第1 この記事の対象と結論
本記事は,令和7年司法試験の論文式試験のうち,選択科目の国際関係法(私法系)第1問を対象として,法務省が公表した「出題の趣旨」及び「採点実感」から答案の評価項目を抽出し,5段階で重み付けをした上で,それらの評価項目を満たす模範解答を示すものである。
評価項目と重みは公式資料から本記事が独自に抽出・評価したものであり,法務省の採点基準や配点ではない。
本問は,甲国法人Y社に雇われ,入社1年後から日本で働いている甲国人Xが,乙国への出張中の交通事故について損害賠償を求める事案であり,〔設問1〕では,外国の裁判所を専属的に指定した管轄合意(①条項)がある場合の日本の国際裁判管轄権と,準拠法を甲国法とする合意(②条項)がある場合の労働契約法5条の適用の可否を,〔設問2〕では,乙国で起きた交通事故についての使用者責任の準拠法を問うている。
答案の結論は,〔設問1〕〔小問1〕では①条項は民事訴訟法3条の7第6項により効力がなく,日本の国際裁判管轄権が認められる,〔小問2〕では法の適用に関する通則法12条1項により労働契約法5条も適用されるからY社の主張は認められない,〔設問2〕では乙国法が適用され,同法22条により日本法も累積的に適用される,というものである(〔設問2〕の結論は,公式資料が結論を指定していない許容分岐である)。
公式資料から抽出できた評価項目は30項目であり,重み5(答案の骨格又は採点実感が評価の分かれ目とした事項)に当たるのは,〔小問1〕で管轄合意の効力と管轄原因の2点を論じること,〔小問2〕で労務提供地の変更と短期出張中の出来事を踏まえて労務提供地を解釈すること,〔設問2〕で通則法17条の「結果」の意味を理由付けして示すこと及び規範を示さずに事情を羅列しないことの4項目である。
第5の模範解答は,論文式答案で広く使われてきた型(問題提起,規範の定立,当てはめ及び結論の順に書く型)で,2,500字以内にまとめて示し,その後に出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説を付けている。
法令は試験の実施日(令和7年7月16日)当時のものによっている。
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方
評価項目は,本問の出題の趣旨(国際関係法(私法系)第1問の部分)又は採点実感(同)の記述から抜き出したものに限り,一つの項目に一つの判定対象だけを入れ,答案に何が書かれていれば満たすのかが分かる形に言い換えた。
各項目には,出題の趣旨と採点実感のどこに根拠があるかを,PDFの頁と見出し(採点実感の「3⑴ア」は「3 採点実感等」の「⑴[第1問]について」のアを指す。)で示し,一方の資料に記載がない場合は「記載なし」と表示した。
「記載なし」は,両資料の第1問に関する部分を全て読んだ上で記載がなかったことを示す。
公式資料の文章は,評価の強さを示す短い語句を除いて引用せず,根拠となる記述の趣旨を要約して示している。
採点実感が誤りや無用な論述として指摘した事項は,「〜しない」の形の項目(番号9〜11・22・29)にした。
2 5段階の重み付けの基準
重みは,公式資料の書きぶりの強さから本記事が付けたものであり,法務省の配点ではない。
①重み5:採点実感が「それほど多くはなかった」「かなり見られた」「多くの答案は…羅列…にとどまっていた」等と指摘して評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの
②重み4:出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項(多くの答案の到達や不足として取り上げた場合を含む。)
③重み3:どちらか一方が明示する中核の理由付け
④重み2:一方が軽い表現で触れる補強の事項,又は典型的な誤りとして指摘された事項
⑤重み1:一方が控えめに触れるだけの事項
必須の事項,高く評価される事項,誤りの回避及び許容される別の構成は,重みとは別の区分であり,重み5の事項でも全ての答案に同じ形で求められるとは限らない。
例えば,番号8は管轄原因を先に論じる答案についての事項であり,番号28は〔設問2〕の例外条項を趣旨から解釈する答案についての事項である。
第3 本問の概要
甲国人Xは,甲国法人Y社と労働契約を結び,その契約書には,①一切の紛争を甲国の裁判所だけで解決する旨の条項(①条項)と,②準拠法を甲国法とする旨の条項(②条項)があった。
Xは,入社後は甲国のY社の主たる営業所から日本法人A社のシステムの業務に遠隔で従事していたが,入社1年後にY社の命令で日本に赴任し,以後7年間ほど日本で生活しながら,A社の日本のシステムの保守等に従事し,A社乙国支店のシステムの保守にも日本から遠隔で従事して,年に数度,短期間で甲国や乙国に出張していた。
給与は甲国の銀行のX名義の口座に振り込まれていた。
連日の深夜勤務の後,Y社の命令で深夜便により乙国へ出張したXは,乙国の空港からA社乙国支店に向かう途中で交通事故に遭って大けがをし,乙国の病院で応急処置を受けた後,自らの希望で日本の病院で手術と治療を受けた。
〔設問1〕では,X自身が運転して事故を起こしたことを前提に,XがY社の安全配慮義務(労働契約法5条)違反を理由として日本の裁判所に損害賠償を求め,〔小問1〕でY社が①条項を援用して訴えの却下を求め,〔小問2〕でY社が②条項を援用して労働契約法5条は適用されないと主張する。
なお,甲国法と乙国法は,いずれも,被用者が雇用主に安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求をすることができない旨を定めている。
〔設問2〕では,A社乙国支店の従業員C(出生以来,乙国に居住)の運転操作の誤りで事故が起きたことを前提に,XがA社の使用者責任を主張して日本の裁判所に損害賠償を求め,日本の国際裁判管轄権を前提に,請求にいずれの国の法が適用されるかが問われる。
〔設問1〕と〔設問2〕は独立した問いである。
第4 評価項目と重み
1 〔設問1〕〔小問1〕(国際裁判管轄)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ①条項が将来において生ずる個別労働関係民事紛争を対象とする管轄合意であるとして,民訴法3条の7第6項の要件を検討する | 4 | 40頁(〔小問1〕):本件管轄合意は3条の7第6項の将来の個別労働関係民事紛争を対象とする合意とする | 41頁(3⑴ア):多くの答案が第6項の要件を検討したが,丁寧な当てはめのない答案も散見とする |
| 2 | ①条項は労働契約の終了時にされた合意ではないから,同項1号の要件を満たさないと当てはめる | 4 | 40頁(〔小問1〕):終了時の合意でないから同項1号を満たさないとする | 41頁(3⑴ア):同項各号のいずれにも該当しないことの摘示を取り上げる |
| 3 | 労働者が合意された国の裁判所に訴えを提起していないから同項2号の要件も満たさず,①条項の効力は認められないとして,Y社の妨訴抗弁を退ける | 4 | 40頁(〔小問1〕):労働者が合意国で提訴していないから2号も満たさず,Yの主張は認められないとする | 41頁(3⑴ア):妨訴抗弁は認められないとの結論までの検討を取り上げる |
| 4 | ①条項の効力の否定で止めず,本件訴えについて日本の裁判所の国際裁判管轄権が肯定されるか(管轄原因)も検討し,(a)管轄合意と(b)管轄原因の2点を論じる | 5 | 40頁(〔小問1〕):「次に」管轄権が認められるかを問題とする | 41頁(3⑴ア):合意の効力と管轄権の肯否の「2点が論点」とし,後者を検討しない答案を指摘 |
| 5 | 本件訴えが個別労働関係民事紛争に関する労働者から事業主に対する訴えであることを示し,民訴法3条の4第2項を適用する | 4 | 40頁(〔小問1〕):労働者から使用者への訴えだから3条の4第2項の適用があるとする | 41頁(3⑴ア):多くの答案が3条の4第2項を取り上げたとする |
| 6 | 同項の要件を漏れなく当てはめ,労務の提供の地が日本国内にあることを示す | 4 | 40頁(〔小問1〕):労務の提供の地が日本国内にあるから管轄が肯定されるとする | 41頁(3⑴ア):同項の要件の一部に言及しない答案を指摘 |
| 7 | 特別の事情(民訴法3条の9)が認められないことを検討する | 4 | 40頁(〔小問1〕):特別の事情(3条の9)は特に認められないとする | 41頁(3⑴ア):3条の9に全く触れない答案を指摘 |
| 8 | 管轄原因(b)を管轄合意(a)より先に検討する場合は,日本に管轄原因があっても外国への専属的管轄合意が有効なら日本の管轄が排除されるという関係を明示する | 3 | 記載なし | 41頁〜42頁(3⑴ア):管轄原因を先に論じるなら,有効な外国専属合意で日本の管轄が排除される関係を示す必要があるとする |
| 9 | 民訴法3条の7第1項から第4項までの要件の充足を長々と検討しない(同条6項で効力が否定されるため無用) | 2 | 記載なし | 42頁(3⑴ア):3条の7第1項〜第4項の長い検討は「無用な論述」とする |
| 10 | 民訴法3条の4第2項以外の条文で管轄が認められないことを長々と論じない | 2 | 記載なし | 42頁(3⑴ア):3条の4第2項以外の条文の長い検討も無用とする |
| 11 | 民訴法3条の3第1号で日本の管轄を肯定しない(安全配慮義務の履行地は事故発生地国である乙国と考えられる) | 2 | 記載なし | 41頁(3⑴ア):3条の3第1号では管轄を肯定できない(履行地は乙国と考えられる)とする |
2 〔設問1〕〔小問2〕(労働契約の準拠法と強行規定)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 12 | 安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求を労働契約の効力の問題と性質決定し,通則法12条及び7条以下で準拠法を決定する | 4 | 40頁(〔小問2〕):労働契約の効力の問題と性質決定し,12条及び7条以下で決定するとする | 42頁(3⑴イ):多くの答案が労働契約の効力と性質決定できていたとする(5⑵も性質決定を第一歩とする) |
| 13 | ②条項により通則法7条で甲国法が準拠法となることを示す | 4 | 40頁(〔小問2〕):②条項により7条で甲国法が準拠法となるとする | 42頁(3⑴イ):甲国法が準拠法となることを示せた答案を取り上げる |
| 14 | 通則法12条1項の要件(選択された法と最密接関係地法の相違,特定の強行規定,労働者の使用者に対する意思表示)を順次検討する | 4 | 40頁(〔小問2〕):12条1項の要件(最密接関係地法の相違・特定の強行規定・意思表示)を示す | 42頁(3⑴イ):関係する規定の要件を順次検討した答案を取り上げる |
| 15 | 通則法12条2項により,労務を提供すべき地の法が最密接関係地法と推定されることを示す | 4 | 40頁(〔小問2〕):12条2項により労務を提供すべき地の法と推定されるとする | 42頁(3⑴イ):大部分の答案が2項の労務提供地を日本としたとする |
| 16 | 当初の労務提供地が後に変更され,短期出張中の出来事が問題となっている場合の労務提供地の解釈を示した上で,事案に当てはめて日本法を最密接関係地法とする | 5 | 40頁(〔小問2〕):当初は甲国勤務だが,入社1年後に転勤し事故当時まで7年間日本で勤務したから労務提供地は日本とする | 42頁(3⑴イ):理由付けが不十分で,労務提供地の変更・短期出張を踏まえた答案は「それほど多くはなかった」とする |
| 17 | 短期出張先に甲国が含まれることや給与の振込口座が甲国にあることだけでは,甲国を労務提供地(最密接関係地)とするには足りないと評価する | 3 | 40頁(〔小問2〕):甲国とする判断も「あり得なくはない」が,短期出張先と給与口座だけでは足りないとする | 記載なし |
| 18 | 通則法12条2項が推定規定であることを踏まえ,その推定が覆らないことに言及する | 4 | 40頁(〔小問2〕):推定を覆す事情もないとする | 42頁(3⑴イ):推定が覆らないことに言及しない答案が「相当見られた」とする |
| 19 | Xが使用者に対して日本法の特定の強行規定である労働契約法5条の適用を表示したとして,同条も適用され,Y社の主張は認められないとする | 4 | 41頁(〔小問2〕):労働契約法5条の適用の表示により同条も適用され,Y社の主張は認められないとする | 42頁(3⑴イ):労働契約法5条も適用されY社の主張は認められないと示せた答案を取り上げる |
3 〔設問2〕(使用者責任の準拠法)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 20 | 使用者責任に基づく損害賠償請求を不法行為の問題と性質決定し,通則法17条によって準拠法を決定する | 4 | 41頁(〔設問2〕):不法行為と性質決定し,17条によることを示す必要があるとする | 42頁(3⑴ウ):大部分の答案が不法行為と性質決定し17条によったとする |
| 21 | 通則法17条本文の「結果」が法益侵害の直接の結果に限られるか派生的な損害も含むかを,理由を付けて示した上で事案に当てはめる(直接の結果に限る通説によれば人身傷害を負った乙国の法) | 5 | 41頁(〔設問2〕):「結果」は直接の結果で派生的損害を含まないとする通説によれば乙国法とする | 42頁(3⑴ウ):理由付けなく結論だけの答案が「かなり見られた」とする |
| 22 | 「結果」を法益侵害の直接の結果に限ると論じながら,日本で発生した治療費も「結果」に含めるという論理矛盾をしない | 2 | 記載なし | 42頁(3⑴ウ):治療費も「結果」に含める論理矛盾の答案が若干あったとする |
| 23 | 通則法17条ただし書(結果発生の予見可能性)は本件では問題にならないことを押さえる | 1 | 41頁(〔設問2〕):ただし書は本件では問題にならないとする(括弧書き) | 記載なし |
| 24 | 例外条項(通則法20条)により,日本が乙国より明らかに密接な関係がある地に当たらないかを検討する | 4 | 41頁(〔設問2〕):例外条項(20条)で日本が明らかにより密接な地に当たらないかを問題とする | 42頁(3⑴ウ):大部分の答案が20条を検討したとする |
| 25 | 共通常居所の例示について,直接の加害者(被用者)でない使用者も20条の「当事者」に含まれるかを検討する | 4 | 41頁(〔設問2〕):直接の加害者でない使用者も「当事者」に含まれるかを検討させる | 42頁(3⑴ウ):使用者も「当事者」に含まれるかを検討する必要があろうとする |
| 26 | 使用者が「当事者」に含まれるとして,法人であるA社の「常居所」をどこと考えるべきかを検討する | 4 | 41頁(〔設問2〕):法人であるA社の「常居所」をどこと考えるかを検討させる | 42頁(3⑴ウ):A社の「常居所」を検討する必要があろうとする |
| 27 | 「その他の事情」の有無も検討し,20条によって17条による準拠法の決定が覆るかを結論付ける | 4 | 41頁(〔設問2〕):「その他の事情」の有無も検討させる | 42頁(3⑴ウ):その他の事情と併せて検討する場合に触れる |
| 28 | 共通常居所を例示にとどめて他の事情と併せて検討する場合は,不法行為の準拠法決定の柔軟化と法的安定性とのバランスをとるという20条の趣旨から解釈を論じた上で当てはめる | 3 | 記載なし | 42頁(3⑴ウ):柔軟化と法的安定性のバランスという20条の趣旨から解釈を論じるべきとする |
| 29 | 適用される規範を示さずに,問題文の諸事情を羅列して結論を導かない | 5 | 記載なし | 42頁(3⑴ウ)・45頁(5⑶):「多くの答案」が事情の羅列にとどまり,規範を示さない答案は「大いに問題」とする |
| 30 | 日本法が準拠法となればそれだけが適用され,外国法が準拠法となるときは日本法も累積適用される(通則法22条)ことを示す | 3 | 41頁(〔設問2〕):日本法ならそれだけ,外国法なら22条で日本法も累積適用とする | 記載なし |
4 重みの分布
30項目の内訳は,重み5が4項目,重み4が17項目,重み3が4項目,重み2が4項目,重み1が1項目であり,重みの合計は109点である。
設問別では,〔設問1〕〔小問1〕が11項目・38点,〔小問2〕が8項目・32点,〔設問2〕が11項目・39点である(問題文は第1問全体の配点を50点とするだけで,設問別の配点を示していない。)。
いずれの設問にも共通する一般的な注意(性質決定を準拠法決定の第一歩とすること,題意と無関係な書き出しを置かないこと等)は採点実感の5に書かれているが,第1問の設問ごとの例が示されていないため,独立の項目にしていない。
重み5の4項目は,〔小問1〕で管轄合意の効力と管轄原因の2点を論じる構造(番号4),〔小問2〕で当初の労務提供地の変更と短期出張中の出来事を踏まえた労務提供地の解釈(番号16),〔設問2〕で通則法17条の「結果」が直接の結果に限られるかを理由付けして示すこと(番号21)及び規範を示さずに事情を羅列しないこと(番号29)である。
番号4は採点実感が「2点が論点」とした答案の骨格であり,番号16・21・29は,採点実感がそれぞれ,できた答案が「それほど多くはなかった」,理由付けのない答案が「かなり見られた」,「多くの答案」が羅列にとどまったと指摘した,評価の分かれ目である。
番号29は,採点実感の5⑶でも〔第1問〕の〔設問2〕を名指しして取り上げられている。
第5 模範解答
1 答案の前提と表記
以下の答案は,第4の評価項目をすべて満たすように作成したものであり,裁判所の判断として論じ,試験の実施時(令和7年7月)の法令と,それまでに言い渡された判例を前提にしている。
答案は,旧司法試験の時代から論文式答案で広く使われてきた型によっている。
見出しを「1」「(1)」「ア」の順に下げ,論点ごとに,問題提起(「〜が問題となる。」「〜に当たらないか。」),規範の定立(「思うに,〜。よって,〜と解する。」),当てはめ(「本問では,〜」)及び結論(「よって」「以上より」)の順に書き,反対の事情は「確かに,〜。しかし,〜。」の形で取り上げ,最後に「以上」と書く型である。
もっとも,採点実感が規範の明示と事実の過不足ない当てはめを求め,管轄の問いではメリハリのある論述を求めているため(第4の番号9・10・29),争いの少ない部分は短くし,問題文の事実を評価する当てはめに多くの字数を割いた。
字数は見出しを含めて約2,300字(改行を除いて2,298字)である。
答案の括弧書きで示した判例は,裁判所ウェブサイト又は判例秘書の判決全文で判示を確認したものに限った。
答案で採った〔設問2〕の結論(通則法20条を適用しない)とは逆に,日本法を適用する結論も成り立ち得る(第5の3の(4))。
2 答案
1 〔設問1〕〔小問1〕について
(1) 日本に管轄原因があっても,外国の裁判所にのみ訴えを提起できる旨の①条項が有効なら日本の管轄は排除されるから,まず①条項の効力が問題となる。
(2) ①条項は,契約締結時に本件労働契約に関する「一切の紛争」を対象とした合意であり,将来において生ずる個別労働関係民事紛争を対象とする合意(民事訴訟法(以下「民訴法」という。)3条の7第6項)に当たる。
同項は,契約締結時の労働者が使用者の示す管轄条項を拒みにくいことから,同項各号の場合に限り効力を認める。
本問では,①条項は労働契約の終了の時にされた合意ではない(1号)。
また,Xは合意された甲国ではなく日本の裁判所に訴えを提起し,①条項を援用するのもY社である(2号)。
よって,①条項は効力を有せず,Y社の主張は認められない。
(3) 次に,本件訴えは安全配慮義務違反を理由とする労働者から事業主に対する訴えであり,個別労働関係民事紛争に関する訴えであるから,労務の提供の地が日本国内にあれば管轄が認められる(同法3条の4第2項)。
思うに,同項は労働者が現に働く地での提訴を可能にする趣旨であるから,「労務の提供の地」とは労働者が現実に労務を提供する地をいい,遠隔での業務ではシステムの所在地ではなく労働者が就労する地をいうと解する。
本問では,Xは入社1年後に日本に赴任し,以後「計7年間ほど」日本で業務に従事し,乙国用システムの保守も「日本から遠隔で」行っている。
確かに,本件事故は乙国への出張中に生じたが,出張は「短期間」のものにすぎない。
よって,労務の提供の地は日本にある。
(4) また,Y社は自らXを日本に赴任させており,勤務状況や治療の証拠も日本にあるから,特別の事情(同法3条の9)は認められない。
(5) 以上より,日本の裁判所の国際裁判管轄権が認められる。
2 〔設問1〕〔小問2〕について
(1) 本件請求は労働契約に伴う安全配慮義務の違反を理由とする損害賠償請求であるから,労働契約の効力の問題と性質決定され,法の適用に関する通則法(以下「通則法」という。)7条,12条による。
そして,②条項により,同法7条から甲国法が準拠法となる。
(2) もっとも,選択された法が最密接関係地法以外の法でも,労働者が最密接関係地法中の特定の強行規定を適用すべき旨の意思を使用者に表示したときは,その強行規定も適用される(同法12条1項)。
ア 最密接関係地法は労務を提供すべき地の法と推定される(同条2項)。
同条は現実に働く地の労働者保護を図るものであるから,転勤で労務提供地が変わったときは変更後の地を,一時的な出張先ではなく継続的に労務を提供する地を基準とすると解する。
本問では,Xは当初甲国で勤務したが,入社1年後に日本に転勤し,本件事故当時まで7年間日本で勤務しており,本件事故は短期出張中の出来事にすぎない。
よって,日本法が最密接関係地法と推定される。
イ 確かに,Xは甲国人,Y社は甲国法人であり,短期出張先に甲国が含まれ,給与も甲国の口座に振り込まれている。
しかし,これらは一時的な事情や支払方法にすぎず,7年間の日本での勤務実態を上回らないから,推定は覆らない。
よって,甲国法は最密接関係地法以外の法である。
ウ 労働契約法5条は,判例(最判昭和50年2月25日,最判昭和59年4月10日)が認めてきた安全配慮義務を明文化したもので,合意で排除できない強行規定である。
そして,Xは本件訴えで同条違反を主張し,その適用の意思をY社に表示している。
(3) 以上より,甲国法に加えて労働契約法5条も適用されるから,Y社の主張は認められない。
3 〔設問2〕について
(1) Xの請求は被用者Cの不法行為についての使用者責任を問うものであるから,不法行為の問題と性質決定され,通則法17条による。
(2) 同条本文の「結果」とは法益侵害の直接の結果をいい,派生的な損害は含まないと解する。
派生的損害の発生地は被害者の行動で変わり,予測可能性を害するからである。
本問では,Xが人身傷害を負ったのは乙国であり,Xの希望で日本の病院で生じた治療費等は派生的損害にすぎない。
乙国での結果発生は通常予見できる(同条ただし書)。
よって,原則として乙国法による。
(3) 次に,日本が明らかにより密接な関係がある地(同法20条)に当たらないか。
ア 同条は,17条の法的安定性を保ちつつ柔軟な連結を図る例外であるから,「明らかに」より密接な地がある場合に限られる。
イ 同条の「当事者」は請求の当事者をいい,使用者責任では,加害行為をしていない使用者も被害者に責任を負う者として含まれると解する(東京高判令和5年1月25日同旨)。
そして,法人の常居所は主たる事業所の所在地を原則としつつ(同法19条参照),当該不法行為に関係する事業所の所在地も考慮すべきである。
ウ 本問では,Xの常居所は日本にあり,A社の主たる営業所も日本にある。
しかし,その他の事情として,加害者Cは「出生以来、乙国に居住」する乙国支店の従業員であり,同支店の業務としてXを迎えた際の乙国内の交通事故であって,Xも同支店のための出張中であった。
XとA社の間に契約関係もない。
そうすると,A社の関与は乙国支店を通じたものであり,日本が明らかにより密接な関係がある地とはいえない。
(4) 以上より,乙国法が適用され,外国法によるべき場合であるから,通則法22条により日本法も累積的に適用される(日本法上も不法であることを要し,損害賠償も日本法が認めるものに限られる)。
以上
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
(1) 答案と評価項目の対応
答案の1は第4の番号1〜11(〔小問1〕),2は番号12〜19(〔小問2〕),3は番号20〜30(〔設問2〕)に対応する。
重み5の4項目は,1(1)〜(5)の管轄合意と管轄原因の2段構成(番号4),2(2)アの転勤と短期出張を踏まえた労務提供地の解釈(番号16),3(2)の「結果」の解釈とその理由(番号21)並びに3(2)・3(3)ア・イで規範を先に示してから事情を評価した書き方(番号29)に当たる。
(2) 〔設問1〕〔小問1〕
出題の趣旨は,①条項が将来において生ずる個別労働関係民事紛争を対象とする合意であり,労働契約の終了時の合意でも,労働者が合意された国の裁判所に訴えを提起した場合でもないから,民事訴訟法3条の7第6項により効力がないとし,次に同法3条の4第2項(労務の提供の地が日本国内)により管轄を肯定し,特別の事情(同法3条の9)もないとする。
採点実感は,この管轄合意の効力と管轄原因の2点が論点であるとし,どちらを先に論じてもよいが,管轄原因を先に論じるなら,日本に管轄原因があっても有効な外国専属合意があれば日本の管轄が排除される関係を明確に示す必要があると述べる(番号8)。
答案は,冒頭でこの関係を示した上で,管轄合意,管轄原因,特別の事情の順に論じた。
採点実感は,同法3条の7第1項から第4項までの要件を長々と検討する答案や,同法3条の4第2項以外の条文で管轄が認められないことを長々と論じる答案を「無用な論述」とし(番号9・10),同法3条の3第1号で管轄を肯定する答案を誤りとしている(番号11)。
答案がこれらを書いていないのはそのためである。
(3) 〔設問1〕〔小問2〕
出題の趣旨は,本件を労働契約の効力の問題と性質決定し,通則法7条で甲国法が準拠法となるが,同法12条1項・2項により最密接関係地法である日本法の強行規定(労働契約法5条)も適用されるとする。
採点実感は,大部分の答案が労務提供地を日本としながら理由付けが不十分であり,当初の労務提供地が後に変わったことと,短期出張中の出来事であることを踏まえて労務提供地の解釈を示した答案は「それほど多くはなかった」とし(番号16),同条2項が推定規定であるのに推定が覆らないことに触れない答案が「相当見られた」とする(番号18)。
答案は,転勤による変更後の地と継続的に労務を提供する地を基準とする規範を立て,本件事故が短期出張中の出来事にすぎないことを当てはめた上で,甲国との結び付き(国籍,Y社の本拠,甲国への短期出張,給与口座)では推定が覆らないとした(番号17)。
なお,出題の趣旨は,甲国を労務提供地とする判断も「あり得なくはない」としつつ,短期出張先や給与口座だけでは足りないであろうとしている。
労働契約法5条が通則法12条1項の「特定の強行規定」に当たる理由は,公式資料には書かれていない。
答案は,同条が判例の認めてきた安全配慮義務(最高裁昭和50年2月25日判決,最高裁昭和59年4月10日判決)を明文化したもので,当事者の合意で排除できないことを理由とした。
昭和50年判決は安全配慮義務を信義則上の付随義務とし,昭和59年判決は雇用契約上の使用者の義務として認めたもので,いずれも同条を強行規定と判示したものではない。
(4) 〔設問2〕
出題の趣旨は,使用者責任を理由とする請求を不法行為の問題と性質決定し,通則法17条本文の「結果」は法益侵害の直接の結果で派生的な損害を含まないとする通説によれば,人身傷害を負った乙国の法が準拠法となるとした上で,同法20条について,直接の加害者でない使用者も「当事者」に含まれるか,含まれるとすれば法人であるA社の「常居所」はどこか,「その他の事情」はどうかを検討させ,外国法が準拠法となる場合は同法22条により日本法も累積適用されるとする。
採点実感は,「結果」の意味を理由付けせずに結論だけを示す答案が「かなり見られた」とし(番号21),通則法20条については,「当事者」と「常居所」を検討するか,又は不法行為の準拠法決定の柔軟化と法的安定性とのバランスをとるという同条の趣旨から解釈を論じた上で当てはめるべきなのに,「多くの答案」が事情の羅列にとどまったと指摘する(番号25・26・28・29)。
答案は,同条の趣旨を規範として示し,使用者も「当事者」に含まれるとした上で,A社の常居所を主たる事業所の所在地(日本)としつつ,事故に関係する乙国支店を考慮し,加害者Cが乙国に居住する乙国支店の従業員であること,乙国内の交通事故であること,XとA社に契約関係がないことから,日本が「明らかに」より密接な関係がある地とはいえないとした。
これに対し,XとA社の常居所(主たる事業所)がともに日本にあることを重く見て,日本法を適用する結論も成り立ち得る。
出題の趣旨は,日本法が準拠法となればそれだけが適用されると述べており,結論そのものを指定していない。
事実の近い裁判例として,東京高等裁判所令和5年1月25日判決(令和2年(ネ)第1420号,判例秘書の判例番号 L07820051)がある。
同判決は,日本法人に雇用されて別の日本法人に出向していた社員が,出向先の業務のため短期間マレーシアに出張し,出向先の孫会社(マレーシア法人)の従業員が運転する車に同乗中に事故に遭った事案で,使用者責任を負う者も通則法20条の「当事者」に含まれるとした上で,当事者の常居所地・本店所在地,通常の労務提供地及び雇用契約の準拠法がいずれも日本であり,事故がたまたま出張先の外国で起きたにすぎないことから,同条により日本法を準拠法とした。
答案が使用者も「当事者」に含まれるとしたのは同判決と同じ考え方であるが,本問は,被害者Xと被告A社の間に雇用・出向関係がなく,A社の関与が乙国支店を通じたものである点で同判決の事案と異なるため,答案は乙国法とした。
もっとも,同判決が重視した,事故がたまたま出張先の外国で起きたにすぎないという事情は本問にも当てはまるから,日本法とする結論も十分に成り立つ。
(5) 答案の弱点と扱わなかった事項
答案は2,500字以内に収めるため,通則法12条1項により労働契約法5条が適用された場合に,損害賠償(民法415条)まで日本法によるのかという問題には触れていない。
公式資料もこの点には触れていない。
また,〔設問2〕で乙国法が適用される場合の通則法22条1項の当てはめ(日本法上も不法行為・使用者責任が成立すること)は,設問が準拠法の決定までを問うているため,答案では同条の効果を示すにとどめた。
通則法17条の「結果」についての通説や,法人の「常居所」の考え方は,最高裁判例で確認できたものではない。
使用者が通則法20条の「当事者」に含まれるとの点は,上記の東京高裁判決があるが,最高裁の判断ではない。
第6 関連記事
1 同じ年度の司法試験の別の模範解答
①令和7年度司法試験公法系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した40項目と5段階の重み付け
②令和7年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した72項目と5段階の重み付け
③令和7年度司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した96項目と5段階の重み付け
④令和7年度司法試験民事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した65項目と5段階の重み付け
⑤令和7年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した75項目と5段階の重み付け
⑥令和7年度司法試験刑事系第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した59項目と5段階の重み付け
⑦令和7年度司法試験刑事系第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した51項目と5段階の重み付け
⑧令和7年度司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した38項目と5段階の重み付け
⑨令和7年度司法試験倒産法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け
⑩令和7年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した33項目と5段階の重み付け
⑪令和7年度司法試験租税法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した43項目と5段階の重み付け
⑫令和7年度司法試験経済法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け
⑬令和7年度司法試験経済法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け
⑭令和7年度司法試験知的財産法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け
⑮令和7年度司法試験知的財産法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した35項目と5段階の重み付け
⑯令和7年度司法試験労働法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した24項目と5段階の重み付け
⑰令和7年度司法試験労働法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した33項目と5段階の重み付け
⑱令和7年度司法試験環境法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した26項目と5段階の重み付け
⑲令和7年度司法試験環境法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け
⑳令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した19項目と5段階の重み付け
㉑令和7年度司法試験国際関係法(公法系)第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した22項目と5段階の重み付け
㉒令和7年度司法試験国際関係法(私法系)第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した29項目と5段階の重み付け
㉓令和7年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答
㉔令和7年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答
2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事
①安全配慮義務違反による損害賠償請求権の消滅時効―10年・20年とじん肺の起算点
②過重労働・過労自殺と使用者の安全配慮義務―電通事件・東芝事件と予見可能性・過失相殺
③外国人が交通事故の当事者になったときの損害賠償-在留資格別の休業損害・逸失利益・慰謝料,準拠法及び自賠責
④船荷証券の国際裁判管轄条項―運送人の選択権・選択時期・専属性
⑤令和8年度司法試験・国際関係法(私法系)第1問の参考答案と予想される評価項目――公海上の船舶衝突、保険者への直接請求、船荷証券の管轄条項、外国判決の手続的公序
⑥外国企業に雇われて日本で働く人の労働紛争―管轄条項の効力(民訴法3条の7第6項),準拠法と日本の強行規定(通則法12条),国外払い給与の確定申告
第7 出典及び確認状態
1 公式資料
①法務省「令和7年司法試験の実施について」
②法務省「令和7年司法試験の実施日程等について」
③法務省「令和7年司法試験問題」
④令和7年司法試験論文式試験問題(選択科目)
⑤法務省「令和7年司法試験の結果について」
⑥令和7年司法試験論文式試験出題の趣旨
⑦法務省「令和7年司法試験の採点実感」
⑧令和7年司法試験の採点実感(選択科目)
2 法令
①民事訴訟法(e-Gov法令検索)
②法の適用に関する通則法(e-Gov法令検索)
③労働契約法(e-Gov法令検索)
④民法(e-Gov法令検索)
3 裁判例
①最高裁判所第三小法廷昭和50年2月25日判決(昭和48年(オ)第383号,民集29巻2号143頁)
②最高裁判所第三小法廷昭和59年4月10日判決(昭和58年(オ)第152号,民集38巻6号557頁)
③東京高等裁判所令和5年1月25日判決(令和2年(ネ)第1420号,判例秘書の判例番号 L07820051)
4 確認状態
問題文は,上記④の選択科目の問題集のうち国際関係法(私法系)第1問の部分(38頁・39頁)を読んだ。
出題の趣旨は,上記⑥の全科目のPDFのうち,国際関係法(私法系)第1問の部分(40頁・41頁)を全て読んだ。
採点実感は,上記⑧の選択科目のPDFのうち,国際関係法(私法系)の総論(「1」「2」),第1問の部分(「3⑴」,41頁〜43頁)及び末尾の「4」「5」(44頁・45頁)を読んだ。
第4の表の頁は,これらのPDFの頁番号である。
条文は,e-Gov法令APIで試験の実施日(令和7年7月16日)時点の版を取得して確認した。
民事訴訟法3条の7は,平成23年法律第36号の附則2条2項により,同法の施行前にされた合意には適用されないが,答案は,問題文の時系列から①条項がその後の合意であることを前提にしている。
上記①・②の裁判例は,裁判所ウェブサイトの判決全文で,安全配慮義務を認めた判示(上記①は信義則上の付随義務とし,上記②は雇用契約上の使用者の義務とする。)を確認した。
上記③の判決は,判例秘書で判決本文(第3 当裁判所の判断)を確認した。
通則法17条の「結果」の解釈は出題の趣旨が通説として述べるところにより,最高裁判例があるかは確認していない。