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TreeeSは家事・倒産・民事執行でいつ使えるか―対象手続,施行期限と調達仕様書段階の区別(AI作成)

第1 結論

令和8年9月22日現在,民事執行,倒産,労働審判等の非訟手続,人事訴訟及び家事事件は,同年5月21日に始まった民事訴訟のオンライン申立て等の対象外である。裁判所は,これらの手続について,令和10年6月までにオンライン申立て等の対象となる予定であると案内している。

最高裁判所の調達仕様書では,家事事件手続等へTreeeS・RoootSを拡張する第3次開発が進められている。しかし,調達仕様書の工程は,法令の全面施行日,各手続の利用開始日又は本番稼働を確定する資料ではない。「令和10年3月に改修予定」と「同日にすべての手続でTreeeSが使える」は同じ意味ではない。

第2 令和8年9月22日現在の境界

1 民事訴訟はmints

改正民事訴訟法等は令和8年5月21日に全面施行され,弁護士等の所定の訴訟代理人には電子申立てが原則として義務付けられた。現在,裁判所は,民事訴訟の電子申立て,書類の受領,システム送達及び電子記録の閲覧等にmintsを案内している。

TreeeSは,令和9年1月に名古屋高等裁判所本庁,名古屋地方裁判所本庁・支部及び同地裁管内の簡易裁判所で先行導入される予定であり,全庁導入は令和9年度中が目標とされている。これはまず民事訴訟の切替えに関する日程である。

2 民事執行・倒産・労働審判・人事訴訟・家事事件は別

手続令和8年9月22日現在今後の目安
民事訴訟オンライン申立て等の対象。現在はmints令和9年1月にTreeeS先行導入予定
民事執行・民事保全民事訴訟フェーズ3のオンライン申立て等の対象外令和10年6月までに対象化予定
破産・民事再生等同上同上
家事事件・人事訴訟同上同上。第3次開発の対象
労働審判・非訟事件等同上同上

ただし,民事執行等では,令和8年5月21日からウェブ会議等を利用できる期日の拡充や,電子的に作成された債務名義の正本等の提出省略など,一部の規定が先に施行されている。オンライン申立て等の全面対象化とは分けて考える。

第3 令和5年法律第53号の施行時期

1 全面施行は令和10年6月まで

令和5年法律第53号は,民事訴訟以外の民事裁判手続について,インターネットを利用した申立て・資料提出・送達,事件記録の原則電子化,オンライン閲覧等を整備する。公布日は令和5年6月14日であり,全面施行日は公布から5年以内の政令で定める日である。

法務省及び裁判所は,令和8年9月22日現在,具体的な全面施行日は今後決定され,令和10年6月までにオンライン申立て等の対象となる予定であると案内している。「5年以内」は期限であり,令和10年6月14日に自動的に施行されるという意味ではない。

2 令和8年5月21日に先行施行された部分

ウェブ会議等を利用した期日への参加,民事執行手続における電子債務名義の正本等の提出省略を可能にする仕組み等は,令和8年5月21日に施行された。したがって,「一部のデジタル化が始まっている」ことと「オンライン申立て・電子記録が全面施行された」ことを区別する。

第4 TreeeSの調達仕様書が示すこと

1 第3次開発の契約期間

最高裁判所の令和7年7月2日付調達仕様書は,家事事件手続等のデジタル化に伴い,e事件管理システム(RoootS)及びe提出・e記録管理システム(TreeeS)を改修する第3次開発を定める。契約期間は令和7年9月1日から令和10年3月31日までとされている。

同仕様書では,TreeeSを,RoootS,e提出・e記録管理システム及びe法廷のウェブ会議アプリケーションとの連携機能等により「3つのe」を実現するシステム群の総称として用いている。

2 令和10年3月の工程と法施行日を混同しない

令和8年4月3日付及び同年6月9日付の追加改修仕様書には,令和10年3月を本番反映又はサービス提供の工程として想定する記載がある。これは開発・試験・移行の目標を示す重要な資料であるが,政令による法施行日,裁判所ごとの開始日,対象事件の経過措置及び最終操作を確定するものではない。

第5 手続別の確認ポイント

1 家事事件・人事訴訟

家事審判・家事調停,人事訴訟等は第3次開発の中心的な対象である。家事事件では,秘匿性,当事者・利害関係人の閲覧範囲,調停委員・参与員等の関与,紙媒体の取扱いなど,民事訴訟と異なる要件がある。民事訴訟用TreeeSの画面・権限をそのまま当てはめない。

2 民事執行・民事保全

民事執行・民事保全では,申立ての電子化だけでなく,債務名義,執行文,送達証明,担保,財産開示期日等の扱いを確認する必要がある。令和8年5月21日に一部制度が施行されていても,全面オンライン申立ての開始日とは限らない。

3 破産・民事再生その他の倒産手続

倒産手続では,債権者数,管財人等の役割,債権届出,配当,閲覧制限及び大量データの授受が問題となる。令和5年法律第53号は,破産管財人等にもインターネットを利用した提出・受取りを義務付ける仕組みを含むが,具体的な開始日とシステム操作は今後の政令・規則・公式案内を確認する。

4 労働審判・非訟事件等

労働審判,会社非訟その他の事件も,事件類型ごとに申立書式,関係人,記録閲覧及び期日の運用が異なる。「民事訴訟以外はすべて同じ日,同じ画面」とは限らないため,裁判所の手続別案内を確認する。

第6 法律事務所の準備

①現在の申立方法を手続別に記録する,②令和10年6月までの政令・最高裁判所規則・裁判所案内を更新確認する,③TreeeSのアカウントと人物・事件別権限を分けて管理する,④紙・mints・TreeeSのどれを使うかを事件台帳へ記録する,⑤電子化前後の経過事件と移送事件を別に確認する,という準備が必要である。

TreeeSの民事訴訟での先行導入,mintsとの併存及び移送時の取扱いは,TreeeSはいつからどの裁判所で使うのかを参照されたい。

第7 確認済み・予定・未確認

確認済み:民事執行,倒産,労働審判等の非訟手続,人事訴訟及び家事事件は,令和8年5月21日の民事訴訟フェーズ3のオンライン申立て等の対象外である。一部のウェブ会議・債務名義関係規定は同日に施行された。

公式資料上の予定:令和10年6月までの全面施行と,第3次開発による家事事件手続等へのシステム拡張が予定されている。

未確認:全面施行の政令日,各裁判所・各手続の利用開始日,経過事件の取扱い,最終的なTreeeS画面・URL・利用時間及び手続別マニュアルは未確認である。

第8 出典

①法務省「民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律について」(令和7年12月26日最終更新,令和8年9月22日確認)。
②裁判所「民事裁判手続のデジタル化」(令和8年9月22日確認)。
③最高裁判所「家事事件手続等のデジタル化に伴うe事件管理システム・e提出・e記録管理システムの改修等業務 調達仕様書」(令和7年7月2日付)。
④最高裁判所「e提出・e記録管理システム及びe事件管理システムの追加機能改修業務 調達仕様書」(令和8年4月3日付)。
⑤最高裁判所「後見法改正等に伴うe提出・e記録管理システム及びe事件管理システムの改修業務 調達仕様書」(令和8年6月9日付)。