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相続事件(遺産分割・遺留分・遺言)の弁護士費用の基準

目次

当事務所は、相続の事件について、依頼者が最初にご負担いただく費用を抑えつつ、複雑な争点にもしっかり対応することを重視しています。
着手金は依頼者の手元の資金からお支払いいただくものですので低めに抑え、専門的な労力を要する部分は、成功したときに遺産や回収した財産からお支払いいただく成功報酬金で申し受ける、という考え方で費用を定めています。

以下、相続の事件についての弁護士費用の基準をご説明します。
金額はすべて消費税込みで、基準日は2026年7月22日現在です。

第1 遺産分割・遺留分侵害額請求・遺言無効確認など

遺産分割、遺留分侵害額請求、遺言の無効確認など、相続人間などに争いのある相続事件は、以下の基準によります。

1 経済的利益の考え方

着手金は、その事件で現実に争われている金額を経済的利益として算定し、成功報酬金は、現実に取得し、又は確保できた金額を経済的利益として算定します。

事件の類型ごとの経済的利益は、次のとおりです。

  • 遺産分割の場合 着手金は、取得を見込む相続分などの額とします。ただし、相手方が争っていない部分については、その時価相当額の3分の1とします。成功報酬金は、現実に取得した相続分などの額とします。
  • 遺留分侵害額を請求する場合 着手金は、相手方に請求する遺留分侵害額とします。成功報酬金は、現実に獲得した額とします。
  • 遺留分侵害額を請求された場合 着手金は、相手方の請求額の2分の1とします。成功報酬金は、相手方の請求額から、現実に支払うこととなった額を差し引いた減額分とします。
  • 遺言の無効確認の場合 着手金及び成功報酬金は、遺言が無効となった場合に取得する額と、遺言が有効なままの場合に取得する額との差額とします。遺言の有効を主張する場合も同じです。

遺留分侵害額を請求された場合に相手方の請求額の2分の1を基準とするのは、請求された額がそのまま支払うべき額になるわけではなく、交渉や訴訟を経て相当程度減額されるのが通例だからです。請求された額の全部を基準にすると、着手金が実際の争いの実質に比べて高くなりすぎます。

また、この場合の成功報酬金は、減額できた額を基準とします。相手方の請求を全部退けることができれば請求額の全部が経済的利益となり、減額できなかった場合には成功報酬金も低くなりますので、弁護活動の成果に応じた費用となります。

2 着手金

着手金は、経済的利益の額に応じて、次のとおりとします。

  • 3000万円以下の場合 経済的利益の3.3パーセント(最低33万円)
  • 3000万円を超え3億円以下の場合 経済的利益の2.2パーセントに33万円を加えた額
  • 3億円を超える場合 経済的利益の1.1パーセントに363万円を加えた額

遺留分侵害額を請求された事件の着手金は、上記により算定した額にかかわらず、220万円を上限とします。

3 成功報酬金

成功報酬金は、経済的利益の額に応じて、次のとおりとします。

  • 300万円以下の場合 経済的利益の17.6パーセント
  • 300万円を超え3000万円以下の場合 経済的利益の11パーセントに19万8000円を加えた額
  • 3000万円を超え3億円以下の場合 経済的利益の6.6パーセントに151万8000円を加えた額
  • 3億円を超える場合 経済的利益の4.4パーセントに811万8000円を加えた額

ただし、成功報酬金の額が55万円に満たない場合は55万円とします。

4 複雑な争点がある場合の加算

次のような複雑な争点がある場合には、専門的な労力を要しますので、成功報酬金を加算します。

  • 使途不明金(被相続人の生前の預金引き出しなど)
  • 特別受益(生前贈与)
  • 寄与分
  • 遺産の範囲・該当性の争い

これらの争点について新たに取得又は防御できた経済的利益の部分は、上記3の成功報酬金に5.5パーセントを加算します(この場合、例えば、300万円以下の場合の成功報酬金は経済的利益の23.1パーセントとなります。)。

ご依頼の時点でこれらの争点があった場合には、当該部分の着手金に2.2パーセントを加算しますし、事後的に明らかになった場合、同額の追加着手金をいただきます。

使途不明金の争点について、照会を要する金融機関が5社を超える場合には、1社につき2万2000円を着手金に加算します。

5 交渉・調停・審判・訴訟への移行

交渉から調停までは、同一の着手金の範囲内で対応し、着手金を追加していただくことはありません。
審判又は訴訟へ移行したり、上訴したりする場合には、着手金の4分の1を追加させていただきます(ただし、専ら相手方の申立てによる場合、8分の1の追加にとどめています。)。

第2 遺言・相続放棄・遺言執行などのメニュー

作業の範囲がはっきりしている手続については、次のとおりの費用基準で承ります。

  • 相続人・相続財産の初期調査パック(使途不明金の初期調査を含む) 11万円(ご依頼に至った場合は着手金に充当します)
  • 遺産分割協議書の作成のみ(交渉を伴わないもの) 11万円から
  • 公正証書遺言の作成支援(証人・段取りを含む) 16万5000円から(複雑な内容や予備的条項がある場合は加算します。目安の上限は33万円です)
  • 相続放棄(1名) 熟慮期間内は3万3000円から、期間経過後は5万5000円から(2人目以降は1名あたり2万2000円から)

遺言執行者の代理人の手数料は、遺産額に応じて、次のとおりとします。

  • 3000万円以下の場合 遺産額の1.65パーセント(最低33万円)
  • 3000万円を超え3億円以下の場合 遺産額の1.1パーセントに16万5000円を加えた額
  • 3億円を超える場合 遺産額の0.55パーセントに181万5000円を加えた額

遺産額は、相続債務を控除した後の額とします。解約又は名義変更を要する金融機関が5社を超える場合は、1社につき2万2000円を加算します。

* 弁護士が遺言執行者に就任すると、その後に特定の相続人の代理人となることについて、利益相反や職務の中立性の問題が生じ得ます(「遺言執行者が特定の相続人の代理人をしたことに関する,弁護士会の懲戒例(AIリライト)」参照)。
当事務所は、この問題を避けるため、遺言執行者にはご家族等をご指定いただき、当事務所がその代理人として遺言執行の実務を行うことを前提としています(民法1016条1項)。この場合、遺言書に、遺言執行者が第三者にその任務を行わせることを禁ずる定めがないことが前提となります(民法1016条1項ただし書)。当事務所が遺言書の作成を支援する場合には、念のためその旨を明記しています。
なお、令和元年7月1日より前に作成された遺言については改正前の民法が適用され、やむを得ない事由がなければ復任することができませんので(平成30年法律第72号附則8条3項)、遺言書の作り直しをご提案することがあります。

第3 法律相談料・実費・日当・尋問期日の追加手数料

1 法律相談料

(1) 初回の法律相談は、30分ごとに3000円(税込み)です。
(2) 20分以上の電話相談後に面談相談となった場合、電話相談の時間も加味して面談相談における法律相談料をいただきます。
(3) 複雑困難な案件のため、私の方で面談時間外における資料調査等が必要になった場合,資料調査等に要した時間についても法律相談料をいただきます。
(4) 2回目以降の法律相談は、30分ごとに6000円(税込み)ですし、資料調査等に要した時間を加算することがあります。
(5) 初回の法律相談直後に事件依頼を決められた場合を除き、着手金とは別に法律相談料をいただきます。
(6) 相談終了時間が午後6時以降となった場合、時間外手数料として6000円をいただきます。

2 実費

収入印紙、郵便切手、戸籍等の交付手数料、交通費などの実費は、実際にかかった額をご負担いただきます。

3 日当

  • 大阪市外への出張、大阪家庭裁判所の期日への出頭、ご依頼者や事件関係者の自宅・事務所その他の現地を訪問する場合 2万2000円
  • 日帰りを前提として、拘束時間(事務所を出てから戻るまで)が4時間を超える場合、又は大阪高等裁判所の管轄外への出張などの場合 3万3000円
  • 宿泊を伴う出張の場合 5万5000円

4 尋問期日の追加手数料

遺言無効確認請求訴訟等で必要となる尋問期日につき、当事者又は証人1人当たり11万円をいただきます。