第1 控訴提起から第一回期日まで
1 控訴状と記録送付
控訴状は第一審裁判所に提出され,適法な控訴として整理された後,記録が控訴裁判所へ送られる。電子事件ではmintsによる提出・送達等の現行運用を確認する。
2 控訴理由書と答弁書
控訴人は定められた期間内に控訴理由書を提出し,被控訴人はこれに対する答弁を準備する。新証拠,訴えの変更又は附帯控訴がある場合は,第一回期日前に手続を明確にする。
第2 第一審口頭弁論の結果陳述
1 控訴審へ第一審の訴訟資料を引き継ぐ
民事訴訟法296条2項により,当事者は第一審の口頭弁論の結果を陳述する。これは第一審で提出した主張・証拠を控訴審の判断資料として引き継ぐための手続である。
2 陳述範囲を曖昧にしない
最高裁昭和41年11月10日判決は,「第一審判決事実摘示のとおり」との陳述では,判決の事実摘示に記載されていない主張が控訴審で陳述されたことにならないとした。判決に現れていない重要主張は,控訴審書面で明示するのが安全である。
第3 一回結審と続行
1 第一回期日で終結することがある
控訴審は提出書面と原審記録を事前に検討し,第一回期日で弁論を終結することがある。重要な主張・証拠を「期日後に出す」前提で準備してはならない。
2 続行が必要な場合
新たな争点,証拠調べ,訴えの変更又は和解協議が必要なときは続行され得る。続行を求める場合は,必要な審理事項と予定期間を具体的に示す。
第4 和解
1 控訴審でも和解は可能である
控訴審では第一審判決を踏まえて法的・経済的リスクが具体化しているため,和解が試みられることがある。
2 仮執行・担保・関連紛争も確認する
和解条項では,支払方法,遅延時の取扱い,仮執行による既払金,強制執行の停止・取下げ,訴訟費用及び関連事件を漏れなく確認する。
第5 根拠資料及び関連記事
民事訴訟法296条以下(e-Gov法令検索)を確認した。
手続の現行化は,大阪高裁民事部主任決議集を令和8年の民事訴訟で使う方法及びmintsで控訴・上告・上告受理申立てをする方法を参照されたい。