本記事は,令和4年司法試験租税法第1問の模範解答と36項目の評価表を示す。
評価項目と1~5の重みは独自の分析であり,法務省の公式採点基準・配点ではない。
第1 この記事の対象と結論
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 令和4年度 租税法第1問 |
| 問題・基準時 | 問題文と設問の指定及び第7の出典・確認範囲による。問題の与件と指定された法令の時点を前提とする。 |
| 資料 | 出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。 |
| 評価項目 | 36項目(重み5:7項目) |
| 重みの合計 | 141(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。) |
| 答案の字数 | 2090字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数) |
| 判例・法改正の留保 | 第7の法令・裁判例と資料の範囲を参照。既存の確認日・参照頁・未確認部分の留保を引き継ぐ。 |
| 年度別の案内 | 令和4年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成) |
対象は,令和4年司法試験の論文式試験・租税法第1問である。
甲土地の固定資産税はDの事業所得,乙土地の固定資産税はBの不動産所得の必要経費となる。
代償分割についてはP説とQ説を区別し,BとCの取得費の引継ぎを対応させる。
保証履行の特例は,適用条件の当てはめから総所得算入まで計算する。
5はその設問の判断を大きく分ける核心,4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,3は通常押さえる法的処理・事情の評価,2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。
重みは本記事の独自分析であり,法務省の公式配点・予測得点ではない。
第2 評価項目の示し方と重み付けの基準
1 評価項目の示し方
採点上の重要性は右欄の5段階の重みで示す。
注意事項や許容される答案構成は,必要な場合に本文中で説明する。
許容分岐は,採る立場・事実評価に対応する項目を参照する。
設問が複数の立場の検討を求める場合には,その検討を省略しない。
「注意」は誤りを避けるための項目の性質であり,独立した減点ではない。
元の番号・項目数・具体的な適用条件を維持し,同じ理解や誤りを重ねて評価しない。
一つの評価項目に一つの判定対象を置き,出題趣旨と採点実感の所在をPDFの実頁で示す。
表の「間接」は関連記述から本問の計算・条件へ展開した分析であり,「記載なし」は本問と関連総論を読んだ範囲の確認結果である。
取得費の付随費用に関する番号14はその構成を採る場合の高評価事項であり,登記費用を必要経費とする答案へ累積して要求しない。
番号35も保証特例を不適用とする枝に限る。
完成答案は登記費用を必要経費とし,保証特例を適用する構成を採った。
2 5段階の重み付けの基準
5はその設問の判断を大きく分ける核心,4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,3は通常押さえる法的処理・事情の評価,2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。
重みは本記事の独自分析であり,法務省の公式配点・予測得点ではない。
本記事の重み4は「高く評価」と明示された事項だけに限らず,検討要求と誤りの指摘を通じて両資料が取り上げた事項にも付ける。
各項目の具体的な根拠は表の二つの資料欄で確認できる。
重み5を付けた高評価事項や条件付き事項を全答案の必須事項へ格上げしない。
第3 本問の概要
1 問題文と事実関係
AとBは平成20年に甲・乙土地を各1500万円で購入し,月極駐車場として賃貸した。
Aの死亡後,Bは甲土地全部を取得しCに900万円の代償金を支払い,相続登記費用16万円を負担した。
Bは生計を一にする配偶者で税理士のDに甲土地を適正賃料で賃貸した後,平成28年に2000万円でF社へ売却した。
Bはその後F社の取締役となり,H社借入1000万円を連帯保証した。
令和2年に乙土地を2600万円で売却して保証債務を履行したが,F社が債務超過で求償債務を弁済できず求償を断念した。
設問1は固定資産税の扱い,設問2はP・Q両説によるBとCの計算,設問3は保証特例の趣旨・適用関係と課税総所得金額への算入を問う。
租税特別措置法は適用しない。
設問2で判例がP説又はQ説かを説明する必要はなく,設問2⑶でCの課税総所得金額への算入まで説明する必要もない。
2 設問が求めること
| 設問 | 立場・対象 | 指定・仮定・除外 | 答えるべき到達点 |
|---|---|---|---|
| 設問1 | 固定資産税の所得計算上の扱い | 生計を一にする配偶者間の賃貸。 | 56条の経費帰属まで説明する。 |
| 設問2 | P・Q両説のBとCの計算 | 措置法不適用。判例の所属説の説明と⑶の総所得算入は不要。 | 取得費,代償金,登記費用を整合的に処理する。 |
| 設問3 | 保証特例と総所得への算入 | 試験時の法令と指定の計算条件による。 | 特例の趣旨・適用可否と採用枝の算入額を示す。 |
第4 評価項目と重み
1 設問1
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 固定資産税を37条1項後半の業務について生じた費用として位置付ける。 | 3 | 25頁・設問1。業務用土地の固定資産税の必要経費性。 | 10頁・設問1。直接費用とした答案を指摘し,37条の読解を求める。 |
| 2 | 固定資産税は45条1項各号の必要経費不算入項目に該当しないと確認する。 | 2 | 25頁・設問1。45条の不算入項目の確認が望ましい。 | 10頁・設問1。固定資産税を45条1項4号の地方税に含めて必要経費不算入とする誤りを指摘。 |
| 3 | 乙土地の固定資産税をBの不動産所得の必要経費へ算入する。 | 3 | 25頁・設問1。乙土地の固定資産税はBの不動産所得の必要経費。 | 10頁・設問1。乙土地の経費性を37条と45条で説明する水準を示す。 |
| 4 | Dの事業から生計を一にする配偶者Bが賃料を受ける関係へ56条を当てはめる。 | 4 | 25頁・設問1。甲土地には56条が適用される。 | 10頁・設問1。56条への言及不足が多かった。 |
| 5 | 56条により親族対価を支払者Dの必要経費に算入しないとする。 | 4 | 間接:25頁・設問1。事業主から配偶者への対価の扱い。 | 間接:10頁・設問1。56条の読解を求める。 |
| 6 | 56条前段後半によりBの対価対応経費をDの事業所得の必要経費へ移す。 | 5 | 25頁・設問1。甲土地の経費をDの事業所得へ帰属させる。 | 10頁・設問1。前段後半の理解が良好・優秀の水準を分ける。 |
| 7 | B側では甲土地の対価及び対応経費がないものとされることを示す。 | 4 | 間接:25頁・設問1。親族が支出した経費の扱いも56条で規律する。 | 間接:10頁・設問1。前段後半を十分読めなかった答案を指摘。 |
| 8 | 45条1項全体を家事費の規定と取り違えない。 | 2 | 記載なし(本問・関連総論) | 10頁・設問1。45条1項全体を家事費の規定とした誤解を指摘。 |
2 設問2⑴(P説)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 9 | P説の909条本文の遡及効からBがAから甲土地全部を直接相続すると構成する。 | 4 | 25頁・設問2。909条の遡及効からBの単独取得を構成する。 | 10頁・設問2。909条本文のヒントに沿った論理展開。 |
| 10 | P説では代償金900万円をC持分取得の対価とせず取得費へ算入しない。 | 5 | 25頁・設問2。P説では代償金の取得費算入余地がない。 | 10頁・設問2。P説の代償金不算入を導く論理。 |
| 11 | 60条1項1号の課税繰延べの趣旨からAの租税属性の承継を説明する。 | 4 | 25頁・設問2。60条1項1号は課税繰延べの趣旨。 | 10頁・設問2。Aからの租税属性の引継ぎの理解を評価。 |
| 12 | P説の取得費としてAの1500万円全額をBへ引き継ぐ。 | 4 | 25頁・設問2。Aの原価1500万円をBへ全額引き継ぐ。 | 10頁・設問2。租税属性の引継ぎの理解を評価。 |
| 13 | 相続登記費用16万円は必要経費処理なら取得費に入れず,取得付随費用処理なら取得費に入れると一貫させる。(許容分岐) | 4 | 25頁・設問2。登記費用の必要経費処理と取得費処理を許容。 | 11頁・設問2。登記費用の処理の結論だけでは差を付けない。 |
| 14 | 取得費に付随費用を含める構成を採る場合,取得費の範囲を規範から理由付ける。 | 4 | 25頁・設問2。取得付随費用の範囲を判例との関係で検討。 | 11頁・設問2。取得費の画し方を再現した答案を評価。 |
| 15 | 総収入-取得費等を譲渡益,そこから特別控除後を譲渡所得と区別する。 | 4 | 25頁・設問2。譲渡益から特別控除後の譲渡所得を計算する。 | 10頁・設問2。譲渡益と譲渡所得の用語の反転を指摘。 |
| 16 | 特別控除50万円を先に引き,長期譲渡所得の半額を算入する。 | 4 | 25頁・設問2。特別控除後の長期譲渡所得を半額算入。 | 10頁・設問2。先に半額にしてから50万円を引く誤りを指摘。 |
| 17 | Aの取得時期を承継して5年超の長期譲渡所得と判定する。 | 3 | 25頁・設問2。60条の承継と33条の長期譲渡所得。 | 10頁・設問2。33条3項2号・22条2項2号の計算順序。 |
| 18 | 採用した登記費用処理に従い譲渡益500万円・算入225万円又は484万円・217万円まで計算する。 | 5 | 25頁・設問2。P説の算入額は225万円又は217万円。 | 11頁・設問2。33条どおりの計算手順が評価の分かれ目。 |
3 設問2⑵(Q説)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 19 | Q説をCの甲土地2分の1持分のBへの有償譲渡として構成する。 | 4 | 25頁・設問2。Cの2分の1持分の有償譲渡をQ説の基礎とする。 | 11頁・設問2。C持分が代償金を対価にBへ移転する構成。 |
| 20 | BがAから承継する取得費を自己持分の750万円に限定する。 | 4 | 25頁・設問2。BがAから承継する租税属性は半分。 | 11頁・設問2。750万円だけを承継する点がQ説の肝。 |
| 21 | C持分取得対価900万円を自己持分の取得費750万円に加える。 | 5 | 25頁・設問2。代償金の算入をC持分の有償取得で基礎付ける。 | 11頁・設問2。C持分の対価としての移転を説明する。 |
| 22 | Q説で甲土地全部の移転と捉え,又はAの原価全額に代償金を加えて二重控除しない。 | 4 | 25頁・設問2。Aの全原価承継と代償金算入で損失になる不整合。 | 11頁・設問2。甲土地全部が移転したと捉える誤解を指摘。 |
| 23 | Q説でも相続取得部分と有償取得部分の取得時期から全体を長期と判定する。 | 4 | 間接:25頁・設問2。長期譲渡所得の規定をQ説の各取得部分にも適用。 | 記載なし(本問・関連総論) |
| 24 | Q説の一貫した原価から譲渡益350万円・算入150万円,又は登記費用を含め334万円・142万円を計算する。 | 5 | 間接:25頁・設問2。Q説の構成に従う譲渡益等の計算を問う。 | 間接:11頁・設問2。33条の計算手順の正確さを評価。 |
4 設問2⑶(Cの譲渡益)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 25 | P説ではCからBへの甲土地持分譲渡がなく,Cに譲渡益が生じないとする。 | 4 | 25頁・設問2。P説ではB単独取得でCに譲渡益なし。 | 11頁・設問2。P説の処理は多くの答案が完答。 |
| 26 | Q説ではCが相続した持分を代償金900万円を対価としてBへ譲渡したとする。 | 4 | 25頁・設問2。Q説でのみCにも持分の譲渡益が生じる。 | 11頁・設問2。代償金全額を譲渡益とした答案が多かった。 |
| 27 | Cの原価750万円の承継をBのQ説計算と対応させる。 | 4 | 25頁・設問2。Aの含み益をB・Cが半分ずつ承継する構造。 | 11頁・設問2。⑵と⑶で承継の理解が食い違う答案を指摘。 |
| 28 | CのQ説の譲渡益を900万円全額でなく原価控除後の150万円と計算する。 | 4 | 25頁・設問2。Cも持分取得費を承継して譲渡益を算定。 | 11頁・設問2。900万円全額を譲渡益とする誤りを指摘。 |
5 設問3
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 29 | 保証履行・求償不能について64条2項を入口に同条1項の所得不発生へつなぐ。 | 4 | 25頁・設問3。64条2項から1項に準じた所得不発生へ接続。 | 11頁・設問3。64条2項の理解が検討の前提。 |
| 30 | 資産売却所得を実質的に使えない担税力減殺を特例の趣旨として述べる。 | 3 | 間接:26頁・設問3。実質的に所得を使えない担税力減殺を反映する。 | 間接:11頁・設問3。64条2項の理解と当てはめを求める。 |
| 31 | 乙売却とHへの保証履行1000万円の目的・資金の接続を当てはめる。 | 4 | 間接:25頁・設問3。保証債務履行のための資産譲渡。 | 間接:11頁・設問3。特例の事実当てはめができた答案を評価。 |
| 32 | F社の弁済不能とBの求償不能を当てはめる。 | 4 | 間接:25頁・設問3。履行に伴う求償不能部分を扱う特例。 | 間接:11頁・設問3。特例の事実当てはめができた答案を評価。 |
| 33 | 役員の債務不履行予見を重視する不適用論と,法人と役員の判断の区別による適用論を踏まえ,採用枝を説得的に理由付ける。 | 5 | 26頁・設問3。役員の予見を重視する不適用論と判断主体を区別する適用論を許容。 | 11頁・設問3。二つの下級審裁判例の着眼点を再現した答案を評価。 |
| 34 | 64条2項の説明で止めず,長期譲渡所得から課税総所得金額への算入まで計算する。 | 5 | 間接:26頁・設問3。特例の担税力減殺を課税所得計算へ反映。 | 間接:11頁・設問3。特例の説明で止まらず総所得算入を計算することを要求。 |
| 35 | 特例を不適用とする枝を採用した場合,1100万円の譲渡益から50万円控除後の半額525万円を算入する。 | 4 | 間接:26頁・設問3。特例不適用を説得的に論じる構成も許容。 | 間接:11頁・設問3。採用構成から譲渡所得の計算まで進めることを評価。 |
6 答案全体(計算条件)
| 番号 | 評価項目 | 重み | 出題の趣旨 | 採点実感 |
|---|---|---|---|---|
| 36 | 租税特別措置法の分離課税等を適用せず,指定された所得税法の総合課税計算を行う。 | 2 | 25頁・第1問の除外指定。第1問では租税特別措置法を適用しない。 | 記載なし(本問・関連総論) |
7 重みの分布
重み1=0件,重み2=3件,重み3=4件,重み4=22件,重み5=7件。
総項目数N=36,重み合計W=141である。
この合計は単純合計であり,公式得点・難易度・合格可能性や全答案に要求する達成率へ換算しない。
番号6:56条前段後半によりBの対価対応経費をDの事業所得の必要経費へ移す。
親族の対価対応経費を支払者側へ移す56条前段後半が,経費の算入主体を決める。 この設問内の法的役割を理由に5を提案する。
番号10:P説では代償金900万円をC持分取得の対価とせず取得費へ算入しない。
P説で代償金を持分取得対価としないことが,取得費の二重算入を防ぐ。 この設問内の法的役割を理由に5を提案する。
番号18:採用した登記費用処理に従い譲渡益500万円・算入225万円又は484万円・217万円まで計算する。
登記費用の扱いを取得費から算入額まで一貫させることが,P説の具体的計算を閉じる。 この設問内の法的役割を理由に5を提案する。
番号21:C持分取得対価900万円を自己持分の取得費750万円に加える。
Q説では自己持分の承継原価と購入持分の対価を合算する点が,P説と異なる税属性の処理になる。 この設問内の法的役割を理由に5を提案する。
番号24:Q説の一貫した原価から譲渡益350万円・算入150万円,又は登記費用を含め334万円・142万円を計算する。
採用した原価からQ説の算入額へ到達することが,法律構成の違いを課税額へ反映する。 この設問内の法的役割を理由に5を提案する。
番号33:役員の債務不履行予見を重視する不適用論と,法人と役員の判断の区別による適用論を踏まえ,採用枝を説得的に理由付ける。
役員としての予見と法人・役員の判断の区別を比べることが,保証履行特例の適否を分ける。 この設問内の法的役割を理由に5を提案する。
番号34:64条2項の説明で止めず,長期譲渡所得から課税総所得金額への算入まで計算する。
64条の適否から総所得金額への算入まで計算することが,問われた到達点への回答になる。 この設問内の法的役割を理由に5を提案する。
その他の論点
番号11:60条1項1号の課税繰延べの趣旨からAの租税属性の承継を説明する。 この事項は,必要経費の帰属,租税属性の引継ぎ又は所得計算の終点に関わる答案の骨格として重み4を付けた。
番号12:P説の取得費としてAの1500万円全額をBへ引き継ぐ。 この事項は,必要経費の帰属,租税属性の引継ぎ又は所得計算の終点に関わる答案の骨格として重み4を付けた。
番号15:総収入-取得費等を譲渡益,そこから特別控除後を譲渡所得と区別する。 この事項は,必要経費の帰属,租税属性の引継ぎ又は所得計算の終点に関わる答案の骨格として重み4を付けた。
番号16:特別控除50万円を先に引き,長期譲渡所得の半額を算入する。 この事項は,必要経費の帰属,租税属性の引継ぎ又は所得計算の終点に関わる答案の骨格として重み4を付けた。
番号19:Q説をCの甲土地2分の1持分のBへの有償譲渡として構成する。 この事項は,必要経費の帰属,租税属性の引継ぎ又は所得計算の終点に関わる答案の骨格として重み4を付けた。
番号20:BがAから承継する取得費を自己持分の750万円に限定する。 この事項は,必要経費の帰属,租税属性の引継ぎ又は所得計算の終点に関わる答案の骨格として重み4を付けた。
番号27:Cの原価750万円の承継をBのQ説計算と対応させる。 この事項は,必要経費の帰属,租税属性の引継ぎ又は所得計算の終点に関わる答案の骨格として重み4を付けた。
番号29:保証履行・求償不能について64条2項を入口に同条1項の所得不発生へつなぐ。 この事項は,必要経費の帰属,租税属性の引継ぎ又は所得計算の終点に関わる答案の骨格として重み4を付けた。
第5 模範解答
1 答案の前提と表記
令和4年5月11日の試験を基準とし,設問が指定した各課税年の事実に即して論じる。
租税特別措置法は用いない。
採用構成は,相続登記費用を不動産所得の必要経費とする処理及び保証債務履行の特例の適用である。
本文は改行を除いて2102字である。
2 答案
第1 設問1
1 土地を更地のまま駐車場として賃貸することによる所得は不動産所得である(所得税法26条1項)。
固定資産税はその賃貸業務について生じた費用であり,37条1項後半の業務について生じた費用として必要経費に算入される(26条2項)。
固定資産税は45条1項4号の住民税ではなく,家事費等の同項各号にも該当しない。
したがって,第三者に賃貸している乙土地の固定資産税はBの不動産所得の必要経費となる。
2 甲土地はDの税理士事業に用いられ,Bは生計を一にする配偶者Dから賃料を受け取っている。
56条は,所得分散による税負担軽減を防止するため,生計を一にする親族への対価を支払者の必要経費とせず,受領親族の対価に係る必要経費を支払者の必要経費へ移す。
独立した賃貸業務による適正賃料であっても「その他の事由」に含まれる。
Dの賃料はDの事業所得の必要経費とならず,Bにおいても賃料収入及び対応する必要経費はないものとされる。
同条により,甲土地の固定資産税はDの事業所得の必要経費に算入され,Bの必要経費には算入されない。
第2 設問2
1 共通の前提
甲土地の売却は営利を目的とする継続的売買ではなく,譲渡所得に当たる(33条1項・2項1号)。
譲渡益は売却収入から取得費及び譲渡費用を控除して算出する(同条3項,38条1項)。
甲土地は相続時から賃貸業務に用いられており,相続登記費用16万円は不動産所得の必要経費とするから,取得費に重ねて算入しない。
他の譲渡や譲渡費用は示されていない。
2 ⑴P説
民法909条本文に従い遺産分割の効果が相続開始時に遡るとすれば,Bは甲土地全部をAから直接相続したこととなる。
単純承認であるから,60条1項1号は,相続の時点で含み益への課税を繰り延べ,相続人の後の譲渡時に清算する趣旨である。
そのためAの取得費1500万円と取得時期を引き継ぐ。
代償金900万円は他の相続人の持分を購入した対価ではなく,分割に伴う負担であり取得費には含まれない。
したがって譲渡益は2000万円-1500万円=500万円となる。
Aが取得した平成20年1月1日から売却まで5年を超えるので,33条3項2号の長期譲渡所得となる。
50万円の特別控除後の450万円の2分の1である225万円が総所得金額に算入され,課税総所得金額の計算に反映される(同条4項,22条2項2号)。
3 ⑵Q説
遡及効による構成を採らず,Bが自己の法定相続分を相続し,Cの2分の1持分を900万円で有償取得したと捉える。
Bの相続取得部分はAの取得費の半額750万円を承継し,有償取得部分の取得費は900万円となる。
全取得費は1650万円であり,譲渡益は2000万円-1650万円=350万円となる。
相続取得部分はAの平成20年の取得時期を引き継ぎ,Cからの取得部分も平成22年4月1日から売却まで5年を超える。
全体が長期譲渡所得となり,特別控除後300万円の2分の1,150万円が総所得金額に算入され,課税総所得金額の計算に反映される。
4 ⑶Cの譲渡益
P説では,CからBへの甲土地持分の譲渡はなく,代償金は遺産分割によって取得した相続財産として扱われる。
相続による所得は非課税であり(9条1項17号),Cに甲土地の譲渡益は生じない。
Q説では,Cは相続した2分の1持分を900万円でBに譲渡したこととなる。
取得費は60条1項1号によりAの取得費の半額750万円を承継するので,譲渡益は900万円-750万円=150万円となる。
第3 設問3
1 乙土地の取得費は1500万円であり,通常は譲渡益が2600万円-1500万円=1100万円,特別控除後の長期譲渡所得が1050万円となる。
2 しかし,64条2項は,保証債務履行のための資産譲渡により取得した求償権を行使できなくなった場合,その金額を同条1項の回収不能額とみなして,対応する所得をなかったものとする。
売却代金が保証債務履行に消え,求償もできなければ実質的な担税力が失われるためである。
必要経費に算入される金額は除かれ,単なる任意の求償放棄では足りない。
Bは乙土地の売却代金でH社への連帯保証債務1000万円を履行し,F社は債務超過により求償債務の弁済が不可能である。
確かに,Bは経営状態の悪化したF社の取締役となった後に保証し,債務不履行を予見できたとして,救済を否定する見解が考えられる。
しかし,同項の要件は保証履行と求償不能であり,法人であるF社の判断とB個人の判断は同一視できない。
役員であることだけから保証を実質的な贈与と評価することはできず,保証時に求償不能が確実だったとの事実も示されていない。
したがって,予見可能性を理由に当然に適用を排除するべきではない。
BがF社の取締役であることだけで,求償損失をBの事業所得の必要経費とはできない。
よって同項が適用され,1000万円に対応する所得をなかったものとする。
3 残る長期譲渡所得は1050万円-1000万円=50万円であり,その2分の1の25万円が総所得金額に算入され,課税総所得金額の計算に反映される(22条2項2号)。
以上
3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説
評価項目と答案の対応表
評価項目の番号と答案の参照箇所を示す。
各番号の重み・具体的な適用条件は評価表に従い,採用しない別構成を一律に要求しない。
| 番号 | 重み | 評価項目 | 答案の該当箇所・留保 |
|---|---|---|---|
| 1 | 3 | 固定資産税を37条1項後半の業務について生じた費用として位置付ける。 | 答案第1 |
| 2 | 2 | 固定資産税は45条1項各号の必要経費不算入項目に該当しないと確認する。 | 答案第1 |
| 3 | 3 | 乙土地の固定資産税をBの不動産所得の必要経費へ算入する。 | 答案第1 |
| 4 | 4 | Dの事業から生計を一にする配偶者Bが賃料を受ける関係へ56条を当てはめる。 | 答案第1 |
| 5 | 4 | 56条により親族対価を支払者Dの必要経費に算入しないとする。 | 答案第1 |
| 6 | 5 | 56条前段後半によりBの対価対応経費をDの事業所得の必要経費へ移す。 | 答案第1 |
| 7 | 4 | B側では甲土地の対価及び対応経費がないものとされることを示す。 | 答案第1 |
| 9 | 4 | P説の909条本文の遡及効からBがAから甲土地全部を直接相続すると構成する。 | 答案第2の2 |
| 10 | 5 | P説では代償金900万円をC持分取得の対価とせず取得費へ算入しない。 | 答案第2の2 |
| 11 | 4 | 60条1項1号の課税繰延べの趣旨からAの租税属性の承継を説明する。 | 答案第2の2 |
| 12 | 4 | P説の取得費としてAの1500万円全額をBへ引き継ぐ。 | 答案第2の2 |
| 13 | 4 | 相続登記費用16万円は必要経費処理なら取得費に入れず,取得付随費用処理なら取得費に入れると一貫させる。(許容分岐) | 答案第2の2。登記費用の処理は採用した見解と一貫させる。 |
| 15 | 4 | 総収入-取得費等を譲渡益,そこから特別控除後を譲渡所得と区別する。 | 答案第2の2 |
| 16 | 4 | 特別控除50万円を先に引き,長期譲渡所得の半額を算入する。 | 答案第2の2 |
| 17 | 3 | Aの取得時期を承継して5年超の長期譲渡所得と判定する。 | 答案第2の2 |
| 18 | 5 | 採用した登記費用処理に従い譲渡益500万円・算入225万円又は484万円・217万円まで計算する。 | 答案第2の2 |
| 19 | 4 | Q説をCの甲土地2分の1持分のBへの有償譲渡として構成する。 | 答案第2の3 |
| 20 | 4 | BがAから承継する取得費を自己持分の750万円に限定する。 | 答案第2の3 |
| 21 | 5 | C持分取得対価900万円を自己持分の取得費750万円に加える。 | 答案第2の3 |
| 22 | 4 | Q説で甲土地全部の移転と捉え,又はAの原価全額に代償金を加えて二重控除しない。 | 答案第2の3 |
| 24 | 5 | Q説の一貫した原価から譲渡益350万円・算入150万円,又は登記費用を含め334万円・142万円を計算する。 | 答案第2の3 |
| 25 | 4 | P説ではCからBへの甲土地持分譲渡がなく,Cに譲渡益が生じないとする。 | 答案第2の4 |
| 26 | 4 | Q説ではCが相続した持分を代償金900万円を対価としてBへ譲渡したとする。 | 答案第2の4 |
| 27 | 4 | Cの原価750万円の承継をBのQ説計算と対応させる。 | 答案第2の4 |
| 28 | 4 | CのQ説の譲渡益を900万円全額でなく原価控除後の150万円と計算する。 | 答案第2の4 |
| 29 | 4 | 保証履行・求償不能について64条2項を入口に同条1項の所得不発生へつなぐ。 | 答案第3 |
| 30 | 3 | 資産売却所得を実質的に使えない担税力減殺を特例の趣旨として述べる。 | 答案第3 |
| 31 | 4 | 乙売却とHへの保証履行1000万円の目的・資金の接続を当てはめる。 | 答案第3 |
| 32 | 4 | F社の弁済不能とBの求償不能を当てはめる。 | 答案第3 |
| 33 | 5 | 役員の債務不履行予見を重視する不適用論と,法人と役員の判断の区別による適用論を踏まえ,採用枝を説得的に理由付ける。 | 答案第3。条件・構成の選択は評価項目欄及び従来の解説による。別構成を累積要求しない。 |
| 34 | 5 | 64条2項の説明で止めず,長期譲渡所得から課税総所得金額への算入まで計算する。 | 答案第3 |
| 35 | 4 | 特例を不適用とする枝を採用した場合,1100万円の譲渡益から50万円控除後の半額525万円を算入する。 | 第5の3(別構成の扱い)。答案第3。保証特例を不適用とする場合の枝。本答案は非採用。 |
(1) 答案と評価項目の対応
設問1は番号1~8,P説は9~18,Q説は19~24,Cの譲渡益は25~28,保証特例は29~35,措置法の不適用は36に対応する。
負例については誤った記載を避けることを確認する。
別構成の項目14及び35は枠内答案の累積要求ではない。
(2) 固定資産税と56条の帰属
56条でDの賃料を必要経費にしないことだけを述べて止めると,Bが負担した固定資産税の処理が残る。
前段後半によりDの事業所得の必要経費へ移すところまで説明することが番号6の中核である。
45条1項4号は住民税を列挙する規定であり,固定資産税を地方税一般として不算入にしてはならない。
同条1項全体を家事費の規定と読む誤りも避ける。
(3) 代償分割の二つの構成と登記費用
P説はB単独でAの取得費1500万円と含み益を引き継ぐ。
Q説はBとCが半分ずつ租税属性を承継し,C持分の譲渡によってBは900万円の新たな原価を取得する。
この構成を保てば,Bの原価は750万円+900万円であり,Cの譲渡益も900万円-750万円=150万円となる。
代償金の算入の可否だけを暗記して,Q説で1500万円全額を引き継いでしまうと構成が破綻する。
公式資料は,相続登記費用16万円を必要経費とする処理と,取得時の付随費用として取得費に含める処理の両方を許容する。
後者ならP説は取得費1516万円,譲渡益484万円,特別控除後434万円,算入217万円となる。
Q説では取得費1666万円,譲渡益334万円,特別控除後284万円,算入142万円となる。
後者のQ説数値は公式が明示した数値ではなく,その構成からの独自計算である。
取得付随費用の構成を採る場合の番号14は,取得対価のほか通常必要な取得付随費用を含む取得費の範囲を理由付ける高評価事項である。
公式が挙げるゴルフ会員権贈与事件及び支払利子付随費用事件の原文を確認したとの意味ではない。
費用処理の前提をそろえ,一つの支出を必要経費と取得費へ重ねて入れないことが必要である。
(4) 保証特例の適用論と不適用論
公式趣旨は,役員の債務不履行の予見を重視して救済を否定する構成と,F社とBの判断を同一視せず特例を認める構成を,説得的に論じればどちらも許容する。
番号33の評価対象は役員であるという事実の規範的意味を理由付けることであり,結論を一つに固定することではない。
本答案は適用説を採り,譲渡益1100万円,特別控除後1050万円から求償不能1000万円に対応する所得を除き,残る50万円の半額25万円を算入する。
不適用説を採る場合は,1050万円の半額525万円まで計算する。
特例の説明で止めず総所得算入の終点まで進めることが番号34の要求である。
(5) 答案の弱点と扱わなかった事項
枠内答案は登記費用の取得費算入説を併記せず,採用した必要経費処理を一貫させている。
設問2⑶は譲渡益150万円までで足りるため,Cの課税総所得算入を付け加えない。
補足(公式に記載なし)として,64条3項の申告記載・添付や同条2項の必要経費算入額の除外を法文に即して確認した。
申告記載・添付は特例の手続条件であるが,本問の計算と趣旨を圧迫しないよう枠外の補足とする。
本問は租税特別措置法を適用しないという出題条件であり,土地の売却について50万円を控除し,長期譲渡所得の2分の1を総所得金額に算入している。
実際の土地・建物の売却では,分離課税の規定と適用できる特例を確認する必要がある。
また,P説・Q説の比較や登記費用の二つの答案処理が許容されることは,実務の申告で納税者が自由に選べることを意味しない。
実務上の取得費と経費の処理は,相続した不動産を売却したときの譲渡所得で説明している。
第6 関連記事
1 同じ年度の司法試験の別の模範解答
①令和4年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答と評価項目(AI作成)
②令和4年度司法試験民事系第3問の模範解答と評価項目(AI作成)
③令和4年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)
④令和4年司法試験租税法第2問の模範解答と評価項目(AI作成)
⑤令和4年司法試験倒産法第1問の模範解答と評価項目(AI作成)
2 同じ科目の別の年度の記事
- ①令和7年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した33項目と5段階の重み付け(AI作成)
- ②令和6年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した56項目と5段階の重み付け(AI作成)
- ③令和5年度司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した30項目と5段階の重み付け(AI作成)
- ④令和3年司法試験租税法第1問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した31項目と5段階の重み付け(AI作成)
3 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事
①遺産分割における代償分割―代償金・支払能力・分割払・税務(AI作成)
②相続した不動産を売却したときの譲渡所得―取得費・特例・遺産分割(AI作成)
③親族間で土地を使わせる場合の課税―使用貸借と相当の地代(AI作成)
④保証債務を履行するために資産を譲渡した場合の課税特例(AI作成)
⑤開業届・青色申告承認申請書・青色事業専従者給与届―違いと期限(AI作成)
関連記事は実務上の視点を広げるための案内であり,本問の答案の法的根拠とは区別する。
第7 出典及び確認状態
1 公式資料
①法務省・令和4年司法試験選択科目の問題:全50頁のうち租税法第1問の8~9頁。
②法務省・令和4年司法試験論文式試験問題出題の趣旨:全44頁のうち24頁末~26頁第2問の直前。
③法務省・令和4年司法試験の採点実感(選択科目):全50頁のうち10~11頁の第1問及び13~15頁の関連総論。
④法務省・令和4年司法試験実施日程:選択科目は令和4年5月11日。
2 法令
①e-Gov・所得税法(令和4年4月1日施行版):本則9・22・26・33・37・38・45・56・60・64条を確認した。
②e-Gov・所得税法施行令(令和4年5月1日施行版):本則180条。
③e-Gov・民法(試験当時版):本則909条の遡及効と第三者保護の但書を確認した。
④国税庁・令和2年12月1日資産課税課情報:PDF41頁(紙面37頁)の通達60-2。
⑤国税庁・保証債務の特例における求償権の行使不能に係る税務上の取扱いについて:平成14年の照会回答。
3 裁判例
公式資料が挙げる裁判例は,弁護士夫婦事件(最判平成16年11月2日),代償分割(最判平成6年9月13日),ゴルフ会員権贈与事件(最判平成17年2月1日),支払利子付随費用事件(最判平成4年7月14日),札幌高判平成6年1月27日,さいたま地判平成16年4月14日である。
本記事ではこれらの公式資料上の説明と判決原文の独立確認を分けている。
大阪地裁平成29年3月15日判決・税務訴訟資料12995はPDF12~13頁の登録免許税等と業務の関連性を独立確認した。
これは本問の登記費用16万円を直接判断した判決ではない。
最高裁平成16年11月2日判決は,裁判所公表PDFの理由1(実頁1~2頁)を追加確認した。
同判決は,生計を一にする親族が別に事業を営むことだけでは所得税法56条の適用を否定できないとし,対応する必要経費の支払者側への算入も説明している。
4 確認状態
| 資料 | 状態 | 確認範囲・留保 |
|---|---|---|
| 問題 | 実読済み | 原記事の資料記録に基づく。今回,新たな公式資料の閲覧はしていない。 |
| 出題の趣旨 | 実読済み | 原記事の確認記録に基づく。対象の版・頁・関連範囲は原記事から保持した記録による。 |
| 採点実感 | 実読済み | 原記事の確認記録に基づく。関連範囲,資料間の相違と未確認部分の留保は原記事から保持した記録による。 |
公式第1問の関連本文と前記の法令・行政資料・大阪地裁判決の該当部分を確認した。
弁護士夫婦事件については,最高裁平成16年11月2日判決の前記の範囲も確認した。
公式が挙げるそれ以外の裁判例は,判決原文へ独立に到達できておらず,公式資料が述べる内容として示した。
未到達を裁判例の不存在とは扱っていない。
数値計算・評価単位・重みは本記事の独自分析である。