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こども性暴力防止法の認定制度―学習塾・スポーツクラブの認定要件・申請手続・手数料とこまもろうマーク(AI作成)

第1 認定制度の結論と基準日

1 民間事業者が任意に受ける認定である

こども性暴力防止法(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律・令和6年法律第69号)は,学習塾,スポーツクラブ,放課後児童クラブ,認可外保育施設等の民間教育保育等事業者について,学校設置者等と同等の措置を実施する体制が確保されている旨の認定を受けられる仕組みを設けている(法19条1項)。
学校や保育所等の学校設置者等が法律上当然に義務を負うのに対し,民間教育保育等事業者の認定申請は任意である(Q&A基礎編4-8)。
もっとも,認定を受けた事業者は,犯罪事実確認を含む措置を義務として行うことになり,怠れば認定の取消し等の対象となる。

認定を受けると,認定事業者マーク(こまもろうマーク)を事業の広告等に表示でき,認定事業者の情報がこども家庭庁のウェブサイトに掲載される(法22条・23条,Q&A基礎編4-1)。
こども家庭庁は,少しでも多くの認定対象事業者に認定を取得してほしいとしている(Q&A基礎編4-8)。

2 本記事の基準日と資料

本記事は,令和8年10月17日に確認した法律・施行令の条文(令和8年12月25日施行時点),こども性暴力防止法施行ガイドライン(令和8年9月改訂)及びこども性暴力防止法に関するQ&A(令和8年9月29日改訂)に基づく。
認定申請の詳しい手順は,認定対象事業者向けのマニュアルで示される予定とされているので(Q&A基礎編4-3),申請の時点でこども家庭庁の最新資料を確認する必要がある。

どの事業が認定の対象になるか,民間教育事業の5要件(修業期間6か月以上・対面・事業所等での指導・指導者3人以上等)は,こども性暴力防止法の対象となる職種と事業―学校・保育所・学習塾の一覧と事務職員・運転手・ボランティアの判断で説明している。

第2 認定の基準

1 法20条1項の六つの基準

認定は,申請された事業と業務が民間教育保育等事業と教育保育等従事者の業務に当たり,かつ,次の基準に適合すると認められる場合でなければ受けられない(法20条1項)。

①犯罪事実確認を適切に実施するための体制を備えていること
②従事者による児童対象性暴力等のおそれを早期に把握するための措置を実施していること
③児童等が容易に相談できるようにするための措置を実施していること
④防止措置,疑いがある場合の調査,被害を受けた児童等の保護・支援を定めた「児童対象性暴力等対処規程」を作成し,その内容が基準に適合すること
⑤従事者に研修を受講させていること
⑥犯罪事実確認記録等を適正に管理するための措置を講じていること

②③⑤⑥の具体的な内容と④の規程の基準は,内閣府令(施行規則)で定められ,施行ガイドラインが詳しく説明している。
認定は申請時点の体制を審査するものであるから,規程や研修を申請後に整えるという順序にはならない。

2 認定を受けられない者

認定を取り消されてから2年を経過しない者(法人の場合は一定の役員を含む。),この法律の規定により刑に処せられ,その執行を終わる等してから5年を経過しない者,役員にこれらに当たる者がいる法人は,認定を受けることができない(法20条2項)。

3 法人でない団体も申請できる

認定の申請には必ずしも法人格を要しない(Q&A基礎編4-7-2)。
ただし,認定を受けると犯罪事実確認記録等を入手できるようになるため,法人でない団体は,代表者又は管理人の定めがあり,団体としての組織を有し統一された意思の下に活動している場合に限り,団体名で申請できる(同,施行ガイドライン70頁)。

第3 申請の手続

1 申請時期と審査期間

認定申請は,令和8年12月25日から行うことができる(Q&A基礎編4-2)。
審査などで1か月から2か月程度の期間がかかるとされ,書類の不備を訂正するまでの期間はこれに含まれない(同)。
認定前に犯罪事実確認を行うことはできず,認定後に犯罪事実確認の手続に進む(Q&A基礎編4-3)。

2 こまもろうシステムでの申請と添付書類

申請は,こども性暴力防止法関連システム(こまもろうシステム)から行い,GビズIDを取得した上で,事業者情報,事業情報,事業所情報等を入力する(Q&A基礎編4-3)。
申請書には,事業者の名称・所在地,事業の概要と法2条5項各号のいずれの事業に当たるか,事業所,教育保育等従事者に当たると考える業務の概要等を記載する(法19条3項)。
添付書類は,事業と業務の詳細を説明する資料,基準に適合することを証する資料,児童対象性暴力等対処規程及び犯罪事実確認を適切に実施する旨の誓約書等である(同条4項)。

3 手数料

認定等の申請手数料は,電子情報処理組織(こまもろうシステム)で申請する場合は3万円,それ以外は3万1,500円である(法40条,施行令7条)。
手数料は1事業当たりの額であり,事業者単位や事業所単位ではない(施行ガイドライン94頁)。
犯罪事実確認には手数料はかからず,認定の更新もない(Q&A基礎編4-6)。
国・地方公共団体が単独で申請する場合や,国・地方公共団体とその指定管理者・受託者が共同認定を申請する場合は,手数料が不要である(法40条,Q&A基礎編4-7)。

4 事業ごとの申請と共同認定

複数の事業を行う場合は事業ごとに申請し,手数料も事業ごとに必要である(Q&A基礎編4-5)。
例えば,放課後児童健全育成事業とスポーツクラブを行う場合は別々に申請するが,同じ学習塾を複数の教室で行う場合は一つの事業として申請する(同)。

民間教育保育等事業者が事業所の管理を指定管理者や受託者(事業運営者)に任せている場合は,両者が共同で申請する「共同認定」となる(法21条,Q&A基礎編4-9)。
例えば,市町村が放課後児童健全育成事業の運営全体を民間事業者に委託している場合がこれに当たる(Q&A基礎編4-10)。
一部の体験活動だけを委託している場合や,市町村が補助金を出しているだけの場合は,共同認定に当たらない(同)。

第4 認定後に行うこと

1 犯罪事実確認の期限

認定事業者等は,新たに従事させる者について業務を行わせるまでに犯罪事実確認を行う(法26条1項)。
認定の時点で従事している者(認定時現職者)は,認定等の日から1年以内に全員の確認を終え(同条3項,施行令6条),完了したらこまもろうシステムで届け出る(同条4項,Q&A基礎編4-4)。
届出を受けたこども家庭庁は,全ての従事者の確認を終えた旨を公表するので,保護者等に確認の完了を知らせることができる(法26条5項,Q&A基礎編4-4)。
その後も,確認日の翌日から5年を経過する日の属する年度ごとに再確認を行う(法26条6項)。

確認の流れと対象となる性犯罪の範囲は,こども性暴力防止法の犯罪事実確認とは―対象となる性犯罪・20年と10年の期間・確認の流れと事前通知で説明している。

2 規程の遵守・記録の管理・帳簿と報告

認定事業者等は,児童対象性暴力等対処規程を遵守し(法25条),犯罪事実確認記録等を適正に管理しなければならない(法27条)。
帳簿を備えて犯罪事実確認の実施状況を記載・保存し,犯罪事実確認等の実施状況を定期的に報告する(法28条)。

3 変更の届出

公表されている事業概要等を変更するときや,児童対象性暴力等対処規程・情報管理の措置を変更するときは,あらかじめ届け出る必要がある(法24条)。
Q&Aは,変更する日の2週間前までに届け出るよう求め,部署名・役職名の形式的な変更などの軽微な変更は届出不要としている(Q&A基礎編4-13)。

4 適合命令と認定の取消し

基準に適合しなくなった場合は,期限を定めて適合するよう命じられることがある(法30条1項)。
不正の手段で認定を受けたとき,犯罪事実確認を行っていないとき,命令に違反したとき等は,認定が取り消される(法32条1項)。
基準に適合しなくなったとき,規程の遵守義務や帳簿の義務等に違反したとき等も,認定を取り消されることがある(同条2項)。
取消しは公表され(同条3項),取消しの日から2年間は再び認定を受けられない(法20条2項1号)。

事業を廃止するときは,あらかじめ廃止の日を届け出なければならず,認定はその日以後効力を失う(法31条)。

第5 こまもろうマークの使い方

1 使える時期と種類

認定事業者マーク(水色のこまもろうマーク)は,施行後に認定(又は共同認定)を受けた後から使用できる(Q&A基礎編4-11)。
学校設置者等が使う法定事業者マーク(ピンク色のこまもろうマーク)は,施行日の令和8年12月25日から使用できる(同)。

2 付けてよいもの・付けてはいけないもの

こまもろうマークは,制服,パンフレット,募集案内,メディア広告,ウェブサイト,名刺,受付,看板及び求人広告に付けることができる(Q&A基礎編4-12)。
他方,宣伝用のペンやクリアファイルなど,配布後に第三者が再利用・流通させ回収が難しいものには付けられない(同)。
名刺には対象事業に携わる従事者だけがマークを付けることができ,異動・退職の際は事業者の責任で廃棄・回収等を行う(同)。

3 認定を受けていない者の表示は処罰される

認定を受けていない者が,認定の表示又はこれと紛らわしい表示を広告等に付することは禁止されている(法23条2項)。
違反した者は,1年以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金に処せられ,又はこれらを併科され,法人にも罰金刑が科される(法45条1項・48条)。

第6 よくある質問

1 学習塾は認定を受けなければならないか

認定は任意であり,受けないことも法律上は認められる(Q&A基礎編4-8)。
ただし,認定を受けなければ犯罪事実確認を行うことはできず,こまもろうマークも使えない。

2 認定を受ける判断のポイントは何か

認定を受ければ,こどもや保護者,求職者に対し,法に基づく性暴力防止の取組を行っていることを示せる(Q&A基礎編4-1)。
他方で,申請時点で六つの基準を満たす体制と規程を整え,認定後は犯罪事実確認,研修,相談体制,記録の管理,帳簿と報告を継続する必要がある。
受けるかどうかは,この継続的な負担を担える人員と権限があるかを含めて検討することになる。

3 犯罪事実確認だけを先に行えるか

行えない。
認定対象事業者は認定を受けた後に犯罪事実確認の手続に進む仕組みであり(Q&A基礎編4-3),認定を受けていない事業者には確認の申請権限がない(法33条1項)。

第7 出典

1 法令

①e-Gov法令検索「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」(令和6年法律第69号。令和8年12月25日施行時点)19条~33条,40条,45条1項,48条。
②e-Gov法令検索「同法施行令」(令和7年政令第440号)6条・7条。

2 こども家庭庁の資料

①こども家庭庁「こども性暴力防止法施行ガイドライン」(令和8年9月改訂)70頁,72頁~75頁,94頁~95頁。
②こども家庭庁「こども性暴力防止法に関するQ&A」(令和8年9月29日改訂)基礎編4-1~4-13(29頁~34頁)。

3 個別の判断で確認が必要な事項

申請の画面・必要書類の様式・審査の運用は,施行までに公表されるマニュアル等で具体化される。
個々の事業が認定の対象となるか,共同認定に当たるか,規程が基準に適合するかは,事業の実態と最新の公式資料に即して判断する必要がある。