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令和8年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と予想される評価項目(AI作成)

第1 この記事の対象(法務省とは関係のない独自の予想)

本記事で一覧にする7本の記事の評価項目,重み付け,解説及び模範解答は,山中弁護士ブログが問題文と判例から独自に作成した予想であり,法務省とは関係がない。
法務省が公表した資料や,今後公表される出題の趣旨,採点実感,採点基準及び配点を示すものでもない。

本記事は,令和8年司法試験の論文式試験のうち,選択科目を除く主要7科目(憲法,行政法,民法,商法,民事訴訟法,刑法及び刑事訴訟法)の7問について,山中弁護士ブログに掲載した模範解答の記事7本を一覧にして案内するものである。
7本の記事は,いずれも令和8年の「出題の趣旨」及び「採点実感」が公表される前に,問題文と判例から答案に求められる評価項目を予想し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答と,予想に基づく解説を示している。
令和7年度の模範解答の記事7本は,法務省が公表した出題の趣旨及び採点実感から評価項目を抽出したものであり,令和8年度の7本とは評価項目の作り方が違う。

7本で予想した評価項目は合計330項目であり,そのうち重み5(設問又は問題文中の会話・会議録が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成すと各記事が予想した事項)に当たるのは74項目である。
第2の一覧表で科目ごとの記事を選び,第3で各問題の概要と予想した重み5の事項を確かめてから個別の記事を読むと,各記事が答案のどこに重みを置いたのかをつかみやすい。

選択科目の論文式試験と短答式試験は,本記事の対象としていない。
本記事の記載は,令和8年9月28日時点で公開している7本の記事の内容に基づく。

第2 7記事の一覧

科目主な論点予想した評価項目重み5
公法系科目第1問(憲法)市立公園の夜間の独占使用の申請に対する不許可処分(管理上の支障,夜間の独占使用を認める特別な理由)の合憲性37項目8項目
公法系科目第2問(行政法)要綱に基づく申請への不応答と「行政庁の不作為」,養護者である子の原告適格,老人福祉法の入所措置とその解除の要件44項目10項目
民事系科目第1問(民法)時効完成後に設定された抵当権と再度の取得時効,遺言執行者の就職承諾前の相続人の処分,一括下請負人の出来形の帰属,請負契約の解除後の損害賠償と部分報酬による相殺50項目12項目
民事系科目第2問(商法)従業員の株式の買戻し制度と株主名簿,見せ金による増資と議決権の行使,招集通知を欠く株主総会の決議と追認,解任された取締役の報酬相当額の請求48項目11項目
民事系科目第3問(民事訴訟法)通常共同訴訟における主張共通,第三者と弁護士が所持する文書の提出義務(技術の秘密と弁護士の黙秘義務),連帯保証人に対する確定判決と請求異議53項目15項目
刑事系科目第1問(刑法)実行の途中の心神耗弱と行為と責任の同時存在の原則,死亡したと誤信した後の行為による窒息死と因果関係,自動車への放火と「公共の危険」45項目9項目
刑事系科目第2問(刑事訴訟法)強制採尿の令状の種類・発付要件と有形力の行使,体内の異物を確認するCT検査の令状,再伝聞と特信情況,捜査報告書の説明文の伝聞性53項目9項目

評価項目の数と重みは,各記事が問題文と判例から予想したものであり,法務省の配点ではない。

第3 各問題の概要と予想した重み5の事項

1 公法系科目第1問(憲法)

本問は,A市の中心部にある市立公園で,住宅費高騰への抗議として一夜を過ごす活動をするための夜間の独占使用の申請について,市長が,①条例の「管理に支障がある」ことを根拠として,②「夜間の独占使用を認めるべき特別な理由」がないことを根拠として,それぞれ不許可処分をすることが憲法上許されるかを,市の法曹資格者の立場で論じさせるものである。
規定の文言の明確性は,論じる必要がないとされている。

記事が予想した重み5の8項目は,設問①については,公の施設の利用拒否に関する二つの最高裁判決の判断枠組み,危険の程度,「管理上支障」の限定解釈及び敵意ある聴衆の法理であり,設問②については,甲が挙げた二つの理由に対する反論の中核(代替手段論への反論,庁舎前広場の利用と「外見上の政治的中立性」に関する最高裁判決の論理とその射程,及び新幹線延長の催しの許可から導かれる見解差別)である。

記事:令和8年度司法試験公法系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した37項目と5段階の重み付け

2 公法系科目第2問(行政法)

本問は,同居する子(養護者)から十分な食事を与えられないおそれがあるとされた75歳の高齢者について,市が老人福祉法11条1項2号に基づき特別養護老人ホームへの入所措置を採った事案で,若手弁護士の立場から,要綱に基づく緊急一時保護の申請への不応答が行政不服審査法3条の「行政庁の不作為」に当たるか(設問1),養護者である子に入所措置の取消訴訟の原告適格が認められるか(設問2),子が提起した国家賠償請求訴訟で,措置の時点の要件とその後の措置解除の要件について双方がどのような主張・反論をするか(設問3)を検討させるものである。
問題文に示された配点の割合は,設問1から設問3まで20:30:50である。

記事が予想した重み5の10項目は,設問1については,要綱の法的性格と老人福祉法11条が申請の仕組みを設定しているか,設問2については,原告適格の判断枠組み,児童福祉法の親権者の場合との比較及び高齢者虐待防止法14条の評価,設問3については,困難性要件と虐待の有無,並びに措置解除の要件の特定と誓約書等の事情の変化をめぐる双方の主張である。
記事は,設問ごとの重みの合計(36点・43点・73点)を配点の割合におおむね対応させている。

記事:令和8年度司法試験公法系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した44項目と5段階の重み付け

3 民事系科目第1問(民法)

本問は,善意無過失で他人の土地を占有した者が時効完成後に設定された二つの抵当権の登記の抹消を求められるか(設問1(1)),遺言執行者の就職承諾前に相続人から持分を買い受けて登記を備えた者に対し,受遺者が登記の抹消を求められるか(設問1(2)),一括下請負人が材料を提供して築造した出来形の所有権が注文者と下請負人のいずれに帰属するか(設問2(1)),請負契約の解除後に注文者が請負人に請求できる損害賠償の額と,請負人の部分報酬による相殺の当否(設問2(2))を問うものである。

記事が予想した重み5の12項目は,設問1(1)については,時効取得者と時効完成後の第三者との対抗関係,再度の取得時効の規範及び後の抵当権者との関係での対抗問題,設問1(2)については,遺言執行者がある場合の相続人の処分の無効と就職承諾前の処分への適用,民法1013条2項ただし書の善意と無過失の要否,設問2(1)については,一括下請負人の出来形の帰属の規範,設問2(2)については,民法634条2号の部分報酬の要件と額並びに損害額及び認容額の算定である。
記事は,これらがいずれも結論又は金額を直接左右するとしている。

記事:令和8年度司法試験民事系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した50項目と5段階の重み付け

4 民事系科目第2問(商法)

本問は,公開会社でない取締役会設置会社について,創業者が従業員に株式を譲渡し退職時に同じ価格で買い戻す制度の下で,退職した従業員から株式を譲り受けた者が,創業者の取得を争い,自らが株主であることの確認を求める訴え(設問1),代表取締役が仕組んだ資金の還流による増資(見せ金)と,その株式を譲り受けた会社が賛成した定時株主総会決議の効力(設問2),招集通知が一切発出されなかった臨時株主総会で解任された取締役が,追認決議の後に報酬相当額を請求すること(設問3)を論じさせるものである。
問題文に示された配点の割合は,設問1から設問3まで35:35:30である。

記事が予想した重み5の11項目は,設問1については,従業員の株式保有に関する判例を踏まえた公序良俗の判断枠組み,株主名簿の対抗要件,会社法145条2号のみなし承認,名義書換の不当な拒絶及び創業者の第三者性,設問2については,見せ金の認定,仮装払込みが新株発行の無効原因となるか及び仮装払込みに係る株式の譲受人の議決権の制限,設問3については,決議不存在の基準,追認決議の遡及効及び会社法339条2項の「正当な理由」である。

記事:令和8年度司法試験民事系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した48項目と5段階の重み付け

5 民事系科目第3問(民事訴訟法)

本問は,請負代金の支払を求める訴えを主債務者と連帯保証人を共同被告として提起した事例について,通常共同訴訟における主張共通の肯定説・否定説(設問1),第三者が所持する図面等と弁護士が所持するその写しについての文書提出義務(技術の秘密と弁護士の黙秘義務)(設問2),連帯保証人に対する請求認容判決の確定後に主債務者に対する請求が相殺により棄却されて確定した場合の請求異議の成否(設問3)を,いずれも会話形式の課題として論じさせるものである。
問題文に示された配点の割合は,設問1から設問3まで25:35:40である。

記事が予想した重み5の15項目は,設問1については,肯定説の主張共通の定式とその当てはめ及び否定説による民事訴訟法39条の趣旨の理解,設問2については,職業の秘密に関する二つの判例の判断基準,開示の不利益と証拠の必要性の比較衡量の中核及び同法197条1項2号の趣旨と判断基準の異同,設問3については,反射効と既判力の関係,二つの判例と本件の異同及び民法457条3項の評価である。
重み5の数(15項目)は,7問の中で本問が最も多い。
記事は,各項目の重みを配点の割合から機械的に割り付けたものではないとしている。

記事:令和8年度司法試験民事系第3問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した53項目と5段階の重み付け

6 刑事系科目第1問(刑法)

本問は,酒席で同僚に殺意を抱いた甲及び乙が同僚を殴打した①行為,甲が心神耗弱の状態で鉄製フライパンを用いて殴打した②行為,同僚が死亡したと誤信してスーツケースに押し込み,同僚の自動車で運んだ③行為(同僚は途中で窒息死)について甲乙の罪責を問い(設問1),さらに,駐車場でその自動車に死体を乗せたまま放火した行為について甲乙の罪責を問うもの(設問2)である。
設問1は,①行為と②行為の関係をどのように把握するかと,「行為と責任の同時存在の原則」の意義とその根拠に言及することを求めている。

記事が予想した重み5の9項目は,設問1については,①行為と②行為の関係の問題の所在と判断基準,行為と責任の同時存在の原則の意義・根拠と実行の途中の心神耗弱の処理,②行為と窒息死との因果関係の問題提起,設問2については,「公共の危険」の意義・当てはめとその認識の要否である。

記事:令和8年度司法試験刑事系第1問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した45項目と5段階の重み付け

7 刑事系科目第2問(刑事訴訟法)

本問は,覚醒剤の密売事件の捜査を素材として,被疑者甲に対する強制採尿の令状の種類,その令状の発付要件及び病院での強制採尿の実施(警察官8名が甲の手足を押さえた点を含む。)の適否と,マイクロSDカードを飲み込んだとみられる被疑者乙に対するCT検査の令状の種類を問い(設問1),乙の公判において,死亡した交際相手が撮影した動画中の発言(乙から聞いた話を含む。)と,動画の静止画に警察官の説明文を付けた捜査報告書の証拠能力を問うもの(設問2)である。

記事が予想した重み5の9項目は,設問1については,強制採尿の令状の種類と条件の記載,強制採尿が許される要件と代替手段の不存在の当てはめ及び手足を押さえた有形力の限界,設問2については,動画中の発言の再伝聞の構造と特信情況,内側の乙の供述の不利益な事実の承認,及び捜査報告書の説明文の伝聞性である。

記事:令和8年度司法試験刑事系第2問の模範解答と予想される評価項目―出題の趣旨・採点実感の公表前に問題文と判例から予想した53項目と5段階の重み付け

第4 7記事に共通する作り方(独自の予想の方法)

1 評価項目の予想

評価項目は,設問の指示,問題文中の会話又は会議録で検討が求められた事項,問題文に置かれた具体的な事実,及び参照すべきと考えられる判例から抜き出したものである。
一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形にしている。
7本の記事は,いずれも令和8年の出題の趣旨及び採点実感を読まずに作成しており,公表された後には,これらと照合して見直す必要があるとしている。

2 5段階の重み付けの基準

重みは,問題文と判例から各記事が予想したものであり,法務省の配点ではない。
7本に共通する基準の骨格は,次のとおりである。
①重み5:設問(又は会話・会議録)が明示に検討を求め,かつ答案の骨格を成す事項
②重み4:会話・会議録や問題文の事実が示唆する事項,又は最も近い判例の中核の命題に当たる事項
③重み3:問題文の具体的な事実から導かれる中核の理由付け
④重み2:補強の事項,又は典型的な誤りになると予想される事項
⑤重み1:設問の除外指示の遵守など,控えめな事項

重み5・重み4の具体的な言い回しは,問題文の形式(会話か,会議録か,設問だけか)に合わせて記事ごとに少しずつ違うので,正確には各記事の第2を参照されたい。

3 模範解答と解説

各記事の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で示し,その後に本記事独自の予想に基づく解説を付けている。
各記事の末尾には,関連する山中弁護士ブログの記事と,出典及び確認状態(公式資料,法令及び裁判例の確認の範囲)を掲げている。

4 CBTの入力上限と答案の行数

令和8年司法試験の論文式試験の答案はパソコンで入力する方式であり,入力できるのは,必須科目1問につき8頁,1頁は23行,1行当たり最大30文字とされている(司法試験考査委員会議申合せ事項「司法試験の方式・内容等について」(令和7年11月26日))。
したがって,1問の上限は184行・5,520字となる。

7本の記事は,いずれも,答案を段落又は1文ごとに改行し,1行30字で折り返すと184行となるように分量を調整したと説明している。
各記事が示す答案の字数は,次のとおりである。

科目答案の字数(見出しを含む)折り返した行数
憲法約4,500字184行
行政法約4,197字184行
民法約4,063字184行
商法約4,400字184行
民事訴訟法4,277字184行
刑法約4,200字184行
刑事訴訟法約4,500字184行

設問ごとの行数は,行政法の記事(設問1が38行,設問2が55行,設問3が91行)と商法の記事(設問1が76行,設問2が55行,設問3が53行)だけが示している。

第5 重みの分布の比較

科目重み5重み4重み3
憲法81012
行政法101512
民法121114
商法111315
民事訴訟法151614
刑法91111
刑事訴訟法91611
合計749289
科目重み2重み1項目数重みの合計
憲法6137129
行政法5244158
民法11250170
商法8148169
民事訴訟法4453193
刑法12245148
刑事訴訟法13453172
合計59163301139

評価項目の数と重みの合計は,各記事が問題文と判例から予想したものであるから,科目の間で配点を比べる材料にはならない。
令和7年度の7本(計458項目,重み5は52項目)とも,評価項目の作り方が違うので,数をそのまま比べることはできない。

他方で,重み5の基準の骨格は7本で共通している。
各記事の重みの分布の説明によれば,重み5の項目は,設問が明示に言及を求めた事項(刑法の①行為と②行為の関係及び同時存在の原則等)や,問題文中の会話・会議録が検討を求めた事項(憲法の甲が挙げた二つの理由,行政法の会議録で弁護士が注意を促した事項,民事訴訟法の各課題等)のほか,判例の中核の命題(商法,刑事訴訟法),問題文に特に具体的に置かれた事実(刑事訴訟法)及び結論又は金額を直接左右する事項(民法)に置かれている。
本記事では,令和8年度の7本の重み5を,問題文自体が検討の対象として指定した事項を中心に据えたものと整理する。
この整理も予想の性質を持つものであり,出題の趣旨及び採点実感が公表された後に,各記事と併せて見直す必要がある。

第6 関連記事

①令和7年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答
②法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在―年度別の実施・結果・出題趣旨・採点実感のページ一覧
③司法試験の採点実感から学ぶ法律文書の書き方―準備書面・意見書・相談メモのチェックリスト
④司法試験の合格点・採点・成績通知―短答式の足切り,論文式の最低ライン,総合点及び順位
⑤司法試験とは―受験資格,5年間の受験期間,試験科目,合格判定及び合格後の流れ

第7 出典及び確認状態

1 公式資料

①法務省「令和8年司法試験の実施について」
②法務省「令和8年司法試験問題」
③令和8年司法試験論文式試験問題(公法系科目)
④令和8年司法試験論文式試験問題(民事系科目)
⑤令和8年司法試験論文式試験問題(刑事系科目)
⑥司法試験考査委員会議申合せ事項「司法試験の方式・内容等について」(令和7年11月26日)

2 確認状態

令和8年の出題の趣旨及び採点実感は,令和8年9月28日に上記①及び②のページを確認した時点で,いずれも掲載されていなかった。
本記事は,これらを読まずに,7本の記事の予想を一覧にしたものであり,公式資料との照合は行っていない。
出題の趣旨及び採点実感が公表された後には,各記事の評価項目と重みをこれらと照合して見直す必要があり,本記事の第2,第3及び第5もそれに合わせて見直す必要がある。

第2から第5までの記載(各問題の概要,評価項目の数,重みの分布,重み5の事項及び答案の字数・行数)は,令和8年9月28日に公開中の7本の記事の本文から取り,項目数と重みの合計は各記事の内訳から計算し直して一致を確認した。
上記①から⑥までの公式資料は,同日にいずれも法務省のウェブサイトで応答があることを確認し,⑥については答案の頁数及び入力可能文字数の記載を確認した。
本記事は裁判例を直接引用していないので,各問題で用いた裁判例の裁判年月日,事件番号及び確認の範囲は,各記事の「出典及び確認状態」を参照されたい。