弁護士山中理司

最高裁判所が直ちに廃棄しているとされた司法行政文書

最高裁平成26年7月14日判決によれば,行政機関の情報公開の場合,ある時点において当該行政機関の職員が当該行政文書を作成し,又は取得したことが立証された場合において,不開示決定時においても当該行政機関が当該行政文書を保有していたことを直接立証することができないときに,これを推認することができるか否かについては,当該行政文書の内容や性質,その作成又は取得の経緯や上記決定時までの期間,その保管の体制や状況等に応じて,その可否を個別具体的に検討すべきものとされています。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書は最高裁判所が直ちに廃棄しているそうです。

1 ①最高裁判所が平成27年1月1日以降,報道機関に対して提供したプレスリリースペーパーのうち,人事の報道発表及び死亡の報道発表,及び②最高裁判所が平成27年1月1日以降,報道機関に対して提供した最高裁判所の判決要旨・骨子(平成27年度(最情)答申第4号(平成28年2月18日答申)
→ ①の文書につき,
「報道発表及び最高裁判所内周知のために作成するもので,報道発表分については,報道機関に配布することでその目的を果たすことから,報道機関に配布するための部数しか作成しておらず,仮に余部が生じた場合であっても,これは事務処理上使用することが予定されておらず,保有する必要がないため,短期保有文書として随時廃棄しており,最高裁判所内周知分については,回覧等により周知が終了することでその目的を果たしており,その後は事務処理上保有する必要がなくなるため,短期保有文書として最高裁判所内周知後に随時廃棄している。」そうです。
→ ②の文書につき,
「本件開示申出文書1の報道発表分と同様のものであり,余部が生じた場合であっても,短期保有文書として随時廃棄している。」そうです。

2 女性裁判官(簡裁判事は除く。)の人数が分かる文書(全国の合計人数の他,最高裁判所及び全国の下級裁判所ごとの人数が分かる文書(平成28年度(最情)答申第23号(平成28年7月15日答申)
→ 「苦情申出人は,最高裁判所が内閣府男女共同参画局に対してデータを提供するために作成した文書が別に存在すると主張する。しかし,本件対象文書が公表されるものであり,また,最高裁判所にも提供されるものであることからすると,最高裁判所が内閣府男女共同参画局にデータを提供するために何らかの文書を作成したとしても,最高裁判所において,提供後もこれを保有し続けなければならない事務の必要があるとする事情はうかがわれない。そうすると,最高裁判所において,当該文書をデータ提供後すぐに廃棄していたとしても不合理とはいえないから,当該文書を最高裁判所において保有していないことは,何ら不合理ではない。」そうです。

3 憲法週間における最高裁判所判事の視察に関する文書等(平成28年度(最情)答申第31号(平成28年10月24日答申)
→ 岡部喜代子最高裁判所判事の視察に関する視察基本日程,視察詳細日程,座談会の出席者名簿及び座談会席図,庁内巡視の順番が分かる文書,懇親会の出席者名簿につき,「短期保有文書として扱い,遅くとも視察の日が経過すれば,事務処理上必要な期間が満了したものとして廃棄しているとする最高裁判所事務総長の説明は,合理的である。」そうです。

4 平成28年4月25日のハンセン病患者の裁判に関する謝罪の記者会見に際して作成し,又は取得した文書(HPに掲載されている文書は除く。)(平成28年度(最情)答申第33号(平成28年10月24日答申)
→ 最高裁判所事務総長の記者会見(Youtube動画「ハンセン病隔離法廷「違法」と謝罪 最高裁、憲法判断は示さず」参照)が終了してから2日以内に廃棄されたそうです。
→ 裁判所HPの「ハンセン病を理由とする開廷場所指定に関する調査報告書及び最高裁判所裁判官会議談話について」に調査報告書及び最高裁判所裁判官会議談話が載っています。

5 高等裁判所長官事務打ち合わせに関する配付資料(平成28年度(最情)答申第34号(平成28年12月2日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,事務打合せは,司法行政上の課題に関しての情報共有や認識共有を図ることを目的とする打合せであり,その設置や開催について定めた最高裁判所規程等はないとのことであるから,そのような事務打合せの性質に照らすと,事務打合せの際に配布された資料について,最高裁判所において,短期保有文書として扱っていることは不合理とはいえない。そして,最高裁判所事務総局において,事務処理上必要があるとして保有していた別紙記載6及び12から24までの各文書以外の文書は,事務打合せ終了後速やかに廃棄されているとする説明に不合理な点も見当たらない。」そうです。

6 最高裁判所調査官室が判例時報へ投稿するに当たり作成した文書(平成28年度(最情)答申第37号(平成28年12月2日答申)
→ 最高裁調査官室が,判例時報に対し,「最高裁民事破棄判決等の実情」及び「許可抗告事件の実情」を投稿するに当たり,①民事の上告事件,上告受理申立て事件及び許可抗告事件の新受件数・既済件数,②破棄判決・破棄決定の件数を把握するために作成した文書に関して,
「最高裁判所事務総長の説明によれば,判例時報に「最高裁民事破棄判決等の実情」及び「許可抗告事件の実情」を執筆,投稿するに当たり,そこに記載する事件数を把握する方法として,執筆者から要望があった場合には,最高裁判所においてメモを作成し,執筆者に提供しているが,当該文書は執筆者に交付済みであり,最高裁判所は,これに関する司法行政文書は保有していないとのことである。」そうです。

7 第70期司法修習生の導入修習の週間日程表(平成29年度(最情)答申第7号(平成29年6月9日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,内容が軽微かつ簡易な司法行政文書であって,その保存期間を1年以上とする必要のないものについては,通達上,短期保有文書として事務処理上必要な期間が満了したときに廃棄するものとされているところ,週間日程表は講義等の日程等を週ごとに司法修習生に周知するために作成されるものであり,当該週が経過すれば保有しておく必要がなくなるものであるから,平成28年12月11日以前の分の週間日程表についても,当該週が経過した後,その事務処理に必要な期間が過ぎたため廃棄したとのことである。
上記の説明につき検討すると,本件開示申出文書が講義等の日程等を司法修習生に周知するために作成されるものであり,その内容も司法研修所で行われる講義の日程等を週ごとの一覧表にしたものであることからすれば,当該週が経過した後に保有する必要がなくなったとして廃棄したという上記説明の内容は,不合理とはいえない。」そうです。

8 第69期司法修習生のB班週間日程表(平成29年度(最情)答申第8号(平成29年6月9日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,内容が軽微かつ簡易な司法行政文書であって,その保存期間を1年以上とする必要のないものについては,通達上,短期保有文書として事務処理上必要な期間が満了したときに廃棄するものとされているところ,週間日程表は講義等の日程等を週ごとに司法修習生に周知するために作成されるものであり,当該週が経過すれば保有しておく必要がなくなるものであるから,平成28年11月13日以前の分の週間日程表についても,当該週が経過した後,その事務処理に必要な期間が過ぎたため廃棄したとのことである。
   上記の説明につき検討すると,本件開示申出文書が講義等の日程等を司法修習生に周知するために作成されるものであり,その内容も司法研修所で行われる講義の日程等を週ごとの一覧表にしたものであることからすれば,当該週が経過した後に保有する必要がなくなったとして廃棄したという上記説明の内容は,不合理とはいえない。」そうです。

9 旭川地方裁判所が司法研修所に対して司法修習生の一部を配属換えする原因となった事実関係について報告した文書(平成29年度(最情)答申第72号(平成30年3月23日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認したところ,司法研修所では,本件対象文書以外の文書については,標準文書保存期間基準に照らして短期保有文書として取り扱うことが相当であることから,配属換えの手続が終了して,当該文書を保有する必要がなくなった後に廃棄したとのことである。配属換えの手続の性格及び当委員会において見分した本件対象文書の記載内容を踏まえるならば,最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

10 最高裁判所及び下級裁判所の裁判官及び裁判所職員の平成28年の懲戒処分及び監督上の措置各件の発表の有無がわかる文書すべて(平成30年度(最情)答申第15号(平成30年6月5日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明及び当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,最高裁判所において探索した結果,本件開示申出文書はそのデータを含めて廃棄済みであるとのことであり,本件開示申出文書に係る事務処理の性質等に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない」そうです。

11 「裁判官が所持する裁判書の写し等の廃棄に関する申合せ(平成29年12月18日高等裁判所長官申合せ)を作成するに至った経緯が分かる文書(平成30年度(最情)答申第46号(平成30年11月16日答申)
→ 「苦情申出人が主張する司法行政文書は,本件申合せに先立って行われた裁判書の写し等の廃棄に関する照会に係る文書と解されるところ,このような文書の性質に照らせば,本件開示文書以外の文書は本件申合せが作成された後に廃棄されたという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

12 40期から48期までの間の,司法修習開始時点における,司法修習生配属現員表(平成30年度(最情)答申第70号(平成31年2月22日答申)
→ 「本件開示申出文書は,その性格上,昭和61年から平成6年にかけて作成され,又は取得されたものというべきであることからすると,保存期間経過後又は用済み後に廃棄されたものと考えられるとのことである。この点につき,本件開示申出文書が昭和61年から平成6年にかけて採用された司法修習生を対象とするものであり,その頃に作成され,又は取得されたものというべきであることからすれば,探索の結果,本件開示申出文書は見当たらず,保存期間経過後又は用済み後に廃棄されたと考えられるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない」そうです。

最高裁判所が作成又は取得していないとされた司法行政文書

○裁判所の職員は,文書管理者の指示に従い,裁判所における経緯も含めた意思決定に至る過程及び裁判所の事務の実績を合理的に跡付け,又は検証することができるよう,処理に係る事案が軽微なものである場合を除き,司法行政文書を作成しなければなりません(「司法行政文書の管理について(通達)」(平成24年12月6日付の最高裁判所事務総長通達)第3.1。なお,公文書等の管理に関する法律4条参照)。
最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会によれば,以下の司法行政文書は最高裁判所が作成又は取得していないそうです。

1 最高裁秘書課が視察基本日程(案)を作成する際に使用している事務処理要領その他これに類する文書(平成27年度(最情)答申第7号(平成28年2月23日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,視察基本日程(案)は,秘書課で作成又は確認をしているが,その作成又は確認は,その都度個別に検討して行っており,およそ事務処理要領等を作成する必要はなく,それを用いなくても事務処理に支障は生じないというのであるところ,事務視察が,視察者,視察先,視察の時期等によってその内容が異なるものであり,視察基本日程(案)に記載すべき日時や視察内容等の具体的な内容も,個別の視察に応じてその都度検討すべきものであることは容易に想像できるところであるから,上記の説明は合理的であるということができる。」そうです。

2 平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡裁判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書(平成27年度(最情)答申第8号(平成28年2月23日答申)
→ 「本件開示申出文書は,平成27年4月の人事異動に際して,全国の裁判官(簡易裁判所判事は除く。)の希望勤務地を取りまとめた文書であるところ,最高裁判所事務総長の説明によれば,全国の裁判官は,他に転任する場合の任地希望等をカードに記載して,最高裁判所事務総局人事局長に提出するとのことである。
そうすると,人事局においては,各裁判官がカードに記載した任地希望を把握していることになるが,同説明によれば,人事局が人事異動計画の原案の立案等をする際には,各カードを個別に確認すれば足り,その記載内容を集計する必要はなく,現にその集計は行っていないというのである。人事異動事務が,任地希望を一つの考慮要素としつつも他の要素を含めて総合的に勘案して個別に検討すべき性質の事務であることに照らせば,上記説明に不合理な点は見当たらない。」そうです。

3 下級裁判所裁判官指名諮問委員会における,年度ごとの重点審議者の数が分かる文書(平成15年度以降の分)(平成27年度(最情)答申第10号(平成28年3月23日答申)
→ 「下級裁判所裁判官指名諮問委員会は,下級裁判所裁判官指名諮問委員会規則(平成15年2月26日最高裁判所規則第6号)に基づき設置され,裁判官,検察官,弁護士及び学識経験のある者のうちから最高裁判所が任命した11人の委員で組織される委員会(同規則5条,6条)であり,最高裁判所の諮問に応じて,下級裁判所裁判官として任命されるべき者を裁判所法40条1項の規定により指名することの適否その他同項の規定による指名に関する事項を審議すること等の事務をつかさどるものである(同規則2条)。最高裁判所事務総長の説明によれば,重点審議者とは,同委員会において実質的な審議を行うため,多数の指名候補者の中から,指名の適否について慎重な判断を要する者として振り分けられたものであるところ,同委員会における審議が,上記のとおり,最高裁判所の諮問に応じて,下級裁判所裁判官として任命されるべき者を指名することの適否等についてされるものであることからすると,重点審議者は,各諮問に応じ,審議対象となった者の中から,個別具体的な事情により振り分けられるものであり,その数を調整する必要があるとは認められない。また,上記の説明を前提にすると,下級裁判所裁判官指名諮問委員会において各重点審議者に係る指名の適否についての審議が終了すれば,当該諮問に係る審議対象者のうち何人が重点審議者に振り分けられたかという情報は,同委員会においても,また,その庶務を処理する最高裁判所事務総局総務局においても,その後の事務を遂行する上で必要なものではなくなるというのが合理的である。
以上を総合すると,諮問ごとの重点審議者の数という情報をその後の事務処理上保有する必要性は認められず,したがって,年度ごとの重点審議者の数を集計した文書を保有すべき事情も認められない。」そうです。

4 ①平成26年中に終結した,民事事件及び行政事件の上告事件及び上告受理申立事件について,小法廷ごとに,持ち回り審議事件と審議室審議事件の事件数が分かる文書,及び②平成26年中に終結した,民事事件及び行政事件の上告事件及び上告受理申立事件について,小法廷ごとに,調書決定(民事訴訟規則50条の2)で終結した事件数が分かる文書(平成28年度(最情)答申第2号(平成28年4月14日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,持ち回り審議と期日審議の事件の数及び調書決定で終結した事件の数は,いずれも,最高裁判所における事件管理システムには入力項目がなく,統計報告の対象ともされていないのであって,他にこれらに係る事件数は把握していないから,本件各開示申出文書はいずれも作成し,又は保有していないとのことである。
そこで検討すると,最高裁判所事務総長から提出された資料を見分した結果によれば,事件管理システムの入力画面には,個々の事件が持ち回り審議又は期日審議のいずれの方法で行われたかについてや,調書決定で終結したか否かについての入力項目がないことが認められるから,事件管理システムから持ち回り審議の事件の数,期日審議の事件の数及び調書決定で終結した事件の数を把握することはできないと認められる。また,これらの事件の数は,いずれも統計報告の対象ともされていないことが認められ,他に,これらの事件の数を把握する方法があることはうかがわれない。」そうです。

5 ①司法修習生の兼業許可の具体的基準を定めた文書,及び②司法修習生の実務修習庁会を決定する基準が書いてある文書(平成28年度(最情)答申第3号(平成28年4月14日答申)
→ ①の文書につき,
「司法修習生は,その修習期間中,その修習に専念しなければならないこととされ(裁判所法67条2項),最高裁判所の許可を受けなければ,他の職業に就き,若しくは財産上の利益を目的とする業務を行うこと,すなわち兼職や兼業をすることができないものとされ(規則2条),修習専念義務が課されている。また,最高裁判所は,司法修習生の行状がその品位を辱めるものと認めるときその他司法修習生について最高裁判所の定める事由があると認めるときは,その司法修習生を罷免することができる(同法68条)とされており,司法修習生には品位保持義務が課されている。
さらに,司法修習生は,修習にあたって知った秘密を漏らしてはならない(規則3条)とされ,高い識見と円満な常識を養い,法律に関する理論と実務を身につけ,裁判官,検察官又は弁護士にふさわしい品位と能力を備えるように努めなければならない(規則4条)とされているから,司法修習生は,その地位の性質上,当然に中立公正性を保持しなければならないということができる。
そうすると,司法修習生から兼業の許可の申請を受けた最高裁判所としては,司法修習の性質上,その兼業の内容等が,上記のような裁判所法又は規則に定められた修習専念義務,品位保持義務及び中立公正性に抵触しないか否かを判断する必要があるということができ,これらが一種の基準となっていると解することができる一方,それ以上の詳細な具体的な基準を作成することは,兼業許可の制度の運用を硬直化することになりかねないとも考えられる。
また,最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,平成25年度の司法修習生及び平成26年度の司法修習生についての兼業許可については,上記の裁判所法又は規則上の義務等を考慮して個別に判断する方法で運用されているところ,その許否の判断は適切に行われていると認められる。」そうです。
→ ②の文書につき,
「最高裁判所事務総長は,司法修習生の実務修習庁会については,希望及び具体的事情を勘案して決定しており,基準を定めていないと説明するところ,司法修習生の実務修習庁会の決定事務が,基準を定めなければできない性質のものであるとは認められず,他にその基準が存在することをうかがわせる事情も見当たらない。苦情申出人が主張する司法修習生の人数や予算も,基準の存在を基礎づけるものとはいえない。」そうです。

6 ①平成27年度予算における,裁判官の号別定数が分かる文書,②下級裁判所における指定職相当の裁判官2567人の内訳が分かる文書及び③下級裁判所におけるその他の裁判官1160人の内訳が分かる文書(平成28年度(最情)答申第4号(平成28年4月14日答申)
→ ①の文書につき,
「裁判所職員については,本件対象文書である「平成26年度一般会計予算」の「裁判所職員予算定員及び俸給額表」に級別内訳が記載されているところ,これは,裁判所職員臨時措置法において準用する一般職の職員の給与に関する法律第8条により,予算の範囲内で,職務の級の定数を設定し,又は改定することができ,その定数の範囲内で,職務の級を決定することとされていて,これに基づき級別定数が定められていることによるものと解される。
一方,裁判官については,その受ける報酬その他の給与について規定した裁判官の報酬等に関する法律には,裁判官の号別定数を設定する旨の規定はなく,他にこれを設定する旨の最高裁判所規則その他の定めも見当たらない。このことは,裁判官の報酬が,憲法上保障されているもので,ある程度の予算の制約があるとはいえ号別定数を設定して決定することになじまないことと考えられることとも整合する。」そうです。
→ ②の文書につき,
「最高裁判所の職員の口頭説明の結果によれば,裁判官の報酬その他の給与に係る予算要求の過程において,本件対象文書以外の本件開示申出文書2に該当する文書を作成し,保存する必要はなく,現に保存させていないとのことであって,当該説明に特段不自然,不合理な点は見当たらず,他に当該説明を覆す事情も認められない。」そうです。

7 最高裁判所が日本弁護士連合会等に対し,新任の最高裁判所判事の推薦を依頼する際,どのような文書を授受することになっているかが分かる文書(平成28年度(最情)答申第10号(平成28年4月27日答申)
→ 「最高裁判所の職員は,内閣に対してどのような意見を述べるか,推薦依頼をするかなどについては,最高裁判所長官がその都度決めることであり,これらをどのような方法によって行うかを含め一切の事柄が,そのときどきの最高裁判所長官の判断に委ねられているから,最高裁判所事務総局としては,その立場上どのような文書を授受するかを定めた文書は作成していない旨を説明する。最高裁判所長官が内閣に対して述べる意見が,最高裁判所裁判官の任命等という高度な人事に関する事柄を対象としていることや,その意見が慣例として述べられているにすぎないことからすると,意見を述べるための準備行為等について,最高裁判所事務総局が組織として何らの定めも設けていないことは,不自然なこととはいえない。
また,日本弁護士連合会は,「日本弁護士連合会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考に関する運用基準」を定め,同会が推薦する最高裁判所裁判官候補者の選考のために最高裁判所裁判官推薦諮問委員会を設置しているが,上記運用基準にも,誰に対して推薦をするのか,推薦に当たってどのような書面を作成するのかなどについての定めはなく,同基準の存在をもって,本件各開示申出文書の存在を推認することもできない。」そうです。

8 最高裁判所常置委員会の議事録及び配付資料(平成28年度(最情)答申第11号(平成28年6月3日答申)
→ 「苦情申出人及び最高裁判所事務総長から提出された資料に基づき検討すると,苦情申出人が指摘するとおり,昭和27年議事録には,常置委員会は,原則として毎週1回定期に開くものとする旨が記載されている。しかし,昭和27年議事録には,司法行政事務のうち,特に重要なものを除くその余は常置委員会に取り扱わせ,その結果は裁判官会議に報告することと記載され,他方で,裁判官会議は,毎月1回定期に招集し,緊急の必要のあるときに限り,随時招集すれば足りるものとするなどと記載されている。このことに照らすと,当時は,司法行政事務について,通常のものは常置委員会が取り扱うこととし,これを定期的に開催していたものと考えられる。他方で,平成26年12月3日の裁判官会議の議決では,「常置委員会は,裁判官会議を招集することができないとき又は招集することが相当でないときに,最高裁判所長官が招集する」とされていることからすると,遅くともこの時点においては,司法行政事務を処理するのは裁判官会議によるのを原則とし,特別の事情が生じた場合などに常置委員会を開催することとされていたものと認められる。この点について,最高裁判所事務総長は,最高裁判所においては,昭和37年頃までは常置委員会が月に複数回開催されていたが,昭和38年頃からはほとんど開催されないこととなったこと,一方で,裁判官会議については,昭和38年頃からほぼ毎週1回開催されていることが認められ,これらの事実に照らすと,昭和38年頃からは,毎週の裁判官会議の開催により,常置委員会の開催の必要が生じなかったものと考えられる旨説明するところ,この説明は,上記の資料の記載に沿うものといえる。」そうです。

9 裁判官の転出に関する約束を書面でする扱いの詳細を定めた文書等(平成28年度(最情)答申第12号(平成28年6月3日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,裁判官については,異動条件を記載した異動に関する承諾書が作成されることがあるとのことであり,承諾書が作成されるのは,裁判官が,裁判所法上,その意思に反して免官,転官,転所等をされることはないとされている(同法48条)ことによると解される。しかし,同説明によれば,異動条件については,全国を異動する必要がある裁判官について,適材適所の原則による異動を確保しつつ,機会均等を図るため,紳士協定的な約束として,従前からの慣行となっているとのことであり,法令等に基づくものではないと解される。また,裁判官の異動について,何らかのルールがあることもうかがわれない。そうであるとすれば,異動条件の内容は,異動対象となる裁判官ごとに,その固有の諸事情に応じて定められた個別的な性格のものであって一般性がないものと認めるのが相当である。」そうです。

10 最高裁判所事務総局情報政策課長の事務引継書(平成28年度(最情)答申第14号(平成28年6月3日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,上記人事異動に際し,事務の引継ぎが,口頭で行われており,事務引継書は作成されていないと説明する。
同説明によれば,同日付けの人事異動により情報政策課長となった者は,それ以前は東京地方裁判所判事であったというのであるから,最高裁判所に出向いて前任の情報政策課長から口頭で引継ぎを受けることは十分に可能であったと解される。また,情報政策課が所管する事務は,情報化の推進及び情報セキュリティの確保に関する事項等であるから,それらの事務の内容については,着任後に部下職員から口頭で補充説明を受けることがふさわしいものも少なくないと考えられる。」そうです。

11 ①「直近に開催された,最高裁刑事局と全国検察審査協会連合会との懇談会に関する文書(出席者名簿,配付資料,議事要旨等)」及び②「直近に開催された,全国検察審査協会連合会定例総会に関して,最高裁が全国検察審査協会連合会との間で授受した文書」(平成28年度(最情)答申第16号(平成28年6月28日答申)
→ 「検察審査会は,検察審査会法に基づき設置された機関であり,検察審査会事務官が裁判所事務官の中から命じられる(同法20条)ものの,裁判所とは別の独立した機関である。また,全検連は,最高裁判所事務総長の説明によれば,検察審査員の経験者等で構成される任意団体である検察審査協会の全国組織である。そうすると,全検連と最高裁判所が何らかの関わりを持っていることが当然であるとは考えられず,ほかに関わりがあることを示す具体的な資料はない。」そうです。
→ ちなみに,辻恵衆議院議員(民主党)は,平成22年10月22日の衆議院法務委員会において,「実際、この検察審査協会連合会は毎年大会を開催していて、例えば平成十年、第四十四回大会は、帝国ホテルで、会員が千二百六十三名集まって、来賓として当時の山口最高裁長官ほか十五名が出席をしている。毎年、最高裁の刑事局と懇談会もしている。最高裁の長官がわざわざ出ていって、しかも、審査員と補充員のOBが任意に組織しているという団体が、毎年帝国ホテルや有名なホテルで千人規模の大会を開いている。この審査協会に最高裁なり公的な機関が関係しているというふうに私は本当に疑わざるを得ないというふうに思います。」などと発言しています。

12 司法試験受験資格による司法修習生採用者数の内訳が分かる文書等(69期関係)(平成28年度(最情)答申第20号(平成28年6月28日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,第68期司法修習生までの司法修習生に係る本件各開示申出文書の内容に相当する文書については,顧問会議資料とするため,法曹養成制度改革推進室からの作成及び送付の依頼があったことから,これらを作成していたが,第69期司法修習生に係るものについては,いずれの機関からもその作成の依頼を受けていないため,作成していないと説明する。」と記載されています。

13 司法行政文書及び裁判文書に該当しない,裁判所で開示の対象にしていない文書についての管理の取扱方法を定めた通達その他の文書(平成28年度(最情)答申第21号(平成28年7月15日答申)
→ 「本件文書は,司法行政文書及び事件記録等保存規程に挙げられている各種事件記録以外の裁判事務に関する文書であるから,例えば,裁判官が裁判事務に関して申し合わせた内容を記載した文書のように,裁判事務のために用いるものとして作成し,又は取得した文書で,裁判所の裁判部において管理しているものが含まれると考えられる。そうすると,本件文書は,専ら裁判所の裁判部において作成され,保管されるものであって,司法行政部門が作成したり保管したりするものではないのであるから,その管理方法について規律する通達等を作成することによって,司法行政部門が本件文書の作成や保管の在り方に関与することは,相当でないと考えられる。最高裁判所事務総長が,本件文書について,個別の裁判と密接な関連性のある文書であり,裁判における審理及び判断の作用に影響を及ぼす可能性のあるものであることから,その作成,保存等の管理の在り方について司法行政作用である通達等で一律に規律することは相当でないと説明するのも,同様の趣旨であると解される。」そうです。

14 山口地裁所長が山口家裁所長を兼任するようになった経緯が分かる文書(平成28年度(最情)答申第22号(平成28年7月15日答申)
→ 「委員会庶務に調査させたところ,平成27年12月16日付けで,山口地方裁判所長について,兼ねて山口家庭裁判所判事に補する旨及び山口家庭裁判所長を命ずる旨の発令がされたことが確認された。
この人事異動について,最高裁判所事務総長は,裁判官会議における決定の際,人事局長が説明をしているが,その説明内容が記載された文書は存在しな
い旨説明する。また,この点について,委員会庶務において最高裁判所の担当部局である人事局の担当者から意見を聴取したところ,上記のような裁判官会議における説明内容については,通常は文書を作成するものではないとのことであった。本件開示申出に係る事項が,人事に関する事項であり,その性質上,そのような事項について詳しい理由を記載した文書が作成されていないとしても,何ら不合理とは考えられないのであって,本件開示申出に係る事項について詳しい理由について記載した文書を作成することはないという上記の各説明は,合理的であるというべきである。」そうです。

15 裁判に密接に関連する文書の内閣総理大臣への移管方法について,最高裁判所が内閣府との間で取り交わした文書(平成28年度(最情)答申第24号(平成28年7月15日答申)
→ 「事件記録に該当しないものの裁判に密接に関連する文書とは,最高裁判所事務総長が説明するとおり,裁判に密接に関連する事項について,裁判官等が申合せを行った結果を記載し,裁判所の裁判部において管理している文書等をいうものと解されるところ,そのような文書を内閣総理大臣に移管することについて取り交わした文書が本件各申合せとは別に存在することをうかがわせるような事情は何ら見当たらない。」そうです。

16 修習資金貸与要綱第31条の住所等届出書の提出状況が分かる文書等(平成28年度(最情)答申第32号(平成28年10月24日答申)
→ ①年度ごとに,住所等届出書の提出状況が分かる文書,②年度ごとに,住所等届出書の提出を怠った結果,期限の利益を喪失した人の数が分かる文書,③年度ごとに,変更事項届出書の提出状況が分かる文書,④年度ごとに,繰上返還申請をした人の数が分かる文書,⑤年度ごとに,返還期限の猶予を受けた人の数が分かる文書,⑥年度ごとに,返還免除を受けた人の数が分かる文書,及び⑦年度ごとに,修習資金貸与金の回収状況が分かる文書は,そもそも作成していないそうです。

17 新任の最高裁判所判事が着任したときの事務手続について書いてある文書(平成28年度(最情)答申第38号(平成28年9月6日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,認証式については,それを実施する宮内庁から取得した文書も,最高裁判所事務総局が作成した文書もないとのことである。また,就任行事の実施に係る内容やスケジュールの確定は,担当部署の職員が口頭での確認により行っており,他の部署との連絡も口頭又は電話で行っていて,就任行事に関する事務手続について,担当係員が個人的にメモを作ることはあっても,司法行政文書は作成していないとのことである。最高裁判所判事についての認証式及び就任行事に関する事務手続は,これらの行事が滞りなく行われることを目的とするものであると考えられることからすると,事務手続に関して司法行政文書を作成していなかったとしても不合理とはいえず,これらを作成していたことをうかがわせる事情は見当たらない。」から,存在しないそうです。

18 平成28年9月29日に死亡した花村良一裁判官の同月1日から同月29日までの出勤状況が分かる文書(平成28年度(最情)答申第42号(平成29年1月26日答申)
→ 「裁判官については,勤務時間法や給与法の適用がなく,勤務時間を把握するための文書の作成を義務付けた法令等の定めはない。また,裁判官の報酬は,裁判官の報酬等に関する法律に基づき支給されているから,報酬の支給に関して裁判官の出勤状況が分かる文書の作成の必要もない」から,存在しないそうです。

19 最高裁が,平成27年8月末の概算要求に向け,全国の裁判所の職員給与の状況を分析し,将来予測などを行い,どのような要求を立てるべきか検討し,関係部署と調整した上で,案をまとめ,予算要求を行った際に作成した文書(平成28年度(最情)答申第44号(平成29年2月24日答申)
→ 「口頭説明の結果によれば,本件資料の作成に当たっては,最高裁判所事務総局人事局の担当者において最高裁判所内部の関係部局との調整を行うが,その過程で,最高裁判所事務総局人事局において組織的に保有すべき文書を作成することはないとのことである。級別定数改定業務が予算の範囲内で各種の調整を重ねながら行うものであることからすると,本件資料を作成するまでの間に,担当者間でさまざまな案がやりとりされることはあると考えられるが,本件資料のみならず,その段階の案が記載されたものを組織的に保有していなければ,級別定数改定業務やそれに関連する業務に支障を来すとまでは考えられず,そのような文書を組織的に用いるものとして保有していることをうかがわせる事情も見当たらない。」から,存在しないそうです。

20 新任判事補を採用する際の内部手続が分かる文書(平成28年度(最情)答申第45号(平成29年2月24日答申)
→ 平成15年7月1日開催の下級裁判所裁判官指名諮問委員会(第2回)議事要旨以外に存在しないそうです。

21 最高裁判所裁判官の出勤簿(平成28年度(最情)答申第47号(平成29年2月24日答申)
→ 平成28年度(最情)答申第42号(平成29年1月26日答申)と同じ理由により存在しないそうです。

22 選択型実務修習の実施通知(平成28年度(最情)答申第49号(平成29年3月17日答申)
→ 司法研修所は,選択型実務修習の実施者ではないし,配属庁会から取得するなどして保有していることもないそうです。

23  最高裁法廷(大・小)の過去10年間程度の開廷状況の資料(開廷回数が分かるもの)(平成28年度(最情)答申第50号(平成29年3月17日答申)
→  「過去の開廷状況とは,最高裁判所に係属した事件について弁論期日や公判期日等が開かれた場合に関する具体的な回数や日時等をいうものと考えられるところ,最高裁判所の司法行政事務において,そのような過去の開廷状況に関して統計をとるなどの必要性があるとする具体的な事情はうかがわれない」そうです。

24 第70期司法修習予定者の実務修習希望地調査表(平成29年度(最情)答申第1号(平成29年4月28日答申)
→ 第69期司法修習予定者までと異なり,事務の合理化の観点から作成するのを止めたそうです。

25 第69期司法修習生組別志望等調査表(平成29年度(最情)答申第3号(平成29年4月28日答申)
→ 第68期司法修習生までと異なり,事務の合理化の観点から作成するのを止めたそうです。

26 「裁判所が,市民後見人に対し,民法714条1項に基づく監督義務者の損害賠償責任をどのように説明することになっているかが分かる文書」及び「裁判所が,市民後見人に対し,後見業務に関する損害賠償責任保険への加入を勧奨するために使用している文書」(平成29年度(最情)答申第9号(平成29年6月9日答申)
→ 「市民後見人を含む成年後見人の民法714条1項に基づく損害賠償責任に関する説明について,最高裁判所において統一的な運用を定めなければならない必要性があるとは認められず,最高裁判所においてこれを定めていることをうかがわせる事情も認められないことからすれば,最高裁判所において統一的な運用を定めたことはなく,これに関連した文書を作成し,又は取得していないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」とか,「家庭裁判所が市民後見人を含む成年後見人を選任し,監督する権限を有するからといって,家庭裁判所において,市民後見人に対し,後見業務に関する損害賠償責任保険への加入を勧奨すべき立場にあるということはできないし,そのほかに家庭裁判所がこれを勧奨していることをうかがわせる事情も認められないことからすれば,最高裁判所においてこれを勧奨するための文書を作成し,又は取得していないという上記説明の内容は,不合理とはいえない。」そうです。

27 導入修習の期間中にあった,裁判官任官ガイダンスで使用した文書(平成29年度(最情)答申第17号(平成29年7月3日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明は,司法研修所が裁判官任官に関するガイダンスを組織として実施することはないというものであり,その内容が不合理とはいえない。」そうです。

28 「司法研修所の寮の入寮及び退寮に係る司法研修所内部の事務手続が書いてある文書」(平成29年度(最情)答申第19号(平成29年7月3日答申)
→ 「苦情申出人は,司法研修所事務局職員がどの時点でどのような配置に付いていて,どのような事務を担当するのかを定めた文書が存在するはずであると主張するが,そのような文書が入寮及び退寮に関する司法研修所内部の事務手続を記載した文書として作成されていることをうかがわせる事情は認められない」そうです。

29 「平成28年6月16日付で,すべての裁判官の生年月日を開示すべきと判断するに至った経緯が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第20号(平成29年7月24日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明は,従前,最高裁判所判事,高等裁判所長官,地方裁判所長及び家庭裁判所長以外の裁判官の略歴等について,裁判所が保有する文書の開示を求められた場合には,出生の年月日を不開示としていたが,その後,裁判官の略歴について改めて検討を行った結果,全ての裁判官について開示するものと整理して,平成28年6月16日付け最高裁人任第773号人事局長依頼「裁判官の略歴等の開示について」を発出したというものであり,上記の検討及び整理の内容を考慮しても,その経緯を記載した文書を作成していないとの上記説明の内容が不合理とはいえない。また,当委員会庶務を通じて確認した結果,本件苦情申出後の探索によっても,本件開示申出文書に該当する文書は存在しないとのことであった。そのほか,本件開示申出文書に該当する文書の存在をうかがわせる事情は認められない。」そうです。

30 「裁判所職員採用試験における論文試験(小論文),専門試験(記述式),政策論文試験(記述式)及び人物試験の得点分布が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第21号(平成29年7月24日答申)
→ 「苦情申出人のいう第2次試験及び第3次試験については,これらの試験の方式等を考慮するならば,直ちに得点分布が分かる文書を作成する必要があるとはいえず,これらの試験について得点分布が分かる文書を作成していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

31 「平成28年中に実施された,最高裁と日本裁判所書記官協議会との間の座談会,懇談会等に関する文書」(平成29年度(最情)答申第22号(平成29年7月24日答申))
→ 「苦情申出人は,本件不開示部分について,本件団体側の出席者は裁判所書記官という公務員であるから,公務員の職務の遂行に係る情報といえると主張する。しかし,本件団体が任意団体であり,私的な団体であることからすれば,その会員が本件団体の主催する座談会に出席することは,私的な行為であり,公務員の職務遂行に係る行為とは認められない。」そうです。

32 「平成26年4月1日から平成27年10月15日までの間に,最高裁判所に挨拶回りに来た団体名が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第23号(平成29年7月24日答申))
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書について,いずれも作成し,又は取得する必要がない,と説明する。この点につき,そもそも挨拶回りは儀礼上のものにすぎない上,挨拶回り先について何らの定めもないことからすれば,挨拶回り先は個々の異動者の意向等を勘案して個別に決められるものであり,これが分かる文書を作成し,又は取得する必要はなく,また,最高裁判所において挨拶回りに来た団体名を記録に残しておく必要もない,という上記説明の内容が不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において本件開示申出文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。」そうです。

33 「過労自殺の労災認定が,過失相殺なしで1億円以上の損害賠償責任が発生することと直結しつつあることに関する裁判所の問題意識が書いてある文書」(平成29年度(最情)答申第25号(平成29年7月24日答申))
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所においては,「過労自殺の労災認定が,過失相殺なしで1億円以上の損害賠償責任が発生することと直結しつつあること」に関するテーマを取り上げた研究会を実施しておらず,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は存在しなかったとのことである。申出の対象とされたテーマの性格等に照らすならば,このような説明の内容は不合理とはいえない。そのほか,最高裁判所において本件開示申出文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。」そうです。

34 最高裁判所事務総長室の写真が含まれる文書(平成29年度(最情)答申第28号(平成29年9月11日答申)
→ 「最高裁判所事務総長室において行事等を公開して実施することはないため,工事以外に同室の写真が撮影される機会はなく,また,探索の結果,同室については写真が添付された工事の報告書等は存在しないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

35 「最高裁が69期司法修習予定者から回収した,民事裁判アンケート用紙及び刑事裁判アンケート用紙の回答内容を取りまとめた文書」(平成29年度(最情)答申第29号(平成29年9月11日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果,69期司法修習予定者に対して実施されたアンケートは,法科大学院における民事実務及び刑事実務の基礎科目の履修状況等について回答を求めるものであったと認められる。そうすると,当該アンケートの目的を達するためには,各組の担当教官において担当組分の状況を把握すれば足り,回答内容を取りまとめる必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

36 「現職裁判官全員の性別が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第30号(平成29年9月11日答申)
→ 「司法行政事務を処理するに際し,現状において,現職裁判官全員の性別を確認する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

37 「現職裁判官全員について10年の任期満了日が記載された文書」(平成29年度(最情)答申第31号(平成29年9月11日答申)
→ 「司法行政事務を処理するに際し,現状において,一覧性を有する文書によって現職裁判官全員の任期満了日を確認する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

38 「新たに司法修習生を採用する際の,最高裁判所及び司法研修所内部の事務手続が分かる文書(裁判所HPに掲載されたことがある文書は除く。)」(平成29年度(最情)答申第33号(平成29年9月11日答申)
→ 「審査基準及び選考要項には,司法修習生の採用選考における審査基準等が記載されているところ,これらの記載内容を踏まえて検討すれば,そのほかに本件開示申出文書に該当する文書を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。また,当委員会庶務を通じて確認したところ,審査基準は裁判所ウェブサイトに掲載されており,選考要項は一定期間裁判所ウェブサイトに掲載されていたとのことであるから,いずれも本件開示申出文書に該当しない。」そうです。

39 「裁判官の場合,在職中の求職がどのように規制されているかが分かる文書(最新版)」(平成29年度(最情)答申第35号(平成29年10月2日答申)
→ 「裁判官については,国家公務員に対する在職中の求職の規制(国家公務員法106条の3)が適用されず,これを準用する法令もないことを踏まえて検討すれば,本件開示申出文書に該当する文書を作成し,又は取得していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

40 「69期司法修習生の二回試験当日に配布された科目ごとの起案要領」(平成29年度(最情)答申第36号(平成29年10月2日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,第69期司法修習生考試について応試者に交付された「平成27年度(第69期)司法修習生考試応試心得」は,全科目共通のものとして作成されており,答案作成に関する注意事項等を記載した応試要領部分を含めて,考試の実施に当たり必要な事項が記載されていると認められる。これを踏まえて検討すれば,科目別の起案要領を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

41 「最高裁判所裁判官が退官するときの事務手続が書いてある文書(最新版)」(平成29年度(最情)答申第37号(平成29年10月2日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,本件開示申出文書は,最高裁判所判事の退官日及び近接する二,三日間に行われる最高裁判所判事退官に伴う諸行事に関する事務手続を記載した文書を指すものと解されるところ,最高裁判所判事の退官に伴う行事として挨拶回りが実施された例はあるが,挨拶回りに関する司法行政文書は作成していないなどと説明する。この点につき,そもそも挨拶回りは儀礼上のものにすぎない上,挨拶回り先について何らの定めもないことからすれば,挨拶回りについては,担当部署において退官する最高裁判所判事の意向を確認した上で,実施の有無,内容及びスケジュールを確定しており,これらの事務手続は口頭で行われていて,司法行政文書を作成する必要はないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

42 「司法修習生考試に不合格となった者を再び採用する際の,最高裁判所及び司法研修所内部の事務手続が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第38号(平成29年10月2日答申)
→ 「本件開示文書には,司法修習生の採用選考における審査基準が記載されているところ,その記載内容を踏まえて検討すれば,司法修習生であった者が考試を再度受験するために再採用される際には,本件開示文書に基づいて審査が行われるのであり,本件開示文書以外に司法行政文書を作成し,又は取得する必要はないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

43 「平成22年11月頃,社会人で合格した修習生が民間企業などに身分を残したまま,休職扱いで修習できるよう,兼職許可の運用を見直した際に作成した文書」(平成29年度(最情)答申第40号(平成29年10月2日答申)
→ 「司法修習生の兼業許可については,法令の基準に沿った運用がされていて,最高裁判所において具体的な基準を定めた文書を保有していないことは,既に当委員会で明らかにしたところである(平成28年度(最情)答申第3号参照)。これを踏まえて検討すれば,司法修習生の兼業許可の運用を緩和した際,最高裁判所において作成した文書が見当たらないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

44 「昭和46年4月に司法修習生を罷免した際の最高裁判所裁判官会議議事録」(平成29年度(最情)答申第47号(平成29年12月1日答申)
→ 「最高裁判所の職員の口頭説明によれば,裁判官会議議事録については保存期間満了後もその保存期間を延長して保有しているところ,本件開示申出文書については,原判断を行うに際して探索しただけでなく,本件苦情申出後にも,最高裁判所が保有する裁判官会議議事録等のファイルを精査し,司法修習生に関する事務を取り扱う部署においても探索したが,本件開示申出文書に該当する議事録は見当たらなかったとのことであり,最高裁判所における探索の対象や方法等に不合理な点は認められない。」そうです。

45 「最高裁判所が,内閣に対し,下級裁判所裁判官に任命されるべき者を指名するに当たり,任命予定者よりも1名多く指名することとなっている根拠が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第48号(平成29年12月1日答申)
→ 下級裁判所裁判官に任命されるべき者として最高裁判所が指名すべき人数については,法令上,特段の定めはない。また,最高裁判所の職員の口頭説明によれば,以前は任命されるべき人数より1名多く指名するのが通例であったが,下級裁判所裁判官指名諮問委員会が設置された現在では任命されるべき人数と等しい人数を指名しており,これらの事務は慣例によって運用しているものであるから,文書を作成する必要はないとのことである。」そうです。46 「平成29年4月19日付の最高裁人事に関する挨拶回りについて,最高裁に来訪した者やその所属等を記録したり,日程を調整したりした際に作成した文書」(平成29年度(最情)答申第49号(平成29年12月1日答申))
→ 「平成29年4月19日付けの最高裁人事は,裁判官の定年退官に伴う一連の人事と認められ,このような人事に関連して,最高裁判所において挨拶回りに訪れた者やその所属等を記録に残しておいたり,日程を調整する際に文書を作成したりする必要はなく,他の機関から文書を取得したこともないとする説明は不合理とはいえない。」そうです。

47 「平成29年4月任官の弁護士任官者に対して実施した,最高裁判所の面接選考に関する文書(実施日時,実施場所,実施方法,面接担当者の肩書及び氏名等が書いてある文書をいうものの,これに限られない。)」(平成29年度(最情)答申第50号(平成29年12月1日答申)
→ 「受験者の面接及び健康診断の時間については,これらの記載部分を明らかにすることは,結果として,面接に要する個別の時間等を明らかにすることになるから,今後の人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがある」そうです。

48 「裁判所採用情報ナビゲーター『さいたん』の発案から採用に至るまでの経緯が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第51号(平成29年12月1日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,裁判所採用情報ナビゲーター「さいたん」については,利用規約によってその使用目的等が定められているのみであるなどと説明する。この説明につき,当委員会庶務を通じて確認したところ,上記利用規約を作成するまでの事務は口頭で行われたとのことである。上記利用規約の内容及び「さいたん」の作成に際して費用が発生していないこと(平成29年度(最情)答申第2号参照)に照らして検討するならば,最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

49 「修習資金貸与金の管理マニュアル(裁判所HPに掲載しているものは除く。)(最新版)」(平成29年度(最情)答申第55号(平成29年12月22日答申)
→ 「修習資金貸与要綱には,修習資金の貸与から返還に至るまでの事務について具体的に記載されていることからすれば,管理マニュアルを作成する必要がないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

50 「判事補採用時点における新任判事補の出身大学の分布が分かる文書(55期から69期までの分)」(平成29年度(最情)答申第56号(平成30年1月19日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の説明によれば,このような文書を作成する必要性はないので,本件開示申出文書を作成し,又は取得していない」そうです。

51 「第69期司法修習生の事前課題に関する模範答案,参考答案その他司法研修所教官室が作成した答案」(平成29年度(最情)答申第63号(平成30年2月23日答申)
→ 「司法修習は,法曹に共通して必要とされる法的問題の解決のための基本的な視点や考え方を学ばせることを目的としており,正解を重視しているものではなく,事前課題について,模範答案,参考答案等は作成していない」そうです。

52 「第69期判事補の,司法研修所における成績分布が分かる文書」(平成29年度(最情)答申第64号(平成30年2月23日答申)
→ 「司法研修所では,各期の司法修習生の成績分布を示した文書を作成する必要性がないことから,成績を集計,整理するなどして成績分布が分かるような文書を作成することはしていない」そうです。

53 「判事補採用時点における新任判事補の出身法科大学院の分布が分かる文書(65期から69期までの分)」(平成29年度(最情)答申第66号(平成30年2月23日答申)
→ 「このような文書を作成する必要性はないので,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえ」そうです。

54 「最高裁判所と法務省民事局,刑事局及び訟務局との間で実施された会合に関する文書」(平成29年度(最情)答申第71号(平成30年3月23日答申)
→ 「本件開示申出日現在,最高裁判所と法務省民事局,法務省刑事局又は法務省訟務局との間で開かれる会議,協議会等は存在せず,また,開催時期を問わず,広く最高裁判所において保管するファイルを探索するなどして確認したが,本件開示申出文書に該当する文書は見当たらなかった」そうです。

55 「平成13年12月頃に開催された,『裁判官の在り方を考える』と題した研究会の速記録及びそのダイジェスト版」(平成29年度(最情)答申第73号(平成30年3月23日答申)
→ 「本件開示申出の内容を踏まえると,研究会が開催された平成13年12月頃から15年以上が経過しており,本件開示申出文書に該当する文書が30年の保存期間を設定すべきものとは考え難い」そうです。

56 「最高裁が,朝日新聞社等の報道各社からの依頼に基づき,第24回国民審査を受ける最高裁判所裁判官のアンケート回答を送付した際に作成し,又は受領した文書」(平成30年度(最情)答申第5号(平成30年4月20日答申)
→ 「国民審査に付された最高裁判所裁判官から受け取ったアンケート回答書は報道機関に送付済みであり,そのほかに作成し,又は取得した文書はない」そうです。

57 「司法研修所が作成に関与したツイッターアカウントの一覧が書いてある文書」(平成30年度(最情)答申第6号(平成30年4月20日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所は,ツイッターを業務として利用しておらず,ツイッターアカウントの作成に関与したことはないから,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

58 「最高裁が,全国の下級裁判所に対し,公判前整理手続を短くするように指示した文書(最新版)」(平成30年度(最情)答申第12号(平成30年5月25日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,公判前整理手続の性質上,最高裁判所が下級裁判所に対して,その期間を短縮するよう指示することはないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

59 「新任の司法研修所弁護教官に交付している,司法研修所弁護教官の職務内容に関する説明文書(最新版)(裁判所HPに掲載されている文書は除く。)」(平成30年度(最情)答申第20号(平成30年7月20日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,新たに委嘱された司法研修所弁護教官に対しては,同教官の職務内容について必要に応じて他の弁護教官等から説明を行っており,司法研修所として説明文書を作成・交付する必要がないとのことであり,本件開示申出文書の性質に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない」そうです。

60 「平成30年1月の最高裁判所長官交代に際して作成された事務引継書及び関連資料」(平成30年度(最情)答申第22号(平成30年7月20日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所長官の交代に当たり,事務引継書を組織的に作成することを予定するような定めはなく,事務引継書は必ず作成しなければならないものではない上,本件開示申出を受けて最高裁判所内を探索したものの,本件開示申出文書は存在しなかったとのことであり,本件開示申出文書の性質に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない」そうです。

61 「民事,刑事及び行政の上告事件,抗告事件等に関する調査官報告書の様式を定めた文書」(平成30年度(最情)答申第27号(平成30年8月24日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は作成し,又は取得していなかったとのことであり,調査官報告書の性質に照らせば,このような説明の内容が不合理とはいえない。苦情申出人は,雑誌に掲載された記事を挙げて,本件開示申出文書は存在すると主張するが,当該記事の内容を見ても,調査官報告書について特定の書式が定められているという趣旨まで読み取ることはできない。」そうです。

62 70期問研起案の成績分布が分かる文書(平成30年度(最情)答申第28号(平成30年8月24日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,各司法修習生が作成した問研起案の評価は行っているものの,その評価結果は当該司法修習生に対する分野別実務修習の成績評価の一資料として使用されるものにすぎず,問研起案の成績自体の分布を独立して把握する必要がないことから,成績の分布を示した文書は作成し,又は取得していないとのことであり,問研起案が修習の一環として行われるものであることを踏まえて検討すれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

63 最高裁が,日弁連に対し,70期二回試験の結果を伝えるために送付した文書(平成30年度(最情)答申第30号(平成30年8月24日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,探索の結果,本件開示申出文書に該当する司法行政文書はなく,最高裁判所が日本弁護士連合会に対して70期司法修習生考試の結果を文書で伝えたことはないとのことであり,本件開示申出文書の性格に照らすならば,最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

64 裁判所法の一部を改正する法律(平成29年4月26日法律第23号)に関する国会答弁資料(平成30年度(最情)答申第36号(平成30年10月19日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認したところ,最高裁判所において探索した結果,本件開示申出文書を保有していないとのことであり,本件開示申出文書の性格に照らしても,本件開示申出文書を保有していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

65 70期二回試験の答案採点謝金の採点単価が分かる文書(歳出概算要求書は除く。)(平成30年度(最情)答申第37号(平成30年10月19日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,第70期司法修習生考試の答案採点謝金については,個々の採点者ごとに支払金額を決定しており,答案ごと又は答案1枚当たりの採点単価や採点謝金の基準を別途定めていないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

66 最高裁が,平成19年頃,裁判所の記録謄写業務公募制を採用するに至った経緯が分かる文書(平成30年度(最情)答申第40号(平成30年10月19日答申)
→ 「当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,最高裁判所においては,本件通達の廃止時の記録を含めて探索したものの,本件開示申出文書に該当する文書は見当たらなかったとのことであり,探索の方法を含め,本件開示申出文書に該当する文書を保有していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

67 第70期司法修習生の全国一斉検察起案に関する文書のうち,成績分布表,結果報告書及び起案成績が検察官採用にどのように影響するかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第42号(平成30年11月16日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所において各司法修習生が作成した全国一斉検察起案の評価を行っているものの,その評価結果は当該司法修習生に対する分野別実務修習の成績評価の一資料として使用されるものにすぎず,本件開示申出文書は作成し,又は取得していないとのことであり,全国一斉検察起案が修習の一環として行われるものであることを踏まえて検討すれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

68 民事訴訟において弁論を終結してから2か月以内に判決を出さない場合,どこにどのような報告をしなければならないかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第43号(平成30年11月16日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は存在しないとのことであり,本件開示申出の内容及び民事訴訟法251条1項の趣旨・目的に照らして,このような説明の内容が不合理とはいえない。苦情申出人は,市販されている書籍の記載内容から,本件開示申出文書が存在する旨を主張するが,当該記載内容は上記の説明の合理性を疑わせるに足りる具体的な根拠を示すものではない。」そうです。

69 民事裁判の弁論準備手続期日につき,どのような場合に,期日に出席していない裁判所書記官が期日調書を作成できることになっているかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第53号(平成30年12月21日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,探索の結果,本件開示申出文書に該当する文書は存在せず,また,裁判所書記官の臨席の要否は裁判官の判断によるものであり,この判断は司法行政文書により明らかにされる性質のものではないと説明する。本件開示申出の内容に照らして,このような説明の内容は不合理とはいえない。」そうです。

70 裁判所入り口に備え付けている開廷表につき,どのような場合に当事者名を記載しないこととしているかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第59号(平成31年1月18日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,開廷表の記載事項は,通達等で定められているものではなく,どのような場合に当事者名を記載しないこととしているかについては,事案ごとに個別具体的な事情に応じて裁判体が判断しているのが実情であるとのことであり,本件開示申出文書について最高裁判所において探索したものの,その保有の事実は認められなかったとのことであって,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

71 最高裁判所調査官室の勉強会における配付資料(直近に行われたもの)(平成30年度(最情)答申第61号(平成31年1月18日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所調査官個々人の研究,研さんを図るために勉強会が実施されることはあるものの,このような性格の勉強会において,司法行政文書を作成し,又は取得することは予定されておらず,最高裁判所において探索したものの本件開示申出文書を保有していなかったとのことである。調査官個人の研究や研さんを図るという勉強会の性格からすれば,司法行政上,このような性格の勉強会について記録や資料を残す必要があるとは考えられず,探索の結果,本件開示申出文書を保有していないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

72 ①修習生バッチの製造委託の契約書,②修習生バッチの再発行手数料が分かる文書,③修習生バッチをねじ式からピンで留めるタイプに改造できることに関する案内文書(平成30年度(最情)答申第62号(平成31年1月18日答申)
→ ①の文書につき,
「平成26年度に修習生バッジの調達を行った記録が保存されているものの,当該調達については,会計法第29条の8第1項ただし書並びに予算決算及び会計令第100条の2第1項第1号により,契約書の作成が省略され,契約事務取扱規則第15条に定める請書その他これに準ずる書面の徴取も行われていないとのことである。当委員会庶務において確認したところ,平成26年度に行われた修習生バッジの調達における契約金額は,会計法第29条の8第1項ただし書並びに予算決算及び会計令第100条の2第1項第1号により,契約書の作成を省略することができる場合に該当するものと認められ,また,このような契約の目的及び契約金額に照らして検討すれば,契約事務取扱規則第15条に定める請書その他これに準ずる書面の徴取も行われていないという上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
→ ②の文書につき,
「司法修習生のバッジを再交付するために要する手数料等を司法修習生から徴収していないため,作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。
→ ③の文書につき,
「司法修習生のバッジはねじ式のものではないため,作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

73 ①裁判所の公用電子メールの保存期間が分かる文書,②司法行政文書に関する電子データの保存期間が分かる文書(平成30年度(最情)答申第63号(平成31年1月18日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明及び当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,電磁的記録である司法行政文書の保存期間については,平成24年12月6日付け最高裁秘書第003545号事務総長通達「司法行政文書の管理について」等の司法行政文書の保存期間に係る規定が適用されるため,必ずしも本件開示申出文書を作成する必要はないとのことであった。このような本件開示申出文書の性格に照らして検討するならば,探索したものの本件開示申出文書の保有の事実はなかったという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

74 最高裁判所が,職員団体等に対する法人格の付与に関する法律に基づき,特定の団体に関して作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第71号(平成31年2月22日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,職員団体等に対する法人格の付与に関する法律に基づき作成し,又は取得した文書を探索したところ,対象となる文書は存在せず,また存在した形跡もなかったとのことであり,裁判所の職員により構成される職員団体に係る上記法律の適用関係に照らして,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

75 どのような司法行政文書について,謄写は認められないものの,閲覧は認めるという司法行政文書開示決定を出すことになっているかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第72号(平成31年2月22日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,開示の実施方法としては,取扱要綱記第10の1において,文書及び図画については,これの閲覧をさせ,又は写しの交付を求める者に自らの費用で謄写をさせることにより行うと定めるほかに,特に定める規定はなく,運用に当たって,個別の案件ごとに開示対象文書の性質等を踏まえて判断しているものであって,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

76 最高裁判所が修習給付金について必要経費として控除することができる経費があるかどうかを検討した際に作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第77号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所において,修習給付金のうち基本給付金及び住居給付金について,必要経費として控除することができる費用が存在するか検討したが,この検討内容については,文書を作成するほどの複雑な内容のものではなかったことから,文書を作成していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

77 平成30年1月16日時点の判事の現在員が1999人であり,判事補の現在員が819人であることを最高裁判所が調べた際に作成し,又は取得した文書(平成30年度(最情)答申第78号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所においては,毎年12月1日現在の判事及び判事補の現在員を算出しており,12月1日以外の基準日の現在員を算出する必要が生じた場合には,直近に算出した12月1日時点の数値をもとに,同日以降の任官者数,退官者数等を集計して算出するところ,平成30年1月16日時点の現在員の算出に当たっても同様の方法を取ったことから,その過程で司法行政文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

78 新任の最高裁判所調査官に対し,その職務内容を説明するときに使用している文書(平成30年度(最情)答申第80号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,新任の最高裁判所調査官に対しては,その職務内容について,他の最高裁判所調査官等から必要に応じて説明を行っており,最高裁判所として新任の最高裁判所調査官に対して職務内容を説明するための文書を作成する必要はないとのことである。最高裁判所調査官の職務に照らして検討しても,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

79 71期問研起案の成績分布表,結果報告書及び起案成績が判事補採用にどのように影響するかが分かる文書(平成30年度(最情)答申第81号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長の上記説明によれば,司法研修所において各司法修習生が作成した問研起案の評価を行っているものの,その評価結果は当該司法修習生に対する分野別実務修習の成績評価の一資料として使用されるものにすぎず,本件開示申出文書は作成し,又は取得していないとのことであり,問研起案が修習の一環として行われるものであることを踏まえれば,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

80 司法行政上の職務に関する規則1項に基づき,最高裁判所が指定する,判事又は判事補をもって充てる司法行政上の事務を掌る職が分かる文書(平成30年度(最情)答申第82号(平成31年3月15日答申)
→ 「司法行政上の職務に関する規則1項は,「司法行政に関する事項の審議立案その他司法行政上の事務を掌る職のうち,最高裁判所において指定するものは,判事又は判事補をもってあてる」と定めるところ,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,最高裁判所裁判官会議において個別の裁判官の転補等に係る議決をすることをもって,司法行政上の事務を掌る職に判事又は判事補を充てる運用を行っているため,当該議決とは別に該当する職の指定についての文書や該当する職を一覧的に記載した文書を作成してはいないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

81 最高裁判所事務総長が判事をもって充てられていることの法的根拠が分かる文書(平成30年度(最情)答申第83号(平成31年3月15日答申)
→ 「最高裁判所事務総長については,裁判所法53条の規定によれば,最高裁判所に置くことが定められているが,そのほかにその職の資格等についての規定はなく,最高裁判所事務総長の上記説明によれば,判事の官職を保有させたまま最高裁判所事務総長に任命することはしておらず,判事をもって充てられているわけではなく,したがって,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないとのことであり,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

82 精密検査が必要と判定された結果,最高裁判所での健康診断を実施した際に作成した文書(71期司法修習生採用手続におけるもの)(平成31年度(最情)答申第6号(平成31年4月19日答申)
→ 「最高裁判所事務総長は,申出時点において直近に実施された第71期司法修習生採用選考手続において,最高裁判所での健康診断を実施していないから,作成し,又は取得していないと説明しており,このような説明の内容が不合理とはいえない。」そうです。

山崎秀尚裁判官(42期)の経歴

生年月日 S34.11.20
出身大学 早稲田大
退官時の年齢 58 歳
H30.7.31 依願退官
H30.5.16 ~ H30.7.30 岐阜地家裁判事(H30.6.28戒告)
H30.4.1 ~ H30.5.15 岐阜地家裁多治見支部長
H26.4.1 ~ H30.3.31 名古屋地家裁岡崎支部判事
H23.4.1 ~ H26.3.31 名古屋高裁3民判事
H22.4.1 ~ H23.3.31 長野地家裁松本支部長
H20.4.1 ~ H22.3.31 長野地家裁松本支部判事
H16.4.1 ~ H20.3.31 名古屋高裁1民判事
H13.1.9 ~ H16.3.31 名古屋地家裁一宮支部判事
H12.4.10 ~ H13.1.8 東京地裁判事
H10.4.1 ~ H12.4.9 東京地裁判事補
H7.4.1 ~ H10.3.31 札幌地家裁判事補
H4.4.1 ~ H7.3.31 大阪地家裁堺支部判事補
H2.4.10 ~ H4.3.31 名古屋地裁判事補

*0 平成30年12月,弁護士法人名城法律事務所に弁護士として入所しました(同事務所HPの「弁護士紹介」参照)。
*1 JR東海が認知症で徘徊中に列車にはねられて死亡した男性(当時91)の遺族に対し,他社線への振替輸送等によって生じた損害の賠償を求めた訴訟において,介護に携わった妻と長男に請求通り約720万円の支払を命じた名古屋地裁平成25年8月10日判決を変更し,妻の監督責任を認めて約359万円に減額して支払を命じた名古屋高裁平成26年4月24日判決(裁判長は26期の長門栄吉)の左陪席裁判官でした(現代ビジネスHP「「アホ判決」91歳の認知症夫が電車にはねられ、85歳の妻に賠償命令実名と素顔を公開この裁判官はおかしい」(2014年5月28日付)参照)ところ,当該判決は最高裁平成28年3月1日判決で取り消されました。

*2 弁護士コラムの「判決できたふり裁判。山崎秀尚判事(58歳)を懲戒へ。名古屋地裁岡崎支部。」(2018年6月13日付)には以下の記載があります。
    岐阜地裁は13日、36件の民事裁判で判決文が未完成の状態なのに判決を言い渡して裁判所法の職務上の義務に違反したとして、同地裁の山崎秀尚(やまざき・ひでひさ)裁判官(58)について、裁判官分限法に基づき名古屋高裁に懲戒を申し立てた。
    地裁によると、今年4月上旬、判決の言い渡しから判決文の送達までに時間がかかっているケースがあるのを名古屋地裁の職員が見つけ、両地裁が調査していた。
*3 「42期の山崎秀尚岐阜地家裁判事に対する懲戒処分(戒告)」には以下の記載があります。
    被申立人は,平成26年4月1日から平成30年3月31日まで名古屋地方裁判所岡崎支部判事の職にあった者であるが,その在任期間中の平成29年4月17日から平成30年3月30日までの間に,36件の民事訴訟事件について,民事訴訟法252条に違反して,判決書の原本に基づかずに判決を言い渡したものである。
*4 法は国民のために~FLORALAWブログフローラ法律事務所(愛知県豊川市。代表者は43期の早川真一 元裁判官)が運営しているみたいです。)の「1633 名古屋高裁管内にもあった原本に基づかない民事判決言渡しの裁判官(依願退官),当時の支部長の依願退官は詰め腹?」(2019年2月8日付)に以下の記載があります。
昔の問題判事さんに付いた書記官さんの話を直に聞いたこともあります。
私は,その当時はむしろ可哀想だと思ってました。
「いくら御願いしても判決を書いてくれない。」
「判決言渡期日は弁護士事務所の事務員から,判決の結果を問い合わせる電話が来るのだが,答えるに答えられず,とにかく逃げ回っていた。居留守とかも使った」
「自分で判決が書けるなら書きたいくらいだった」
とのことでした。
(中略)
20年前,30年前のように,
査察体制等が必ずしも整備されていなかった時期であればともかく,
これほどきちんと査察がされるようになったにもかかわらず,
しかも問題点は当然発見できたはずであるにもかかわらず,
早急に手を打たなかったとすれば,やはり上級幹部や所長も責任を免れないと思います。
*5 以下の記事も参照してください。
・ 書記官事務等の査察
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部

寺西和史裁判官(45期)の経歴

生年月日 S39.8.26
出身大学 京大
退官時の年齢 55歳
R2.8.15 依願退官
H31.4.1 ~ R2.8.14 高松高裁第2部判事(民事)
H28.4.1 ~ H31.3.31 大阪高裁7民判事
H24.4.1 ~ H28.3.31 神戸地裁4民判事
H21.4.1 ~ H24.3.31 名古屋地裁3民判事
H17.4.1 ~ H21.3.31 仙台高裁秋田支部判事
H15.4.9 ~ H17.3.31 札幌地家裁判事
H13.4.1 ~ H15.4.8 札幌地家裁判事補
H10.4.1 ~ H13.3.31 仙台地家裁判事補
H7.4.1 ~ H10.3.31 旭川地家裁判事補
H5.4.9 ~ H7.3.31 札幌地裁判事補

*1 以下の記事も参照してください。
・ 高等裁判所支部
・ 人事院規則14-7(政治的行為),及び名古屋家裁裁判官の反天皇制に関する行為
・ 柳本つとむ裁判官に関する情報,及び過去の分限裁判における最高裁判所大法廷決定の判示内容
*2の1 寺西和史仙台地家裁判事補を戒告とした最高裁大法廷平成10年12月1日決定の裁判要旨として以下のものがあります。
   裁判官が、その取扱いが政治的問題となっていた法案(山中注:組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案,犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案)を廃案に追い込もうとする党派的な運動の一環として開かれた集会において、会場の一般参加者席から、裁判官であることを明らかにした上で、「当初、この集会において、盗聴法と令状主義というテーマのシンポジウムにパネリストとして参加する予定であったが、事前に所長から集会に参加すれば懲戒処分もあり得るとの警告を受けたことから、パネリストとしての参加は取りやめた。自分としては、仮に法案に反対の立場で発言しても、裁判所法に定める積極的な政治運動に当たるとは考えないが、パネリストとしての発言は辞退する。」との趣旨の発言をした行為は、判示の事実関係の下においては、右集会の参加者に対し、右法案が裁判官の立場からみて令状主義に照らして問題のあるものであり、その廃案を求めることは正当であるという同人の意見を伝えるものというべきであり、右集会の開催を決定し右法案を廃案に追い込むことを目的として共同して行動している諸団体の組織的、計画的、継続的な反対運動を拡大、発展させ、右目的を達成させることを積極的に支援しこれを推進するものであって、裁判所法五二条一号が禁止している「積極的に政治運動をすること」に該当する。
*2の2 人事院規則14-7(政治的行為)5項5号の「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し又はこれに反対すること。」につき,人事院規則14―7(政治的行為)の運用方針について(昭和24年10月21日法審発第2078)(人事院事務総長発)には以下の記載があります。
(五) 第5号関係 本号にいう「政治の方向に影響を与える意図」とは、日本国憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとする意思をいう。「特定の政策」とは、政治の方向に影響を与える程度のものであることを要する。最低賃金制確立、産業社会化等の政策を主張し若しくはこれらに反対する場合、又は各政党のよつて立つイデオロギーを主張し若しくはこれらに反対する場合、あるいは特定の法案又は予算案を支持し又はこれに反対するような場合も、日本国憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとするものでない限り、本号には該当しない。
*3の1 令和2年8月16日現在,Wikipediaの「寺西和史」には以下の記載があります。
   1997年に令状によって傍受を可能とする組織的犯罪対策法案(犯罪捜査のための通信傍受に関する法律)の骨子が発表されると、旭川地方裁判所判事補であった寺西は「信頼できない盗聴令状審査」と題する批判を朝日新聞の読者欄に投稿、10月2日に掲載された。これによって、旭川地裁所長である鬼頭季郎から厳重注意処分を受けた。この時、田尾健二郎判事が寺西を批判する投書をし(「事実に反する令状言いなり」10月8日号掲載)、前田知克弁護士が田尾への反論を行っている(「事実に合った寺西氏の意見」10月10日号掲載)。なお、田尾判事は法案の元となる骨子の作成に携わっていた。
*3の2 スローニュース旧公式サイトの「不思議な裁判官人事 第4回「出る杭」として処分を受けた人 」(2022年8月10日付)には,45期の寺西和史 元裁判官の発言として「一般企業に勤めたことはないですが、裁判所は絶対に良い職場だと思います。給料もそう。部総括になると、『判事3号』となって少し違いが出ますが、それまでの『判事4号』までは、上がり方もだいたい平等なんです。私でも4号になれた。民間企業は、そこまで平等ではないですよね」と書いてあります。


*4の1 私は,婚約破棄に基づく損害賠償請求事件につき,被告(男性)の訴訟代理人として,神戸地裁平成26年12月19日判決(担当裁判官は45期の寺西和史)で全部勝訴したものの,平成27年3月26日に控訴審が一回で結審となり,その直後の和解期日において,42期の井上一成裁判官から「あなたはお若いからご存じないかもしれないが,地裁判決を書いた寺西裁判官は,有名な,非常に変わった人間である。そのため,彼以外の裁判官であれば,99%ぐらいが異なる結論の判決を書く。というのは言い過ぎであるが,寺西裁判官は変な人だから,この人が書いた判決を基準にすることはできない。」などといわれました。。
    神戸地裁での訴訟係属中,原告(元婚約相手の女性)の訴訟代理人から100万円の分割払いによる和解を打診されたという経緯があったため,同年4月10日の和解期日において,井上一成裁判官から100万円の分割払いによる和解を打診されたが,私はこれを断りました。
    そして,大阪高裁平成27年6月4日判決(担当裁判官は33期の森義之42期の井上一成及び46期の金地香枝)によって,215万6000円の支払いを命じられました。
    その後,私が原告訴訟代理人となって,男性の方から同棲期間中の生活費等の精算を求める不当利得返還請求訴訟を提起した結果,平成28年3月9日,男性が元婚約相手の女性に100万円を支払うという内容で訴訟上の和解が成立しました。
*4の2 私は,男性の訴訟代理人として,平成28年3月15日,大阪簡裁で国家賠償請求訴訟を提起したところ,同月18日,職権で大阪地裁に移送され(大阪簡裁平成28年3月18日決定参照),大阪地裁平成28年11月28日判決(請求棄却),大阪高裁平成29年6月27日判決(控訴棄却)及び最高裁平成29年11月30日決定(上告不受理)となりました。

 


斎藤正人裁判官(40期)の経歴

生年月日 S34.4.3
出身大学 早稲田大
退官時の年齢 65歳
R6.4.3 定年退官
R3.1.17 ~ R6.4.2 大阪高裁4刑部総括
R2.2.26 ~ R3.1.16 徳島地家裁所長
H31.3.23 ~ R2.2.25 名古屋高裁金沢支部刑事部部総括
H28.3.22 ~ H31.3.22 京都地裁2刑部総括
H23.4.1 ~ H28.3.21 大阪地裁5刑部総括
H22.4.1 ~ H23.3.31 大阪地裁13刑判事
H18.4.1 ~ H22.3.31 司研刑裁教官
H15.4.1 ~ H18.3.31 大阪地裁3刑判事
H11.4.1 ~ H15.3.31 高松地裁判事
H10.4.12 ~ H11.3.31 大阪地裁判事
H8.4.1 ~ H10.4.11 大阪地裁判事補
H5.4.1 ~ H8.3.31 広島地家裁判事補
H2.4.1 ~ H5.3.31 奈良地家裁判事補
S63.4.12 ~ H2.3.31 横浜地裁判事補

*1 以下の記事も参照して下さい。
・ 高裁の部総括判事の位置付け
・ 高等裁判所支部
・ 毎年6月開催の長官所長会同
・ 新任の地家裁所長等を対象とした実務協議会の資料
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 司法研修所刑事裁判教官の名簿
*2 徳島新聞HPに「徳島地・家裁所長に就任した 齋藤正人さん」が載っています。
*3 大阪地裁平成24年3月21日判決(裁判長は40期の斎藤正人)は,懲役10年の求刑があった傷害致死事件について懲役15年を言い渡し(日経新聞HPの「女児虐待死、大阪地裁が求刑上回る判決 両親懲役15年」参照),大阪高裁平成25年4月11日判決(裁判長は28期の的場純男)はこれに対する被告人の控訴を棄却した(日経新聞HPの「娘虐待死で両親、二審も懲役15年 大阪高裁判決」参照)ものの,最高裁平成26年7月24日判決は破棄自判して,2人の被告人についてそれぞれ懲役10年及び懲役8年としました。
*4 吹田警察署千里山交番警察官襲撃事件(令和元年6月16日,大阪府吹田市吹田警察署千里山交番で警察官が襲撃され、拳銃が奪われた強盗殺人未遂事件です。)に関して,大阪地裁令和3年8月10日判決(裁判長は48期の渡部市郎)は懲役12年の有罪判決でしたが,大阪高裁令和5年3月20日判決(裁判長は40期の斎藤正人)は被告人に責任能力がないことを理由とする無罪判決でした。
*5 大阪高裁令和5年6月9日決定(裁判長は40期の斎藤正人)は,法廷録音をめぐる制裁裁判で過料3万円の決定を受けたことを不服として,大阪弁護士会の中道一政弁護士(65期)が申し立てた抗告を棄却しました(弁護士ドットコムニュースの「法廷録音めぐる制裁裁判で過料3万円、中道弁護士の抗告棄却 大阪高裁」参照)。

人事院規則14-7(政治的行為),及び名古屋家裁裁判官の反天皇制に関する行為

目次
第1 人事院規則14-7(政治的行為)
第2 名古屋家裁裁判官の反天皇制に関する行為
1 平成31年3月13日付の産経新聞の記事
2 夏祭起太郎名義の2つのエッセー
第3 関連記事その他

第1 人事院規則14-7(政治的行為)
   裁判官には適用されないものの,国家公務員法102条(政治的行為の制限)の委任によって制定された人事院規則14-7(政治的行為)は以下のとおりです。

(適用の範囲)
1 法及び規則中政治的行為の禁止又は制限に関する規定は、臨時的任用として勤務する者、条件付任用期間の者、休暇、休職又は停職中の者及びその他理由のいかんを問わず一時的に勤務しない者をも含むすべての一般職に属する職員に適用する。ただし、顧問、参与、委員その他人事院の指定するこれらと同様な諮問的な非常勤の職員(法第八十一条の五第一項に規定する短時間勤務の官職を占める職員を除く。)が他の法令に規定する禁止又は制限に触れることなしにする行為には適用しない。
2 法又は規則によつて禁止又は制限される職員の政治的行為は、すべて、職員が、公然又は内密に、職員以外の者と共同して行う場合においても、禁止又は制限される。
3 法又は規則によつて職員が自ら行うことを禁止又は制限される政治的行為は、すべて、職員が自ら選んだ又は自己の管理に属する代理人、使用人その他の者を通じて間接に行う場合においても、禁止又は制限される。
4 法又は規則によつて禁止又は制限される職員の政治的行為は、第六項第十六号に定めるものを除いては、職員が勤務時間外において行う場合においても、適用される。
(政治的目的の定義)
5 法及び規則中政治的目的とは、次に掲げるものをいう。政治的目的をもつてなされる行為であつても、第六項に定める政治的行為に含まれない限り、法第百二条第一項の規定に違反するものではない。
一 規則一四―五に定める公選による公職の選挙において、特定の候補者を支持し又はこれに反対すること。
二 最高裁判所の裁判官の任命に関する国民審査に際し、特定の裁判官を支持し又はこれに反対すること。
三 特定の政党その他の政治的団体を支持し又はこれに反対すること。
四 特定の内閣を支持し又はこれに反対すること。
五 政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し又はこれに反対すること。
六 国の機関又は公の機関において決定した政策(法令、規則又は条例に包含されたものを含む。)の実施を妨害すること。
七 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)に基く地方公共団体の条例の制定若しくは改廃又は事務監査の請求に関する署名を成立させ又は成立させないこと。
八 地方自治法に基く地方公共団体の議会の解散又は法律に基く公務員の解職の請求に関する署名を成立させ若しくは成立させず又はこれらの請求に基く解散若しくは解職に賛成し若しくは反対すること。
(政治的行為の定義)
6 法第百二条第一項の規定する政治的行為とは、次に掲げるものをいう。
一 政治的目的のために職名、職権又はその他の公私の影響力を利用すること。
二 政治的目的のために寄附金その他の利益を提供し又は提供せずその他政治的目的をもつなんらかの行為をなし又はなさないことに対する代償又は報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益を得若しくは得ようと企て又は得させようとすることあるいは不利益を与え、与えようと企て又は与えようとおびやかすこと。
三 政治的目的をもつて、賦課金、寄附金、会費又はその他の金品を求め若しくは受領し又はなんらの方法をもつてするを問わずこれらの行為に関与すること。
四 政治的目的をもつて、前号に定める金品を国家公務員に与え又は支払うこと。
五 政党その他の政治的団体の結成を企画し、結成に参与し若しくはこれらの行為を援助し又はそれらの団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となること。
六 特定の政党その他の政治的団体の構成員となるように又はならないように勧誘運動をすること。
七 政党その他の政治的団体の機関紙たる新聞その他の刊行物を発行し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること。
八 政治的目的をもつて、第五項第一号に定める選挙、同項第二号に定める国民審査の投票又は同項第八号に定める解散若しくは解職の投票において、投票するように又はしないように勧誘運動をすること。
九 政治的目的のために署名運動を企画し、主宰し又は指導しその他これに積極的に参与すること。
十 政治的目的をもつて、多数の人の行進その他の示威運動を企画し、組織し若しくは指導し又はこれらの行為を援助すること。
十一 集会その他多数の人に接し得る場所で又は拡声器、ラジオその他の手段を利用して、公に政治的目的を有する意見を述べること。
十二 政治的目的を有する文書又は図画を国又は行政執行法人の庁舎(行政執行法人にあつては、事務所。以下同じ。)、施設等に掲示し又は掲示させその他政治的目的のために国又は行政執行法人の庁舎、施設、資材又は資金を利用し又は利用させること。
十三 政治的目的を有する署名又は無署名の文書、図画、音盤又は形象を発行し、回覧に供し、掲示し若しくは配布し又は多数の人に対して朗読し若しくは聴取させ、あるいはこれらの用に供するために著作し又は編集すること。
十四 政治的目的を有する演劇を演出し若しくは主宰し又はこれらの行為を援助すること。
十五 政治的目的をもつて、政治上の主義主張又は政党その他の政治的団体の表示に用いられる旗、腕章、記章、えり章、服飾その他これらに類するものを製作し又は配布すること。
十六 政治的目的をもつて、勤務時間中において、前号に掲げるものを着用し又は表示すること。
十七 なんらの名義又は形式をもつてするを問わず、前各号の禁止又は制限を免れる行為をすること。
7 この規則のいかなる規定も、職員が本来の職務を遂行するため当然行うべき行為を禁止又は制限するものではない。
8 各省各庁の長及び行政執行法人の長は、法又は規則に定める政治的行為の禁止又は制限に違反する行為又は事実があつたことを知つたときは、直ちに人事院に通知するとともに、違反行為の防止又は矯正のために適切な措置をとらなければならない。

第2 名古屋家裁裁判官の反天皇制に関する行為
1 平成31年3月13日付の産経新聞の記事
(1) 産経新聞HPの「昭和の日を「無責任の日」と批判 判事、過激派参加団体で活動も」(平成31年3月13日付)には,名古屋家裁裁判官の行為について以下の記載があります。
① 4月末の天皇陛下の譲位を前に、名古屋家裁の男性判事(55)が「反天皇制」をうたう団体の集会に参加していたことが12日、明らかになった。判事は平成21年以降、少なくとも3つの団体で活動。反皇室、反国家、反権力などを掲げ、中には過激派活動家が参加する団体もあった。
② 「反天皇制運動連絡会」(反天連、東京)などが呼びかけた「代替わり」反対集会では、皇室を批判する激しい発言が繰り返される。判事は昨年、こうした反天連による別の集会に複数回にわたって参加し、自らも「批判的に考察していきたい」などと発言していた。
③ 関係者によると、判事は津地家裁四日市支部勤務だった21年、広島県呉市で行われた反戦団体「ピースリンク広島・呉・岩国」(呉市)の集会に参加。実名でスピーチした。その後、広島地家裁呉支部に異動し、同団体の活動に参加した。

④ 名古屋家裁に異動すると、反戦団体「不戦へのネットワーク」(名古屋市)に参加。会報に「夏祭起太郎」の名前で論考を寄稿した。
⑤ 産経新聞は今年2月、判事に複数回、直接取材を申し込んだが、いずれも無言で足早に立ち去った。
⑥ 名古屋家裁には昨年11月に判事の政治運動疑惑を伝え、見解を質問した結果、書面で「承知していない」「仮定の質問にはお答えできない」との回答があった。今年2月に再度取材したが、家裁は判事に事情を聴くなどの調査をしたかについても明らかにせず、「お答えすることはない」とした。
(2) 名古屋家裁総務課の職員については,裁判所職員に関する臨時措置規則に基づき,人事院規則14-7(政治的行為)が適用されます。

2 夏祭起太郎名義の2つのエッセー
(1) 夏祭起太郎の「天皇代替わり、どうする・・・」不戦へのネットワーク会報80号(2018年2月4日発行))には以下の記載があります。
① 天皇代替り茶番劇のスケジュールも,大分具体化して閣議決定など経て、公表されてきた。
② 国内向け,新天皇即位後初めて行われるビッグイベントが2019年初夏頃行われる愛知植樹祭だ。天皇が、一本の木を植えるために数十億単位の公費を使って、たくさんの木を伐採し、「国土の緑を大切に」ともいうまったくもって不思議で呪術的なイベント(毎年都道府県主催で行われる。もちろん主眼は、天皇が全国を巡り歩いて木を植え、「お言葉」なるものを発する天皇賛美の行事だ。)
③ 天皇制要りません、迷惑です、いい加減にしてくださいという意思表示の一つ一つが天皇制を掘り崩し、葬り去ることにつながると思う。
(2) 夏祭起太郎の「”支配者面した慰霊,慰問の旅”」不戦へのネットワーク会報81号(2018年5月6日発行))には以下の記載があります。
① アキヒト・ミチコの沖縄・与那国訪問は,歓迎される慰霊,慰問の旅という表向きの宣伝(沖縄戦犠牲者の慰霊,日本最西端の離島に訪問)とは裏腹に,ヤマト政府の方針に従わない連中(まずは辺野古ゲート前に集う人たち,次に自衛隊基地強化に不服な人々)を従わせようと(それも,強制的にではなく自発的に)いう底意から企画演出されたイベントである(与那国訪問には,中国を挑発する意味もあるという説もささやかれている。)。
② 天皇・皇后が,福島を訪問し,植樹祭(放射能汚染から身を守るためにはタブーとされている「土いじり」!)に参加し,復興の偽に出演するとは,何たる政治的行動! しかもインチキ! フクイチ肉薄に執念を燃やしているのはミチコだという女性週刊誌の報道も(アキヒトはH式15点あるかどうか疑問・・・)。
③ 世襲の君主がいろいろな動きをする制度は,やっぱり理不尽,不合理,弱い立場のものを圧迫する,逆らいにくい呪術的な拘束力を醸し出し,第一お金がもったいないので,即刻ゴメンこうむりたい。

第3 関連記事その他
1 衆議院HPに「一般職国家公務員の政治的行為の制限」(平成25年6月6日付)が載っています。
2 人事院規則14-7(政治的行為)の運用方針について(昭和24年10月21日法審発第2078)
には以下の記載があります。
   第3号関係 本号中における「特定」の意味については、第1号に準じて解釈されるべきである。「政党」とは、政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、若しくはこれに反対し又は公職の候補者を推薦し、支持し、若しくはこれに反対することを本来の目的とする団体をいい、「その他の政治的団体」とは、政党以外の団体で政治上の主義若しくは施策を支持し、若しくはこれに反対し、又は公職の候補者を推薦し、支持し若しくはこれに反対する目的を有するものをいう。「支持し又はこれに反対する」とは、特定の政党その他の政治的団体につき、それらの団体の勢力を維持拡大するように若しくは維持拡大しないように、又はそれらの団体の有する綱領、主張の主義若しくは施策を実現するように若しくは実現しないように、又はそれらの団体に属する者が公職に就任し若しくは就任しないように影響を与えることをいう。
3 裁判所法52条(政治運動等の禁止)は以下のとおりです。
裁判官は、在任中、左の行為をすることができない。
一 国会若しくは地方公共団体の議会の議員となり、又は積極的に政治運動をすること。
二 最高裁判所の許可のある場合を除いて、報酬のある他の職務に従事すること。
三 商業を営み、その他金銭上の利益を目的とする業務を行うこと。
4 寺西判事補事件に関する最高裁大法廷平成10年12月1日決定は,「裁判官に対する政治運動禁止の要請は、一般職の国家公務員に対する政治的行為禁止の要請より強いものというべきである。」と判示しています。
5 以下の記事も参照してください。
・ 柳本つとむ裁判官に関する情報,及び過去の分限裁判における最高裁判所大法廷決定の判示内容
・ 裁判官の記録紛失に基づく分限裁判

北澤純一裁判官(39期)の経歴

生年月日 S32.6.18
出身大学 中央大
退官時の年齢 65歳
R4.6.18 定年退官
R2.2.28 ~ R4.6.17 東京高裁19民部総括
H30.7.1 ~ R2.2.27 富山地家裁所長
H28.4.1 ~ H30.6.30 東京地裁4民部総括
H25.4.1 ~ H28.3.31 岡山地裁1民部総括
H22.4.1 ~ H25.3.31 東京高裁9民判事
H19.4.1 ~ H22.3.31 さいたま地家裁越谷支部判事
H17.4.1 ~ H19.3.31 東京地裁判事
H16.4.1 ~ H17.3.31 東京高裁9民判事
H15.10.1 ~ H16.3.31 東京地裁判事(弁護士任官・東弁)

*0 「北沢純一」と表記されることもあります。
*1 以下の記事も参照してください。
・ 高裁の部総括判事の位置付け
・ 毎年6月開催の長官所長会同
・ 新任の地家裁所長等を対象とした実務協議会の資料
・ 部の事務を総括する裁判官の名簿(昭和37年度以降)
・ 地方裁判所支部及び家庭裁判所支部
・ 弁護士任官者研究会の資料
・ 弁護士任官候補者に関する下級裁判所裁判官指名諮問委員会の答申状況
・ 弁護士任官希望者に関する情報収集の実情
・ 弁護士任官に対する賛成論及び反対論
・ 法曹一元
*2の1 東弁リブラ2005年2月号に「インタビュー 東京高裁判事 弁護士任官者 北澤純一さん」が載っています。
*2の2 東弁リブラ2023年7月・8月合併号「弁護士から裁判官へ,そして19年を経て再び弁護士へ(今改めて考える弁護士任官の意義と常勤裁判官の魅力について)」を寄稿しています。
*3 「裁判官になるには」(2009年5月1日付)に「弁護士の経験を生かして裁判官に転身 東京地方裁判所判事 北澤純一さん」を寄稿しています(同書41頁ないし53頁)。
*4 産経新聞HPに「「一国一城の主」から「職人」に 「新しい経験にチャレンジを」弁護士から転身した岡山地裁部総括判事、北澤純一さん」が載っています。


*5 性同一性障害の経済産業省職員に対する女性用トイレ利用制限につき,東京地裁令和元年12月12日判決(裁判長は43期の江原健志)は違法であると判断し(産経新聞HPの「利用トイレ制限は違法 性同一性障害の経産省職員 東京地裁」参照),控訴審としての東京高裁令和3年5月27日判決(裁判長は39期の北澤純一)は適法であると判断し(朝日新聞HPの「性同一性障害のトイレ使用制限、高裁「違法ではない」」参照),上告審としての最高裁令和5年7月11日判決(裁判長は35期の今崎幸彦。なお,全員一致の判断ですが,5人の裁判官が全員,補足意見を付けています。)は違法であると判断しました。

弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

弁護士法(昭和24年6月10日法律第205号)(現在の弁護士法です。)によって廃止された,弁護士法(昭和8年5月1日公布の法律第53号)(いわゆる「旧弁護士法」です。)の条文は末尾のとおりです。
○旧弁護士法は,弁護士法(明治26年3月4日公布の法律第7号)(いわゆる「旧々弁護士法」です。)と比べて以下の点が異なりました。
① 弁護士の職務について,従前は法文上,訴訟に限定していたのを,あらゆる法律事務に拡張したこと。
② 女性に弁護士資格を認めたこと。
③ 弁護士試補制度が設けられたこと。
○弁護士による法律事務の独占は,昭和11年4月1日施行の法律事務取扱ノ取締ニ関スル法律(昭和8年5月1日法律第54号)によって定められました。

弁護士法(昭和8年5月1日法律第53号)

第一章 弁護士ノ職務及資格

第一条
弁護士ハ当事者其ノ他ノ関係人ノ委嘱又ハ官庁ノ選任ニ因リ訴訟ニ関スル行為其ノ他一般ノ法律事務ヲ行フコトヲ職務トス

第二条
1 左ノ条件ヲ具フル者ハ弁護士タル資格ヲ有ス
一 帝国臣民ニシテ成年者タルコト
ニ 弁護士試補トシテ一年六月以上ノ実務修習ヲ了へ考試ヲ経タルコト
2 前項第二号ノ実務修習及考試二関スル事項ハ司法大臣之ヲ定ム

第三条
1 弁護士試補タルニハ成規ノ試験二合格スルコトヲ要ス
2 前項ノ試験二関スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

第四条
左二掲グル者ハ前二条ノ規定二拘ラズ弁護士タル資格ヲ有ス
一 判事又ハ検事ダル資格ヲ有スル者
二 三年以上専任行政裁判所長官又ハ専任行政裁判所評定官タリシ者
三 三年以上陸軍法務官又ハ海軍法務官タリシ者

第五条
左二掲グル者ハ弁護士タル資格ヲ有セズ
一 禁錮以上ノ刑二処セラレタル者
二 懲戒ノ処分ニ因リ免官若ハ免職セラレタル者、本法ニ依リ除名セラレタル者又ハ弁理士法若ハ計理士法ニ依リ業務ヲ禁止セラレタル者ニシテ免官、免職、除名又ハ業務禁止後二年ヲ経過セザル者
三 禁治産者又ハ準禁治産者
四 破産者ニシテ復権ヲ得ザル者

第六条
1 外国ノ弁護士タル資格ヲ有スル外国人ハ相互ノ保証アルトキニ限リ司法大臣ノ認可ヲ受ヶ外国人又ハ外国法二関シ第一条ニ規定スル事項ヲ行フコトヲ得但シ前条二掲グル者ハ此ノ限二在ラズ
2 第十八条第二項、第二十条及第二十三条乃至第二十六条ノ規定ハ前項ノ認可ヲ受ケタル者二之ヲ準用ス
3 司法大臣必要ト認ムルトキハ第一項ノ認可ヲ取消スコトヲ得

第二章 弁護士名簿

第七条
弁護士タルニハ弁護士名簿二登録セラルルコトヲ要ス

第八条
弁護士名簿ハ之ヲ法務庁ニ備フ

第九条
弁渡士タラントスル者ハ其ノ入会セントスル弁護士会ヲ経由シテ司法大臣二登録ノ諸求ヲ為スベシ

第十条
1 弁護士弁護士会ノ所属ヲ変更セントスルトキハ新ニ入会セントスル弁護士会ヲ経由シテ司法大臣ニ登録換ノ請求ヲ為スベシ
2 前項ノ登録換アリタルトキハ弁護士ハ直ニ旧所属弁護士会ニ之ヲ届出ヅベシ

第十一条
弁護士所属弁護士会ヲ退会セントスルトキハ其ノ弁護士会ヲ経由シテ司法大臣二登録取消ノ請求ヲ為スベシ

第十二条
弁護士会ハ会ノ秩序又ハ信用ヲ害スル虞アル者ノ登録若ハ登録換ノ請求ノ進達ヲ拒絶シ又ハ退会ヲ命ズルコトヲ得

第十三条
1 前条ノ規定ニ依リ登録若ハ登録換ノ請求ノ進達ヲ拒絶セラレ又ハ退会セシメラレタル者ハ司法大臣二不服ノ申立ヲ為スコトヲ得
2 前項ノ場合二於テ司法大臣ハ審査委員会二諮問シテ登録若ハ登録換ノ請求ノ進達ヲ命ジ又ハ退会ノ命ヲ取消スコトヲ得

第十四条
審査委員会二関スル事項ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

第十五条
左ノ場合二於テハ司法大臣ハ弁護士名簿ノ登録ヲ取消スベシ
一 弁護士国籍ヲ喪失シタルトキ
ニ 弁護士第五条各号ノ一ニ該当スルニ至リタルトキ
三 第十一条ノ規定ニ依リ登録取消ノ請求アリタルトキ
四 弁護士退会セシメラレ又ハ除名セラレタルトキ
五 弁護士死亡シタルトキ
六 総会ノ決議ニ因リ弁護士会解散シタルトキ

第十六条
弁護士名簿ノ登録、登録換及登録取消ハ司法大臣之ヲ其ノ弁護士所属ノ弁護士会二通知スベシ

第十七条
登録二関スル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム

第三章 弁護士ノ権利及義務

第十八条
1 弁護士ノ事務所ハ所属弁護士会ノ地域内二之ヲ設クベシ
2 弁護士ハ如何ナル名義ヲ以テスルモ二個以上ノ事務所ヲ設クルコトヲ得ズ但シ他ノ弁護士事務所二於テ執務スルコトヲ妨ゲズ

第十九条
弁護士事務所ヲ設ケタルトキハ直二之ヲ司法大臣及所属弁護士会二届出ヅベシ事務所ヲ移転シタルトキ亦同ジ

第二十条
弁護士ハ誠実二其ノ職務ヲ行上職務ノ内外ヲ問ハズ其ノ品位ヲ保持スベシ

第二十一条
弁護士又ハ弁護士タリシ者ハ其職務上知得シタル秘密ヲ保持スル権利ヲ有シ義務ヲ負フ但シ他ノ法令ニ別段ノ規定アル場合ハ此ノ限二在ラズ

第二十二条
弁護士ハ所属弁護士会ノ会則ヲ遵守スベシ

第二十三条
弁護士ハ正当ノ理由アルニ非ザレバ法令ニ依り官庁ノ命ジタル事項及会則ノ定ムル所二依リ所属弁護士会ノ指定シタル事項ヲ行フコトヲ辞スルコトヲ得ズ

第二十四条
弁護士ハ左二掲グル事件二付其ノ職務ヲ行フコトヲ得ズ
一 相手方ノ協議ヲ受ケテ賛助ヲ為シ又ハ其ノ委嘱ヲ承諾シタル事件
二 相手方ノ協議ヲ受ケタル事件ニシテ其ノ協議ノ程度及方法ガ信頼関係二基クモノト認メラルルモノ
三 公務員トシテ職務上取扱ヒタル事件
四 仲裁手続ニ依リ仲裁人トシテ取扱ヒタル事件

第二十五条
弁護士ハ係争権利ヲ譲受クルコトヲ得ズ

第二十六条
弁護士ハ事件ノ委嘱ヲ承諾セザルトキハ速二其ノ旨ヲ委嘱者ニ通知スベシ若シ通告ヲ怠リタルトキハ之ガ為生ジタル損害ヲ賠償スル責ニ任ズ

第二十七条
1 弁護士ハ報酬アル公務ヲ兼ヌルコトヲ得ズ但シ帝国議会若ハ地方議会ノ議員卜為リ又ハ官署若ハ公署ヨリ特ニ命ゼラレ若ハ嘱託セラレタル職務ヲ行フハ此ノ限二在ラズ
2 弁護士ハ所属弁護士会ノ許可ヲ受クルニ非ザレハ商業其ノ他営利ヲ目的トスル業務ヲ営ミ若ハ之ヲ営ム者ノ使用人ト為リ又ハ営利ヲ目的トスル法人ノ業務執行社員、取締役若ハ使用人ト為ルコトヲ得ズ

第二十八条
前条ノ規定ハ実務修習中ノ弁護士試補二之ヲ準用ス

第四章 弁護士会

第二十九条
1 弁護士会ハ法人トス
2 弁護士会ハ弁護士ノ品位保持及弁護士事務ノ改善進歩ヲ図ルヲ以テ目的トス

第三十条
弁護士会ハ地方裁判所ノ管轄区域毎二之ヲ設立スベシ但シ弁護士会二属スル弁護士三百以上アル場合二於テ其ノ中百名以上ノ者ハ同一地方裁判所ノ管轄区域内二別二弁護士会ヲ設立スルコトヲ得

第三十一条
1 弁護士会ヲ設立セントスルトキハ会員ト為ルベキ弁護士ハ会則ヲ定メ司法大臣ノ認可ヲ受クベシ
2 弁護士会ノ設立アリタルトキハ前項ノ弁護士ハ当然旧所属弁護士会ヲ退会シ其ノ会員ト為ルモノトス
3 第十条ノ規定ハ前項ノ場合二之ヲ準用ス
4 弁護士会会則ヲ変更セントスルトキハ司法大臣ノ認可ヲ受クベシ

第三十二条
1 司法大臣弁護士会ノ設立ヲ認可シタルトキハ弁護士会ノ名称、事務所ノ所在地及設立ノ年月日ヲ告示スベシ
2 司法大臣弁護士会ノ名称又ハ事務所ノ所在地ノ変更ヲ認可シタルトキハ変更ノ告示ヲ為スベシ

第三十三条
弁護士会ノ代表者ハ一人トス但シ代表者差支アル場合二於テ之二代リテ弁護士会ヲ代表スベキ者ヲ置クコトヲ妨ゲズ

第三十四条
弁護士会ハ司法大臣ノ監督ヲ受ク

第三十五条
第三十一条二規定スル場合ヲ除クノ外弁護士名簿二登録又ハ登録換ヲ受ケタル者ハ当然其ノ入会セントスル弁護士会ノ会員卜為リ登録換ヲ為ス場合ニハ旧所属弁護士会ヲ退会スルモノトス

第三十六条
弁護士法第十一条ノ規定二依ル請求二因リテ登録ヲ取消サレタルトキハ当然所属弁護士会ヲ退会シタルモノトス

第三十七条
弁護士会ハ弁護士試補ノ実務修習ヲ担当ス但シ司法大臣別段ノ規定ヲ設ケタルトキハ此ノ限二在ラズ

第三十八条
1 弁護士会ハ官庁ヨリ諮問ヲ受ケタル事項二付答申ヲ為スベシ
2 弁護士会ハ司法事務二関シ官庁二建議ヲ為スコトヲ得弁護士ノ利害二関スル事項二付亦同ジ

第三十九条
弁護士会会則ハ左ノ事項ヲ記載スベシ
一 名称及事務所ノ所在地
二 会ノ代表者其ノ他ノ機関ノ組織及職務権限二関スル規定
三 会議二関スル規定
四 弁護士試補ノ実務修習二関スル規定
五 弁護士ノ報酬ニ関シ標準ヲ示ス規定
六 会員ノ風紀保持ニ関スル規定
七 無資力者ノ為ニスル法律相談及訴訟扶助二関スル規定
八 答申及建議ノ決議ニ関スル規定
九 会員卜委嘱者トノ間ニ於ケル紛議ノ調停二関スル規定
十 弁護士名簿ノ登録及登録換ノ請求ノ進達ニ関スル規定
十一 入会及退会ニ関スル規定
十二 懲戒ノ申告ニ関スル規定
十三 会費ノ徴収ニ関スル規定
十四 資産ニ関スル規定

第四十条
1 弁護士会ハ毎年定期総会ヲ開ク
2 弁護士会ハ必要アル場合二於テ臨時総会ヲ開クコトヲ得

第四十一条
弁護士会ハ総会ノ日時、場所及議題竝二役員選挙ノ日時及場所ヲ予メ司法大臣二申告スベシ

第四十二条
司法大臣ハ弁護士会ノ総会又ハ役員選挙ノ場所二臨席シ又ハ所部ノ官吏ヲシテ臨席セシムルコトヲ得

第四十三条
弁護士会ハ遅滞ナク総会ノ決議竝二役員ノ就任及退任ヲ司法大臣二申告スベシ

第四十四条
左ノ事項ハ総会ノ決議ヲ経ベシ
一 会則ノ変更
二 予算及決算

第四十五条
弁護士会ノ会議法令若ハ会則二違反シ又ハ公益ヲ害スルトキハ司法大臣ハ其ノ決譲ヲ取消シ、其ノ議事ヲ停止スルコトヲ得

第四十六条
弁護士会ハ弁護士ト委嘱者トノ間二紛議ヲ生ジタルトキハ当事者ノ請求ニ因リ其ノ調停ヲ為スコトヲ得

第四十七条
1 弁護士会ハ司法大臣ノ認可ヲ受ケ同一地方裁判所ノ管轄区域内ニ於ケル他ノ弁護士会ト合併スルコトヲ得
2 弁護士会合併シタルトキハ合併二因リテ解散シタル弁護士会所属ノ弁護士ハ当然旧所属弁護士会ヲ退会シ合併後存統シ又ハ合併二因リテ設立シタル弁護士会ノ会員ト為ルモノトス
3 第十条第一項ノ規定ハ前項ノ場合二之ヲ準用ス

第四十八条
司法大臣弁護士会ノ合併ヲ認可シタルトキハ合併後存続スル弁護士会二付テハ変更ノ告示ヲ為シ、合併二因リテ解散シタル弁護士会二付テハ解散ノ告示ヲ為シ、合併二因リテ設立シタル弁護士会二付テハ第三十二条第一項二規定スル告示ヲ為スベ

第四十九条
1 弁護士会合併ヲ為サントスルトキハ其ノ債権者二対シ異議アラバ一月ヲ下ラザル期間内二之ヲ述ブベキ旨ヲ催告スベシ
2 債権者ガ前項ノ期間内ニ異議ヲ述べタルトキハ弁護士会ハ之ニ弁済ヲ為シ又ハ相当ノ担保ヲ供スルニ非ザレハ合併ヲ為スコトヲ得ズ
3 合併ニ因リテ解散シタル弁護士会ニ属スル権利義務ハ合併後存統シ又ハ合併ニ因リテ設立シタル弁護士会之ヲ承継ス

第五十条
1 弁護士会ハ左ノ事由二因リテ解散ス
一 総会ノ決議
二 合併
2 前項第一号ノ総会ノ決議ハ司法大臣ノ認可ヲ受クベシ
3 民法第七十三条乃至第七十六条、第七十八条乃至第八十条、第八十二条及第八十三条竝二民法施行法第二十六条及第二十七条ノ規定ハ弁護士会ノ清算二関シ之ヲ準用ス

第五十一条
司法大臣ハ弁護士会ノ解散ノ決議ヲ認可シタルトキハ解散ノ告示ヲ為スベシ

第五十二条
弁護士会ハ共同シテ特定ノ事項ヲ行フ為規約ヲ定メ司法大臣ノ認可ヲ受ケ聯合会ヲ設立スルコトヲ得

第五章 懲戒

第五十三条
1 弁護士本法又ハ弁護士会会則二違反シタルトキハ検事長ハ司法大臣ノ命二依リ又ハ其ノ認可ヲ受ケテ懲戒開始ノ申立ヲ為スベシ
2 弁護士会ハ会則ノ定ムル所二依リ懲戒ヲ求ムル為司法大臣又ハ検事長ニ申告ヲ為スコトヲ得

第五十四条
弁護士ノ懲戒ハ其ノ所属弁護士会ノ地域ヲ管轄スル控訴院ニ於ケル懲戒裁判所之ヲ行フ

第五十五条
1 懲戒ハ左ノ四種トス
一 譴責
二 千円以下ノ過料
三 一年以下ノ停職
四 除名
2 前項ノ過料ノ裁判ノ執行ニ付テハ非訟事件手続法第二百八条ノ規定ヲ準用ス

第五十六条
1 懲戒ノ訴追ヲ受ケタル弁護士ハ其ノ裁判確定スルニ至ル迄弁護士会ヲ退会シ又ハ弁護士名簿ノ登録換ヲ請求スルコトヲ
2 弁護士会ハ懲戒ノ訴追ヲ受ケダル弁護士ヲ退会セシムルコトヲ得ズ

第五十七条
懲戒ノ事由アリタル時ヨリ三年ヲ経過シタルトキハ懲戒開始ノ申立ヲ為スコトヲ得ズ

第五十八条
本法二規定スルモノノ外懲戒二付テハ判事懲戒法ヲ準用ス

附則(抄)
本法ハ昭和十一年四月一日ヨリ之ヲ施行ス

日弁連推薦以外の弁護士が最高裁判所判事に就任した事例

目次
1 大塚喜一郎最高裁判所判事の事例(第2次田中角栄内閣
 本山亨最高裁判所判事の事例(福田赳夫内閣
3 山口厚最高裁判所判事の事例(第3次安倍第2次改造内閣
4 昭和時代の司法大臣経験者及び最高裁判所長官経験者のコメント
5 関連記事その他

1 大塚喜一郎最高裁判所判事の事例(第2次田中角栄内閣
(1)ア   大弁出身の色川幸太郎最高裁判所判事の後任として昭和48年2月2日に最高裁判所判事に就任した大塚喜一郎(一弁出身)は,日弁連推薦の弁護士ではありませんでした。
   ただし,大塚喜一郎本人によれば,「最高裁や内閣から「あなたをおいてほかにない。」といわれ,もし断って在野法曹出身が減らされては大変だし,日弁連の幹部とも話し合って引き受けることにした」と話したそうです。
   このとき,日弁連は立命館大学教授の弁護士など9人を推薦したそうですし,昭和48年2月2日,日弁連幹部が後藤田正晴内閣官房副長官に会って抗議をしました。
イ 保守化路線を進めていた当時の石田和外最高裁判所長官(保守派)が,保守派の大塚喜一郎を選んだといわれています。
ウ リベラル派の田中二郎最高裁判所判事(行政法学者)は,保守化しすぎた最高裁に嫌気が差して,昭和48年3月31日に依願退官しました。
エ 最高裁物語(下)129頁及び130頁,並びに最高裁全裁判官-人と判決-185頁が参考になります。
(2) 大塚喜一郎は,日弁連事務総長(昭和34年度)及び第一東京弁護士会会長(昭和45年度)の経験があります(「日弁連の歴代会長及び事務総長」参照)。
(3)ア 日弁連は,昭和48年5月26日,最高裁判所裁判官の任命に関する決議を出したところ,決議理由には以下の記載があります。
   少くとも、何人かの最高裁判所裁判官の任命については、何らかの政治的配慮によって恣意的になされたものではなかろうかとする国民の疑惑が深まっている。たとえば最高裁事務総長時代に司法の独立の問題について重大なかかわりを持ち、当連合会も強く批判したことのある裁判官を任命したこと、もと駐米大使として極めて政治色の強い発言を繰り返し当時問題とされた裁判官を任命したこと、当連合会の推薦を無視した任命がなされたこと、あるいは田中裁判官が任期なかばにして最高裁判所裁判官を辞任したことなどについて、国民が強い疑問を持ったことを否定するわけにいかない。
イ 昭和46年4月27日以降,弁護士出身の最高裁判所裁判官が4人となっていました。

2 本山亨最高裁判所判事の事例(福田赳夫内閣
(1) 一弁出身の藤林益三最高裁判所長官の定年退官に伴う玉突き人事として昭和52年8月26日に最高裁判所判事に就任した本山亨(名古屋弁出身)は,日弁連推薦の弁護士ではありませんでしたが,財界などから強い支持がありましたし,東京以外の弁護士会からの起用が4年前に定年退官した色川幸太郎以来なかったので,起用されました。
   このとき,日弁連は塚本重頼弁護士(東弁)を強く推薦していたものの,裁判官時代の同期の裁判官がまだ高裁や最高裁事務総局にいるなどとして時期尚早として見送られました(最高裁全裁判官-人と判決-218頁)。
(2) 本山亨弁護士は,昭和52年4月3日に定年退官が発令された下田武三最高裁判所判事(元 外務事務次官)の後任として,弁護士枠を5人に回復することを目指した日弁連によって,他の弁護士と一緒に推薦されたことがありました(東京弁護士会百年史960頁及び961頁参照)。
(3) 塚本重頼弁護士は,東弁出身の本林譲最高裁判所判事の後任として昭和56年10月17日に最高裁判所判事に就任しました。

3 山口厚最高裁判所判事の事例(第3次安倍第2次改造内閣

(1) 行政官出身の桜井龍子最高裁判所判事の後任として平成29年2月6日に最高裁判所判事に就任した山口厚東京大学名誉教授は,日弁連推薦の弁護士ではありませんでした。
   また,同人は,平成28年8月1日に弁護士登録をしたばかりの人です(一弁出身。弁護士登録番号は53854番)から,弁護士出身といえるかどうかについては意見が分かれています。
(2) 仮に同人が弁護士出身の最高裁判所判事ではないとした場合,大橋正春最高裁判所判事(元 日弁連法科大学院センター委員長・一弁出身)が定年退官した後の平成29年3月31日以降,弁護士出身の最高裁判所判事の人数は3人になったこととなります。
(3)ア 山口厚弁護士は,大塚喜一郎弁護士及び本山亨弁護士以上に日弁連との接点のない人でした。
イ 山口厚は昭和49年の司法試験に3年生で合格していますし,平成27年9月に青柳幸一明治大学法科大学院教授による司法試験問題漏洩事件が発生した際,司法試験委員会委員長をしていました。
(4) 外部記事として以下のものがあります。
・ 週刊金曜日オンライン「「慣行」無視の最高裁人事(西川伸一)」(2017年2月27日付)
→ 日弁連は,最高裁に対し,平成28年11月,7名の最高裁判事候補者を推薦しました。
・ 金岡法律事務所HP「弁護士会推薦枠の最高裁判事が任命されなかった事態について」(平成29年3月18日付)


・ 大阪地裁平成30年1月16日判決(判例体系に掲載)に関して提出された書証です。

4 昭和時代の司法大臣経験者及び最高裁判所長官経験者のコメント
(1) 司法大臣経験者のコメント
・ 「最高裁判決の内側」(昭和40年8月30日発行)につき,鈴木義男司法大臣の回想文を引用した204頁及び205頁には以下の記載があります。
 (山中注:15人の最高裁判所裁判官の出身者の色分け)は別にそういう方針で選定したものではなく、人物本位に選んだ結果偶然こういう比率になったに過ぎない。私共の意思としては、将来一人二人の欠員ができた場合、時の内閣は、常に、国家的に見て最適任者を選択任命するように有りたいと念願するものである。
(2) 最高裁判所長官経験者のコメント
・ 最高裁判所とともに(著者は高輪1期の矢口洪一 元最高裁判所人事局長・元最高裁判所長官)97頁には以下の記載があります。
  判事、判事補、簡裁判事などの人事は、最高裁が提出する名簿に基づき内閣が任命するが、最高裁裁判官の人事は三権分立におけるチェック・アンド・バランスから、完全な内閣の専権に属している。
  ただ、最高裁長官は自己の後任人事を含む最高裁裁判官の人事について、首相に意見を述べるのが慣例である。その意見を聴くかどうかは内閣の自由だが、この習慣はぜひ続けてほしい。
 


5 関連記事その他
(1) 最高裁物語(上巻)321頁ないし323頁には,石田和外最高裁長官が,岩田誠最高裁判事の後任として内藤頼博名古屋高裁長官を推薦したものの,佐藤栄作首相が拒絶したため,岸上康夫東京高裁長官が岩田誠最高裁判事の後任として最高裁判事に任命されたという話が載っています。
(2) 「司法の可能性と限界と-司法に役割を果たさせるために-」(講演者は31期の井戸謙一 元裁判官)には以下の記載があります(法と民主主義2019年12月号20頁及び21頁)。
    長年、日弁連推薦枠から最高裁判事になった方々は、有能で人格的にも立派な弁護士として、多くの人から尊敬されていた人たちだったと思いますが、最近はそういう人がいないという感じがします。これには最高裁判事の選任手続の問題があると思いますが、これはまたあとで申し上げます。
(3) 明治大学学術成果リポジトリ「内閣は最高裁判所裁判官の指名・任命をめぐる慣行を尊重してきたか -石田・村上・藤林・岡原長官時代を対象に-」が載っています。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所裁判官の任命に関する各種説明
・ 最高裁判所発足時の裁判官任命諮問委員会,及び最高裁判所裁判官任命諮問委員会設置法案等
・ 日弁連最高裁判所裁判官推薦諮問委員会
・ 歴代の女性最高裁判所判事一覧
・ 弁護士出身の最高裁判所裁判官の氏名の推移(昭和時代及び平成時代)

司法研修所別館の研修東棟及びなごみ寮

目次
1 総論
2 司法研修所別館の新築までの経緯
3 国土交通省関東地方整備局HPの説明
4 関連記事

1 総論
(1) 裁判所HPの「司法研修所について」の「5.アクセス」にあるとおり,司法研修所別館の研修東棟が,裁判所職員総合研修所の北隣の敷地に存在します。
(2) 司法研修所別館は専ら裁判官の研修のために使用されています。
(3) 梓設計HPの「実績紹介」に,国土交通省関東地方整備局が発注者となった司法研修所別館(4階・SRC造等)の写真が載っています。
(4) 司法研修所別館の最寄りのバス停は,東武バスの税務大学正門となります。
(5) なごみ寮は,和光市の「和」(なごみ)にちなんだ名称らしいです。
(6) 司法研修所別館ガイド1/2及び2/2を掲載しています。

2 司法研修所別館の新築までの経緯
(1) 司法研修所別館は,「和光市基地跡地利用計画」(平成20年6月)の「和光市の未処分用地・留保地」の敷地③(留保地)(1.9haの国有地)を最高裁判所が取得して建設されました。
(2) 司法研修所別館の研修東棟及びなごみ寮(宿泊棟)は平成25年9月に新築されました(裁判所HPの「裁判所施設の耐震診断結果等の公表について」「平成28年度 裁判所施設の耐震性に係るリスト」参照)。
(3) 「和光市基地跡地利用計画」(平成20年6月)によれば,裁判事務処理のIT化による新システムの導入に伴うサーバールーム等の設置も予定されていました。

3 国土交通省関東地方整備局HPの説明
・ 国土交通省関東地方整備局HP「司法研修所 研修棟」には以下の記載があります。
施設整備の概要
本施設は、司法研修所の別館として「裁判所職員総合研修所」に隣接して整備した。計画は、裁判官が日頃の執務の現場から離れ、多様な人たちからの情報提供や、自由闊達な意見交換等の交流を通じ、これからの裁判の運営、判断の在り方を考え、自らの思索を深める場としてふさわしい研修所となるよう、潤いのある空間として整備することをコンセプトとしている。緑豊かな周辺環境に配慮し裁判所施設として一体感のあるよう、隣接する裁判所職員総合研修所との機能連携や群としての修景にも併せて配慮し、質の高い都市景観を形成している。
建物の諸元
所在地:埼玉県和光市二丁目1535-20

敷地面積:18,955 m2
建築面積:3,140 m2
延べ面積:10,575 m2
構造階数:SRC-4-PH1
完成年度:平成25年度

4 関連記事
・ 新任判事補研修の資料
・ 新任判事補の採用内定通知から辞令交付式までの日程
・ 新任判事補任命の閣議決定及び官報掲載の日付
 判事補基礎研究会の資料
 判事任官者研究会の資料
・ 弁護士任官者研究会の資料

弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(平成5年以降の分)

目次

第1  懲戒請求事案集計報告
第2 懲戒委員会の審査が開始した場合の懲戒処分率
第3 日弁連に対する審査請求等の件数の推移
1 既済件数の推移
2 原処分取消(懲戒処分が取り消されること)
3 原処分変更(懲戒処分が軽くなること)
第4 弁護士の懲戒件数等の推移
1 懲戒請求の新受件数の推移
2 懲戒の件数の推移
3 戒告の件数の推移
4 業務停止の件数の推移
5 退会命令の件数の推移
6 除名の件数の推移
第5 関連記事その他

第1  懲戒請求事案集計報告

1 弁護士に対する懲戒請求事案集計報告(平成5年から平成30年まで)を掲載しています。
   日弁連HPの「基礎的な統計情報2010」では,平成13年以降の懲戒等の件数しか記載されていないのに対し,私のデータは,平成5年以降の懲戒等の件数を記載しています。
2 日弁連作成の懲戒請求事案集計報告は毎年3月中旬に公表されますところ,直近では以下のデータが日弁連HPに掲載されています。
2015年2016年2017年2018年2019年
2020年2021年2022年2023年2024年

第2 懲戒委員会の審査が開始した場合の懲戒処分率

・ 年度のずれを無視した場合,懲戒委員会の審査が開始した場合の懲戒処分率は以下のとおりです。
(令和時代)
令和元年:45.7% 令和2年:75.4%,令和3年:59.1%
令和4年:52.0%,令和5年:65.1%,令和6年:45.6%
令和7年:49.4%,
(平成時代)
平成5年:42.6% 平成6年:44.6% 平成7年:78.0%
平成8年:60.0% 平成9年:62.3% 平成10年:55.1%
平成11年:57.1% 平成12年:47.7% 平成13年:66.7%
平成14年:55.0% 平成15年:83.1% 平成16年:52.1%
平成17年:56.4% 平成18年:60.0% 平成19年:50.7%
平成20年:53.6% 平成21年:57.6% 平成22年:60.6%
平成23年:58.4% 平成24年:59.0% 平成25年:55.4%
平成26年:55.5% 平成27年:52.2% 平成28年:59.7%
平成29年:50.2% 平成30年:51.2%,

第3 日弁連に対する審査請求等の件数の推移

1 既済件数の推移

(1) 令和時代
令和元年:30件 令和2年:41件,令和3年:31件,令和4年:30件
令和5年:48件,令和6年:28件,令和7年:32件,
(2) 平成時代
平成19年:30件 平成20年:17件 平成21年:31件 平成22年:31件
平成23年:28件 平成24年:29件 平成25年:35件 平成26年:34件
平成27年:33件 平成28年:33件 平成29年:29件 平成30年:37件

2   原処分取消(懲戒処分が取り消されること)

(1) 令和時代
令和元年:3件 令和2年:2件,令和3件:1件,令和4年:3件
令和5年:3件,令和6年:4件,令和7年:2件,
(2) 平成時代
平成19年:6件 平成20年:1件 平成21年:0件 平成22年:4件
平成23年:2件 平成24年:2件 平成25年:3件 平成26年:1件
平成27年:6件 平成28年:1件,平成29年:3件 平成30年:6件

3 原処分変更(懲戒処分が軽くなること)

(1) 令和時代
令和元年:1件 令和2年:4件,令和3年:4件,令和4年:3件,
令和5年:2件,令和6年:2件,令和7年:3件,
(2) 平成時代
平成19年:2件 平成20年:2件 平成21年:2件 平成22年:5件
平成23年:3件 平成24年:0件 平成25年:1件 平成26年:4件
平成27年:1件 平成28年:2件,平成29年:2件 平成30年:4件


第4 弁護士の懲戒件数等の推移

1 懲戒請求の新受件数の推移

(1) 令和時代
令和元年:4299件 令和2年:2254件,令和3年:2554件,
令和4年:3076件,令和5年:2587件,令和6年:3243件
令和7年:3049件,
(2) 平成時代
平成5年:439件 平成6年:517件 平成7年:576件
平成8年:485件 平成9年:488件 平成10年:715件
平成11年:719件 平成12年:1030件 平成13年:884件
平成14年:840件 平成15年:1127件 平成16年:1268件
平成17年:1192件 平成18年:1367件 平成19年:9585件
平成20年:1596件 平成21年:1402件 平成22年:1849件
平成23年:1885件 平成24年:3898件 平成25年:3347件
平成26年:2348件 平成27年:2681件 平成28年:3480件
平成29年:2864件 平成30年:12684件

2 懲戒の件数の推移

(1) 令和時代
令和元年: 95件 令和2年:107件,令和3年:104件,令和4年:102件,
令和5年:114件,令和6年: 99件,令和7年:115件,
(2) 平成時代
平成5年:23件 平成6年:25件 平成7年:39件 平成8年 27件
平成9年:38件 平成10年:43件 平成11年:52件 平成12年:41件
平成13年:62件 平成14年:66件 平成15年:59件 平成16年:49件
平成17年:62件 平成18年:69件 平成19年:70件 平成20年:60件
平成21年:76件 平成22年:80件 平成23年:80件 平成24年:79件
平成25年:98件 平成26年:101件 平成27年:97件 平成28年:114件
平成29年:106件 平成30年:88件

3 戒告の件数の推移

(1) 令和時代
令和元年:62件 令和2年:61件,令和3件:63件,令和4年:62件,
令和5年:72件,令和6年:60件,令和7年:59件,
(2) 平成時代
平成5年:12件 平成6年:15件 平成7年:17件 平成8年:16件
平成9年:11件 平成10年:19件 平成11年:17件 平成12年:17件
平成13年:34件 平成14年:28件 平成15年:27件 平成16年:23件
平成17年:35件 平成18年:31件 平成19年:40件 平成20年:42件
平成21年:40件 平成22年:43件 平成23年:38件 平成24年:54件
平成25年:61件 平成26年:55件 平成27年:59件 平成28年:60件
平成29年:68件 平成30年:45件

4 業務停止の件数の推移

(1) 令和時代
令和元年:25件 令和2年:35件,令和3年;33件,令和4年:32件
令和5年:36件,令和6年:33件,令和7年:51件,
(2) 平成時代
平成5年:4件 平成6年:6件 平成7年:15件 平成8年:7件
平成9年:23件 平成10年:20件 平成11年:27件 平成12年:16件
平成13年:24件 平成14年:32件 平成15年:25件 平成16年:21件
平成17年:22件 平成18年:33件 平成19年:28件 平成20年:15件
平成21年:30件 平成22年:29件 平成23年:35件 平成24年:23件
平成25年:29件 平成26年:37件 平成27年:30件 平成28年:47件
平成29年:31件 平成30年:39件

5 退会命令の件数の推移

(1) 令和時代
令和元年:7件 令和2年:8件,令和3年:6件,令和4年:6件
令和5年:5件,令和6年:3件,令和7年:4件,
(2) 平成時代
平成5年:4件 平成6年:2件 平成7年:5件 平成8年:3件
平成9年:1件 平成10年:2件 平成11年:5件 平成12年:7件
平成13年:4件 平成14年:3件 平成15年:3件 平成16年:3件
平成17年:3件 平成18年:2件 平成19年:1件 平成20年:2件
平成21年:5件 平成22年:7件 平成23年:2件 平成24年:2件
平成25年:6件 平成26年:3件 平成27年:5件 平成28年:3件
平成29年:4件 平成30年:1件

6 除名の件数の推移

(1) 令和時代
令和元年:1件 令和2年:3件,令和3年:2件,令和4年:2件,
令和5年:1件,令和6年:3件,令和7年:1件,
(2) 平成時代
平成5年:3件 平成6年:2件 平成7年:2件 平成8年:1件
平成9年:3件 平成10年:2件 平成11年:3件 平成12年:1件
平成13年:0件 平成14年:3件 平成15年:4件 平成16年:2件
平成17年:2件 平成18年:3件 平成19年:1件 平成20年:1件
平成21年:1件 平成22年:1件 平成23年:5件 平成24年:0件
平成25年:2件 平成26年:6件 平成27年:3件 平成28年:4件
平成29年:3件 平成30年:3件


第5 関連記事その他

1(1) 自由と正義2023年7月号13頁ないし20頁に「座談会 弁護士賠償責任保険の成り立ちと現状」が載っていますところ,16頁によれば2018年度ないし2022年度の保険金お支払総件数は627件であり,以下の5類型が43%を占めます。
・ 上訴期間等手続期限の徒過あるいは消滅時効の完成:20%
・ 離婚時の場合の年金分割の期限徒過:6%
・ 遺留分減殺請求権の行使期間の徒過:3%
・ 債務整理・破産申し立て代理人業務の過誤:11%
・ 情報漏洩:3%
(2) 同月号17頁によれば,支払保険金は以下のとおりです。
2018年度:5億 198万円
2019年度:2億7364万円
2020年度:3億4179万円
2021年度:5億2104万円
2022年度:2億1446万円
2 弁護士の戒告,業務停止,退会命令及び除名,並びに第二東京弁護士会の名簿登録拒否事由
 弁護士の懲戒事由
 弁護士法56条1項の「品位を失うべき非行」の具体例
 弁護士の懲戒請求権が何人にも認められていることの意義
・ 弁護士の職務の行動指針又は努力目標を定めた弁護士職務基本規程の条文
 弁護士会の懲戒手続

最高裁の破棄判決等一覧表(平成25年4月以降の分),及び最高裁民事破棄判決等の実情

目次
1 最高裁の破棄判決等一覧表
2 毎年度の「最高裁民事破棄判決等の実情」
3 判例委員会において取り上げられた判示事項・判決要旨の位置づけ等
4 関連記事その他

1 最高裁の破棄判決等一覧表
(令和時代)
令和 元年分令和2年分令和3年分令和4年分
令和 5年分
(平成時代)
平成25年分平成26年分平成27年分
平成28年分平成29年分平成30年分
* 「最高裁の破棄判決等一覧表(令和5年分)」といったファイル名です。


2 毎年度の「最高裁民事破棄判決等の実情」
・ 令和6年度分
判例時報2629号(令和7年10月1日号)
・ 令和5年度分

判例時報2595号(令和6年8月11日号)
・ 令和4年度分
判例時報2563号(令和5年10月1日号)
・ 令和3年度分
判例時報2524号・2525号(令和4年9月11日・21日号)
・ 令和2年度分
判例時報2498号(令和3年12月21日号)
・ 令和元年度分

判例時報2442号(令和2年6月21日号)
・ 平成30年度分
判例時報2420号(令和元年11月21日号)
・ 平成29年度分:
判例時報2374号(平成30年 9月 1日号)
・ 平成28年度分:
判例時報2342号(平成29年10月21日号)
・ 平成27年度分:
判例時報2306号(平成28年11月11日号)
・ 平成26年度分:
上:判例時報2258号(平成27年7月21日号)
下:判例時報2259号(平成27年8月 1日号)
・ 平成25年度分:
上:判例時報2224号(平成26年8月11日号)
下:判例時報2225号(平成26年8月21日号)
・ 平成24年度分:
上:判例時報2188号(平成25年8月11日号)
中:判例時報2189号(平成25年8月21日号)
下:判例時報2191号(平成25年9月11日号)
・ 平成23年度分:
上:判例時報2161号(平成24年11月11日号)
下:判例時報2162号(平成24年11月21日号)
・ 平成22年度分:
上:判例時報2115号(平成23年8月11日号)
中:判例時報2116号(平成23年8月21日号)
下:判例時報2118号(平成23年9月11日号)


3 判例委員会において取り上げられた判示事項・判決要旨の位置づけ等
(1) 最高裁平成19年5月29日判決の裁判官上田豊三,同堀籠幸男の補足意見には以下の記載があります(改行を追加しています。)。
   判例委員会において取り上げられた判示事項・判決要旨は,その判決の持つ先例的意義・価値を理解する上で重要な導きをするものであることはいうまでもないが,その判示事項・判決要旨がすべて「判例」となると解すべきではないし,逆に判示事項・判決要旨として取り上げられていないからといって「判例」ではないと解すべきものでもない。
   要するに,その判決が,どのような事案においてどのような法理を述べ,それを具体的事案に当てはめてどのような判断をし,解決をしたのかを理解し,先例としての意義・価値や拘束力があるのはどの部分であるかを探求すべきものである。

(2) 最高裁平成19年5月29日判決の裁判要旨は「飛行場において離着陸する航空機の発する騒音等により周辺住民らが精神的又は身体的被害等を被っていることを理由とする損害賠償請求権のうち事実審の口頭弁論終結の日の翌日以降の分は,判決言渡日までの分についても,将来の給付の訴えを提起することのできる請求権としての適格を有しない。」です。

4 関連記事その他
(1) 上告棄却決定又は不受理決定に関する調書決定は,「最高裁判所が決定をする場合において、相当と認めるときは、決定書の作成に代えて、決定の内容を調書に記載させることができる。」と定める民事訴訟規則50条の2に基づくものです。
(2) 庶民の弁護士 伊藤良徳HP「まだ最高裁がある?(民事裁判編)」には以下の記載があります。
 民事事件(行政事件を除く)の最高裁への上告と上告受理申立てについての、2013年以降の10年間の各年度の既済件数(判決、決定等により終了した件数)、原判決破棄件数、既済件数中の破棄率を見ると次の通りになっています(最高裁での民事事件としては1審が簡裁の事件の高裁の判決に対する特別上告が年間数十件ありますが、これは除いています)。原判決破棄の割合は、ばらつきはありますが、ならして約1%です(最近の10年を見ると、それ以前よりさらに減少傾向にあるように見えます)。言い換えれば、上告棄却(または却下)・不受理が97%程度を占めています(取り下げその他が2%前後)。
(3) 54期の村田一広裁判官が執筆した「最高裁判所における口頭弁論の実情等について」(民事訴訟雑誌68巻(2022年3月20日付)46頁には以下の記載があります(漢数字を算用数字にし,同条を318条にしています。)。
 最高裁判所は、受理決定をする場合において、上告受理の申立ての理由中に重要でないと認めるものがあるときは、これを排除する旨の決定(以下「論旨排除決定」という。)をすることができ(318条3項),多くの上告受理事件において、論旨排除決定がされている。
(4)ア 破棄判決等取扱要領(平成25年4月1日実施分)を掲載しています。
イ 以下の記事も参照してください。
・ 上告審に関するメモ書き
・ 最高裁判所に係属した許可抗告事件一覧表(平成25年分以降),及び許可抗告事件の実情
・ 最高裁判所における民事事件の口頭弁論期日
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 最高裁判所調査官
 最高裁判所判例解説

柳本つとむ裁判官に関する情報,及び過去の分限裁判における最高裁判所大法廷決定の判示内容

目次
第1 柳本つとむ裁判官に関する情報

1 立川反戦ビラ入れ裁判に対する抗議行動で名前が出ていること
2 海上自衛隊のソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動に対する抗議活動で名前が出ていること
3 ①名古屋家裁の55歳男性判事の行動に関する平成31年3月13日付の産経新聞の記事,及び②柳本つとむ名古屋家裁家事第2部判事
4 夏祭起太郎名義の2つのエッセー,及び裁判官等の憲法尊重擁護義務
5 勤務時間外の私的な行為に関する,過去の裁判官の懲戒事例
6 取材に対する名古屋家裁総務課の回答等
7 最高裁判所人事局長の国会答弁,及びこれに関するネット記事等
第2 過去の分限裁判における最高裁判所大法廷決定の判示内容,及び下級審裁判官が既存の最高裁判例に反する裁判をなす場合
1 最高裁大法廷平成10年12月 1日決定
2 最高裁大法廷平成13年 3月30日決定
3 最高裁大法廷平成30年10月17日決定
4 下級審裁判官が既存の最高裁判例に反する裁判をなす場合
第3 罪証隠滅のおそれ等

1 元裁判官及び元検事が述べるところの罪証隠滅のおそれ
2 犯人隠避罪に関する裁判例等
3 東京地検次席検事が罪証隠滅防止の実効性がないとの見解を示した,被告人カルロス・ゴーンの保釈条件
4 福岡高裁判事妻ストーカー事件で訴追請求にまでは至らなかった理由
第4 最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の答申の記載
第5 司法修習生の守秘義務違反容疑の場合,司法研修所による調査が実施されて報道されたこと
第6 昭和45年4月8日付の最高裁判所事務総長談話等
1 昭和45年4月8日付の最高裁判所事務総長談話
2 35期新任判事補に対する説明
第7 関連記事その他

第1 柳本つとむ裁判官に関する情報
1 立川反戦ビラ入れ裁判に対する抗議行動で名前が出ていること
   -立川反戦ビラ入れ裁判-不当判決を認めない宣言最高裁平成20年4月11日判決に対するもの)に「柳本つとむ」という名前があります。

2 海上自衛隊のソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動に対する抗議活動で名前が出ていること
(1) 週刊かけはし(万国の労働者団結せよ!)HP「海自護衛艦のソマリア派兵反対!」(平成21年3月30日付)「三重県の柳本つとむさんらがスピーチをした。」と書いてあります。
(2) 「309-5.2009年3月14日、湯浅一郎さんを送る会(41)~(50)」には「三重県の柳本つとむさん、(中略)三人は、昼間の呉現地での海上自衛隊ソマリア派兵抗議行動に参加した。」と書いてあります。
(3) 柳本つとむ裁判官は,平成21年3月当時,津地家裁四日市支部判事をしていました(柳本つとむ裁判官(45期)の経歴参照)。

3 ①名古屋家裁の55歳男性判事の行動に関する平成31年3月13日付の産経新聞の記事,及び②柳本つとむ名古屋家裁家事第2部判事
(1) 平成31年3月13日付の産経新聞の記事
   産経新聞HPの「昭和の日を「無責任の日」と批判 判事、過激派参加団体で活動も」(平成31年3月13日付)には以下の記載があります。
① 4月末の天皇陛下の譲位を前に、名古屋家裁の男性判事(55)が「反天皇制」をうたう団体の集会に参加していたことが12日、明らかになった。判事は平成21年以降、少なくとも3つの団体で活動。反皇室、反国家、反権力などを掲げ、中には過激派活動家が参加する団体もあった。
② 「反天皇制運動連絡会」(反天連、東京)などが呼びかけた「代替わり」反対集会では、皇室を批判する激しい発言が繰り返される。判事は昨年、こうした反天連による別の集会に複数回にわたって参加し、自らも「批判的に考察していきたい」などと発言していた。

③ 関係者によると、判事は津地家裁四日市支部勤務だった21年、広島県呉市で行われた反戦団体「ピースリンク広島・呉・岩国」(呉市)の集会に参加。実名でスピーチした。その後、広島地家裁呉支部に異動し、同団体の活動に参加した。
④ 名古屋家裁に異動すると、反戦団体「不戦へのネットワーク」(名古屋市)に参加。会報に「夏祭起太郎」の名前で論考を寄稿した。
⑤ 産経新聞は今年2月、判事に複数回、直接取材を申し込んだが、いずれも無言で足早に立ち去った。
⑥ 名古屋家裁には昨年11月に判事の政治運動疑惑を伝え、見解を質問した結果、書面で「承知していない」「仮定の質問にはお答えできない」との回答があった。今年2月に再度取材したが、家裁は判事に事情を聴くなどの調査をしたかについても明らかにせず、「お答えすることはない」とした。
(2) 反天皇制運動連絡会
   反天皇制運動連絡会は,終わりにしよう天皇制!「代替り」に反対するネットワーク(略称は「おわてんねっと」です。)の呼びかけ団体です(おわてんねっとHP「おわてんねっと賛同団体」参照)。

(3) 柳本つとむ名古屋家裁家事第2部判事
ア 柳本つとむ裁判官は昭和38年(1963年)9月19日生まれですから,平成31年(2019年)3月現在,55歳です。
イ 柳本つとむ裁判官は,平成30年4月現在,名古屋家裁家事第2部判事として,財産管理関係事件,後見等関係事件,遺産分割調停事件,遺産分割審判事件等を担当しています(名古屋家裁の事務分配割合表(平成30年4月1日現在)参照)。
ウ 柳本つとむ裁判官は,平成31年4月現在,名古屋家裁家事第2部判事として,財産管理関係事件,後見等関係事件,相続放棄等,遺言書の検認等,遺産分割調停事件,遺産分割審判事件等を担当しています(名古屋家裁の事務分配割合表(平成31年4月8日現在)参照)。


4 夏祭起太郎名義の2つのエッセー,及び裁判官等の憲法尊重擁護義務
(1) 夏祭起太郎名義の2つのエッセー
ア 夏祭起太郎の「天皇代替わり、どうする・・・」不戦へのネットワーク会報80号(2018年2月4日発行))には以下の記載があります。
① 天皇代替り茶番劇のスケジュールも,大分具体化して閣議決定など経て、公表されてきた。
② 国内向け,新天皇即位後初めて行われるビッグイベントが2019年初夏頃行われる愛知植樹祭だ。天皇が、一本の木を植えるために数十億単位の公費を使って、たくさんの木を伐採し、「国土の緑を大切に」ともいうまったくもって不思議で呪術的なイベント(毎年都道府県主催で行われる。もちろん主眼は、天皇が全国を巡り歩いて木を植え、「お言葉」なるものを発する天皇賛美の行事だ。)
③ 天皇制要りません、迷惑です、いい加減にしてくださいという意思表示の一つ一つが天皇制を掘り崩し、葬り去ることにつながると思う。
イ 夏祭起太郎の「”支配者面した慰霊,慰問の旅”」不戦へのネットワーク会報81号(2018年5月6日発行))には以下の記載があります。
① アキヒト・ミチコの沖縄・与那国訪問は,歓迎される慰霊,慰問の旅という表向きの宣伝(沖縄戦犠牲者の慰霊,日本最西端の離島に訪問)とは裏腹に,ヤマト政府の方針に従わない連中(まずは辺野古ゲート前に集う人たち,次に自衛隊基地強化に不服な人々)を従わせようと(それも,強制的にではなく自発的に)いう底意から企画演出されたイベントである(与那国訪問には,中国を挑発する意味もあるという説もささやかれている。)。
② 天皇・皇后が,福島を訪問し,植樹祭(放射能汚染から身を守るためにはタブーとされている「土いじり」!)に参加し,復興の偽に出演するとは,何たる政治的行動! しかもインチキ! フクイチ肉薄に執念を燃やしているのはミチコだという女性週刊誌の報道も(アキヒトはH式15点あるかどうか疑問・・・)。
③ 世襲の君主がいろいろな動きをする制度は,やっぱり理不尽,不合理,弱い立場のものを圧迫する,逆らいにくい呪術的な拘束力を醸し出し,第一お金がもったいないので,即刻ゴメンこうむりたい。
(2) 裁判官等の憲法尊重擁護義務
ア 日本国憲法99条は,「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と定めています。
イ 衆議院議員逢坂誠二君提出内閣総理大臣が国会に対して憲法改正の議論を促すことのできる根拠に関する再質問に対する答弁書(平成29年2月10日付)には以下の記載があります。
   政府としては、憲法第九十九条は、日本国憲法が最高法規であることに鑑み、国務大臣その他の公務員は、憲法の規定を遵守するとともに、その完全な実施に努力しなければならない趣旨を定めたものであって、憲法の定める改正手続による憲法改正について検討し、あるいは主張することを禁止する趣旨のものではないと考えている。
ウ ちなみに,日本共産党HPの「天皇をどうする」には,戦後の日本共産党の在り方として,天皇は国政に関する権能を有しないと定める日本国憲法4条1項にかんがみ,「私たちは、四十二年前に綱領を決めたときも、実際にはもっと前からですが、「天皇制打倒」の旗をかかげたことは一度もないのです。」などと書いてあります。
   ただし,日本共産党は,天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律(平成30年12月14日法律第99号)には反対しています(衆議院HPの「議案審議経過情報」,及び参議院HPの「本会議投票結果」参照)。
(3) 宮内庁HPの記載
ア 宮内庁HP「「天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴う式典準備委員会(第2回)」に宮内庁が作成,提出した資料」に以下の資料が載っています。
・ 資料1(歴史上の実例)
→ 文化14年(1817年)3月22日,光格天皇(47歳)が仁孝天皇(18歳)に譲位した事例が書いてあります。
・ 資料2(天皇皇后両陛下の平成御大礼時のご日程について)
イ 宮内庁HP「各都道府県へのお出まし」には,それぞれの都道府県を訪問した際の日程が書いてあります。
ウ 宮内庁HP「戦没者慰霊」には,終戦50年,終戦60年及び終戦70年における,慰霊のための行幸啓のことが書いてあります。

5 勤務時間外の私的な行為に関する,過去の裁判官の懲戒事例
(1)ア 45期の寺西和史仙台地裁判事補は,勤務時間外に出席した,国会提出法案に反対する集会において,パネリストとしての発言は辞退するなどと発言した結果,戒告の懲戒処分を受けました(最高裁大法廷平成10年12月1日決定)。
イ 裁判官は,憲法を尊重し,擁護する義務を負っている(憲法99条)ものの,国会提出法案を尊重し,擁護する義務は負っていません。
(2) 36期の古川龍一福岡高裁判事は,罪証隠滅行為まではしなかったものの,勤務時間外に,実質的に妻の弁護活動に当たる行為をした結果,戒告の懲戒処分を受けました(
最高裁大法廷平成13年3月30日決定)。
(3) 
46期の岡口基一裁判官は,①東京高裁判事をしていた際,勤務時間外に,犬の返還請求を認められた当事者の感情を傷つけるツイートを行った結果,戒告の懲戒処分を受けましたし(最高裁大法廷平成30年10月17日決定),②仙台高裁判事をしていた際,強盗殺人及び強盗強姦未遂事件の遺族が東京高裁事務局等に洗脳されているという投稿を遺族の命日にフェイスブックに行った結果,戒告の懲戒処分を再び受けました(最高裁大法廷令和2年8月26日決定)。

6 取材に対する名古屋家裁総務課の回答等
(1) 示現舎HP「反天皇に血道を上げる名古屋家裁判事の「活動歴」」(平成31年3月15日付)によれば,名古屋家裁総務課は,取材に対し,以下のとおり回答したそうです。
① 記事中に出てきた人物が柳本つとむ判事なのか承知していません。把握していない以上、特に処分の有無も言えません。メディアからの取材件数や抗議件数?メディアからの問い合わせについては報道のことですのでお話しするのは控えます。また抗議件数も把握していません。
② (柳本判事の反天皇活動を調査しないかどうかについて)勤務外の行動についての調査の有無はお話できません。
(2)ア 裁判官には適用されませんが,人事院規則14-7(政治的行為)8項は以下のとおり定めています。
   各省各庁の長及び行政執行法人の長は、法又は規則に定める政治的行為の禁止又は制限に違反する行為又は事実があつたことを知つたときは、直ちに人事院に通知するとともに、違反行為の防止又は矯正のために適切な措置をとらなければならない。
イ 名古屋家裁総務課の職員については,裁判所職員に関する臨時措置規則に基づき,人事院規則14-7(政治的行為)が適用されます。
ウ 最高裁判所長官「新年のことば」(平成31年1月1日)には以下の記載があります。
   裁判所は,法にのっとり社会に生起する紛争の解決を図ることによって法の支配を実現する使命を託されています。裁判所に働く者一人一人が,それぞれの職場において,安易に先例に頼るのではなく,常にその行為が適正なものといえるかを問う姿勢で職務に当たることが求められていることに思いを致し,自らを戒めなければならないと感じています。

7 最高裁判所人事局長の国会答弁,及びこれに関するネット記事等
(1)ア 41期の堀田眞哉最高裁判所人事局長は,平成31年3月22日の衆議院法務委員会(リンク先の動画の3時間45分の24秒~55秒)において,串田誠一衆議院議員(日本維新の会)の質問に対し,以下の答弁をしています。
   委員ご指摘の新聞報道の件に関しましては,裁判官の私生活上の自由や思想・表現の自由にも配慮しつつ慎重に調査をしているところでございます。
   現時点では,新聞記事の対象となったと考えられます裁判官からの事情聴取等を行いましたものの,本人は新聞記事に記載された事実関係を否定しておりまして,服務規律違反の事実があったことは確認できていないというところでございます。
イ 41期の堀田眞哉最高裁判所人事局長は,平成31年3月26日の衆議院法務委員会(リンク先の動画の2時間44分56秒~45分37秒)において,門博文衆議院議員(自民党)の質問に対し,以下の答弁をしています。
   委員ご指摘の新聞記事の件に関しましては,委員からもご指摘ございました裁判官の私生活上の自由や思想・表現の自由にも配慮しつつ慎重に調査しているところでございます。
   現時点では,新聞記事の対象となったと考えられる裁判官からの事情聴取等を行いましたものの,本人は新聞記事に記載された事実関係を否定しておりまして,服務規律違反の事実があったことは確認できていないところでございます。
   事実関係を適切に確認できるよう,引き続き慎重に調査してまいりたいと考えております。
(2) 産経新聞HPの「「反天皇制」裁判所の自浄能力注視 調査の甘さ指摘も」(平成31年3月22日付)には以下の記載があります(ナンバリングを追加しました。)。
① 産経新聞は、判事が活動に参加している様子を撮影した複数の写真や、団体など多数の関係者への取材を基に報じている。インターネットなどの公開情報で確認できるものだけでも、判事の主張は事実と食い違っている。
② 産経新聞は昨年11月、名古屋家裁に判事の政治運動疑惑を伝え、見解を質問した。しかし、報道するまでの3カ月以上にわたり、事実関係について「承知していない」の一点張りだった。
③ 法曹関係者は「裁判所は判事にパソコンや携帯電話の任意提出も求めず、事情聴取して否定されたから終わりというのはおかしい。団体の関係者や判事の休暇の取得状況まで調査すべきだ」と指摘する。
(3)ア 示現舎HP「反天皇に血道を上げる名古屋家裁判事の「活動歴」」(平成31年3月15日付)には以下の記載がありますところ,関係団体の人は,産経新聞の記事とニュアンスの異なることを言っているみたいです。
   団体名が浮上した 「ピースリンク広島・呉・岩国」と「不戦へのネットワーク」 に柳本氏の活動に聞いてみると、いずれも産経の報道は把握しており、こう回答した。
   「私たちの団体名が出ているということで記事は読みました。しかしこの件で私たちが何か言えることはありません」 (ピースリンク広島・呉・岩国)
   「柳本という名前で活動している者は不戦ネットにいませんし、裁判官を名乗って活動している者もいません。記事に出ていた夏祭起太郎さんは会員ですが柳本つとむという方なのか分からないんですよ。マスコミ関係からの問い合わせは4社ほどありまして、その時も柳本さんという名前が出てきましたが、その名前を聞いたのは初めてです。会報における発言は不戦ネットの公式的な見解ではなく、会の方針とは全く違う内容を投稿される人もいますよ。(夏祭の記事には)植樹祭やオリンピック反対と書いているがそれを討議したことはなく、不戦ネットとして天皇制の問題は一昨年に交流会をやったぐらいです」 (不戦へのネットワーク担当者 )
イ 不戦へのネットワーク会報83号(2018年11月11日発行)には「今回の天皇代替わりの特徴と問題点が載っています。
   また,不戦へのネットワーク会報84号(2019年2月16日発行)には「憲法と天皇制」が載っています。
ウ 不戦へのネットワークHPに掲載されている「2018年度方針(案)」には以下の記載があります。
   私たちは、16年8月から17年6月にいたる退位新法成立の中にハッキリとアキヒト天皇政治を見ることができました。「強制ではなく、自発的に」がアキヒト政治の極意であったと理解します。

第2 過去の分限裁判における最高裁判所大法廷決定の判示内容,及び下級審裁判官が既存の最高裁判例に反する裁判をなす場合
1 最高裁大法廷平成10年12月1日決定
(1) 寺西判事補事件に関する最高裁大法廷平成10年12月1日決定が判示した,45期の寺西和史仙台地裁判事補(抗告人)の懲戒の原因となる事実は以下のとおりです。
   抗告人は、本件集会において、パネルディスカッションの始まる直前、数分間にわたり、会場の一般参加者席から、仙台地方裁判所判事補であることを明らかにした上で、「当初、この集会において、盗聴法と令状主義というテーマのシンポジウムにパネリストとして参加する予定であったが、事前に所長から集会に参加すれば懲戒処分もあり得るとの警告を受けたことから、パネリストとしての参加は取りやめた。自分としては、仮に法案に反対の立場で発言しても、裁判所法に定める積極的な政治運動に当たるとは考えないが、パネリストとしての発言は辞退する。」との趣旨の発言をし(以下、本件集会におけるこの抗告人の言動を「本件言動」という。)、本件集会の参加者に対し、本件法案が裁判官の立場からみて令状主義に照らして問題のあるものであり、その廃案を求めることは正当であるという抗告人の意見を伝えることによって、本件集会の目的である本件法案を廃案に追い込む運動を支援し、これを推進する役割を果たし、もって積極的に政治運動をして、裁判官の職務上の義務に違反した。
(2) 最高裁大法廷平成10年12月1日決定は,裁判所法52条1号の「積極的に政治運動をすること」の意義に関して,以下の判示をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
① 憲法は、近代民主主義国家の採る三権分立主義を採用している。
   その中で、司法は、法律上の紛争について、紛争当事者から独立した第三者である裁判所が、中立・公正な立場から法を適用し、具体的な法が何であるかを宣言して紛争を解決することによって、国民の自由と権利を守り、法秩序を維持することをその任務としている。
   このような司法権の担い手である裁判官は、中立・公正な立場に立つ者でなければならず、その良心に従い独立してその職権を行い、憲法と法律にのみ拘束されるものとされ(憲法七六条三項)、また、その独立を保障するため、裁判官には手厚い身分保障がされている(憲法七八条ないし八○条)のである。
   裁判官は、独立して中立・公正な立場に立ってその職務を行わなければならないのであるが、外見上も中立・公正を害さないように自律、自制すべきことが要請される。
   司法に対する国民の信頼は、具体的な裁判の内容の公正、裁判運営の適正はもとより当然のこととして、外見的にも中立・公正な裁判官の態度によって支えられるからである。

   したがって、裁判官は、いかなる勢力からも影響を受けることがあってはならず、とりわけ政治的な勢力との間には一線を画さなければならない。
   そのような要請は、司法の使命、本質から当然に導かれるところであり、現行憲法下における我が国の裁判官は、違憲立法審査権を有し、法令や処分の憲法適合性を審査することができ、また、行政事件や国家賠償請求事件などを取り扱い、立法府や行政府の行為の適否を判断する権限を有しているのであるから、特にその要請が強いというべきである。

   職務を離れた私人としての行為であっても、裁判官が政治的な勢力にくみする行動に及ぶときは、当該裁判官に中立・公正な裁判を期待することはできないと国民から見られるのは、避けられないところである。
   身分を保障され政治的責任を負わない裁判官が政治の方向に影響を与えるような行動に及ぶことは、右のような意味において裁判の存立する基礎を崩し、裁判官の中立・公正に対する国民の信頼を揺るがすばかりでなく、立法権や行政権に対する不当な干渉、侵害にもつながることになるということができる。
② これらのことからすると、裁判所法五二条一号が裁判官に対し「積極的に政治運動をすること」を禁止しているのは、裁判官の独立及び中立・公正を確保し、裁判に対する国民の信頼を維持するとともに、三権分立主義の下における司法と立法、行政とのあるべき関係を規律することにその目的があるものと解される。
③ なお、国家公務員法一〇二条及びこれを受けた人事院規則一四―七は、行政府に属する一般職の国家公務員の政治的行為を一定の範囲で禁止している。
   これは、行政の分野における公務が、憲法の定める統治組織の構造に照らし、議会制民主主義に基づく政治過程を経て決定された政策の忠実な遂行を期し、専ら国民全体に対する奉仕を旨とし、政治的偏向を排して運営されなければならず、そのためには、個々の公務員が政治的に、一党一派に偏することなく、厳に中立の立場を堅持して、その職務の遂行に当たることが必要となることを考慮したことによるものと解される(最高裁昭和四四年(あ)第一五〇一号同四九年一一月六日大法廷判決・刑集ニ八巻九号三九三頁参照)。
   これに対し、裁判所法五二条一号が裁判官の積極的な政治運動を禁止しているのは、右に述べたとおり、裁判官の独立及び中立・公正を確保し、裁判に対する国民の信頼を維持するとともに、三権分立主義の下における司法と立法、行政とのあるべき関係を規律することにその目的があると解されるのであり、右目的の重要性及び裁判官は単独で又は合議体の一員として司法権を行使する主体であることにかんがみれば、裁判官に対する政治運動禁止の要請は、一般職の国家公務員に対する政治的行為禁止の要請より強いものというべきである。
   また、国家公務員法一〇二条及び人事院規則一四―七は、一般職の国家公務員が禁止される政治的行為について、同条が自ら規定しているもののほかは、同規則六項が具体的に列挙したものに限定され、政治的色彩が強いと思われる行為であっても、具体的列挙事項のいずれにも該当しないものは、同条の禁止する「政治的行為」には当たらないものとし、しかも、同規則六項は、五号から七号までに定めるものを除き、同規則五項の定義する「政治的目的」をもってする行為のみを「政治的行為」と規定している。
   これは、右禁止規定の違反行為が懲戒事由となるほか刑罰の対象ともなり得るものである(同法一一〇条一項一九号)ことから、懲戒権者等のし意的な解釈運用を排するために、あえて限定列挙方式が採られているものと解される。
   これに対し、裁判官の禁止される「積極的に政治運動をすること」については、このような限定列挙をする規定はなく、その意味はあくまで右文言自体の解釈に懸かっている。
   裁判官の場合には、強い身分保障の下、懲戒は裁判によってのみ行われることとされているから、懲戒権者のし意的な解釈により表現の自由が事実上制約されるという事態は予想し難いし、違反行為に対し刑罰を科する規定も設けられていないことから、右のような限定列挙方式が採られていないものと解される。
   これらのことを考えると、裁判所法五二条一号の「積極的に政治運動をすること」の意味は、国家公務員法の「政治的行為」の意味に近いと解されるが、これと必ずしも同一ではないというのが相当である。
④ 以上のような見地に立って考えると、「積極的に政治運動をすること」とは、組織的、計画的又は継続的な政治上の活動を能動的に行う行為であって、裁判官の独立及び中立・公正を害するおそれがあるものが、これに該当すると解され、具体的行為の該当性を判断するに当たっては、その行為の内容、その行為の行われるに至った経緯、行われた場所等の客観的な事情のほか、その行為をした裁判官の意図等の主観的な事情をも総合的に考慮して決するのが相当である。
(3) 最高裁大法廷平成10年12月1日決定は,「懲戒事由該当性」に関して以下の判示をしています。
   裁判所法四九条にいう「職務上の義務」は、裁判官が職務を遂行するに当たって遵守すべき義務に限られるものではなく、純然たる私的行為においても裁判官の職にあることに伴って負っている義務をも含むものと解され、積極的に政治運動をしてはならないという義務は、職務遂行中と否とを問わず裁判官の職にある限り遵守すべき義務であるから、右の「職務上の義務」に当たる。

2 最高裁大法廷平成13年3月30日決定
   福岡高裁判事妻ストーカー事件(平成13年3月14日付の最高裁判所調査委員会の調査報告書参照)に関する最高裁大法廷平成13年3月30日決定が判示した,36期の古川龍一福岡高裁判事(被申立人)の行為について以下の判示をしています(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
① 前記事実関係を通覧すれば,被申立人は,山下次席検事から,妻Dに対する被疑事件の捜査が逮捕も可能な程度に進行しているので,事実を確認し,これを認めたならば示談をするようにとの趣旨で,捜査情報の開示を受けたのに対し,Dが繰り返し事実を否認したことから,その嫌疑を晴らすためとみられる一連の行動に出たものであり,具体的には,前記1(2),(3)のとおり,同次席検事から提供された捜査情報の内容をも用いて「〔Dの容疑事実〕ストカー防止法違反」と題する書面等を作成し,被疑者であるDとその弁護に当たる甲弁護士とに交付したなどというのである。
   そして,同書面の記載内容の中には,捜査機関と被疑者のいずれの側にも立たず中立的な立場において捜査状況を分析したというのではなく,被疑者であるDの側に立って,捜査機関の有する証拠や立論の疑問点,問題点を取り出し,強制捜査や公訴の提起がされないようにする端緒を見いだすために記載されたとみられるものが多く含まれている。
② この被申立人の行為は,その主観的意図はともかく,客観的にこれをみれば,被疑者であるDに捜査機関の取調べに対する弁解方法を教示したり,弁護人である甲弁護士に弁護方針について示唆を与えるなどの意味を持つものであり,これにより捜査活動に具体的影響が出ることも十分に予想されたところである。
   また,被申立人としても,この行為がそのような意味を持つものであることを認識し得たということができる。
   これらによれば,被申立人は,先に述べたような実質的に弁護活動に当たる行為をしたといわなければならず,その結果,裁判官の公正,中立に対する国民の信頼を傷つけ,ひいては裁判所に対する国民の信頼を傷つけたのである。
   したがって,被申立人としては,裁判官の立場にある以上,そのような行為は弁護人にゆだねるべきであったのであり,被申立人の行為は,妻を支援,擁護するものとして許容される限界を超えたものというほかはない。
③ 以上のとおり,被申立人の上記行為は,捜査情報の入手が受動的なものであった点や,妻の無実を晴らしたいという夫としての心情から出たものとみられる点を考慮しても,裁判官の職責と相いれず,慎重さを欠いた行為であり,裁判所法49条に該当するものといわなければならない。

3 最高裁大法廷平成30年10月17日決定
(1)ア 岡口基一裁判官に対する分限裁判に関する最高裁大法廷平成30年10月17日決定が判示した,46期の岡口基一東京高裁判事(被申立人)の懲戒の原因となる事実は以下のとおりです。
   被申立人は,平成30年5月17日頃,本件アカウントにおいて,東京高等裁判所で控訴審判決がされて確定した自己の担当外の事件である犬の返還請求等に関する民事訴訟についての報道記事を閲覧することができるウェブサイトにアクセスすることができるようにするとともに,別紙ツイート目録記載2の文言を記載した投稿(以下「本件ツイート」という。)をして,上記訴訟を提起して犬の返還請求が認められた当事者の感情を傷つけた。
   本件ツイートは,本件アカウントにおける投稿が裁判官である被申立人によるものであることが不特定多数の者に知られている状況の下で行われたものであった。
イ 別紙ツイート目録記載2の文言は以下のとおりです。
公園に放置されていた犬を保護し育てていたら,3か月くらい経って,
もとの飼い主が名乗り出てきて,「返して下さい」
え?あなた?この犬を捨てたんでしょ? 3か月も放置しておきながら・・
裁判の結果は・・
(2) 最高裁大法廷平成30年10月17日決定は,一般論として以下の判示をしています。
   裁判の公正,中立は,裁判ないしは裁判所に対する国民の信頼の基礎を成すものであり,裁判官は,公正,中立な審判者として裁判を行うことを職責とする者である。したがって,裁判官は,職務を遂行するに際してはもとより,職務を離れた私人としての生活においても,その職責と相いれないような行為をしてはならず,また,裁判所や裁判官に対する国民の信頼を傷つけることのないように,慎重に行動すべき義務を負っているものというべきである最高裁平成13年(分)第3号同年3月30日大法廷決定・裁判集民事201号737頁参照)。
   裁判所法49条も,裁判官が上記の義務を負っていることを踏まえて,「品位を辱める行状」を懲戒事由として定めたものと解されるから,同条にいう「品位を辱める行状」とは,職務上の行為であると,純然たる私的行為であるとを問わず,およそ裁判官に対する国民の信頼を損ね,又は裁判の公正を疑わせるような言動をいうものと解するのが相当である。

4 下級審裁判官が既存の最高裁判例に反する裁判をなす場合
(1) 「刑事実務と下級審判例」(著者は11期の小林充裁判官)が載ってある判例タイムズ588号の12頁及び13頁には以下の記載があります。
 次に、特殊な場合として下級審裁判官が既存の最高裁判例(または大審院判例-裁判所法施行令5条参照)に反する裁判をなす場合につき若干考察しておく。
 まず、それがまったく容認され得ないものでないことはいうまでもない。最高裁判所の拘束力の根拠は、当該事件に関する国の裁判所としてのあるべき法解釈の推測資料として、最高裁が同種事件についてなした法解釈が重要な意味をもつということにあった。すなわち、そこで重要なのは、最高裁判例それ自体ではなく、国家機関としてのあるべき法解釈ということにあるといわなければならない。ところで、法解釈は社会情勢の変化等に対応して不断に生成発展すべき性質をも有するものであり、最高裁判例も、常にあるべき法解釈を示すとは限らない。このことは、刑訴法410条2項において最高裁自体によって既存の最高裁判例が変更されることが予定されていることから明らかであろう。そして、下級審裁判官としては、あるべき法解釈が既存の最高裁判例と異なると信ずるときには、既存の最高裁判例と異なる裁判をなすことが容認されるといい得るのである。
 ただ、あるべき法解釈というのが、既に述べたように、当該裁判官が個人的に正当であると信ずる法解釈ではなく、国の裁判所全体としてのあるべき法解釈、換言すれば、当該事件が最高裁判所に係属した場合に最高裁が下すであろう法解釈を意味するものであるとすれば、下級裁判所裁判官が右のように信じ得るのは、当該事件が最高裁に係属した場合に最高裁が従前の判例を変更し自己の採った法解釈を是認することが見込まれる場合ということにほかならない。そして、最高裁判例の変更が見込まれるということの判断がしかく容易にされるものではないことは明らかである。その意味では、下級審裁判官が最高裁の判例に従わないことは例外的にのみ許容されるといってよいであろう。下級審裁判官としてただ単に最高裁判例に納得できないということが直ちにこの判断と結びつくものではないことはもとより、最高裁判例に従わない所以を十分の説得力をもって論証できると考えるときも、そのことから直ちに右判例の変更が見込まれるということはできないであろう。下級審裁判官として、最高裁判例の変更が見込まれるかどうかの判断に当たっては、当該判例につき、最近に至るまで何回も同趣旨の判例が反復して出されているか古い時期に一度しか出ていないものであるか、大法廷の判例であるか小法廷の判例であるか、少数意見の有無およびその数の多少、同種の問題につき他の判例と調和を欠くものでないか、それが出された後これに反する下級審判決が現われているか等を、慎重に勘案すべきであろう。
(2) 35期の元裁判官である弁護士森脇淳一HP「裁判官の身分保障について(3)」(平成31年2月21日付)には,「刑事実務と下級審判例」(著者は11期の小林充裁判官)は,裁判官国家機関説(一審の裁判官たるものは,高裁や最高裁がするであろう判断と異なる判断をしてはならないとする説)を裁判官全体に浸透させるのに大いに力があったという趣旨のことが書いてあります。

第3 罪証隠滅のおそれ等
1 元裁判官及び元検事が述べるところの罪証隠滅のおそれ等
(1)ア ヤフーニュースの「【PC遠隔操作事件】「罪証隠滅のおそれ」って何?~名(元)裁判官・原田國男氏が語る”裁判官マインド”」(平成25年6月1日付)には以下の記載があります(ナンバリング及び改行を追加しています。)。
① 僕は裁判官として、量刑と事実認定については厳格にやってきたっていう自負心はあるんですよ。
   ただ、本音を言うと、勾留など身柄の関係については、大勢に従っていたというか、多くの裁判官と同じスタンスでやってきた。
② (「「罪証隠滅のおそれ」が問題になるのは、どういう場合でしょう。 」という問いに対し,)否認が出発点。冤罪であっても、否認すると、検察は必ず「罪証隠滅のおそれ」があると言ってきて、勾留となり、否認を続けていれば、勾留延長になる。起訴になっても、なかなか保釈が通らない。
   在宅の被告人に比べて、弁護人との打ち合わせもなかなか十分にはできない。そして最後は実刑になる。そういう悪い連鎖を作るキーが、「罪証隠滅のおそれ」。
   (否認していると解放されないという)人質司法という問題の中心は、否認した時の「罪証隠滅のおそれ」なんですよ。
   裁判官も、否認すれば「罪証隠滅のおそれ」があるんだろうな、と考えてしまうから。

③ (罪証隠滅の恐れがあることを伝える検察官の意見書の添付書類というのは)捜査
報告書の類。検察官の意見書と一緒に出されるけど、法廷には普通、出て来ない。
   勾留などを決める場合の疎明資料は、証拠能力を立証する必要がなく、そこに、被疑者・被告人は知人に罪証隠滅を働きかけるような手紙を出しているとか、そういうことが書いてある。だから、「罪証隠滅のおそれ」があるんですよ、と。

   そこまで分かりやすい行為でなくても、なんか怪しいと思えることが書かれていると、具体的な「おそれ」まで行ってなくても、裁判官は「罪証隠滅やりそう」って考えがち。あくまで「おそれ」でいいわけだし、もし罪証隠滅されたら事件つぶしちゃうことになるから。
   自分の判断で事件つぶしちゃうのは困るから、身柄はとっておいて、決着は判決でつけよう、という判断になりやすいんだ。

④ 否認していると、「罪証隠滅のおそれ」で出られない。保釈もされない。
   「罪証隠滅のおそれ」というのは、そうやって、いろんな場面で使えるババみたいなカードなんだ。
⑤ 被告人については、悪いことを考えがちですね。40年も裁判官やっていれば、罪証隠滅された話だとかの知識は豊富にあるから。

⑥ (「目の前の被告人が具体的に何かをする「おそれ」があるというより、今までの蓄積と今の被告人が結びついてしまう?」という問いに対し)それが可能なんですよ。職業病と言えば職業病。(初めて刑事裁判を担当する)裁判員みたいな気持ちで被告人を見れば、「罪証隠滅のおそれ」なんてないよね、と思う場合でも、いろんな例を知っているもんだから、「ひょっとすると…」と。
イ PC遠隔操作事件については,平成26年3月5日に保釈された被告人において,別に真犯人がいるという趣旨の電子メールを,別人を装って自ら報道機関に送るなどした結果,同年5月20日に保釈を取り消され,平成27年2月4日,懲役8年の実刑判決を受けました。
(2) 検事失格 弁護士 市川寛のブログ「「罪証隠滅」って何?」には以下の記載があります(ナンバリング及び改行を追加しました。)。
① 人の供述を「隠滅」するとは、なにも文字通りその人を抹殺することではなく、例えば同居人に会って「俺がカネに困っていたとは言わないでくれ」と頼むなどの「口裏合わせ」をすることです。
 ですから、結局のところ、検事が勾留請求したり、保釈に反対するときは、「被疑者(被告人)は、関係者と接触して虚偽の供述をするようはたらきかけるおそれがある」などと述べて、罪証隠滅のおそれを主張するわけです。
② 起訴後では、検事が被害者や目撃者の調書をとっています。
 刑事訴訟法では、警察の調書と比べると、検事の調書は公判で証拠として採用されやすい仕組みになっています(これ自体に問題があることは、ここでは言及しません)。
 被害者・目撃者の供述は、検事の調書という形で保存されているのです。
 ですから、仮に被告人が被害者や目撃者に接触しようが、検事は保存された調書を出せば足りるはずなのです。
 ですが、実情は、たとえ被疑者・被告人が被害者や目撃者と何らの面識のない「赤の他人」の関係でも、検事は「接触して虚偽の供述をはたらきかけるおそれがある」と主張し、裁判所もこの主張を認めるのが殆どなのです。
 「罪証隠滅のおそれ」が、非常に抽象的なものとして運用されているわけです。
 すなわち、果たして本当にそんな罪証隠滅ができるのかという疑問があるのに、これを肯定しての身柄拘束が行われているのです。

2 犯人隠避罪に関する裁判例等
(1)ア 部下である検察官がその職務に関して証拠隠滅罪を犯したことを覚知した地方検察庁の幹部検察官2人が,その犯行を知った他の部下検察官らから上司への報告を求められたなどの本件事実関係の下において,共同して,上司や上級庁に対しては,犯人の証拠隠滅に関する嫌疑を抱かせないための工作を行うとともに,同検察庁の内部及び部下の検察官らに対しては,当該嫌疑に関する情報を管理し,捜査に向けた動きを封じる工作を行ったことは,全体として,刑法103条にいう犯人隠避罪に当たります(大阪高裁平成25年9月25日判決)。
イ 法務省HPに「いわゆる厚労省元局長無罪事件における捜査・公判活動の問題点等について(公表版)」(平成22年12月)が載っています。
(2) 
道路交通法違反,自動車運転過失致死の各罪の犯人がAであると知りながら,Aとの間で,事故車両が盗まれたことにする旨口裏合わせをした上,参考人として警察官に対して前記口裏合わせに基づいた虚偽の供述をする行為は,刑法103条の「隠避させた」に当たります(最高裁平成29年3月27日決定参照)。
(3)ア ヤフーニュースの「なぜ捜査当局は極秘の捜査情報をマスコミにリークするのか (1)」には,リークのデメリットとして以下の記載があります。
リーク報道により、自分(達)が捜査対象だということを相手に対して明確に認識させることで、証拠隠滅や口裏合わせ、逃亡、自殺を招く。
捜査の手の内が分かれば、狡猾な被疑者らが新たな弁解を構築したり、捜査当局が把握していない未解明の事実を覆い隠すことも可能となる。
イ 捜査情報の漏洩により証拠隠滅や口裏合わせ,新たな弁解の構築等により真相の解明が困難となった可能性がある事件については,罪証隠滅に関する知識の豊富な被疑者を逮捕し,接見禁止付で勾留できる捜査機関が起訴できなかったとしても,当該被疑者が潔白であったとはいえないと思います。

3 東京地検次席検事が罪証隠滅防止の実効性がないとの見解を示した,被告人カルロス・ゴーンの保釈条件
(1) 東京地検次席検事は,平成31年3月8日の定例記者会見において,東京地裁が会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車前会長の被告人カルロス・ゴーンの保釈条件について,罪証隠滅防止の実効性がないとの見解を示しました(産経新聞HPの「ゴーン被告保釈条件 地検次席が地裁決定に異例の批判「実効性ない」」参照)。
(2)ア 被告人カルロス・ゴーンの弁護人である高野隆弁護士ブログの「保釈条件について」(平成31年4月6日付)によれば,平成31年3月のカルロス・ゴーンの保釈条件は以下のとおりです(1,2などを①,②などに変えています。)。
① 被告人は、東京都***に居住しなければならない。
  住居を変更する必要ができたときは、書面で裁判所に申し出て許可を受けなければならない。
② 召喚を受けたときは、必ず定められた日時に出頭しなければならない(出頭できない正当な理由があれば、前もって、その理由を明らかにして、届け出なければならない。)
③ 逃げ隠れしたり、証拠隠滅と思われるような行為をしてはならない。
④ 3日以上の旅行をする場合には、前もって、裁判所に申し出て、許可を受けなければならない。
⑤ 海外渡航をしてはならない。
⑥ 被告人は、所持する旅券すべてを弁護人に預けなければならない。
⑦ 被告人は、第一審の判決宣告に至るまでの間、本邦における在留期間を更新し又は在留資格を取得できるように努め、弁護人を介して、その経過及び結果を裁判所に報告しなければならない。
⑧ 被告人は、グレゴリー ルイス ケリー、大沼敏明、西川廣人、ヘマント クマール ナダナサバパシー、真野力、小坂厚夫、ハーリド ジュファリ(Khaled Juffali)、ジル ノルマンその他の本件事件関係者及び罪体に関する弁護人請求の証人(証人請求予定者を含む。)に対し、直接又は弁護人を除く他の者を介して、面接、通信、電話等による一切の接触をしてはならない。
⑨ 被告人は、弁護人が上記制限住居の玄関に監視カメラ(24時間作動するもの)を設置して録画し、かつその画像を①マイクロSDカード又は②ビデオレコーダー及びUSBメモリーに保存すること、その録画画像(毎月末日までの分)を翌月15日までに裁判所に提出することを、妨げてはならない。
⑩ 被告人は、弁護人から提供される携帯電話1台(番号***)のみを使用し、それ以外の携帯電話機、スマートフォンなどの通信機器を使用してはならない。被告人は、使用を許可された上記携帯電話機の通話履歴明細を保存しておかなければならない。
⑪ 被告人は、弁護士法人法律事務所ヒロナカから提供されるパーソナルコンピューター(機種名***、製造番号***)のみを、平日午前9時から午後5時までの間、同事務所内(東京都千代田区***)において使用し、それ以外の日時・場所で、パーソナルコンピューターを使用してはならない。被告人は、使用を許可された上記パーソナルコンピューターのインターネットのログ記録を保存しておかなければならない。
⑫ 被告人は、制限住居の内外を問わず、面会した相手の氏名(ただし、被告人の妻、弁護人、弁護士法人法律事務所ヒロナカの事務員を除く)、日時・場所を記録しておかなければならない。
⑬ 被告人は、弁護人を介して、10項の通話履歴明細(毎月末日までの分)を翌月末日までに、11項のインターネットのログ記録(毎月末日までの分)及び12項の面会記録(毎月末日までの分)を翌月15日までに、それぞれ裁判所に提出しなければならない。
⑭ 被告人は日産自動車株式会社の株主総会、取締役会その他の会合に出席する場合には、前もって、裁判所に申し出て、許可を受けなければならない。
⑮ 本件につき公判期日の召喚状、保釈許可決定謄本等裁判所から郵便で送達された書類については、保釈制限住居で受領すべきはもちろんのこと、不在時に配達された場合には、すみやかに集配局に出頭する等の方法により、必ず受領しなければならない。
イ 高野隆弁護士ブログの「保釈条件(2)」(平成31年4月27日付)に,平成31年4月のカルロス・ゴーンの再度の保釈条件が載っています。
ウ 外国人被告人の出国確認留保の通知に係る事務の取扱いについて(平成12年8月28日付の最高裁判所刑事局長,家庭局長通達)を掲載しています。

4 福岡高裁判事妻ストーカー事件で訴追請求にまでは至らなかった理由等
(1)ア 福岡高裁判事妻ストーカー事件では,古川龍一福岡高裁判事の自宅にあった3台のパソコン等が押収されましたし,当時はマスコミの注目を集めていた事件でした。
   そのため,福岡県西警察署及び福岡地検によって徹底的に調査されたと思います。
イ 福岡高裁平成13年2月16日決定の決定要旨には,「脅迫等被疑事件の捜査指揮の権限が福岡高等検察庁に移ってからは、妻の起訴・不起訴等のいわゆる生殺与奪の権限を直接同検察庁が握るようになった」などと書いてあります。
(2)ア 最高裁判所調査委員会としては,3台のパソコンの使用状況等にも言及した上で,「古川判事が平成12年12月28日に山下次席検事から妻園子に関する嫌疑を聞かされて以降取った行動に関する供述に何ら不自然な点はなく,罪証を隠滅したとの疑惑についての供述も理解が可能なものであるほか,その一部は捜査機関により公表された捜査の結果裏付けられていることに照らすと,古川判事が,妻園子の刑事事件に関する証拠を隠滅したと認めるに足りる証拠はないといわざるを得ない。」という事実関係を前提として,裁判官弾劾法に基づく訴追請求をすべき理由があるものとまでは認められないと判断しました平成13年3月14日付の最高裁判所調査委員会の調査報告書23頁及び24頁等参照)。
イ 京都弁護士会(平成13年度会長は福井啓介弁護士)が平成13年3月頃に出した「「福岡」事件につき、真相の徹底的究明と抜本的改革策の確立を求める意見書」
には以下の記載があります。
   「最高裁判所調査委員会」は、本件においては当事者ともいうべき同事務総局の局長クラスにより構成されたもので、事実関係の解明が十分なされていないことや、きちんとした改革策が出されていないことは、そのことに起因していると言うほかない。また、最高裁裁判官会議との関係も明らかでなく、いかなる法的根拠、権限により設置されたか等、同報告書の出所そのものも疑問なしとしない。
(3)ア 裁判官訴追委員会は,平成13年4月19日,古川龍一判事について,7対7の評決により不訴追を決定しました(罷免の訴追をするためには,出席訴追委員の3分の2以上の多数が必要であることにつき裁判官弾劾法10条2項ただし書)。
   そのため,古川龍一判事は,平成13年4月24日に依願退官しました(Wikipediaの「福岡高裁判事妻ストーカー事件」参照)。
イ 古川龍一判事について,事実関係に関する供述に何らかの不自然な点があったり,妻の刑事事件に関する証拠を隠滅したと認めるに足りる証拠があったりしたと最高裁判所調査委員会によって判断されていた場合,裁判官訴追委員会において裁判官弾劾法に基づく訴追請求をされていたかもしれません。

第4 最高裁判所情報公開・個人情報保護審査委員会の答申の記載
1 平成27年度(最情)答申第5号(平成28年2月22日答申)の記載
   裁判官は,憲法上その職務の独立性が保障されるとともに,身分が保障されており(憲法76条3項,78条),また,身分保障の現れとして,その意思に反して,転官や転所をされることはないとされている(裁判所法48条)。したがって,裁判官の異動時期の目安を含めた人事管理に係る情報については,裁判官の独立を確保するため,非常に高い機密性が求められる機微な情報であるということができ,本件対象文書に記録されている上記のような情報を公にすると,それを知った裁判官の異動を望み,あるいは望まない関係者などから不当な働き掛け等がされるなどして,今後の裁判官の人事管理に係る事務に関し,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められることから,本件対象文書に記録された情報は,その文書の標題部分や発出者名等も含め,全体として法5条6号ニに規定する不開示情報に相当する情報に当たると認められる。
2 平成29年度(最情)答申第4号(平成29年5月25日答申)の記載
   裁判官は,憲法上,その職務の独立性が保障されるとともに,身分が保障されている(憲法76条3項,78条)。また,その身分保障の現れとして,裁判官がその意思に反して転官や転所をされることはない(裁判所法48条)。これらの規定の趣旨に照らすと,裁判官の人事管理に係る情報については,裁判官の独立を確保するため,非常に高い機密性が求められる機微な情報であるということができ,本件対象文書に記録されている上記のような情報を公にすると,裁判官の異動を望み,あるいは望まない関係者等から不当な働き掛け等がされるなどして,今後の裁判官の人事管理に係る事務に関し,適正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められるから,本件対象文書に記録された情報は,その文書の標題部分や発出者名等を含め,全体として法5条6号ニに規定する不開示情報に相当する。
3 
平成29年度(情)答申第2号(平成29年4月28日答申)の記載
   下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意は,事務の取扱いや行状についての改善を目的として行うものであって,懲戒処分のような制裁的実質を含んだ処分とは異なるものであると判断される。
そして,裁判官については,憲法上その独立が強く保障されており,懲戒処分も,裁判官分限法に基づく分限裁判によって行われることとされていて(裁判所法48条,49条参照),下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意がされたとしても,そのことにより,当該裁判官に具体的な不利益が課されることは,予定されていない。また,裁判官の懲戒である分限裁判が確定したときは,官報に掲載して公告されることとされている(裁判官の分限事件手続規則9条)のに対し,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意は,公表が予定されていない。
   下級裁判所事務処理規則21条に基づく裁判官に対する注意が上記のような性質のものであることからすると,その運用自体が裁判官の個人的事情に関わる機微なものであるというべきであり,その手続きについては,当該裁判官の行状等の改善に対する実効性を確保する目的で,適切な時期に効果的な形でされるべきであるという観点等から慎重であるべきものと認められる。したがって,司法行政手続の中でその運用においてどのような手続がとられるのか,文書が作成されるのか,作成されるとしてどのような文書が作成,管理,保存されるのかなどについて,本来,これを公にすると,下級裁判所事務処理規則21条に基づく注意という人事管理に係る事務に関与する判断権者及び職員に対し,文書の作成,管理,保存について好ましくない影響が生ずる等,公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められる。
4 平成30年度(最情)答申第32号(平成30年9月21日答申)の記載
   本件不開示部分のうちその余の記載部分については,その記載内容に照らせば,罷免された司法修習生に係る個人識別情報と認められ,同号ただし書イからハまでに相当する事情は認められない。また,これらの記載部分については,司法修習生の人事事務に関する担当者等の一部の関係職員以外には知られることのない秘密性の高い情報であり,特に罷免理由を公にすると,どのような事案で罷免されるのかといった内容が明らかになるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえず,司法修習生の罷免に係る事務に支障が生じるおそれがあると認められるから,法5条6号ニに規定する不開示情報に相当する。
5 平成30年度(最情)答申第41号(平成30年11月16日答申)の記載
   本件対象文書(注:70期司法修習生を罷免するに際し,司法研修所が作成した司法修習生に関する規則19条に基づく報告書)を見分した結果によれば,本件対象文書は,70期司法修習生を罷免するに際し,司法研修所が作成した司法修習生に関する規則(平成29年最高裁判所規則第4号による改正前のもの)19条に基づく報告書であり,司法修習生の氏名や行状等が記載されていることが認められる。このうち司法修習生の氏名や行状等の記載部分については,法5条1号に規定する個人識別情報と認められ,同号ただし書イからハまでに相当する事情も認められない。また,本件対象文書の性質及び内容を踏まえると,標題等を含む本件対象文書全体について,これを公にすると,司法修習生の罷免事由に関する調査事項,司法修習生の弁明書及び提出された資料の内容が明らかになり,今後の公正かつ円滑な調査及び資料収集事務に好ましくない影響を与えるなど,適正な司法修習生の罷免手続事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。

第5 新61期長崎修習の人の守秘義務違反容疑の場合,司法研修所による調査が実施されて報道されたこと
1 平成20年6月19日,「司法修習生のなんとなく日記」と題するブログに関して,取り調べや刑務所内の見学など修習内容をインターネット上のブログに掲載していたとして,長崎地裁が裁判所法に基づく守秘義務違反の疑いもあるとして調べていると報道されました(孫引きですが,外部ブログの「司法修習生。守秘義務違反」参照)。
    問題となったブログの記載の一部を引用すると以下のとおりであり,ブログを書いてから4ヶ月余り後に報道されたようです。
2008-02-15 | 修習
今日,はじめて取調べやりました。
相手は80歳のばあちゃん。
最初はいろいろ話を聞いてたけど,
途中から説教しまくり。おばあちゃん泣きまくり。
おばあちゃん,涙は出てなかったけど。
けど,なんで20代の若造が80歳のばあちゃんを説教してるのか。
それに対してなんで80歳のばあちゃんが泣いて謝ってるのか。
なんとなく,権力というか,自分の力じゃない力を背後に感じた。
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(2) 新61期長崎修習の人の守秘義務違反容疑につき,司法研修所による調査の結論は以下のとおりになったみたいです(外部ブログの「守秘義務について」参照)。
   ブログ内容は、個人が特定されるものではないとして、「厳密な意味で守秘義務違反に該当するとはいえない」と判断。(長崎新聞7/25より引用)
   だが、「国民の信頼を損ない、修習生の品位を辱めるもので、守秘義務違反にも匹敵する厳しい非難を受けるべき」と批判した。(同前)
2(1) 56期高松修習の人が書いた「司法修習生日記」における「検察修習」とかについては,現在でもインターネット上に存在してますから,検察修習に関するこれらの記載は司法修習生の守秘義務には違反していなかったと思われます。
 しかし,新61期長崎修習の人が書いた「司法修習生のなんとなく日記」が守秘義務に違反するとして不祥事扱いになったのに対し,56期高松修習のブログが守秘義務に違反しないと判断する基準はよく分かりません。
(2)ア   実際,「やっぱり世界は**しい!」と題するブログ「守秘義務」によれば,司法研修所が動くこと自体が司法修習生にとっては大変な脅威であって,司法修習生という立場は,まさに現代の特別権力関係だそうです。
イ 最高裁昭和32年5月10日判決は,公務員に対する懲戒処分は,特別権力関係に基づく行政監督権の作用であると判示していました。
3 名古屋家裁の55歳の男性裁判官については,平成30年11月時点で産経新聞が名古屋家裁に政治活動疑惑を伝えたみたいです。
   しかし,産経新聞が平成31年3月13日に報道するまでの間に,名古屋家裁が何らかの調査をしたかどうかは不明です。

第6 昭和45年4月8日付の最高裁判所事務総長談話等
1 昭和45年4月8日付の最高裁判所事務総長談話
「裁判官の政治的中立性について」(昭和45年4月8日付の岸盛一最高裁判所事務総長談話)は,同月9日の新聞朝刊に掲載されたほか,裁判所時報544号(昭和45年5月1日付)2頁にも掲載されていますところ,その内容は以下のとおりです。
 裁判官の任用について、差別待遇があると二十二期司法修習修了者の代表が主張しているそうであるが、裁判官志望の某君らが不採用となった理由は、人事の機密にぞくすることなので、一切公表することはできない。ただ、同君らが青法協会員であるという理由からではない。
 なお、一般的問題としてであるが、裁判官は、その職責上からして、特に政治的中立性が強く要請されているのは、当然のことである。そしてこの中立性は、裁判官の法廷における適正な訴訟指揮権や法廷警察官の行使を通じ、窮極においては、裁判によって貫かれるべきことである。しかしこれと同時に、裁判は、国民の信頼の基礎の上に成り立っているものであり、したがって裁判官は、常に政治的に厳正中立であると国民全般からうけとられるような姿勢を堅持していることが肝要である。裁判官が政治的色彩を帯びた団体に加入していると、その裁判官の裁判がいかに公正なものであっても、その団体の構成員であるがゆえに、その団体の活動方針にそった裁判がなされたとうけとられるおそれがある。かくては、裁判が特定の政治的色彩に動かされていないかとの疑惑を招くことになる。裁判は、その内容自体において公正でなければならぬばかりでなく、国民一般から公正であると信頼される姿勢が必要である。裁判官は、各自、深く自戒し、いずれの団体にもせよ、政治的色彩を帯びる団体に加入することは、慎しむべきである。
 以上は最高裁判所の公式見解である。

2 35期新任判事補に対する説明
 35期の元裁判官である弁護士森脇淳一HP「ある元裁判官の履歴書(5)」(令和元年5月25日付)には以下の記載があります。
 その研修(注:熱海のホテルで行われた「新任判事補集中研修」のこと。)で講師となった最高裁事務局(だったと思う)員が述べたことのうち、2つの事柄については、今でも鮮明に覚えている(もちろん、記憶の変容があるかもしれないが)。
(中略)
 もう一つは、いわゆる団体に所属してよいか、という問題についてである。当時はまだ、青法協に所属している司法修習生が任官希望する事例があり、その中には、採用願を出す前に、青法協に対して脱退届を出し、その写しを司法研修所の教官に提出するということもあったらしく(注6)、その講師の話は青法協を前提とするものだと思ったので、私は、これには反対されないだろうと思いながら、念の為と思って次の質問をした。
 「私の子は、ある病気に罹っているが、同じ病気の子を持つ親の会に加入している。その団体への加入は問題ないでしょうね?」と。
 それに対する講師の返答は次のようなものであった。
 「その団体が、世論に訴えたり、国会議員に働きかけたりして、その病気の子らのための法律を制定しようとしたら、裁判官はその団体を脱退しなければならない」
 そのとき私は、決してその団体を脱退するつもりはなかったし、その返答を聞いても私の気持ちは変わらなかった。ただ、こう思った。
 「やってられんわ!」

第7 関連記事その他
1 衆議院HPに「裁判官弾劾裁判所及び裁判官訴追委員会に関する資料」(平成25年5月に衆議院憲法審査会事務局が作成した資料)が載っていますところ,末尾1頁には以下の記載があります。
   裁判官であっても、国民の信頼を裏切るような行為を犯した場合には辞めさせることができなくてはならない。そこで、日本国憲法において、理念として、公務員を罷免することが国民の権利であると宣言されていること(15 条1項)や、身分保障が強く要請される裁判官をいたずらに不安定な地位におくことは望ましくないことなども考慮して、罷免事由等が限定された現在の裁判官弾劾制度が採用された(64 条1 項)。
2 管理職的地位にあり,その職務の内容や権限に裁量権のある一般職国家公務員が行った本件の政党の機関紙の配布は,それが,勤務時間外に,国ないし職場の施設を利用せず,公務員としての地位を利用することなく,公務員により組織される団体の活動としての性格を有さず,公務員による行為と認識し得る態様によることなく行われたものであるとしても,当該公務員及びその属する行政組織の職務の遂行の政治的中立性が損なわれるおそれが実質的に認められ,国家公務員法102条1項,人事院規則14−7第6項7号により禁止された行為に当たります(最高裁平成24年12月7日判決)。
3 裁判官弾劾裁判所令和6年4月3日判決は以下の判示をしています(判決要旨29頁及び30頁)。
    裁判官とは、司法権を行使して裁判を行う官職にある者をいい、裁判とは、対等な私人間の社会関係上の紛争の解決や公権力を有する国家と国民との間の公益と私益との衝突の調整を目的とする国家の権能である。そして、裁判がこのような重要な役割を安定的、継続的に果たす上で、絶対に不可欠なのが一般国民の裁判に対する信頼である。
    このため、裁判権を行使する裁判官は、単に事実認定や法律判断に関する高度な素養だけでなく、人格的にも、一般国民の尊敬と信頼を集めるに足りる品位を兼備しなければならず、裁判官という地位には、もともと裁判官に望まれる品位を辱める行為をしてはならないという倫理規範が内在していると解すべきである。
4(1) 国家公務員の倫理に関する以下の資料を掲載しています。
① 国家公務員の服務・懲戒制度(平成29年度版)
② 裁判所職員倫理審査会規則(平成12年2月10日最高裁判所規則第5号)
③ 下級裁判所の裁判官の倫理の保持に関する申合せ(平成12年6月15日付の高等裁判所長官申合せ)
(2) 最高裁判所事務総長が作成した,以下の理由説明書を掲載しています。
① 令和元年8月19日付の理由説明書(名古屋高裁が,名古屋家裁から取得した,柳本つとむ裁判官の勤務時間外の行為を調査した文書)
② 令和元年8月19日付の理由説明書(名古屋家裁の男性判事(55歳)が平成30年中に反天皇制をうたう団体の集会に複数回参加するなどしたことに関する文書)
③ 令和元年8月19日付の理由説明書(名古屋家裁が作成し,又は取得した「夏祭起太郎」に関する文書)
5 以下の記事も参照してください。
① 人事院規則14-7(政治的行為),及び名古屋家裁裁判官の反天皇制に関する行為
② 岡口基一裁判官に対する分限裁判
③ 裁判官の職務に対する苦情申告方法
④ 分限裁判及び罷免判決の実例
⑤ 弁護士の懲戒

裁判官の号別在職状況

目次
1 裁判官の号別在職状況に関する最高裁の開示文書
2 裁判官の報酬月額,号別在職状況等の推移
3 裁判官の給料と指定職俸給表の比較(令和2年9月9日追加)
4 元裁判官がブログで公表している判事4号どまりの実例
5 裁判官の号別在職状況に関する国会での質疑応答例
6 昭和62年当時の裁判官の昇給差別に関する国会での質疑応答例(令和3年3月16日追加)
7 裁判官の配置定員と裁判官の号別在職状況の数字が異なる理由
8 関連記事その他

*1 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)も参照してください。
*2 studyFIRE「年収別 手取り金額一覧(年収100万円~年収1億円まで)」が載っています。

1 裁判官の号別在職状況に関する最高裁の開示文書
(1)ア 裁判官の号別在職状況に関する最高裁の開示文書は,以下のとおりです。
・ 令和 7年7月1日及び同年12月1日
・ 令和 6年7月1日及び同年12月1日
・ 令和 5年7月1日及び同年12月1日
・ 令和 4年7月1日及び同年12月1日
・ 令和 3年7月1日及び同年12月1日
・ 令和 2年7月1日及び同年12月1日
・ 令和 元年7月1日及び同年12月1日
・ 平成30年7月1日及び同年12月1日
・ 平成29年7月1日及び同年12月1日
・ 平成28年7月1日及び同年12月1日
・ 平成27年7月1日及び同年12月1日
・ 平成24年12月1日から平成26年12月1日までの分
・ 平成14年7月1日から平成23年12月1日までの分(平成27年11月26日付で開示されたもの)
→ 平成26年7月28日付の司法行政文書不開示通知書によれば,同日当時は最高裁判所に存在しなかった文書です。
イ 裁判官の号別在職状況(平成14年7月1日現在から令和6年12月1日現在まで)として1本化しています。
ウ 行政機関等への出向裁判官は号別在職状況の人数に含まれていません。

(2) 平成30年度(最情)答申第78号(平成31年3月15日答申)には以下の記載があります。
 最高裁判所においては,毎年12月1日現在の判事及び判事補の現在員を算出しており,12月1日以外の基準日の現在員を算出する必要が生じた場合には,直近に算出した12月1日時点の数値をもとに,同日以降の任官者数,退官者数等を集計して算出する
(3) 平成28年度(最情)答申第4号(平成28年4月14日答申)によれば,①裁判官の号別定数が分かる文書,②下級裁判所における指定職相当の裁判官の内訳が分かる文書,及び③下級裁判所におけるその他の裁判官1160人の内訳が分かる文書は存在しません。

平成14年7月1日現在の,裁判官の号別在職状況(判事の合計として401人とあるのは,1401人の誤記と思います。)

2 裁判官の報酬月額,号別在職状況等の推移
(1)ア 平成14年7月1日以降の,裁判官の報酬月額,号別在職状況等の推移については,裁判官の報酬月額・号別在職状況等の推移表(平成14年7月1日以降)のとおりです。
イ 判事1号ないし判事3号の合計人数が減って,判事4号の人数が増えていますから,昔と異なり,任官21年目の時点,つまり,判事に再任された時点で判事3号に昇給する人はほとんどいない気がします。
 また,平成25年12月1日からの1年間,56期の昇給がなく,平成27年12月1日からの1年間,54期の昇給がなかったみたいです。
(2) 自由と正義2017年4月号28頁において,39期の田口紀子裁判官(弁護士任官者)が,「昇給は,以前に比べ遅くなり,退職金も減ってはいるものの,必要経費は少なく,生活に困ることはなく,特に不満はありません。」と書いています。
(3) 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)を見れば,修習期及び勤務地別の裁判官の推定年収が分かります。
(4) IT mediaビジネスONLINE「エリート集団の裁判所が、「ブラック企業」と呼ばれても仕方がない理由 (2/5)」には,「相撲の番付表にも似た細かい裁判官のヒエラルキーが存在しているんですよね。時によって順序が少し変わることもありますが、基本的には同じ。」とか,「最高裁長官と事務総長の意を受けた最高裁判所事務総局人事局は、人事を一手に握っています。だから、いくらでも裁判官を支配することできるんですよ。」などと書いてあります。
(5) 判事特号(高裁長官と判事1号の間の報酬)は,裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律(平成17年11月7日法律第116号。平成18年4月1日施行)によって廃止されました。

令和3年12月1日現在の,裁判官の号別在職状況

裁判官・検察官の給与月額表(平成31年4月1日現在)

3 裁判官の給料と指定職俸給表の比較

(1) 判事1号(令和元年度の月額は117万5000円)
ア 判事1号は,①一般職である各省庁の事務次官,並びに②特別職である内閣官房副長官補,内閣広報官,内閣情報官,内閣総理大臣補佐官,大臣補佐官,国家公務員倫理審査会委員,公正取引委員会委員,原子力規制委員会委員及び式部官長に適用されている指定職俸給表8号棒と同じです。
イ 司法行政部門では,最高裁判所事務総長について指定職俸給表8号棒が適用されています。
(2) 判事2号(令和元年度の月額は103万5000円)
ア 判事2号は,①一般職である警察庁次長,公安調査庁長官及び財務省主計局長等,並びに②特別職である個人情報保護委員会委員,公害等調整委員会委員,中央労働委員会後衛木医院,運輸安全委員会委員,総合科学技術・イノベーション会議議員,8条機関の委員長及び東宮大夫に適用されている指定職俸給表6号棒と同じです。
イ 司法行政部門では,指定職俸給表6号棒が適用されている官職はありません。
(3) 判事3号及び簡裁判事特号(令和元年度の月額は96万5000円)
ア 判事3号及び簡裁判事特号(裁判官の報酬等に関する法律附則15条)は,法務省の民事局長及び刑事局長等に適用されている指定職俸給表5号棒と同じです。
イ 司法行政部門では,指定職俸給表5号棒が適用されている官職はありません。
(4) 判事4号及び簡裁判事1号(令和元年度の月額は81万8000円)
ア 判事4号及び簡裁判事1号は,公安調査庁次長,関東及び近畿の財務局長,東京及び大阪の税関長等に適用されている指定職俸給表3号棒と同じです。
イ 司法行政部門では,最高裁判所審議官,最高裁大法廷首席書記官,最高裁家庭審議官及び東京高裁事務局次長について指定職俸給表3号棒が適用されています。
 そのため,これらのポストから簡裁判事に就任する場合,簡裁判事特号又は簡裁判事1号にならない限り,年収が減少することとなります。
(5) 判事4号及び判事5号の間に相当する指定職俸給表2号棒(令和元年度の月額は76万1000円)
ア 法務省大臣官房司法法制部長,最高検察庁事務局長,東京及び福岡の高検事務局長,東京及び大阪の矯正管区長,関東地方更生保護委員会委員長,東京拘置所長,東京及び大阪の法務局長,並びに東京,大阪,名古屋及び福岡の地方出入国在留管理局長に適用されている指定職俸給表2号棒
イ 司法行政部門では,最高裁判所小法廷首席書記官,訟廷首席書記官,裁判所職員総合研修所事務局長,東京地裁事務局長,高裁(東京高裁を除く)の事務局次長並びに東京,大阪,名古屋,広島,福岡,仙台及び札幌の家裁の首席調査官について指定職俸給表2号棒が適用されています。
 そのため,これらのポストから簡裁判事に就任する場合,簡裁判事特号又は簡裁判事1号にならない限り,年収が減少することとなります。
ウ 高等検察庁事務局の場合,東京及び福岡の事務局長が指定職俸給表2号棒であり,大阪及び名古屋の事務局長が指定職俸給表1号棒です。
   これに対して高等裁判所事務局の場合,東京高裁の事務局次長が指定職俸給表3号棒に相当し,それ以外の高裁の事務局次長が指定職俸給表2号棒に相当しています。
(6) 判事5号及び簡裁判事2号(令和元年度の月額は70万6000円)
ア 判事5号及び簡裁判事2号は,大阪及び名古屋の高検事務局長,並びに札幌,仙台,名古屋,広島及び福岡の法務局長に適用される指定職俸給表1号棒と同じです。
イ 司法行政部門では,指定職俸給1号棒が適用されている官職はありません。
(7)ア 司法行政部門における指定職俸給表の適用状況については,指定職俸給表の適用を受ける職員の号俸について(平成30年6月6日付の最高裁判所裁判官会議議決)に書いてあります。
イ 会計検査院及び人事院以外の行政機関における指定職俸給表の適用状況については,人事院HP「級別定数等に関する内閣総理大臣への意見」に書いてあります。
(8)ア 国家公務員の給与(令和4年版)15頁の指定職の給与によれば,令和4年4月1日現在,①法務省民事局長等に適用される指定職俸給表5号棒(判事3号と同じ)の在職者数は93人であり,②外局の長官等に適用される指定職俸給表6号棒(判事2号と同じ。)の在職者数は20人であり,③内閣府審議官等に適用される指定職俸給表7号棒の在職者数は31人であり,④事務次官に適用される指定職俸給表8号棒(判事1号と同じ。)の在職者数は19人です。
イ 国家公務員の給与(令和4年版)16頁の「モデル給与例(令和3年版)」によれば,①50歳の地方機関課長の年間給与は667万円であり,②35歳の本府省課長補佐の年間給与は715万5000円であり,③50歳の本府省課長の年間給与は1253万4000円であり,④本府省局長の年間給与は1765万3000円であり,⑤事務次官の年間給与は2317万5000円です。


4 元裁判官がブログで公表している判事4号どまりの実例
(1) 元裁判官である森脇淳一弁護士ブログ「裁判官の身分保障について(2)」(2018年12月31日付)には以下の記載があります。
① たしか、上野支部に着任した年であるから、多分、世間で言われているように任官18年目に判事4号俸を頂くようになってから、任官約35年半後に退官するまでずっと4号俸のままであったが、その給与額は、一番多かった時期で、月額額面90万6000円だったから(ご承知のように、裁判官の俸給額もいったん減額され、私が退官した時点では81万8000円。注1)、経営責任や、部下の不祥事について責任を負う必要がある管理職でもない(注2)、単なる「サラリーマン」としては破格の高給取りといえるであろう。
② 裁判官同士で、特に互いの俸給について話題になることはなかったし、司法修習の期(以下、「期」とはその趣旨)が下の者が部総括指名を受けたりして、私より先に3号俸になったとわかったり、同期や、期の下の者が所長や高裁の裁判長になって、2号俸や1号俸になったことがわかっても(同期同士だと、尋ねて教えてもらうこともあった)、その交友関係に何ら差は生じなかった(期が下の者からは、やはり丁寧語を使われた。私の傍若無人な性格のなせる業かもしれないが)。
(2) 35期の森脇淳一 元裁判官は,平成30年9月30日付で大阪高等裁判所判事を依願退官しました(森脇淳一弁護士ブログ「経歴」参照)。

5 裁判官の号別在職状況に関する国会での質疑応答例
(1) 平成10年10月8日の参議院法務委員会における質疑応答
○松岡滿壽男君 今回の裁判官の報酬と検察官の俸給に関する問題、私も今までの議事録をひもといてみましたら、一、二年前に、昔の仲間でありました志村哲良さんが、報酬と俸給がどうしてこう表現が違うんだという質問をしているんです。それに対して、裁判官の報酬というのは憲法に書いてある、それから検察官の俸給等は法律に書いてあるというような答弁なんです。また同じような答弁をすると、やっぱりこれはどういうことなんだ、同じものじゃないのかという素朴な疑問がある。そういうものにやはりきちっとこたえていくことが必要ではないかと思うんです。
 それで、こういう裁判官の報酬、検察官の俸給は財政民主主義の要請から法定されておって、国民の意思に基づきその代表者で構成されている国会で決定されることになっている。したがって、この給与体系の号俸別の在職状況等の情報は国民に公開されることが原則ですね。情報の公開と謙虚であるということがやっぱり司法を国民に近づける大切な条件だというふうに思うんです。
 ところが、参議院の法務委員会調査室のこの資料を見てみますると、裁判官の号俸別の在職状況については記載されていないんです。検察官の号俸別の在職状況は記載されている。最高裁判所はなぜ裁判官の号俸別の在職状況について国会に報告しないのかということが非常に疑問に思うわけでありまして、これはある面では国民の知る権利を無視するものじゃないかと思うんです。公表しない理由をひとつ明らかにしていただきたい。
 それからまた、先ほど冒頭に申し上げた報酬等と俸給等という言葉、どうしてこれがいつまでも統一されないのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
最高裁判所長官代理者(金築誠志君) それでは、私の方から裁判官の報酬の号俸別現在員の関係について申し上げますと、この号俸別現在員というものにつきましては、人事管理上の問題が実はございまして公表しておらないわけでございます。
 裁判官につきましては、各裁判官の職務の困難、責任度合いに応じまして、同期の裁判官でも報酬の号に違いが生ずることがあるわけでございますけれども、号俸別の現在員を開示いたしますと、例えば裁判官がその現在員数を見ますと、裁判官の報酬については号の刻みの数が非常に少ないものでございますから、およそ同期の裁判官に対して自分がどういうふうに、どこにいるのかということがわかってしまうわけです。
 そういう観点から、裁判官は職務上一人一人独立して判断、職権行使をする、こういう立場にあるものですから、その辺のところに無用な影響を与えてはいけないという懸念から従来公表していないわけでございます。
○松岡滿壽男君 しかし、それはわかってしまつてもやむを得ないことだと私は思います。そういう感覚から正していただきたいと思います。これ以上もう申し上げません。
(2) 平成12年3月28日の参議院法務委員会における質問
○中村敦夫君 これは最後の質問ですけれども、平成十年十月八日の参議院法務委員会で、裁判官の号俸別在職状況、つまり給与の各級別の定数についての質問について、金築人事局長は情報公開を拒否したわけです。その理由は、裁判官に無用の影響を与えるといけないという妙なものであったわけなんです。
 どの年俸に何人いるのかというのを公開するのは予算検討上不可欠のことだと思うんですね。しかも、個人名が特定できる資料ではありませんから、裁判官同士のねたみだとか心理状態だとかを資料公開拒否の理由にするのはちょっとナンセンスだというふうに思っておりました。そして、今回もその要求をしましたが、けさになって初めてこの内容の報告書をいただいて、大変びっくりすると同時にありがたいというふうに思いました。
 裁判所の透明化、民主化というのはどうしても必要なことであり、これは裁判所のためにもなると思いますので、今後もこれでストップしないでどんどん情報公開されることを期待しまして、質問を終わります。
(3) 平成13年3月16日の衆議院法務委員会における質疑応答
金築最高裁判所長官代理者 裁判官の昇給につきましては、これは最高裁の裁判官会議で決めることになっております。
 ただ、実際を申しますと、判事の四号までは、特段の長期病休等がない限りは、大体同じように上がっているというのが実情でございまして、それ以上のところについては、そのポストでありますとか仕事の状況でありますとかその他が勘案されて、これもやはり最高裁の裁判官会議で決められておりますが、この場合には、高等裁判所等の意見を十分に聞きまして、適正なものになるように努めているということでございます。
○植田委員 要するに、内規みたいなものはないわけですね、そういう基準というのは。四号までは年次で決まるけどということですね。いや答弁は結構です、そういうことでうなずいていただければ結構です。
 そこで、私自身、これは平成十一年度のデータしかないんですが、聞くところによると、裁判官の号別在職状況という、この表をいただいたんですが、これもなかなか最高裁は出したがらへんという話も聞いているんですが、ここで判一以上、いわゆる事務次官級以上の報酬をもらっているのは二百人超えておるということなんです。このいわゆる次官級以上で、私が関心を持っているのは、裁判官がたくさん報酬をもらう場合、評価というのは、どんな裁判をやってきたか、裁判官としての経験が問われるだろうと思うんですよ。
 ですから、そこで私がお伺いしたいのは、先ほどの出向とのかかわりで、実は幾つか私が個別に調べてみますと、例えば、九年裁判官をやっていました、二十九年間は出向していました、そういう方がしかるべき職について、判一以上の方でいらっしゃるという場合もあるようです。ですから、これは個々の事例になると個人が抽出されてしまうので問題だと思うわけですけれども、少なくとも判一以上の者が経験した、まさに裁判官としての実務経験数というのは平均すればどれぐらいになるのかということ、また、裁判官としての経験よりもいわゆる司法官僚の方、裁判してへん経験の方がむしろ長くて判一以上になっている人というのはどれぐらいいるのかというのはわかりますでしょうか。
金築最高裁判所長官代理者 御指摘ありましたように、判事一号の裁判官の総数が約二百人もございますので、その経歴を全部出しまして分類、分析する作業というのは結構時間がかかりまして、現在のところそういうデータは持ち合わせておりません。


6 昭和62年当時の裁判官の昇給差別に関する国会での質疑応答例
・ 坂上富男衆議院議員(日本社会党)と11期の櫻井文夫最高裁判所人事局長との間で,昭和62年3月24日の衆議院法務委員会において以下の質疑応答がありました。
○坂上委員 毎日新聞(山中注:昭和61年3月12日付のもの)によりますと、環さん(山中注:環直弥 元大阪高裁判事)は、
 「裁判官の自主的な研修組織の全国裁判官懇話会参加者や、青年法律家協会の元会員だったというだけで意識的に不当な差別を受けている」
 と分析。
  裁判官の報酬は、法で在職十年以上の判事が八ランク、十年未満の判事補が十二、簡易裁判所判事が十七の各ランクの号報酬月額を定めている。
これは去年私たちが決めたことであります。
 さてそこで、同元判事は、
 昨年一月から全国の裁判官のうち昭和三十二年任官の九期から同三十八年任官の十五期まで計十五人の裁判官に回答を求め、他の裁判官にも実情を尋ねた。
  調査の結果、月額報酬七十万九千円(昨年一月一日現在)の判事四号までは、長期の病欠などがない限り昇給差はないが、一ランク上の判事三号(月八十三万一千円)から格差が出始め、一般的には最高裁や高裁勤務者、大都市の地裁裁判長などが任官二十二年目の四月に三号になり、残りの中小都市の裁判長クラスは十月に、地裁支部や家裁勤務者も加え、同期の大半が在職二十三年目の四月には同号になるのに、いつまでたっても昇給しない人も。
  今回、具体的回答を寄せた十五人(うち三人は退官)は全国裁判官懇話会の世話人が三人、青法協元会員が十三人(一人は双方に重複)。
こういうふうなことになりまして、
 この十五人を一般状況と比較すると、全員が同期トップ組より遅れ、いずれも二十二年以上の在職なのに三号への未昇給者は三人。また昇給時期では、最も遅れたのは同期トップより七年六カ月で、五年、四年、三年遅れが各一人など。二年、一年九カ月遅れの各一人は退官前日に昇給。
 こういうふうに昇給格差が言われておりまして、大体月十二万円ぐらいの差があると言われております。
 今度は、昇格といいましょうか、昇進といいましょうか、これについても、
 また①最高裁事務総局や東京、大阪の裁判所の行政、労働部などいわゆる司法行政上の中枢に配置されていない②家裁勤務が著しく長期化し、小規模支部ばかり回らされる――など「報酬の差別は任地の差別に符合している」との実態も明らかになったのであります。そこで同元判事は、「回答を寄せた十五人はいずれも人格、識見、実務に優れており、青法協加入や懇話会活動を理由にした思想差別は明らか」と断定をされておるわけであります。したがいまして、このような司法の差別については、私は、裁判の独立の上からも大変な問題があろうかと思っております。
 きょうは質問事項が多くありますので、そう一問一答論争をするというようなことは避けたいと思いまするので、私の意見を交えながら、的確な御判断を賜りたいし、御意見も申し上げたいと思っておるわけであります。
(以下省略)
◯櫻井最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘ありましたように、環元大阪高裁判事が「法と民主主義」(山中注:民主法律家協会が出している雑誌です。)にお書きになったといいますか、講演されたものの記録でございますが、が載っておりまして、そして今読み上げられました毎日新聞の記事は、大体それに基づいて記載されているわけでございます。「法と民主主義」の記事は、大体正確に毎日新聞にも載っているものと理解いたしております。この毎日新聞には最高裁人事局長としてのコメントも載せてもらっておりますけれども、要するに私たちとしては、結論といたしまして、裁判の内容や思想、信条などによる差別というものは全くないと考えております。
 一体どういうことを基準にして差ができてくるのかということでございますが、この新聞記事にもありますように、判事の四号までといいますのは大体一律にすべての裁判官が昇給してくるわけでございます。二十年以上経過いたしますと、判事三号以上の報酬になってまいります。判事三号と申しますのは、行政職、一般職で申しますと、指定職の八号という非常に高い報酬にランクされているものでございます。したがって、その三号以上の報酬ということになってまいりますと、これはどうしても裁判官一律の昇給という考え方ではなくて、やはり各人の実績あるいは各人の責任の度合いと申しますか、そんなふうなものを考慮して決めていくということにならざるを得ないわけであります。そういった今申しましたような要素を各高裁から意見を聞き、かつ最高裁でも判断をいたしまして、各人の受けるべき報酬というのをそれぞれの昇給期に決めているということでございます。
 この環元裁判官の調査では、十五人の裁判官に回答を求めたというふうにしておられますが、私どもにはこの十五人というのがどなたであるか、これはわからないわけでありますけれども、ただ、ここに書いてあります、例えば同期の者より七年六カ月のおくれがある、あるいは五年、四年、三年のおくれがあるということ、そしてまた、その報酬の差額が相当額になるということ、これはあり得ることであろうと思います。
 例えば三号以上への昇給は一律に行われるものではなくて、各人ごとに決まっていくということになりますと、数年の昇給の開きというものは、これは当然出てまいるわけであります。それに応じまして、例えば三号から一号までの差と申しますのは、これは相当額の差になりますので、それはあるわけでございます。
 ただ、先ほど申しましたように、結局それは各人の今までの仕事の実績というもの、あるいは各人の負担している責任の度合いというもの、そういったものを考慮して決められているものでありまして、それはここにありますように、青法協の元会員であった、あるいは全国裁判官懇話会に出席していた、そんなふうなことが原因でなっているものではないわけであります。私どもでは、そういう裁判官懇話会の出席者であるとか、青法協の元会員であるとか、そういうものが、一体どなたがそうであるのかというのは、これはごく一部の、例えば雑誌などにその名前を出している方を除いてはわからないわけでありますし、そういう方たちでも上がっている方が当然あるはずでございます。それからまた逆に、そういう全国裁判官懇話会には出席していない方、あるいは元青法協会員ではない方でも、やはり上がっていない方があるわけでございます。だから、そういう意味で、そのような要素というものが原因になって、そして昇給等の面で開きが出てきているというものではないということを御理解いただきたいと思うわけでございます。

7 裁判官の配置定員と裁判官の号別在職状況の数字が異なる理由

(1) 平成31年4月8日付の理由説明書には以下の記載があります。
 最高裁判所において,平成30年度の高等裁判所裁判官及び地方・家庭裁判所裁判官の配置定員の合計と裁判官の号別在職状況(平成30年7月1日現在)における判事及び判事補の合計が異なる理由について説明した文書は作成しておらず,取得もしていない。
 また,本件申出が単に平成30年度の高等裁判所裁判官及び地方・家庭裁判所裁判官の配置定員の合計を裁判官の号別在職状況(平成30年7月1日現在)における判事及び判事補の合計の差の内訳を示す文書を含む趣旨であったとしても,これを作成しておらず,取得もしていない。
(2)   令和元年10月18日付の答申書
の「委員会の判断の理由」には以下の記載があります(改行を追加しました。)。
   当委員会庶務を通じて確認した結果によれば,平成30年度の高等裁判所裁判官及び地方・家庭裁判所裁判官の配置定員は, 当該年度において各庁の裁判事務に従事すべき判事等の数を定めたものであり,一方,裁判官の号別在職状況(平成30年7月1日現在)は,裁判事務に従事していない判事等を含め,当該基準日現在において判事等に発令されている者の数を表したものであるとのことである。
   このことを前提に検討すれば, 司法行政事務を遂行するに当たり,そもそも概念が異なる両者の合計数に差があることにつき,その理由を説明した文書や合計数の差の内訳を示した文書をあえて作成する必要性は乏しいと考えられるから,本件開示申出文書を作成し,又は取得していないという最高裁判所事務総長の上記説明の内容が不合理とはいえない。
   そのほか,最高裁判所において,本件開示申出文書に該当する文書を保有していることをうかがわせる事情は認められない。

8 関連記事その他
(1) 裁判所HPの「第2 裁判官の人事評価の現状と関連する裁判官人事の概況」には「裁判官から法務省等の行政省庁へ出向する場合は,検事に転官しているので,裁判官定員の枠外である。」と書いてあります。
(2) 酒居会計マネーブログ ~税金・転職・起業・株式投資・ふるさと納税~「年収別 手取り金額 一覧 (年収100万円~年収1億円まで対応)」が載っています。
(3) スローニュース旧公式サイトの「不思議な裁判官人事 第4回「出る杭」として処分を受けた人 」(2022年8月10日付)には,45期の寺西和史 元裁判官の発言として「一般企業に勤めたことはないですが、裁判所は絶対に良い職場だと思います。給料もそう。部総括になると、『判事3号』となって少し違いが出ますが、それまでの『判事4号』までは、上がり方もだいたい平等なんです。私でも4号になれた。民間企業は、そこまで平等ではないですよね」と書いてあります。
(4) 以下の記事も参照してください。
・ 裁判官の年収及び退職手当(推定計算)
→ 最高裁判所が作成した裁判官・検察官の給与月額表を掲載しています。
・ 裁判官に対する期末手当及び勤勉手当の支給月数表
・ 最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 最高裁判所が作成している,高裁長官・地家裁所長等名簿
・ 最高裁判所の職員配置図(平成25年度以降)

・ 裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
・ 判検事トップの月収と,行政機関の主な特別職の月収との比較
・ 裁判官の昇給
・ 簡易裁判所判事の採用選考に関する国会答弁
・ 任期終了直前の依願退官及び任期終了退官における退職手当の支給月数(推定)
・ 裁判官の「報酬」,検察官の「俸給」及び国家公務員の「給与」の違い
・ 下級裁判所の裁判官の定員配置
・ 簡易裁判所判事の採用選考に関する国会答弁
 簡易裁判所判事選考委員会(第2回)議事録(平成19年度以降)
・ 戦前の裁判官の報酬減額の適法性に関する国会答弁
・ 裁判官の報酬減額の合憲性に関する国会答弁


指定職未満の裁判所一般職の級

目次
1 高裁及び地家裁の一般職トップのポスト
2 退官後に瑞宝小綬章をもらえる可能性がある,指定職未満の裁判所一般職の級
3 「平成31年度の級別定数の改定について」別表第1及び別表第2
4 関連記事その他
   
1 高裁及び地家裁の一般職トップのポスト
(1) 高裁の一般職トップ
ア 高裁の一般職トップは事務局次長,民事及び刑事の首席書記官であります。
イ   事務局次長は指定職俸給表3号棒(東京高裁)又は指定職俸給表2号棒(それ以外の高裁)です。
ウ   民事又は刑事の首席書記官については,行政職俸給表(一)10級ないし7級が準用されています。
エ 高裁の事務局長は裁判官が就任しています。
(2) 地裁の一般職トップ
ア 地裁の一般職トップは事務局長,民事及び刑事の首席書記官となります。
イ 東京地裁事務局長は指定職俸給表2号棒であり,それ以外のポストは行政職俸給表(一)10級ないし7級が準用されているポストです。
(3) 家裁の一般職トップ
ア 家裁の一般職トップは事務局長,首席書記官及び首席家裁調査官となります。
    令和3年4月現在,家裁の首席書記官として家事及び少年の首席書記官がいるのは,東京,横浜,さいたま及び千葉,大阪,京都及び神戸,名古屋,広島,福岡並びに札幌の11家裁です。
イ 東京,大阪,名古屋,広島,福岡,仙台及び札幌の首席家裁調査官は指定職俸給表2号棒であり,それ以外の首席家裁調査官,並びに事務局長及び首席書記官は行政職俸給表(一)10級ないし7級が準用されているポストです。


2 退官後に瑞宝小綬章をもらえる可能性がある,指定職未満の裁判所一般職の級
(1) 平成27年度一般会計予算参照書(予算書・決算書データベースに掲載されています。)の級別内訳によれば,退官後に瑞宝小綬章をもらえる可能性がある,指定職未満の裁判所一般職の級は以下のとおりです。
① 最高裁事務総局の局の課長(10級~8級),司法研修所事務局次長(9級),裁判所職員総合研修所事務局次長(9級),最高裁判所図書館副館長(8級)
② 高裁の民事又は刑事の首次席書記官(高裁及び地裁を通じ,首席につき10級~7級,次席につき8級~6級)
③ 東京地裁以外の地裁事務局長(地家裁を通じ,10級~7級),民事又は刑事の首席書記官(高裁及び地家裁を通じ,首席につき10級~7級,次席につき8級~6級)
④ 家裁の事務局長,首席書記官,東京家裁等以外の首席家裁調査官(いずれも10級~7級)
(2) 高裁の総括主任書記官及び地家裁の次席書記官の任命権者は最高裁判所ですが,退官後に瑞宝小綬章をもらえるポストではありません。


3 「平成31年度の級別定数の改定について」別表第1及び別表第2


4 関連記事その他
(1) 全司法新聞2327号(2020年2月)には,「昇格課題については、「『退職までに誰でも5級』の枠組みが厳しくなっているのではないか。4級昇格を確実に、そして早く発令するようなとりくみも必要ではないか」(香川)との問題提起がなされました。」と書いてあります。
(2) ①東京高裁事務局次長は昭和時代から指定職であったところ,②平成2年度に大阪高裁事務局次長が指定職となり,③平成4年度に福岡高裁事務局次長が指定職となり,④平成5年度に名古屋高裁事務局次長が指定職となり,⑤平成6年度に広島高裁事務局次長が指定職となり,⑥平成7年度に仙台高裁事務局次長が指定職となり,⑦平成8年度に札幌高裁事務局次長が指定職となり,⑧平成9年度に高松高裁事務局次長が指定職となりました(最高裁総務局・人事局各課長,参事官を囲む座談会(平成9年5月30日開催)における発言(全国裁判所書記官協議会会報第139号4頁)等参照)
(3) 以下の記事も参照してください。
・ 最高裁判所が作成している,最高裁判所判事・事務総局局長・課長等名簿
・ 最高裁判所が作成している,高裁長官・地家裁所長等名簿

・ 
裁判所関係者及び弁護士に対する叙勲の相場
・ 最高裁判所が作成している,下級裁判所幹部職員名簿
・ 級別定数の改定に関する文書
・ 
裁判所の指定職職員
 裁判所の指定職職員の名簿(一般職)
・ 裁判所書記官の役職

・ 家庭裁判所調査官の役職