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エクセルファイル(xlsx)は,mintsの「記録外」でしか受け付けられない。
「記録」には提出できないため,エクセルを訴訟記録になる形で出すことはできない。
しかも,訴え提起の段階では記録外の置き場すら存在しない。
記録外タブは,立件と関連付けの後に現れる事件情報画面の機能だからである。
そこで実務では,計算書や損害額一覧表をエクセルで作っても,提出時はPDFへ変換する。
本記事では,エクセルの受付区分と,提出用PDFを作るときの用紙サイズ・印刷範囲の確定方法を説明する。
第1 エクセルの受付区分
1 「記録」には提出できない
エクセルファイルは「記録外」でしか受け付けられない。
「記録」の区分(主張・証拠・証拠説明書・関連事件の申立て・その他)には提出できない。
記録外に置いたファイルは訴訟記録にならないため,Excelの原データを記録外へアップロードしても,正式な書面提出の代わりにはならない。
記録と記録外の違いは,mintsの「記録」と「記録外」の違いで詳しく説明している。
2 訴え提起の段階では記録外そのものがない
訴え提起の段階では,記録外の置き場すら存在しない。
記録外タブは,立件と関連付けの後に現れる事件情報画面の機能だからである。
したがって,申立ての段階でのエクセル提出はできない。
新規申立てフォームの「添付書類」タブに添付できるのは,委任状や資格証明書等のPDFである。
3 実務上の対応
提出書類は全てPDF化する。
計算書や損害額一覧表をエクセルで作っても,提出時はPDFに変換する。
編集可能なデータそのものを相手方及び裁判所と共有する必要があるときは,立件後に,正式提出したPDFとは別に,対応するxlsxを「記録外」へ置く。
第2 PDFへ変換するときの用紙サイズ
1 「記録」はA4又はA3に限られる
「記録」にアップロードできるPDFの用紙サイズはA4又はA3に限られる。
両サイズが混在するPDFもアップロードできる。
これに対し,「記録外」にアップロードするPDFには,用紙サイズの制限がない。
A4は210mm×297mm,A3は297mm×420mmである。
mintsは用紙サイズをページ単位で判定するため,見た目はA4でも,実体がレターサイズ(215.9×279.4mm)であるなど,A4・A3以外のサイズだと受け付けられないことがある。
ページごとに実測して確認するのが確実である。
2 問題になるのはサイズであって向きではない
ここで問題になるのは用紙の「サイズ」であって「向き」ではない。
縦向き・横向きのいずれでもアップロードできる。
もっとも,mints操作マニュアル別紙4は,画面上の見やすさ及びタイムスタンプの位置を考慮し,縦置きの原稿は縦向き,横置きの原稿は横向きのPDFとするよう案内している。
第3 Excelから提出用PDFを作る手順
1 印刷するシート及び範囲を確定する
Excelでは,最初に提出対象となるシートと印刷範囲を確定する。
Microsoftの印刷範囲に関する案内によれば,複数の印刷範囲は別々のページとして印刷され,設定した印刷範囲はブックとともに保存される。
そのため,過去の設定が不要なページを生じさせていないかを確認する必要がある。
非表示の行,列又はシートに提出対象が含まれていないかを確認し,改ページプレビューで各ページの範囲を確認する。
数式を提出するのか計算結果を提出するのか,シート見出し,ヘッダー及びフッターを含めるのかも,PDF化前に確定する。
2 A4・A3,向き及び縮尺を設定する
「ページレイアウト」で用紙をA4又はA3にし,表の横幅に応じて縦向き又は横向きを選ぶ。
広い表では,A4縦へ無理に縮小するより,A4横又はA3を用いた方が可読性を保てる場合がある。
Microsoftのワークシートの拡大縮小に関する案内は,幅を1ページ,高さを自動とする設定を示している。
縦横とも1ページへ固定すると,行数の多い表が極端に縮小されることがあるため,印刷プレビューで文字と罫線を読めることを確認する。
3 PDFへの変換後に全ページを確認する
「名前を付けて保存」からPDFを選び,裁判所の操作マニュアルに従ってオプションを確認して保存する。
保存後は,すべてのシート及びページについて,列の切れ,改ページ,繰返し行,空白ページ,数値表示,日付表示及び罫線を確認する。
Microsoftは,ブック内の内部リンク等がPDF変換時に失われる場合があると説明している。
リンク先の内容まで証拠又は説明資料の一部とする場合は,PDF上でリンクが維持されているかを確認し,必要であればリンク先自体を別資料として提出するかを検討する。
第4 提出前のチェックリスト
①提出したいものが訴訟記録になるべき書面か,共有用の編集可能データかを決める。
②訴訟記録にするものはPDFへ変換し,「主張」「証拠」「証拠説明書」等の適切な区分へ提出する。
③PDFの各ページがA4又はA3であることを確認する。
④パスワードが付いていないことを確認する。
⑤1回にアップロードするファイルの合計が200MB以下であることを確認する。
⑥編集可能データを記録外へ置く場合は,コメント,変更履歴,非表示行・列,作成者情報を除去する。
⑦記録外へ置いたことをもって正式提出が済んだと扱わない。
第5 関連記事
①mints提出用PDFの作り方-Word・Excel・紙資料の変換・A3/A4・パスワード・200MBの確認
②mintsの「記録」と「記録外」の違い
③mintsでファイルをアップロードできない場合
④mintsで証拠を提出する方法-甲001・枝番・ファイル名・証拠説明書・提出前チェック
⑤mintsで訴訟を提起する方法
出典・参考資料
①mints「mintsご利用に関するQ&A」6頁~7頁
②mints「mints操作マニュアル」別紙4
③裁判所「民事裁判手続のデジタル化に関する準備の手引」3頁・12頁・28頁
④民事事件等に関する手続における電子情報処理組織の使用に関する細則2条
⑤Microsoft「ワークシートの印刷範囲を設定またはクリアする」
⑥Microsoft「ワークシートを拡大縮小して印刷する」