ 平成28年6月24日付最高裁民三第381号「執行官採用選考の実施について
⑯ 最高裁判所民事局「標準文書保存期間基準」(令和7年3月19日)

3 国会会議録及び附帯決議

第198回国会衆議院法務委員会第7号(平成31年4月2日)
第198回国会衆議院法務委員会第9号(平成31年4月10日)
第198回国会参議院法務委員会第10号(平成31年4月25日)
民事執行法等改正案に対する参議院法務委員会附帯決議(令和元年5月9日,PDF27頁)

4 その他の資料

① ツンデレブログ「【怪文書】神戸地方裁判所執行官採用試験の闇w」(平成28年2月1日)