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導入修習とは-司法研修所における実施内容,第68期からの新設経緯及びカリキュラムの実例(AI作成)

第1 導入修習の位置付けと本記事の範囲

1 司法修習における位置付け

司法修習は,導入修習,分野別実務修習,選択型実務修習及び集合修習の各段階を経て,最後に司法修習生考試(いわゆる二回試験)に合格することにより終了する。
導入修習は,このうち最初に行われる課程であり,司法研修所において,司法修習の開始直後に実施される。
司法修習全体の採用要件,約1年間の流れ及び修習給付金等の処遇については,「司法修習とは―採用要件,1年間の流れ,修習内容,給付金及び二回試験」に整理しているので,本記事では導入修習そのものの位置付けと内容に絞って説明する。

導入修習に続く分野別実務修習の共通構造は「実務修習とは」に,選択型実務修習は「選択型実務修習とは」に,集合修習は「集合修習とは」に,それぞれ整理している。
本記事は,これらの記事が既に扱っている後続課程の詳細を繰り返さず,導入修習そのものの目的,期間,実施場所及び新設の経緯を中心に扱う。

2 本記事の役割と基準日

本記事は,導入修習の法的な位置付けと内容を整理した上で,司法修習全体及び後続の各課程について,目的に応じた関連記事へ案内するハブである。

基準日は令和8年8月29日である。
公開されている資料には作成時点の古いものが含まれるため,各期固有の日程については,採用される期に配布された最新の資料を優先して確認する必要がある。

第2 導入修習の法的根拠

司法修習生の修習に関する基本的事項は,裁判所法に定められている。
同法67条1項は「司法修習生は、少なくとも一年間修習をした後試験に合格したときは、司法修習生の修習を終える。」と定め,同条3項は,修習及び試験に関する事項を最高裁判所が定めるとしている。
導入修習,分野別実務修習,選択型実務修習及び集合修習という現在の4段階の区分そのものは,裁判所法にも,同法67条3項の委任を受けた司法修習生に関する規則(昭和23年8月18日最高裁判所規則第15号)にも,明文の規定があるわけではない。

分野別実務修習と選択型実務修習については,同規則5条1項が,修習期間中,少なくとも10箇月をこれらの実務修習に充てるべき旨を定めており,規則上の根拠がある。
これに対し,導入修習は,司法研修所において実施される点で分野別実務修習及び選択型実務修習(実務修習地で実施される。)とは異なり,同項が定める「少なくとも10箇月の実務修習」には含まれない。
導入修習の実施は,同法67条3項の委任を受けて最高裁判所が定める事項として,司法研修所長通知のレベルで具体化されている。
司法研修所そのものの法的根拠及び組織は,「司法研修所とは―最高裁判所の附属機関としての役割,組織,司法修習及び裁判官研修」で整理している。

第3 導入修習の目的,期間及び実施場所

1 最高裁判所が説明する目的

最高裁判所の「司法修習の概要」は,導入修習について,「司法修習開始段階で司法修習生に不足している実務基礎知識・能力に気付かせ、かつ、より効果的・効率的な分野別実務修習が円滑に行えるようにすること」を目的として,「司法修習開始直後に」,「司法研修所に司法修習生全員を集めて」実施すると説明している。
この説明からは,導入修習が,司法試験合格までに修得した知識を実務修習向けに橋渡しする課程であって,司法試験知識の単なる総復習を行う期間ではないことが分かる。

2 実施期間

最高裁判所の一般的な制度説明は,導入修習の期間を「約1か月間」としている。
もっとも,各期の確定した日程は,この一般的な説明とは幅がある。
「第80期司法修習の日程」が第79期の日程原資料と対照した結果によれば,第79期の導入修習は令和8年3月19日から同年4月10日まで(実日数16日),第80期は令和9年3月19日から同年4月9日まで(実日数15日)であり,第80期の実日数が1日少ないのは期間中に振替休日が含まれるためとされている。
第79期そのものの日程は,「第79期司法修習の日程」にも整理している。

第80期の日程は,最高裁判所が公式に確定日程を公表する前の教官会議資料に基づくものであり,同ブログ記事も確定日程として扱っていない。

3 実施場所及び開始時の事務

導入修習は,司法研修所(埼玉県和光市)において,司法修習生全員を集めて実施される。
第78期司法修習生の司法修習に関する事務便覧(令和7年3月,司法研修所事務局)によれば,貸与品である司法修習生バッジは導入修習時に貸与され,氏名,住所,本籍及び緊急連絡先の変更届出は,導入修習を含む各修習単位の開始時に確認することとされている。
これらの届出及び兼業等の許可申請に関する一般的な取扱いは,「司法修習に関する事務便覧(令和7年3月)とは」に整理している。

第4 導入修習が新設された経緯

法科大学院制度の発足に伴う新試験(法科大学院を経た司法試験)に基づく司法修習(第60期,平成18年=2006年採用から開始)では,法科大学院における教育を前提に,旧制度にあった前期修習に相当する課程が置かれないこととなった。
これに伴い,実務修習の現場では,司法修習生の基礎的な実務能力の不足が指摘されるようになった。
これを受けて司法研修所は,修習開始段階で司法修習生に不足している実務基礎知識・能力に気付かせ,より効果的で効率的な分野別実務修習を行えるようにすることを目的として,第68期(平成26年=2014年採用)の司法修習から導入修習を新たに実施することとした。

旧制度における前期修習・後期修習の内容及び新試験導入後の集合修習という呼称への変遷の詳細は,「集合修習とは」第7節に整理しているので,本記事では重複を避け,導入修習の新設という結果面に絞って説明する。

第5 第68期における導入修習カリキュラムの実例

1 資料の性質と時点

導入修習の具体的なカリキュラム内容は,最高裁判所ウェブサイトでは公表されていない。
山中弁護士ブログが情報公開請求により取得した資料として,「68期導入修習カリキュラムの概要」がある。
同資料は,平成27年7月の司法修習生指導担当者協議会において司法研修所が配付した資料に基づくものであり,導入修習が新設された初年度である第68期(平成26年)の実施例を記録したものである。
現行の第78期以降の導入修習が同じ内容で実施されているかどうかは,公開資料からは確認できない。

2 7つの領域にわたる構成

同資料によれば,第68期の導入修習は,民事裁判,民事弁護,民事共通,刑事裁判,検察,刑事弁護及び刑事共通という7つの領域で構成されていた。
民事裁判の領域では即日起案・解説と民事事実認定の手法の解説,民事弁護の領域では民事保全・執行に関する講義と問題研究,検察の領域では即日起案と捜査演習,刑事弁護の領域では即日起案・解説が行われるなど,講義だけでなく,即日起案,問題研究,演習及びDVD教材の視聴といった多様な指導方法が用いられている。
各領域は,分野別実務修習の4分野(民事裁判,刑事裁判,検察,弁護)に対応する内容を扱っており,これから配属される実務修習地での学修に備える橋渡しとしての性格がうかがえる。
指導方法及び個別の設問内容の詳細は,前記「68期導入修習カリキュラムの概要」を参照されたい。

第6 目的別の関連記事案内

1 司法修習全体・後続の課程を確認する

導入修習に続く各課程及び司法修習全体の制度は,次の記事に整理している。

確認したい事項関連記事
司法修習全体の流れ司法修習とは―採用要件,1年間の流れ,修習内容,給付金及び二回試験
分野別実務修習の共通構造実務修習とは―規則上の位置付け,分野別実務修習の4分野及び選択型実務修習との関係
選択型実務修習の詳細選択型実務修習とは―ホームグラウンド,個別・全国・自己開拓プログラムの案内
集合修習の詳細集合修習とは-司法研修所における科目・クラス担任制,起案による指導及び後期修習からの変遷
司法研修所そのもの司法研修所とは―最高裁判所の附属機関としての役割,組織,司法修習及び裁判官研修
司法試験合格から修習開始までの手続司法試験合格後から司法修習開始まで―採用申込み,実務修習地,住居・社会保険及び就職活動の期限
第68期における導入修習の具体的内容68期導入修習カリキュラムの概要

2 直近の期の日程を確認する

直近の期の導入修習を含む具体的な日程は,次の記事に整理している。

確認したい事項関連記事
第79期の日程第79期司法修習の日程
第80期の日程(教官会議資料に基づく予測)第80期司法修習の日程-導入修習から二回試験・一斉登録の予測まで
事務便覧に基づく年間事務司法修習に関する事務便覧(令和7年3月)とは―第78期の日程・届出・給付金

第7 出典・参考資料

1 法令

裁判所法(昭和22年法律第59号)67条1項,3項(e-Gov法令検索)

2 最高裁判所規則

①司法修習生に関する規則(昭和23年8月18日最高裁判所規則第15号)5条1項(国立国会図書館日本法令索引で書誌事項確認)

3 最高裁判所の制度説明

①最高裁判所「司法修習の概要」(令和8年8月29日確認)

4 司法研修所発行資料(情報公開請求により取得・山中弁護士ブログ掲載)

①山中弁護士ブログ「68期導入修習カリキュラムの概要」(2017年11月3日公開,平成27年7月の司法修習生指導担当者協議会における司法研修所配付資料に基づく)
②司法研修所事務局「第78期司法修習生の司法修習に関する事務便覧」(令和7年3月)5頁,9頁,13頁,22頁

5 期別日程資料

①最高裁判所「令和7年度司法修習生採用選考申込手続の手引き
②山中弁護士ブログ「第80期司法修習の日程-導入修習から二回試験・一斉登録の予測まで」(教官会議資料に基づく予測を含む)