高等裁判所支部

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1   高等裁判所支部の設置根拠及び権限
(1)   通常の高等裁判所支部(=高裁支部)は,昭和23年3月1日施行の高等裁判所支部設置規則(昭和23年2月20日最高裁判所規則第1号)に基づいて設置されています。

   高裁支部は,地方裁判所が控訴審として下した民事事件の判決(=レ号事件の判決)に対する上告事件を取り扱うことはできません(高等裁判所支部設置規則1条2項)。
(2) 知的財産高等裁判所(=知財高裁)は,東京高裁の特別の支部として設置されています(知的財産高等裁判所設置法2条柱書)。
(3) 裁判所構成法に基づく控訴院には支部がありませんでした。
 
2 高裁支部の設置及び廃止の年月日
(1) 高裁支部の設置年月日
ア   昭和23年3月1日,広島高裁松江支部及び札幌高裁函館支部が設置されました。

イ   昭和23年5月15日,名古屋高裁金沢支部が設置されました。
ウ   昭和23年9月1日,福岡高裁宮崎支部が設置されました。
エ   昭和23年10月1日,広島高裁岡山支部が設置されました。
オ   昭和24年3月10日,仙台高裁秋田支部が設置されました。
カ   昭和47年5月15日,福岡高裁那覇支部が設置されました。
キ 平成17年4月1日,知財高裁が設置されました。
(2) 高裁支部の廃止年月日
   昭和46年7月31日,札幌高裁函館支部が廃止されました。

 
3 かつて存在した札幌高裁函館支部
(1)   明治14年10月6日,函館控訴裁判所が設置され,明治19年5月4日に函館控訴院となったものの,大正10年12月,控訴院が函館から札幌に移転した結果,札幌控訴院となりました。

   つまり,大正10年12月までの函館には,現在の高等裁判所に相当する控訴院が設置されていました(函館控訴院ノ移転ニ関スル法律(大正10年4月8日法律第51号)及び大正10年12月6日勅令第453号参照)。
(2) 昭和23年3月1日から昭和46年7月31日までの間,札幌高等裁判所函館支部が設置されていました(昭和46年6月28日最高裁判所規則第10号参照)。

 
   高裁支部の位置関係
   弁護士法人岩田法律事務所HP「高裁支部の適正配置」と題する記事が参考になります。


5 高裁支部の一覧と管轄区域
(1) 知財高裁
   ①全国の技術型の知財事件(民訴法6条3項・知財高裁設置法2条1号)及び②東京高裁管内の非技術型の知財事件(知財高裁設置法2条1号)については,知財高裁が担当しています。
(2)   名古屋高裁金沢支部
   石川県,富山県,福井県
(3)   広島高裁岡山支部
   岡山県
(4) 広島高裁松江支部
   島根県(地裁・家裁浜田,益田支部,家裁川本出張所地域を除く),鳥取県
(5)   福岡高裁宮崎支部
   宮崎県,鹿児島県,大分県(地裁・家裁佐伯支部地域)
(6)   福岡高裁那覇支部
   沖縄県
(7)   仙台高裁秋田支部
   秋田県,山形県(地家裁の鶴岡支部及び酒田支部地域),青森県(地家裁の弘前支部及び五所川原支部地域)

6 高裁の司法行政ポストの格付け
   高裁の司法行政ポストの格付けは,高裁長官>知財高裁所長>知財高裁部総括>高裁本庁部総括>部が設置されている高裁支部の支部長>高裁支部部総括>部が設置されていない高裁支部の部総括です(外部HPの「高裁支部長就任舎のキャリアパス分析」参照)。


7 鹿児島県弁護士会の申入書
(1)   鹿児島県弁護士会は,最高裁判所に対し,平成18年3月2日,「鹿児島地方裁判所での出張開廷等に関する申入書」を提出しました。
(2) 申入書における申入の趣旨は「福岡高等裁判所宮崎支部管轄の鹿児島地方裁判所管内の民事控訴事件について、鹿児島地方裁判所において出張開廷等なんらかの対策を実施されたい。」となっています(誤字と思われるものを補正しました。)。

8 高等検察庁支部(=高検支部)
   昭和23年3月1日施行の検察庁法第二条第四項の規定による各高等裁判所支部に対応して各高等検察庁支部を設置する庁令(昭和23年2月21日法務庁令第1号)
に基づき,6つの高裁支部に対応して6つの高検支部が設置されています。

9 「裁判所支部」も参照してください。

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