第1 結論
1 登録前にGビズID利用の有無を決める
最高裁判所提供資料には,TreeeSでGビズIDを利用するかどうかをユーザID取得前に決め,GビズIDを使わずに登録した後から連携方式へ切り替えられないとの説明がある。これは将来仕様の案内であり,本番登録時にも注意文言を確認する。
2 とりあえず登録しない
弁護士本人のアカウント,事務職員の補助方法,メールアドレス,GビズID管理者,有効期限及び退職時の処理を決めてから登録する。
第2 アカウント種別
1 士業者を選択する
令和8年9月19日に確認された研修環境では,「個人のかた」「法人」「士業者(弁護士・司法書士・弁理士)」の区分があり,弁護士法人等に所属する弁護士も士業者を選択する旨が表示されていた。
2 GビズID利用と非利用
法人又は士業者では,GビズIDを利用して登録する経路と,GビズIDを使わずメールアドレス等から登録する経路が示されている。非利用経路で登録した後の連携変更可否は,本番案内を確認する。
第3 mintsと同じメールアドレス
1 同じアドレスを用いる改修案
令和8年4月3日付調達仕様書は,士業者がmintsアカウントと同じメールアドレスを利用してTreeeSのユーザIDを取得する画面文言を示している。弁護士資格の確認を円滑にする経路と考えられる。
2 アカウントの自動移行ではない
同じメールアドレスを使うことは,mintsのID,パスワード,補助者設定又は事件データがTreeeSへ自動移行することを意味しない。対象となるmintsアカウントとメールアドレス一致条件を最終案内で確認する。
第4 GビズID
1 プライムとメンバー
GビズIDプライムは法人代表者又は個人事業主等のアカウントであり,プライム利用者は所属職員にGビズIDメンバーとしての権限を付与できる。TreeeSで利用できるサービス権限はGビズID側でも設定する。
2 有効期限
デジタル庁の現行案内では,GビズIDプライム及びメンバーの有効期間は原則として発行日から2年3か月である。プライムの期限切れは,紐づくメンバーの行政サービスログインにも影響し得るため,事務所で更新期限を管理する。
3 一人一アカウント
職員アカウントを共用せず,操作した者を識別できるようにする。同一のメンバー用メールアドレスを複数の弁護士のプライムへ紐づけられないとのTreeeS資料があるため,複数弁護士を補助する事務所はアドレス設計を先に行う。
第5 本人・資格確認と登録情報
1 氏名
GビズIDの本人確認上の氏名と,弁護士が訴訟書面へ記載する職務上の氏名は別に扱われるとの資料がある。旧姓併記等がある場合も,本人確認情報と書面表示を個別に確認する。
2 住所
TreeeSへ連携される住所について,最高裁判所提供資料はGビズIDの「連絡先住所」を法律事務所住所として用いる設計を示す。他方,先行導入前登録では改修前のため自宅住所が表示され得る旨の脚注がある。
改修完了及び相手方への表示範囲を本番画面で確認するまで,「自宅住所は表示されない」と断定しない。
3 二要素認証
研修環境の説明では,メールアドレスとパスワードに加え,携帯電話へのコード送信又は自動音声電話を用いる二要素認証が示されている。ログイン画面のブックマーク方法にも注意書きがあるため,公式の入口からアクセスする。
第6 登録前チェックリスト
1 弁護士本人
①アカウント種別,②GビズID利用の有無,③mintsの登録メール,④職務上氏名,⑤連絡先住所,⑥携帯電話,⑦資格確認書類を確認する。
2 事務所運用
①管理者,②職員ごとのメールアドレス,③GビズIDサービス権限,④有効期限,⑤担当変更・退職時の停止,⑥事件ごとの役割を決める。
第7 関連記事と出典
1 関連記事
TreeeS(ツリーズ)とはは制度全体を扱い,TreeeSで事務職員ができることは職員の役割を扱う。
2 出典と未確認事項
GビズID,GビズID利用規約,アカウントの有効期限,最高裁判所令和8年4月3日付調達仕様書及びTreeeS提供資料を確認した。TreeeSの本番登録画面,最終的な資格確認期間,住所表示及び連携解除は未確認であり,判例秘書の個別判決本文も確認していない。