第1 この記事の対象と結論
平成23年司法試験論文式試験の民事系科目第3問(民事訴訟法)を対象とする。
法務省の出題の趣旨及び採点実感の本問に関する範囲を読み,両資料から独自に抽出した33の評価項目と,試験実施時を基準とする模範解答を示す。
法務省の公式採点基準や項目別配点を示すものではない。
| 設問 | 答案の到達点 |
|---|---|
| 1 | B・Pの立場から,権利自白の裁判所に対する効力を経て撤回制限を基礎付ける。 |
| 2 | 担当適格の両立性を検討し,権利主張参加を否定,共同訴訟参加を肯定する構成を採る。 |
| 3 | 判例の処理による同一人Mの実体上の矛盾を指摘した上で,処分自由と執行の限界からその処理を維持する。 |
評価項目は重み1から5までの5段階で示す。
重み5は番号4・6・14・19・21・28の6項目であり,番号19と21は合一確定を基礎付ける異なる構成に対応する条件付き項目である。
重みの合計は129である。
33項目の全部を,どの答案にも累積して要求するものではない。
評価項目は第4,答案全文と項目への対応・留保は第5,関連記事は第6,出典と確認状態は第7に掲げる。
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方
評価項目は,公式資料の記述を,答案の何を評価するかが分かる単位へ言い換えた本記事独自の整理である。
項目の切り出し,具体化及び重みは本記事独自の判断であり,引用した短い語句だけから公式配点を推測することはできない。
表の頁は,法務省の各PDFの物理頁を示す。
「記載なし」は,本問に関する範囲を全文読んだ上で,対応する明示を確認できなかったものをいう。
「通常」「注意」は項目の種別であり,別の重要度ラベルではない。
注意も回避する誤りの影響に応じて重みを判断する。
「許容分岐」と適用条件は,採用した構成に即して評価対象を定めるための表示である。
不採用の構成まで書くことや,同じ誤りの二重評価を求めるものではない。
2 5段階の重み付けの基準
| 重み | 基準 |
|---|---|
| 5 | その設問の判断を大きく分ける核心 |
| 4 | 結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ |
| 3 | 通常押さえる法的処理・事情の評価 |
| 2 | 論証を補強する説明・個別事情・誤りの注意 |
| 1 | 補充的な引用・記述範囲の確認 |
重みは,設問内で果たす役割から判断した本記事独自の重要度である。
両方の公式資料に登場するかどうかだけで,機械的に重みを決めていない。
第3 本問の概要
1 問題文と事実関係
設問1・2では,BがAに対する貸金債権を保全するため,Aに代位して,Dの相続人Cに対し甲土地のDからAへの所有権移転登記手続を請求している(訴訟1)。
Cは第1回口頭弁論期日に「Aは,甲土地を現に所有している。」(③)を認めたが,第2回口頭弁論期日に,Cの訴訟代理人Qが,AはDの代理人としてEから甲土地を買い受けたとの陳述(⑦~⑩)をしたことが設問1の対象となる。
設問2では,Aの別の債権者Fが,Bが被保全債権の発生やAの無資力の立証に難渋しているとの情報を得て,訴訟1に当事者として参加する方法を検討する。
設問3では,NがKに対して乙土地の所有権に基づき丙建物の収去と乙土地の明渡しを求める訴え(訴訟2)を提起し,Kが乙土地の所有権の確認を求める中間確認の訴えを提起した後,Kが死亡し,LとMが共同相続して訴訟を受継した。
Mだけが本訴請求の認諾と中間確認請求の放棄をした場合の効力及び二つの処理の関係を検討する。
問題文の詳しい当事者関係・陳述番号・指定は,法務省の問題PDF11頁~14頁を参照されたい。
2 設問が求めること
設問1は③が権利自白であることを前提とし,B・Pの立場から撤回制限を可能な限り基礎付ける。
権利自白の成立自体を否定したり,単なる撤回要件の事実当てはめに議論を移したりすると,問いの中心を外す。
設問2は権利主張参加と共同訴訟参加の検討であり,詐害防止参加は扱わない。
設問3は問題の指定に従う受継及び請求趣旨を前提とし,判例による各行為の効力を示した後,その組合せが生む問題と自己の構成まで示す。
個々の結論を並べるだけでは答案は閉じない。
第4 評価項目と重み
1 設問1
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ③の陳述が権利自白であるとの前提を守り,⑨⑩がその撤回に当たると位置付ける。 | 3 | PDF6頁(設問1):「権利自白に当たることを前提」 | PDF19頁(設問1):「権利自白が成立」 |
| 2 | B・Pの立場から,相手方の反論に応答しつつ撤回制限を可能な限り基礎付ける。 | 4 | PDF7頁(設問1):「相手方からの反論を想定」 | PDF19頁(設問1):「第三者的立場」 |
| 3 | 主要事実の自白の審判排除効・証明不要効を,裁判所に対する効力として説明する。 | 4 | PDF7頁(設問1):「証明不要効」 | PDF18頁(設問1):「裁判所に対する効力」 |
| 4 | 裁判所への効力により相手方が得た立証不要の有利な地位を,撤回によって覆すことを制限するという順序で論証する。 | 5 | PDF7頁(設問1):「有利な地位を覆され」 | PDF18頁(設問1):「禁反言だけから」 |
| 5 | 法律判断は裁判所の専権であり権利自白を原則として拘束的としない一般論を,所有権自白の検討と区別する。 | 4 | PDF7頁(設問1):「法的な判断・評価は裁判所の専権」 | PDF19頁(設問1):「この矛盾」 |
| 6 | 原始取得とその後の全承継取得の主要事実を遡る主張・立証の困難から,争いのない所有者を起点とする必要を具体的に説明する。 | 5 | PDF7頁(設問1):「直近の原始取得者」 | PDF19頁(設問1):「何がどのように困難」 |
| 7 | 争いのない所有権の帰属を起点とする実務上の扱いが裁判所をどの範囲で拘束するかを,原則的な法適用権限との関係で正当化する。 | 4 | PDF7頁(設問1):「いかに正当化」 | PDF18頁(設問1):「裁判所に対する効力の有無」 |
| 8 | 裁判所への効力を認めても直ちに撤回制限とはせず,権利判断に固有の性質から撤回の自由を認める反論を検討する。 | 4 | PDF7頁(設問1):「権利自白に固有の性質」 | PDF18頁(設問1):「事実と権利との違い」 |
| 9 | 撤回許容事由の事例当てはめは,権利自白の撤回制限の基礎付けを先に行った後の副次的検討にとどめる。 | 2 | PDF7頁(設問1):「副次的な位置付け」 | PDF19頁(設問1):「要件論に飛び付き」 |
| 10 | 事実自白の撤回要件を権利自白にも用いる場合,反真実とは権利判断の誤りか基礎事実の反真実かを区別して説明する。 | 3 | 記載なし | PDF19頁(設問1):「「反真実」の要件」 |
| 11 | 証明対象は事実であることを踏まえ,所有権自体の証明責任という不正確な表現を避ける。 | 2 | 記載なし | PDF19頁(設問1):「証明責任」 |
番号9:区分は通常,分岐は許容分岐。
適用条件:撤回許容事由を論ずる答案。
番号10:区分は通常,分岐は許容分岐。
適用条件:事実自白と同様の反真実・錯誤要件による撤回を具体的に論ずる答案。
番号11:区分は注意,分岐は通常。
適用条件:全答案。
2 設問2
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 12 | BとFをそれぞれAの権利を行使する法定訴訟担当者とし,両請求の訴訟物をAのCに対する登記請求権と特定する。 | 4 | PDF7頁~8頁(設問2):「法定の訴訟担当者」 | PDF20頁(設問2):「法定訴訟担当」 |
| 13 | 権利主張参加の趣旨から,原告と参加人の請求が法律上非両立であるとの要件を導く。 | 4 | PDF8頁(設問2):「法律上非両立」 | PDF20頁(設問2):「請求が法律上非両立」 |
| 14 | 同一訴訟物でも担当者の原告適格が非両立なら権利主張参加を認め得ることを,債務者参加の判例の構造から説明する。 | 5 | PDF8頁(設問2):「原告適格が非両立」 | PDF20頁(設問2):「原告適格の両立・非両立の考察」 |
| 15 | 先行する代位行使による債務者の管理処分権の制限が,他の債権者の代位権まで排除するかを制度目的から検討する。 | 4 | PDF8頁(設問2):「管理処分権が剥奪ないし制限」 | PDF20頁(設問2):「原告適格の両立・非両立の考察」 |
| 16 | BとFの代位権・原告適格の両立又は排他性について採用する立場を明示し,その立場から権利主張参加の許否を導く。 | 4 | PDF8頁(設問2):「BとFの原告適格が両立」 | PDF20頁(設問2):「原告適格の両立・非両立の考察」 |
| 17 | BFが共同原告である場合を想定し,各人の単独提訴が可能なため固有必要的共同訴訟ではないことから,類似必要的共同訴訟性を検討する。 | 4 | PDF8頁(設問2):「固有必要的共同訴訟は成立しない」 | PDF20頁(設問2):「類似必要的共同訴訟」 |
| 18 | 代位訴訟の判決の効力が被担当者Aに及ぶことを115条1項2号から説明する。 | 4 | PDF8頁(設問2):「第115条第1項第2号」 | PDF20頁(設問2):「被担当者に及ぶ」 |
| 19 | 被担当者Aを経由して他の担当者へ既判力が反射的に及ぶとの立場では,その経路を示して合一確定を基礎付ける。 | 5 | PDF8頁(設問2):「反射的に及ぶ」 | PDF20頁(設問2):「反射的に及ぶ」 |
| 20 | 他の担当権限者への既判力の直接拡張による立場では,その拡張対象と合一確定への接続を明示する。 | 4 | PDF8頁(設問2):「他の担当権限を有する者」 | 記載なし |
| 21 | 他の担当者への効力拡張によらない立場では,Aに相矛盾する既判力が生ずることを避ける必要から合一確定を論証する。 | 5 | PDF8頁(設問2):「既判力の矛盾を回避」 | PDF20頁(設問2):「既判力の矛盾」 |
| 22 | 両参加方法を否定する場合,他の債権者に当事者としての関与手段を与えない帰結の妥当性を検討し直す。 | 4 | 記載なし | PDF20頁(設問2):「当事者として関与」 |
番号19:区分は通常,分岐は許容分岐。
適用条件:反射的効力により共同訴訟参加を基礎付ける答案。
番号20:区分は通常,分岐は許容分岐。
適用条件:他の担当者への直接拡張を採用する答案。
番号21:区分は通常,分岐は許容分岐。
適用条件:被担当者Aにおける既判力矛盾の回避により基礎付ける答案。
番号22:区分は通常,分岐は許容分岐。
適用条件:権利主張参加と共同訴訟参加の双方を否定する答案。
3 設問3
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 23 | 指定された当然承継と請求趣旨の変更を前提とし,本訴と中間確認の各対象を区別する。 | 3 | PDF9頁(設問3):「当然承継後の」 | PDF21頁(設問3):「別個の請求」 |
| 24 | 共有建物の収去明渡義務は不可分債務で各共有者へ各別に請求できるという判例の理由から,本訴を通常共同訴訟と説明する。 | 4 | PDF9頁(設問3):「不可分債務」 | PDF21頁(設問3):「判例がどのような見解」 |
| 25 | 判例による本訴の処理として,Mの認諾はMとの関係だけで有効でLには効力を及ぼさないと39条から説明する。 | 4 | PDF9頁(設問3):「Mとの関係でのみ効力」 | PDF21頁(設問3):「本訴請求の認諾」 |
| 26 | 共有権全体の確認を持分確認と区別し,全員の一個の所有権を矛盾なく解決するという判例の理由から固有必要的共同訴訟と説明する。 | 4 | PDF9頁(設問3):「共有権(共有関係)」 | PDF21頁(設問3):「判例の理解」 |
| 27 | 判例による中間確認の処理として,Mのみの放棄は40条1項によりLMの双方について効力を生じないと説明する。 | 4 | PDF9頁(設問3):「MとLのいずれの関係」 | PDF21頁(設問3):「中間確認請求の放棄」 |
| 28 | 判例に従うとMが乙土地の共有者と確定しながらNへの明渡義務を負うという同一人についての実体法上の矛盾を具体的に示す。 | 5 | PDF9頁(設問3):「共有者であるにもかかわらず」 | PDF21頁(設問3):「実体法上は矛盾した結果」 |
| 29 | 中間確認の土地所有権が本訴の先決的法律関係であることから,二つの処理を無関係に並べて終わらない。 | 4 | PDF9頁(設問3):「本訴請求との関係」 | PDF21頁(設問3):「先決的法律関係」 |
| 30 | 新たな共同訴訟の提起ではなくKの係属訴訟を相続した場面であることを,統一的処理の要否の検討に反映する。 | 3 | PDF9頁(設問3):「当然承継後」 | PDF21頁(設問3):「相続による当事者の承継」 |
| 31 | 本訴も必要的共同訴訟とする立場では,一個の所有権帰属の争いと承継後の訴訟構造を理由に,両行為の効力を整合的に処理する。 | 4 | PDF9頁(設問3):「いずれもを固有必要的共同訴訟」 | PDF21頁(設問3):「妥当な結論を導くための理論構成」 |
| 32 | 判例の処理を維持する立場では,Mの認諾調書だけでLMへの収去明渡しを執行できないこと等から,実体上の矛盾を訴訟法上許容する理由を示す。 | 4 | PDF9頁(設問3):「強制執行をすることができない」 | PDF21頁(設問3):「放置してよいかどうか」 |
| 33 | 同居・遠隔地居住・没交渉という個別事情だけから認諾・放棄の効力を決めず,訴訟法上の理論構成で理由付ける。 | 3 | 記載なし | PDF21頁(設問3):「裸の利益衡量」 |
番号31:区分は通常,分岐は許容分岐。
適用条件:本訴・中間確認の双方を必要的共同訴訟とする答案。
番号32:区分は通常,分岐は許容分岐。
適用条件:本訴を通常共同訴訟として判例の処理を維持する答案。
番号33:区分は注意,分岐は通常。
適用条件:全答案。
4 重みの分布
33項目の内訳は,重み5が6項目,重み4が20項目,重み3が5項目,重み2が2項目,重み1が0項目であり,重みの合計は129である。
設問別では,設問1が11項目・重みの合計40,設問2が11項目・重みの合計47,設問3が11項目・重みの合計42である。
問題文が示す配点の割合(3:4:3)から重みを逆算したものではない。
この合計は条件付きの全項目を含む集計であり,個々の答案の採点分母ではない。
重み5は,裁判所に対する効力から相手方の有利な地位を経て撤回制限へ進む根拠論の順序(番号4),原始取得から全ての承継取得までを遡る主張・立証の困難の具体的な説明(番号6),訴訟物の同一性と原告適格の非両立の区別(番号14),被担当者Aを経由して既判力が反射的に及ぶ経路(番号19),被担当者Aにおける既判力の矛盾の回避(番号21),判例に従ったときに同じMに生じる実体法上の矛盾の指摘(番号28)である。
いずれも,欠くと設問の構造又は採用した主構成そのものを取り逃す事項である。
番号4・6・14・28は全答案に共通し,番号19と番号21は共同訴訟参加の合一確定を基礎付ける別々の構成に対応するため,両方を累積して要求するものではない。
第5 模範解答
1 答案の前提と表記
基準日は民事系論文試験の実施日である平成23年5月12日とする。
現在の改正民法の債権者代位権規定や電子調書に関する現行法の文言を,当時の答案へ遡って用いていない。
条文番号は民事訴訟法を指す。
答案中の最高裁判決の位置付けは,本問の出題の趣旨が示す判例理解に基づく。
判決原文との関係は第7の3に示す。
設問2はBFの担当適格の両立を前提とし,Aを経由する反射的効力を主な理由に共同訴訟参加を肯定する。
設問3は必要的共同訴訟へ一元化する反対構成を検討した上で判例の処理を維持する。
異なる構成が一律に誤りとなるものではない。
答案は改行を除いて3697字であり,5000字以内に収めている。
2 答案
第1 設問1
1 Cが③を認めたことは権利自白であり,⑨顕名及び⑩代理権授与の陳述は,売買の効果がDに帰属したとするもので,③の撤回に当たる。
その撤回を制限するには,まず権利自白の裁判所に対する効力を基礎付けなければならない。
2 主要事実の自白には,裁判所がその事実を審判の対象から外す効力と,証明を不要とする効力(民事訴訟法179条)がある。
そのため,相手方は当該事実を立証しなくても裁判の基礎として用いてもらえるという有利な地位を得る。
自白した当事者が自由に撤回できれば,この地位を覆して相手方に再び立証負担を負わせることになる。
裁判所への効力によって形成されたこの地位を保護することが,撤回制限の根拠となる。
訴訟行為の撤回が原則として自由である以上,禁反言という語を挙げるだけでは足りない。
3 これに対し,法律判断は裁判所の職責であり,当事者の法律意見が一致しても,誤った法の適用を強いることはできない。
したがって,権利自白一般に事実自白と同じ裁判所拘束力を認めることはできない。
所有権が日常的な法概念であることだけでも,この反論には答えられない。
もっとも,承継取得による所有権の帰属を厳密に基礎付けるには,直近の原始取得を成立させる主要事実と,そこから現在までの各承継取得の主要事実が必要となる。
古い取引や前主以前の取得については,証拠を集めるだけでなく,その具体的事実を知って主張すること自体が困難なことがある。
そこで,争いのない現在又は過去の所有者を起点とし,その者以降の取得原因等を審理する扱いに合理性がある。
この扱いを,所有権という法律判断を当事者の意見どおりにするものではなく,処分可能な財産関係について,争いのない帰属を審判の起点として確定するものと解する。
裁判所は,起点以降の法律行為の効果や法の解釈適用を独立に判断できる一方,起点以前の取得原因の主張・立証を改めて要求しない。
この限度で争いのない帰属を尊重することは,法適用の職責と調整できる。
本件の③は現在のAの所有を明示的に認めるものであるから,BはAの取得の来歴を遡る主張・立証を免れる地位を得る。
この地位をCが⑨⑩の追加によって一方的に覆すことは,事実自白の撤回と同様に制限すべきである。
4 権利については,後に正しい法律上の見解を主張する自由を確保すべきだとの反論もある。
しかし,単なる法的意見の変更と,取得原因の審理を不要とした具体的な帰属の承認を遡って覆すこととは異なる。
後者まで自由にすれば,起点を確定した意味とBの立証不要の地位が失われる。
したがって,本件のような所有権自白には限定的に撤回制限を認めるべきである。
誤った帰属を絶対に固定する趣旨ではないが,事実自白の反真実・錯誤の要件を移すなら,権利判断そのものの誤りと,承認の基礎となった取得原因等の事実が真実に反することを区別して検討する必要がある。
Cの誤信という事情を挙げるだけで,以上の基礎付けを省略することはできない。
Bとしては,具体的な例外が認められない限り,③の撤回は許されず,⑨⑩を③と反対の帰属を認定する資料として扱うことはできないから,その認否は不要であると主張すべきである。
第2 設問2
1 Bは自己の貸金債権を保全するため,法定訴訟担当者としてAのCに対する所有権に基づく登記請求権を行使している。
Fが参加する場合も,自己の2500万円の債権を保全するため,同じAの登記請求権を訴訟物とし,Aへの登記を求めることになる。
2 権利主張参加
詐害防止参加は検討せず,47条1項後段を検討する。
同項は,訴訟の目的について三者間の法律関係を矛盾なく解決するための制度であるから,原告と参加人の請求が法律上非両立であることを要する。
ただし,訴訟物が同じであるというだけでは,その非両立性を否定できない。
債権者代位訴訟に,被保全債権の存在を争う債務者が自己への給付を求めて参加することを認めた判例(最判昭和48年4月24日)では,代位債権者に担当適格があることと,債務者自身が権利を行使できることが排他的となるため,両請求は同時には認容されない。
同じ訴訟物でも,原告適格が非両立となり得るのである。
そこで,Bの先行する代位行使がFの代位権を排除するかを検討する。
先行行使に伴う債務者の管理処分権の制限は,債務者が被代位権利を処分するなどして債権保全を妨げるのを防ぐためのものである。
他の債権者が同じAの財産を保全することはこの目的に沿い,先行債権者に訴訟追行を独占させなければ保全できないわけではない。
特に,Bの被保全債権が立証されない場合までFを排除するのは,他の債権者の保全を不当に先行訴訟へ従属させる。
したがって,BFの代位権・担当適格は両立すると解する。
両者は同じAへの登記を求め,担当適格の面でも共存できるから,両請求は法律上非両立とはいえず,権利主張参加は認められない。
3 共同訴訟参加
52条1項の合一確定の要件は,FがBと共同原告として訴えたなら必要的共同訴訟となるかという形で検討する。
各人が別個の被保全債権に基づいて単独で代位行使できる以上,全員の共同提訴を要する固有必要的共同訴訟ではない。
問題は類似必要的共同訴訟性である。
Bの担当するAの権利についての本案判決の既判力は,被担当者Aへ及ぶ(115条1項2号)。
Aが既判力によりその権利の存否を争えない以上,Aの同じ権利を行使するFも,異なる存否を主張して本案判決を受けることはできない。
この被担当者を経由する反射的効力を認めることにより,BFについて合一確定が要請される。
Aへの効力を認めながらBFの判断を別々にすれば,Aについて同じ権利の存否に相矛盾する既判力を生じさせることにもなる。
Aの手続保障についても,PがQの訴訟上の主張をAに問い合わせ,Aが説明をしている経過から,Aは本訴を了知していると評価できる。
以上から,BFの共同訴訟は類似必要的共同訴訟と解し,Fの共同訴訟参加を認めるべきである。
Fには固有の担当適格が必要であるが,Bの貸金債権の不立証によってBの訴えが却下されても,F自身の被保全債権と保全の必要性が認められるなら,その請求まで当然に失われるものではない。
第3 設問3
1 指定どおり,受継後の本訴はLMに丙建物の収去と乙土地の明渡しを求め,中間確認は乙土地をLMが共有することの確認を求めるものとする。
2 判例による各行為の処理
判例(最判昭和43年3月15日)は,共有建物の共有者が負う収去明渡義務を不可分債務とし,各共有者へ各別に請求できることから,固有必要的共同訴訟ではないとする。
この立場では本訴は通常共同訴訟となり,39条により,Mの認諾はMについてのみ有効でLに影響せず,調書に記載されればMとの関係で確定判決と同一の効力を生じ(当時の267条),Mとの関係で本訴が終了する。
他方,判例(最判昭和46年10月7日)は,各人の持分確認とは区別された共有権全体の確認では,全員が有する一個の所有権を矛盾なく解決する必要から,固有必要的共同訴訟とする。
この立場では,中間確認についてMのみがした放棄は全員に不利益であるため,40条1項によりLMのいずれについても効力を生じない。
3 この結果,中間確認請求が認容されて確定すれば,Mは乙土地の共有者でありながら,Nに土地を明け渡す義務を負う。
単にLMの態度が違うという問題ではなく,同じMについて実体上矛盾した帰結が生じる。
しかも,土地所有権は本訴の先決的法律関係であり,二つの請求を無関係に並べて済ませることはできない。
一つのKの係属訴訟を相続したことも考慮し,土地所有権をめぐる一個の紛争として本訴も必要的共同訴訟とし,Mのみの認諾を無効とする考えには,この矛盾を回避できる利点がある。
しかし,承継の結果実体上生じた各人の義務は各別に請求し得るものであり,Kから受継したという経緯だけで,その後の各人の訴訟上の処分自由まで共同化する根拠とはし難い。
先決関係について共同の確認を求めたことから,本訴の各義務自体の処分も常に共同でしなければならないとするのは,両訴訟の対象の相違を失わせる。
Mの認諾は乙土地の所有権をNへ移転する行為ではなく,本訴の特定の給付義務について本案判決を求めずに受け入れる訴訟行為である。
共有権全体の確認をMのみで放棄してLの確認請求まで失わせることとは異なる。
実体上の矛盾は残るが,処分可能な給付請求についてMが審判を受ける利益を放棄した結果として,訴訟法上許容できると解する。
また,Mに対する認諾調書の効力はLへ及ばず,Nはその調書だけでLの持分を無視して共有建物全体を収去し,LMに土地を明け渡させることはできない。
Lは本訴で争い,中間確認でも共有権を主張し続けることができる。
Lの権利をMだけの処分で奪う結果にはならない。
以上から,判例の処理を維持し,Mの本訴認諾はMについてのみ有効,中間確認の放棄は双方について無効と解する。
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
(1) 答案と評価項目の対応
答案第1は番号1~11,第2は番号12~22,第3は番号23~33に対応する。
重み3以下で全答案に共通する項目では,番号1は第1の冒頭,番号11は主要事実を証明対象とする表記,番号23は受継後の請求の整理,番号30は承継経緯の検討,番号33は訴訟法上の理論構成に対応する。
注意項目を独立の加点・減点として二重に数える趣旨ではない。
核心である番号4・6は自白の効力から撤回制限へ進む論証,番号14は訴訟物と担当適格の区別,番号19はAを経由する効力の経路,番号28は同じMに生じる矛盾の指摘に当たる。
番号21は番号19と別の基礎付けで,答案では補強として触れたにとどまる。
第4の重み5・4の項目及び条件付きの項目について,模範解答との対応を次の表に示す。
| 番号 | 重み | 評価項目 | 答案の該当箇所・留保 |
|---|---|---|---|
| 2 | 4 | B・Pの立場から,相手方の反論に応答しつつ撤回制限を可能な限り基礎付ける。 | 第1の3・4 |
| 3 | 4 | 主要事実の自白の審判排除効・証明不要効を,裁判所に対する効力として説明する。 | 第1の2 |
| 4 | 5 | 裁判所への効力により相手方が得た立証不要の有利な地位を,撤回によって覆すことを制限するという順序で論証する。 | 第1の2・3 |
| 5 | 4 | 法律判断は裁判所の専権であり権利自白を原則として拘束的としない一般論を,所有権自白の検討と区別する。 | 第1の3 |
| 6 | 5 | 原始取得とその後の全承継取得の主要事実を遡る主張・立証の困難から,争いのない所有者を起点とする必要を具体的に説明する。 | 第1の3第2段落 |
| 7 | 4 | 争いのない所有権の帰属を起点とする実務上の扱いが裁判所をどの範囲で拘束するかを,原則的な法適用権限との関係で正当化する。 | 第1の3第3段落 |
| 8 | 4 | 裁判所への効力を認めても直ちに撤回制限とはせず,権利判断に固有の性質から撤回の自由を認める反論を検討する。 | 第1の4 |
| 9 | 2 | 撤回許容事由の事例当てはめは,権利自白の撤回制限の基礎付けを先に行った後の副次的検討にとどめる。 | 第1の4後段。例外適用より根拠論を先行させた。 |
| 10 | 3 | 事実自白の撤回要件を権利自白にも用いる場合,反真実とは権利判断の誤りか基礎事実の反真実かを区別して説明する。 | 第1の4後段。権利判断の誤りと基礎事実の反真実を区別する。 |
| 12 | 4 | BとFをそれぞれAの権利を行使する法定訴訟担当者とし,両請求の訴訟物をAのCに対する登記請求権と特定する。 | 第2の1 |
| 13 | 4 | 権利主張参加の趣旨から,原告と参加人の請求が法律上非両立であるとの要件を導く。 | 第2の2第1段落 |
| 14 | 5 | 同一訴訟物でも担当者の原告適格が非両立なら権利主張参加を認め得ることを,債務者参加の判例の構造から説明する。 | 第2の2第2段落 |
| 15 | 4 | 先行する代位行使による債務者の管理処分権の制限が,他の債権者の代位権まで排除するかを制度目的から検討する。 | 第2の2第3段落 |
| 16 | 4 | BとFの代位権・原告適格の両立又は排他性について採用する立場を明示し,その立場から権利主張参加の許否を導く。 | 第2の2末尾 |
| 17 | 4 | BFが共同原告である場合を想定し,各人の単独提訴が可能なため固有必要的共同訴訟ではないことから,類似必要的共同訴訟性を検討する。 | 第2の3第1段落 |
| 18 | 4 | 代位訴訟の判決の効力が被担当者Aに及ぶことを115条1項2号から説明する。 | 第2の3第2段落 |
| 19 | 5 | 被担当者Aを経由して他の担当者へ既判力が反射的に及ぶとの立場では,その経路を示して合一確定を基礎付ける。 | 第2の3第2段落。採用する主構成。 |
| 20 | 4 | 他の担当権限者への既判力の直接拡張による立場では,その拡張対象と合一確定への接続を明示する。 | 採用せず。第2の3はAを経由する反射的効力により基礎付ける。 |
| 21 | 5 | 他の担当者への効力拡張によらない立場では,Aに相矛盾する既判力が生ずることを避ける必要から合一確定を論証する。 | 第2の3第2段落末尾に補強として言及。反射的効力とは別の許容構成で,全答案への累積要求ではない。 |
| 22 | 4 | 両参加方法を否定する場合,他の債権者に当事者としての関与手段を与えない帰結の妥当性を検討し直す。 | 適用外。共同訴訟参加を肯定するため,両参加否定の帰結は採らない。 |
| 24 | 4 | 共有建物の収去明渡義務は不可分債務で各共有者へ各別に請求できるという判例の理由から,本訴を通常共同訴訟と説明する。 | 第3の2第1段落 |
| 25 | 4 | 判例による本訴の処理として,Mの認諾はMとの関係だけで有効でLには効力を及ぼさないと39条から説明する。 | 第3の2第1段落 |
| 26 | 4 | 共有権全体の確認を持分確認と区別し,全員の一個の所有権を矛盾なく解決するという判例の理由から固有必要的共同訴訟と説明する。 | 第3の2第2段落 |
| 27 | 4 | 判例による中間確認の処理として,Mのみの放棄は40条1項によりLMの双方について効力を生じないと説明する。 | 第3の2第2段落 |
| 28 | 5 | 判例に従うとMが乙土地の共有者と確定しながらNへの明渡義務を負うという同一人についての実体法上の矛盾を具体的に示す。 | 第3の3第1段落 |
| 29 | 4 | 中間確認の土地所有権が本訴の先決的法律関係であることから,二つの処理を無関係に並べて終わらない。 | 第3の3第1段落 |
| 31 | 4 | 本訴も必要的共同訴訟とする立場では,一個の所有権帰属の争いと承継後の訴訟構造を理由に,両行為の効力を整合的に処理する。 | 第3の3第2段落で反対構成として紹介。答案は採用せず,この構成による最終処理までは要求しない。 |
| 32 | 4 | 判例の処理を維持する立場では,Mの認諾調書だけでLMへの収去明渡しを執行できないこと等から,実体上の矛盾を訴訟法上許容する理由を示す。 | 第3の3第3段落以下。処分自由と執行上の限界を理由にする。 |
(2) 設問1
出題の趣旨は,主要事実の自白の効力を整理し,権利自白を認める必要性と撤回制限の根拠を掘り下げることを求めている。
採点実感も,撤回要件の当てはめに流れず,裁判所に対する効力と相手方の立証不要の地位をつなぐ説明を重視している。
答案第1の2は,審判排除・証明不要から有利な地位が生じ,その地位を覆す撤回を制限する,という順序を採った(番号3・4)。
所有権を日常的概念と呼ぶだけでは,法律判断を裁判所が行うとの原則への応答にならない。
原始取得と全ての承継取得の主要事実を遡る主張・立証の難しさを示し,争いのない所有者を起点とする必要を説明した上で,裁判所の法適用権限を残す限定的な拘束として基礎付けた(番号5~7)。
この調整の具体的な説明は本記事の論証であり,公式資料の文章そのものではない。
その上でも,後から法律上の意見を変える自由という権利自白固有の反論が残る。
第1の4は法的意見の変更と起点の承認の撤回を区別し,限定的な撤回制限を支えた(番号8)。
反真実・錯誤の説明は副次的であり,番号9・10を全答案に累積させるものではない。
(3) 設問2
出題の趣旨は,同じ訴訟物であることだけで権利主張参加を排除するのではなく,原告適格の非両立性から参加を認める余地を検討するよう求める。
採点実感も,債務者自身の参加に関する判例の理解を,他の代位債権者にそのまま移してよいかという問題を指摘している。
答案は,債務者と他の債権者を区別し,管理処分権制限の目的からBFの担当適格の両立を論じた(番号12~16)。
共同訴訟参加は,単独提訴が可能であることから固有必要的共同訴訟性を否定し,類似必要的共同訴訟として合一確定が必要かを検討した。
115条1項2号でAへの効力を示すだけで終わらず,Aを経由してFも矛盾する本案判決を求められないという反射的効力の経路を明示した(番号17~19)。
他の担当者への直接拡張やAにおける既判力矛盾回避は別の基礎付けであり,番号20・21を同時に充足する必要はない。
Aが訴訟を知っていたとの評価は,Pの問い合わせにAが説明したという問題文からの本記事の推論である。
公式資料が個別に断定した事実とはしていない。
Bの被保全債権の不立証とF自身の担当適格を区別する末尾の説明も,答案の構成を閉じるための補足であり,独立した公式評価項目を追加したものではない。
(4) 設問3
出題の趣旨は,本訴と中間確認の共同訴訟類型及び認諾・放棄の効力を示すだけでなく,両者を組み合わせた結果の問題点を論じることを求める。
採点実感が問題とするのは,判例を別々に引用して検討を終える答案である。
第3の2で通常共同訴訟と固有必要的共同訴訟の理由を区別し(番号24~27),第3の3でMが土地を共有する一方で明渡義務を負うという同一人の矛盾と先決関係を示した(番号28・29)。
両方を必要的共同訴訟とする構成にも,判例の処理を維持する構成にも論証の余地がある。
本答案はKの係属訴訟を相続したという事情を検討した上で,対象の異なる給付請求の処分自由を維持する(番号30~32)。
Mの認諾が所有権の移転そのものではないという説明は,本記事がその理由を具体化したものである。
認諾調書だけではLの持分を無視して共有建物全体の収去明渡しを実行できないという限界も示した。
これは実体上の矛盾自体が消えるという意味ではない。
LMの生活関係だけから結果を選ばず,訴訟類型・処分の効力・他方当事者への影響から説明することが重要となる(番号33)。
(5) 答案の弱点と扱わなかった事項
所有権自白の限定的拘束と撤回制限の根拠には争いがあり,本答案の起点の確定という説明だけで全ての権利自白を処理できると一般化しない。
設問2でも,代位債権者間への判決効の及び方には複数の構成がある。
番号20・21は独立した許容構成として残し,採用しない構成の欠落を一律に減点する読み方を避ける。
設問3では実体上の矛盾を残すことへの反論があり,執行の限界だけで理論上の問題がなくなるわけではない。
答案は処分自由も併せて理由とした。
詐害防止参加,指定された受継の可否の再検討,各判例の事案差の網羅,試験後の代位制度改正の適用は扱っていない。
各判決の原文を前提とする詳細な判例評釈も,本記事の範囲外である。
第6 関連記事
1 同じ年度の司法試験の記事
① 平成23年司法試験公法系第1問(憲法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した25項目と5段階の重み付け(AI作成)
② 平成23年司法試験公法系第2問(行政法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した31項目と5段階の重み付け(AI作成)
③ 平成23年司法試験民事系第1問(民法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した38項目と5段階の重み付け(AI作成)
④ 平成23年司法試験刑事系第1問(刑法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した28項目と5段階の重み付け(AI作成)
同年度の公式資料は第7を参照されたい。
2 同じ科目の別の年度の記事
① 令和7年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した75項目と5段階の重み付け(AI作成)
② 平成29年司法試験民事系第3問(民事訴訟法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した34項目と5段階の重み付け(AI作成)
③ 平成25年度司法試験民事系第3問(民事訴訟法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した30項目と5段階の重み付け(AI作成)
④ 平成24年司法試験民事系第3問(民事訴訟法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した30項目と5段階の重み付け(AI作成)
他年度の記事は比較のための案内であり,本問の法的結論の根拠に用いていない。
3 本問の論点に関連する山中弁護士ブログの記事
① 通常共同訴訟で他の被告の主張・証拠は自分にも効くか―共同訴訟人独立の原則(民事訴訟法39条),主張共通の否定と証拠共通(最高裁昭和43年9月12日判決・昭和45年1月23日判決)(AI作成)
② 民事控訴における必要的共同訴訟と共同訴訟的補助参加―当事者の地位,控訴期間及び取下げ(AI作成)
③ 司法試験の過去問の記事一覧
④ 司法試験・司法修習の記事一覧
①②は本試験より後の記事であり,現在の手続の説明を平成23年当時の答案へ遡って移すものではない。
関連記事は問題の理解を補う案内であり,本問の法的根拠は第7の公式資料及び法令による。
第7 出典及び確認状態
1 公式資料
① 法務省の平成23年新司法試験論文式試験問題集(民事系科目)のPDF:本問は物理10頁(表紙)~14頁。
② 法務省の平成23年新司法試験論文式試験問題出題趣旨のPDF:本問は物理6頁の「〔第3問〕」から9頁の【刑事系科目】の見出しの直前まで。
③ 法務省の平成23年新司法試験の採点実感等に関する意見(民事系科目第3問)のPDF:本問は物理18頁~23頁。
出題の趣旨,採点方針,各設問の採点実感,全体を通じての指摘,法科大学院教育に求めるもの及びその他の記載まで確認した。
④ 法務省の平成23年新司法試験の実施日程等のPDF:民事系科目第3問の実施日が平成23年5月12日であることを1頁の表で確認した。
評価項目は,②③の本問に関する範囲から本記事が独自に抽出したものである。
2 法令
答案は,民事訴訟法39条・40条1項・47条1項・52条1項・115条1項2号・179条・267条を扱う。
これらの文言は,民事訴訟法の制定時の法律本文と,e-Gov法令APIで取得できる最古の版である平成24年10月1日施行版とで同じであることを確認した。
このうち39条・40条1項・47条1項・52条1項・115条1項・179条は,令和8年6月24日施行の現行版でも同じ文言である。
267条は,現行法では電子調書の効力の規定に改められており,答案は試験時の文言による。
法令の基準時と,令和8年11月の資料確認日を区別する。
3 裁判例
答案と解説で取り上げた最高裁昭和48年4月24日判決(民集27巻3号596頁),最高裁昭和43年3月15日判決(民集22巻3号607頁)及び最高裁昭和46年10月7日判決(民集25巻7号885頁)の判例集の巻号頁と判示の内容は,②の出題の趣旨(物理8頁・9頁)の記載による。
各判決の原文は本記事では照合していないため,答案ではこれらの判例を出題の趣旨が説明する範囲で用い,判決文の字句を直接引用していない。
公式資料に示された許容構成を,本記事が唯一の確定した判例法理として一般化するものでもない。
4 確認状態
問題文・出題の趣旨・採点実感の本問に関する範囲は,全文を読んだ。
第4の評価項目・重み・表の整理と,第5の答案・解説は本記事の作成物であり,法務省作成の模範解答や採点基準ではない。
公式資料から直接確認できる事項,本記事の説明上の整理及び許容分岐を区別して読む必要がある。
本文の法的構成は試験時の議論を対象とし,後の法改正による現在の事件処理を説明するものではない。
本記事は,現在の個別事件の処理や合格可能性を判定するものではない。
資料の確認日は令和8年11月4日である。