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生活保護でフードバンクを利用すると減額されるか―収入認定と利用制限(AI作成)

第1 厚生労働省が示す原則

生活保護を受けている人がフードバンクを利用して食料の提供を受けた場合、厚生労働省は、原則として収入認定から除く取扱いを示している。
利用したという理由だけで必ず保護費が減るわけではない。
他方、世帯の需要が経常的に満たされる場合の収入認定の検討や、家計管理の助言指導も説明されているため、どのような支援でも無条件に同じ扱いになるわけではない。

令和8年社会・援護局関係主管課長会議の保護課資料24頁は、生活保護問答集の問8-29におけるフードバンクの取扱いを説明している。
その取組の趣旨を踏まえ、原則として収入として認定しない扱いで差し支えないという内容である。
現物の食品を受け取ったことだけを理由に、その販売価格を直ちに保護費から差し引くという説明ではない。

平成21年版問答集の問8-29は、食品等の現物援助の取扱いを述べたものである。
平成21年版の記述と、令和8年の資料が問8-29について紹介しているフードバンクの説明は区別して読む必要がある。
なお、令和8年3月に初めてこの原則が作られたとまで述べている資料ではないため、その時点で始まった新制度とはいえない。

第2 例外的な収入認定の検討

同資料は、例外的な取扱いとして、世帯全体の第1類費の額に4分の3を乗じた額のうち、3分の1を超える需要が経常的に満たされている場合に、収入認定を行うこと等の検討を説明している。
比較の基礎は世帯の保護費総額ではなく、資料が指定する第1類費の額である。
また、一度食品を受け取ったという事実と、需要が経常的に満たされていることは同じではない。

この説明だけから、一定回数の利用があれば自動的に減額する、食品のすべてを購入価格で換算して全額控除する、といった一律の処理を導くことは適切でない。
収入認定を検討するという説明を受けた場合は、対象となる食品、提供の継続性、世帯人数、需要の認定及び計算の根拠を確認する必要がある。
この基準は、民間団体に対して無制限の食品提供を請求できる権利を定めたものでもない。

第3 利用回数を一律に制限できるか

厚生労働省資料は、一律に利用回数等による利用制限を求めることは適切でないと説明している。
これは、生活保護の実施機関が受給世帯に求める制限についての説明である。
原則として収入認定から除くことを踏まえ、個々の事案に応じて判断する必要があるとしている。

一方で、保護費を生活保護の趣旨目的に反する用途に使用し、過度にフードバンク等を利用するなど、家計管理が困難な世帯には、必要な助言指導を行うことも述べられている。
単に利用が多いというだけで浪費と決め付けず、世帯の生活状況と家計上の課題を具体的に確認することが大切である。
民間の提供団体が在庫、対象地域、世帯数等に応じて定める配布条件についてまで、この資料が一律に禁止していると読むことはできない。

第4 福祉事務所で確認する事項

利用を控えるよう求められたり、減額の説明を受けたりしたときは、次の点を確認すると事情を整理しやすい。

①食品の提供元、種類、量、頻度及び受け取った期間
②フードバンク等の取組なのか、親族からの援助や現金給付など別の支援なのか
③利用制限を求めた主体と、示された理由及び根拠資料
④収入認定の対象額、計算方法及び「経常的に満たされている」とした事情
⑤生活費が不足する理由と、家計管理について必要な支援

これは事情を整理するための確認項目であり、利用のために一律に提出しなければならない書類の一覧ではない。
原則として収入認定から除かれることは、相談や生活状況の説明が不要という意味でもない。
収入・生計の状況に変動がある場合の届出は、生活保護法61条も踏まえて確認する必要がある。

第5 出典・関連記事

①令和8年社会・援護局関係主管課長会議資料・保護課(24頁「8 フードバンクの利用について」)
②生活保護法(61条)
③成年後見人と生活保護

本記事は上記会議資料が示す取扱いを整理したものであり、個別世帯について収入認定又は利用制限が適法かどうかまで一律に決めるものではない。