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民事控訴審で請求を追加・変更する方法―訴えの変更,附帯控訴及び送達(AI作成)

第1 控訴審でも請求の追加・変更は問題となる

1 請求の趣旨と訴訟物を区別する

請求額又は請求内容を変える場合だけでなく,請求の趣旨が同じでも新たな請求原因を加えて訴訟物が変わる場合は,訴えの変更として扱う必要がある。
控訴理由書又は準備書面の中に変更部分を埋め込むと,裁判所と相手方が送達及び手数料を判断しにくい。

2 独立した表題を付ける

控訴人が変更する場合は「訴え変更申立書」又は「控訴理由書兼訴え変更申立書」など,変更が一見して分かる表題と独立項目を設けるのが実務上安全である。

第2 控訴人と被控訴人で手続が異なる

1 控訴人による変更

控訴人の請求追加・変更は,民事訴訟法143条が控訴審に準用されることを前提に,同一性,審理遅延及び二審制の利益への影響が検討される。変更書面は相手方への送達が必要となる。

2 被控訴人による変更と附帯控訴

被控訴人が第一審判決より自己に有利な裁判を求める場合は,附帯控訴を要する。請求の趣旨を変えない場合でも,訴訟物を追加又は変更して自己に有利な変更を求めるときは,附帯控訴の要否を検討する。

第3 許否を左右する事情

1 著しい訴訟遅延

相手方の陳述した事実に基づく変更であっても,著しく訴訟手続を遅滞させる場合は許されない(最高裁昭和42年10月12日判決)。

2 第一審が本案判断をしていない場合

訴え却下判決に対する控訴審で追加的新訴を持ち込むと,第一審の審判を受ける利益との関係が問題となる。知財高裁平成31年2月19日判決及び同年3月4日判決は,それぞれの事案で追加的変更を許さなかった。

3 新訴に対する裁判

控訴審で訴えの変更により新訴が係属した場合,控訴裁判所は新訴について事実上第一審として裁判すべきであり,単なる控訴棄却では処理できない(最高裁昭和31年12月20日判決)。

第4 手数料と提出前確認

1 手数料

第一審が変更前の請求を判断したか否かにより,控訴手数料基準と訴え提起手数料基準のどちらを用いるかが変わり得る。実額は変更前後の訴額を示して裁判所書記官に確認するのが安全である。

2 チェック項目

①変更前後の請求の趣旨,②請求原因,③附帯控訴の要否,④相手方への送達,⑤手数料,⑥審理遅延,⑦第一審の審判を受ける利益を確認する。

第5 根拠資料及び関連記事

民事訴訟法(e-Gov法令検索)及び民事訴訟費用等に関する法律(e-Gov法令検索)を確認した。
電子提出を含む現行実務については,mintsで反訴・訴えの変更をする方法も参照されたい。