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裁判所事務官とは―仕事内容,書記官との違い,採用と働き方(AI作成)

第1 裁判所事務官とは

裁判所事務官は,裁判所の裁判部や事務局で働き,裁判の進行を支える事務や,総務・人事・会計等の司法行政事務を担当する裁判所職員である。裁判所書記官や家庭裁判所調査官とは,職務と養成の仕組みが異なる。
「裁判所事務官」を調べる際には,①仕事内容,②書記官等との違い,③採用試験と採用後の養成,④給与・勤務地・休暇の順に読むと,全体像をつかみやすい。本記事は,令和8年10月8日に確認した裁判所の採用案内及び法令に基づく。

裁判所法58条は,各裁判所に裁判所事務官を置き,上司の命を受けて裁判所の事務を担当することを定める。具体的な担当業務は配属先により異なるため,裁判部の事務官の仕事と,事務局の仕事を分けて理解する必要がある。

裁判所法:
https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000059
裁判所「裁判所の仕事について」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/siritai/shigoto/index.html

第2 裁判所事務官の仕事内容

1 裁判部で裁判の進行を支える仕事

裁判所の職種紹介では,裁判部の事務官は,裁判所書記官の下で各種の裁判事務に従事すると説明されている。職員紹介の一例として,大阪地方裁判所の刑事部では,訴訟関係書類の授受,法廷の準備,来庁者への対応等が挙げられている。
この仕事紹介は,特定の職員・部署の例であり,全国すべての裁判所事務官が同じ担当業務や一日の予定で働くことを意味しない。民事・刑事・家事・少年等の事件分野や,配属される部署によって,具体的な事務は異なる。

裁判所「裁判所で活躍するProfessional:裁判所事務官」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/siritai/shigoto/saibansyojimukan/index.html

2 事務局で組織を支える仕事

裁判所事務官は,事務局の総務課,人事課,会計課等にも配置され,司法行政事務を担当する。裁判部の仕事だけでなく,裁判所という組織の運営を支える仕事も,事務官の職務に含まれる。
したがって,志望動機を考える場合に,法廷の補助だけを裁判所事務官の仕事と捉えるのは狭すぎる。希望する仕事と,裁判部・事務局双方で求められる事務処理や関係者との協力を,具体的に結び付ける必要がある。

3 正確な処理とチーム内の連携

裁判所の仕事は,裁判官,書記官,事務官等が連携して進められる。書類を正確に扱い,必要な情報を関係者と共有し,担当業務の進行を把握することは,裁判が円滑に進むための基礎となる。
公式の職員紹介には,若手事務官が部署を越えて事務の標準化に取り組んだ例もある。単に定型的な入力をする仕事と決め付けず,配属先の実務を学び,仕事の目的・根拠を理解して処理する職務として捉えるべきである。

第3 裁判所書記官・家庭裁判所調査官との違い

1 職務の比較

職種主な仕事事務官との区別
裁判所事務官裁判部の各種事務,総務・人事・会計等の司法行政事務裁判部と事務局の双方で働く
裁判所書記官事件記録の作成・保管,法廷立会,調書作成等法律に基づく固有の権限を持つ専門職である
家庭裁判所調査官家事・少年事件での当事者,子ども,少年,保護者等の調査事件の背景にある人間関係・生活環境等を調査する

この表は,各職種の中心的な役割を示すものであり,担当業務をすべて列挙したものではない。裁判所法上の職,身分及び定員の詳細は,裁判所における一般職の職員を参照されたい。

2 書記官の仕事を事務官の仕事と混同しないこと

裁判所法60条は,裁判所書記官について,事件に関する記録その他の書類又は電磁的記録の作成・保管等を担当することや,裁判官の行う法令・判例等の調査を補助することを定める。裁判所の職種紹介でも,書記官は固有の権限を持つ法律の専門家と説明されている。
事務官が書記官の仕事を補助することと,事務官が書記官の権限を持つこととは同じではない。採用試験を調べる場合も,裁判所事務官としての採用と,採用後に書記官を目指す過程を分ける必要がある。

書記官の仕事内容,裁判利用者との関わり及び役職の全体像は,裁判所書記官とは―仕事内容,裁判所事務官との違い,なり方と役職を参照されたい。

3 家庭裁判所調査官は別の養成経路であること

家庭裁判所調査官は,家事事件や少年事件において,心理学等の専門知識も用いながら調査を行う職種である。家庭裁判所調査官補として採用され,所定の養成課程で学ぶ経路は,裁判所事務官から書記官を目指す経路と異なる。
仕事の具体例と調査報告書の位置付けは,家庭裁判所調査官の仕事内容と家事・少年事件の調査を参照されたい。

第4 裁判所事務官になるには

1 総合職試験と一般職試験

裁判所事務官の採用試験には,総合職の院卒者区分・大卒程度区分と,一般職の大卒程度区分・高卒者区分がある。裁判所が独立して実施する試験であり,人事院の国家公務員採用試験と同一の試験ではない。
裁判所の採用Q&Aは,総合職では政策の企画立案に係る能力を,一般職では的確な事務処理に係る能力を重視すると説明する。一方,採用試験の種類にかかわらず,能力と勤務成績に応じて昇進の道が開かれているとも案内している。

採用区分最初に確認する資料確認すべき主な事項
総合職・院卒者区分当該年度の受験案内年齢,学歴・修了要件,試験種目,勤務希望地
総合職・大卒程度区分当該年度の受験案内年齢・資格要件,特例希望,試験種目
一般職・大卒程度区分当該年度の受験案内年齢・資格要件,試験種目,高裁管内
一般職・高卒者区分高卒者区分の受験案内卒業時期等の資格要件,試験日程

2 学歴・年齢の名称だけで受験資格を判断しないこと

公式Q&Aによれば,大卒程度区分の総合職・一般職は,試験の実施年度の4月1日に21歳以上30歳未満であれば,学歴に関係なく受験できるとされる。21歳未満の資格要件は,試験の種類により異なる。
高卒者区分にも卒業時期等の条件がある。「大卒程度」という名称だけで大卒者に限ると判断したり,「高卒者区分」であれば年齢を問わず受験できると判断したりしてはならない。本人の生年月日,卒業・修了時期及び受験する年度の資格要件を,受験案内で照合する必要がある。

法律科目がある試験でも,法学部出身者だけが採用される制度ではない。裁判所は,様々な学部出身者が勤務し,採用後に法律知識を習得する研修の機会があると説明している。

試験区分,科目と配点,日程及び受験準備の詳細は,裁判所職員採用試験とは―受験資格・試験科目・日程・倍率・採用までを参照されたい。

裁判所「職員採用試験情報」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/sikenjoho/index.html
裁判所「採用Q&A」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/sikenjoho/siken/qa/index.html

3 最終合格と採用は別の段階であること

最終合格後は,欠員状況,本人の勤務希望地,成績等を考慮した採用諾否の意向照会を経て,採用庁が決まる。公式案内では,いわゆる官庁訪問のように裁判所を訪問する必要はないとされる一方,意向照会のほか面接を実施する場合もあると説明されている。
試験の倍率,最終合格者数及び採用者数は,それぞれ別の情報である。年度別の資料と数字の読み方は,裁判所職員採用試験に関する各種データを参照されたい。

採用候補者名簿,意向照会及び採用に至らない場合の理解は,裁判所職員採用試験に最終合格した後は―採用候補者名簿・意向照会・採用漏れを参照されたい。

4 社会人経験者選考採用

裁判所には,民間企業・官公庁等での経験を活かす社会人経験者選考採用の制度もある。公式案内では,採用時から係長級の裁判所事務官である主任・調査員として,裁判部又は事務局に配置されるとされる。
応募資格と選考の詳細は,実施する裁判所ごとの募集要項で確認する必要がある。令和8年10月8日に確認した公式の実施予定庁一覧では,各高裁管内とも「予定なし」と表示されていた。これは確認時点の掲載状況であり,制度の廃止や,今後募集が行われないことを意味しない。

裁判所「中途採用」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/sikenjoho/chuuto_saiyou/index.html
裁判所「社会人経験者選考実施予定庁」:
https://www.courts.go.jp/saiyo/sikenjoho/chuuto_saiyou/syakaijin_jissi/index.html

第5 採用後に裁判所書記官を目指す経路

1 勤務,入所試験,養成課程を区別すること

裁判所の採用Q&Aによれば,書記官になるためには,裁判所職員総合研修所の書記官養成課程入所試験に合格し,所定の期間,研修を受ける必要がある。入所試験は,裁判所職員として一定期間勤務した後に受験することができる。
総合職の裁判所事務官として採用された者については,採用初年度の受験に限り,原則として院卒者区分では筆記試験の全部,大卒程度区分では一部が免除されると案内されている。総合職に採用されただけで,直ちに書記官になるという意味ではない。

2 養成課程と研修期間

裁判所職員総合研修所規程は,書記官養成課程を第一部と第二部に分けている。第一部には法学部卒業者等の資格要件があり,第二部の対象にも,法学部以外の大学卒業者等のほか,規程に定める資格要件がある。単に「法学部以外なら全員が自動的に第二部へ入所する」と読める制度ではない。
同規程の原則的な入所期間は,第一部が1年,第二部が2年である。研修機関,対象者及び沿革は,裁判所職員総合研修所の組織,研修内容及び沿革を参照されたい。

裁判所職員総合研修所規程(4条・6条・7条):
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/tsuutatsu/kitei04/39saibansyosyokuinsougoukensyuujyokitei.pdf

第6 給与,勤務地及び働き方

1 初任給と年収

裁判所の公式案内にある令和8年4月1日現在の一般職・大卒程度区分の初任給は,東京都特別区内に勤務する場合の例として月額27万8400円である。全国一律の手取り額ではなく,採用区分や勤務地域,諸手当の条件を分けて読む必要がある。
初任給の比較表,賞与・手当及び年収の計算上の注意点は,裁判所事務官の給料・年収を参照されたい。

2 勤務希望地と採用後の異動

裁判所事務官の総合職・一般職は,希望する勤務地を管轄する高等裁判所の管轄区域内から採用庁が決まる。採用後はおおむね3年を目安とする異動が案内されており,採用された裁判所の所在都道府県内の異動が一般的とされる一方,昇進に伴う県を越える異動等もある。
一般職であれば転勤がないという意味ではない。総合職の高裁所在地・最高裁勤務,受験地と勤務地の違い等は,裁判所事務官の転勤・異動を参照されたい。

3 勤務時間,休暇及び残業の見方

裁判所の中途採用案内は,勤務時間を1日7時間45分,休日を土日・祝日・年末年始と案内する。採用Q&Aでは,年次休暇は年20日,4月1日採用の場合の採用年は15日で,残日数は20日を限度として翌年に繰り越せるとされる。病気休暇,特別休暇,介護休暇及び育児休業等の制度も案内されている。
こうした勤務制度があることから,すべての部署で残業がない,又は本人の希望どおりに休暇を取得できると断定することはできない。残業,繁忙期,当事者対応等の実情を知りたい場合は,希望する職種・部署・地域を具体化し,説明会等で確認する必要がある。

第7 受験準備と関連する資料記事

裁判所事務官を志望する場合は,公式の職種紹介で仕事内容を確認し,受験する年度の受験案内で資格・試験種目・日程を確認した上で,給与・勤務地・採用後の養成も含めて検討するとよい。年度の異なるパンフレットや個人の面接体験談を,現在の募集条件や一律の採用基準として扱ってはならない。

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