第1 この記事の対象と結論
本稿は,平成22年司法試験の公法系科目第2問(行政法)を対象とする学習用の解答例である。
法務省の出題の趣旨と採点実感等に関する意見から,36の評価項目を独自に抽出し,重み1~5を付した。
法務省の公式採点基準や項目別配点ではない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 平成22年新司法試験・論文式試験公法系科目第2問(行政法) |
| 問題 | 法務省の問題PDFのPDF7頁~13頁(資料1検討会議の会議録,資料2関係法令,資料3裁判例の抜粋を含む) |
| 基準時 | 平成22年5月16日の試験実施時。問題に掲載された当時の法令・裁判例を用いる。 |
| 出題の趣旨 | PDF1頁~3頁の本問部分を読んで根拠とした。 |
| 採点実感 | PDF5頁~8頁の行政法部分を読んで根拠とした。 |
| 主題 | 住民訴訟の4号請求と提訴の適法性,適正な対価と議会の議決,随意契約の例外,請求権放棄の議決 |
| 項目数と重み | 36項目,重み5は5項目,重みの合計133 |
| 答案 | 改行を除き4833字 |
| 確認日 | 令和8年11月6日 |
本稿の答案は,Bの訴えは出訴期間内に提起すれば適法であり,提訴前に転出したCと住民監査請求を経ていないDの訴えは不適法とする。
売買契約については,適正な対価を欠くかを売却時の時価を基礎に判断し,欠くと認められるなら議会の議決を欠く点で違法とした上で,随意契約の例外に当たる事情は現在の資料からは乏しいと評価する。
請求権放棄の議決については,二つの高裁判決の考え方をそれぞれ当てはめ,現在示されている理由だけで全額を放棄する議決は議決権の濫用として違法となる可能性が高いと考える。
重み5は番号3(4号請求の構造),9(議会の議決の要否),16(随意契約の2号該当性),31(二つの判決の考え方の違い),35(本件の議決に関するFの意見)である。
答案と評価項目の対応は第5の3に示す。
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方
一項目は一つの判断対象として,答案から充足の有無を検討できる形にした。
【注意】は避けるべき誤りの型を示す項目であり,重みとは別の区分である。
番号20は,施行令167条の2第1項6号による随意契約を採用又は検討する答案に適用される項目である。
公式資料の根拠はPDFの通し頁で示す。
「関連範囲に直接記載なし」は,その資料の本問部分に直接の記載がないことを示すもので,その事項の検討が不要であることを意味しない。
一般的な要求から本件の具体的な処理を導く項目は「間接」と表示し,その具体化は本稿の分析である。
2 5段階の重み付けの基準
| 重み | 基準 |
|---|---|
| 5 | 設問の判断を大きく分ける核心 |
| 4 | 結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ |
| 3 | 通常押さえる法的処理・事情の評価 |
| 2 | 論証を補強する説明・個別事情・誤りの注意 |
| 1 | 補充的な引用・記述範囲の確認 |
重み5と4は項目の役割から区別し,資料に現れる回数で決めていない。
【注意】の項目も個別に重みを付すが,同じ理解について他の項目と二重に得点・減点を計算する趣旨ではない。
項目数や重みの合計から公式得点・合格可能性を推測することはできない。
第3 本問の概要
1 問題文と事実関係
A村は,人口減少・過疎対策として,村有地10区画(本件土地)を平成21年4月20日に売却した。
前年に相場並みの価格で売却を試みた際には,1区画に応募があったのみで,その契約も締結に至らなかった。
今回は下限の価格を定めず,分譲価格と条件を購入希望者と直接相談する旨のチラシ・新聞広告等で村内外に広報し,10区画すべてを総額4800万円(1区画400万円~560万円)で売却した。
購入者には,側溝部分など一部の土地対価の支払を免除された者が多数おり,A村の部長の弟や売却担当部局職員の妻も含まれ,村内の利便性を欠く地区からの買換えも複数あった。
村民B及びCは平成22年3月19日に住民監査請求を行い,同年4月23日に請求に理由がない旨の通知を受けた。
B及びCは,売却価格と時価との差額約3200万円の損害を理由に,Eに損害賠償を求めるための住民訴訟を検討している。
Cは同年5月1日に他の市へ転出し,村民Dは住民監査請求をしないまま原告に加わろうとしている。
議員の一部は,Eの財政再建への功労と裕福でないことを理由に,一審で請求を認容する判決が出された場合には控訴した上で損害賠償請求権を放棄する議決をすることを検討している。
これらを受けて,同年5月6日に村の検討会議が開かれた。
2 設問が求めること
弁護士Fの立場から,設問1は4号請求の具体的内容を示し,B・C・Dそれぞれについて訴えの適法性を検討させる。
設問2は,住民訴訟が適法とされる場合に争点となる売買契約締結の適法性を,住民側と村側の双方の主張を踏まえて詳細に検討させる。
会議録は,地方自治法96条1項5号(請負契約を念頭に置いた規定)と8号(Bらが現段階で問題にしていない議決)を検討の対象から除いている。
設問3は,一審で請求が認容された後に議会が請求権放棄の議決をする場合を想定し,⑴資料3の二つの判決の考え方が分かれた点の説明と,⑵各判決の考え方を本件に当てはめた判断及び自らの意見を求める。
請求権が消滅する手続は差し当たり検討の対象外とされ,放棄の議決の適法性に絞られている。
配点の割合は,設問1から設問3までで2:4.5:3.5である。
第4 評価項目と重み
1 設問1 住民訴訟
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 民衆訴訟として住民の参加により自治体財務の適正を確保する制度と説明する。 | 3 | PDF2頁(間接) | PDF5頁・6頁(間接) |
| 2 | Eが長として行った本件売買契約の締結を財産の処分又は契約の締結という財務会計行為に位置付ける。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 3 | 4号本文に基づきA村長を被告とし,A村のE個人に対する損害賠償請求権の行使を求める。 | 5 | PDF2頁 | PDF5頁・7頁 |
| 4 | Bの監査請求が売却から1年以内で同じ財務会計行為を対象とすることを確認する。 | 3 | PDF2頁(間接) | 関連範囲に直接記載なし |
| 5 | Bの出訴期間を4月23日の通知から30日として5月6日の時点に当てはめる。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁・7頁 |
| 6 | Cの適法な監査請求と提訴時に住民資格が失われたことを分けて判断する。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 7 | Dが住民でも,自らの監査請求を経ていないためBらの監査請求で代替できないと論じる。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 8 | 【注意】Eを怠る事実の相手方又は賠償命令の対象者に置かず,契約締結をした当該職員として扱う。 | 3 | 関連範囲に直接記載なし | PDF7頁 |
2 設問2 土地売買契約の適法性
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 9 | 地方自治法96条1項6号と237条2項を接続し,適正な対価を欠く財産譲渡の議会議決の要否を検討する。 | 5 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 10 | 議会議決を求める理由を,財産上の損失や財政運営のゆがみを防ぐことから説明する。 | 3 | PDF2頁(間接) | PDF5頁 |
| 11 | 適正な対価は原則として売却時の客観的な時価で判断し,4800万円や約3200万円の主張をそのまま時価認定に使わない。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 12 | 市場性の乏しさ等で時価認定に幅が生じ得ることと,政策目的から安価な売却を自由に選べるかを区別する。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁~7頁 |
| 13 | 前年の不成約と通勤圏の事実を対置し,近隣実取引・区画条件・保有費用から時価の合理性を検討する。 | 3 | PDF2頁 | PDF5頁(間接) |
| 14 | 234条の一般競争入札原則と随意契約等の例外の趣旨を,機会均等,透明性及び価格適正化に結び付ける。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 15 | チラシ等による募集と個別に価格・条件を決める契約の方式を区別し,本件を随意契約と分類する。 | 4 | PDF2頁(間接) | PDF8頁 |
| 16 | 令167条の2第1項2号につき,契約目的と競争に適さない条件を具体的に結び付け,裁量の合理性を審査する。 | 5 | PDF2頁 | PDF5頁・7頁・8頁 |
| 17 | 過疎・人口減少と税収上の必要性を,住宅地処分及び個別交渉を選ぶ理由との関係で評価する。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁(間接) |
| 18 | 前年度の売却失敗から未売却の危険を検討し,条件付き競争入札等でも目的を達成できないかを比べる。 | 4 | PDF2頁 | PDF8頁(間接) |
| 19 | 村内住民の買換えについて人口の純増と転出防止を区別し,政策目的との結び付きの強さを評価する。 | 3 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 20 | 2号の目的・性質と6号の競争による具体的不利益を区別し,6号を論じる場合は競争による不利益を事実から示す。 | 3 | PDF2頁(間接) | PDF8頁(間接) |
| 21 | 各区画の価格と市町村の財産売払いに係る別表第五の30万円を比較し,少額随意契約の1号が使えない理由を示す。 | 2 | 関連範囲に直接記載なし | PDF8頁(間接) |
| 22 | 【注意】前年の一応募・不成約から正式な入札の不調又は落札者の不締結を推定しない。 | 3 | 関連範囲に直接記載なし | PDF8頁 |
| 23 | 下限価格を設定せず個別に交渉したことを,価格決定の透明性と有利な処分の確保の観点から評価する。 | 3 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 24 | 側溝等の代金免除が,使用制約に見合う評価か,根拠のない個別値引きかを検討する。 | 3 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 25 | 幹部や担当職員の親族への売却について,応募機会と選定・価格の公正さを区別し,身内優遇の有無を具体的に評価する。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁 |
| 26 | 住民側と村側の理由を示した上で,議決の要否,方式及び個別条件についてFとしての見解を明示する。 | 4 | PDF2頁 | PDF5頁・8頁 |
3 設問3⑴ 二つの判決の比較
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 27 | 96条1項10号の議決権を基礎に,両高裁がともに議会に放棄の裁量を認めていることを説明する。 | 4 | PDF2頁・3頁 | PDF6頁・8頁 |
| 28 | 住民訴訟の違法是正・損害回復の制度趣旨と,住民代表である議会の財政判断の関係を説明する。 | 4 | PDF2頁・3頁 | PDF6頁・8頁 |
| 29 | 東京高裁が議会の本来の権限を尊重し,発生原因,額,債務者,放棄の影響の合理的総合判断に委ねると説明する。 | 4 | PDF2頁・3頁 | PDF6頁・8頁 |
| 30 | 大阪高裁が,訴訟が無に帰すること等を具体的事情から審査し,議決権濫用の限界を認めたと説明する。 | 4 | PDF3頁 | PDF6頁・8頁 |
| 31 | 事案の違いにとどまらず,議会の判断の尊重と第一審で違法が認められた後の司法的統制の重みの違いを比較する。 | 5 | PDF2頁・3頁 | PDF6頁・8頁(間接) |
4 設問3⑵ 本件への当てはめ
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 32 | 東京高裁の枠組みで,Eの功績・資力及び村の回収の実益を考慮し,合理的に審議した場合の適法の余地を判断する。 | 4 | PDF3頁 | PDF6頁・8頁(間接) |
| 33 | 大阪高裁の枠組みで,一審認容後という時期,提訴への反発,債権額,村財政への影響を考慮して濫用を判断する。 | 4 | PDF3頁 | PDF6頁・8頁(間接) |
| 34 | 大阪事件の判決直前の放棄及び複数事件の一括放棄と,本件に与えられた時期・対象を区別する。 | 3 | PDF3頁(間接) | PDF6頁・8頁 |
| 35 | 両判決の考え方を踏まえ,Eの個別事情,回収見込みと財政・住民訴訟への影響を衡量し,F自身の議決適法性に関する意見を示す。 | 5 | PDF3頁 | PDF8頁(間接) |
| 36 | 【注意】検討対象を議決の適法性に限定し,後続の債権消滅手続を別問題として処理する。 | 1 | 関連範囲に直接記載なし | PDF8頁(間接) |
5 重みの分布
36項目の内訳は,重み5が5項目,重み4が18項目,重み3が11項目,重み2が1項目,重み1が1項目であり,重みの合計は133点である。
設問別では,設問1が8項目・30点,設問2が18項目・65点,設問3⑴が5項目・21点,設問3⑵が5項目・17点である。
問題文が示す配点の割合(2:4.5:3.5)とおおむね対応するが,重みの合計は法務省の配点ではない。
重み5の各事項と理由は,番号3が4号請求の被告と請求内容という訴えの骨格,9が議会の議決の要否を分ける適正な対価の判断,16が随意契約の許容性を左右する2号の解釈と当てはめ,31が二つの判決の考え方の違いの核心,35が本件の議決の適法性についての結論であることである。
重み4は,これらを理由付きで支える具体的な論証・当てはめを対象とする。
第5 模範解答
1 答案の前提と表記
顧問弁護士Fの立場から,平成22年5月6日の検討会議の時点を基準に論じる。
「法」は地方自治法,「令」は地方自治法施行令を指し,東京判決と大阪判決は,問題の資料3に掲げられた東京高裁平成18年7月20日判決と大阪高裁平成21年11月27日判決を指す。
対価の額など与件から確定できない事項は,結論が変わる条件を示した。
試験後の法改正や判例を遡って用いていない。
2 答案
第1 設問1
1 予想される訴えは,地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号本文に基づき,A村長を被告として,Eに対しA村の損害約3200万円の賠償を請求するよう命ずることを求める訴えである。
本件売買契約の締結は,村有財産の処分及び契約の締結として法242条1項の財務会計行為に当たる。
請求権はA村に帰属し,住民がE個人を被告として直接給付を求める構成は採らない。
Eは違法と主張される契約を締結した「当該職員」である。
執行機関としての村長を被告とし,この村長に対し,E個人への損害賠償請求を義務付ける。
村長自身による本件の契約締結を理由とする請求であり,4号ただし書の賠償命令を求める場面ではない。
住民訴訟は,住民が個人の権利利益を離れ,地方自治に参加して違法な財務会計行為の防止・是正や損害の回復を図り,自治体の財務の適正を確保する民衆訴訟である(行政事件訴訟法5条,42条)。
Bらが買主でなく,本件売却によって直接損失を被っていないことは妨げにならない。
住民性と本人による監査請求の前置等は,この制度の法定の資格・要件である。
2 BはA村の住民であり,平成21年4月20日の売買契約を具体的に対象として平成22年3月19日に監査請求をしている。
契約締結から1年以内であり(法242条2項),そこで争った財務会計行為と提訴予定の対象も同じである。
監査結果に不服がある場合は通知があった日から30日以内に出訴する必要がある(法242条の2第2項1号)。
4月23日の通知から会議の5月6日までには30日が経過していないため,Bは期限内に提起すれば適法である。
3 Cは監査請求時には住民であったが,提訴前の5月1日にA村外へ住所を移した。
監査請求が適法であっても,提訴時にはA村の住民としてその財務を監督する資格を失っている。
監査請求時の資格のみで提訴を許すと,現在の住民に訴権を与えた制度の範囲を超えるので,Cの訴えは不適法となる。
4 Dは住民であるが,自ら監査請求を行っていない。
Bらの請求によって監査委員に是正の機会が与えられたとしても,法242条の2第1項は監査請求をした住民に提訴を認めている。
同じ契約を争うことや,Bと共同で訴えることによってこの要件を代替できない。
Dの訴えは不適法となる。
第2 設問2
1 対価と議決
法237条2項,96条1項6号は,財産を適正な対価なく譲渡する場合に,条例に定めがある場合を除いて議会の議決を要求する。
本件では議会の議決がされていない。
村の財産の不相当な減少と財政運営のゆがみを防ぐ趣旨である。
政策目的から時価を下回る譲渡を選ぶ場合にも,議会が政策上の利益と財政負担を比較する機会を保障する。
適正な対価は,売却当時に通常の取引で得られる客観的な価値を基礎とし,区画の形状・利用制約や契約上の負担等を踏まえて判断すべきである。
Bらは近隣市中心部への通勤が可能な土地を急いで売る必要はなく,時価と代金には約3200万円の開きがあると主張し得る。
側溝部分の免除も,その部分の価値に見合わなければ実質的な値引きとなる。
村側は,前年に相場並みの価格で売却を試みた際には1区画にしか応募がなく,その契約も成立しなかったことから,その価格が現実に成立し得る市場価額ではなかったと反論できる。
利用困難な側溝部分を低く評価することにも理由があり得る。
一方,10区画の完売は,代金総額4800万円が客観的に適正であることまで示さない。
長期保有の費用とより高値での売却の蓋然性,近隣の実取引や区画ごとの条件を調べる必要がある。
取引例が少なく,定住に関わる契約上の負担や売却時期も市場性に影響するなら,合理的な時価の認定には幅があり得る。
一方,定住促進や将来の税収自体は買主からの反対給付ではなく,政策上有用というだけで時価を下回る価格が適正になるわけではない。
以上から,差額を現段階で認定することはできないが,適正な対価を欠くと認められるなら,授権する条例又は議決を欠く契約締結は違法である。
対価が適正ならこの議決は要らない。
いずれの場合にも契約方式の適法性は別に検討を要する。
2 契約方式
法234条1項は一般競争入札,指名競争入札,随意契約及びせり売りを列挙し,同条2項は一般競争入札以外の方法を政令所定の場合に限る。
参加機会の均等,価格・相手方を決める手続の透明性を確保し,競争を通じて適正な価格を得るためである。
本件では広く募集したが,公表した共通条件による入札で落札者を決めず,購入希望者と価格・条件を個別に折衝している。
したがって随意契約であり,公募をしたことはその方式選択を直ちに適法にしない。
地方自治法施行令(以下「令」という。)167条の2第1項1号による随意契約は,予定価格が規則で定めた額を超えない場合に限られる。
市町村の財産売払いについて規則で定められる額の上限は別表第五で30万円である。
各区画の実売価格が400万円以上であることから,予定価格が規則所定額以下だったとは考え難く,少額を理由とすることはできない。
緊急性(5号)や村に著しく有利な価格(7号)を示す事情も見当たらない。
前年の1件の応募と不成約から,8号の入札不調又は9号の落札者の不締結を導けない。
仮に正式な入札を経ていたとしても,両号を使って予定価格や落札額の制約を外し条件を自由に変えることはできない(同条2項・3項)。
令167条は指名競争入札の要件であり,本件方式の根拠にならない。
令167条の3のせり売りは動産の売払いを対象とする。
村側の中心的根拠は2号及び6号である。
2号の「性質又は目的」は,物件の種類だけでなく,自治体がその契約によって実現すべき具体的な目的も含む。
契約の目的上重要な質的条件を競争方式では適切に設定・評価しにくく,公正な相手方選定と村の利益の確保の面からも個別交渉に合理性があるときは,競争が物理的に可能でも随意契約を選ぶ余地がある。
6号では競争を用いることによる具体的な不利益が必要である。
村長の判断の余地は,こうした法令上の要件の下で,取引の実態や不利益を評価する部分にある。
村は,人口が約5000人から約2400人に減り過疎指定を受ける中,通勤圏にある土地を住宅地として早期に活用することには公共的利益があり,購入希望者に応じて定住の条件を調整し,利用困難部分を踏まえた価格を設定するには個別交渉が適すると主張できる。
前年の不成約から長期の未売却と管理費負担を懸念でき,実際に今回は全区画が売れた。
村外への広報は流入を促す措置であり,実際の居住や利用が進めば税収の確保にもつながり得る。
これらは売却を進める理由になるが,売却方式の例外を認めるには個別折衝の必要性と結び付ける必要がある。
他方,前年の不成約は相場並みの固定価格での募集の結果であり,妥当な最低価格や居住条件を設定した競争入札が不適切であることまでは示さない。
利用しにくい部分は区画別の条件としてあらかじめ示せる。
定住条件を現に契約に組み込んだかは明らかでなく,村内の買換えは既存住民の流出抑止にはなっても当然には人口増加にならない。
過疎という一般事情や販売実績だけでは,価格競争の利益を捨てる理由として弱い。
村は,どの定住条件をなぜ競争方式で実現できないか(2号),又は具体的にどの不利益が生じるか(6号)を説明する必要があり,現状ではいずれの例外該当性も根拠が薄い。
3 個別の条件と相手方の選定
仮に随意契約を選べても,どの相手といかなる価格で契約するかの判断には,公有財産の適切な管理と公平の観点から限界がある。
村内外のチラシや新聞広告等は応募の機会を開いた事情である。
しかし,下限のない個別交渉で多数に側溝部分等の免除があり,担当部局職員の妻等も購入している。
申込みが競合した際の扱いや価格・免除の算定が合理的な共通基準によっていたか,同様の区画と希望者を同様に扱ったかを点検すべきである。
親族であることだけでは違法といえず,利用価値の低さに応じた免除なら説明できる。
反対に,関係者への便宜が価格や選定を左右したと認められれば,その個別判断は裁量の限界を超える。
私見では,適正対価を欠くかは区画ごとの時価等の確認を要するが,現時点では2号・6号の要件を満たす事情に乏しく,随意契約を選択した点で違法と評価される可能性が高い。
個別の優遇については,取引条件と選定の経過を比較しなければ認定できない。
第3 設問3
1 小問⑴
法96条1項10号は,法令・条例に特別の定めがある場合を除き,権利の放棄を議会の議決事項とする。
住民訴訟は執行機関の違法な財務会計行為を住民の発意で是正し,自治体の損失の回復につなげる仕組みである。
議会の放棄は,その対象となる請求権を失わせて是正の機会を奪い得る一方,その債権をどのように管理するかも住民の代表である議会が考慮すべき財政上の問題である。
東京高裁判決は,住民訴訟の提起により議会の本来の権限が制限されることには慎重であり,発生原因,額,債務者の事情,放棄の影響等を総合した議会の合理的判断を尊重する。
その事案では質疑・討論を経て多数決がされたことも踏まえて放棄を認めた。
単に住民の請求に反することだけから議決を違法としない。
大阪高裁判決は,議決事項であることから当然に有効になるとする主張を退け,住民訴訟制度が実際に果たす是正機能を重くみる。
一審敗訴後,控訴審判決の直前に,多額で財政への影響が大きい権利を同種事件とともに放棄し,個別の資力等の検討も合理的な理由もなかったことを考慮した。
そのような議決は違法な財務会計行為を放置し,制度を根底から否定するため,議決権の濫用とした。
両判決とも,議会に放棄を判断する裁量を認める。
共通するのは,議決の内容と経過に照らして理由の合理性を問う点である。
ただし,東京判決は代表機関の判断を尊重することから出発する。
大阪判決では,一審で既に財務会計行為の違法が認められた後の放棄が,その是正の機会を実質的に奪うことを重くみるため,議決の時期や理由をより慎重に審査する。
2 小問⑵
東京判決の考え方では,Eが財政再建に貢献してきたことや資力の乏しさは,議会が考慮できる事情である。
現実に回収できる額,費用及びEの生活への影響を調べ,合理的な理由を示して議会が討論を経て判断するなら,訴訟係属中でも放棄を認める余地がある。
ただし,多数決や抽象的な功労だけで,厳しい財政の村が多額の債権を全部手放すことの合理性は説明できない。
大阪判決の考え方では,一審がEへの請求を命じた後に控訴し,住民の提訴への反発から放棄することは,損害回復と司法審査を実質的に妨げる方向に働く。
約3200万円が認容されたとすれば,小規模で財政の厳しいA村への影響は大きい。
もっとも,控訴審の判決言渡し直前まで待った事実や複数事件の一括放棄は本問で示されておらず,E個人について功績や資力への言及がある。
これらの違いは議決の合理性を検討する余地を残す。
しかし,資力の具体的な調査や回収見込みの検討を欠いたまま全額放棄するなら,その余地は乏しく,住民訴訟を空洞化させる議決権の濫用と評価される可能性が高い。
私見では,議会に放棄の裁量を認めつつ,一審認容後の全額放棄については,責任の内容,財政上の影響,債務者の具体的状況,回収の実益を示す理由を求めるべきである。
村の財政再建への貢献は考慮できるとしても,提訴への反発を放棄理由にできない。
分割弁済や一部回収の可能性を調べても全額放棄に合理的な理由がある場合には適法の余地があるが,現在示されている理由だけで全額放棄を議決すれば,住民訴訟の機能を害することに見合う合理的な理由を欠き,議決権の濫用として違法となる可能性が高い。
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
(1) 答案と評価項目の対応
答案の第1は番号1~8,第2は番号9~26,第3の1は番号27~31,第3の2は番号32~36に対応する。
表には重み5・4の項目と,適用条件のある番号20を掲げる。
| 番号 | 重み | 評価項目 | 答案の該当箇所・留保 |
|---|---|---|---|
| 2 | 4 | Eが長として行った本件売買契約の締結を財産の処分又は契約の締結という財務会計行為に位置付ける。 | 第1の1。 |
| 3 | 5 | 4号本文に基づきA村長を被告とし,A村のE個人に対する損害賠償請求権の行使を求める。 | 第1の1。執行機関への義務付けと,E個人への賠償請求を区別。 |
| 5 | 4 | Bの出訴期間を4月23日の通知から30日として5月6日の時点に当てはめる。 | 第1の2。 |
| 6 | 4 | Cの適法な監査請求と提訴時に住民資格が失われたことを分けて判断する。 | 第1の3。 |
| 7 | 4 | Dが住民でも,自らの監査請求を経ていないためBらの監査請求で代替できないと論じる。 | 第1の4。 |
| 9 | 5 | 地方自治法96条1項6号と237条2項を接続し,適正な対価を欠く財産譲渡の議会議決の要否を検討する。 | 第2の1。対価の適正を欠く場合に議決の要否を判断。 |
| 11 | 4 | 適正な対価は原則として売却時の客観的な時価で判断し,4800万円や約3200万円の主張をそのまま時価認定に使わない。 | 第2の1。 |
| 12 | 4 | 市場性の乏しさ等で時価認定に幅が生じ得ることと,政策目的から安価な売却を自由に選べるかを区別する。 | 第2の1。市場性と具体的負担から時価の幅を評価。 |
| 14 | 4 | 234条の一般競争入札原則と随意契約等の例外の趣旨を,機会均等,透明性及び価格適正化に結び付ける。 | 第2の2。 |
| 15 | 4 | チラシ等による募集と個別に価格・条件を決める契約の方式を区別し,本件を随意契約と分類する。 | 第2の2。 |
| 16 | 5 | 令167条の2第1項2号につき,契約目的と競争に適さない条件を具体的に結び付け,裁量の合理性を審査する。 | 第2の2。契約目的と手段の不適合を検討。 |
| 17 | 4 | 過疎・人口減少と税収上の必要性を,住宅地処分及び個別交渉を選ぶ理由との関係で評価する。 | 第2の2。 |
| 18 | 4 | 前年度の売却失敗から未売却の危険を検討し,条件付き競争入札等でも目的を達成できないかを比べる。 | 第2の2。 |
| 20 | 3 | 2号の目的・性質と6号の競争による具体的不利益を区別し,6号を論じる場合は競争による不利益を事実から示す。 | 第2の2。6号を検討する場合。競争による具体的な不利益を別に検討。 |
| 25 | 4 | 幹部や担当職員の親族への売却について,応募機会と選定・価格の公正さを区別し,身内優遇の有無を具体的に評価する。 | 第2の3。 |
| 26 | 4 | 住民側と村側の理由を示した上で,議決の要否,方式及び個別条件についてFとしての見解を明示する。 | 第2の各項の結論。時価と個別優遇は追加事情によって評価が変わる。 |
| 27 | 4 | 96条1項10号の議決権を基礎に,両高裁がともに議会に放棄の裁量を認めていることを説明する。 | 第3の1。両判決に共通する放棄の裁量。 |
| 28 | 4 | 住民訴訟の違法是正・損害回復の制度趣旨と,住民代表である議会の財政判断の関係を説明する。 | 第3の1。 |
| 29 | 4 | 東京高裁が議会の本来の権限を尊重し,発生原因,額,債務者,放棄の影響の合理的総合判断に委ねると説明する。 | 第3の1。 |
| 30 | 4 | 大阪高裁が,訴訟が無に帰すること等を具体的事情から審査し,議決権濫用の限界を認めたと説明する。 | 第3の1。 |
| 31 | 5 | 事案の違いにとどまらず,議会の判断の尊重と第一審で違法が認められた後の司法的統制の重みの違いを比較する。 | 第3の1。一審の違法判断の位置付けを比較。 |
| 32 | 4 | 東京高裁の枠組みで,Eの功績・資力及び村の回収の実益を考慮し,合理的に審議した場合の適法の余地を判断する。 | 第3の2。合理的な個別審議が行われる場合の余地。 |
| 33 | 4 | 大阪高裁の枠組みで,一審認容後という時期,提訴への反発,債権額,村財政への影響を考慮して濫用を判断する。 | 第3の2。一審認容後の議決と制度への影響。 |
| 35 | 5 | 両判決の考え方を踏まえ,Eの個別事情,回収見込みと財政・住民訴訟への影響を衡量し,F自身の議決適法性に関する意見を示す。 | 第3の2。全額放棄の理由,資力及び回収方法を評価。 |
(2) 設問1 住民訴訟
出題の趣旨は,4号請求の内容と,監査請求前置・住民の要件・出訴期間についての基本的な理解を求めている。
採点実感は,A村の執行機関(本件ではE)を被告として,A村がEに対して有する損害賠償請求権の行使を求める訴えであることを押さえているかを重視し,Eに直接損害賠償を求めるものや,Eを「怠る事実」の相手方とするもの,賠償命令の義務付けを求めるものを不十分な例に挙げている(番号2・3・8)。
採点実感は,出訴期間に触れた答案が少なく,出訴期間ではなく監査請求期間を論じた答案が相当数あったとも指摘している。
答案では,監査請求の1年と出訴の30日を分け,B・C・Dについて異なる要件を判断した(番号4~7)。
(3) 設問2 議決と随意契約
適正な対価については,まず時価を基礎とし,区画ごとの利用制約や現実の取引条件を検討する(番号9~13)。
採点実感は,時価を基本としつつ,本件のような事情の下では時価の把握が困難で政策的配慮も関係し判断に幅が生じ得ることを意識した答案を高く評価する一方,政策目的を考慮して廉価と認定する行政裁量を容易に認める答案を問題視している。
将来の税収は,村が売却を進める理由にはなり得るが,それを代金に加算する根拠にはならない。
随意契約では,2号の契約の目的と6号の競争に伴う具体的不利益を分け,前年の売却失敗と本件の完売をどう評価するかが重要である(番号14~22)。
採点実感は,どの号に該当するかを論じないまま不公正や裁量の逸脱だけを論じる答案や,前年の売却を競争入札と決め付けて8号・9号を論じる答案を挙げている。
少額随意契約の1号は予定価格と規則所定額を比較するものであり,本問の実売価格は該当性を判断する手掛かりになる(番号21)。
公募で応募機会が開かれたとしても,価格や相手方選定の透明性は別に検討を要する(番号23~26)。
(4) 設問3 二つの高裁判決と本件の議決
採点実感は,二つの判決がいずれも,長に対する損害賠償請求権を放棄するか否かの判断について議会に裁量を認めていることの理解を一応の水準とする。
その上で,住民により選挙された議員で構成される議会の判断を原則として尊重するか,第1審で違法とする判決が言い渡された場合にそのことを重視して慎重に判断するかという考え方の傾向の違いを理解しているかで評価を分けている(番号27~31)。
単に「事案が異なるから」とする答案は,問題文を読む素直さに欠けるとされている。
答案はEの功績や資力をいずれの判決の枠組みでも考慮し,村の財政や回収の可能性と照らして評価した(番号32~35)。
分割弁済や一部回収との比較は,放棄の合理性を具体化するための本稿独自の補足である。
(5) 答案の弱点と扱わなかった事項
取引例や各買主の契約条件,Eの収入・財産が分かれば,対価や放棄の必要性についてさらに具体的に論じられる。
本問の与件からは時価差額や親族への優遇は確定できない。
設問2の対象は契約締結の適法性,設問3の対象は議決の適法性であり,契約の私法上の効力,議決後の債権消滅手続や強制執行は扱っていない。
第6 関連記事
1 同じ年度の司法試験の記事
①平成22年司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)
②平成22年司法試験公法系科目第1問(憲法)の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した24項目と5段階の重み付け(AI作成)
平成22年の問題・出題の趣旨・採点実感は,第7の1に案内している。
2 同じ科目の別の年度の記事
①平成23年司法試験公法系第2問(行政法)の模範解答と評価項目
②平成24年司法試験公法系第2問(行政法)の模範解答と評価項目
③平成25年司法試験公法系第2問(行政法)の模範解答と評価項目
④平成26年司法試験公法系第2問(行政法)の模範解答と評価項目
⑤平成27年司法試験公法系第2問(行政法)の模範解答と評価項目
⑥平成28年司法試験公法系第2問(行政法)の模範解答と評価項目
⑦令和7年度司法試験公法系第2問の模範解答と評価項目
3 本問の論点に関連する山中弁護士ブログの記事
①住民訴訟とは―住民監査請求前置・出訴期間・4類型と主要判例(AI作成):住民監査請求前置,出訴期間及び4号請求を含む住民訴訟の類型を説明している。
②法務省HPの司法試験・予備試験の資料の所在:年度別の出題の趣旨・採点実感のページの一覧である。
第7 出典及び確認状態
1 公式資料
①平成22年新司法試験論文式試験問題集[公法系科目]:PDF7頁~13頁の第2問(資料1検討会議の会議録,資料2関係法令(地方自治法施行令の抜粋),資料3議会による請求権放棄に関する裁判例を含む)。
②平成22年新司法試験論文式試験問題出題趣旨:PDF1頁の公法系科目第2問の見出しから3頁の民事系科目の見出しの前まで。
③平成22年新司法試験の採点実感等に関する意見(行政法):PDF5頁~8頁。
④平成22年新司法試験の実施日程等について:論文式試験の公法系科目は平成22年5月16日・4時間。
2 法令
地方自治法施行令167条,167条の2,167条の3及び別表第五は,問題に掲載された抜粋(問題PDF11頁~12頁)の文言による。
地方自治法(96条1項,234条,237条2項,242条,242条の2)と行政事件訴訟法(5条,42条)は,e-Gov法令検索で取得できる最も古い版(平成29年4月1日施行の版)の条文で確認した。
試験実施時の版そのものとの照合ではない。
ただし,地方自治法242条の2第1項4号の文言は,地方自治法等の一部を改正する法律(平成14年法律第4号)による改正後の文言と同じである。
現行の地方自治法では,令和2年4月1日から,議会が住民監査請求の後にその請求に係る損害賠償請求権等の放棄の議決をしようとするときは,あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならないとされ(242条10項),4号ただし書が引用する賠償命令の条項も改められている。
答案は試験実施時の法令によるため,これらを用いていない。
3 裁判例
資料3の東京高裁平成18年7月20日判決と大阪高裁平成21年11月27日判決は,問題に掲載された抜粋の文言によって説明した。
本記事は,両判決の判決文の全体を根拠としていない。
答案の第2の2で示した令167条の2第1項2号の解釈は,最高裁昭和62年3月20日第二小法廷判決(昭和57年(行ツ)第74号,民集41巻2号189頁)の考え方に沿うものであり,裁判所HPの裁判例結果詳細で判示事項・裁判要旨を確認した。
同判決は,昭和49年政令第203号による改正前の同項1号(「その性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき」)について,競争入札の方法によることが不可能又は著しく困難とはいえない場合でも,契約の目的・内容に照らし,それに相応する資力,信用,技術,経験等を有する相手方を選定して契約する方法が妥当であり,地方公共団体の利益の増進につながると合理的に判断される場合には同号に当たり,その該当性は,契約の公正及び価格の有利性を図る法令の趣旨を勘案し,契約の種類,内容,性質,目的等諸般の事情を考慮した契約担当者の合理的な裁量判断により決定されるとした。
答案は,同判決を名指しして引用していない。
4 確認状態
問題,出題の趣旨及び採点実感は,第7の1に記した本問の範囲を読んで根拠とした。
公式資料の記載と,本記事の構成の選択・重み付け・補足的な法的分析とは区別している。
法令は第7の2の版で確認したものであり,本記事の分析は,試験実施時の問題の所与と本問の公式資料に基づくもので,現在の個別事件にそのまま適用することを目的とするものではない。