メインコンテンツへスキップ
       

失踪宣告の申立て―要件,必要書類,費用,期間及び確定後の手続(AI作成)

第1 この記事の対象

家族などの生死が長く分からない場合,家庭裁判所の失踪宣告によって,その人を法律上死亡したものとみなすことができる。
本記事は,日本国内で失踪宣告の申立てを検討する人に向けて,要件,申立人・申立先,必要書類,費用及び手続の流れを整理する。

生死不明の期間と,申立てをしてから審判が確定するまでの期間は別である。
また,死亡したものとみなされる日も,審判の日や確定の日とは区別する必要がある。
費用・書式に関する記載は,令和8年11月1日に確認した裁判所の公開案内による。

第2 失踪宣告の要件と死亡とみなされる日

1 普通失踪と危難失踪

失踪宣告には,生死が7年間明らかでない場合の普通失踪と,死亡の原因となる危難に遭遇し,危難が去った後に生死が1年間明らかでない場合の危難失踪がある。
単に長く連絡が取れないという説明だけで判断せず,最後に生存を確認できた時期や,危難に遭遇した事情を整理する。

種類要件となる生死不明の期間死亡とみなされる時点
普通失踪生死が7年間明らかでない7年間が満了した時
危難失踪死亡の原因となる危難が去った後,生死が1年間明らかでない危難が去った時

危難失踪では,申立ての要件となる,危難が去った後の1年間と,死亡したものとみなされる「危難が去った時」を混同しない。
要件と効力の基本は,裁判所の失踪宣告の案内及び家事事件Q&Aで確認できる。

2 7年が経てば自動的に死亡扱いになるわけではない

普通失踪の要件となる7年間が経過しても,それだけで家庭裁判所の失踪宣告がされたことにはならない。
利害関係人が申し立て,家庭裁判所の手続を経る必要がある。

死亡とみなされる日によって相続人の範囲が変わる場合がある。
相続・相続税,取消し及び外国が関わる場合の詳しい説明は,失踪宣告と相続・相続税を参照されたい。

第3 申立人と申立先

申立てができるのは,失踪宣告を求めることについて法律上の利害関係を有する者である。
裁判所の案内は,不在者の配偶者,相続人にあたる者,財産管理人及び受遺者などを挙げている。
申立人と不在者の関係を説明し,その関係を裏付ける資料も準備する。

申立先は,不在者の従来の住所地又は居所地の家庭裁判所である。
申立人自身の住所だけで提出先を決めず,裁判所の案内で管轄を確認する。
国外居住・外国籍などの事情がある場合は,国内の申立先だけでなく,日本の裁判所が失踪宣告をすることができる範囲も検討する必要があるため,前記の相続・相続税の記事の第6を参照されたい。

第4 必要書類と申立書の準備

1 標準的な添付書類

裁判所が挙げる標準的な添付書類は,次のとおりである。
個別の審理のために,追加書類を求められることもある。

書類準備する際の確認点
不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)不在者を特定し,他の戸籍資料とのつながりを確認する
不在者の戸籍附票記載された住所の経過を確認する
失踪を証する資料生死不明となった経緯とその後の調査の経過に対応する資料を整理する
申立人の利害関係を証する資料親族関係であれば,関係が分かる戸籍謄本などを準備する

裁判所の案内では,同じ書類は1通で足り,申立て前に入手が不可能な戸籍等は,申立て後に追加提出することでも差し支えないとされている。
ただし,何が不足しているかを整理せずに提出するのではなく,不足書類と入手の見通しを申立先に説明できるようにしておく。

2 申立書と経過の整理

申立書は,裁判所の失踪宣告の申立書・記載例から確認できる。
最後に生存を確認した時期,その後の連絡・調査の経過及び申立人の利害関係を,手元の資料と対応させて整理すると,記載や照会への回答を準備しやすい。

申立書の記入例どおりに書類をそろえれば,必ず失踪宣告がされるというものではない。
同ページは,家庭裁判所が書面で照会したり,直接事情を尋ねたりする場合があること,照会や呼出しに応じる必要があることも案内している。

第5 費用と納付する時期

裁判所の公開案内に記載されている手続費用は,次のとおりである。

費目確認した額・取扱い
申立手数料収入印紙800円分
連絡用の郵便料申立先の裁判所ごとに異なる。現行の案内で確認する
官報公告料5298円。催告3359円と失踪宣告1939円の合計。裁判所の指示があってから納める
確定証明書の交付申請収入印紙150円分。郵送の場合は返信用の郵便切手も添える

印紙代と公告料だけで支出が完結するとは限らない。
郵便料のほか,戸籍等の取得費用や,専門家に依頼する場合の報酬等も別に確認する。
費用は改定されることがあるため,申立ての際は裁判所の現行案内と申立先の案内を確認する。

第6 申立てから確定後の届出まで

1 申立てと家庭裁判所の調査

申立書と必要書類を家庭裁判所へ提出した後は,裁判所の照会や調査に対応する。
裁判所のQ&Aによれば,多くの場合,申立人や不在者の親族などに対し,家庭裁判所調査官による調査が行われる。

2 公告と届出の催告

その後,裁判所が定めた期間内に,不在者は生存の届出をし,生存を知っている人はその旨を届け出るように,官報や裁判所の掲示板で催告がされる。
この期間は普通失踪で3か月以上,危難失踪で1か月以上であり,その期間内に届出などがなかったときに失踪宣告がされると案内されている。

この3か月又は1か月は,調査なども含めた申立てからの総所要期間ではない。
書類の準備や照会・調査にも時間がかかるため,公告期間だけを見て,手続全体が終わる時期を決めつけない。

3 審判の確定と証明書

審判がされた後は,その確定を確認し,確定証明書の交付を申請する。
戸籍への失踪届には,審判書の謄本と確定証明書が必要となるため,審判書が届いたことと,審判が確定したことを分けて確認する。

4 市区町村への失踪届

申立人は,審判が確定してから10日以内に,市区町村へ失踪届を出す必要がある。
大阪市の案内では,届出先は失踪者の本籍地又は届出人の所在地の市区町村とされている。
必要書類や受付窓口の詳細は,届け出る自治体の現行案内を確認する。

届出の概要は,大阪市の失踪届の案内で確認できる。
裁判所での手続と戸籍の届出を終えた後も,事案に応じて相続や財産についての手続を進めることになる。

第7 よくある質問

1 申立てから何か月で終わるのか

一律の月数では示せない。
普通失踪では3か月以上,危難失踪では1か月以上の公告期間があるほか,調査や書類の準備などにも時間を要する。
申立て前の生死不明期間と,申立て後に必要な期間を分けて考える。

2 警察への届出だけで失踪宣告になるのか

警察への行方不明者の届出と,家庭裁判所の失踪宣告は別の手続である。
失踪宣告を受けるには,家庭裁判所への申立てとその手続が必要であり,警察への届出だけで代えることはできない。

3 相続人が行方不明なら,失踪宣告を待つしかないのか

不在者財産管理人の選任を申し立て,管理人が家庭裁判所の許可を得て遺産分割協議に加わる方法がある。
失踪宣告は死亡とみなす制度であり,選ぶ手続によって相続人の範囲が変わることがあるため,目的と時系列を確認して検討する。
所在調査,申立て,権限外行為許可及び管理の終了については,相続人が行方不明の場合の不在者財産管理人で説明している。

第8 関連記事と出典

①失踪宣告と相続・相続税
②相続人が行方不明の場合の不在者財産管理人

①裁判所失踪宣告
②裁判所裁判手続 家事事件Q&A(第14 行方不明者について)
③裁判所失踪宣告の申立書
④大阪市失踪届