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新任判事補の登庁日時・場所―72期から78期までの補職庁,初登庁日及び配属庁の周期(AI作成)

第1 資料と調査の範囲

1 「新任判事補登庁日時・場所」とはどのような文書か

「新任判事補登庁日時・場所」は,新たに任命された判事補が初めて登庁する裁判所(補職庁),その日時及び場所を一覧にした最高裁判所の文書である。
表は「補職庁」「登庁日時」「登庁場所」の3列から成り,補職庁は高等裁判所の管内ごとに罫線で区切って並べられている。

判事補は,司法修習生の修習を終えた者の中から任命され(裁判所法43条),どの裁判所でどの職に就くかは最高裁判所が決める(同法47条は,「下級裁判所の裁判官の職は、最高裁判所がこれを補する。」と定める。)。
この一覧は,その補職を受けた新任判事補が,いつ,どこへ出向けばよいかを示すものである。

2 本記事で読んだ版

本記事では,本ブログに掲載している72期から78期までの各期の一覧を読み比べた。
72期から74期までの分には,最高裁判所事務総長の司法行政文書開示通知書が添付されており,司法行政文書の開示手続で開示されたものである。
77期の分は,開示を受けた版と,令和7年度新任判事補研修の資料として掲載した版の2つがあり,内容は同じである。
77期及び78期の分には,右上に「【機密性2】」の表示がある(72期から76期までの分には,この表示がない。)。

各期の任命日及び研修の日程は,最高裁判所事務総局人事局任用課長の各期の事務連絡「裁判官任命に関する日程等について」に記載された予定による(本ブログの各期の司法修習の日程の記事に掲載している。)。
78期の任命の人数は,官報令和8年4月27日本紙第1695号5頁の「判事補に任命する」の記載で確認した。

3 基準日と限界

本記事は,令和8年10月18日現在で本ブログに掲載している資料に基づく。
一覧は登庁の予定を示す文書であり,実際に各人がその日時に登庁したかどうかまでは示していない。
また,一覧には庁ごとの人数の記載がなく,補職庁欄は「○○地裁」とだけ書かれているので,家庭裁判所の判事補を兼ねるかどうかもこの文書からは分からない。

第2 78期の登庁日時・場所

1 登庁日と時刻

78期の一覧では,30の補職庁のすべてについて,登庁日が令和8年5月18日(月)とされている。
時刻は午前9時から午前10時までの間で,最も多いのは午前9時30分である。
午前9時は福井地裁及び札幌地裁,午前9時10分は千葉地裁,午前9時15分は大阪地裁及び京都地裁,午前9時20分は横浜地裁及び神戸地裁,午前9時40分はさいたま地裁,午前9時45分は東京地裁,午前10時は水戸地裁,宇都宮地裁及び前橋地裁である。

78期は令和8年4月23日(木)に任命され,同日から24日までのウェブ会議による研修1,同月27日から5月8日までの在宅研修期間,同月11日から13日までの司法研修所での研修2を経ることが予定されていた。
事務連絡は,採用庁に登庁する日時及び場所を研修2で知らせるとしており,この一覧はその内容に当たるものと考えられる(本ブログでは,77期の一覧を令和7年度新任判事補研修の資料の一つとしても掲載している。)。
任命日から登庁日までは25日であり,研修2の最終日(辞令交付式の日でもある5月13日(水))の後,木曜日と金曜日をはさんだ翌週の月曜日が登庁日になっている。

2 補職庁と人数

78期の補職庁は,次の30の地方裁判所である。
①東京高裁管内:東京,横浜,さいたま,千葉,水戸,宇都宮,前橋及び静岡の各地裁
②大阪高裁管内:大阪,京都,神戸及び奈良の各地裁
③名古屋高裁管内:名古屋,津,岐阜,福井,金沢及び富山の各地裁
④広島高裁管内:広島及び岡山の各地裁
⑤福岡高裁管内:福岡,長崎,大分及び熊本の各地裁
⑥仙台高裁管内:仙台,福島及び盛岡の各地裁
⑦札幌高裁管内:札幌地裁
⑧高松高裁管内:高松及び徳島の各地裁

一覧には人数の記載がないが,本ブログの78期の裁判官の経歴記事83本に記載した最初の補職先を集計すると,東京地裁18人,大阪地裁7人,横浜地裁6人,名古屋地裁5人,千葉地裁及び札幌地裁各4人,さいたま地裁,宇都宮地裁,前橋地裁,京都地裁,岐阜地裁及び福岡地裁各3人,神戸地裁,岡山地裁及び仙台地裁各2人,その他の15庁各1人となる。
経歴記事の補職先の庁は30庁で,一覧の補職庁と過不足なく一致し,合計の83人は,官報に掲載された令和8年4月23日付けの判事補の任命の人数と一致する。
高裁管内ごとにみると,東京高裁管内に39人,大阪高裁管内に13人,名古屋高裁管内に12人が配属されており,三つの管内で83人のうち64人を占める。

3 登庁場所

登庁場所は,多くの庁で地方裁判所の総務課(一部は人事課)である。
大規模庁では会議室等に集まる形がとられており,東京地裁は東京高・地・簡裁合同庁舎大会議室(3階南),大阪地裁は大阪高等・地方裁判所本館2階大会議室,千葉地裁は千葉地方・家庭・簡易裁判所741研修室(新館7階),福岡地裁は福岡地裁501号会議室(5階)とされている。
津地裁は総務課人事第一係(5階)と係まで指定している。

第3 72期から78期までの比較

1 任命日から登庁日まで

各期の任命日,研修の最終日及び登庁日は,次のとおりである(新しい期から順に並べた。)。

期任命日研修の最終日登庁日
78令和8年4月23日(木)5月13日(水)5月18日(月)
77令和7年4月24日(木)5月14日(水)5月19日(月)(甲府地裁は5月20日(火))
76令和6年1月16日(火)1月19日(金)1月23日(火)(神戸地裁及び奈良地裁は1月24日(水))
75令和5年1月16日(月)1月19日(木)1月23日(月)(京都地裁及び大分地裁は1月24日(火))
74令和4年5月17日(火)5月20日(金)5月24日(火)(大分地裁は5月27日(金))
73令和3年1月16日(土)1月21日(木)1月25日(月)
72令和2年1月16日(木)1月23日(木)1月27日(月)(大阪,神戸,奈良,名古屋,岐阜及び金沢の各地裁は1月28日(火))

補職庁の数は,78期が30庁,77期が37庁,76期が41庁,75期が29庁,74期が38庁,73期が43庁,72期が29庁である。

任命日から登庁日(多数の庁の登庁日)までの日数は,72期が11日,73期が9日,74期から76期までが各7日であったのに対し,4月に任命された77期及び78期は各25日である。
77期以降は,任命日の直後の研修1と,5月中旬の研修2との間に在宅研修期間が置かれているため,任命から初登庁までの期間が長くなっている。

どの期でも,多数の庁の登庁日は研修の最終日の翌日ではなく,研修の最終日の後に平日を1日以上はさんだ月曜日又は火曜日である。
研修を終えてから初任地へ移動し,住居を整えるための日が置かれていると読むことができるが,その趣旨を説明した資料は本記事の調査の範囲では見当たらない。

一部の庁だけ登庁日が1日以上遅い期がある(表の括弧書き)。
その理由は一覧に書かれていない。

2 補職庁の一覧

72期から78期までに新任判事補の補職庁となった地方裁判所を,次の第4で述べる期の組合せごとに示すと,次のとおりである(「-」は,その組合せのどの期の一覧にも出てこないことを示す。)。

地方裁判所72期・75期・78期73期・76期74期・77期
東京地裁72・75・7873・7674・77
横浜地裁72・75・7873・7674・77
さいたま地裁72・75・7873・7674・77
千葉地裁72・75・7873・7674・77
水戸地裁72・75・7873・7674・77
宇都宮地裁72・75・7873・76-
前橋地裁72・75・7873・76-
静岡地裁7873・7674・77
甲府地裁-73・7674・77
長野地裁-73・7674・77
新潟地裁-73・7674・77
大阪地裁72・75・7873・7674・77
京都地裁72・75・7873・7674・77
神戸地裁72・75・7873・7674・77
奈良地裁72・75・7873・7674・77
大津地裁72・7573・7674・77
和歌山地裁-73・7674・77
名古屋地裁72・75・7873・7674・77
津地裁72・75・7873・76-
岐阜地裁72・75・7873・76-
福井地裁72・75・7873・76-
金沢地裁72・75・7873・7677
富山地裁72・75・78-74・77
広島地裁72・75・7873・7674・77
山口地裁-73・7674・77
岡山地裁72・75・78-77
鳥取地裁-7374
松江地裁--74
福岡地裁72・75・7873・7674・77
佐賀地裁-73・7674・77
長崎地裁7873・7674・77
大分地裁72・75・7873・7674・77
熊本地裁72・75・7873・7674・77
鹿児島地裁-73・7674・77
宮崎地裁-73・7674・77
那覇地裁---
仙台地裁72・75・7873・7674・77
福島地裁72・75・78-74・77
山形地裁-73・7674・77
盛岡地裁72・75・7873・76-
秋田地裁-73・76-
青森地裁-73・7674・77
札幌地裁72・75・7873・7674・77
函館地裁-7374
旭川地裁-73・7674・77
釧路地裁---
高松地裁72・75・7873・76-
徳島地裁72・75・78-74・77
高知地裁-73・7674・77
松山地裁-73・7674・77

全国50の地方裁判所のうち,72期から78期までのいずれかの一覧に出てくるのは48庁であり,那覇地裁及び釧路地裁はどの期の一覧にも出てこない。
東京,横浜,さいたま,千葉,水戸,大阪,京都,神戸,奈良,名古屋,広島,福岡,大分,熊本,仙台及び札幌の16庁は,72期から78期までのすべての期の一覧に出てくる。

3 登庁の時刻と場所の変化

登庁の時刻は,どの期もおおむね午前9時から午前10時までの間である。
例外として,77期の長崎地裁は午後1時30分とされていた。

東京地裁の登庁場所は,72期では東京高裁大会議室(18階中央),73期及び74期では東京地裁研修室(9階北),75期及び76期では東京地裁研修室(9階南),77期及び78期では東京高・地・簡裁合同庁舎大会議室(3階南)である。
大阪地裁は,72期及び73期では大阪地裁第1会議室(本館11階),74期では大阪地裁司法修習生指導室(新館11階),75期及び76期では別館14階の中会議室,77期及び78期では大阪高等・地方裁判所本館2階大会議室である。
千葉地裁は,72期から76期まで人事課(本館5階),77期は千葉地裁第二会議室(本館5階),78期は千葉地方・家庭・簡易裁判所741研修室(新館7階)である。

旭川地裁の登庁場所は,73期,74期,76期及び77期のいずれも旭川家裁の総務課(A棟3階)とされており,地方裁判所への補職でも家庭裁判所の総務課が初登庁の窓口になっている例である。

第4 補職庁の顔触れにみる周期

1 修習期が3違う期どうしの一致

第3の2の表を期の組合せごとにみると,補職庁の顔触れには明らかな周期がある。
72期と75期の補職庁は29庁とも完全に一致し,78期の30庁も,75期の29庁のうち28庁と一致する(78期は静岡地裁及び長崎地裁が加わり,大津地裁が出てこない。)。
76期の41庁は,すべて73期の43庁に含まれる(73期にだけ函館地裁及び鳥取地裁がある。)。
77期の37庁と74期の38庁は35庁が共通する(77期にだけ金沢地裁及び岡山地裁が,74期にだけ函館地裁,鳥取地裁及び松江地裁がある。)。

これに対し,組合せが違う期どうしでは顔触れが大きく異なる。
例えば,甲府,長野,新潟,和歌山,山口,佐賀,鹿児島,宮崎,山形,青森,旭川,高知及び松山の各地裁は,73期・76期の組と74期・77期の組の両方に出てくるが,72期・75期・78期の組には出てこない。
逆に,宇都宮,前橋,津,岐阜,福井,盛岡及び高松の各地裁は,72期・75期・78期の組と73期・76期の組には出てくるが,74期・77期の組には出てこない。

2 読み方と限界

この周期は,判事補がおおむね3年ごとに異動するという最高裁判所の説明と整合する。
ある期の新任判事補が初任地を離れる時期に,同じ庁に後の期の新任判事補が配属されれば,配属庁の顔触れは,修習期が3違う期どうしで似てくることになる。
異動の周期と空きポストの関係は,裁判官の異動希望と後任ポストの関係―第二カードの記載欄,おおむね3年の異動周期と「空きポスト」で整理している。

もっとも,新任判事補の配属庁をこのような周期で決めていると説明した最高裁判所の資料は,本記事の調査の範囲では見当たらず,これは各期の一覧の照合から読み取れる傾向にとどまる。
採用人数の増減,個々の判事補の異動時期の調整,庁ごとの欠員の状況等によって,顔触れは期ごとに入れ替わり得る(78期で静岡地裁及び長崎地裁が加わったのはその例である。)。
したがって,この表から,将来の期の配属庁を確定的に予測することはできない。

第5 新任判事補及び裁判官志望者にとっての意味

1 任命日と初登庁日は別の日である

判事補の任命日に初任地で執務を始めるわけではない。
72期から76期までは任命日から7日ないし11日後,77期及び78期は25日後が初登庁日であった。
経歴をまとめる際も,任命日(官報に掲載される日付)と,初任地に初めて登庁した日とを区別する必要がある。

2 初任地への移動の準備

登庁日は研修の後に置かれ,研修の最終日との間には平日が1日以上ある。
78期では,辞令交付式の翌日から登庁日の前日までの間に,初任地への移動と住居の準備をすることになる。
国家公務員宿舎の入居の手続と期限は,新任判事補の国家公務員宿舎―採用内定翌日の回答期限,規格・使用料,住居手当との比較及び退去時の明渡しで整理している。

3 登庁先の窓口

初登庁の窓口は,多くの庁で地方裁判所の総務課又は人事課であり,大規模庁では会議室に集まる形がとられている。
同じ庁でも期によって登庁場所が変わっているので,過去の期の一覧ではなく,研修で知らされるその期の一覧で確かめる必要がある。

第6 関連記事

新任判事補の採用から着任までの手続は,次の記事でも扱っている。

①新任判事補の採用内定通知から辞令交付式までの日程-69期から78期まで
②新任判事補研修の資料
③判事補とは―判事との違い・職権・任官後の流れ
④新任判事補の国家公務員宿舎―採用内定翌日の回答期限,規格・使用料,住居手当との比較及び退去時の明渡し
⑤裁判官の異動希望と後任ポストの関係―第二カードの記載欄,おおむね3年の異動周期と「空きポスト」
⑥新任判事補任命の閣議決定及び官報掲載の日付
⑦第78期司法修習の日程―採用から二回試験・一斉登録・任官までの確定記録
⑧第77期司法修習の日程―採用から二回試験・一斉登録・任官までの確定記録
⑨新任判事補及び新任検事向けの記事一覧

第7 出典

1 新任判事補登庁日時・場所

①78期新任判事補の登庁日時・場所
②77期新任判事補登庁日時・場所(令和7年度新任判事補研修の資料)
③新任判事補登庁日時・場所(77期。開示を受けた版)
④76期新任判事補の登庁日時・場所
⑤75期新任判事補の登庁日時・場所
⑥74期新任判事補の登庁日時・場所(令和4年9月26日付けの最高裁判所事務総長の司法行政文書開示通知書を含む。)
⑦73期新任判事補の登庁日時・場所の一覧(令和3年5月25日付けの最高裁判所事務総長の司法行政文書開示通知書を含む。)
⑧新任判事補登庁日時・場所(72期)(令和2年3月18日付けの最高裁判所事務総長の司法行政文書開示通知書を含む。)

2 法令・官報

①裁判所法43条,47条(e-Gov法令検索)
②官報令和8年4月27日本紙第1695号5頁

3 各期の任命日及び研修の日程

①最高裁判所事務総局人事局任用課長の各期の事務連絡「裁判官任命に関する日程等について」(令和元年12月12日付け(72期),令和2年12月10日付け(73期),令和4年4月14日付け(74期),令和4年12月8日付け(75期),令和5年12月7日付け(76期),令和7年3月27日付け(77期)及び令和8年3月26日付け(78期))
②本ブログの各期の司法修習の日程の記事(第72期から第78期まで)