その他裁判所関係

簡易裁判所判事選考委員会(第2回)議事録(平成19年度以降)

目次
1 総論
2 簡易裁判所判事選考委員会(第2回)議事録
3 地方裁判所の自庁処理
4 関連記事その他

1 総論
(1) 最高裁判所の令和4年度概算要求書(説明資料)195頁には,「簡易裁判所判事選考委員会」として以下の記載があります。
<要求要旨>
    簡易裁判所判事は,最高裁判所の指名した者の名簿によって内閣が任命する。その名簿に登載する簡易裁判所判事の候補者を選定するために,裁判所法第45条及び簡易裁判所判事選考規則に基づいて簡易裁判所判事選考委員会が選考を行う。
    この委員会は,各地方裁判所に設置された簡易裁判所判事推薦委員会から推薦を受けた者に対して,一次選考として筆記試験,二次選考として口頭試問を行う。
    委員会は,裁判官(3人),検察官(1人),弁護士(2人)及び学識経験のある者(3人)でこれを構成し,年に数回各委員を招集し,開催する。
    そこで,簡易裁判所判事選考委員会開催に必要な経費を要求する。
(2) 簡易裁判所判事の選考は,各地方裁判所に設置された簡易裁判所判事推薦委員会が推薦した者を対象に行うことになっています。

2 簡易裁判所判事選考委員会(第2回)議事録
・ 簡易裁判所判事選考委員会(第2回)議事録(中身はほぼ真っ黒)は以下のとおりです。
(令和時代)
令和元年度令和2年度令和3年度令和4年度
令和5年度令和6年度令和7年度
(平成時代)
平成19年度平成20年度平成21年度
平成22年度平成23年度平成24年度
平成25年度平成26年度平成27年度
平成28年度平成29年度平成30年度

3 地方裁判所の自庁処理
(1)ア 地方裁判所は,その訴訟が管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する場合でも,相当と認めるときは,申立てにより又は職権で,訴訟を簡易裁判所に移送しないで自ら審理・裁判することができます(民訴法16条2項)ところ,これを地方裁判所の自庁処理といいます。
イ 東弁リブラ2013年8月号の「東京地裁書記官に訊く-交通部編-」には以下の記載があります(リンク先のPDF4頁)。
    訴額が140万円以下である場合には簡易裁判所の管轄です。事物管轄が簡易裁判所にあるにもかかわらず,当部での審理を求めて当庁に訴訟提起をされる場合があります。その場合には,自庁処理(民訴法16条2項)を申し立てるときには申立書,職権発動を求めるときには上申書の提出をしていただきます。申立書又は上申書には,事前交渉の経過を踏まえた上で,予想される相手方の主張,予想される争点等から,簡易裁判所ではなく地方裁判所での審理を相当とする事情を具体的に記載してください。単に「事案困難」という抽象的な記載では十分ではありません。申立書又は上申書の記載により,当部で審理するのが相当であるかどうかを判断して,当部で審理するのが相当であると認められない限り,管轄の簡易裁判所に移送します。なお,当部の取扱いとして,自庁処理の要件が認められない場合は,応訴管轄を待たずに原則として移送又は回付の措置をとります。
ウ 自庁処理の申立てを却下する決定は,管轄簡易裁判所への移送決定に繋がりますから,これに対しては民訴法21条に基づく即時抗告の提起が許されると解されています(基本法コンメンタール 民事訴訟法Ⅰ(第3版追補版)65頁)。
(2) 地方裁判所にその管轄区域内の簡易裁判所の管轄に属する訴訟が提起され,被告から同簡易裁判所への移送の申立てがあった場合において,同申立てを却下する旨の判断は,民訴法16条2項の規定の趣旨にかんがみ,広く当該事件の事案の内容に照らして地方裁判所における審理及び裁判が相当であるかどうかという観点からされるべきであり,地方裁判所の合理的な裁量にゆだねられます(最高裁平成20年7月18日決定)。


4 関連記事その他
(1) 簡易裁判所判事選考委員会は,令和2年度を除き,毎年6月1日頃に簡易裁判所判事選考の最終合格者を決定しています。
(2)ア 以下の資料を掲載しています。
・ 令和6年12月17日付の法務省の国会答弁資料(簡裁判事特号及び副検事特号が設けられたのはいつからか。附則ではなく,本則で規定するべきではないか。)
イ 以下の記事も参照してください。
・ 簡易裁判所判事の採用選考に関する国会答弁
 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)
 裁判官の号別在職状況
・ 裁判所の指定職職員
・ 副検事の選考に関する文書

最高裁判所に係属した許可抗告事件一覧表(平成25年分以降),及び許可抗告事件の実情

目次
1 最高裁判所に係属した許可抗告事件一覧表
2 毎年度の「許可抗告事件の実情」
3 許可抗告は5日の不変期間内にする必要があること等
4 許可抗告の制度趣旨
5 「法令の解釈に関する重要な事項」の意義
6 判例委員会において取り上げられた判示事項・判決要旨の位置づけ等
7 関連記事その他

1 最高裁判所に係属した許可抗告事件一覧表
(令和時代)
令和 元年分令和 2年分令和 3年分
令和 4年分令和 5年分
(平成時代)
平成25年分平成26年分平成27年分
平成28年分
平成29年分平成30年分
* 「最高裁判所に係属した許可抗告事件一覧表(令和3年分)」といったファイル名です。



2 毎年度の「許可抗告事件の実情」

(1) 以下のとおり判例時報に掲載されています。
・ 令和5年度分
判例時報2614号(令和7年3月1日号)
・ 令和4年度分
判例時報2570号(令和5年12月1日号)
・ 令和3年度分:
判例時報2516号(令和4年6月21日号)
・ 令和2年度分:
判例時報2492号(令和3年10月21日号)
・ 令和元年度分:
判例時報2452号(令和2年10月1日号)
・ 平成30年度分:
判例時報2430号(令和2年3月1日号)
・ 平成29年度分:
判例時報2394・2395合併号(平成31年3月11・21日号)
・ 平成28年度分:
判例時報2348号(平成29年12月11日号)
・ 平成27年度分:
判例時報2310号(平成28年12月21日号)
・ 平成26年度分:
判例時報2291号(平成28年 6月11日号)
・ 平成25年度分:
判例時報2255号(平成27年 6月21日号)
・ 平成24年度分:
判例時報2206号(平成26年 2月11日号)
・ 平成23年度分:
判例時報2164号(平成24年12月11日号)
・ 平成22年度分:
判例時報2121号(平成23年10月11日号)
(2) 令和元年12月,判例時報社から,「許可抗告事件の実情 平成10~29年度」が出版されました。


3 許可抗告は5日の不変期間内にする必要があること等
(1)ア 許可抗告は,裁判の告知を受けた日から5日の不変期間内にしなければなりません(民事訴訟法337条6項・336条2項)。
イ 許可抗告の申立期間を依頼者に対して正確に説明しなかった場合,戒告の懲戒処分を受けることがあります(自由と正義2019年4月号70頁)。
(2) 許可抗告理由書は,抗告許可申立て通知書(民事訴訟規則209条・189条1項)の送達を受けた日から14日以内にする必要があります(民事訴訟規則210条2項・210条1項)。
(3) 特別抗告理由は理由書自体に記載すべきであって,原審抗告理由書の記載を引用することは許されない(最高裁大法廷昭和26年4月4日判決)ところ,許可抗告についても同様であると思います。


4 許可抗告の制度趣旨
・ 「許可抗告事件の実情-令和元年度-」には,許可抗告の制度趣旨として以下の記載があります(判例時報2452号4頁。なお,文中で言及されている参考文献は省略していますし,改行を追加しています。)。
    許可抗告(民訴法337条)は、決定に対して法が特に認めた最高裁判所に対する不服申立て方法であって、法令解釈に関する重要な事項を含む事件であると高等裁判所が認めて許可したことを申立ての要件とするものである。
    現行民訴法で許可抗告制度が設けられたのは、民事執行法や民事保全法の制定等に伴い、決定で判断される事項に重要なものが増え,重要な法律問題について高等裁判所の判断が分かれているという状況が生じていたので、最高裁判所の負担が過重にならないように配慮した上で、重要な法律問題についての判断の統一を図ろうとしたものである。 
    上告受理制度のように最高裁判所自らが受理するか否かの判断をする制度が採用されなかったのは、そのような制度を採用すれば最高裁判所の負担が過重になるおそれがあったためであり、その意味においては、許可抗告の制度は、高等裁判所において、適切に許可の判断がされることを信頼して設けられた制度であるということができる。
    そして、最高裁判所が本来許可に値しないと考えたとしても、高等裁判所が許可した以上、最高裁判所は当該論点への応答をする義務を負うことになるのであるから、高等裁判所には、自らの判断に判例と異なる点がある場合又は真に法令解釈に関する重要な事項を含む場合に限って抗告を許可するという制度の趣旨に沿った運用が求められている。

5 「法令の解釈に関する重要な事項」の意義
・ 「許可抗告事件の実情-令和元年度-」には,「法令の解釈に関する重要な事項」の意義として以下の記載があります(判例時報2452号5頁)。
(1) 法令の解釈自体は既に明確になっている場合に、個別事件における事実認定や要件ないし法理への単純な当てはめの判断は、通常は、法令解釈に関する重要な事項とはいえない。
    また、最高裁判所の判例により示された法例解釈の基準の具体的適用に関わる事項は、当該実務を担当する下級裁における事例集積にこそ意味がある場合が多い。このような場合,下級裁での事例集積、要件の類型化に関する実務的検討が十分にされていない段階で、個別事案に関する案件該当性の争いを法律審である最高裁判所に求めることは、相当ではないことが多い。
(2) 論点自体としては法令解釈に関する重要な事項に当たるが、当該事案の結論に影響しない論点については、許可は不相当となるものと考えられる。許可抗告は、法令の解釈に関する重要な事項について、解釈統一の機能を有する特別な抗告であるが、当該事案の解決を目的とするものであることはいうまでもなく、抽象的な法令解釈のために抗告を許可することは、当事者を具体的事件の解決を離れた論叢に巻き込むことになり、事案の解決を目的とする制度の趣旨に反するからである。
    また、特に移送や文書提出命令などの付随的な決定については、抗告に伴い、本案の手続が事実上進行できなくなることもあり、不相当な抗告により当事者が迷惑を被ることもあり得るので、この点にも留意が必要である。

6 判例委員会において取り上げられた判示事項・判決要旨の位置づけ等
(1) 最高裁平成19年5月29日判決の裁判官上田豊三,同堀籠幸男の補足意見には以下の記載があります(改行を追加しています。)。
   判例委員会において取り上げられた判示事項・判決要旨は,その判決の持つ先例的意義・価値を理解する上で重要な導きをするものであることはいうまでもないが,その判示事項・判決要旨がすべて「判例」となると解すべきではないし,逆に判示事項・判決要旨として取り上げられていないからといって「判例」ではないと解すべきものでもない。
   要するに,その判決が,どのような事案においてどのような法理を述べ,それを具体的事案に当てはめてどのような判断をし,解決をしたのかを理解し,先例としての意義・価値や拘束力があるのはどの部分であるかを探求すべきものである。

(2) 最高裁平成19年5月29日判決の裁判要旨は「飛行場において離着陸する航空機の発する騒音等により周辺住民らが精神的又は身体的被害等を被っていることを理由とする損害賠償請求権のうち事実審の口頭弁論終結の日の翌日以降の分は,判決言渡日までの分についても,将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格を有しない。」です。

7 関連記事その他
(1) 平成10年から平成23年までの実績でいえば,高裁が許可決定を出している割合は4%ぐらいです(弁護士田中智之ブログ「高裁での許可抗告申立事件の許可決定率」参照)。
(2)ア 原審の訴訟代理人が上告受理申立ての特別委任まで受けていた場合,高裁判決後の委任状を添付することなく,上告受理申立てをすることができます(最高裁昭和23年12月24日判決参照)。
    そのため,原審の訴訟代理人が特別抗告・許可抗告の特別委任まで受けていた場合,高裁決定後の委任状を添付することなく,特別抗告・許可抗告をすることができます。
イ 特別抗告の理由として形式的には憲法違反の主張があるがそれが実質的には法令違反の主張にすぎない場合であっても,原裁判所が民訴法336条3項,327条2項,316条1項により特別抗告を却下することはできません(最高裁平成21年6月30日決定)。
(3)ア 最高裁判所は「訴訟法において特に定める抗告」のみについて裁判権を有します(裁判所法7条2号)ところ,それは,民事事件についていえば特別抗告及び許可抗告だけを意味します。
    そのため,再抗告(民事訴訟法330条)は,簡易裁判所の決定・命令につき地方裁判所が抗告審として下した決定に対し高等裁判所へ抗告する場合にのみ許されます(結論につき最高裁昭和42年3月29日決定(判例秘書に掲載)参照)。
イ 証拠の採否に関する裁判に対しては,終局判決に対する上訴においてその当否を争うことができるため,特別抗告をすることはできません(鑑定申出却下に対する特別抗告に関する最高裁昭和48年2月15日決定参照)。
(4) 東弁リブラ2022年1月・2月号「元最高裁判所判事 木澤克之」には以下の記載があります。
    制度上,最高裁は,上告事件の全部を蹴っ飛ばすことができる仕組みになっており,そのような多数の事件の中で,「結果の妥当性の観点から結果を見直した方がよい」と思われるものを取り出して,最高裁の審理の対象とするのです。
    ただし,許可抗告だけは,原審が許可すると,最高裁は拘束されてしまいます。
(5) 以下の記事も参照して下さい。
・ 家事審判に対する即時抗告,特別抗告及び許可抗告
・ 上告審に関するメモ書き
・ 最高裁の破棄判決一覧表(平成25年4月以降の分),及び最高裁民事破棄判決等の実情
・ 2000円の印紙を貼付するだけで上告受理申立てをする方法
・ 最高裁判所裁判部作成の民事・刑事書記官実務必携
・ 最高裁の既済事件一覧表(民事)
 最高裁判所調査官
 最高裁判所判例解説

歴代の女性高裁長官一覧

目次
第1 歴代の女性高裁長官一覧
10 矢尾和子裁判官(39期・慶応大)
9 近藤宏子裁判官(38期・慶応大)
8 森純子裁判官(40期・東大)
7 秋吉仁美裁判官(35期・上智大)
6 白石史子裁判官(36期・東大)
5 高部眞規子裁判官(33期・東大)
4 綿引万里子裁判官(32期・中央大)
3 安藤裕子裁判官(29期・中央大)
2  一宮なほみ裁判官(26期・中央大)
1 野田愛子裁判官(2期・明治大)
第2 関連記事その他


第1 歴代の女性高裁長官一覧
10 矢尾和子裁判官(39期・慶応大)
・ 令和6年9月12日に福岡高裁長官に就任しました。
・ 東京家裁家事第2部部総括→東京地裁35民部総括(医事部)→東京簡裁司掌裁判官→千葉家裁所長→東京高裁7民部総括→司法研修所長を経て,福岡高裁長官に就任しました。

9 近藤宏子裁判官(38期・慶応大)
・ 令和5年8月24日から令和7年1月28日までの間,札幌高裁長官をしていました。
・ 名古屋地裁6刑部総括→東京地裁16刑部総括→東京高裁3刑判事→横浜地裁5刑部総括→横浜家裁所長→東京高裁8刑部総括を経て,札幌高裁長官に就任しました。

8 森純子裁判官(40期・東大)
・ 令和4年9月2日から令和5年5月22日までの間,仙台高裁長官をしていました。
・ 大阪地裁16民部総括→大阪地裁6民部総括(破産再生部)→大阪地裁民事上席判事→大阪地裁所長代行者→奈良地家裁所長→大阪家裁所長を経て,仙台高裁長官に就任しました。

7 秋吉仁美裁判官(35期・上智大)
・ 令和3年9月3日から令和5年1月4日までの間,高松高裁長官をしていました。
・ 東京地裁民事部部総括→横浜地裁2民部総括→東京家裁家事部所長代行者→裁判所職員総合研修所長→さいたま家裁所長→東京高裁5民部総括を経て,高松高裁長官に就任しました。

6 白石史子裁判官(36期・東大)
・ 令和3年8月2日から令和5年8月16日までの間,札幌高裁長官をしていました。
・ 内閣官房司法制度改革推進室長→東京高裁9民判事→千葉地裁2民部総括→東京地裁27民部総括(交通部)→京都家裁所長→東京高裁2民部総括を経て,札幌高裁長官に就任しました。


5 高部眞規子裁判官(33期・東大)
・ 令和2年10月19日から令和3年9月1日までの間,高松高裁長官をしていました。
・ 最高裁調査官→東京地裁部総括(民事)→知財高裁第4部判事→横浜地家裁川崎支部長→福井地家裁所長→知財高裁第4部部総括→知財高裁所長を経て,高松高裁長官に就任しました。

4 綿引万里子裁判官(32期・中央大)
・ 平成30年9月7日から令和2年5月1日までの間,名古屋高裁長官をしていました。
・ 東京地裁25民部総括→司法研修所民事裁判教官→東京高裁5民判事→最高裁民事上席調査官→宇都宮地裁所長→横浜家裁所長→東京高裁4民部総括→札幌高裁長官を経て,名古屋高裁長官に就任しました。
・ 横浜家裁所長当時のインタビュー記事(平成26年12月のもの)が,公益社団法人横浜中法人会HPに載っています。
・ My News Japanの「オリコンうがや訴訟4 小池社長を裁く綿引穣裁判長、「噂眞」「2ちゃん」に賠償命じた過去」によれば,夫は同期の綿引穣 元裁判官(平成26年3月30日依願退官)でありますところ,同人は綿引穣 元東京高裁10民判事であり,平成26年7月1日から令和4年7月11日までの間,立川公証役場の公証人をしていました(法務省HPの「指定公証人一覧」参照)。
・ 外部HPの「第10回 姪が札幌高裁長官にの報」には,「司法試験は最難関の試験の一つと言われている。だが、万里子さんは熱心に勉強をつづけたらしい。そしてまだ学部4年生で司法試験に合格した。wakohは詳しいことは知らない。だが、何かの記事を観ると、筆記試験では8位であったのに、面接で1位に躍り出たように記されているのを目にしたことがある。まだ21歳の才媛だった。」と書いてあります。
・ 女性初の職業裁判官出身の最高裁判所判事になる可能性があった人です(岡部喜代子最高裁判所判事は裁判官出身とは取り扱われていません。)。
・ 5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の「昔の合格体験記を語ろうず」の52番の書き込みによれば,綿引(伊藤)万里子裁判官の昭和52年度司法試験合格者体験記には,「当然のようにして東大受験。この時初めて私は挫折というものを味わった。解答欄の取り違え!諦めようにも諦めきれぬ気持ちで夜中にベッドの上に起き上がり悶悶とする日が続いた。それでも浪人生活を送る気持ちにもなれず、私は中央大学に入学した。 」と書いてあるみたいです。
・ 高輪1期以降の,裁判官出身の最高裁判所判事のうち,中央大学出身者,ひいては私立大学出身者は1人だけです(「高輪1期以降の,裁判官出身の最高裁判所判事」参照)から,このときに東大に入学できていれば,最高裁判所判事になれたかもしれません。


3 安藤裕子裁判官(29期・中央大)
・ 平成26年10月2日から平成27年3月17日までの間,高松高裁長官をしていました。
・ 前橋地家裁高崎支部長→松山家裁所長→岐阜地家裁所長→千葉家裁所長を経て,高松高裁長官に就任しました。
・ 千葉家裁所長から高裁長官に就任した前例はありませんし,高輪1期以降,定年まで5ヶ月余りの時点で高裁長官に就任した前例はありませんでした。
・ 平成29年3月13日から国家公安委員会委員をしています(国家公安委員会HPの「国家公安委員会委員長・委員のプロフィール」参照)。
・ 東弁リブラ2018年1月号の「忘れることのできない私の修習生時代」には,「司法研修所30期では女子司法修習生に複数の裁判教官が「司法界は男性の職場。女性は家庭に入るのが良い。」などと発言して修習生達から痛烈に批判されたこともあった。」と書いてあります。

2  一宮なほみ裁判官(26期・中央大)
・ 平成23年1月11日から平成25年6月14日までの間,仙台高裁長官をしていました。
・  東京地裁10民部総括→千葉地裁2民部総括→家庭裁判所調査官研修所長→裁判所職員総合研修所長→水戸地裁所長→東京高裁1民部総括を経て,仙台高裁長官に就任しました。
・ 平成25年6月から人事官を,平成26年4月12日から人事院総裁をしています(人事院HPの「人事院の組織」参照)。
・ 読売オンラインに「女性発の人事院総裁 中大OGの一宮なほみ氏」が載っています。

1 野田愛子裁判官(2期・明治大)
・  昭和62年1月28日から同年12月1日までの間,札幌高裁長官をしていました。
・  札幌家裁所長→前橋家裁所長→静岡家裁所長→千葉家裁所長→東京家裁所長を経て,札幌高裁長官に就任しました。
・ 日本女性法律家協会(旧 日本婦人法律家協会)の設立メンバーであり,第6代会長でした(外部HPの「野田愛子先生(1924-2010)を偲んで~家庭裁判所制度・家族法の分野から~」参照)。
・ 平成23年7月8日,日弁連で,「野田愛子 メモリアルシンポジウム~~アジアと日本の家族法 ローエイシアソウル大会に向けて~」が開催されました。

第2 関連記事その他
1 31期の瀬木比呂志裁判官が著した「絶望の裁判所」210頁には以下の記載があります。
    特定の裁判官(たち)が特定の後輩(たち)をえこひいきしてよいポストに就かせ続けるといった、はっきりした情実人事も目立つようになっており、たとえば、裁判所トップとの間に強力なパイプをもった特定の女性裁判官が、自分の息のかかった後輩女性裁判官たちをあからさまに引っ張り上げる人事を行わせ続けた例などが思い出される。
2 裁判所構成法107条は「裁判長ハ婦女児童及相當ナル衣服ヲ着セサル者ヲ法廷ヨリ退カシムルコトヲ得其ノ理由ハ之ヲ訴訟ノ記録ニ記入ス」と定めていました。
3(1) 内閣府男女共同参画局HP「女性の政策決定参画状況調べ」が載っています。
(2) 滋賀の弁護士のひとりごと|弁護士中井陽一のブログ「女性裁判官の結婚事情」が載っています。
(3) 心理学の時間ですよ!HP「女の嫉妬をかわして女性ばかりの職場で上手くやる7つの方法」が載っています。
4 30期の金井康雄最高裁人事局任用課長は,最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成8年5月31日開催)において以下の発言をしています(全国裁判所書記官協議会会報第135号15頁)。
    ともすれば職務遂行の上で責任感等に問題なしとしない女性職員の存在、女性特有の横ならび意識の強さから来る適正な選抜の困難性、出産・育児や老親等の看護に専念する期間における適切な対応案をとることの困難性などの問題から、女性職員に対する管理職員の意識は、その積極的な登用には少なからず躊躇があるというのが現状のように思われます。
5 以下の記事も参照してください。
・ 歴代の女性最高裁判所判事一覧
 高等裁判所長官任命の閣議書

歴代の女性最高裁判所判事一覧

第1 歴代の女性最高裁判所判事一覧
10 令和7年7月21日以降任命予定の沖野眞已最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
9 令和5年11月6日任命の宮川美津子最高裁判所判事(38期・第一小法廷)
8 令和3年7月16日任命の渡辺恵理子最高裁判所判事(40期・第三小法廷)
7 令和元年10月2日任命の岡村和美最高裁判所判事(35期・第二小法廷)
6 平成30年1月9日任命の宮崎裕子最高裁判所判事(31期・第三小法廷)
5 平成25年2月6日任命の鬼丸かおる最高裁判所判事(27期・第二小法廷)
4 平成22年4月12日任命の岡部喜代子最高裁判所判事(28期・第三小法廷)
3 平成20年9月11日任命の櫻井龍子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
2 平成13年12月19日任命の横尾和子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
1 平成6年2月9日任命の高橋久子裁判官(期外・第一小法廷)
第2 関連記事その他

第1 歴代の女性最高裁判所判事一覧
10 令和7年7月20日以降任命予定の沖野眞已最高裁判所判事(期外・第三小法廷)
(1) 昭和39年生であり,東大法学部卒業であり,令和16年に定年退官する予定です。
(2) 定年退官する宇賀克也最高裁判所判事(期外・第三小法廷)の後任として,令和7年6月6日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 昭和61年に司法試験に合格し,昭和62年4月に東京大学法学部助手となり,平成5年4月に学習院大学法学部助教授となり,平成11年4月に学習院大学法学部教授となり,平成19年4月に一橋大学大学院法学研究科教授となり,平成22年10月に東京大学大学院法学政治学研究科教授となり,令和7年4月に東京大学大学院法学政治学研究科長兼東京大学法学部長となりました。

9 令和5年11月6日以降任命の宮川美津子最高裁判所判事(38期・第一小法廷)
(1) 昭和35年2月13日生まれであり,東大法学部卒業であり,令和12年2月13日限りで定年退官する予定です。
(2) 定年退官する山口厚最高裁判所判事(期外・第三小法廷)の後任として,令和5年10月6日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 昭和61年4月に西村眞田法律事務所に入所し,平成2年10月にTMI総合法律事務所に入所し,平成7年4月からTMI総合法律事務所のパートナーをしています。
(4)ア 西村眞田法律事務所は平成16年1月に西村ときわ法律事務所となり,平成19年7月1日に西村あさひ法律事務所となりました。
イ WIkipediaの「西村利郎」には,「1966年12月、西村法律事務所を設立。1978年には、眞田幸彦らとともに日本の四大法律事務所の1つ西村眞田法律事務所(Nishimura & Sanada) を創立。1996年、眞田幸彦のインサイダー取引の起訴、有罪が確定したため、事務所の名称は変更し、西村総合、西村ときわなどを経て、現在は「西村あさひ法律事務所」となっている。」と書いてあります。
(5) TMI総合法律事務所は平成2年10月1日に西村眞田法律事務所の知財部門の弁護士らが独立して設立された事務所です。

* 1分20秒時点で宮川美津子弁護士の顔写真及び「気持ちの通いあったメンバーと楽しく♡働ける事務所 宮川美津子」というメッセージが表示されるほか,4分44秒時点で平成2年頃当時と令和2年頃当時を対比した写真が表示されます。

8 令和3年7月16日任命の渡辺恵理子最高裁判所判事(40期・第三小法廷)
(1) 昭和33年12月27日生まれであり,東北大学法学部卒業であり,令和10年12月26日限りで定年退官する予定です。
(2)ア 昭和63年に長島・大野法律事務所に入所し,平成12年から長島・大野・常松法律事務所のパートナーをしています。
イ 女性の最高裁判所判事については3人連続で,長島・大野・常松法律事務所の勤務経験者となっています。
(3)ア 独占禁止法関係の案件が仕事の99%を占めていて,家族構成は夫とネコたちとのことです(Attorney’s MAGAZINE Onlineの「弁護士 渡邉惠理子」参照)。
イ 東京高裁平成10年7月9日判決(判例秘書に掲載)は,香川大学法学部及び同大学大学院法学研究科教授の職に在り、租税法を担当していた者(昭和32年3月に東京大学教養学部を卒業し,国税庁,国税局及び国税不服審判所に勤務した後,平成2年4月に香川大学教授となった。)がした弁護士名簿登録請求に対し、日弁連がした同請求を拒絶する旨の決定は適法であると判示しました。
(4) 定年退官する宮崎裕子最高裁判所判事(31期・第三小法廷)の後任として,令和3年6月4日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(5)ア 戸籍上の氏名は「宮城惠理子」と思います(平成22年12月28日の官報号外278号127頁参照)。
イ 平成24年2月29日の参議院本会議議事録に「次に、(中略)日本放送協会経営委員会委員に上村達男君及び宮城惠理子君を、(中略)任命することについて採決をいたします。」と書いてあります。
(6) 以下の文書を掲載しています。
・ 渡邉恵理子最高裁判事就任記者会見(令和3年7月16日実施分)の概要のウェブサイトへの掲載について(令和3年8月4日付の最高裁広報課の決裁文書)


7 令和元年10月2日任命の岡村和美最高裁判所判事(35期・第二小法廷)
(1)ア 昭和32年12月23日生まれであり,早稲田大学法学部卒業であり,長島・大野法律事務所(現在の長島・大野・常松法律事務所)に就職するなどした後,平成12年5月に東京地検検事となりました。
イ 早稲田大学HPに「第二世紀へのメッセージ 消費者庁長官 岡村和美さん 早稲田に散らばる「本物」の材料が学生を育ててくれる」が載っています。
ウ 令和9年12月22日限りで定年退官する予定です。
(2) 法務省大臣官房参事官(総合調整担当),法務省人権擁護局長,消費者庁長官等を経験しています。
(3) 産経新聞HPに「岡村消費者庁長官がJOC理事就任を辞退」(2019年6月27日付)には,「関係者によると、岡村氏は今月21日に理事就任を辞退することをJOCに届け出た。」と書いてあります。
   そのため,この時点で最高裁判所判事に就任する可能性が出ていたのかもしれません。
(4) 定年退官する山本庸幸最高裁判所判事(期外・第二小法廷)の後任として,令和元年9月20日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(5) 戸籍上の氏名は「長島和美」と思います(「岡村和美最高裁判所判事の就任記者会見関係文書(令和元年10月2日実施分)」参照)。

6 平成30年1月9日任命の宮崎裕子最高裁判所判事(31期・第三小法廷)
(1)ア 昭和26年7月9日生まれであり,東京大学法学部卒業であり,元 東京大学法科大学院客員教授・元 京都大学客員教授であり,令和3年7月8日限りで定年退官しました。
イ 宮崎裕子弁護士は長年にわたり長島・大野・常松法律事務所のパートナーを務めていました(同事務所HP「宮崎裕子元弁護士が最高裁判所判事に就任」参照)。
(2) 定年退官する木内道祥最高裁判所判事(27期・第三小法廷)の後任として,平成29年12月8日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 平成30年1月10日付の行政文書不開示決定通知書によれば,木内道祥最高裁判所判事の後任として,最高裁が内閣に対して提示した候補者の人数,及び日弁連からの推薦の有無が分かる文書は存在しません。
(4) 日弁連が最高裁に推薦した9人のうちの1人でした(朝日新聞HPの「旧姓使用の最高裁判事が就任 ホテル宿泊拒まれた経験も」参照)。
(5) 当初の報道では,戸籍名の「竹内裕子」という氏名が記載されていました(5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の「【人事】最高裁長官 大谷直人氏起用を閣議決定 来月9日づけで発令 」参照)。
(6) 平成29年12月19日付の,「新最高裁判所長官及び新最高裁判所判事の就任に伴う記者会見における写真取材について」を掲載しています。
(7) 2018年1月26日の毎日新聞のネット記事には,「「『宮崎裕子』を名乗ることができないと言われたら、(判事を受けるかどうか)かなり悩んだと思う」。昨秋、最高裁は裁判官が判決文や令状で旧姓を使うことを認めた。旧姓を使う初の最高裁判事となった点を記者に問われると、率直な思いを明かした。」と書いてあります。
    ただし,日弁連推薦の最高裁判所判事候補者になることを希望する場合,前任者の定年退官予定日の1年近く前までに,50名以上の会員又は単位弁護士会から日弁連の最高裁判所裁判官推薦諮問委員会への第一次推薦を受ける必要がありますところ,2017年1月頃の時点では,最高裁が裁判官の旧姓使用を認める予定であったかどうかは内部的にも決まっていなかったと思います。
(8)ア 2018年1月26日の毎日新聞のネット記事には,「「法廷に男女差はない」。法曹を志した時、そう助言してくれた元裁判官の父は昨年10月に96歳で死去し、最高裁判事就任が決まったのはその2カ月後だった。」と書いてあります。
   ところで,4期の宮崎富哉裁判官(1921年9月7日生)は,海軍兵学校70期であり,戦後は東大卒業後,裁判官・弁護士として活躍し(江鷹会の談話室ブログ「丸の内木曜会3月例会」参照),2017年10月に死亡しました(2017年11月24日のツイッター情報「先程、兵70期の宮崎富哉大尉が10月に亡くなられたとご令嬢様よりお電話をいただいた」参照)から,死亡時の年齢は96歳であると思います。ただし,2017年10月の叙位情報が載っている,裁判所時報平成30年1月1日号には宮崎富哉裁判官の叙位は掲載されていません。
(9) 月刊大阪弁護士会2022年2月号3頁に,宮崎裕子 元最高裁判所判事の発言として以下のものがあります。
    私は31期ですが、長島・大野は29期までは女性は採用しないという方針だったそうです。30期の採用方針にこの方針を改めるべきであると長島弁護士が提案し、パートナー間で話し合った結果、方針変更が合意されたと聞いていますが、30期では女性の採用は実現せず、31期の私が最初のフルタイム女性弁護士として採用されたという経緯でした。


イ なにわ会HP(海軍兵学校72期等の合同クラス会HP)「海軍兵学校の歴史」によれば,昭和16年11月15日卒業の70期433人のうち287人が戦没したため,戦没率は66.3%であってワースト記録です。
(9)ア 東京大学の伊藤国際学術研究センターHP「2012.05.22 伊藤国際学術研究センター完成記念祝賀会が行われました」に「東京大学、そして財務省のご出身で、現在は日本政策投資銀行の取締役常務執行役員の竹内洋さん、弁護士の裕子さんご夫妻が、小宮山宏前総長とのご縁をつなぐ機会を作って下さいました。」と書いてあります。
イ 昭和24年7月14日生の竹内洋(平成29年12月時点で68歳)は,昭和48年4月に大蔵省に入省し,平成17年8月に財務省関税局長となり,平成18年8月に日本政策投資銀行理事となり,平成20年10月に日本政策投資銀行取締役常務執行役員となり,平成25年6月に清水建設株式会社取締役となり,平成26年2月に弁護士登録をし(清水建設株式会社HP「有価証券報告書・四半期報告書」に載ってある平成30年3月期の有価証券報告書36頁),2019年6月下旬の定時株主総会終結時に退任する予定です(株式会社LIXILグループの「(訂正)「取締役候補者に関するお知らせ」の一部訂正について」(2019年5月14日付)参照)。
(10)ア 宮崎裕子弁護士は,最高裁判所判事への就任が内定した後と思われる平成29年12月に弁護士氏名変更の届出を行い,かつ,弁護士の職務上の氏名として「宮崎」姓を使用するという届出をしました(平成30年2月6日官報号外第25号22頁)。
イ 弁護士が戸籍上の氏名以外の氏名を職務上の氏名として使用するためには日弁連への届出が必要です職務上の氏名に関する規程2条,職務上の氏名に関する規則2条1項1号)。
   そのため,宮崎裕子弁護士が,日弁連への届出以前の段階で,職務上の氏名として「宮崎」姓を使用していた法的根拠は不明です。
(11) 投票行動.comの「宮崎裕子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

平成30年2月6日官報号外第25号22頁(宮崎裕子弁護士(登録番号16685番)に関する「弁護士氏名変更の公告」及び「弁護士の職務上の氏名の使用」が載っています。)

5 平成25年2月6日任命の鬼丸かおる最高裁判所判事(27期・第二小法廷)
(1) 昭和24年2月7日生まれであり,東京大学法学部卒業であり,元 東京弁護士会高齢者・障害者の権利に関する特別委員会委員長であり,平成31年2月6日限りで定年退官しました。
(2) 定年退官する須藤正彦最高裁判所判事(22期・第二小法廷)の後任として,平成25年1月18日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 投票行動.comの「鬼丸かおる」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
(4) 罷免を可とする率は9.21%でした。


4 平成22年4月12日任命の岡部喜代子最高裁判所判事(28期・第三小法廷)
(1) 昭和24年3月20日生まれであり,慶應義塾大学法学部卒業であり,元 慶應義塾大学法学部教授であり,平成31年3月19日限りで定年退官しました。
(2) 定年退官する藤田宙靖最高裁判所判事(期外・第三小法廷)の後任として,平成22年3月19日の閣議で,最高裁判所判事への就任が決定しました。
(3) 投票行動.comの「岡部喜代子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
(4) 学者枠で最高裁判事となった藤田宙靖が退官後に執筆した「最高裁回想録 学者判事の七年半」には,同人の前任者である奥田昌道最高裁判所判事への言及はあるのに対し,同人の後任者である岡部喜代子最高裁判所判事への言及は全くありません。
(5) 平成5年4月1日,東京家庭裁判所判事を最後に依願退官していましたから,学者枠で最高裁判所判事となりました。
(6) 平成27年5月発行の「司法の窓」第80号に,岡部喜代子最高裁判所判事の対談記事が載っています。
(7) 罷免を可とする率は8.56%でした。
(8) 北口雅章法律事務所ブログ「エース登場! 宇賀克也・東大教授の最高裁入り」(平成31年2月23日付)に以下の記載があります。
    藤田宙靖・前最高裁判事(東北大学大学院教授・行政法)の御退任の後,ハア?? といった衝撃の最高裁人事があり・・なんやねん! 最高裁に「学者枠」は無くなったのか?!と,悄然としていた

3 平成20年9月11日任命の櫻井龍子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
(1) 昭和22年1月16日生まれであり,九州大学法学部卒業であり,元 労働省女性局長であり,平成29年1月15日限りで定年退官しました。
(2) 投票行動.comの「櫻井龍子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。
(3) 最高裁判所判事就任に際し,通称名であり,旧姓の「藤井」が使用できなくなったことから,戸籍名の「櫻井」を使用するようになりました。
(4) 罷免を可とする率は6.96%でした。
(5) 九州大学HPに「法学部卒業生の,櫻井龍子最高裁判事にインタビューしました!」が掲載されています。
(6) 平成28年5月発行の「司法の窓」第81号の「15のいす」に,櫻井龍子最高裁判所判事のエッセイが載っています。
(7) 御殿場事件(静岡県御殿場市の御殿場駅近くで平成13年9月に発生したとされる集団強姦未遂事件)につき,平成21年4月13日,裁判長として被告人らの上告を棄却しました。

2 平成13年12月19日任命の横尾和子最高裁判所判事(期外・第一小法廷)
(1) 昭和16年4月14日生まれであり,国際基督教大学教養学部卒業であり,元 厚生省保健福祉局長・元 社会保険庁長官・元 アイルランド大使であり,平成20年9月10日に依願退官しました。
(2) 平成9年1月1日に基礎年金番号制度が発足した当時の社会保険庁長官でした。
(3) 社会保険庁長官退任時に受け取った退職金を年金記録問題が発覚した後に返還したかどうかは不明です。
(4) 投票行動.comの「横尾和子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

1 平成6年2月9日任命の高橋久子裁判官(期外・第一小法廷)
(1) 昭和2年9月21日生まれであり,東京大学経済学部卒業であり,元 労働省婦人少年局長であり,平成9年9月20日限りで定年退官しました。
(2) 「弁護士から裁判官へ-最高裁判事の生活と意見-」(著者は大野正男 元最高裁判所判事)70頁に以下の記載があります。
   私の在任中に社会で注目されたのは、平成六年二月に高橋久子元労働省婦人少年局長が、最高裁判事に任命されたことである。当時の細川総理大臣のたっての希望によって実現されたと言われるが、日本における最初の女性最高裁判事である。
(3) 投票行動.comの「高橋久子」に,関与した裁判例への投票行動が載っています。

第2 関連記事その他
1(1) 内閣府男女共同参画局HP「女性の政策決定参画状況調べ」が載っています。
(2) 滋賀の弁護士のひとりごと|弁護士中井陽一のブログ「女性裁判官の結婚事情」が載っています。
(3) 日本女性法律家協会HP「女性最高裁判事の任命を求める要望書を提出(2021.4.15,16)」が載っています。
2 裁判所構成法107条は「裁判長ハ婦女児童及相當ナル衣服ヲ着セサル者ヲ法廷ヨリ退カシムルコトヲ得其ノ理由ハ之ヲ訴訟ノ記録ニ記入ス」と定めていました。
3 「司法の可能性と限界と-司法に役割を果たさせるために-」(講演者は31期の井戸謙一 元裁判官)には以下の記載があります(法と民主主義2019年12月号20頁)。
    長年、日弁連推薦枠から最高裁判事になった方々は、有能で人格的にも立派な弁護士として、多くの人から尊敬されていた人たちだったと思いますが、最近はそういう人がいないという感じがします。これには最高裁判事の選任手続の問題があると思いますが、これはまたあとで申し上げます。
4 「ジェンダー平等と司法~法曹界における202030を考える~対談 元最高裁判事に聞く~最高裁の男女共同参画」には,櫻井龍子 元最高裁判所判事の発言として以下の記載があります(自由と正義2021年7月号29頁)。
櫻井 (中略)ところが最高裁に行きましたら、そういう雰囲気(山中注:女性が働きやすい環境にするにはどうしたらいいかという雰囲気)は全くない。1994年に最初の女性の最高裁の裁判官に、私の大先輩だった高橋久子さんが就いて、それから2代目が横尾さん、私が3代目。ずっと15人中唯一の女性裁判官、「ぽつんと1人」だったのです。そして、これからは女性にも活躍してもらわなきゃいけない、という受け止め方は全く感じられなかった。
5 心理学の時間ですよ!HP「女の嫉妬をかわして女性ばかりの職場で上手くやる7つの方法」が載っています。
6 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士出身の最高裁判所裁判官の氏名の推移(昭和時代及び平成時代)
 最高裁判所裁判官の任命に関する各種説明
・ 最高裁判所判事任命の閣議書
・ 最高裁判所判事の旧姓使用
・ 最高裁判所第一小法廷(着任順)
・ 最高裁判所第二小法廷(長官以外は着任順)
・ 最高裁判所第三小法廷(着任順)
・ 歴代の女性高裁長官一覧
・ 女性判事及び女性判事補の人数及び割合の推移

民事法律扶助に関する法テラス業務方法書の条文

法テラスの民事法律扶助に関する,日本司法支援センター業務方法書(平姓30年3月27日法務大臣認可)の条文は以下のとおりです。

第2節 民事法律扶助業務及びその附帯業務の方法
第1款 通則
(定義)
第5条 この節において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 代理援助 次に掲げる援助をいう。
ア 裁判所における民事事件、家事事件又は行政事件に関する手続(以下「民事裁判等手続」という。)の準備及び追行(民事裁判等手続に先立つ和解の交渉で特に必要と認められるものを含む。)のため代理人に支払うべき報酬及びその代理人が行う事務の処理に必要な実費の立替えをすること。
イ 認知機能が十分でないために自己の権利の実現が妨げられているおそれがある国民等(以下「特定援助対象者」という。)が自立した生活を営むために必要とする公的給付に係る行政不服申立手続(行政不服審査法(平成26年法律第68号)による不服申立ての手続をいう。以下「特定行政不服申立手続」という。)の準備及び追行のため代理人に支払うべき報酬及びその代理人が行う事務の処理に必要な実費の立替えをすること。
ウ ア又はイに規定する立替えに代え、それぞれア又はイに規定する報酬及び実費に相当する額(以下「代理援助負担金」という。)をセンターに支払うことを約した者のため、適当な契約弁護士等(センターとの間で、支援法第30条に規定するセンターの業務に関し、他人の法律事務を取り扱うことについて契約をしている弁護士及び弁護士法人並びに司法書士その他の隣接法律専門職者をいう。以下同じ。)にア又はイの代理人が行う事務を取り扱わせること。
二 書類作成援助 次に掲げる援助をいう。
ア 弁護士法(昭和24年法律第205号)、司法書士法(昭和25年法律第197号)その他の法律により依頼を受けて裁判所に提出する書類を作成することを業とすることができる者に対し、民事裁判等手続に必要な書類の作成を依頼して支払うべき報酬及びその作成に必要な実費の立替えをすること。
イ 弁護士法その他の法律により依頼を受けて裁判所に提出する書類を作成することを業とすることができる者に対し、特定行政不服申立手続に必要な書類の作成を依頼して支払うべき報酬及びその作成に必要な実費の立替えをすること。
 ウ ア又はイに規定する立替えに代え、それぞれア又はイに規定する報酬及び実費に相当する額(以下「書類作成援助負担金」という。)をセンターに支払うことを約した者のため、適当な契約弁護士等にア又はイに規定する書類を作成する事務を取り扱わせること。
三 法律相談援助 次に掲げる業務をいう。
 ア 支援法第30条第1項第2号ホに規定する法律相談を実施すること(以下「一般法律相談援助」という。)。
 イ 支援法第30条第1項第3号に規定する法律相談を実施すること(以下「特定援助対象者法律相談援助」という。)。
 ウ 支援法第30条第1項第4号に規定する法律相談を実施すること(以下「被災者法律相談援助」という。)。
四 附帯援助 前三号に掲げる援助に附帯する援助(第1号ア又はウに附帯する民事保全手続における立担保を含む。)を行うことをいう。
五 弁護士・司法書士等 弁護士、弁護士法人、司法書士及び司法書士法人をいう。
六 指定相談場所 理事長が別に定める基準により地方事務所長が指定した法律相談援助を行う場所をいう。
七 民事法律扶助契約 センターと弁護士・司法書士等との間で締結する、代理援助、書類作成援助及び法律相談援助を実施することについての契約をいう。
八 民事法律扶助契約弁護士・司法書士等 センターとの間で民事法律扶助契約を締結した弁護士・司法書士等をいう。
九 受任者 代理援助に係る案件を受任した民事法律扶助契約弁護士・司法書士等をいう。
十 受託者 書類作成援助に係る案件を受託した民事法律扶助契約弁護士・司法書士等をいう。
十一 受任者等 受任者及び受託者をいう。
十二 申込者 第1号、第2号又は第3号ア若しくはウのいずれかの援助の申込みをした者をいう。
十三 申入対象者 第3号イの援助の実施の申入れがあった者をいう。
十四 申込者等 申込者及び申入対象者をいう。
十五 被援助者 第1号から第3号までのいずれかの援助を受けた者をいう。

(民事法律扶助契約)

第5条の2 センターは、民事法律扶助業務に精通した弁護士・司法書士等と民事法律扶助契約を締結する。
2 センターは、弁護士会及び司法書士会に対し、民事法律扶助契約弁護士・司法書士等を確保するための協力を求める。
3 センターは、センターの事務所所在地から遠距離の地域に事務所を置く弁護士・司法書士等と民事法律扶助契約を締結するように努める。
4 民事法律扶助契約の契約期間は2年とする。ただし、この契約は更新することができる。
(本部法律扶助審査委員)
第6条 センターは、第70条の3第1項に規定する審査に関し、本部事務所に本部法律扶助審査委員(以下「本部扶助審査委員」という。)を置く。
2 理事長は、法律と裁判に精通している者の中から、本部扶助審査委員を選任し、その中から本部扶助審査委員長及び本部扶助審査副委員長を指名する。
3 本部扶助審査委員長は、本部扶助審査委員の業務を統括する。本部扶助審査副委員長は、本部扶助審査委員長に事故があるときは、その職務を代行する。
4 本部扶助審査委員の任期は2年とする。ただし、任期の満了前に退任した本部扶助審査委員の補欠として選任された本部扶助審査委員の任期は、退任した本部扶助審査委員の任期の満了する時までとする。
5 本部扶助審査委員は、再任されることができる。
6 本部扶助審査委員の定数及びその審査に関する事項は、理事長が別に定める。
(地方事務所法律扶助審査委員)
第7条 センターは、第26条第8項から第10項まで、第30条第1項、第33条第1項及び第3項、第49条の2、第50条第3項、第51条第2項、第52条第2項、第54条第1項、第55条第2項、第56条第1項及び第2項、第63条の3第1項並びに第69条の3第1項に規定する審査に関し、地方事務所に地方事務所法律扶助審査委員(以下「地方扶助審査委員」という。)を置く。
2 地方事務所長は、法律と裁判に精通している者の中から、地方扶助審査委員を選任し、その中から地方扶助審査委員長及び地方扶助審査副委員長を指名する。
3 地方扶助審査委員長は、地方扶助審査委員の業務を統括する。地方扶助審査副委員長は、地方扶助審査委員長に事故があるときは、その職務を代行する。
4 地方扶助審査委員の任期は2年とする。ただし、任期の満了前に退任した地方扶助審査委員の補欠として選任された地方扶助審査委員の任期は、退任した地方扶助審査委員の任期の満了する時までとする。
5 地方扶助審査委員は、再任されることができる。
6 地方扶助審査委員の定数及びその審査に関する事項は、理事長が別に定める。
第2款 代理援助及び書類作成援助
(方法及び対象)
第8条 代理援助は、次の各号に掲げる方法とし、それぞれ当該各号に定める手続を対象とする。
一 裁判代理援助 民事訴訟、民事保全、民事執行、破産、非訟、調停、家事審判その他裁判所における民事事件、家事事件及び行政事件に関する手続
二 特定行政不服申立代理援助 理事長が別に定める特定行政不服申立手続
三 裁判前代理援助 民事裁判等手続に先立つ和解の交渉で、これにより迅速かつ効率的な権利実現が期待できるなど案件の内容や申込者の事情などにより弁護士・司法書士等による継続的な代理が特に必要と認められるもの
2 書類作成援助は、前項第1号又は第2号に定める手続を対象とする。
(援助要件)
第9条 代理援助及び書類作成援助は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合に行う。
一 申込者が、別表1の代理援助及び書類作成援助資力基準に定める資力に乏しい国民等であること。
一の二 特定行政不服申立代理援助又は書類作成援助のうち第8条第1項第2号に定める手続を対象とするものにあっては、申込者が、特定援助対象者であること。
二 勝訴の見込みがないとはいえないこと。
三 民事法律扶助の趣旨に適すること。
(代理援助及び書類作成援助資力基準の基本的考え方)
第10条 代理援助及び書類作成援助資力基準は、生活保護法(昭和25年法律第144号)における保護の基準を踏まえるとともに、一般的な勤労世帯の所得水準及び各地域における物価水準等を考慮したものとし、申込者の家賃、住宅ローン、医療費その他やむを得ない出費等資力にかかわる個別の事情をも考慮し得るものとして定める。
(立替費用)
第11条 センターが、援助を行う案件(以下「援助案件」という。)について立て替える費用(以下「立替費用」という。)の種類は、次の各号に掲げるとおりとする。
一 代理援助又は書類作成援助に係る報酬
二 代理援助又は書類作成援助に係る実費
三 保証金
四 その他附帯援助に要する費用
2 前項第1号に掲げる代理援助に係る報酬については、着手金と報酬金をその内容とする。
(報酬及び実費の立替基準)
第12条 前条第1項第1号及び第2号に掲げる報酬及び実費の立替えは、次の各号に掲げる事項を踏まえて別表3に定める基準(以下「立替基準」という。)による。
一 被援助者に著しい負担になるようなものでないこと。
二 適正な法律事務の提供を確保することが困難となるようなものでないこと。
三 援助案件の特性や難易を考慮したものであること。
(代理援助負担金等)
第13条 代理援助負担金の決定、支払及び免除については、代理援助に係る報酬及び実費の立替えの決定並びに立替金の償還及びその免除に関する規定を準用する。

2 書類作成援助負担金の決定、支払及び免除については、書類作成援助の報酬及び実費の立替えの決定並びに立替金の償還及びその免除に関する規定を準用する。

第3款 法律相談援助
(対象)
第14条 法律相談援助の対象は、民事、家事又は行政に関する案件とする。
(一般法律相談援助の要件)
第15条 一般法律相談援助は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合に行う。
一 申込者が、別表2の一般法律相談援助資力基準に定める資力に乏しい国民等であること。
二 民事法律扶助の趣旨に適すること。
(一般法律相談援助資力基準の基本的考え方)
第15条の2 一般法律相談援助資力基準は、申込者の手続的な負担の軽減を考慮した上で、第10条に規定するところにより定める。
(特定援助対象者法律相談援助の要件)
第15条の3 特定援助対象者法律相談援助は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合に行う。
一 申入対象者が、特定援助対象者であって、近隣に居住する親族がいないことその他の理由により、弁護士、弁護士法人又は隣接法律専門職者のサービスの提供を自発的に求めることが期待できないこと。
二 申入対象者が自立した日常生活及び社会生活を営むに当たり必要な法律相談であること。
三 民事法律扶助の趣旨に適すること。
(被災者法律相談援助の要件)
第15条の4 被災者法律相談援助は、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する場合に行う。
一 申込者が、支援法第30条第1項第4号に定める国民等であること。
二 支援法第30条第1項第4号に定める期間内に援助の申込みがなされたこと。
三 申込者の生活の再建に当たり必要な法律相談であること。
四 民事法律扶助の趣旨に適すること。
(援助内容)

第16条 法律相談援助の援助内容は、弁護士又は司法書士による口頭による法的助言とする。

2 一般法律相談援助又は被災者法律相談援助に要する費用については、被援助者に負担させない。
3 特定援助対象者法律相談援助に要する費用については、被援助者が別表2の2の特定援助対象者法律相談援助資力基準に定める者に該当する場合には、被援助者に負担させない。
4 同一の者に対する法律相談援助は、一般法律相談援助、特定援助対象者法律相談援助又は被災者法律相談援助の別を問わず、同一問題につき、3回を限度とする。ただし、特定援助対象者法律相談援助は、同一問題につき、一般法律相談援助又は被災者法律相談援助を実施していない場合に限り、かつ、地方事務所長が相当と認めた場合を除き1回を限度とする。
5 前項の限度を超える一般法律相談援助若しくは被災者法律相談援助の申込み又は特定援助対象者法律相談援助の実施の申入れの拒絶は、地方事務所長が行う。
6 第4項の限度を超える一般法律相談援助若しくは被災者法律相談援助の申込み又は特定援助対象者法律相談援助の実施の申入れを地方事務所長が拒絶したときは、これに対し、不服申立てをすることができない。
(特定援助対象者法律相談援助資力基準の基本的考え方)
第16条の2 特定援助対象者法律相談援助資力基準は、申入対象者の手続的な負担の軽減を考慮した上で、第10条に規定するところにより定める。
(法律相談援助に付随する援助)
第17条 民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、第16条第1項の規定にかかわらず、その援助の実施に当たり、案件の内容、被援助者の意向その他の事情を考慮し、紛争の迅速かつ適正な解決に資すると認めるときは、簡易な法的文書を作成し、被援助者に交付することができる。この場合において、センターは、理事長が別に定める基準により、これに要する費用の全部又は一部の支払を被援助者に求めることができる。
(法律相談援助の実施場所)
第18条 センターは、センターの事務所、指定相談場所及び民事法律扶助契約弁護士・司法書士等の事務所において、一般法律相談援助又は被災者法律相談援助を実施する。
2 センターは、申込者が高齢者若しくは障害者であること又は前項に規定する相談場所から遠距離の地域に居住していることその他のやむを得ない事情により前項に規定する相談場所に赴くことが困難な場合は、申込者の居住場所その他適宜の場所において、一般法律相談援助又は被災者法律相談援助を実施することができる。
3 センターは、申入対象者の居住場所その他適宜の場所において、特定援助対象者法律相談援助を実施する。
(民事法律扶助契約弁護士・司法書士等の義務)
第19条 民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、援助の申込みがあり、第15条又は第15条の4に掲げる要件に該当すると認めるときは、特段の事情がない限りその申込みを受理し、法律相談援助を行う。
2 民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、自らが法律相談援助を行った案件につき第29条第1項第1号に定める決定があったときは、受任者等となるよう努める。ただし、当該民事法律扶助契約弁護士・司法書士等が業務の繁忙その他の理由により当該案件を受任し又は受託することができないときは、この限りでない。
(相談日時等の条件の指定)
第20条 地方事務所長は、申込者等に対し、相談日時その他の条件を指定することができる。
2 自己の事務所を実施場所とする法律相談援助又は第18条第2項若しくは第3項の法律相談援助を行おうとする民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、申込者等に対し、相談日時その他の条件を指定することができる。
(法律相談援助の拒絶又は中止)
第21条 地方事務所長又は民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、申込者等が前条第1項又は第2項の規定による相談日時その他の条件の指定に応じないときその他申込者等に不適切な行為のあるときは、法律相談援助を拒絶し又は中止することができる。
2 前項の規定による拒絶又は中止に対しては、不服申立てをすることができない。
(法律相談票の作成)
第22条 民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、法律相談援助を行ったときは、法律相談の概要を記載した書面(以下「法律相談票」という。)を作成し、地方事務所長に提出しなければならない。
(法律相談費の支払)
第23条 センターは、法律相談援助の実施に携わった民事法律扶助契約弁護士・司法書士等に対し、理事長が別に定める基準により法律相談費を支払う。ただし、理事長が別に定める事由に該当するものとして民事法律扶助契約弁護士・司法書士等に法律相談費を支払わないときは、地方事務所長がその旨の決定を行う。
(特定援助対象者法律相談援助における費用負担決定及び費用負担決定の取消し)
第23条の2 地方事務所長は、特定援助対象者法律相談援助において、被援助者が別表2の2の特定援助対象者法律相談援助資力基準に定める者に該当しないと認めるときは、理事長が別に定める費用を当該被援助者に負担させる決定(以下「費用負担決定」という。)をする。
2 費用負担決定は、必要に応じて、特定援助対象者法律相談援助の実施前にすることができる。
3 費用負担決定においては、必要に応じて、条件を付することができる。
4 地方事務所長は、特定援助対象者法律相談援助の実施前に費用負担決定をした場合において、その実施時までに被援助者が別表2の2の特定援助対象者法律相談援助資力基準に定める者に該当することが明らかになったときは、当該費用負担決定を取り消す。
5 地方事務所長は、費用負担決定又は前項に規定する費用負担決定の取消しをしたときは、被援助者又は申入対象者にその旨を通知する。
(特定援助対象者法律相談援助の費用の督促等)

第23条の3 センターは、地方事務所長が費用負担決定をし、かつ、当該費用負担決定に係る特定援助対象者法律相談援助を実施した場合において、被援助者が当該費用の支払をすべき期限までにその支払をしていないときは、遅滞なく督促を行う。

第4款 援助の申込み等
(申込みの場所)
第24条 援助の申込みをする者は、その申込みをセンターの事務所、指定相談場所又は民事法律扶助契約弁護士・司法書士等の事務所において行う。
2 第18条第2項による一般法律相談援助又は被災者法律相談援助の申込みをする者は、前項の規定にかかわらず、その申込みを申込者の居住場所その他適宜の場所において行うことができる。
(援助の実施の申入方法)
第24条の2 特定援助対象者法律相談援助の実施の申入れは、地方公共団体又は福祉機関等であって理事長が別に定めるもの(以下「特定援助機関」という。)が、センターに連絡をする方法により行う。
(申込手続)
第25条 第24条の申込みをする者は、所定の申込書(以下「援助申込書」という。)に、住所、氏名、職業、収入、資産及び家族(被災者法律相談援助の申込みをする者にあっては、住所、氏名及び職業。特定行政不服申立代理援助又は書類作成援助のうち第8条第1項第2号の手続を対象とするものの申込みをする者にあっては、住所、氏名、職業、収入、資産、家族及び特定援助対象者に該当する事情。)並びに事件の相手方がいる場合にあっては相手方の住所及び氏名その他必要な事項を記入し、提出しなければならない。ただし、被災者法律相談援助の申込みをする者は、やむを得ない理由があると地方事務所長が認めた場合には、申込後速やかに援助申込書を提出することを条件として、口頭の方法による申込みをすることができる。
2 地方事務所長又は民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、援助の申込者が、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成25年法律第48号)第153条に基づき「総合法律支援法第30条第1項第2号に規定する国民等とみなされる」外国人であって、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第1条に関して民事裁判等手続を利用する者として申込みをしようとするときは、同法第6条又は第17条に定める決定通知に係る書面又はこれに準ずる公的書類その他必要な資料を提出させ、同法第1条に関して民事裁判等手続を利用する者であることを確認しなければならない。
3 地方事務所長又は民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、援助の申込者が外国人(前項に規定する外国人を除く。)であるときは、在留カード又はこれに代わる書面を提示させるなどして在留資格を確認しなければならない。
4 第26条第6項本文に規定する場合又は同条第9項若しくは同条第10項に規定するところにより地方事務所長が一般法律相談援助又は被災者法律相談援助を省略して同条第8項に規定する審査に付する場合には、申込者は、援助申込書に、家族の同居、別居の別その他必要な事項を追加して記入しなければならない。
(援助の実施の申入手続)
第25条の2 第24条の2の申入れをする特定援助機関は、所定の連絡票に、申入対象者の住所又は居所及び氏名並びに援助要件及び資力に関する事項その他必要な事項を記入し、提出しなければならない。
2 地方事務所長は、申入対象者が、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成25年法律第48号)第153条に基づき「総合法律支援法第30条第1項第2号に規定する国民等とみなされる」外国人であって、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律第1条に関して民事裁判等手続を利用する者として援助の実施の申入れがなされようとするときは、同法第6条又は第17条に定める決定通知に係る書面又はこれに準ずる公的書類その他必要な資料を提出させ、同法第1条に関して民事裁判等手続を利用する者であることを確認しなければならない。
3 地方事務所長は、申入対象者が外国人(前項に規定する外国人を除く。)であるときは、在留カード又はこれに代わる書面を提示させるなどして在留資格を確認しなければならない。
4 次条第6項本文に規定する場合には、特定援助対象者法律相談援助の被援助者は、前条第1項により援助申込書に必要な事項を記入し、提出しなければならない。
(法律相談援助から審査に至る手続等)
第26条 地方事務所長又は民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、第24条の申込み又は第24条の2の申入れを受けたときは、速やかに、その案件(以下「申込案件等」という。)が第15条、第15条の3又は第15条の4に掲げる要件に該当しているか否かを確認する。
2 地方事務所長は、申込案件等が第15条、第15条の3又は第15条の4に掲げる要件に該当すると認めるときは、民事法律扶助契約弁護士・司法書士等に法律相談援助を行わせる。
 民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、申込案件等が第15条、第15条の3又は第15条の4に掲げる要件に該当すると認めるときは、法律相談援助を行う。

4 地方事務所長又は民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、申込案件等が、一般法律相談援助の場合にあっては第15条に、特定援助対象者法律相談援助にあっては第15条の3に、被災者法律相談援助の場合にあっては第15条の4に掲げる要件に該当しないときは、法律相談援助を拒絶する。

5 前項の規定による拒絶に対しては、不服申立てをすることができない。
6 民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、第3項に規定する法律相談援助を実施した場合において、その被援助者が代理援助又は書類作成援助を希望するときは、その案件の概要を記載した調書(以下「事件調書」という。)を作成しなければならない。ただし、法律相談票がある場合には、これをもって事件調書に代えることができる。
7 民事法律扶助契約弁護士・司法書士等は、事件調書を作成したときは、被援助者から提出を受けた書面と併せてこれを地方事務所長に提出しなければならない。
8 地方事務所長は、援助申込書及び事件調書の提出を受けたときは、速やかに、援助の申込みがなされた案件(以下「申込案件」という。)を地方扶助審査委員の審査に付する。
9 地方事務所長は、援助申込書その他の資料により、第29条第1項各号に定める決定をするのに熟していると認めるときは、一般法律相談援助又は被災者法律相談援助を省略し、申込案件を前項の審査に付することができる。
10 地方事務所長は、民事法律扶助契約弁護士・司法書士等が第29条第1項第1号に定める決定を条件に代理援助の受任又は書類作成援助の受託を承諾している案件(以下「持込案件」という。)の申込みについて、当該民事法律扶助契約弁護士・司法書士等から事件調書の提出があった場合には、第1項に規定する手続及び一般法律相談援助又は被災者法律相談援助を省略し、第8項の審査に付することができる。
11 地方事務所長は、申込案件が既に代理援助又は書類作成援助が行われた民事裁判等手続に関する案件であって、申込者が当該案件に関連する他の民事裁判等手続について代理援助又は書類作成援助を希望している場合には、第46条第2項に規定する中間報告書若しくは同条第4項に規定する終結報告書又は第47条第1項に規定する報告書の提出をもって当該代理援助又は書類作成援助の申込みがあったものとみなすことができる。
(申込みの取下げ)
第27条 申込者は、第29条第1項第1号に定める決定がされるまで、書面又は口頭により、代理援助又は書類作成援助の申込みを取り下げることができる。
2 地方事務所長は、申込者が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、援助の申込みの取下げがあったものとみなすことができる。
一 事件調書の作成に協力しないとき。
二 提出を求めた書類を提出しないとき。

三 その他申込案件の審査に協力しないとき。

第5款 代理援助及び書類作成援助の審査
(審査の方法)
第28条 地方事務所長は、第26条第8項から第10項まで、第30条第1項、第33条第1項及び第3項、第49条の2、第50条第3項、第51条第2項、第52条第2項、第54条第1項、第55条第2項、第56条第1項及び第2項、第63条の3第1項に規定する審査に付するときは、地方扶助審査委員の中から担当審査委員を2名指名する。
2 地方事務所長は、前項の規定にかかわらず、同時廃止決定が見込める破産事件、敗訴その他の理由により報酬金決定が伴わない終結事件、10万円以下の追加費用の支出その他理事長が別に定める簡易な案件のときは、地方扶助審査委員の中から担当審査委員1名を指名して審査に付することができる。
3 地方事務所長は、第1項に規定する審査において担当審査委員の判断が分かれたときは、速やかに、地方扶助審査委員の中から担当審査委員1名を追加して指名し、審査に加える。

4 前項の審査は、担当審査委員の過半数をもって決する。

第6款 援助開始に関する決定等
(申込みに対する決定)
第29条 地方事務所長は、第26条第8項から第10項までの規定により審査に付された申込案件について、地方扶助審査委員の判断に基づき、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める決定をする。
一 第9条各号に掲げる要件のいずれにも該当するとき 援助を開始する決定(以下「援助開始決定」という。)
二 第9条各号に掲げる要件のいずれかに該当しないとき 援助を不開始とする決定(以下「援助不開始決定」という。)
2 援助開始決定においては、裁判代理援助、特定行政不服申立代理援助、裁判前代理援助又は書類作成援助のうち、いずれか相当な援助方法を定める。
3 援助開始決定においては、必要に応じて、附帯援助の方法を定め、又は条件を付することができる。
4 地方事務所長は、援助開始決定をしたときは、申込者に決定を通知し、援助不開始決定をしたときは、申込者に決定及びその理由を通知する。
(援助開始決定で定める事項等)
第30条  地方事務所長は、援助開始決定をするときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、次の各号に掲げる事項を定める。
一 立替費用の種類及び額又は限度
二 被援助者が負担する実費(附帯援助に係る費用を含む。)の額
三 民事訴訟法(平成8年法律第109号)第82条第1項の訴訟上の救助の決定を求める申立ての要否
四 事件終結までの立替金の償還方法
五 次条第1項の規定により償還を猶予する場合はその旨
六 その他の援助の条件
2 前項第1号に掲げる事項は、立替基準により定める。
3 第1項第4号に規定する立替金の償還方法は、援助開始決定後、地方事務所長が指定した金額を、原則として、自動払込手続その他の方法により割賦で支払う方式(以下「割賦償還」という。)とする。
4 地方事務所長は、援助開始決定において第1項第4号に掲げる事項を定めるに当たっては、被援助者の生活状況を聴取する。
(援助開始決定における事件進行中の償還の猶予)
第31条 地方事務所長は、被援助者から償還の猶予を求める申請を受け、被援助者が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、援助開始決定において、事件進行中の期間における立替金の償還を猶予することができる。

一 生活保護法による保護を受けているとき。

二 前号に該当する者に準ずる程度に生計が困難であるとき。
2 地方事務所長は、前項の申請を受けた場合において、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、その申請の全部又は一部を認めない旨の決定をしなければならない。
一 前項に掲げる要件に該当しないと認めるとき。
二 前項に掲げる要件に該当すると認められる場合であっても、償還を猶予することが相当でないと認めるとき。
(特例による援助不開始決定)
第32条 地方事務所長は、地方扶助審査委員が申込案件について第9条各号に掲げる要件のいずれにも該当すると判断した場合であっても、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、援助不開始決定をすることができる。
一 外国において事件の処理を必要とするとき。
二 著しく特殊又は専門的な能力を必要とするとき。
三 その他援助することが著しく困難であるとき。
2 地方事務所長は、前項に掲げる場合のほか、センターの財務状況その他の事情を勘案し、理事長が別に定める基準により、援助不開始決定をすることができる。
3 地方事務所長が、前二項の規定により決定をするときは、あらかじめ、地方扶助審査委員長の意見を聴かなければならない。
4 地方事務所長が第1項又は第2項の規定により援助不開始決定をしたときは、申込者に決定及びその理由を通知する。
(援助開始決定又はその後の決定内容の変更)
第33条 地方事務所長は、事件進行中に、被援助者又は受任者等から、援助開始決定又はその後の決定において定めた事項(立替金の償還方法及び償還の猶予を除く。)の変更を求める申請を受けた場合において、その申請の全部又は一部を相当と認めるときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、援助開始決定又はその後の決定において定めた事項を変更する決定をすることができる。
2 地方事務所長は、前項の申請を受けた場合において、その申請を相当と認めないときは、その申請を認めない旨の決定をしなければならない。
3 地方事務所長は、事件進行中に、援助開始決定又はその後の決定において定めた事項(立替金の償還方法及び償還の猶予を除く。)の全部又は一部を変更することが相当と認めるときは、職権で、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、援助開始決定又はその後の決定において定めた事項を変更する決定をすることができる。
4 地方事務所長は、第1項又は前項の規定により援助開始決定又はその後の決定において定めた事項を変更する決定をした場合において、第30条第1項第1号又は第2号に掲げる額を減額するときは、当該決定に併せて、受任者等に対し、既に交付した金銭につき、返還を求めるべき額及び支払方法を定めることができる。この場合において、被援助者は、その限度で立替金の償還を免れる。
5 地方事務所長は、被援助者から申請を受けた場合を除き、第1項から第4項までの決定をするに当たっては、被援助者の意見を聴かなければならない。ただし、特別の事情があるときは、この限りでない。
6 第1項又は第3項の規定により、第30条第1項第1号に掲げる事項を変更する決定をするときは、立替基準による。
(援助開始決定後の事件進行中の償還方法の変更及び償還の猶予)
第34条 地方事務所長は、事件進行中に、被援助者から、援助開始決定又はその後の決定において定めた立替金の償還方法の変更を求める申請を受けた場合において、その申請の全部又は一部を相当と認めるときは、立替金の償還方法の変更を決定することができる。
2 地方事務所長は、前項の申請を受けた場合において、その申請を相当と認めないときは、その申請を認めない旨の決定をしなければならない。
3 地方事務所長は、事件進行中に、被援助者から、援助開始決定又はその後の決定において定めた立替金の償還の猶予を求める申請を受けた場合において、被援助者が第31条第1項各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、事件進行中の期間における立替金の償還を猶予する決定をすることができる。
4 地方事務所長は、前項の申請を受けた場合において、第31条第2項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、その申請の全部又は一部を認めない旨の決定をしなければならない。
(資料等の提出)
第35条 地方事務所長は、必要があると認めるときは、申込者又は被援助者に対し、資料の提出又は説明を求めることができる。
(調査)
第36条 地方事務所長は、次の各号に掲げる決定の判断に必要な事項について調査をする必要があると認めるときは、法律構成若しくは事実関係その他の事項の調査又は鑑定を適正かつ確実に遂行できる知識及び能力を有する者に、調査又は鑑定を委嘱することができる。
一 援助開始決定
二 援助不開始決定
三 第40条第1項に規定する取消しの決定
2 前項の調査又は鑑定の委嘱を受けた者は、その結果を書面で地方事務所長に報告する。
3 地方事務所長は、前項の書面による報告を受けたときは、理事長が別に定める基準により、当該調査又は鑑定の費用を支出する。
(援助の条件等の遵守)
第37条 被援助者は、援助開始決定又はその後の決定で定められた立替金の償還方法、資料の追完その他の援助の条件を遵守しなければならない。
2 被援助者は、援助開始決定又はその後の決定で立替金の割賦償還について定められたときは、その決定後1か月以内に、自動払込手続その他理事長が別に定める手続を行わなければならない。

3 被援助者は、氏名又は住所その他援助申込書に記載した事項について変更があったときは、速やかに、変更内容を地方事務所長に届け出なければならない。

第7款 個別契約等
(代理援助の受任者となるべき者の選任)
第38条 地方事務所長は、代理援助の援助開始決定をしたときは、当該決定に係る案件の法律相談援助を担当した民事法律扶助契約弁護士・司法書士等を受任者となるべき者として選任する。
2 地方事務所長は、前項に規定する民事法律扶助契約弁護士・司法書士等を受任者となるべき者として選任できないとき又は受任者の死亡、辞任、解任その他特別な事情の生じたときは、他の民事法律扶助契約弁護士・司法書士等を受任者となるべき者として選任する。
3 地方事務所長は、持込案件については、当該案件の受任を承諾した弁護士・司法書士等が民事法律扶助契約を締結していないときは、同契約を締結の上、当該弁護士・司法書士等を受任者となるべき者として選任することができる。
4 地方事務所長は、前三項の規定により受任者となるべき者を選任したときは、当該受任者となるべき者にその旨を通知する。
(書類作成援助の受託者となるべき者の選任)
第39条 地方事務所長は、書類作成援助の援助開始決定をしたときは、民事法律扶助契約弁護士・司法書士等の中から受託者となるべき者を選任する。受託者の死亡、辞任、解任その他特別な事情の生じたときも同様とする。
2 地方事務所長は、持込案件については、当該案件の受託を承諾した弁護士・司法書士等が民事法律扶助契約を締結していないときは、同契約を締結の上、当該弁護士・司法書士等を受託者となるべき者として選任することができる。
3 地方事務所長は、前二項の規定により受託者となるべき者を選任したときは、当該受託者となるべき者にその旨を通知する。
(援助開始決定の取消し)
第40条 地方事務所長は、前二条に規定する手続によっても受任者等となるべき者を選任することができないとき又は援助案件につき第9条各号に掲げる要件のいずれかを欠くことが明らかになったときは、決定により、援助開始決定を取り消すことができる。
2 地方事務所長は、前項の規定により援助開始決定を取り消す決定をしようとするときは、あらかじめ、地方扶助審査委員長の意見を聴かなければならない。
3 第1項の規定により援助開始決定を取り消す決定をする場合には、受任者等に対し、既に交付した金銭につき、返還を求めるべき額及び支払方法を定めることができる。この場合、被援助者は、その限度で立替金の償還を免れる。
(援助案件の移送)
第41条 地方事務所長は、援助案件が他の地方事務所において処理することが適当であると認めるときは、決定により、当該地方事務所に援助案件を移送することができる。
2 前項の移送の手続については、理事長が別に定める。
(個別契約)
第42条 受任者等となるべき者は、第38条第4項又は第39条第3項の通知を受けたときは、速やかに、センター、被援助者及び当該受任者等となるべき者との間において、理事長が別に定める契約(以下「個別契約」という。)を締結するよう協力しなければならない。ただし、当該案件を受任し又は受託することができない特別な事情があり、直ちに地方事務所長にその旨を通知した場合は、この限りでない。
(保証金等)
第43条 センターは、代理援助事件について、保証金又は予納金を立替支出するときは、受任者を介して納付しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、センターは、あらかじめ理事長が定めた種類の保証金又は予納金については、直接に納付しなければならない。
3 民事保全手続における支払保証委託契約は、センターの指定する金融機関とセンターとの間で締結する。
(訴訟上の救助の決定を求める申立て)
第44条 受任者等は、援助案件の開始決定又はその後の決定で訴訟上の救助の決定を求める必要があると定められたときは、訴訟上の救助の決定を求める申立てをしなければならない。
(金銭の立替え・受領の禁止)
第45条 受任者等は、事件の処理に関し、被援助者のために金銭を立て替え又は被援助者から金銭その他の利益を受けてはならない。ただし、特別の事情があり、受任者等が地方事務所長の承認を得た場合は、この限りでない。
(受任者による着手、中間及び終結の報告)
第46条 受任者は、速やかに、援助案件の処理に着手し、3か月以内に、地方事務所長に対し、訴状、答弁書、調停申立書、仮差押又は仮処分の決定書、納付書、保管金受領書その他事件処理の着手を証する書面の写しを添付した着手報告書を提出しなければならない。ただし、特別の事情があるときは、この限りでない。
2 受任者は、事件進行中において、援助案件に関連し、別に訴えの提起その他の手続が必要になったときは、地方事務所長に対し、その理由を付した中間報告書を提出しなければならない。
3 地方事務所長は、援助開始決定後2年を経過したとき又は必要があると認めたときは、受任者に対し、事件の進行状況に関する報告書の提出を求めることができる。
4 受任者は、援助案件が判決の言渡し、和解、調停、示談の成立その他の理由により終了したときは、速やかに、地方事務所長に対し、判決書、和解調書、調停調書、示談書その他事件の終了を証する書面の写しを添付した終結報告書を提出しなければならない。
(受託者による作成終了等の報告)
第47条 受託者は、速やかに、訴状、答弁書、準備書面その他の援助開始決定を受けた書類作成を行い、地方事務所長に対し、その写しを添付した報告書を提出しなければならない。
2 受託者は、書類作成援助の対象となった事件が判決の言渡し、和解、調停の成立その他の理由により終了したときは、速やかに、地方事務所長に対し、判決書、和解調書、調停調書その他事件の終了を証する書面の写しを添付した終結報告書を提出しなければならない。
3 受託者は、書類作成援助の対象となった事件が終了したにもかかわらず、被援助者が判決書、和解調書、調停調書その他事件の終了を証する書面の写しを受託者に交付しない場合には、地方事務所長に対し、その旨を記載した終結報告書を提出しなければならない。
(金銭の取立て)
第48条 受任者は、事件の相手方その他事件の関係者(以下「相手方等」という。)から受け取るべき金銭があり、任意履行の見込みがあるときは、速やかに、これを取り立てなければならない。
2 受任者は、被援助者が事件の相手方等から受け取るべき金銭につき、その受領方法に関する約定をするときは、特別の事情がない限り、受任者を受領者としなければならない。
(受領金銭)
第49条 受任者は、事件に関し相手方等から金銭を受領したときは、被援助者に交付せず、受任者において一時保管するとともに、速やかに、地方事務所長にその事実を書面で報告しなければならない。
2 地方事務所長は、必要があると認めるときは、受任者に対し、前項の規定により受領した金銭の全部又は一部を地方事務所長に引き渡すよう求めることができる。
3 地方事務所長は、第56条第1項及び第2項に規定する終結決定があったときは、立替金、報酬金及び追加支出対象となるべき実費を精算して残金を被援助者に交付し又は受任者をしてこれを交付させる。ただし、必要と認める事情があるときは、その決定の前であっても、被援助者に対し、受領金銭の一部を交付し又は受任者をしてこれを交付させることができる。
(中間報酬金)
第49条の2 地方事務所長は、受任者から前条第1項の報告がされたときは、終結決定の前であっても、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づいて、事件に関し相手方等から受領した金銭に対応する報酬金の額及び支払方法を決定することができる。
(追加支出)
第50条 受任者等は、立替費用につき、援助開始決定その他の決定に定める額に不足が生じたときは、地方事務所長に追加費用の支出の申立てをすることができる。
2 受任者等は、前項に規定する申立てをするときは、疎明資料を添付して、追加費用支出申立書を提出してしなければならない。
3 地方事務所長は、第1項の申立てを受けた場合において、その申立ての全部又は一部を相当と認めるときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、立替基準に従って、追加費用の支出について決定する。
4 地方事務所長は、前項の決定をするときは、被援助者の意見を聴かなければならない。ただし、特別の事情がある場合は、この限りでない。
5 地方事務所長は、第1項の申立てを受けた場合において、その申立てが次の各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、その申立ての全部又は一部を認めない決定をすることができる。
一 立替基準に合致しないとき。
二 その他相当ではないと認めるとき。
(辞任)
第51条 受任者等は、病気その他やむを得ない理由により辞任しようとするときは、地方事務所長にその理由を付した文書を提出して辞任の申出をする。
2 地方事務所長は、前項に規定する申出があったときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、辞任をやむを得ないと認めるときは、これを承認する。
(解任)
第52条 被援助者は、やむを得ない理由により受任者等を解任しようとするときは、地方事務所長にその理由を付した文書を提出して、解任の申出をする。
2 地方事務所長は、前項に規定する申出があったときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、被援助者による受任者等の解任をやむを得ないと認めるときは、これを承認する。
3 前項に規定する地方事務所長の承認がなければ、受任者等への解任の効力は生じない。
(個別契約の当然終了)
第53条 個別契約は、次の各号に掲げる事由によって終了する。
一 被援助者又は受任者等が死亡したとき。
二 受任者等が弁護士・司法書士等でなくなったとき。
2 前項第1号の規定にかかわらず、被援助者が死亡した場合において、個別契約の締結の前提となっている権利義務を相続により承継する者が確定し、当該承継者が終結決定前にセンターに引き続き援助を希望する旨の申出をし、かつ、当該承継者が第9条第1号に掲げる要件に該当すると地方事務所長が認めたときは、被援助者の有していた個別契約の地位は当該承継者に当然に承継されたものとみなす。
(個別契約の地方事務所長による解除)
第54条 地方事務所長は、次の各号に掲げるいずれかの事由があるときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、個別契約を解除することができる。
一 被援助者が、正当な理由なく連絡を断ち又は援助の条件を遵守しないなど、契約を誠実に履行せず、援助を継続することが適当でなくなったとき。
二 被援助者が、受任者等を解任したとき。
三 受任者等が辞任したとき。
四 受任者等が受任又は受託した案件について必要な対応を行わなかったとき。
五 民事法律扶助契約が解除されたとき(被援助者が同意していない場合を除く。)。
2 第38条第3項、第39条第2項及び第42条の規定は、第1項第3号に掲げる場合で、被援助者が後任の受任者等となるべき者を指定してその選任を申し出たときについて準用する。(解除等の後の処理)
第55条 地方事務所長は、前二条の規定により個別契約が終了したときは、終了の理由を付して被援助者(被援助者が死亡した場合の相続人を含む。以下この条において同じ。)及び受任者等に通知する。ただし、それらの者の住所が不明の場合は、この限りでない。
2 地方事務所長は、前二条の規定により個別契約が終了したときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、次の各号に掲げる事項を決定する。ただし、次条第1項第2号又は第3号に基づき援助の終結決定をすべきときは、第2号に掲げる事項について決定することを要しない。
一 受任者等に対し、既に交付した金銭につき、返還を求めるべき額及び支払方法
二 第38条第2項又は第39条第1項の規定により受任者等となるべき者を新たに選任する場合に、センターが立て替える立替費用のうち、第11条第1項第1号及び第2号に掲げる報酬及び実費の額及び支払方法
3 前項第1号の規定により受任者等に返還を求めるべき額が決定されたときは、被援助者はその限度で立替金の償還を免れる。
4 受任者は、前二条の規定により代理援助の個別契約が終了したときは、速やかに、代理援助に係る事件が係属している裁判所に辞任届を提出し、かつ、被援助者に証拠資料を返還しなければならない。ただし、証拠資料の返還については、被援助者の住所が不明の場合は、この限りでない。

5 受託者は、前二条の規定により書類作成援助の個別契約が終了したときは、速やかに、被援助者に証拠資料を返還しなければならない。ただし、被援助者の住所が不明の場合は、この限りでない。

第8款 援助の終結
(終結決定)
第56条  地方事務所長は、次の各号に掲げる事由があるときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、援助の終結決定をする。
一 事件が終結し、受任者等から終結報告書が提出されたとき。ただし、終結決定の対象となる事件に関連する事件が継続している場合で、かつ第58条第2項の規定により関連事件の終結決定又は第83条の27第1項の震災法律援助終結決定を待って報酬金の決定をすることとしたときは、この限りでない。
二 援助を継続する必要がなくなったとき。
三 受任者等が辞任し又は解任され、後任の受任者等の選任が困難なとき。
2 地方事務所長は、受任者等から終結報告書が提出されない場合であっても、事件が終結していることが明らかなとき又は第54条第1項の規定により個別契約を解除した場合で終結決定をすることを相当と認めるときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、援助の終結決定をすることができる。
(終結決定時の審査・決定事項)
第57条 地方事務所長は、終結決定において、事件の内容、終結に至った経緯その他の事情を勘案して次の各号に掲げる事項を決定し、立替金の総額を確定する。
一 報酬金の額、支払条件及び支払方法
二 追加支出の額、支払条件及び支払方法
三 援助終結後の立替金の償還方法(事件進行中の償還方法を継続する場合はその旨)
四 第59条の2第1項の規定により立替金の償還を猶予する場合はその旨
五 第59条の3第1項の規定により立替金の全部又は一部の償還を免除する場合はその旨
2 前項第1号に掲げる支払方法の決定に当たっては、被援助者が事件に関し相手方等から金銭その他の財産的利益(以下「金銭等」という。)を得た場合には、報酬金の全部又は一部を、立替えではなく、被援助者が直接受任者に支払うものとする。ただし、やむを得ない事情があるときは、地方事務所長は、報酬金の全部又は一部の立替えを決定することができる。
(報酬金を定める場合等の手続)
第58条 地方事務所長は、前条第1項第1号に掲げる報酬金の決定に当たっては、被援助者及び受任者の意見を聴く。ただし、特別の事情のあるときは、この限りでない。
2 地方事務所長は、終結決定の対象となる事件に関連する事件が継続している場合には、関連事件の終結決定又は第83条の27第1項の震災法律援助終結決定を待って報酬金の決定をすることができる。

(終結決定で援助終結後の立替金の償還方法を定める場合の手続)

第59条 地方事務所長は、終結決定において援助終結後の立替金の償還方法を定めるに当たっては、被援助者から生活状況を聴取するとともに、事件の相手方等からの金銭等の取得状況を確認する。
2 前項に規定する立替金の償還の方法は、割賦償還又は地方事務所長が指定した期限までにその指定した方法により一括して支払う方式(以下「即時償還」という。)とする。
3 割賦償還の償還期間は3年を超えないものとする。ただし、地方事務所長は、被援助者の資力その他の状況を勘案し、償還期間を延長する決定をすることができる。
(終結決定における償還の猶予)
第59条の2 地方事務所長は、被援助者から、立替金の償還の猶予を求める申請を受けた場合において、被援助者が即時償還又は割賦償還により償還をすることが著しく困難であると認めるときは、立替金の全部又は一部について、終結決定において、3年を超えない期間を定めて、償還の猶予を定めることができる。
2 被援助者は、前項の規定により償還の猶予を求める申請をするときは、地方事務所長に、所定の申請書を提出してしなければならない。
3 地方事務所長が第1項の規定により償還を猶予する場合においては、前条第1項の規定を準用する。
4 地方事務所長は、猶予期間が満了したときは、被援助者の資力その他の状況を勘案し、立替金の償還又はその猶予若しくは免除を決定する。
5 地方事務所長は、第1項の申請を受けた場合において、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、終結決定において、その申請の全部又は一部を認めない旨の定めをしなければならない。
一 第1項に掲げる要件に該当しないと認めるとき。
二 第1項に掲げる要件に該当すると認められる場合であっても、償還を猶予することが相当でないと認めるとき。
(終結決定における償還の免除)
第59条の3 地方事務所長は、被援助者から、立替金の償還の免除を求める申請を受けた場合において、被援助者が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、理事長の承認を得て、終結決定において、立替金の全部又は一部の償還の免除を定めることができる。ただし、被援助者が相手方等から金銭等を得、又は得る見込みがあるときは、当該金銭等の価額の100分の25に相当する金額については、扶養料、医療費その他やむを得ない支出を要するなど特別の事情のない限り、その償還の免除を定めることができない。
一 生活保護法による保護を受けているとき。
二 前号に該当する者に準ずる程度に生計が困難であり、かつ、将来にわたってその資力を回復する見込みに乏しいと認められるとき。
2 被援助者は、前項の規定により償還の免除を求める申請をするときは、地方事務所長に対し、所定の申請書及び償還の免除を相当とする理由を証する書面を提出してしなければならない。ただし、病気、障害その他やむを得ない事情がある場合には、申請書の提出については、理事長が別に定める方法によることができる。
3 地方事務所長が第1項の規定により償還を免除する場合においては、第59条第1項の規定を準用する。
4 地方事務所長は、第1項の申請を受けた場合において、次の各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、終結決定において、その申請の全部又は一部を認めない旨の定めをしなければならない。
一 第1項に掲げる要件に該当しないと認めるとき。
二 第1項に掲げる要件に該当すると認められる場合であっても、償還を免除することが相当でないと認めるとき。
三 理事長の承認を得られないとき。
5 地方事務所長は、第1項の決定をしたときは、被援助者に決定を通知し、前項の決定をしたときは、被援助者に決定及びその理由を通知する。
(相手方等から金銭等を得ている場合の償還等)
第60条 被援助者は、事件により相手方等から金銭等を得ているときは、当該金銭等から支払うべき報酬金の額を差し引いた残額について、立替金の額に満つるまで、立替金の償還に充てなければならない。
2 地方事務所長は、前項の規定にかかわらず、当該被援助者に即時に立替金の全額の償還を求めることが相当でない事情があると認めるときは、当該償還に充てるべき金額を適宜減額することができる。ただし、扶養料、医療費その他やむを得ない支出を要するなど特別の事情のない限り、当該償還に充てるべき金額は、被援助者が事件の相手方等から得た金銭等の額の100分の25を下回ることはできない。

(督促等)

第61条 センターは、即時償還又は割賦償還の決定をした場合において、被援助者が償還をすべき期限までにその償還をしていないときは、遅滞なく督促を行う。
(担保)
第62条 地方事務所長は、被援助者が事件により金銭等を得た場合、立替金の償還を確保するために被援助者に担保の提供を求めることができる。
(保証金の返還等)
第63条 受任者は、終結決定その他の決定に当たり、立替金のうち保証金のある場合で立担保の必要がなくなったときは、速やかに、担保取消しの手続を行い、保証金及びその利息を返還しなければならない。
2 受任者は、終結決定その他の決定に当たり、支払保証委託契約により担保を立てている場合で、立担保の必要がなくなったときは、速やかに、支払保証委託契約原因消滅証明書を地方事務所長に提出しなければならない。
(資料の提出等)
第63条の2 終結決定をする場合においては、第35条の規定を準用する。
(終結決定を変更する決定)
第63条の3 地方事務所長は、終結決定後において、被援助者に次の各号に掲げる事由があると認めるときは、地方扶助審査委員の審査に付し、その判断に基づき、終結決定において定めた事項(第57条第1項第4号及び第5号に掲げる事項を除く。)の全部又は一部を変更することができる。
一 終結決定後において、新たに相手方等から金銭等を得たとき。
二 終結決定後において、その決定前に相手方等から金銭等を得ていたことが発覚したとき。

2 第58条から第59条の3までの規定は、前項の決定をする場合に準用する。

第9款 終結決定後の償還方法の変更、償還の猶予及び償還の免除並びにみなし消滅
(終結決定後の立替金の償還方法の変更及び償還の猶予)
第64条 地方事務所長は、援助終結後に、被援助者から、終結決定又はその後の決定で定めた立替金の償還方法の変更の申請を受けた場合において、その申請を相当と認めるときは、償還方法の変更を決定することができる。
2 地方事務所長は、被援助者から、終結決定又はその後の決定で定めた立替金の償還の猶予を求める申請を受けた場合において、被援助者が即時償還又は割賦償還により償還をすることが著しく困難であると認めるときは、立替金の全部又は一部について、3年を超えない期間を定めて、償還を猶予する決定をすることができる。
3 地方事務所長は、被援助者から申請を受け、被援助者に特別の事情があると認めるときは、前項に規定する猶予期間を延長する決定をすることができる。
4 被援助者が前三項の申請をする場合における申請の方法については、第59条の2第2項の規定を準用する。
5 第59条の2第5項の規定は、第1項から第3項までの申請があった場合について、これを準用する。
(終結決定後の償還の免除)
第65条 地方事務所長は、被援助者から、終結決定において定めた立替金の償還の免除を求める申請を受けた場合において、被援助者が第59条の3第1項各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、理事長の承認を得て、立替金の全部又は一部の償還の免除を決定することができる。ただし、被援助者が相手方等から金銭等を得、又は得る見込みがあるときは、当該金銭等の価額の100分の25に相当する金額については、扶養料、医療費その他やむを得ない支出を要するなど特別の事情のない限り、その償還の免除を決定することができない。
2 被援助者が前項の規定により償還の免除を求める申請をする場合における申請の方法については、第59条の3第2項の規定を準用する。
3 第59条の3第4項の規定は、第1項の申請があった場合について、これを準用する。
4 地方事務所長は、第1項の決定をしたときは、被援助者に決定を通知し、前項の決定をしたときは、被援助者に決定及びその理由を通知する。
(被援助者所在不明等の償還の免除)
第66条 地方事務所長は、被援助者が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、理事長の承認を得て、立替金の全部又は一部の償還の免除を決定することができる。
一 被援助者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行をした場合の費用及び優先して弁済を受ける権利を有する者の当該権利の価額(以下「強制執行をした場合の費用等」という。)の合計額を超えないと認められるとき。
二 被援助者が死亡したとき。
三 被援助者が我が国に住所又は居所を有しないこととなった場合において、再び我が国に住所又は居所を有することとなる見込みがなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行をした場合の費用等の合計額を超えないと認められるとき。
四 当該立替金の額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
五 当該立替金の存在につき法律上の争いがある場合において、勝訴の見込みがないものと認められるとき。
(資料の提出等)
第67条 終結決定後に決定をする場合においては、第35条の規定を準用する。
(みなし消滅)
第68条 地方事務所長は、被援助者について、次の各号に掲げるいずれかの事由が生じたときは、その事由の経過を明らかにした書類を作成し、理事長の承認を得て、被援助者に対する当該立替金の全部又は一部が消滅したものとみなして整理することができる。
一 当該立替金につき消滅時効が完成し、かつ、被援助者においてその援用をする見込みがあること。

二 被援助者が破産法(平成16年法律第75号)第253条その他の法令の規定に基づき、当該立替金につきその責任を免れたこと。

第9款の2 特定援助対象者法律相談援助における費用の支払の免除及びみなし消滅
(被援助者所在不明等の費用の支払の免除)
第68条の2 地方事務所長は、特定援助対象者法律相談援助の被援助者が次の各号に掲げる要件のいずれかに該当すると認めるときは、理事長の承認を得て、費用負担決定において被援助者に負担させることとした費用の全部又は一部の支払の免除を決定することができる。

一 被援助者の所在が不明であり、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行をした場合の費用等の合計額を超えないと認められるとき。

二 被援助者が死亡したとき。
三 被援助者が我が国に住所又は居所を有しないこととなった場合において、再び我が国に住所又は居所を有することとなる見込みがなく、かつ、差し押さえることができる財産の価額が強制執行をした場合の費用等の合計額を超えないと認められるとき。
四 当該費用の額が少額で、取立てに要する費用に満たないと認められるとき。
五 当該費用の存在につき法律上の争いがある場合において、勝訴の見込みがないものと認められるとき。
(資料の提出等)
第68条の3 前条の決定をする場合においては、地方事務所長は、必要があると認めるときは、被援助者に対し、資料の提出又は説明を求めることができる。
(みなし消滅)
第68条の4 地方事務所長は、特定援助対象者法律相談援助の被援助者について、次の各号に掲げるいずれかの事由が生じたときは、その事由の経過を明らかにした書類を作成し、理事長の承認を得て、費用負担決定において被援助者に負担させることとした費用の全部又は一部が消滅したものとみなして整理することができる。
一 当該費用につき消滅時効が完成し、かつ、被援助者においてその援用をする見込みがあること。

二 被援助者が破産法(平成16年法律第75号)第253条その他の法令の規定に基づき、当該費用につきその責任を免れたこと。

第10款 不服申立て及び再審査
(不服申立て)
第69条 申込者、第23条ただし書による決定を受けた民事法律扶助契約弁護士・司法書士等、被援助者及び受任者等(以下この節において「利害関係者」という。)は、地方事務所長のした決定(ただし、第69条の7の規定による不服申立てに対する決定を除く。以下「原決定」という。)に不服のある場合には、地方事務所長に対し、不服申立てをすることができる。
2 不服申立ては、原決定の通知が到達した日(第23条の2第1項の決定に対する不服申立てにあっては、原決定の通知が到達した日又は特定援助対象者法律相談援助を実施した日のいずれか遅い日)から30日以内に、地方事務所長に不服申立書を提出してしなければならない。
3 不服申立ては、原決定の効力、その執行又は手続の続行を妨げない。ただし、地方事務所長は、必要があると認めるときは、不服申立てについての決定があるまで、原決定の効力、その執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置を決定することができる。
4 地方事務所長は、前項ただし書の決定をしたときは、利害関係者にその旨を通知する。
(不服申立てがこの業務方法書に定めるところにより行われていない場合)
第69条の2 地方事務所長は、不服申立てが前条第2項の期間経過後になされたものであるとき、その他明らかにこの業務方法書に定めるところにより行われていないと認めるときは、これを却下する旨の決定をすることができる。
(不服申立審査会の構成)
第69条の3 地方事務所長は、不服申立てがあった場合において、前条の規定によりこれを却下しないときは、原決定に関与していない3名の地方扶助審査委員を指名し、不服申立審査会を構成させて、当該不服申立てをその審査に付する。
2 不服申立審査会の委員のうち1名は、地方扶助審査委員長又は地方扶助審査副委員長とする。ただし、地方扶助審査委員長及び地方扶助審査副委員長のいずれもが原決定に関与している場合は、この限りでない。
3 前項の規定により指名された地方扶助審査委員長又は地方扶助審査副委員長は、不服申立審査会の議事を主宰する。ただし、不服申立審査会の委員に地方扶助審査委員長及び地方扶助審査副委員長のいずれもが含まれないときは、委員の互選により議事の主宰者を選任する。
4 地方事務所長は、第1項の規定により不服申立審査会の審査に付したときは、不服申立てをしなかった利害関係者にその旨を通知する。
5 地方事務所長は、不服申立審査会に、原決定の理由となった事実を証する書類その他の物件を提出する。
(不服申立審査会による審理)
第69条の4 不服申立審査会の審理は、非公開とする。
2 不服申立審査会は、必要と認めるときは、利害関係者に出席を求めることができる。
3 不服申立審査会の議事を主宰する委員は、必要と認めるときは、地方事務所長に対し、不服申立てに対する決定をするために必要な事項について、調査又は報告を求めることができる。
(証拠書類等の提出)
第69条の5 利害関係者は、証拠書類又は証拠物を提出することができる。ただし、不服申立てと関連しないものは、この限りでない。
2 不服申立審査会の議事を主宰する委員は、必要があると認めるときは、前項の規定により証拠書類又は証拠物を提出しようとする者に対し、その標目及びこれにより疎明しようとする事実等を記載した書面を提出するよう求めることができる。
3 地方事務所長は、第69条の7に定める決定をしたときは、提出者にこの条の規定により提出された証拠書類又は証拠物を返還する。ただし、同決定に対し再審査の申立てがされた場合は、理事長にこれを送付する。
(不服申立審査会による決定)
第69条の6 不服申立審査会は、不服申立てにつき審査し、理由を付してその採否を決定する。ただし、原決定を変更する旨の決定をするときは、当該不服申立てをしなかった利害関係者に意見を述べる機会を与えなければならない。
2 不服申立審査会の議事は、全委員の過半数をもって決する。
3 不服申立審査会の議事を主宰した委員は、速やかに、地方事務所長に当該不服申立審査会の決定及びその理由を報告する。
(不服申立審査会の決定に基づく地方事務所長の決定)
第69条の7 地方事務所長は、前条第1項の決定に基づき、不服申立てに対する決定(以下「不服申立てに対する決定」という。)を行い、利害関係者に同決定及びその理由を通知する。
2 地方事務所長は、不服申立審査会が不服申立てを採用すべき旨の決定をしたときは、同決定に基づき、自ら原決定を破棄して相当な決定を行う。

3 地方事務所長は、不服申立審査会が不服申立てにつきこの業務方法書に定めるところにより行われていないと認める旨の決定をしたときは、これを却下する旨の決定を行う。

(再審査の申立て)
第70条 利害関係者は、不服申立てに対する決定に不服のある場合には、理事長に対し、再審査の申立てをすることができる。
2 前項の再審査の申立ては、不服申立てに対する決定の通知が到達した日から14日以内に、不服申立てに対する決定をした地方事務所長に再審査申立書を提出してしなければならない。
3 前項の再審査申立書の提出を受けた地方事務所長は、不服申立てに対する決定に関する一件記録とともに、理事長にこれを送付する。
4 再審査申立ては、不服申立てに対する決定(不服申立てを採用せず又はこれを却下する旨の決定の場合には原決定をも含む。以下この項において同じ。)の効力、その執行又は手続の続行を妨げない。ただし、理事長は、必要があると認めるときは、再審査申立てについての決定があるまで、不服申立てに対する決定の効力、その執行又は手続の続行の全部又は一部の停止その他の措置を決定することができる。
5 理事長は、前項ただし書の決定をしたときは、利害関係者にその旨を通知する。
(再審査申立てがこの業務方法書に定めるところにより行われていない場合)
第70条の2 理事長は、再審査申立てが前条第2項の期間経過後になされたものであるとき、その他明らかにこの業務方法書に定めるところにより行われていないと認めるときは、これを却下する旨の決定をすることができる。
(再審査委員会の構成)
第70条の3 理事長は、再審査申立てがあった場合において、前条の規定によりこれを却下しないときは、不服申立てに対する決定、不服申立審査会の決定又は原決定に関与していない3名の本部扶助審査委員を指名し、再審査委員会を構成させて、当該再審査申立てをその審査に付する。
2 再審査委員会の委員のうち1名は、本部扶助審査委員長又は本部扶助審査副委員長とする。ただし、本部扶助審査委員長及び本部扶助審査副委員長のいずれもが不服申立てに対する決定、不服申立審査会の決定又は原決定に関与している場合は、この限りでない。
3 前項の規定により指名された本部扶助審査委員長又は本部扶助審査副委員長は、再審査委員会の議事を主宰する。ただし、再審査委員会の委員に本部扶助審査委員長及び本部扶助審査副委員長のいずれもが含まれないときは、委員の互選により議事の主宰者を選任する。
4 理事長は、第1項の規定により再審査委員会の審査に付したときは、再審査申立てをしなかった利害関係者にその旨を通知する。
5 理事長は、再審査委員会に、地方事務所長から送付された一件記録を提出する。
(再審査委員会による審理)
第70条の4 再審査委員会の審理は、非公開とする。
2 再審査委員会は、必要と認めるときは、利害関係者に出席を求めることができる。
3 再審査委員会の議事を主宰する委員は、必要と認めるときは、理事長又は地方事務所長に対し、再審査申立てに対する決定をするために必要な事項について、調査又は報告を求めることができる。
(証拠書類等の提出)
第70条の5 利害関係者は、証拠書類又は証拠物を提出することができる。ただし、再審査申立てと関連しないものは、この限りでない。
2 再審査委員会の議事を主宰する委員は、必要があると認めるときは、前項の規定により証拠書類又は証拠物を提出しようとする者に対し、その標目及びこれにより疎明しようとする事実等を記載した書面を提出するよう求めることができる。
3 理事長は、第70条の7に定める決定(同条第2項の地方事務所長に差し戻す決定を除く。)をしたときは、速やかに、提出者に第1項の規定により提出された証拠書類又は証拠物を返還する。
4 理事長は、第70条の7第2項の規定により地方事務所長に差し戻す決定をしたときは、当該地方事務所長に前項の証拠書類又は証拠物を送付する。
(再審査委員会による決定)
第70条の6 再審査委員会は、再審査申立てにつき審査し、理由を付してその採否を決定する。ただし、不服申立てに対する決定を変更する旨の決定をするときは、再審査申立てをしなかった利害関係者に意見を述べる機会を与えなければならない。
2 再審査委員会の議事は、全委員の過半数をもって決する。
3 再審査委員会の議事を主宰した委員は、速やかに、理事長に当該再審査委員会の決定及びその理由を報告する。
(再審査委員会の決定に基づく理事長の決定)
第70条の7 理事長は、前条第1項の決定に基づき、再審査申立てに対する決定を行い、利害関係者に同決定及びその理由を通知する。
2 理事長は、再審査委員会が再審査申立てを採用すべき旨の決定をしたときは、同決定に基づき、不服申立てに対する決定を破棄して事案を地方事務所長に差し戻し、又は自ら相当な決定を行う。
3 理事長は、再審査委員会が再審査申立てにつきこの業務方法書に定めるところにより行われていないと認める旨の決定をしたときは、これを却下する旨の決定を行う。
(差し戻し決定後の手続)
第70条の8 地方事務所長は、前条の規定により不服申立てに対する決定を破棄して事案を地方事務所長に差し戻す旨の決定がなされたときは、第69条の3から第69条の6までに規定する手続(ただし、「原決定」とあるのは、「再審査の申立ての対象となった決定及びその基となった不服申立審査会の決定」と読み替える。)により、事案を再考し、相当な決定を行う。

2 前項の場合において、理事長が再審査申立てを相当と認める理由とした事実上及び法令上(業務方法書及びその下部規則を含む。)の判断は、地方事務所長及び不服申立審査会を拘束する。

第11款 更正決定
(更正決定)
第70条の9 地方事務所長は、自らがした決定に計算違い、誤記その他これらに類する明白な誤りがあるときは、申請により又は職権で、いつでも更正決定をすることができる。
2 地方事務所長は、前項の決定をした場合には、速やかに利害関係者に同決定及びその理由を通知する。

3 前二項の規定は、理事長が第70条の7に定める決定をした場合について準用する。

第7章 雑則
(細則への委任)
第101条 センターは、この業務方法書に定めるもののほか、業務の運営に関し、必要な事項について細則を定める。

* 法テラスHPの「リーフレット・パンフレット」「民事法律扶助のしおり」等が載っています。

最高裁判所長官の祝辞(平成26年度以降)

目次
1 最高裁判所長官の祝辞
2 最高裁判所長官の祝辞のサイズ
3 関連記事その他

1 最高裁判所長官の祝辞
・ 令和 6年度の祝辞4通
・ 令和 5年度の祝辞1通
・ 令和 4年度の祝辞6通
・ 令和 3年度の祝辞1通
・ 令和 2年度の祝辞2通
・ 令和 元年度の祝辞3通
・ 平成30年度の祝辞6通
 平成29年度の祝辞4通
 平成28年度の祝辞2通
 平成27年度の祝辞4通
 平成26年度の祝辞7通
* 「令和3年10月26日付の行政書士制度70周年記念式典における大谷直人最高裁判所長官の祝辞」とか,「平成26年度最高裁判所長官の祝辞7通」といったファイル名です。

* 令和2年11月29日開催の,議会開設百三十年記念式典における祝辞の動画です。

2 最高裁判所長官の祝辞のサイズ
・ 令和4年度の祝辞はA4サイズとA3サイズが混在しています。
・ 令和3年度の祝辞はA3サイズです。
・ 平成29年度以前の祝辞及び令和2年度の祝辞はA4サイズです。
・ 平成30年度及び令和元年度の祝辞はB4サイズです。


3 関連記事その他
(1)ア 最高裁判所判事の祝辞を以下のとおり掲載しています。
平成30年度令和3年度令和4年度令和5年度令和6年度
イ 「令和5年度の最高裁判所判事の祝辞2通」といったファイル名です。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所長官任命の閣議書
 最高裁判所判事任命の閣議書
 最高裁判所裁判官の任命に関する各種説明
 高等裁判所長官任命の閣議書

裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等

目次
第1 国会答弁資料及び法律案審議録
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 7年4月18日法律第23号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 6年4月12日法律第14号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 5年4月14日法律第10号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 4年4月22日法律第30号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 3年4月14日法律第20号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 2年4月20日法律第20号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成31年4月26日法律第15号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成30年4月18日法律第14号)
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成29年4月21日法律第17号)
第2 裁判所職員の定員の推移
1 裁判所職員定員法(昭和26年3月30日法律第53号)に基づく定員の推移
2 沖特法63条に基づく別枠の定員
3 補足説明
第3 技能労務職員の削減に関する国会答弁
第4 令和3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議,及び日本共産党の反対討論
1 令和3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議
2 令和3年3月12日の日本共産党の反対討論
第5 定員をめぐる状況に関する最高裁の認識(令和3年6月時点)
第6 定員法に関する国会答弁
第7 国政調査権と国会答弁義務
第8 最高裁判所長官代理者の場合,国会答弁資料が存在しない場合があること
第9 関連記事その他

*1 「衆議院の議案情報」を見れば,裁判所職員定員法の一部を改正する法律が分かります。
*2 ①裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和4年4月22日法律第30号)に関する国会答弁資料(令和4年3月4日の衆議院法務委員会),②令和4年の裁判所職員定員法の改正に関する法律案審議録(法務省開示分),及び③裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(第208回国会提出分)の説明資料(②の文書に含まれています。)といったファイル名で掲載しています。
*3 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等も参照してください。

第1 国会答弁資料及び法律案審議録
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 7年4月18日法律第23号)
(1) 国会答弁資料
・ 令和7年3月14日の衆議院法務委員会
・ 令和7年4月10日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
→ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 説明資料が含まれています。
◯裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和 6年4月12日法律第14号)
(1) 国会答弁資料
・ 令和6年3月15日の衆議院法務委員会
・ 令和6年4月 4日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
→ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 説明資料が含まれています。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和5年4月14日法律第10号)
(1) 国会答弁資料
・ 令和5年3月10日の衆議院法務委員会
・ 令和5年4月 6日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
→ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 説明資料が含まれています。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和4年4月22日法律第30号)
(1) 国会答弁資料
・ 令和4年3月 4日の衆議院法務委員会
・ 令和4年4月14日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
→ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 説明資料が含まれています。


裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和3年4月14日法律第20号)
(1) 国会答弁資料
・ 令和3年3月12日の衆議院法務委員会(法務省)
・ 令和3年3月12日の衆議院法務委員会(最高裁判所)
・ 令和3年4月 6日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
→ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 説明資料が含まれています。

裁判所職員定員法の一部を改正する法律(令和2年4月20日法律第20号)
(1) 国会答弁資料
・ 令和2年3月31日の衆議院法務委員会
・ 令和2年4月16日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
→ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 説明資料が含まれています。

裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成31年4月26日法律第15号)
(1) 国会答弁資料
・ 平成31年3月22日の衆議院法務委員会
→ 参議院法務委員会に関する分はなぜかないです。
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
→ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 説明資料が含まれています。

裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成30年4月18日法律第14号)
(1) 国会答弁資料
・ 平成30年3月30日の衆議院法務委員会
→ 参議院法務委員会に関する分はなぜかないです。
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
→ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案 説明資料(平成29年12月)が含まれています。

裁判所職員定員法の一部を改正する法律(平成29年4月21日法律第17号)
(1) 法務省作成の説明文書
① 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の概要
② 判事の増員と判事補の減員の理由について
(2) 衆議院での国会答弁資料
ア 平成29年3月31日の階猛衆議院議員(民進党)の以下の質問に対するもの
① 最高裁判所は,判事補の欠員が増えた理由について,司法修習生の質が低下したからではなく,弁護士業界との競争激化により,任官者を確保しにくいからであると説明しているが,このような説明を裏付けるデータはなく,不合理ではないか,法務大臣の見解を問う。
② 判事補の欠員が増えたのは,司法修習生の質が低下したからではないか,法務大臣の所見を問う。
③ 判事補の定員の充足に努めるとの昨年の付帯決議があったにもかかわらず,判事補の欠員が拡大していることからすれば,判事補の定員を更に削減すべきではないか,法務大臣の所見を問う。
(3) 参議院での国会答弁資料
ア 平成29年4月11日の佐々木さやか参議院議員(公明党)の以下の質問に対するもの
① 家事紛争の解決を含め,認証ADRの利用促進に向けた取組について,法務大臣に問う。
イ 平成29年4月11日の仁比聡平参議院議員(共産党)の以下の質問に対するもの
① 本年1月,長崎市において,元夫からのストーカー被害を訴えていた女性が,元夫との離婚時の取り決めに従って,息子と面会させるために元夫を訪ねたところ,元夫に殺害され,元夫も自殺したという事件が発生したが,これについて法務大臣の所見を問う。
② 家事事件の複雑困難化や事件の増加により,家庭裁判所の役割や家庭裁判所調査官による専門的な調査の必要性が増大しており,家庭裁判所調査官の抜本的な増員が必要ではないか,法務大臣の所見を問う。
ウ 平成29年4月11日の山口和之参議院議員(無所属)の以下の質問に対するもの
① 速記官のいない裁判所が存在する状況は,「各裁判所に裁判所速記官を置く。」と定める裁判所法第60条の2第1項に反するのではないか,法務当局に問う。
② 政府は,速記官制度の存続について,どのような方針か,近い将来,裁判所法第60条の2第1項を変更する予定があるのか,法務当局に問う。
③ 弁護士強制制度が採られている場合とそうでない場合のそれぞれのメリット・デメリットについて,法務当局に問う。
④ 民事訴訟の事件数が増加しないことについて,政府として,どのような問題があると考えているのか。また,民事訴訟の事件数を増加させるために,政府として,どのような対策を行っているのか,法務当局に問う。

第2 裁判所職員の定員の推移
1 裁判所職員定員法(昭和26年3月30日法律第53号)に基づく定員の推移
* 裁判所職員の予算定員の推移と対応しています。
(1) 判事の定員の推移
令和 2年度以降:2155人
平成31年度:2125人
平成30年度:2085人
平成29年度:2035人 平成28年度:1985人
平成27年度:1953人 平成26年度:1921人
平成25年度:1889人 平成24年度:1857人
平成23年度:1827人 平成22年度:1782人
平成21年度:1717人 平成20年度:1677人
平成19年度:1637人 平成18年度:1597人
平成17年度:1557人 平成16年度:1517人
平成15年度:1450人 平成14年度:1420人
平成13年度:1390人
昭和62年度ないし平成12年度:1360人
(2) 判事補の定員の推移
令和 5年度以降:842人
令和 4年度:857人
令和 2年度ないし令和3年度:897人
平成31年度:927人 平成30年度:952人
平成29年度:977人
平成22年度ないし平成28年度:1000人
平成21年度:1020人
平成20年度:985人 平成19年度:950人
平成18年度:915人 平成17年度:880人
平成16年度:845人 平成15年度:829人
平成14年度:814人
平成12年度ないし平成13年度:799人
平成11年度:729人 平成10年度:699人
平成 9年度:679人 平成 8年度:659人
平成 7年度:644人 平成 6年度:632人
平成 5年度:622人 平成 4年度:615人
平成 3年度:608人
昭和53年度ないし平成2年度:603人
(3) 簡易裁判所判事の定員の推移
平成16年度以降:806人
平成2年度ないし平成15年度:794人
平成元年度:789人 昭和63年度:784人
昭和50年度ないし昭和62年度:779人
(4) 裁判官以外の裁判所職員の定員の推移
令和 5年度以降:2万1744人
令和 4年度:2万1775人
令和 3年度:2万1801人
令和 2年度:2万1818人 平成31年度:2万1835人
平成30年度:2万1848人 平成29年度:2万1883人
平成28年度:2万1918人 平成27年度:2万1954人
平成26年度:2万1990人 平成25年度:2万2026人
平成24年度:2万2059人
平成21年度ないし平成23年度:2万2089人
平成18年度ないし平成20年度:2万2086人
平成17年度:2万2083人 平成16年度:2万2073人
平成15年度:2万1673人 平成14年度:2万1664人
平成13年度:2万1657人 平成12年度:2万1648人
平成11年度:2万1632人 平成10年度:2万1613人
平成 9年度:2万1592人 平成 8年度:2万1571人
平成 7年度:2万1550人 平成 6年度:2万1526人
平成 5年度:2万1501人 平成 4年度:2万1477人
平成 3年度:2万1454人 平成 2年度:2万1426人
平成 元年度:2万1401人 昭和63年度:2万1376人
昭和62年度:2万1351人 昭和61年度:2万1344人
昭和60年度:2万1343人
2 沖特法63条に基づく別枠の定員
(1) 昭和47年度から平成15年度までの間,裁判所職員定員放屁基づく定員とは別枠の定員として,沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(略称は「沖特法」です。)63条に基づく定員がありました。
(2) 沖特法63条に基づく予算定員につき,昭和47年度の場合,判事補20人,判事補が21人,簡裁判事が12人であり,平成15年度の場合,判事が25人,判事補が6人,簡裁判事が12人でした。
3 補足説明
(1) 法務省HPの「国会提出主要法律案」に,裁判所職員定員法の改正案が載っています。
(2)ア 判事補の定員のピークは平成21年度ないし平成28年度ですから,10年後の令和8年度までに判事の定員の減少が開始するかもしれません。
イ 判事補の現在員は定員を全く充足していませんから,判事補の定員の減少は裁判所の人員構成に影響を及ぼすものではありません。
(3)ア 判事補の採用者数のピークは58期の124人(平成17年度採用)でした(41期ないし71期の採用者につき日弁連HPの「司法修習終了者の進路別人数」参照)。
イ 判事補採用者数につき,69期が78人,70期が65人,71期が82人,72期が75人,73期が66人です。

下級裁判所の判事・判事補の定員・現在員等内訳(平成23年度から令和3年1月までの分)です。

第3 技能労務職員の削減に関する国会答弁
1 裁判官以外の裁判所職員において削減される定員は,以下のような技能労務職員です(「全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見」参照)。
① 庁舎清掃などを担当する庁務員
② 庁舎管理などを担当する守衛
③ 裁判所の声の窓口となる電話交換手
④ 庁外の尋問や検証、少年事件における身柄押送などを担当する自動車運転手
2 42期の村田斉志最高裁判所総務局長は,令和3年3月12日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリングを追加しています。)。
① 技能労務職員は、庁舎の清掃や警備、電話交換といった庁舎管理等の業務や、自動車の運転等の業務を行っている職員でございまして、この技能労務職員の定員の合理化は、定年になったというような場合の退職に際しまして、裁判所の事務への支障の有無を考慮しつつ、外注化による合理化等が可能かを判断して、その後任者を不補充とするようなことによって生じた欠員、これを削減するという形で定員の合理化を図っているものでございます。
② この際の事務の合理化につきましては、例えば、庁舎の清掃というようなことであれば外部委託等を行うということで代替をするということがございます。また、電話交換であればダイヤルイン化をするというようなことによって、なるべく人手がかからないようにするといった形で合理化をしてございます。
 そのため、技能労務職員の定員を合理化しても、裁判所の業務に支障が生じることはないというふうに考えております。
③ 裁判所におきましては、以前から、裁判部門以外の部門に限定して政府の定員合理化の方針に協力をして、技能労務職員等の定員を合理化してきております。
かつ、その技能労務職員等の定員の合理化を行うに当たっては、既存業務の見直しや事務統合による業務の最適化等により業務の合理化を行っているところでございます。
 技能労務職員等の定員の合理化は、定年等による退職に際して、裁判所の事務への支障の有無を考慮しつつ、外注化による合理化等が可能かを判断して、お辞めになる方の後任を不補充とすることによって生じた欠員を合理化するという形で行ってきておりますので、現時点では、基本的に、裁判所の事務に支障は生じていないというふうに認識をしておりますけれども、引き続き、外注化等の代替措置の裁判所の事務への影響の有無を含めまして、職場にどのような影響を及ぼしているかというような現場の実情については的確な把握に努めてまいりたいというふうに考えております。


第4 令和3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議,及び日本共産党の反対討論
1 令和3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(令和3年3月12日の衆議院法務委員会の付帯決議)の本文は以下のとおりです。
 一 民事訴訟手続の審理期間及び合議率の目標を達成するため、審理期間が長期化している近年の状況を検証し、審理の運用手法、制度の改善等に取り組み、その上で、目標達成に必要な範囲で削減を含め裁判官の定員管理を行うこと。
 二 裁判所職員定員法の改正を行う場合には、引き続き、判事補から判事に任命されることが見込まれる者の概数と判事の欠員見込みの概数を明らかにし、その定員が適正であることを明確にすること。
 三 平成二十五年三月二十六日平成二十八年三月十八日平成二十九年三月三十一日及び令和二年四月三日の当委員会における各附帯決議等を踏まえ、最高裁判所において、引き続き、判事補の定員の充足に努めるとともに、判事補の定員の在り方について、更なる削減等も含め検討していくこと。
 四 現在の法曹養成制度の下で法曹志望者の減少について顕著な改善傾向が見られないことを踏まえ、そのことが法曹の質や判事補任官者数に及ぼす影響につき必要な分析を行い、その結果を国会に示すとともに、法改正を踏まえた更なる法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組をより一層進めること。
 五 司法制度に対する信頼確保のため、訟務分野において国の指定代理人として活動する裁判官出身の検事の数の縮小を含む必要な取組を進めること。
2 令和3年3月12日の日本共産党の反対討論
(1) 藤野保史衆議院議員(日本共産党)は,令和3年3月12日の衆議院法務委員会において以下のとおり反対討論をしています。
 私は、日本共産党を代表して、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 本案は、昨年に引き続き、十七人減という過去最大規模の減員を行うものです。これは、繁忙な司法職場の実態を更に悪化させるだけでなく、裁判所の使命である国民の裁判を受ける権利を保障することに逆行するものです。
 三権分立を規定した日本国憲法の下、司法権を担う裁判所には、政府から独立してその定員や予算を定める権限が与えられています。裁判所は、この間の定員合理化計画の結果を含め、独自の立場で裁判の実態を検証すべきであり、そうした検証もせずに政府の定員合理化計画にこれ以上協力すべきではありません。
 本案の提案理由には、裁判所の事務を合理化し、及び効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減少する必要があるとありますが、質疑の中でその合理的な根拠を示されませんでした。
 むしろ、この間、児童福祉法二十八条事件、同三十三条事件など、児童の保護や一時保護を求める事案が増加しています。さらに、コロナ禍の下で、DVや性暴力の相談が急増していることも示されました。こうした現実は、いずれ裁判の現場に跳ね返ってくることは避けられません。今こそ、こうした問題の専門家である家裁調査官始め、裁判所職員の増員が求められています。本案は、こうした要請に真っ向から反するものです。
 最後に、今、最高裁に求められているのは、国民の期待に応える司法サービスを提供する機能を強化することです。予算の拡充とともに、裁判所職員などの人的体制、庁舎や設備などの物的拡充を行うことを強く求めて、討論を終わります。
(2) 日本共産党は裁判所職員の定員削減に批判的な立場を取っています。

第5 定員をめぐる状況に関する最高裁の認識(令和3年6月時点)
・ 裁判所をめぐる諸情勢について(令和3年6月の最高裁判所事務総局の文書)32頁には,「(2) 定員について」として以下の記載があります。
 裁判所においては,民事訴訟事件の審理充実や家事事件処理の充実強化などのため,継続的に裁判官の増員を行ってきたところである。 しかし,近時の新受事件数の動向を見ると,成年後見関係事件などの一部の事件を除いて,民事訴訟事件を含む事件類型の多くは減少又は横ばいで推移している。そのような状況の中,司法制度改革が始まった平成14年度から令和2年度までに合計740人の判事が増員されてきたが,令和3年度においては,判事の増員は行わないこととされ(令和3年度の裁判所職員定員法の一部を改正する法律の内容については,3月15日付け裁判所時報1762号を参照されたい。 ) ,国の厳しい財政状況下での国家公務員の定員をめぐる厳しい情勢や前述の事件動向等を踏まえると,今後,裁判所の定員をめぐる状況はより一層厳しくなるものと予想される。
 以上のような定員をめぐる厳しい状況の下では,各庁においては,現状の処理件数や事務分配を所与のものとしたり,十分な検討のないまま前例に従った事務処理方法を重んじたりすることなく,司法需要の顕在化等による処理件数の増加局面に加え,裁判手続のIT化の検討・準備が進む中で生じる事務処理の変容にも適切に対応できる態勢とするべく,事務分配の機動的な見直しや,事務改善の取組を継続して行っていかなければならない。各庁,各部署の人的態勢については,裁判事務の在り方を踏まえ,全国各地における司法機能の発揮・確保,部署間の繁忙度の平準化の観点から,裁判官,書記官等がそれぞれの行うべき職務や,相互の官職間の連携を意識しながら,適正・迅速な裁判を実現できる合理的な事務処理に向けて,不断の見直しを進めていく必要があるものと考えている。


第6 定員法に関する国会答弁
1 長屋聡 内閣官房内閣人事局人事政策統括官は,平成31年3月8日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
    昭和四十四年に制定されました行政機関の職員の定員に関する法律、いわゆる総定員法でございますけれども、それまでは各省庁ごとの設置法で定員を定める、こういう形式を改めまして、各省庁を通じた総定員の上限を法定しまして、その範囲内で各省庁ごとの定員を政令で定める、こういう形式に改めたものでございます。
制定の趣旨、目的につきましては主に二点ございまして、一点目は、各行政機関の職員の定員の総数の最高限度を法定するということで、行政機関の膨張を抑制する、二点目が、各省庁ごとの定員は政令で定め、さらに、省庁内の本省、外局別などの定員は各省庁の規則で定める、こういうことにすることで、行政需要の変化に対応した弾力的、機動的な定員配置を可能とする、こういったものでございます。
また、総定員法につきましては、法律の名称にあるとおり、国の行政機関の職員を対象としたものでございますが、これは、三権分立の観点から、国会の職員あるいは裁判所の職員についてはその対象にはしていないということでございます。

2 45期の西山卓爾 法務省大臣官房政策立案総括審議官は,平成31年3月8日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
    委員御指摘のとおり、行政機関職員定員法と同様に、裁判所職員についても、法律では定員数の最高限度数を定め、具体的な定員数の定めは最高裁判所規則等に委任するといった立法形式をとるとすると、定員の計画的、弾力的な運用や機動的な対応、これが可能になるといった長所が認められるところではございます。
    他方、このような立法形式を導入し、定員数の最高限度数を定めるに当たっては、ある程度中長期的な事件動向等を予測し、必要となる人的体制の見通しを立てることが必要になるものと考えられ、そうしたことの可否を含め、まずは裁判所において検討がなされるべきものと考えております。
    また、事件の適正迅速な処理を図るためには、事件動向を踏まえた人的体制の充実のほか、実務上の運用改善や手続法などの制度改正を含めた総合的な取組が必要である、そういったことから、そうした取組を踏まえた裁判所の人的体制の整備の必要性について、裁判所職員定員法の改正案の審議に際しまして国会で御審議いただくことにも意義があるものであると考えております。
    委員御指摘のような立法形式を導入するためには、以上申し上げた点を含めまして、さまざまな観点から検討を行うことが必要であると考えております。
3 42期の村田斉志最高裁総務局長は,平成31年3月8日の衆議院法務委員会において以下の答弁をしています。
    委員御指摘の総定員法のような立法形式をとろうという場合におきまして、法改正や事件動向等の中長期的な予測を行って必要な人的体制の見通しを立てることが必要になるというのは、これは今、法務省から御答弁があったとおりでございまして、裁判所の行うその業務の量はそうした事件動向等に大きく左右されるものでございますので、この見通し、予測というのはなかなか、かなりの困難を伴うということはあるところでございます。
    他方、裁判官以外の職員の定員につきましては、近年は一貫して定員数を減少させる改正をお願いしているというような現状もございまして、こういったところも含めまして、委員御指摘のいわゆる総定員法という立法形式を導入する場合に、その前提となります中長期的な事件動向等の予測、そして必要となる人的体制の見通しにつきまして、裁判所としてそういう見通しを立てることができるのかできないのか、その可否を含めまして、必要な検討をしてまいりたいというふうに考えております。

第7 国政調査権と国会答弁義務
1 衆議院議員松浦利尚君提出議院の国政調査権と公務員の守秘義務等との関係に関する質問に対する答弁書(昭和51年3月30日付)には以下の記載があります。
1 いわゆる国政調査権は、憲法第六十二条に由来するものであり、国政の全般にわたつてその適正な行使が保障されなければならないことはいうまでもないところである。
 一方、憲法第六十五条によつて内閣に属することとされている行政権に属する公務の民主的かつ能率的な運営を確保するために、国家公務員には守秘義務が課されている。
2 そこで、国政調査権と国家公務員の守秘義務との間において調整を必要とする場合が生ずる。国政調査権に基づいて政府に対して要請があつた場合、その要請にこたえて職務上の秘密を開披するかどうかは、守秘義務によつてまもられるべき公益と国政調査権の行使によつて得られるべき公益とを個々の事案ごとに比較衡量することにより決定されるべきものと考える。
3 個々の事案について右の判断をする場合において、国会と政府との見解が異なる場合が時に生ずることは避け得ないところであろうが、政府としては、国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう、政府の立場から許される最大限の協力をすべきものと考える。
(昭和四十九年十二月二十三日参議院予算委員会における三木内閣総理大臣答弁参照)
2 1期の味村治内閣法制局長官は,昭和63年3月24日の参議院予算委員会において以下の答弁をしています。
   憲法七十三条の規定によりまして、外交関係の処理が内閣の職務とされていることは先生の御指摘のとおりでございます。他方、憲法六十三条は、これは国務大臣の議院出席及び答弁義務を規定しているわけでございますが、内閣総理大臣その他の国務大臣が議院に出席した場合、議案について発言する権利がありますと同時に、答弁または説明を求められました場合には、これに応じて答弁をするという義務があるということをこれは当然の前提としているというふうに解されるわけでございまして、したがいまして、出席して答弁を求められました国務大臣がその義務を厳粛に考えてその義務を履行すべきであるということは、これは当然の憲法上の要請でございまして、外交関係の事項につきましても例外ではないというふうに考えております。
   ただ、先ほど先生が御引用になりました昭和五十年六月五日の吉國内閣法制局長官の答弁にもございますように、合理的な理由がありますときは、その理由を明らかにして答弁を差し控えるということも許されるんだということを申し上げているわけでございまして、そういう場合には憲法六十三条には違背しないんだというふうに解されるわけでございます。
   先ほど外務省の政府委員からも御説明がございましたが、条約とか協定の締結を目的といたします外交交渉の過程で行われます会談の具体的内容などにつきましては、これは国際的な外交慣行とかあるいは外国との信頼関係の維持とか、あるいは外交交渉を効果的に遂行するためとか、そういったようないろいろな事情から秘匿する必要性がある場合が通常であるということであろうかと思いまして、そういう場合には答弁を差し控えることも許されようかと存ずるわけでございます。


第8 最高裁判所長官代理者の場合,国会答弁資料が存在しない場合があること
1 令和元年10月18日答申(令和元年度(最情)答申第53号)には以下の記載があります。
 苦情申出人は,特定日の参議院法務委員会における国会答弁の内容及び参議院インターネット審議中継の動画からすれば,最高裁判所において本件開示申出文書を保有している旨主張する。 しかし, 当委員会において上記法務委員会の会議録を閲読し, 出席者である長官代理者がした説明の内容を確認したところ,その内容を踏まえて検討すれば,議員の質問事項について,裁判所の基本的な見解を概括的に述べたものであり,上記法務委員会に係る国会答弁においては司法行政文書として長官代理者の説明案を作成していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において,本件開示申出文書に該当する文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。
 したがって,最高裁判所において本件開示申出文書を保有していないと認められる。
2 本件開示申出文書は,「平成30年11月22日の参議院法務委員会における国会答弁資料のうち,裁判所の所持品検査に関するもの」です。


第9 関連記事その他
1(1) 裁判所職員は特別職の国家公務員です(国家公務員法2条3項13号)。
(2) 裁判所職員定員法(昭和26年3月30日法律第53号)は,行政機関の職員の定員に関する法律(昭和44年5月16日法律第33号)とは別に存在する法律です。
(3) 裁判所HPの「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には「裁判官から法務省等の行政省庁へ出向する場合は,検事に転官しているので,裁判官定員の枠外である。」と書いてあります。
2 法律案審議録については,内閣法制局で別途,文書が保管されています。
3(1) 国立国会図書館HPレファレンス「戦後主要政党の変遷と国会内勢力の推移」(平成26年6月号)が載っています。
(2) 国立国会図書館HP「調査と情報」「戦後の我が国における主要政党の変遷」(平成31年2月28日発行の1043号)が載っています。
4 国会法72条2項は「最高裁判所長官又はその指定する代理者は、その要求により、委員会の承認を得て委員会に出席説明することができる。」と定めています。
5 以下の記事も参照してください。
(概算要求から級別定数の配布まで)
 最高裁判所の概算要求書(説明資料)
・ 最高裁判所の国会答弁資料
・ 最高裁及び法務省から国会への情報提供文書
・ 裁判所をめぐる諸情勢について
・ 裁判所職員の予算定員の推移
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する衆議院法務委員会の附帯決議
・ 全司法本部の中央執行委員長が裁判所職員の定員に関して国会で述べた意見
・ 級別定数の改定に関する文書
・ 下級裁判所の裁判官の定員配置
(その他)
・ 判事補の採用に関する国会答弁
・ 集合修習時志望者数(A班及びB班の合計数)と現実の判事補採用人数の推移
・ 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 平成28年度概算要求(増員関係)に関する最高裁の説明
・ 裁判官の号別在職状況
・ 国会制定法律の一覧へのリンク

裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等

目次
第1 国会答弁資料及び法律案審議録
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和6年12月25日法律第76号)
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和5年11月24日法律第76号)
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和4年11月28日法律第90号)
(◯令和2年中及び令和3年中の改正はなし。)
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和元年11月29日法律第58号)
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成30年11月30日法律第85号)
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成29年12月15日法律第82号)の国会答弁資料
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成28年11月30日法律第90号)の国会答弁資料
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成17年11月7日法律第116号)
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成14年11月27日法律第113号)
第2 国政調査権と国会答弁義務
第3 最高裁判所長官代理者の場合,国会答弁資料が存在しない場合があること
第4 最高裁判所裁判官退職手当法の改正に関する資料(平成18年4月施行の退職手当の減額関係)
第5 一般職給与法の改正に関する資料(平成18年4月導入の地域手当関係)
第6 関連記事その他

*1 「衆議院の議案情報」を見れば,裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律が分かります。
*2 ①裁判官報酬法の改正に関する国会答弁資料(令和4年10月28日の衆議院法務委員会),②裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和4年11月28日法律第90号)の法律案審議録,及び③裁判官報酬法の一部を改正する法律案・検察官俸給法の一部を改正する法律案-御説明資料-(令和4年9月)(②の文書に含まれています。)といったファイル名で掲載しています。
*3 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等も参照してください。

第1 国会答弁資料及び法律案審議録
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和6年12月25日法律第76号)
(1) 国会答弁資料
① 令和6年12月12日の衆議院法務委員会
② 令和6年12月17日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録
→ 裁判官報酬法の一部を改正する法律案・検察官俸給法の一部を改正する法律案-御説明資料-(令和6年9月)が含まれています。
◯裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和5年11月24日法律第76号)

(1) 国会答弁資料
① 令和5年11月10日の衆議院法務委員会
② 令和5年11月16日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録
→ 裁判官報酬法の一部を改正する法律案・検察官俸給法の一部を改正する法律案-御説明資料-(令和5年8月)が含まれています。
裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和4年11月28日法律第90号)
(1) 国会答弁資料

① 令和4年10月28日の衆議院法務委員会
② 令和4年11月10日の参議院法務委員会
③ 令和4年11月17日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録
→ 裁判官報酬法の一部を改正する法律案・検察官俸給法の一部を改正する法律案-御説明資料-(令和4年9月)が含まれています。

(◯令和2年中及び令和3年中の改正はなし。)

裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(令和元年11月29日法律第58号)
(1) 国会答弁資料
① 令和元年11月13日の衆議院法務委員会
② 令和元年11月21日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録
→ 裁判官報酬法の一部を改正する法律案・検察官俸給法の一部を改正する法律案-御説明資料-(令和元年8月)が含まれています。

裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成30年11月30日法律第85号)
(1) 国会答弁資料

① 平成30年11月14日の衆議院法務委員会
② 平成30年11月16日の衆議院法務委員会
③ 平成30年11月22日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
・ 裁判官報酬法の一部を改正する法律案・検察官俸給法の一部を改正する法律案-御説明資料-(平成30年8月)が含まれています。

裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成29年12月15日法律第82号)の国会答弁資料
① 平成29年12月5日の衆議院法務委員会
② 平成29年12月7日の参議院法務委員会

裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成28年11月30日法律第90号)の国会答弁資料
(1) 衆議院法務委員会に対するもの
ア 平成28年10月26日の今野智博衆議院議員(自民党)の以下の質問に対するもの
① 検察官は日常的にどのような業務を行っているのか,その勤務実態について,法務当局に問う。
② 裁判官,検察官に超過勤務手当,夜勤手当,休日給等が支給されない理由について,法務当局に問う。
イ 平成28年10月26日の吉田宣弘衆議院議員(公明党)の以下の質問に対するもの
① 法曹三者の役割に関し,裁判官,検察官,弁護士,それぞれの役割について法務大臣の所見を問う。
③ 裁判官や検察官について,初任給調整手当が支給される趣旨はどのようなものか,法務当局に問う。
ウ 平成28年10月26日の木下智彦衆議院議員(日本維新の会)の以下の質問に対するもの
① 裁判官は「報酬」,検察官は「俸給」と,言葉がなぜ違うのか。また,国家公務員の「給与」という呼び方とは,なぜ違うのか,法務大臣に問う。
② 「給与」と「報酬」「俸給」とで用語の違いがあるのに,なぜ,人事院の調査である一般の民間企業の給与体系を基にした比較を用いるのか,法務大臣に問う。
(2) 参議院法務委員会に対するもの
ア 平成28年11月24日の元栄太一郎参議院議員(自民党)の以下の質問に対するもの
① 裁判官は報酬法,検察官は俸給法として,一般の政府職員の給与に関する法律とは別に,それぞれ定められている理由は何か,法務当局に問う。
② 裁判官は報酬法,検察官は俸給法として,それぞれ定められている一方で,一般の政府職員の給与に関する法律に準じて,裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額を引き上げる理由は何か,法務当局に問う。
③ 裁判官については「報酬」,検察官については「俸給」と言い,それ以外に「給与」という言葉も使われるが,それぞれの意味の違いについて,法務当局に問う。
④ いわゆる超過勤務手当は裁判官及び検察官に支給されるのか,法務当局に問う。
⑤ 裁判官及び検察官に超過勤務手当が支給されない理由は何か,法務当局に問う。
⑦ 検察官は労働基準法や労働安全衛生法の規定が適用されないのか。法務当局に問う。
イ 平成28年11月24日の真山勇一参議院議員(民進党)の以下の質問に対するもの
① 検察官の勤務状況について,過度な長時間労働となっていないか,法務当局に問う。
ウ 平成28年11月24日の高木かおり参議院議員(日本維新の会)の以下の質問に対するもの
① 国の財政赤字がかつてないほど厳しい水準にある中,裁判官・検察官の給与改定に当たっては,国の財政状況を考慮していくべきではないか,法務大臣の所見を問う。
 平成28年11月24日の山口和之参議院議員(無所属)の以下の質問に対するもの
① 検察官が裁判官室に頻繁に出入りしているという話を聞いたが,そのような事実を把握しているか,法務当局に問う。
② 刑事事件の一方当事者である検察官が法廷外で裁判官と面談することについて,どのように考えるか,法務当局に問う。
③ 同一事件に関与する可能性のある検察官と裁判官が,公的な行事等以外の場で,個人的に接触することがあると聞いたが,そのような事実は把握しているか。そのような事実がある場合,検察官と裁判官が個人的に接触することについて,どのように考えているのか,法務当局に問う。
④ 法務省には,検察官と裁判官の個人的な接触を禁止する指針等は存在するのか,存在しない場合,検察官と裁判官の個人的な接触を禁止する指針等を策定すべきではないか,法務当局に問う。
⑤ 法律専門職に従事して社会的な経験を積んだ弁護士有資格者から裁判官及び検察官を登用する「法曹一元」について,法務省の検討状況を,法務当局に問う。

裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成17年11月7日法律第116号)
(1) 国会答弁資料
① 平成17年10月11日の衆議院法務委員会
② 平成17年10月27日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)

裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成14年11月27日法律第113号)
(1) 国会答弁資料
① 平成14年11月13日の衆議院法務委員会
② 平成14年11月19日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)
→ ①最高裁判所事務総長コメント,②裁判官の報酬の減額について,③検察官の俸給を一律に引き下げることについて,及び④裁判官報酬法及び検察官俸給法の改正に関する用例集(平成14年10月の法務省大臣官房司法法制部司法法制課の文書)が含まれています。

第2 国政調査権と国会答弁義務
1 衆議院議員松浦利尚君提出議院の国政調査権と公務員の守秘義務等との関係に関する質問に対する答弁書(昭和51年3月30日付)には以下の記載があります。
1 いわゆる国政調査権は、憲法第六十二条に由来するものであり、国政の全般にわたつてその適正な行使が保障されなければならないことはいうまでもないところである。
 一方、憲法第六十五条によつて内閣に属することとされている行政権に属する公務の民主的かつ能率的な運営を確保するために、国家公務員には守秘義務が課されている。
2 そこで、国政調査権と国家公務員の守秘義務との間において調整を必要とする場合が生ずる。国政調査権に基づいて政府に対して要請があつた場合、その要請にこたえて職務上の秘密を開披するかどうかは、守秘義務によつてまもられるべき公益と国政調査権の行使によつて得られるべき公益とを個々の事案ごとに比較衡量することにより決定されるべきものと考える。
3 個々の事案について右の判断をする場合において、国会と政府との見解が異なる場合が時に生ずることは避け得ないところであろうが、政府としては、国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう、政府の立場から許される最大限の協力をすべきものと考える。
(昭和四十九年十二月二十三日参議院予算委員会における三木内閣総理大臣答弁参照)
2 1期の味村治内閣法制局長官は,昭和63年3月24日の参議院予算委員会において以下の答弁をしています。
   憲法七十三条の規定によりまして、外交関係の処理が内閣の職務とされていることは先生の御指摘のとおりでございます。他方、憲法六十三条は、これは国務大臣の議院出席及び答弁義務を規定しているわけでございますが、内閣総理大臣その他の国務大臣が議院に出席した場合、議案について発言する権利がありますと同時に、答弁または説明を求められました場合には、これに応じて答弁をするという義務があるということをこれは当然の前提としているというふうに解されるわけでございまして、したがいまして、出席して答弁を求められました国務大臣がその義務を厳粛に考えてその義務を履行すべきであるということは、これは当然の憲法上の要請でございまして、外交関係の事項につきましても例外ではないというふうに考えております。
   ただ、先ほど先生が御引用になりました昭和五十年六月五日の吉國内閣法制局長官の答弁にもございますように、合理的な理由がありますときは、その理由を明らかにして答弁を差し控えるということも許されるんだということを申し上げているわけでございまして、そういう場合には憲法六十三条には違背しないんだというふうに解されるわけでございます。
   先ほど外務省の政府委員からも御説明がございましたが、条約とか協定の締結を目的といたします外交交渉の過程で行われます会談の具体的内容などにつきましては、これは国際的な外交慣行とかあるいは外国との信頼関係の維持とか、あるいは外交交渉を効果的に遂行するためとか、そういったようないろいろな事情から秘匿する必要性がある場合が通常であるということであろうかと思いまして、そういう場合には答弁を差し控えることも許されようかと存ずるわけでございます。



第3 最高裁判所長官代理者の場合,国会答弁資料が存在しない場合があること
1 令和元年10月18日答申(令和元年度(最情)答申第53号)には以下の記載があります。
   苦情申出人は,特定日の参議院法務委員会における国会答弁の内容及び参議院インターネット審議中継の動画からすれば,最高裁判所において本件開示申出文書を保有している旨主張する。 しかし, 当委員会において上記法務委員会の会議録を閲読し, 出席者である長官代理者がした説明の内容を確認したところ,その内容を踏まえて検討すれば,議員の質問事項について,裁判所の基本的な見解を概括的に述べたものであり,上記法務委員会に係る国会答弁においては司法行政文書として長官代理者の説明案を作成していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において,本件開示申出文書に該当する文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。
   したがって,最高裁判所において本件開示申出文書を保有していないと認められる。
2 本件開示申出文書は,「平成30年11月22日の参議院法務委員会における国会答弁資料のうち,裁判所の所持品検査に関するもの」です。

第4 最高裁判所裁判官退職手当法の改正に関する資料(平成18年4月施行の退職手当の減額関係)
・ 最高裁判所裁判官退職手当法の一部を改正する法律(平成17年11月7日法律第117号)について以下の資料を掲載しています。
(1) 国会答弁資料
① 平成17年10月11日の衆議院法務委員会
② 平成17年10月27日の参議院法務委員会
(2) 法律案審議録(法務省開示分)

第5 一般職給与法の改正に関する資料(平成18年4月導入の地域手当関係)
1 一般職給与法の改正に関する資料(地域手当関係)として以下の資料を掲載しています。
① 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案説明資料(平成17年9月の総務省の文書)
→ 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(平成17年11月7日法律第113号)に関するものです。
② 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案説明資料(平成26年9月の内閣官房内閣人事局の文書)
→ 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(平成26年11月19日法律第105号)に関するものです。
③ 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案説明資料(令和6年10月の内閣官房内閣人事局の文書)
→ 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(令和6年12月25日法律第72号)に関するものです。
2 内閣官房内閣人事局は,総務省人事・恩給局から人事行政機能を移管されました(内閣人事局のイメージ(未定稿)参照)。

第6 関連記事その他
1 裁判所職員は特別職の国家公務員です(国家公務員法2条3項13号)。
   そして,行政機関の職員の定員に関する法律(昭和44年5月16日法律第33号)とは別に,裁判所職員定員法(昭和26年3月30日法律第53号)に基づいて,裁判所職員の定員が定められています。
2 法律案審議録については,内閣法制局で別途,文書が保管されています。
3(1) 国立国会図書館HPレファレンス「戦後主要政党の変遷と国会内勢力の推移」(平成26年6月号)が載っています。
(2)
 国立国会図書館HP「調査と情報」「戦後の我が国における主要政党の変遷」(平成31年2月28日発行の1043号)が載っています。
4 国会法72条2項は「最高裁判所長官又はその指定する代理者は、その要求により、委員会の承認を得て委員会に出席説明することができる。」と定めています。
5 以下の記事も参照してください。
・ 下級裁判所の裁判官の定員配置
・ 裁判所職員定員法の一部を改正する法律に関する国会答弁資料等
・ 国会制定法律の一覧へのリンク
・ 裁判官の報酬減額の合憲性に関する国会答弁
・ 裁判官の号別在職状況
・ 判事補の採用に関する国会答弁

裁判官の民間企業長期研修等の名簿

目次
1 総論
2 判事補の民間企業研修に関する国会答弁
3 民間企業で研修中の裁判官が死亡した事例があること
4 民間企業の安全配慮義務
5 関連記事その他

1 総論
(1) 毎年3月の第1水曜日に開催される最高裁判所裁判官会議議事録に含まれている,裁判官の民間企業長期研修等の名簿を掲載しています。
・ 令和6年度分
・ 令和5年度分
・ 令和4年度分
・ 令和3年度分
・ 令和2年度分
・ 平成31年度分
・ 平成30年度分
・ 平成29年度分
・ 平成27年度分
・ 平成20年度分ないし平成26年度分,及び平成28年度分
・ 平成11年度分ないし平成19年度分
・ 昭和62年度分ないし平成10年度分
* 「判事補の令和5年度民間企業長期研修等研修員名簿」といったファイル名です。
(2) 平成25年度判事補の民間企業長期研修に関する覚書(平成25年3月26日付)を掲載しています。
(3) 日本の裁判所-司法行政の歴史的研究-170頁には以下の記載があります。
   判事補を対象とする国内特別研究としては,1987年から,任官後3~4年目の判事補を民間企業へ1年間派遣する民間企業長期コースが実施されている。同コースにおいては,毎年4社に各1名の判事補を派遣し,社員と同様の扱いで1年間の研修が行われている。


2 判事補の民間企業研修に関する国会答弁
・ 41期の堀田眞哉最高裁判所人事局長は,平成27年5月14日の参議院法務委員会において以下の答弁をしています(ナンバリングを追加しています。)。
① 判事補の外部経験といたしましては、民間企業等への派遣、弁護士職務経験、海外留学、行政官庁への出向等などを行ってきているところでございます。
 概要を申し上げますと、民間企業等は、毎年十五人程度を一年間派遣をしております。弁護士職務経験につきましては、毎年十人程度を二年間派遣をしております。また、海外留学は、毎年三十五人程度が一年又は二年間の期間派遣をされてきているところでございます。さらに、行政官庁等には、毎年三十五人程度が、これは行き先によっても期間、長短ございますが、原則として二年間出向をしております。
 今後も、より多くの若手の裁判官がこれらの外部での様々な経験を通じて幅広い視野あるいは柔軟でバランスの取れた考え方というものを身に付けることができるよう、新たな外部経験先の確保等も含めた充実というものを検討してまいりたいというふうに考えております。
② 民間企業研修の意義あるいは必要性について御理解をいただいております日本経団連加入の企業等の中から、毎年、業種あるいは業態のバランスなども勘案しながら研修先を選定しているというところでございます。
③ 委員御指摘のように、派遣先の企業等との関係で、公平性と申しますか中立性と申しますか、の担保が必要でございますので、そのようなことも配慮して、行き先を変えますとか、あるいは同一の業界の中で不均衡がないようにするとか、そういったようなことも検討しているところでございます。

3 民間企業で研修中の裁判官が死亡した事例があること
(1) 平成20年4月1日から民間企業長期研修として株式会社東芝で研修を行っていた58期の白石裕子裁判官は平成20年10月18日(土)午後2時頃,一人暮らしの官舎で死亡し,同月20日(月)の朝に発見されました「音萌の会会報」HPの「追悼文」参照)。
(2) 株式会社東芝での研修は平成20年度実施分が最後になりました。


4 民間企業の安全配慮義務
(1) 49期の石村智京都地裁判事が執筆した「労災民事訴訟に関する諸問題について」(-過労自殺に関する注意義務違反,安全配慮義務違反と相当因果関係を中心として-)を掲載している判例タイムズ1425号(平成28年7月25日発売)45頁には以下の記載があります。
   客観的業務過重性が認められる場合には,業務の過重性についての予見可能性と労働者の心身健康を損なう危険についての(抽象的)予見可能性さえあれば(使用者側は,客観的にみて過重な業務を課しているのであるから,通常は,これが否定されることはない。),義務違反及び相当因果関係が肯定される関係にあり,その意味で,この場合においては,精神障害の発症や自殺についての予見がないとの使用者側の主張については,ほぼ失当に近いことになる。しかも,電通事件最判や東芝事件最判の判示によれば,当事者側の事情が過失相殺ないしは素因減額とされる場面はかなり限定され,その適用範囲が審理の中心となるということになろう。
(2)ア ちなみに,大阪高裁平成27年1月22日判決(裁判長は30期の森宏司裁判官)は,
   平成19年「5月24日」,兵庫県龍野高校のテニス部の練習中に発生した高校2年生の女子の熱中症事故(当日の最高気温は27度)について,
   兵庫県に対し,「元金だけで」約2億3000万円の支払を命じ,平成27年12月15日に兵庫県の上告が棄却されました(CHRISTIAN TODAY HP「龍野高校・部活で熱中症,当時高2が寝たきりに 兵庫県に2億3千万円賠償命令確定」参照)。
   その結果,兵庫県は,平成27年12月24日,3億3985万5520円を被害者代理人と思われる弁護士の預金口座に支払いました兵庫県の情報公開文書を見れば分かります。)。
イ   大阪高裁平成27年1月22日判決を読む限り,高校側に何らかの法令違反があったわけではないにもかかわらず,過失相殺すら認められていません。
   また,厚生労働省HPの「職場での熱中症による死亡災害及び労働災害の発生状況(平成24年)」によれば,熱中症による死亡災害の月別発生状況(平成22~平成24年)は,6月が7件,7月が41件,8月が35件,9月が3件であり,5月は1件も発生していないにもかかわらず,兵庫県龍野高校のテニス部事故では,5月に発生した熱中症について予見可能性があると認定されました。
   そして,30期の森宏司裁判官(平成29年4月19日定年退官発令)は平成28年3月7日頃,大阪高裁民事上席裁判官に就任したことからすれば,安全配慮義務について厳格に考える裁判例は今後も継続すると思われます。
(3) 労災民事賠償マニュアルには以下の記載があります。
① 122頁の記載
   実は、我が国のように、労災補償制度と民事賠償請求を並存させる制度(荒木・労働法235頁)は、比較法的には多数派とはいえない。例えば、米国の多くの州や、フランスでは、労災に対して労災補償を受けられる場合には使用者に対する損害賠償請求を提起することができない(東大労研・注釈労基法931頁[岩村正彦])。そこで、使用者は、我が国における使用者側が労災認定を回避したがる傾向とは逆に、損害賠償からの免責を求めて、積極的に労災認定を受けるべく協力する行動に向かうことになる。
② 131頁の記載
   企業が従業員に対してなす法定内外の健康診断の充実により(安衛法66条以下、安衛則43条以下)、生活習慣病、精神疾患を含む様々な傷病が事前にチェックされるケースが増えているが、他方で、法令・判例により企業に課される健康配慮義務は、結果債務に近づきつつあるといわざるを得ないまでに高度化されつつあり、企業が労災認定や損害賠償責任を回避するためには(富国生命事件・東京地八王子支判平成12年11月9日労判805号95頁、富士電機E&C事件・名古屋地判平成18年1月18日労判918号65頁等)、診断結果のみならず、普段の業務遂行上から知り得た従業員の健康に関する情報に基づき相応な配慮が必要(石川島興業事件・神戸地姫路支判平成7年7月31日労判688号59頁、NTT東日本北海道支店事件・札幌高判平成18年7月20日労判922号5頁等)な状況となっている。


5 関連記事その他
(1) 自衛隊の航空機の機長が出張先から隊員を同乗させて自隊へ帰る途上,同機の位置の不確認等により正規の航空路を外れて航行するなど操縦者において航空法その他の法令等に基づき当然に負うべき通常の注意義務を怠つたことによつて同機を山腹に激突させ,同乗者を死亡させたとしても,それだけでは国に右同乗者に対する安全配慮義務違反があるということはできません(最高裁昭和58年12月9日判決)。
(2) 66期の西脇典子裁判官は令和3年4月1日からの1年間,民間企業長期研修として株式会社デンソーに派遣され,令和5年7月1日に愛知県弁護士会で弁護士登録をして(登録番号は64217),株式会社ジェイテクト(愛知県刈谷市朝日町1-1)に入社しましたところ,デンソーHPに「アイシン、アドヴィックス、ジェイテクト、デンソー、自動運転の普及に向けた統合制御ソフトウェア開発の合弁会社を設立」(2018年12月26日付)が載っています。
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判官研修実施計画
 裁判官の合同研修に関する説明文書
 裁判所職員総合研修所の研修実施計画等
 新任判事補研修の資料
 判事補基礎研究会の資料
 判事任官者研究会の資料
 弁護士任官者研究会の資料
 判事補及び検事の弁護士職務経験制度

検察審査会の情報公開

目次
第1 検察審査会の情報公開
第2 関連記事

第1 検察審査会の情報公開
・ 検察審査会の情報公開の根拠となっている,「検察審査会の保有する検察審査会行政文書の開示に関する事務の基本的取扱いについて」(平成13年3月20日付の最高裁判所刑事局長依命通達)の本文は以下のとおりです。
そのため,検察審査会における会議録及び選定録の様式等について(平成21年5月7日付の最高裁判所刑事局長通達)に基づき作成される,個別の審査事件に関する審査事件記録(例えば,審査事件会議録,供述調書及び実地見分調書)は対象外です。

1 定義
    この通達において「検察審査会行政文書」とは,検察審査会事務局の職員が職務上作成し,又は取得した検察審査会行政事務に関する文書であって,検察審査会事務局の職員が組織的に用いるものとして,検察審査会が保有しているものをいう。
2 開示の原則
    検察審査会事務局長は,検察審査会の保有する検察審査会行政文書の開示を求められた場合は,何人に対しても, 当該検察審査会行政文書を開示するものとする。ただし,次のいずれかに該当するときは, この限りではない。
(1) 法令に別段の定めがあるとき。
(2) 開示を求められた情報が,情報公開法第5条に定める不開示情報に相当するもの(審査事務の性質上,公にすることにより,その適正な執行に支障を及ぼすおそれのある情報を含む。)であるとき。
3 部分開示
(1) 開示を求められた検察審査会行政文書の一部に2の不開示情報が記録されている場合において, 当該不開示情報を容易に区分して除くことができるときは,当該部分を除いた部分につき開示するものとする。ただし, 当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは, この限りでない。
(2) 開示を求められた検察審査会行政文書に情報公開法第5条第1号の情報に相当するもの(特定の個人を職別することができるものに限る。)が記録されている場合において, 当該情報のうち,氏名,生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより,公にしても,個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは,当該部分を除いた部分は,同号の情報に相当するものには当たらないものとみなして, (1)に定めるところによる。
4 公益上の理由により開示を行う場合
    開示を求められた検察審査会行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても,公益上特に必要があると認めるときは,開示を求める者に対し,当該検察審査会行政文書を開示することができる。
5 検察審査会行政文書の存否に関する情報
    開示を求められた検察審査会行政文書が存在しているか否かを答えるだけで,不開示情報を開示することとなるときは,当該検察審査会行政文書の存否を明らかにしないで,開示しないことができる。
6 開示の手続等
(1) 検察審査会行政文書の開示を求める者に対しては,その者の氏名及び連絡先,開示を求める検察審査会行政文書の名称等検察審査会行政文書を特定するに足りる事項を記載した書面の提出を求める。
(2) 検察審査会行政文書の開示を求める者が文書の特定のための情報の提供を求める場合は,参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
7 開示の申出に対する対応
(1) 開示を求められた検察審査会行政文書の全部を開示する場合には,開示を求める者に対し,その旨を開示の日時,場所及び方法とともに,適宜の方法で連絡する。
(2) 開示を求められた検察審査会行政文書の全部又は一部を開示しない場合には,開示を求める者に対し,書面でその旨を連絡する。当該書面には,開示しない理由を簡潔に付記するものとする。
(3)  (1)又は(2)の連絡は,開示の申出のあった日から原則として30日以内に行うものとする。
8 第三者に対する意見聴取
(1) 開示を求められた検察審査会行政文書に検察審査会以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合において, 2に定める不開示情報に該当する事由の存否に疑義があるときは,当該第三者に対し,開示についての意見を求めるものとする。
(2) (1)により意見を求められた第三者から当該検察審査会行政文書の開示に反対する意見が提出されたにもかかわらず, これを開示するときは,開示に先立ち,その旨を第三者に通知するものとする。
9 開示の実施
(1) 検察審査会行政文書の開示は,閲覧をさせ,又は写しの交付を求める者に自らの費用で謄写をさせることにより, これを行う。ただし,閲覧の方法による場合において, 当該文書の保存に支障を生じるおそれがあると認めるとき,その他正当な理由があるときは,その写しにより, これを行う。
(2) 開示を求められた検察審査会行政文書の開示より別の検察審査会行政文書の提示又は情報の提供をする方が開示を求める者の目的に沿うと認められる場合, これらの文書又は情報をもって開示の対象とすることができる。
(3) 開示の実施は,検察審査会行政文書の全部又は一部を開示する旨の連絡があった日から原則として30日以内に行うものとする。ただし,開示の準備により事務に支障を生じるおそれがあると認めるときは, この限りでない。

付記
   この通達は,平成13年4月1日から実施する。

第2 関連記事
・ 大阪高裁管内の検察審査会の統計報告書(月報及び年報)
・ 加害者の不起訴処分を争う検察審査会
・ 検察審査会の事件の処理状況

大阪高裁管内の検察審査会の統計報告書(月報及び年報)

目次
第1 大阪高裁管内の検察審査会の統計報告書
1 大阪地裁管内の検察審査会の審査・建議勧告事件月報(別紙様式第1)
2 大阪高裁管内の検察審査会の既済事件内容別年報(別紙様式第3)
3 大阪高裁管内の検察審査会の起訴相当事件等事後措置年報(別紙様式第4)
4 大阪高裁管内の検察審査会の審査事件罪名別新受・既済年報(別紙様式第5)
第2 関連記事その他

第1 大阪高裁管内の検察審査会の統計報告書
1 大阪地裁管内の検察審査会の審査・建議勧告事件月報(別紙様式第1)
(令和時代)
令和元年令和2年令和3年令和4年令和5年
令和6年
(平成時代)
平成26年平成27年平成28年平成29年平成30年
* 「大阪地裁管内の検察審査会の審査・建議勧告事件月報(令和4年分)」といったファイル名です。

2 大阪高裁管内の検察審査会の既済事件手続別年報(別紙様式第2)
(令和時代)
令和元年令和2年令和3年令和4年令和5年
令和6年
* 「大阪高裁管内の検察審査会の既済事件手続別年報(令和5年分)」といったファイル名です。

3 大阪高裁管内の検察審査会の既済事件内容別年報(別紙様式3)
(令和時代)
令和元年令和2年令和3年令和4年令和5年
令和6年
(平成時代)
平成25年平成26年平成27年平成28年
平成29年平成30年
*1 「大阪高裁管内の検察審査会の既済事件内容別年報(令和4年分)」といったファイル名です。
*2 令和元年分から「既済事件内容別年報」となっていますし,別紙様式第3となっています。

4 大阪高裁管内の検察審査会の起訴相当事件等事後措置年報(別紙様式第4)
(令和時代)
令和元年令和2年令和3年令和4年令和5年
令和6年
(平成時代)
平成22年平成23年平成24年平成25年平成26年
平成27年平成28年平成29年平成30年
*1 「大阪高裁管内の検察審査会の起訴相当事件等事後措置年報(令和4年分)」といったファイル名です。
*2 令和3年分から,「別紙様式第4」となっています。

5 大阪高裁管内の検察審査会の審査事件罪名別新受・既済年報(別紙様式第5)
(令和時代)
令和元年令和2年令和3年令和4年令和5年
令和6年
(平成時代)
平成22年平成23年平成24年平成25年平成26年
平成27年平成28年平成29年平成30年
* 「大阪高裁管内の検察審査会の審査事件罪名別新受・既済年報(令和4年分)」といったファイル名です。
第2 関連記事その他
1 裁判所HPに「検察審査会制度Q&A」が載っています。
2 被害者ないし告訴人は,捜査機関による捜査が適正を欠くこと又は検察官の不起訴処分の違法を理由として、国家賠償法の規定に基づく損害賠償請求をすることはできません(最高裁平成2年2月20日判決。なお,先例として,最高裁大法廷昭和27年12月24日判決参照)。
3 以下の資料を掲載しています。
・ 検察審査会事務局職員の事務について(最高裁判所事務総局刑事局)
 検察審査会関係の統計報告について(平成20年12月26日付の最高裁判所刑事局長通達)
→ 検察審査会の統計報告書のほか,審査事件表の書式を定めています。
・ 検察審査会において起訴相当又は不起訴不当の議決のあった事件等の処理について(平成21年5月14日付の大阪高検検事長通達)
・ 検察審査会において起訴相当又は不起訴不当の議決のあった事件等の取扱いについて(平成21年5月14日付の大阪高検次席検事の依命通達)
・ 検察審査会の起訴相当・不起訴不当の議決を経て起訴した事件等調べ等→検察月報660号(平成24年3月)からの抜粋
・ 勾留及び保釈に関する統計文書(令和4年8月の開示文書)
4 以下の記事も参照してください。
・ 加害者の不起訴処分を争う検察審査会
 検察審査会の事件の処理状況
 検察審査会の情報公開

調停委員協議会の資料

目次
1 調停委員協議会の資料
◯令和5年5月25日開催分
◯令和4年5月26日開催分
◯令和3年5月27日開催分
◯令和2年10月の開催はなし。
◯令和元年10月24日開催分
◯平成30年10月18日開催分
◯平成29年10月19日開催分
2 関連記事その他

* 「調停運営協議会の資料」も参照してください。

1 調停委員協議会の資料
* 「令和3年5月27日開催の調停委員協議会 机上配布資料」及び「令和3年5月27日開催の調停委員協議会 協議結果要旨」といったファイル名です。
◯令和6年5月30日開催分
・ 机上配布資料
・ 協議結果要旨
◯令和5年5月25日開催分
・ 机上配布資料
・ 協議結果要旨
◯令和4年5月26日開催分
・ 机上配布資料
・ 協議結果要旨
◯令和3年5月27日開催分
・ 机上配布資料
・ 協議結果要旨
*1 民事調停関係の協議問題
    審理期間の長期化傾向及び成立率の減少傾向といった民事調停が直面している課題の原因は,どのような点にあると考えられるか。その原因を踏まえると,当事者から必要な情報を聴取することや当事者等を調整,説得する役割を担う調停委員は,充実した調停運営を実現するために,どのような技能を,どのような方策により習得すべきか。
*2 家事調停関係の協議問題
    新型コロナウイルス感染症の感染拡大を一つの契機として,各庁においては,今後の調停運営の在り方について,現状の調停運営を当然のものとすることなく,調停の本質・利点に立ち返った上で根本から見直し,今の時代や利用者のニーズに即したより良いものに改善していくことを目指して,検討と実践が積み重ねられているところである(以下「本取組」という。)そこで,本協議会では,調停委員の主たる役割である事情聴取・調整を切り口として,調停の本質・利点を維持しつつ,利用者のニーズを反映した,より合理的かつ充実した調停運営を実現するために調停委員が果たすべき役割について競技したい。

◯令和2年10月の開催はなし。

◯令和元年10月24日開催分
・ 机上配布資料
・ 議事要旨
*1 民事調停関係の協議問題
    充実した調停運営を実現するためには,一人一人の調停委員が, 自己研さんはもとより, OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)や各種研修等を通じて,自らの技能の向上を図ることが重要である。そこで,各庁における調停委員のOJT,各種研修等の実情や工夫例を伺い,それを踏まえて,より効果的なOJTの在り方や現行の各種研修等の問題点,改善策について協議したい。
*2 家事調停関係の協議問題(序文は省略しています。)。
(1) 面会交流事件において,当事者や子の心情や状況を把握する際に意識すべき点や留意すべき点は何か。また,意識すべき点や留意すべき点は,調停の段階に応じてどのように変化するか。
(2) 面会交流事件の事情聴取に当たり,調停委員は,裁判官及び家裁調査官とどのように役割分担を行い,どのように連携することが望ましいか。

調停委員協議会日程(令和元年10月24日開催分)

○平成30年10月18日開催分
・ 机上配付資料
・ 協議問題及び協議結果要旨
*1 民事調停関係の協議問題
    事実関係や法的評価に争いがある事案においては,法的観点に立って,紛争の背景事情や関連事実を丁寧に事情聴取し,迅速で公平な紛争解決を得ることが重要であると考えられるが,そのためには,調停委員が調停主任と評議を行い連携と役割分担を効果的に行うことが必要と思われる。そこで,各庁における評議を効果的に行うための取組や工夫例,あるいはこれからの課題について伺いたい。
*2 家事調停関係の協議問題(序文は省略しています。)。
(1) いかなる段階において, どのような場面で,何のための評議を実施しているのか,あるいは評議すべきであったのに実施できていないのか。
    例えば,面会交流調停事件については,家庭裁判所調査官の活用の要否を含め,適時適切に評議できているか。
    また,遺産分割調停事件については,いわゆる段階的進行モデルを踏まえつつ,感情的対立が激化する要因(前提問題,付随問題,寄与分,特別受益等)に関する調停運営方針を含め,適時適切に評議できているか。
(2) 効果的かつ効率的な評議の実施を目的として,調停委員会として評議の要否につき共通認識を持ち,裁判官に対して評議の促しをするため, どのような工夫をしているか。
    例えば,調停委員手控えの活用,対面評議と書面評議の使い分け,評議希望の効率的な伝達方法等についてはどうか。
(3) 裁判官との評議について, どのような場面において,認識の共有が難しいと感じることがあるか。あるとして,それを克服するためにいかなる工夫等をしているか。
    例えば,事件類型に応じて評議を要すると想定される段階,場面を整理するなどして,裁判官と共通認識を図ることができているか。また,何のための評議かを端的に裁判官に伝えるための工夫としてはどのようなものがあるか。


○平成29年10月19日開催分
・ 机上配付資料(資料7の2頁目以降は除く。)
*1 民事調停関係の協議問題
    調停委員会による解決案の策定, 当事者に対する提示等について,以下の各点に関する各庁の実情や工夫例及び御意見を伺いたい。
(1) 解決案の策定について, その策定時期,策定に当たって考慮すべき事項,事情聴取等によって得た情報の共有・活用の方法
(2) 当事者に対する提示について,解決案の効果的な説明方法,その後の説得調整の方法
(3) 解決案の策定・提示における調停委員と調停主任との連携及び役割分担の在り方
(4) 解決案について合意が得られず調停が成立に至らなかった場合の調停に代わる決定の活用状況及び積極的活用のための方策
*2 家事調停関係の協議問題(序文は省略しています。)。
(1) 合意形成の場面において,調停委員による当事者に対する働き掛けとして,調停運営上どのような工夫(裁判官との評議の持ち方,調停不成立となった後の手続における審理,結論の見通しの伝え方, 当事者が特にこだわりをもった感情面を含めた事項への対応,手続代理人と連携した働き掛け等における工夫)をしているのか。
(2) 面会交流事件については,合意した内容に対する当事者の納得性.信頼性が,調停成立後の面会交流の実現に大きく影響する一方,対立が先鋭化して当事者への働き掛けが困難な事案も多いことから,面会交流事件について,特にどのような工夫をしているのか。
    合意形成に先立ち, まずは当事者に面会交流の意義等を理解してもらうための働き掛けも重要と考えられるが, その工夫として, リーフレットやDVDといったツールはどのようなものが活用されているのか, また, これ以外の働き掛けの工夫があるのか。

2 関連記事その他
(1) 児童の権利に関する条約9条1項は以下のとおりです。
     締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。このような決定は、父母が児童を虐待し若しくは放置する場合又は父母が別居しており児童の居住地を決定しなければならない場合のような特定の場合において必要となることがある。
(2) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所が作成している事件数データ
→ 調停委員協議会の配布資料に含まれている調停事件統計資料を掲載しています。
・ 調停委員
・ 民事調停委員及び家事調停委員に対する表彰制度
・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 勲章受章者名簿(裁判官,簡裁判事,一般職,弁護士及び調停委員)

民事事件担当裁判官の協議会及び事務打合せの資料

目次
1 民事事件担当裁判官の協議会及び事務打合せの資料
令和6年度分(事務打合せ)
令和5年度分(事務打合せ)
令和4年度分(事務打合せ)
令和3年度分(協議会)
令和2年度分
◯協議会
◯ウェブ会議の方法による事務打合せ
令和元年度分(開催なし。)
平成30年度分(事務打合せ)
平成29年度分(協議会)
平成28年度分(協議会)
平成27年度分(事務打合せ)
平成26年度分(協議会)
2 関連記事その他

1 民事事件担当裁判官の協議会及び事務打合せの資料
* 「令和5年度民事事件担当裁判官等事務打合せ(令和5年9月)協議結果要旨」といったファイル名で掲載しています。
令和6年度分(事務打合せ)
・ 協議結果要旨(令和6年10月)
→ アンケート結果が含まれています。
令和5年度分(事務打合せ)
・ 協議結果要旨(令和5年9月)
・ 協議結果要旨(令和6年2月)
令和4年度分(事務打合せ)
・ 協議結果要旨(令和4年9月)
→ 統計資料が含まれています。
・ 協議結果要旨その1(令和5年2月)
→ 改正民事民事訴訟法に関する事項です。
・ 協議結果要旨その2(令和5年2月)
→ 審理運営改善に関する事項です。
令和3年度分(協議会)
(1) 資料は以下のとおりです。
・ 協議結果要旨(資料編を含む。)
(2) 協議事項は以下のとおりです。
① 現在の民事訴訟をめぐる課題及びこれを踏まえた改善の方向性について
② 民事訴訟の審理運営の改善のための具体的な取組について
③ 民事訴訟の審理運営の改善のための取組を共有するための方策について
令和2年度分
◯協議会
(1) 資料は以下のとおりです。
・ 協議結果要旨(資料編を含む。)
(2) 協議事項は以下のとおりです。
① 争点整理の基本的在り方についての議論状況及びこれを踏まえて各庁において取り組むべき課題
② 充実した審理判断を行うための現行法上の諸規定の活用や実務上の工夫等
◯ウェブ会議の方法による事務打合せ
(1) 資料は以下のとおりです。
・ 協議結果要旨
(2) 協議事項は以下のとおりです。
① ウェブ会議等のITツールを活用した争点整理の運用を円滑に進め,争点整理の更なる質の向上を図るために検討すべき事項(フェーズ1関係)
② IT化後の書記官事務の検討の中で見えてきた現在の書記官事務の課題等について
③ IT化に伴う民事訴訟法等の改正等における課題及びこれに関連して検討すべき事項(フェーズ2,フェーズ3関係)
(3) 中央協議会としてウェブ会議の方法により開催されたものです。

令和元年度分(協議会)
(1) 資料は以下のとおりです。
・ 協議結果要旨
・ 事前アンケート結果
(2) 協議事項は以下のとおりです。
① 争点中心型の審理を実践し,裁判の質を高めるために庁として取り組むべき課題
② 民事訴訟手続のIT化を見据えつつ,現行法の下で審理運営の改善を図るための方策
③ ウェブ会議等のITツールを活用して充実した争点整理を行うために留意すべき事項(フェーズⅠ関係)

平成30年度分(事務打合せ)
(1) 資料は以下のとおりです。
・ 開催案内
・ 事前アンケート結果等
・ 地方裁判所における民事訴訟の合議の在り方に関する研究報告書概要(案)等
(2) 協議事項は以下のとおりです。
① 民事訴訟手続のIT化を通じ,裁判の質を向上させるために庁として取り組むべき課題
② 合議体による審理の充実・活用を全庁的に進め,裁判の質を向上させるために庁として取り組むべき課題
(3) 中央協議会として最高裁判所で開催されたものです。

平成29年度分(協議会)
(1) 資料は以下のとおりです。
・ 1/3
・ 2/3
・ 3/3
・ 協議結果要旨
(2) 協議事項は以下のとおりです。
① 合議体による審理の充実・活用を図り,裁判の質を高めるために庁として取り組むべき課題
② 単独事件において争点中心型の充実した審理を行い,裁判の質を高めるために庁として取り組むべき課題
③ 改正債権法に対応し,裁判の質を高めるために庁として取り組むべき課題
(3) ブロック協議会として開催されたものです。

平成28年度分(協議会)
(1) 資料は以下のとおりです。
・ 開催案内等
・ 協議結果要旨
・ 論点事項,統計資料等
・ 事前アンケート結果その1その2
・ 民事訴訟の審理等についての弁護士会との協議会の状況 等
(2) 協議事項は以下のとおりです。
① 審理判断の状況等を客観的に把握して裁判の質を高める方策
② 争点整理において裁判所が果たすべき役割とそれに見合った審理の在り方
(3) 掲載資料は中央協議会として開催されたものでありますところ,この年度は別途,ブロック協議会が高裁単位で開催されています。


平成27年度分(事務打合せ)
(1) 資料は以下のとおりです。
・ 開催案内招集通達出席者名簿
・ 協議結果要旨の本文
・ 協議結果要旨の資料1/32/3及び3/3
→ 資料5及び資料12は判例タイムズの記事ですから,省略しています。
(2) 協議事項は以下のとおりです。
① 右陪席裁判官から見た部の機能の活性化
② 争点整理の在り方

平成26年度分(協議会)
(1) 資料は以下のとおりです。
・ 協議内容,統計資料等
・ 事前アンケート結果
・ 協議結果要旨の本文
・ 協議結果要旨の資料1/2
・ 協議結果要旨の資料2/2
(2) 協議事項は以下のとおりです。
① 部の機能の活性化の意義,合議の意義・目的
② 複雑困難訴訟における判断の質の確保(合議の充実・活用)
③ 単独事件の審理運営改善,判断の質の確保
(3) ブロック協議会として開催されたものです。

2 関連記事その他
(1)ア 裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第8回)(令和元年7月19日公表)72頁ないし80頁に「2 民事第一審訴訟事件に係る実情調査の概要と検証」が載っていますところ,73頁によれば,ノン・コミットメントルールとは,「暫定的な発言は撤回可能なものとし,裁判所は当該発言をもって心証形成することはなく,相手方も当該発言を準備書面で引用するなどしないということ。」をいうとしています。
イ 令和2年度民事事件担当裁判官等協議会の協議結果要旨(資料編を含む。)には以下の記載があります(リンク先のPDF14頁)。
    ノンコミットメントルールが極めて重要であり,弁護士会との意見交換でも反対する意見は聞いたことがない。裁判官が率直な意見を伝えて,それに関する説明があれば結論が変わり得ると説明すると,準備書面に記載のない事情も出てくる。そのような議論の中には重要な主張,そうでない主張のいずれもあるが,ノンコミットメントルールを徹底すると,当事者から率直な話を引き出すことができる。しかしながら,
現状ノンコミットメントルールは十分に浸透しているとはいえないので,今後しっかりと浸透を図っていく必要がある。
(2) 以下の記事も参照して下さい。
 裁判所の協議会等開催計画
・ 民事執行事件担当者等の協議会及び事務打合せの資料

平成11年11月までの弁護士任官の状況

目次
1 総論
2 矢口構想弁護士任官
3 中坊・川嵜弁護士任官
4 関連記事その他

1 総論
・ 首相官邸HPの「法曹一元について(参考説明)」(平成12年4月25日付)には以下の記載があります。

(3) 弁護士からの任官(資料4-1、4-2)
ア 昭和63年以前の状況

 戦前の昭和13年から15年にかけて、約200人の弁護士が判事、検事に任官した。また、戦後施行された裁判所法では、わが国の判事任命資格について、10年間判事補の職にあった者のみならず、10年以上弁護士、検察官、法律学者としての経験を有する者にも認めているが、現行制度発足当時の昭和23年から24年にかけて約100人の弁護士が裁判官に任官した。
 しかし、昭和30年代を境に、弁護士からの任官者が減少し、判事は、司法研修所終了後直ちに判事補に採用され、判事補として10年在職した者から任命されるのが通例であり、10年の任期を終えた判事補は、大部分が判事に任命されるのが現実となり、わが国の裁判官任用制度は、その運用の実際においてキャリア・システムであった。
イ いわゆる「弁護士任官制度」の導入
 昭和63年3月、最高裁判所は、裁判所として社会の高度化、それに伴う紛争の複雑・多様化に対応するためには、裁判官に多様な経験を有する者がいることが望ましいとして、「判事選考要領」(旧要領)を定めて、経験年数15年以上、年齢55歳未満の弁護士から毎年20名程度の判事を採用する、との方針を打ち出し、平成3年9月には、従来の「判事選考要領」を改正して新しく「裁判官選考要領」(新要領)を定め、「5年以上弁護士の職にあり、裁判官として少なくとも5年程度は勤務しうる者であって、年齢55歳位までのもの」を選考対象とし、日弁連を通じて任官希望者を募ることとなった。初任地は、本人の希望、家族状況、充員状況等を考慮して決定し、その後は、同期の裁判官の例に準じて異動を行う。ただし、15年以上弁護士の職にあった者については、本人の希望により、住居地又はその周辺の裁判所を任地とするものとされている。
 なお、これまで、このいわゆる弁護士任官制度で裁判官に任官したのは、平成11年11月1日現在で46人である。

2 矢口構想弁護士任官
 「判事選考要領」(昭和63年3月)については,当時の高輪1期の矢口洪一最高裁長官の名を取って「矢口構想弁護士任官」と呼ばれたところ,この制度による判事任官者は4年間で8名でした(裁判所HP掲載文書参照)。

3 中坊・川嵜弁護士任官
(1) 「弁護士からの裁判官選考要領」(平成3年9月12日付)については,当時の中坊公平日弁連会長と8期の川嵜義徳最高裁事務総長の名を冠して「中坊・川嵜弁護士任官」と呼ばれたところ,この制度による裁判官任官者は平成14年8月までで51名でした。
(2) 日弁連は,平成3年10月18日,「弁護士任官の発足にあたって」を発表しました。

4 関連記事その他
(1) 「弁護士任官のすすめ―多元的裁判官制度へ」の「刊行にあたって」が参考になります。
(2) 東弁リブラ2018年11月号に「追悼 髙木新二郎先生の業績─弁護士任官者の先駆けとして」が載っていて,東弁リブラ2019年2月号に「1988 年に弁護士から裁判官に任官した第1 号--迷いに迷った半年間」(筆者は2018年8月19日に82歳で死亡した15期の高木新次郎弁護士です。)が載っています。
(3) 現在の弁護士任官に関する運用は,「弁護士任官等に関する協議の取りまとめ」(平成13年12月7日付)で定められています。
(4) 自由と正義2010年8月号22頁ないし24頁に「裁判所からみた弁護士任官制度」(筆者は45期の氏本厚司最高裁判所総務局第一課長)が載っています。
(5) 以下の記事も参照してください。
・ 弁護士任官者研究会の資料
・ 我が国の裁判官制度に関する,平成12年4月当時の説明
 平成13年2月当時の,弁護士任官に対する最高裁判所の考え方
 弁護士任官等に関する協議の取りまとめ(平成13年12月7日付)
・ 弁護士任官候補者に関する下級裁判所裁判官指名諮問委員会の答申状況

上田哲裁判官(40期)の経歴

生年月日 S32.12.19
出身大学 東大
退官時の年齢 63歳
R3.2.28 依願退官
H31.3.1 ~ R3.2.27 仙台高裁3民部総括
H30.4.1 ~ H31.2.28 東京高裁8民判事
H27.4.13 ~ H30.3.31 東京地裁37民部総括
H27.4.1 ~ H27.4.12 東京地裁判事
H24.4.1 ~ H27.3.31 名古屋地裁6民部総括
H21.4.1 ~ H24.3.31 東京地裁13民判事
H18.4.1 ~ H21.3.31 千葉地家裁判事
H14.8.1 ~ H18.3.31 最高裁調査官
H10.4.12 ~ H14.7.31 東京地裁判事
H9.4.1 ~ H10.4.11 東京地裁判事補
H6.4.1 ~ H9.3.31 金沢地家裁七尾支部判事補
H4.7.1 ~ H6.3.31 東京地裁判事補
H2.4.1 ~ H4.6.30 最高裁刑事局付
S63.4.12 ~ H2.3.31 東京地裁判事補

*0 令和3年4月1日現在,東京法務局所属の池袋公証役場の公証人になりました。
*1 以下の記事も参照してください。
・ 公証人の任命状況(2019年5月1日以降)→公証人への任命直前の,元裁判官,元検事等の経歴を記載したもの
・ 高裁の部総括判事の位置付け
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 最高裁判所調査官
・ 最高裁判所判例解説
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部
・ 原子力損害賠償の状況,中国残留邦人等への支援,被災者生活再建支援制度等
 ドイツの戦後補償
*2 東京地裁平成13年3月28日判決(約43万字あります。)(担当裁判官は26期の永井敏雄,40期の上田哲及び51期の中川正隆)は,薬害エイズ事件に関して業務上過失致死罪に問われていた安部英(事件当時,帝京大学医学部長)に対し,無罪判決を言い渡しました(MERSネットワークHP「安部英医師に対する無罪判決について考える」参照)。
    その後の控訴審は平成16年2月23日の公判停止決定を経て,平成17年4月25日の安部英の死亡に伴い公訴棄却となりました。
*3 外部ブログの「認知症男性、線路内列車接触事故で死亡 電車遅れで遺族に損賠命令 720万円 9日名古屋地裁判決上田哲裁判長」(2013年8月11日付)には,名古屋地裁平成25年8月10日判決(裁判長は上田哲裁判官)(長男の賠償責任は名古屋高裁平成26年4月24日判決で取り消され,妻の賠償責任は最高裁平成28年3月1日判決で取り消されました。)に関する当時の日経新聞HPの記事の引用として以下の記載があります。
    認知症の男性(当時91)が線路内に立ち入り電車と接触した死亡事故で、家族らの安全対策が不十分だったとして、JR東海が遺族らに列車が遅れたことに関する損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(上田哲裁判長)は9日、男性の妻と長男に請求全額にあたる約720万円を支払うよう命じた。
    判決によると、男性は2007年12月、愛知県大府市のJR共和駅の線路に入り、東海道本線の列車と衝突して死亡。男性は同年の2月に「常に介護が必要」とされる「認知症高齢者自立度4」と診断されていた。
    上田裁判長は、同居していた妻が目を離した隙に男性が外出し、事故が発生したとして「妻には見守りを怠った過失がある」と認定。別居している長男についても「事実上の監督者」とし、「徘徊(はいかい)を防止する適切な措置を講じていなかった」とした。
    男性の家族らは、妻は事故当時85歳で、常時監視することが不可能だったなどと主張。しかし上田裁判長は、介護ヘルパーを依頼するなどの措置をとらなかったと指摘。「男性の介護体制は、介護者が常に目を離さないことが前提となっており、過失の責任は免れない」とした。

*4の1 福島第一原発事故につき,国と東電の責任を認めて賠償を命じた仙台高裁令和2年9月30日判決の裁判長です(生業訴訟・原告弁護団HP「『生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!』福島原発事故訴訟の仙台高裁第二審が令和2年9月30日午後2時00分に判決がありました。勝訴しました。」参照)。
*4の2 東京電力HPの「賠償金のお支払い状況」によれば,2020年9月25日現在,本賠償の金額が約9兆4084億円であり,仮払補償金が約1532億円であり,合計9兆5616億円です。
*4の3 日経新聞HPの「原発事故の賠償、4人世帯で9000万円 東電が実績公表」(平成25年10月26日付)には,「文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会は25日、東京電力福島第1原子力発電所の事故の賠償実績を公表した。東電が帰還困難区域の住民に支払った額は4人世帯で平均9000万円だった。」などと書いてあります。
*4の4 ちなみに,Wikipediaの「第二次世界大戦後におけるドイツの戦後補償」には,「ドイツ連邦共和国が行った補償総額は、2009年時点で671億1800万ユーロに達する。」と書いてあります。
    七十七銀行HPに「ユーロ対円相場(仲値)一覧表 (2009年)」が載っていますところ,1ユーロ130円とした場合,ドイツの補償総額は8兆7253億4000万円となります。