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リース契約の経営者保証を外せるか―無保証審査・既存保証の解除・事業承継(AI作成)

第1 リースの個人保証も見直しの対象になる

会社のリース契約に経営者個人の保証が付いている場合には,新規契約時の無保証での審査と,既存保証の削減・解除を分けて相談することができる。
リース事業協会は,経営者保証に関するガイドラインの趣旨を踏まえ,協会の会員会社に適用する自主的ルールを設けている。
ファイナンス・リースだけでなく,オペレーティング・リースも対象とされている。

本記事は,令和8年10月17日に協会が公開している自主的ルールとQ&Aを確認したものである。
協会のルールは法律上の強制力を持つものではなく,要件に関する資料を提出すれば当然に保証を外せるという制度ではない。
まず契約先が会員会社であるか,契約と保証がルールの対象となるかを確認する必要がある。

第2 新しい契約で保証を付けずに審査してもらう

1 四つの検討事項を資料で示す

自主的ルール第4項は,法人と経営者個人の資産・経理の分離,法人と経営者間の資金のやり取りの適切性,法人だけの資産・収益力による履行可能性及び財務情報の適切な開示を検討事項としている。
会社口座と個人口座の使い分け,役員貸付金等の内容,リース料を含む資金繰り及び決算書等を,実際の取引に即して説明することが重要である。

Q&AのQ9は,これら四つを全て満たさなければ無保証の検討をしないというものではないと説明している。
一つの事項に課題がある場合も,その内容,改善状況及び他の保全方法を明らかにして相談する意味がある。
これは無保証での審査に関する説明であり,債務整理の利用条件まで全て任意になるという意味ではない。

2 保証を求める理由も確認する

無保証を希望する場合には,申込みの段階でその希望と資料を伝える。
リース会社が保証を必要と判断した場合には,何が不足し,どのような改善が見直しにつながるかを具体的に確認することが,その後の相談にも役立つ。
Q&AのQ11は説明の具体化を求め,書面による説明が望ましいとしている。

第3 小口リースというだけで諦めない

自主的ルールでいう小口リース取引は,単に契約額が小さい取引という意味ではなく,サプライヤーを通じて顧客の申込みを受け付ける取引として説明されている。
契約の販売経路と,リース会社がどのような審査をするかを確認する必要がある。

小口リースでは取引の特性に応じた取扱いがあるが,顧客から無保証を希望する旨の申出があれば,保証を求めずに契約できるか検討するものとされている。
また,Q&AのQ13に出てくる1,000万円超という数字は,1社について1人の保証人が保証している小口リース取引の残高に関する取扱いである。
全てのリース契約について1,000万円を保証の可否の境界にする規定ではない。

第4 既に付いている保証の削減・解除を求める

1 契約時から変わった事情を示す

自主的ルール第5項は,既存の保証契約の見直しも扱っている。
会社の財務状況,個人との資産・経理の分離,情報開示の改善等を示し,保証の必要性が現在もあるかを相談する。
新しい契約だけ無保証になっても,過去の契約の保証まで当然に消えるわけではないため,対象契約を一覧にする必要がある。

解除の申出をした日や担当者の説明だけでなく,どの契約について,いつから,どの範囲で保証が減る又は消えるのかを書面で確認する。
社内の保証人一覧から氏名が外れたことと,契約上の保証債務が消滅したことも区別する必要がある。

2 相談前に揃えるもの

リース契約書,約款,保証契約書,物件明細,契約ごとの残リース料及び保証の対象範囲が分かる資料を揃える。
決算書,直近の試算表,資金繰り表,役員との貸借明細及び過去の開示内容も,見直しの説明資料となる。

残リース料の合計と,中途解約又は物件返還の場合に請求される金額が同じとは限らない。
見直しの相談では,保証の対象がどの債務まで及ぶかを契約文言と照合し,金額と基準日を明らかにする。

第5 事業承継・M&Aでは旧経営者と後継者を別々に確認する

事業を引き継いだだけで旧経営者の保証が自動的に解除されるわけではなく,後継者に保証を付ければ旧保証が当然に消えるわけでもない。
自主的ルール第5項に沿い,旧経営者がなお実質的な経営権・支配権を持つか,法人の履行能力や他の保全方法はどうかを示して見直しを求める。
後継者の保証についても,無保証で契約できるかを別に検討することになる。

売主と買主の間で保証解除を約束しても,その約束だけでリース会社に対する保証が消滅するわけではない。
M&Aの前後では,銀行借入れに加えてリース契約の保証も一覧に載せ,解除の申入先,実施期限,完了書面及び解除されない場合の当事者間の対応を確認する必要がある。

会社売却後に保証が残った場合の対応は,M&A後に経営者保証が解除されないとき https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/10/10/ma-go-keieisha-hosho-mikaijo/を参照されたい。

第6 よくある質問

1 決算内容が良ければ必ず保証を外せるか

決算内容だけで結論は決まらない。
契約の対象,財務情報の信頼性,法人と個人の分離及び契約ごとの保全状況を踏まえて判断されるため,改善内容と希望する見直しを具体化して申し入れることになる。

2 会社の支払が難しい場合も解除相談で足りるか

支払能力が悪化し,保証債務の減免を求める段階では,通常の保証解除の相談と区別して債務整理の手続を検討する必要がある。
会社と経営者の資産,債務及びリース物件の処理を併せて把握し,一部の債権者だけに先に支払うことを避けるためにも,早期に専門家に相談することが重要である。

第7 根拠資料

リース事業協会「『経営者保証に関するガイドライン』に関する自主的ルール」第2項から第5項,令和5年1月25日改正・同年4月1日施行版(PDF2頁から4頁)。
https://www.leasing.or.jp/docs/guide20230228_01.pdf

同協会「自主的ルールQ&A」令和5年2月8日改正版,Q9からQ15(PDF2頁から4頁)。
https://www.leasing.or.jp/docs/guide20230228_02.pdf