令和2年4月20日付開示決定に基づく法案審査資料を,版ごとの資料目録として掲載する。各資料を探す際は,下記の時期と資料の種類を照合されたい。収録する令和2年案は第201回国会で審査未了となり成立していない。
令和元年10月末までの原案と,令和2年1月の解釈変更後の案は別の段階である。法務省の策定経緯文書は,元年10月末頃の第二部長審査終了,2年1月17日~24日の協議,2月17日の改正部分の第二部長審査終了,2月28日の法案全体の審査終了を区別して説明している。
第1・第3の「頃」という日付は掲載資料の版を区別する表示である。表紙,改訂日,内閣法制局への提出日及び審査終了日が常に同じであるとは限らない。同名資料も別の版として確認し,頁番号を示すときは該当する版のPDFを併記する必要がある。
第1の2月27日頃の資料には2月17日頃との附則4条の相違を示す資料が含まれ,第1の2月17日頃には勤務延長の読替表などが含まれる。以下の個別リンクは資料の目録であり,掲載された1417枚の全てについて内容の比較結果を示すものではない。
解釈変更の目的と文書不存在をめぐる裁判所の判断は,黒川検事長の勤務延長と文書不存在――大阪地裁令和6年6月27日判決の解説で,請求対象文書1~5及び国家賠償請求を分けて整理している。
* 第1ないし第3は,令和2年4月20日付の,法務大臣の行政文書開示決定通知書(検察庁法の一部改正に関する法律案等の法案審査資料)に基づく開示文書のうち,逐条国家公務員法<全訂版>(23枚),新版検察庁法逐条解説(7枚)及び事実上の重複文書1枚を除く1417枚を掲載したものです。
第1 令和2年2月の文書(黒川弘務東京高検検事長の勤務延長後の文書)
1 令和2年2月27日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法改正案に関する,法務省の逐条説明資料
→ リンク先のPDF23頁には,「検事総長は勤務延長制度を適用することで68歳に達する日の前日まで勤務でき、次長検事及び検事長は管理監督職勤務上限年齢制の特例の趣旨を踏まえた仕組み及び勤務延長制度を適用することで66歳に達する日の前日まで勤務できることとなる。」と書いてあります。
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 令和2年検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案の新旧対照表
→ 検察庁法附則4条(リンク先のPDF12頁)につき,令和2年2月17日頃の新旧対照表と異なります。
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案(検察庁法等関連)→長官からの御指摘とその対応について
→ 検察庁法附則4条に限り,令和2年2月17日頃の条文案から修正したとのことです。
2 令和2年2月17日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法改正案に関する,法務省の逐条説明資料
・ 令和2年の検察官俸給法改正案に関する,法務省の逐条説明資料(令和2年2月17日頃の文書)
・ 令和2年の検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案の附則に関する,法務省の逐条説明資料
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 以下同じリスト(検察庁法の一部改正による改正部分)
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の新旧対照表
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案の附則改正案の対比表
・ 令和2年の国家公務員法等の一部を改正する法律案 読替表(検察庁関係)
→ 「令和2年の検察庁法改正案22条2項(次長検事及び検事長)又は22条3項(検事正及び上席検察官)に基づく国家公務員法改正案81条の7(定年退職の特例)の読替表」を含んでいます。
・ 令和2年の検察庁法改正案に基づく,国家公務員法等の一部を改正する法律の附則改正案の対比表
・ 令和2年の検察庁法改正案を前提とした,国家公務員法の読み替え条文(令和2年2月17日頃の文書)
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案(検察庁法等関連)→前回審査時から修正した内容について
3 令和2年2月7日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 令和2年の検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案の新旧対照表
・ 令和2年の国家公務員法等の一部を改正する法律案 読替表(検察庁関係)
・ 令和2年の検察庁法改正案に基づく,国家公務員法等の一部を改正する法律の附則改正案の対比表
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案(検察庁法等関連)→前回審査時から修正した内容について
4 令和2年2月初旬頃の文書
・ 令和2年の検察庁法改正案に関する,法務省の逐条解説資料
・ 令和2年の検察官俸給法改正案に関する,法務省の逐条解説資料
・ 令和2年の検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案の附則に関する,法務省の逐条解説資料(令和2年2月初旬頃の文書)
・ 案文修正の経緯及び概要
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 令和2年の検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案の新旧対照表
・ 以下同じリスト(検察庁法の一部改正による改正部分)
・ 令和2年の国家公務員法等の一部を改正する法律案 読替表(検察庁関係)
・ 国家公務員等の一部を改正する法律案【用例集】
・ 一般職の職員の給与に関する法律と検察官の俸給等に関する法律の対応
・ 国家公務員法と検察庁法の対応関係
・ 令和2年の検察庁法改正案に基づく,国家公務員法等の一部を改正する法律の附則改正案の対比表
→検察官の勤務延長が認められることを前提とすることとした。-scaled.jpg)
令和2年2月初旬頃の文書です。
第2 検察官の勤務延長を認めた解釈変更に関する文書(令和2年1月当時のもの)
・ 勤務延長制度(国家公務員法第81条の3)の検察官への適用に関する,内閣法制局の応接録(令和2年1月17日~同月21日)は以下のとおりです。
の検察官への適用に関する,内閣法制局の応接録(令和2年1月17日~同月21日)-scaled.jpg)


検察庁法改正案の異常な立法過程。
実は、昨年11月初旬までに内閣法制局で審査は終わっていた。
その時の条文には検察官の勤務延長は全く存在しなかった。
しかし、1月に黒川検事長の勤務延長の解釈変更を行う際に、急遽条文に追加された。
辻褄合わせそのものだ。#検察庁法改正案に抗議します pic.twitter.com/Y2aSDdl4Yq
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) May 10, 2020
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第3 令和元年10月31日までの文書
1 令和元年10月31日の文書
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
→ 木村陽一内閣法制局第二部長は,令和2年3月9日の参議院予算委員会において以下の答弁をしています。
検察庁法の一部改正を含みます国家公務員法の一部改正の原案でございますけれども、検察庁法のパートにつきましては、昨年の十月の終わり頃でございますけれども、手元に審査資料が届けられまして、当日か、あるいは十一月にまたがったかもしれませんけれども、遅くとも十一月の頭には了承したものと承知しております。
2 令和元年10月29日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案に関する,法務省の概要説明資料及び逐条説明資料
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の新旧対照表
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案【用例集】(検察庁関係)
・ 以下同じリスト(検察官の俸給等に関する法律の一部改正による改正部分)
・ 一般職の職員の給与に関する法律と検察官の俸給等に関する法律の対応
・ 令和2年の国家公務員法等の一部を改正する法律案 読替表(検察庁関係)
・ 令和2年の検察庁法改正案に基づく,国家公務員法等の一部を改正する法律の附則改正案の対比表
・ 国家公務員法と検察庁法の対応関係
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案(検察庁法等関連)→前回審査時から修正した内容について
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令和2年の検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案に関する,法務省の概要説明資料及び逐条説明資料14頁です。
3 令和元年8月22日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の新旧対照表
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律の附則改正案の対比表(検察庁法及び検察官俸給法の改正関係)
・ 一般職の職員の給与に関する法律と検察官の俸給等に関する法律の対応
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案【追加用例集】
4 令和元年8月20日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案(検察庁法等関連)→前回審査時から修正した内容について
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の新旧対照表
・ 令和2年の国家公務員法等の一部を改正する法律案 読替表(検察庁関係)
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律の附則改正案の対比表(検察庁法及び検察官俸給法の改正関係)
・ 国家公務員法と検察庁法の対応関係
・ 一般職の職員の給与に関する法律と検察官の俸給等に関する法律の対応
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の附則の説明資料
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案【用例集】(検察庁関係)
5 令和元年5月10日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 検察庁法等の一部を改正する法律案 5月7日の指摘事項について
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の新旧対照表
・ 令和2年の国家公務員法等の一部を改正する法律案 読替表(検察庁関係)
・ 令和2年の検察庁法改正案及び検察官俸給法改正案に関する,法務省の説明資料
・ 国家公務員法の一部を改正する法律(仮称)の附則改正案の対比表
・ 国家公務員法と検察庁法の対応
・ 一般職の職員の給与に関する法律と検察官の俸給等に関する法律の対応
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案【用例集】
6 令和元年5月7日頃の文書
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の条文
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案の新旧対照表
・ 令和2年の検察庁法及び検察官俸給法の改正案に関する,法務省の説明資料
・ 国家公務員法の一部を改正する法律(仮称)の附則改正案の対比表
・ 国家公務員法と検察庁法の対応
・ 一般職の職員の給与に関する法律と検察官の俸給等に関する法律の対応
・ 国家公務員法等の一部を改正する法律案【用例集】
第4 関連記事その他
1 当時の報道とその位置付け
以下の報道記事及び任命の閣議書は,当時の人事を考える際の参考資料である。報道にある官邸の意向等の説明と,行政文書又は裁判所が認定した事実を区別する必要がある。大阪地裁の情報公開判決も,官邸との相談記録の保有については認定していない。
稲田検事総長が退官拒絶、後任含みで黒川氏に異例の定年延長(2020年1月31日付)
2 令和2年の検察庁法改正案の骨子
以下は廃案となった令和2年案の内容であり,現行法の制度ではない。勤務延長と役職継続の特例は成立していない。現行制度は検察官の定年・役職定年・勤務延長――2020年案と現行制度の違いで確認されたい。
(1) 令和2年の検察庁法改正案の骨子は以下のとおりです。
① 定年延長
・ 検事総長以外の検察官の定年を63歳から65歳に引き上げて,検事総長の定年と同じにする(改正案22条1項)。
② 定年退職の特例
・ 定年に達した検察官のうち,当該検察官の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣又は法務大臣の準則で定める事由がある場合,検事総長については68歳まで(改正案22条2項),検事総長以外の検察官については66歳まで(次長検事及び検事長につき改正案22条2項,検事及び副検事につき改正案22条3項),その職を占めたまま在職できることとする(国家公務員法改正案81条の7の読替に基づく措置)。
③ 役職定年
・ 次長検事,検事長,検事正及び上席検察官の役職定年は63歳とし,63歳に達した日の翌日にヒラの検事とする(次長検事及び検事長につき改正案22条4項,検事正につき改正案9条2項,上席検察官につき改正案10条2項・9条2項)。
④ 役職定年の特例
・ 役職定年に達した検事のうち,当該検事をヒラの検事とすることにより公務の運営に著しい支障が生ずると認められる事由として内閣又は法務大臣の準則で定める事由がある場合,次長検事及び検事長については内閣の判断により(改正案22条5項及び6項),検事正及び上席検察官については法務大臣の判断により(改正案9条3項及び4項・10条2項),その職を占めたまま65歳まで在職できることとする。
(2) 検察庁法改正案策定経緯文書(令和2年7月22日付の法務省刑事局の文書)には以下の記載があります。
国家公務員法等の一部を改正する法律案(以下「本法律案」という。)(注)は,平均寿命の伸長や少子高齢化の進展を踏まえ,高齢期の職員の知識,技術,経験等を最大限活用するため,一般職の国家公務員の定年年齢を65歳まで段階的に引き上げることを内容とするところ,同じく一般職の国家公務員である検察官についても,これに合わせて定年年齢を65歳まで段階的に引き上げるものである。
その他,本法律案のうち国家公務員法改正部分において,組織の新陳代謝を確保するとの趣旨から,管理監督職を占める職員について,一定年齢に達した後,管理監督職ではない官職等へ異動させる,管理監督職勤務上限年齢制が導入されることに合わせ,検察庁法においても,次長検事・検事長・検事正・上席検察官を対象とした同制度の趣旨を踏まえた検察官独自の制度(以下「検察官役降り制度」という。)を導入することなどを内容とするものである。
(注)本法律案は,第201回国会(常会)において廃案となっている。
検察庁法改正案22条2項に基づく国家公務員法改正案81条の7の読替表(検事総長,検事長及び次長検事に関するもの)を添付しています。 pic.twitter.com/RLbv4fWqWp
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) May 16, 2020
3 関連記事
・ 東京高検検事長の勤務延長問題
・ 国家公務員法81条の3に基づき,検察官の勤務延長が認められる理由
・ 勤務延長制度(国家公務員法81条の3)の検察官への適用に関する法務省及び人事院の文書(文書の作成時期に関する政府答弁を含む。)
・ 検察庁法改正案の成立前後における,検事長の勤務延長の取扱い
・ 黒川弘務東京高検検事長の賭け麻雀問題
・ 検事総長,次長検事及び検事長任命の閣議書
検察庁法改定案の策定過程、解釈変更の経緯について、作成・管理を約束した文書が法案の国会提出から2か月半経ちまだ「作成中」。
法案審議に提供するつもりなどなかったことになる。国会審議をどこまで軽んじるつもりか。黒川氏の勤務延長ともども、すべて明らかにすべきだ。https://t.co/NOv0rc4s3W— 山添 拓 (@pioneertaku84) June 1, 2020
検察庁法改正案の新旧対照表(令和3年4月13日国会提出)を追加しました。https://t.co/1DUWIXriln
掲載元につきhttps://t.co/QfgTCTd944添付の検察庁法改正案22条2項には,検察官については,改正後の国家公務員法81条の7(定年による退職の特例)を適用しないと書いてあります。 pic.twitter.com/shcuf4Hhnc
— 弁護士 山中理司 (@yamanaka_osaka) April 15, 2021