第1 この記事の対象と読み方
令和4年度司法試験の主要7科目について,山中弁護士ブログの模範解答と評価項目を一覧にする。公法系2問,民事系3問及び刑事系2問の公開記事を対象とし,選択科目は含めていない。
7記事の評価表には計387項目があり,重み5は111項目,重みの単純合計は1460である。これらは各記事が公表済みの出題の趣旨・採点実感を踏まえて独自に整理した数値であり,法務省の公式採点項目,項目別配点又は予測得点ではない。
まず各科目のリンクから問題の概要,評価表及び模範解答を読み,採用した構成に応じて必要な項目を確認する。必須・高評価・負例・許容分岐の区分と,1~5の重みは別の軸である。高評価事項や条件付き分岐を,全答案に累積的に要求するものではない。
第2 主要7科目の模範解答一覧
| 科目・記事 | 評価項目数 | 重み5の件数 |
|---|---|---|
| 公法系第1問(憲法) | 58 | 19 |
| 公法系第2問(行政法) | 53 | 12 |
| 民事系第1問(民法) | 70 | 27 |
| 民事系第2問(商法) | 55 | 14 |
| 民事系第3問(民事訴訟法) | 53 | 17 |
| 刑事系第1問(刑法) | 48 | 8 |
| 刑事系第2問(刑事訴訟法) | 50 | 14 |
| 合計 | 387 | 111 |
各記事には,評価項目と出題の趣旨・採点実感の対応,模範解答,解説,関連記事及び出典・確認状態がある。異なる結論や構成が許容される論点は,答案の立場と理由付けを対応させて読む必要がある。
第3 5段階の重み付けの基準
| 重み | 基準 |
|---|---|
| 5 | 採点実感が評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの |
| 4 | 出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項 |
| 3 | どちらか一方が明示する中核の理由付け |
| 2 | 一方が軽く触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項 |
| 1 | 一方が控えめに触れる事項 |
重みは,項目ごとに資料の記載と答案上の機能から判断する。5段階を使うことは,各段階に同数の項目を置くことを意味しない。ある段階が0項目でもよく,件数を埋めるために項目を作ったり,確認できない根拠を重み1として扱ったりしない。重み5の具体的な根拠や適用条件は,各記事の説明を参照されたい。
第4 重み5の確認事項の例
以下は各記事の重み5の項目から抜き出した例であり,全件の一覧ではない。全項目と採用構成に応じた条件は,各記事の評価表で確認する。
1 公法系第1問(憲法)
①番号1:研究・研究成果発表・教授の各自由を憲法23条から区別して示す
②番号31:特定目的・業績選抜の助成と通常一律研究費を区別する
③番号56:自説で大学自治と教授自由の対立双方を回収し具体的に結論を示す
2 公法系第2問(行政法)
①番号1:自己の権利又は法律上保護された利益の侵害・必然的侵害のおそれという原告適格の定式を示す。
②番号32:専門技術的判断・公益考慮・森林の保続培養から知事の裁量の根拠を示す。
③番号50:容量不足を森林法10条の2第2項2号の著しい支障及び基準4-1の両方に接続する。
3 民事系第1問(民法)
①番号1:AB間に譲渡の意思表示がなく,BからCへの取得は原則認められないことを示す。
②番号39:㋐の根拠を605条の2第1項による所有権随伴の地位移転と説明する。
③番号69:複数制度を関連付け,権利帰属・対抗・取消しの効果を混同しない。
4 民事系第2問(商法)
①番号3:解任決議がなく,任期短縮と再任否決で地位を失ったと把握する。
②番号24:利益相反を踏まえ,経営判断原則の適用又は審査密度を明確に選ぶ。
③番号42:商標が譲渡会社を表示し,債務引受けの客観的外観を生むという類推要件を提示する。
5 民事系第3問(民事訴訟法)
①番号1:甲・乙を確定する基準を各一つ挙げ,各基準に従って当てはめる。
②番号28:乙被告を前提として甲追加の申立てを認める方向で論証する。
③番号49:電子ファイルを適切な装置で閲読可能にして,閲読の結果を証拠資料とするから書証に適することを論証する。
6 刑事系第1問(刑法)
①番号1:委託信任関係を原因とする占有が必要であると示す。
②番号27:急迫性否定後,乙が防衛状況を誤信した場合の故意犯成立を検討する。
③番号42:自招危難の処理について,緊急避難・違法性の本質から具体的な判断基準を示す。
7 刑事系第2問(刑事訴訟法)
①番号3:犯罪創出・不公正又は人格的自律への侵害から違法性の実質的理由を述べる
②番号33:不意打ちなしと不利益なしの両方を例外の条件として示す(第2段階に到達する答案)
③番号50:規範を具体的事実の意味と結び付け理由ある結論まで完結させる
第5 重みの分布
| 科目 | 重み5 | 重み4 | 重み3 |
|---|---|---|---|
| 公法系第1問(憲法) | 19 | 26 | 6 |
| 公法系第2問(行政法) | 12 | 18 | 13 |
| 民事系第1問(民法) | 27 | 23 | 12 |
| 民事系第2問(商法) | 14 | 23 | 5 |
| 民事系第3問(民事訴訟法) | 17 | 18 | 3 |
| 刑事系第1問(刑法) | 8 | 20 | 10 |
| 刑事系第2問(刑事訴訟法) | 14 | 17 | 15 |
| 合計 | 111 | 145 | 64 |
| 科目 | 重み2 | 重み1 | 項目数 | 重みの合計 |
|---|---|---|---|---|
| 公法系第1問(憲法) | 7 | 0 | 58 | 231 |
| 公法系第2問(行政法) | 10 | 0 | 53 | 191 |
| 民事系第1問(民法) | 7 | 1 | 70 | 278 |
| 民事系第2問(商法) | 13 | 0 | 55 | 203 |
| 民事系第3問(民事訴訟法) | 15 | 0 | 53 | 196 |
| 刑事系第1問(刑法) | 10 | 0 | 48 | 170 |
| 刑事系第2問(刑事訴訟法) | 4 | 0 | 50 | 191 |
| 合計 | 66 | 1 | 387 | 1460 |
重み5の数や割合を,他年度・他科目に合わせるための調整はしていない。各項目を欠くと設問への応答や主たる法的経路が崩れるか,採点実感が評価の分かれ目として扱っているかを,項目ごとに判断することが整合性の中心となる。
令和8年度の主要7科目のハブ記事は,公式の出題の趣旨・採点実感を読まず,問題文・法令・判例から評価項目を予想して作成した記事をまとめている。令和4年度の7記事とは項目の抽出方法や分母が異なるため,重み5の割合又は重みの合計から,年度間の配点,難易度又は評価の精度を比較することはできない。
例えば,刑法の記事は重み5が8,重み4が20,重み3が10,重み2が10,重み1が0で,計48項目・合計170である。これは同記事の全評価行から集計した結果であり,他年度の刑法記事と件数をそろえるための数値ではない。
第6 関連記事
①令和8年度司法試験論文式試験の主要7科目の参考答案と予想される評価項目(AI作成)
第7 出典及び確認範囲
本記事の一覧と集計の出典は,第2にリンクした令和4年度の7記事である。令和8年10月8日現在の公開本文にある評価項目の番号と重みを読み,番号の重複・欠落,1~5の範囲,総項目数及び重みの合計を照合した。重み5の例は各記事の該当項目から抜き出している。
法令・判例の原文,対象年度の公式問題・出題の趣旨・採点実感,並びにその確認範囲は,各科目の記事の出典欄を参照されたい。このハブは公開済み記事への索引と集計であり,掲載された全ての法的論点を独立に再採点したものではない。模範解答は唯一の正解を意味せず,採用構成・理由付け・当てはめの整合性を確認するための参考として読む必要がある。