第1 本記事の対象と結論
1 本記事の対象と基準日
本記事は,昭和51年に発覚した鬼頭史郎京都地方裁判所判事補をめぐる一連の事件について,最高裁判所,国会,裁判官訴追委員会,裁判官弾劾裁判所,刑事裁判所及び弁護士会の手続を時系列で整理する。
対象となる行為は,検事総長を名乗って内閣総理大臣に電話をかけたいわゆるニセ電話事件と,網走刑務所で身分帳簿を閲覧したいわゆる宮本身分帳閲覧事件の2つである。
事実は,国会会議録,裁判官弾劾裁判所のウェブサイト及び裁判所ウェブサイトに掲載された裁判例で確認できたものに限っている。
裁判官弾劾裁判所のウェブサイトと裁判所ウェブサイトの裁判例は当事者の氏名を伏せているため,本記事では,国会会議録で確認できる日付,裁判所及び事件の内容と一致することを確かめた上で,本件の裁判として紹介している。
法令は,令和8年9月27日現在の条文をe-Gov法令検索で確認した。
2 結論
①昭和51年10月21日と22日の新聞報道を受けて,最高裁判所は事務総局に調査委員会を設けて本人から事情を聴取し,同年11月19日,裁判官訴追委員会に罷免の訴追を請求した。
②最高裁判所の訴追請求の理由は,ニセ電話の録音テープを新聞社の者に聞かせたことに限られており,電話をかけたのが本人であることや,網走刑務所での身分帳簿の入手は理由に含まれていなかった。
③裁判官訴追委員会は昭和52年2月2日に訴追状を提出し,裁判官弾劾裁判所は,被訴追者が出頭しないまま審理を進め,同年3月23日,裁判官弾劾法2条2号に当たるとして罷免の判決を言い渡した。
④ニセ電話については,軽犯罪法1条15号の官職の詐称の罪で起訴され,拘留29日の有罪判決が,昭和56年11月20日の最高裁判所の上告棄却決定を経て確定した。
⑤身分帳簿の閲覧については,検察官は起訴しなかったが,東京高等裁判所の付審判決定により公務員職権濫用罪で審判に付され,第一審の無罪判決,控訴審の破棄差戻し判決,最高裁判所昭和57年1月28日決定を経て,懲役10月執行猶予2年の有罪判決が昭和62年12月に確定した。
⑥この有罪判決は,執行猶予期間中の平成元年7月11日の特赦により,有罪の言渡しの効力を失った。
⑦裁判官弾劾裁判所は,昭和60年5月9日,資格回復の決定をした。
⑧しかし,平成元年11月の弁護士名簿への登録請求について,日本弁護士連合会は,平成2年7月24日,弁護士会の秩序又は信用を害するおそれがある者に当たるとして審査請求を棄却し,東京高等裁判所平成3年9月4日判決もこの裁決を適法とした。
第2 2つの事件と最高裁判所の調査
1 ニセ電話事件
裁判官弾劾裁判所のウェブサイトによれば,昭和51年10月22日付けの読売新聞朝刊が,京都地方裁判所の判事補が同年8月4日に検事総長の名前をかたって内閣総理大臣に指揮権発動を促す電話をかけていたと報じた。
のちに渋谷簡易裁判所に起訴された公訴事実の要旨は,法務省刑事局公安課長の国会答弁によれば,検事総長でないのに,昭和51年8月4日ころ,東京都渋谷区の当時の内閣総理大臣三木武夫氏の自宅に電話をかけ,検事総長の布施であると称して,ロッキード事件に関連して勾留中であった田中角榮元内閣総理大臣の処分等について直接裁断を仰ぎたい旨を申し向けるなどして,検事総長の官職を詐称したというものである。
その電話の内容は録音されており,裁判官弾劾裁判所の訴追の事由によれば,鬼頭判事補は,その録音テープを新聞記者に聞かせた。
最高裁判所の事情聴取に対し,鬼頭判事補は電話をかけたこと自体を否定した。
勝見嘉美最高裁判所人事局長は,昭和51年10月26日の衆議院法務委員会で,「鬼頭判事補は、三木総理にそのような電話をしてはいないということでございました。」と答弁している。
2 宮本身分帳閲覧事件
ニセ電話の報道の前日である昭和51年10月21日の朝日新聞朝刊は,網走刑務所の問題に関する記事を掲載したが,その記事は裁判官とするだけで,氏名を記載していなかった。
勝見人事局長の答弁によれば,同日,衆議院議員からこの裁判官は鬼頭判事補であるとの連絡があり,京都地方裁判所長が事情を聴いたところ,本人はその裁判官が自分であることを認めた。
後に確定した刑事判決の認定は,東京高等裁判所平成3年9月4日判決に引用されている。
それによれば,鬼頭判事補は,昭和49年7月22日ころから同月24日までの間,網走刑務所に電話をかけて,東京地方裁判所八王子支部の判事補であると名乗り,治安裁判の調査や研究をしているなどと言って,当時の日本共産党中央委員会幹部会委員長の身分帳簿等の資料の閲覧等を申し入れた。
鬼頭判事補は,同月24日に網走刑務所を訪れ,「東京地方裁判所裁判官」の肩書を付した名刺を渡した上,身分帳簿を閲覧し,携行した録音機でその内容を音読して録音し,写真撮影の許可も得て撮影した。
さらに,撮影に失敗したとして同月29日に刑務所に電話をかけ,視察表,刑の執行停止の上申書及び診断書の手書きの写しを,東京都三鷹市の当時の住所に速達郵便で送らせた。
この身分帳簿が宮本顕治氏に関するものであったことは,昭和51年10月28日の参議院法務委員会での法務省矯正局長の報告等で述べられている。
3 最高裁判所の事情聴取と調査委員会
勝見人事局長は,昭和51年10月26日の参議院法務委員会で,最高裁判所の初動を次のように説明した。
10月22日の読売新聞の報道を受けて,最高裁判所は重ねて事情聴取を指示し,本人に翌23日の土曜日に上京するよう求めた。
あわせて,最高裁判所は,矢口洪一事務次長を委員長とする調査委員会を事務総局に設けた。
勝見人事局長の言葉では,「事務総局の中に急遽矢口事務次長を委員長とする調査委員会を設置しまして調査を開始した」というものである。
最高裁判所による事情聴取は,10月23日,同月25日及び11月1日に行われた。
10月23日の事情聴取には勝見人事局長と人事局調査課長の泉徳治が当たり,勝見人事局長は,その時間を約7時間と答弁している。
11月1日の事情聴取は,同日の読売新聞朝刊の記事について聴くため,本人のいるホテルに矢口事務次長,勝見人事局長及び泉調査課長の3人が出向いて行われた。
この間,矢口事務次長は,10月26日に読売新聞社を訪れて調査への協力を要請した。
京都地方裁判所は,報道の翌日に会議を開き,本人の承諾も得て,鬼頭判事補が担当していた事件を他の裁判官に取り扱わせる措置をとった。
この点は,昭和59年3月31日の参議院法務委員会で,大西勝也最高裁判所人事局長が説明している。
寺田治郎最高裁判所事務総長は,昭和51年10月26日の衆議院法務委員会で,「現職の裁判官が政治的活動という疑いを受けてもやむを得ないような行動をとりまして、裁判官の中立性、適格性について国民の疑惑を招きましたことは、まことに遺憾なことでありまして、国民の皆様に対して深くおわび申し上げる次第でございます。」と述べた。
寺田事務総長は,11月2日の衆議院法務委員会では,11月1日の事情聴取の報告を受けて,本人の説明は「全然納得できないものである」としつつ,「直ちに鬼頭判事補がにせ電話の本人であると決めつけるわけにもいかない」とも述べている。
4 最高裁判所の訴追請求
裁判官弾劾法15条3項は,「最高裁判所は、裁判官について、弾劾による罷免の事由があると思料するときは、訴追委員会に対し罷免の訴追をすべきことを求めなければならない。」と定める。
最高裁判所は,昭和51年11月19日,裁判官訴追委員会に鬼頭判事補の罷免の訴追を請求した。
勝見人事局長は,昭和52年3月11日の衆議院法務委員会で,この請求を「最高裁判所長官名で罷免の訴追請求をいたしております」と説明している。
訴追請求の理由は限定されていた。
勝見人事局長は,昭和51年12月22日の参議院決算委員会で,「私どもが訴追請求をいたしましたのは、いわゆるにせ電話のテープを読売新聞社に聞かせたということだけでございますが」と答弁した。
同じ委員会で,勝見人事局長は,網走刑務所の問題を訴追請求の理由として追加するかどうか,電話の声の主が本人であることを理由として追加請求することは,「いまのところまだそこまでは踏み切れない状態にある」と述べ,事件のために設けた調査委員会はなお存続していると説明した。
第3 国会の対応
1 証人喚問と宣誓の拒絶
参議院法務委員会は,昭和51年10月26日,鬼頭判事補を証人として同月28日に出頭を求めることを決めた。
しかし,同月28日の法務委員会の冒頭で,委員長は,都合により同日の証人喚問はできないとして,証言の聴取を取りやめると述べた。
鬼頭判事補は,同年11月12日,参議院の法務委員会とロッキード問題に関する調査特別委員会の連合審査会に証人として出頭した。
鬼頭判事補は,議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律(議院証言法)4条の規定により宣誓を拒絶すると述べ,その理由として,「私は誤って刑事訴追を受けるおそれがある、そのような危険があるということを理由に、それが第四条にいわゆる宣誓拒否の正当事由に当たるものとして、宣誓をお断り申し上げたいと、かような趣旨でございます。」と述べた。
同じ日,参議院法務委員会とロッキード問題に関する調査特別委員会は,それぞれ,同証人が正当な理由なく宣誓を拒んだものと認め,議院証言法8条により告発することを決めた。
告発状は,同月13日,両委員会の委員長の連名で検事総長あてに提出された。
2 宣誓拒絶の告発についての不起訴
東京地方検察庁は,昭和52年3月18日,この告発事件を不起訴とした。
法務省刑事局公安課長は,同月24日の参議院法務委員会で,同月18日付けでニセ電話事件について軽犯罪法違反で渋谷簡易裁判所に公判請求がされたことを説明した上,「同人が真犯人と認定されるに至りましたので、まさに本件の場合は宣誓当時右鬼頭が刑事上の訴追を受けるおそれがあったと客観的に認められますので、法律上の観点から本件につきましては犯罪は成立しないものという認定のもとに不起訴処分にいたした次第でございます。」と答弁した。
第4 裁判官訴追委員会と裁判官弾劾裁判所
1 訴追
裁判官弾劾裁判所のウェブサイトによれば,裁判官訴追委員会は,最高裁判所長官からの訴追請求のほか,弁護士からの訴追請求も受理しており,調査の結果,訴追することを決定し,昭和52年2月2日,裁判官弾劾裁判所に訴追状を提出した(昭和52年(訴)第1号)。
訴追の事由の要旨は,次のとおりである。
「検事総長の名をかたり現職内閣総理大臣に電話をかけ、前内閣総理大臣の関係する汚職事件に関して虚偽の捜査状況を報告した上、前内閣総理大臣らの起訴並びに逮捕の取り扱いについて直接の裁断を仰ぎたいと告げ、裁断の言質を引き出そうと種々の問答を行ない、これを録音した者があった。」
「被訴追者は、その録音テープが、検事総長の名をかたった謀略によるにせ電話の内容であること、電話の内容が新聞で報道されれば政治的に大きな影響を与えることを認識しながら、録音テープを新聞記者に聞かせた。」
2 職務停止と被訴追者が出頭しないままの審理
裁判官弾劾法39条は,「弾劾裁判所は、相当と認めるときは、何時でも、罷免の訴追を受けた裁判官の職務を停止することができる。」と定める。
裁判官弾劾裁判所は,昭和52年2月9日,鬼頭判事補の職務停止を決定し,第1回公判期日を同月21日と指定した。
裁判官弾劾裁判所のウェブサイトによれば,第1回公判期日の召喚状の特別送達はできなかったため,書留郵便による送達が行われ,同月14日には,裁判官弾劾裁判所の参事が本人に第1回公判期日を口頭で通知した。
鬼頭判事補は,第1回公判期日の当日に記者会見を行い,召喚状を受け取っていないので出頭しないと表明した。
裁判官弾劾裁判所は,第1回公判期日の召喚手続は適法であり,不出頭は正当な理由のないものであると宣言したが,この日は審理を行わなかった。
同月25日の第2回公判から3月11日の第5回公判まで審理が行われ,いずれの期日も鬼頭判事補は出頭しなかった。
審理では4名の証人尋問が行われ,鬼頭判事補の裁判官訴追委員会での供述の録音テープが再生された。
鬼頭判事補は3月22日に弁論再開を請求したが,裁判官弾劾裁判所は,翌23日,これを却下し,罷免の判決を言い渡した。
3 罷免判決の理由
裁判官弾劾法2条は,罷免の事由として,「一 職務上の義務に著しく違反し、又は職務を甚だしく怠つたとき。」と「二 その他職務の内外を問わず、裁判官としての威信を著しく失うべき非行があつたとき。」を定める。
裁判官弾劾裁判所のウェブサイトは,判決理由の要旨を,「訴追事由の事実を認定し、政治的策動にかかわったもので、単に道徳的に非難されるべきものにとどまらず、余りにも深く政治の問題に関与したというべきで、国民の信頼に背き、甚だしく裁判官としての威信を失墜させた行為で、弾劾法2条2号に該当する。」としている。
判決の翌日の昭和52年3月24日の参議院法務委員会では,宮崎正義委員が判決書の一節を次のとおり読み上げている。
「以上のような憲法及び法律の規定をふまえて、被訴追者の前記行為を判断すると、それは検事総長の官職を事実上詐称し、まことしやかに虚構の事実を告げて一国の総理大臣を欺罔し、不当極まる指揮権発動の言質を引き出そうとする陰険な政治的謀略を是認し、進んで、これを公表せしめることにより時の内閣に打撃を与えようとするなど、恐るべき政治的策動にかかわりあえるものであって、ただに、道徳的に非難せられるべきものであるにとどまらず、余りにも深く、政治の問題に関与したものというべく、国民の信頼に背き、甚しく裁判官としての威信を失墜せしめた行為というほかはなく、弾劾法第二条第二号による罷免事由に該当する。」
罷免の事由とされたのは,録音テープを新聞記者に聞かせた行為である。
もっとも,後に日本弁護士連合会資格審査会の議決書は,罷免判決の理由中に「謀略電話の主が被訴追者本人ではないかという疑いを深めざるを得ない。」との摘示があると指摘している。
4 罷免の効果
裁判官弾劾法37条は,「裁判官は、罷免の裁判の宣告により罷免される。」と定める。
現行の裁判所法46条2号は,弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者を裁判官に任命することができないとし,現行の弁護士法7条2号は,弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者は弁護士となる資格を有しないとしている。
日本弁護士連合会資格審査会の議決書も,鬼頭判事補は昭和52年3月23日に罷免となり,同日法曹資格を喪失したとしている。
退職手当は支給されなかった。
大西人事局長は,昭和57年3月30日の参議院法務委員会で,鬼頭判事補らについて,罷免の判決があったため「退職手当は一切支給されておりません」と答弁し,罷免の判決がなくその時期に退職したと仮定すれば,鬼頭判事補の退職手当は180万円くらいであったと説明した。
寺田事務総長は,判決の翌日の参議院法務委員会で,「今回一判事補の心なき行為により罷免の判決を受けることになりましたこと、最高裁としても深刻に受けとめておる次第でございます。」と述べた。
5 裁判官弾劾法規の見直しの契機
昭和52年の罷免判決は,裁判官弾劾法規の見直しの契機にもなった。
裁判官弾劾裁判所の参事は,昭和56年5月27日の衆議院議院運営委員会国会法改正等に関する小委員会で,「去る昭和五十二年の三月、鬼頭判事補に対する罷免の判決が行われました後、裁判員会議におきまして、裁判官弾劾法規を全面的に再検討して所要の改正を行うべき旨の決議がなされ」たと説明した。
裁判官弾劾裁判所のウェブサイトも,昭和52年の罷免訴追事件を契機として弾劾法と弾劾規則の改正作業を進めていたとしている。
もっとも,昭和56年の裁判官弾劾法の改正(同年法律第66号)は,別の簡易裁判所判事が町長選挙に立候補して裁判官の身分を失い,訴追委員会の審査が打ち切られた事態の再発を防ぐため,全面改正と切り離して行われたものである。
第5 刑事事件
1 ニセ電話事件(軽犯罪法違反)
軽犯罪法1条15号は,「官公職、位階勲等、学位その他法令により定められた称号若しくは外国におけるこれらに準ずるものを詐称し」た者等を拘留又は科料に処するとしている。
東京地方検察庁は,昭和52年3月18日,ニセ電話事件について,軽犯罪法1条15号違反として渋谷簡易裁判所に公判請求をした。
勝見人事局長は,同月24日の参議院法務委員会で,「現職の裁判官が刑事訴追といいますか、起訴を受けたのは今回が初めてでございます。」と答弁している。
東京高等裁判所平成3年9月4日判決に別紙として付された日本弁護士連合会資格審査会の議決書によれば,渋谷簡易裁判所は,昭和53年6月9日,拘留29日の有罪判決を言い渡した。
裁判所ウェブサイトに掲載された次の最高裁判所決定の書誌によれば,控訴審の判決は東京高等裁判所昭和55年2月1日判決であり,法務省刑事局長の後記の答弁によれば,第一審の有罪判決は二審でも維持された。
最高裁判所第三小法廷昭和56年11月20日決定(昭和55年(あ)第490号,刑集35巻8号797頁)は,上告を棄却した。
同決定は,「軽犯罪法一条一五号にいう官職の詐称には、自己の同一性については正しく表示しながら単に官職のみを僣称する場合のみならず、当該官職にある特定の人物をその官職名とともに名乗る場合も含まれると解すべきである。」とし,被告人は「自己を検事総長の布施であると称したことが認められる」とした。
同決定は,新聞記者が被告人の同意を得ないで録音したテープの証拠能力についても,「対話者の一方が右のような事情のもとに会話やその場の状況を録音することは、たとえそれが相手方の同意を得ないで行われたものであつても、違法ではないと解すべきである。」とした。
東京高等裁判所平成3年9月4日判決によれば,この有罪判決は同月27日に確定し,刑の執行も終了した。
法務省刑事局長は,昭和59年12月20日の参議院法務委員会で,「一審の渋谷簡裁で有罪の判決が言い渡されまして、二審、三審ともそれが維持されまして有罪判決が確定しておるわけでございます。」と答弁した。
同じ委員会で,法務省刑事局長は,鬼頭元判事補が,自分の公判で証人となった三木元総理をその証言について偽証罪で告訴したが,東京地方検察庁は捜査の結果不起訴処分にしたことも説明している。
2 宮本身分帳閲覧事件の付審判
身分帳簿の閲覧については,法務省刑事局長の昭和51年12月22日の答弁によれば,民間から公務員法違反及び職権濫用の罪での告訴,告発があった。
東京高等裁判所平成3年9月4日判決は,その後の経過を次のように認定している。
東京地方検察庁は昭和52年3月18日に不起訴処分とし,検察審査会は同年7月19日に不起訴相当の議決をした。
付審判請求に対しては,東京地方裁判所が同年5月6日に請求を棄却したが,東京高等裁判所が同年7月26日に原決定を取り消して付審判決定をした。
刑事訴訟法262条1項は,刑法193条(公務員職権濫用)等の罪について告訴又は告発をした者は,検察官の公訴を提起しない処分に不服があるときは,事件を裁判所の審判に付することを請求することができると定める。
同法267条は,「前条第二号の決定があつたときは、その事件について公訴の提起があつたものとみなす。」と定める。
鬼頭元判事補による特別抗告に対し,最高裁判所第一小法廷昭和52年8月25日決定(昭和52年(し)第105号,刑集31巻4号803頁)は,「本件抗告の申立は不適法である。」として抗告を棄却した。
同決定は,付審判決定については,審判に付された被告事件の訴訟手続においてその瑕疵を主張することができると述べている。
付審判事件では,刑事訴訟法268条により,裁判所が指定した弁護士が検察官の職務を行う。
岡垣勲最高裁判所刑事局長は,昭和52年10月26日の衆議院法務委員会で,「鬼頭元判事補を被告とする審判請求事件」の第1回公判が東京地方裁判所刑事第8部で同年11月14日に予定されていることを認め,検察官の職務を行う弁護士は受訴裁判所の決定で指定されたと説明した。
3 第一審の無罪判決と東京高等裁判所昭和54年判決
東京高等裁判所平成3年9月4日判決の認定によれば,東京地方裁判所は,昭和53年4月28日,無罪の判決を言い渡した。
東京高等裁判所昭和54年12月26日判決(昭和53年(う)第1345号,高刑集32巻3号298頁)は,検察官の職務を行う弁護士の控訴を受けて,原判決を破棄し,事件を東京地方裁判所に差し戻した。
同判決は,被告人が「現に担当している事件の裁判に必要であるかのように仮装した事実について証明が十分でないとした原判決の判断は、当裁判所もこれを肯認することができる。」とした。
他方で,同判決は,裁判官が司法研究その他職務上の研究,参考に資するための調査や資料の収集を行うかのように仮装し,刑務所において資料の閲覧や写真撮影等を求めてこれを許可させた場合には,仮装された職務行為に法律上の強制力が伴っていなくても公務員職権濫用罪が成立するとした。
同判決は,被告人が刑務所長に述べた治安関係事件の研究や司法研究に関する言葉は,職務上の研究の参考資料として身分帳簿を閲覧したいという趣旨の明確な意味を持つものと認め,原審には,この趣旨の訴因を明確にした上で被告人に反証の機会を与えるべきであったのにこれをしなかった訴訟手続の法令違反もあるとした。
4 最高裁判所昭和57年1月28日決定
最高裁判所第二小法廷昭和57年1月28日決定(昭和55年(あ)第461号,刑集36巻1号1頁)は,差戻し判決に対する上告を棄却した。
同決定は,「刑法一九三条にいう『職権の濫用』とは、公務員が、その一般的職務権限に属する事項につき、職権の行使に仮託して実質的、具体的に違法、不当な行為をすることを指称するが、右一般的職務権限は、必ずしも法律上の強制力を伴うものであることを要せず、それが濫用された場合、職権行使の相手方をして事実上義務なきことを行わせ又は行うべき権利を妨害するに足りる権限であれば、これに含まれるものと解すべきである。」とした。
同決定は,裁判官には監獄法上の刑務所の巡視権が与えられていることなどから,裁判官が刑務所長らに対し量刑その他執務上の一般的参考に資するため資料の閲覧,提供等を求めることは,職権濫用罪における裁判官の一般的職務権限に属するとした。
その上で,同決定は,「裁判官が、司法研究その他職務上の参考に資するための調査・研究という正当な目的ではなく、これとかかわりのない目的であるのに、正当な目的による調査行為であるかのように仮装して身分帳簿の閲覧、その写しの交付等を求め、刑務所長らをしてこれに応じさせた場合は、職権を濫用して義務なきことを行わせたことになるといわなければならない。」とした。
同決定は,職権濫用罪における裁判官の職権の範囲に関する原判示は「広きに失する点もある」が,本件に適用する限り結論において相当であるとした。
この決定には,栗本一夫裁判官の補足意見と,裁判長の宮崎梧一裁判官の反対意見が付されている。
宮崎裁判官は,公務員の一般的権限は法令上の根拠がなければ認められないとして,本件は「せいぜい裁判官の地位・身分の濫用があつたと認めうるにすぎず、刑法一九三条に該当する職権濫用の行為があつたとすることはできない。」とした。
5 差戻し後の有罪判決の確定と特赦
東京高等裁判所平成3年9月4日判決の認定によれば,差戻し後の東京地方裁判所は,昭和58年2月28日,公務員職権濫用罪により懲役10月執行猶予2年の判決を言い渡し,東京高等裁判所は同年12月15日に控訴を棄却した。
最高裁判所第一小法廷昭和62年12月21日決定(昭和59年(あ)第24号,集刑247号1357頁)は,上告を棄却した。
裁判所ウェブサイトは,この決定の判示事項を「いわゆる破棄判決の拘束力についての判例違反の主張が前提を欠くとされた事例−いわゆる宮本身分帳閲覧事件−」としている。
有罪判決は,同月26日に確定した。
その後,鬼頭元判事補は,執行猶予期間中の平成元年7月11日に特赦を受け,有罪の言渡しは効力を失った。
日本弁護士連合会資格審査会の議決書は,この特赦を,昭和天皇の崩御に際会して行う特別恩赦によるものとしている。
第6 資格回復の裁判
裁判官弾劾法38条1項は,弾劾裁判所は,「罷免の裁判の宣告の日から五年を経過し相当とする事由があるとき」等には,罷免の裁判を受けた者の請求により,資格回復の裁判をすることができると定める。
同条2項は,「資格回復の裁判は、罷免の裁判を受けた者がその裁判を受けたため他の法律の定めるところにより失つた資格を回復する。」と定める。
裁判官弾劾裁判所のウェブサイトによれば,鬼頭元判事補は,昭和59年10月17日,同条1項1号に基づく資格回復の裁判を請求した(昭和59年(回)第1号)。
請求の事由の要旨は,罷免事由について十分反省し,罷免後8年にわたり真面目に生活し再起に励んでいること,社会的制裁を十分に受けたことなどである。
裁判官弾劾裁判所は,同年12月12日から合計4回の口頭弁論を開き,法廷外での尋問も含めて2名の証人を尋問した後,昭和60年5月9日,資格回復の決定をした。
理由の要旨は,「罷免の裁判から5年を経過しており、請求者が留学するなどして法学の勉強を続け、法律家としての再起を望んでいること、他に適当な生計の道もないこと、罷免された後、非行のないことなどが認定でき、相当とする事由がある。」というものである。
もっとも,日本弁護士連合会資格審査会の議決書は,この資格回復決定の理由は請求の事由を全面的に認めたものとは解しがたいとし,決定が「請求人の請求を棄却することも強ち無理とはいえない。」と述べた後,弁護士名簿への登録については「その可否は請求人が入会を希望する単位弁護士会の自治的判定に委ねられるもの」としたと指摘している。
第7 弁護士登録の拒絶
1 登録請求と日本弁護士連合会の裁決
鬼頭元判事補は,平成元年11月28日,第一東京弁護士会に対し,弁護士名簿への登録の請求の進達を求めた。
弁護士法12条4項は,弁護士会が進達を求められた後3か月を経てもなお日本弁護士連合会に進達をしないときは,進達を拒絶されたものとみなし,審査請求をすることができると定める。
第一東京弁護士会は資格審査会の審査に付していたが,3か月を経ても進達をしなかったため,鬼頭元判事補は,平成2年5月1日,日本弁護士連合会に審査請求をした。
日本弁護士連合会は,資格審査会の議決に基づき,平成2年7月24日,審査請求を棄却する裁決をした。
資格審査会の議決書は,罷免後の法学の勉強,資格回復の決定及び特赦は過去の非行に対する非難を弱めるものと評価してよいとした。
他方で,議決書は,ニセ電話事件について本人が現在も自己の行為であることを認めていないこと,身分帳閲覧事件について外形的事実は認めるが違法ではないと主張していることなどを挙げ,反省はうすいとした。
その上で,議決書は,登録を認めれば,単に弁護士会内部の秩序を乱すにとどまらず,弁護士又は弁護士会の信用そのものが害されるおそれが極めて大きいとして,弁護士法12条1項前段に該当する事由があるとした。
2 東京高等裁判所平成3年9月4日判決
弁護士法16条1項により,進達の拒絶についての審査請求を棄却された者は,東京高等裁判所にその取消しの訴えを提起することができる。
鬼頭元判事補は日本弁護士連合会の裁決の取消しを求めたが,東京高等裁判所平成3年9月4日判決(平成2年(行ケ)第175号)は,請求を棄却した。
同判決は,弁護士法12条1項前段について,「登録の進達を求める者について、弁護士会の統制を乱すおそれがある場合、著しい非行がある場合、その者の入会によって一般会員の体面を損なうおそれがある場合その他あらゆる事由が、審査の対象となりうるものというべきである。」とした。
同判決は,2つの刑事事件は上告審まで争って確定したものであり,確定した事実を判断の基礎に置くべきであるとした。
同判決は,罷免後の留学,資格回復,特赦,本人が刑事責任を負うことになったこと自体については遺憾であると思っていること,多数の国会議員らが登録を支援する上申書を提出していることを,本人に有利な事情として評価できるとした。
しかし,同判決は,留意すべきことは各刑事事件の罪質の軽重や法的決着の有無ではなく,「原告の各行為が現職裁判官の行動として極めて特異なものであり、そのことが原告の性格、思考及び行動様式の特異性を表すものであることにかんがみ、それらを現時点においてどのように評価すべきかということである。」とした。
その上で,同判決は,本人のその後の言動を認定し,思考と行動の様式の基本は現在においても刑事事件当時と変わっていないとして,本件審査請求を棄却したことはやむを得ないとした。
同判決は,前科に転化した犯罪を考慮することは前科のあることそれ自体を理由に差別するものではないとして,憲法14条,22条及び13条違反の主張も退けている。
弁護士法12条1項は,現行法では「弁護士会の秩序若しくは信用を害するおそれがある者」と定めている。
同判決は,資格回復の裁判によって弁護士となる資格を回復した者についても,同項により登録の進達が拒絶され得ることを示した例である。
第8 山本祐司『最高裁物語(下巻)』の記述との関係
山本祐司『最高裁物語(下巻)』(講談社+α文庫,1997年)231頁から238頁は,この事件を扱っている。
同書は記者の著作であり,本記事では国会会議録,裁判官弾劾裁判所のウェブサイト及び判決と照らして,次の点に注意して扱った。
①同書は,昭和52年2月1日に裁判官弾劾裁判所に「訴追(起訴)決定」がされたと記している。
これに対し,裁判官弾劾裁判所のウェブサイトが示す訴追状の提出日は同月2日であり,本記事では訴追状の提出日を2月2日とした。
なお,法務省矯正局長の国会答弁によれば,2月1日には裁判官訴追委員会で鬼頭判事補の供述が聴かれている。
②同書は,弾劾裁判の証人として三木首相,勝見人事局長及び読売新聞社会部長の名を挙げているが,裁判官弾劾裁判所のウェブサイトは証人尋問を4名としている。
③同書は,渋谷簡易裁判所の判決を「拘置二九日」としているが,東京高等裁判所平成3年9月4日判決が引用する確定判決の刑は拘留29日である。
④同書は,鬼頭判事補が網走刑務所長に,公安・労働事件の裁判を担当しているので参考のために調べに来たと述べたことを,東京地方裁判所の判決文として引用している。
しかし,東京高等裁判所昭和54年判決によれば,この言葉は付審判事件の公訴事実に記載されたものであり,現に担当している事件の裁判に必要であるかのように仮装した事実は,第一審でも控訴審でも証明が十分でないとされた。
有罪の根拠となったのは,司法研究その他職務上の研究,参考のための調査であるかのように仮装した事実である。
⑤同書によれば,身分帳閲覧事件を東京地方検察庁に告発したのは作家の山田清三郎であり,作家たちが付審判請求をした。
告発者の氏名は,本記事で確認した公的資料には現れていない。
⑥同書は,昭和52年4月には判事補10年目の鬼頭判事補の任期が切れ,罷免の判決ができなくなることも,最高裁判所と国会が処理を急いだ理由に挙げている。
憲法80条1項は下級裁判所の裁判官の任期を10年と定めており,日本弁護士連合会資格審査会の議決書によれば,鬼頭判事補の名古屋地方裁判所判事補への任官は昭和42年4月7日である。
第9 関連記事
裁判官弾劾制度の仕組み―訴追請求,訴追委員会の調査・議決,弾劾裁判所の裁判,罷免の効果及び資格回復
安川輝夫簡裁判事の失職と裁判官弾劾法41条の2―訴追請求中の町長選立候補で退職手当が支払われた事件と法改正
裁判官に対する罷免判決と退職手当
新63期の華井俊樹裁判官に対する平成25年4月10日付の罷免判決
弁護士の登録・登録換えの進達拒絶事由と資格審査会
弁護士登録関係手続の不服申立て――進達拒絶,登録取消請求及び取消訴訟
弁護士となる資格-司法修習・資格認定・欠格事由・弁護士登録
昭和天皇の崩御に際会して行う特別恩赦基準(平成元年2月8日臨時閣議決定)
恩赦の効果――五種類の違いと前科・資格・再審への影響
歴代の最高裁判所事務総長
歴代の最高裁判所人事局長
ブルーパージとは―昭和44年からの青法協会員裁判官への脱会勧告・再任拒否と「司法の危機」の全体像
第10 出典・参考資料
1 法令
①日本国憲法(e-Gov法令検索)80条
②裁判官弾劾法(e-Gov法令検索)2条,15条,37条,38条,39条
③裁判所法(e-Gov法令検索)46条
④弁護士法(e-Gov法令検索)7条,12条,16条
⑤刑法(e-Gov法令検索)193条
⑥刑事訴訟法(e-Gov法令検索)262条,266条,267条,268条
⑦軽犯罪法(e-Gov法令検索)1条
2 裁判例
①最高裁判所第一小法廷昭和52年8月25日決定(昭和52年(し)第105号,刑集31巻4号803頁,裁判所ウェブサイト)
②東京高等裁判所昭和54年12月26日判決(昭和53年(う)第1345号,高刑集32巻3号298頁,裁判所ウェブサイト)
③最高裁判所第三小法廷昭和56年11月20日決定(昭和55年(あ)第490号,刑集35巻8号797頁,裁判所ウェブサイト)
④最高裁判所第二小法廷昭和57年1月28日決定(昭和55年(あ)第461号,刑集36巻1号1頁,裁判所ウェブサイト)
⑤最高裁判所第一小法廷昭和62年12月21日決定(昭和59年(あ)第24号,集刑247号1357頁,裁判所ウェブサイト)
⑥東京高等裁判所平成3年9月4日判決(平成2年(行ケ)第175号,裁判所ウェブサイト)
3 国会会議録
①昭和51年10月26日の衆議院法務委員会(勝見嘉美最高裁判所人事局長の答弁)
②昭和51年10月26日の衆議院法務委員会(寺田治郎最高裁判所事務総長の答弁)
③昭和51年10月26日の参議院法務委員会(勝見嘉美最高裁判所人事局長の答弁)
④昭和51年10月26日の参議院法務委員会(証人の出頭要求)
⑤昭和51年10月27日の衆議院法務委員会(矢口事務次長の読売新聞社訪問についての答弁)
⑥昭和51年10月28日の参議院法務委員会(証言聴取の取りやめ)
⑦昭和51年10月28日の参議院法務委員会(法務省矯正局長の報告)
⑧昭和51年11月2日の衆議院法務委員会(寺田治郎最高裁判所事務総長の答弁)
⑨昭和51年11月4日の参議院法務委員会(事情聴取についての答弁)
⑩昭和51年11月12日の参議院法務委員会,ロッキード問題に関する調査特別委員会連合審査会(証人の宣誓拒絶)
⑪昭和51年11月12日の参議院法務委員会(告発の決定)
⑫昭和51年12月22日の参議院決算委員会(訴追請求の理由についての答弁)
⑬昭和52年3月11日の衆議院法務委員会(訴追請求についての答弁)
⑭昭和52年3月15日の衆議院法務委員会(法務省矯正局長の答弁)
⑮昭和52年3月24日の参議院法務委員会(告発事件の不起訴についての報告)
⑯昭和52年3月24日の参議院法務委員会(罷免判決の読み上げ)
⑰昭和52年10月26日の衆議院法務委員会(岡垣勲最高裁判所刑事局長の答弁)
⑱昭和56年5月27日の衆議院議院運営委員会国会法改正等に関する小委員会(裁判官弾劾裁判所の参事の説明)
⑲昭和57年3月30日の参議院法務委員会(大西勝也最高裁判所人事局長の答弁)
⑳昭和59年3月31日の参議院法務委員会(大西勝也最高裁判所人事局長の答弁)
㉑昭和59年12月20日の参議院法務委員会(法務省刑事局長の答弁)
4 公的資料
①裁判官弾劾裁判所「過去の事件と判例」
②裁判官弾劾裁判所「弾劾裁判所の歴史/昭和50年代」
③裁判官弾劾裁判所「弾劾裁判所の歴史/昭和60年代」
5 文献
山本祐司『最高裁物語(下巻)』(講談社+α文庫,1997年)231頁から238頁
6 調査範囲
国会会議録は,令和8年9月27日に国会会議録検索システムの検索用APIで「鬼頭判事補」,「鬼頭史郎」,「鬼頭元判事補」等を検索し,昭和51年から昭和59年までの発言を確認した。
裁判例は,同日に裁判所ウェブサイトの裁判例検索で裁判年月日又は全文の語句により検索し,判決・決定の全文を確認したものである。
裁判所ウェブサイトでは,渋谷簡易裁判所昭和53年6月9日判決,東京高等裁判所昭和55年2月1日判決,東京地方裁判所昭和53年4月28日判決,同昭和58年2月28日判決及び東京高等裁判所昭和58年12月15日判決は見当たらなかったため,東京高等裁判所昭和55年2月1日判決は最高裁判所第三小法廷昭和56年11月20日決定の原審の記載及び国会会議録により,その余は東京高等裁判所平成3年9月4日判決(別紙の日本弁護士連合会資格審査会の議決書を含む。)により記載した。
東京高等裁判所平成3年9月4日判決に対する上告審の裁判は,裁判所ウェブサイトでは確認できなかった。
裁判官弾劾裁判所の罷免判決と資格回復決定の全文は裁判官弾劾裁判所のウェブサイトに掲載されていないため,その内容は同ウェブサイトの要旨,国会会議録及び東京高等裁判所平成3年9月4日判決に引用された日本弁護士連合会資格審査会の議決書によった。
判例秘書その他の商用データベースは検索していない。