第1 本記事の対象と結論
1 本記事の対象
本記事は,被疑者が飲み込んだ証拠物を,捜査機関が令状に基づいて体内から強制的に取り出すことがどこまで許されるかを,東京高等裁判所令和3年10月29日判決(令和2年(う)第806号,判例秘書の判例番号 L07620534)を中心に整理するものである。
同判決は,被疑者の肛門から大腸内視鏡を挿入して体腔内からマイクロSDカードを取り出した捜査手続に重大な違法があるとして,マイクロSDカード等の証拠能力を否定した第一審の判断を是認し,検察官の控訴を棄却した。
判決の内容は,判例秘書に収録された判決文を読んで確認した。
法令は,令和8年9月27日現在の条文をe-Gov法令検索で確認した。
尿,血液,毛髪又は飲み込んだ物を採取するための令状の組合せと条件の記載例は,強制採尿・強制採血・毛髪採取の令状-令状の組合せ,条件の記載及び最高裁の判断で整理している。
本記事は,令状の組合せがそろっていても,その発付と実施が違法とされた事例を扱う。
2 結論
①最高裁昭和55年10月23日第一小法廷決定は,強制採尿について,犯罪の捜査上真にやむをえないと認められる場合には,最終的手段として許されるとした。
②東京高裁は,同決定は強制採尿の特質に照らした判示をしたものと解されるとした上で,内視鏡による異物の強制採取は強制採尿よりも相当強度の身体への侵襲であり,強制採尿の場合よりも高度の捜査上の必要性がなければ許されないとした。
③同判決の事案では,マイクロSDカードと強く関連するのが住居侵入の点であり,住居侵入罪は罪名自体から高度の捜査上の必要性が推認される犯罪とはいえないこと,マイクロSDカードに動画が保存されているかが不明であったこと,検察官が他の証拠で既に起訴していたこと,下剤による排せつを待っても大きな変質を来すとはいえないこと等から,高度の捜査上の必要性は認められなかった。
④令状請求の疎明資料には,内視鏡による手技の具体的な内容,偶発症や鎮静剤の投与のリスク,それまでに服用させた下剤の内容等が示されておらず,令状は実質的な審査を欠いたまま発付されたとされた。
⑤その結果,強制処分には重大な違法があるとして,マイクロSDカードとこれと密接に関連する証拠の証拠能力が否定された。
第2 事案の概要
1 起訴された事実
被告人は,4件の住居侵入と1件の傷害の事実で起訴された。
問題となった強制処分の被疑事実は,そのうち平成30年10月18日の住居侵入(第4事件)と傷害(第5事件)であった。
以下,本節の月日は,いずれも平成30年である。
2 マイクロSDカードの嚥下と下剤の服用
被告人は,10月18日,民家の敷地内に侵入し,入浴中の家人に気付かれて逃走し,追跡してきた家人の長男を殴るなどして負傷させ,現行犯逮捕された。
被告人が所持していたビデオカメラは,マイクロSDカードに映像が記録されるように設定されていたが,カードは挿入されておらず,現場や逮捕場所の付近を捜索しても発見できなかったため,警察官は被告人が飲み込んだことを疑った。
警察官は,10月19日,被告人の体腔内の検査及び体腔内の異物の採取をするため,捜索差押許可状,身体検査令状及び鑑定処分許可状の発付を受けた。
翌20日のCT検査では,被告人の大腸の下行結腸にマイクロSDカード様の異物が認められた。
警察官は,10月21日,被告人に下剤を服用させて異物を排せつさせるため,身体検査令状及び鑑定処分許可状の発付を受け,同月22日以降,医師から処方された下剤を被告人に服用させたが,異物は排せつされなかった。
11月2日のCT検査では,異物は盲腸部分に確認された。
検察官は,11月8日,第4事件と第5事件で被告人を起訴した。
3 内視鏡による取出し
医師は,11月2日のCT検査以降19日間,異物がほぼ移動していないことから,肛門から内視鏡を挿入して異物を取り出すことを警察官に示唆した。
警察官は,これまで例がないので許されるか疑問に感じたが,警察内部や担当検察官と相談した上で,内視鏡による強制採取を行うこととした。
警察官は,11月26日,捜索差押許可状,鑑定処分許可状及び身体検査令状の発付を受けた。
捜索差押許可状には,体腔内の検査及び異物の採取は医師をして医学的に相当と認められる方法により行わせなければならない旨と,必要があるときは被告人を病院まで連行することができる旨の条件が付されていた。
医師は,前処置として,11月27日と28日に,それぞれ下剤であるビジクリア配合錠50錠を被告人に服用させた。
この下剤を再度使用するには7日の間隔を空ける必要があり,医師は,自らの処方がこれに反するものであったことを自認している。
11月28日,医師は鎮静剤を投与して被告人を半覚醒状態にし,内視鏡の管を肛門から80センチメートルほど挿入して,回盲弁に引っかかっていた異物を鉗子で引き出して回収した。
異物は長辺約1.5センチメートル,短辺約1.0センチメートルのマイクロSDカードであり,捜索差押許可状に基づいて差し押さえられた。
立ち会った警察官は,被告人が内視鏡による異物の採取を拒否する姿勢を崩さず,鎮静剤の使用もおかしい,弁護人を呼んでほしいと訴えていたこと,指示された体勢をとろうとせず,警察官から太ももを押さえられることがあったこと,内視鏡を挿入された後も,医師から話さないように注意されても従わずにしゃべり続けたこと等を証言しており,控訴審はこれらの事実関係を認めている。
4 第一審の判断
第一審は,内視鏡による異物の採取は実質的な審査や要件を欠く令状により実施されたもので重大な違法があり,マイクロSDカードを証拠として許容することはできないとした上で,その動画データに基づく写真撮影報告書や派生証拠とされた供述証拠等の証拠調べ請求を却下した。
第一審判決は,第1事件ないし第3事件(いずれも住居侵入)について犯罪の証明がないとして無罪を言い渡し,第4事件と第5事件について懲役1年6月,3年間執行猶予とした。
検察官は,訴訟手続の法令違反を理由に控訴した。
第3 昭和55年決定の射程
1 強制採尿について示された要件
最高裁昭和55年10月23日第一小法廷決定は,強制採尿について,「被疑事件の重大性、嫌疑の存在、当該証拠の重要性とその取得の必要性、適当な代替手段の不存在等の事情に照らし、犯罪の捜査上真にやむをえないと認められる場合には、最終的手段として、適切な法律上の手続を経てこれを行うことも許されてしかるべき」であるとした。
同決定は,カテーテルを尿道に挿入して尿を採取する方法について,医師等これに習熟した技能者によって適切に行われる限り,身体上ないし健康上格別の障害をもたらす危険性は比較的乏しいとしていた。
2 強制採尿とは異なる手法の扱い
第一審は,昭和55年決定は強制採尿の特質に照らして許されると判示したにすぎないとみるべきであり,強制採尿と異なる方法での体腔内の異物の捜索の可否が問題となる場合には,個々の手法が身体の安全等に及ぼす影響,屈辱感,精神的打撃等の程度なども踏まえ慎重な検討を要するとした。
東京高裁も,「昭和55年決定は強制採尿の特質に照らした判示をしたものと解される」とした。
その上で,東京高裁は,内視鏡による異物の強制採取は強制採尿よりも相当強度の身体への侵襲であるとし,これを強制処分として行うことができる場合があるとしても,身体への侵襲の程度等を十分踏まえた上で,昭和55年決定の諸事情に照らして,当該事案の具体的状況の下で,犯罪の捜査上真にやむを得ないと認められる場合でなければ許されないとした。
同判決は,この場合を「高度の捜査上の必要性」と呼び,「程度としては強制採尿の場合よりも高度のものが求められるというべきである」とした。
検察官は,第一審が昭和55年決定の基準を合理的理由もなく加重したと主張したが,東京高裁はこの主張を退けた。
第4 内視鏡による強制採取の侵襲の程度
1 偶発症のリスク
東京高裁は,同意を得て医療行為として実施する大腸内視鏡検査や,その際の鎮静剤の投与による偶発症のリスクは一般的には極めて低いといえるとしつつ,それでも生命に関わる重篤な事態が生じるリスク自体はあるとした。
また,医療行為としてのデータは基本的に本人の同意に基づいて行われる場合のものであり,本人の意思に反して強制的に実施した場合のリスクを適切に見定めることのできるデータは存在しないとした。
検察官は,鎮静剤を投与して半覚醒状態にすれば安全に手技を進めることができると主張した。
しかし,東京高裁は,医療行為としての大腸内視鏡検査は,問診,前処置,体勢の保持等について対象者の協力が前提とされており,対象者が同意していない場合には,暴れることだけでなく,適切な情報提供がされないことや必要な指示に従わないこと等の様々なリスクを想定できるとした。
本件でも,前記第2の3のとおり,被告人は採取を拒否する姿勢を崩さず,医師から話さないように注意されても従わなかったと認められている。
2 精神的打撃と前処置の負担
東京高裁は,内視鏡の管を肛門から約80センチメートルも挿入し,その状態が相当時間続くことから,精神的打撃の程度は一般的には強制採尿よりも大きいとした。
さらに,前処置としての相当量の下剤の服用による複数回の排せつや絶食も,相当程度の身体的苦痛を与えるものであり,その屈辱感も看過できないとした。
その際,同判決は,「そもそも,意思に反して下剤を服用させること自体,裁判官の発付する令状なくして行うことは許されない。」と述べている。
また,同判決は,意思に反して鎮静剤で意識レベルを低下させた上,身体の内奥部を対象者が詳細を把握できないうちに探索することについても,対象者の人格的利益に対する重大な侵害とみる余地があるとした。
第5 高度の捜査上の必要性の検討
1 被疑事件の重大性
東京高裁は,被疑事実が住居侵入であることから直ちに軽微な事案ということにはならないとしつつ,住居侵入罪は,その法定刑に照らせば刑罰規定全体の中で重罪とは位置付けられておらず,罪名自体から高度の捜査上の必要性が推認される犯罪とはいえないとした。
検察官は,住居侵入罪よりも法定刑が軽かった時期の酒気帯び運転罪についても,強制採血が実務上古くから定着していると主張したが,同判決は,強制採血は内視鏡による異物の強制採取と比較して身体への侵襲の程度がはるかに軽微であるとして,この主張を退けた。
2 証拠の重要性と取得の必要性
東京高裁は,マイクロSDカードに盗撮の映像データが残っていれば,第4事件の犯人性や侵入目的を推認させる証明力の強い証拠となり得たことは認めた。
しかし,強制採取の時点では,映像データの保存の有無や内容は不明であり,第4事件の際の映像データが残されている可能性が存在したにとどまるとした。
また,検察官は,マイクロSDカードの採取・分析に先立って第4事件と第5事件を起訴しており,追跡した長男の供述等により,被告人が第4事件の犯行に及んだことについて直接証拠に準じる強い推認力を有する間接証拠が存在していたとした。
同判決は,覚醒剤の自己使用の事案では,強制採尿で取得した尿から覚醒剤成分が検出されれば一定期間内の摂取が明らかになることと比較して,本件のマイクロSDカードが事案の解明に役立つ可能性の程度は限定的であったとした。
さらに,覚醒剤成分は早期に尿を取得しなければ検出されなくなるのに対し,マイクロSDカードは排出を待つことで大きな変質を来すことは考えられない点でも事情が異なるとしている。
3 代替手段,罪証隠滅及び医療上の必要
検察官は,度重なる下剤の投与でも排出されず,下剤の投与を更に繰り返すことは相当でない状況に至っていたと主張した。
東京高裁は,そもそも内視鏡による強制採取によってマイクロSDカードを取得する高度の必要性は認められないから,この主張は前提を欠くとした。
第一審も,約1か月間にわたり下剤を服用させ続けながら,被告人の体調等への不利益を特段考慮したことはうかがえないのに,強制採取を許容する事情としてその点を援用するのは背理であるとしていた。
検察官は,異物が大腸から盲腸へ移動していたことから,被告人が一度排せつしたカードを再び飲み込んだとして,罪証隠滅を防止するため速やかに押収する必要があったとも主張した。
東京高裁は,その可能性は否定できないとしつつ,排せつしたのであれば損壊することが実効的な罪証隠滅行為であり,再度飲み込むことは不合理であるから可能性の程度は慎重に考える必要があるとし,再度飲み込んだとしても証拠としての重要性が増すものではないとした。
医療上の必要性についても,同判決は,被告人は盲腸の圧痛等を訴えておらず,緊急にマイクロSDカードを取り出さなければならない健康上の問題や体調不良が具体的に生じていたものではないとした。
第6 令状審査の実質
1 令状審査で検討すべき事項
東京高裁は,担当裁判官が令状の発付に当たり検討が必要な重要事項を検討していないと認められる場合は,実質的な令状審査を経ていないと評価されることがあるとした。
その上で,内視鏡による異物の強制採取の令状審査では,少なくとも,偶発症の発生のリスク,起こり得る偶発症の程度,身体への侵襲の内容及び程度並びに精神的打撃の程度等を検討し,さらに高度の捜査上の必要性を検討する必要があるとした。
同判決は,実務の蓄積のある強制採尿令状の請求では特段の疎明が必要とされない事項でも,前例のない内視鏡による異物の強制採取では,その重要性によっては具体的な資料に基づく疎明と検討が必要になるとした。
また,強制採尿では尿の鑑定書が決定的な証拠となることが明らかであるのに対し,本件ではマイクロSDカードに保存されている可能性がある映像データの重要性が一義的に明らかとはいえず,令状請求の時点までに収集されていた他の証拠を併せた具体的な検討が必要であったとした。
2 本件の疎明で欠けていた事項
同判決は,令状請求の疎明資料には,被告人が痛みで暴れたときに腸管穿孔等のリスクがあることは示されていたものの,次の事項については,具体的な資料に基づく疎明又は実質的な検討が欠けていたとした。
①内視鏡の挿入自体により腸管等に損傷を与えるリスク
②内視鏡の形状
③手技に要する時間
④鎮静剤等を投与することのリスク
⑤被告人が同意していないことによるリスクとその対処方法
⑥それまでにどのような下剤をどの程度服用させ,被告人がどのような身体的な状態を呈したか
⑦証拠の重要性とその取得の必要性
同判決は,被告人の意思に反して下剤を服用させる場合には,別途,令状(鑑定処分許可状)の発付を受ける必要があるとした。
その上で,被告人は10月26日以降,医師の処方に基づいて継続的に下剤を服用していたが,その際に鑑定処分許可状の発付を受けておらず,捜査官の疎明がなければ担当裁判官はそのような処方がされていたことを認識できなかったとした。
疎明資料の報告書は,鎮静剤の薬効として被告人を「眠らせる」と記載していたが,同判決は,これを担当裁判官に誤解を与える不正確な表現であるとし,「鎮静剤」を「鎮痛剤」と記載している箇所も複数存在するとした。
担当裁判官も,捜査官に事実関係を確認して疎明資料の追加を求めることなどをしていなかった。
東京高裁は,令状は,強制処分として許容できるかに関する疎明資料がなく,実質的な審査を欠いているとした第一審の判断に誤りはないとした。
第7 証拠能力の判断
検察官は,違法収集証拠として証拠能力を否定すべき重大な違法とは,無令状での強制処分又はそれと同視し得る程度の強制処分が意図的又は組織的に行われた場合などかなり程度の高いものをいい,本件では令状発付に必要な疎明資料が十分に提供され,虚偽の記載等もなかったと主張した。
東京高裁は,捜査官が意図的に担当裁判官の判断を誤らせたとはいえないとしても,内視鏡による異物の強制採取が強制採尿とは質的に異なる身体への強度の侵襲であることや令状審査の重要性に照らすと,本件強制処分の違法は重大であるとした。
検察官は,慎重な令状審査を行う責務は担当裁判官にあるから,令状審査の不十分を捜査機関の将来の違法捜査の抑止の問題とするのは筋違いであるとも主張した。
東京高裁は,警察官においても,内視鏡による異物の強制採取の特質や前例がないことに思いを致せば,より慎重な検討を行い,丁寧な疎明に努めるべきであったとした。
また,請求した警察官が,マイクロSDカードを採取する案件は起訴前から継続しているので途中でやめるわけにはいかなかった旨証言していることにも照らし,慎重な検討がされず,下剤の投与が重ねられた被告人の肉体的・精神的負担等も考慮されていなかったことが強くうかがわれるとした。
その上で,将来の違法捜査の抑止という観点からも,マイクロSDカードと,その違法を直接承継し又はこれと密接に関連する証拠を証拠として許容することはできないとして,刑事訴訟法396条により控訴を棄却した。
第8 令状の組合せとの関係
第一審は,仮に異物を採取することが犯罪捜査上真にやむを得ないと認められる場合には,体腔内の異物を強制的に捜索して差し押さえるのは性質上捜索差押えに当たり,身体への強度の侵襲を伴うこと等から,医師により相当な方法によることを条件とする捜索差押許可状と鑑定処分許可状の発付を要するとし,本件では形式的にはこれらの令状の発付を受けたとみることができるとした。
第一審は,身体検査令状の要否には立ち入っていない。
鑑定の嘱託を受けた者は,裁判官の許可を受けて,身体を検査する等の処分をすることができる(刑事訴訟法225条1項・168条1項)。
もっとも,身体の検査を拒む者について,そのまま身体の検査を行うことができるとする同法139条は,捜査機関がする検証には準用されている(同法222条1項)が,鑑定人の身体の検査には準用されていない(同法225条4項・168条6項)。
同判決の事案では,捜索差押許可状,鑑定処分許可状及び身体検査令状の3通がそろっていた。
それでも,高度の捜査上の必要性を欠き,強制処分として許容できるかの実質的な審査を欠いていたとして違法とされた点に,同判決の特徴がある。
1 CT撮影による所在確認との区別
CT検査で身体内部を撮影し,異物の有無及び位置を確認する処分は,内視鏡を挿入して異物を把持し,身体外へ取り出す処分とは異なる。
CT撮影だけを行う場合は,身体検査令状を基本に,医師へ専門的な読影・判断を嘱託するなら鑑定処分許可状を検討し,異物の取出し及び押収へ進む段階では捜索差押許可状等を別途確認する。
詳しくは,体内異物を確認するCT検査の令状―身体検査令状・鑑定処分許可状・捜索差押許可状(AI作成)で整理している。
第9 刑事弁護で確かめる事項
同判決が検討した事項に照らすと,体内の異物を強制的に取り出す捜査が行われた事件では,次の事項を確かめることになる。
①令状請求の際に提出された疎明資料に,手技の具体的な内容,使用する器具,所要時間,偶発症や鎮静剤のリスクが示されていたか
②それまでに下剤を服用させていた場合,その根拠となる令状があったか,下剤の種類,量,回数及び被疑者の体調
③被疑事件の法定刑と,他の証拠の収集状況及び起訴の時期
④取り出そうとした物に保存された情報や証拠価値について,令状請求時にどの程度の見込みがあったか
⑤排出を待つことで証拠が変質するおそれがあったか
⑥医療上の緊急性を示す症状の訴えがあったか
⑦実施時に被疑者が拒否の態度を示していたか,鎮静剤が使われたか
第10 関連記事
強制採尿・強制採血・毛髪採取の令状-令状の組合せ,条件の記載及び最高裁の判断
名古屋地裁の令状事務処理の手引(七訂版)-令状の点検項目,記載例及び現行法への読み替え
捜査報告書や令状請求資料に虚偽記載・重要事実の省略がある場合―違法収集証拠と後続令状
職務質問の後「令状が出るまで待て」と留め置かれたら―任意捜査の限界と強制採尿令状の請求準備段階
被疑者の逮捕
第11 出典・参考資料
1 裁判例
①東京高等裁判所令和3年10月29日判決(令和2年(う)第806号,判例秘書の判例番号 L07620534)
②最高裁判所第一小法廷昭和55年10月23日決定(昭和54年(あ)第429号,刑集34巻5号300頁,裁判所ウェブサイト)
2 法令
①刑事訴訟法(e-Gov法令検索)139条,168条,218条,222条,223条,225条,396条
3 調査範囲
東京高等裁判所令和3年10月29日判決は,令和8年9月27日に,判例秘書で裁判日付(令和3年10月29日)・刑事・任意語「内視鏡」により検索して1件を得て,収録された判決文の全文を読んだものである。
判例秘書の書誌の判決日付は令和3年10月29日であり,収録された判決文の末尾の日付欄には「令和3年11月1日」と記載されている。
同判決を,同日,裁判所ウェブサイトの裁判例検索で裁判日付及び全文の語により検索したが,見当たらなかった(裁判所ウェブサイト未掲載)。
第一審の判決と証拠決定は読んでおらず,本記事の第一審の判断は,控訴審判決が示した内容によっている。
同判決の評釈は読んでいない。