第1 結論と本記事の射程
1 結論
AIの誤回答,誤判定又は自律的な動作によって損害が発生しても,AIの利用者,利用者の使用者,開発者,提供者又は製造業者のうち一者だけが常に責任を負うわけではない。
まず,被害者との契約関係,AIを組み込んだ業務の設計・運用,誤出力から損害までの人の関与,開発者・提供者による説明及び安全措置,並びに製造物への組込みの有無を分けて検討する必要がある。
経済産業省の「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き〔第1.0版〕」は,AIを「補助/支援型AI」と「依拠/代替型AI」に分ける。
補助/支援型AIでは,最終判断をする利用者が本来負う注意義務を果たしたかが中心となり,AIを使っただけで注意義務の水準が上下するものではないと整理されている。
依拠/代替型AIでは,個々の出力を人が毎回再判断することよりも,必要な精度・安全性を備えた業務プロセスを構築し,継続的に監視・改善することが中心となる。
もっとも,この二分類は法令上の要件ではなく,経済産業省の研究会が現行法の解釈を整理するために示した分析枠組みである。
契約条項,具体的な利用場面,損害の種類及び証拠によって結論は変わり,最終的な法解釈は裁判所が行う。
2 本記事の対象・基準日・資料の位置付け
本記事は,令和8年9月7日現在の日本法を前提に,業務でAIを利用した結果として顧客,取引先その他の第三者に損害が生じた場面を主な対象とする。
著作権,個人情報,営業秘密,弁護士法その他の業法それ自体の詳しい要件は,損害賠償責任の前提となる範囲に限って扱う。
経済産業省の手引きは,不法行為法上の論点を中心に,製造物責任法にも触れた所管行政機関の解説・手引きである。
新たなルールを創設するものではなく,掲載された事例も全て架空であり,契約責任は具体的な契約内容を別途確認する必要があると明記されている。
したがって,本記事も,同手引きの記載を判例又は拘束力のある規範として扱わない。
第2 最初に契約関係と損害経路を分ける
1 契約当事者間の責任
顧客がAIを導入した事業者から誤った説明を受けた場合,顧客と事業者との契約内容に応じて,民法415条の債務不履行責任が問題となる。
AI利用企業とAI提供者又は開発者との間では,利用規約,業務委託契約,SaaS契約,品質保証,サービス水準,利用目的,免責・責任制限,補償,ログ保存及び再委託の条項が出発点となる。
損害の範囲については,民法416条の通常損害・特別損害の区別が問題となり,債権者側にも損害の発生又は拡大に関する過失があれば,民法418条による調整があり得る。
そのため,「AIが誤った」という事実だけでは足りず,誰がどの性能を約束し,どのリスクを説明し,どの確認作業を担当すると合意したかを契約書と実際の運用の双方から確認する必要がある。
2 契約関係のない第三者に対する責任
契約関係のない第三者が損害を受けた場合は,民法709条の不法行為責任が中心となる。
具体的には,権利又は法律上保護される利益の侵害,故意又は過失,損害及び因果関係を個別に検討する。
従業員が事業の執行についてAIの誤出力を利用して第三者に損害を与えた場合は,民法715条の使用者責任が問題となり得る。
利用者,提供者その他の複数人の行為が共同して損害を生じさせた場合は,民法719条の共同不法行為が問題となり得るが,各主体が自動的に連帯責任を負うわけではない。
被害者側の確認不足又は損害拡大への寄与がある場合は,民法722条2項の過失相殺が問題となり得る。
ただし,AIであること又は誤回答の可能性が十分に表示されていなかった場合まで,利用者に一律の確認義務があったと扱うことはできない。
3 製造物責任法が問題となる場合
製造物責任法2条は,製造物を製造又は加工された動産とし,欠陥を通常有すべき安全性を欠いていることと定義する。
製造物責任法3条は,製造物の欠陥によって生命,身体又は他の財産を侵害したときの製造業者等の責任を定めるが,損害が当該製造物だけに生じた場合は同条の責任から除かれる。
消費者庁の「製造物責任法の概要Q&A」は,ソフトウェア自体は無体物であるため同法の対象ではないが,ソフトウェアを組み込んだ製造物については対象となり得ると説明する。
したがって,クラウド上のAIサービスによる純粋な情報上・取引上の損害と,AIを組み込んだロボット,機械又は車両が生命,身体又は他の財産に与えた損害とを区別する必要がある。
第3 補助/支援型AIでは人の最終判断が中心となる
1 補助/支援型AIの意味
経済産業省の手引きは,AI利用者の判断の補助又は支援として用いられ,最終的に人の判断又は行動を介在させることが予定されている類型を「補助/支援型AI」とする。
同手引きは,①機能又は利用場面から人の判断を代わりに行っているとはいえない場合,②規制法上の理由から人の最終判断が要求される場合,③出力が第三者の権利を侵害するリスクを含み,人の評価又は検証が必要な場合を例示する。
この類型では,AI利用者は,自らが本来払うべき注意を払って最終判断をしたかを問われる。
AIの出力を用いたことは,原則として利用者の注意義務を引き上げる事情にも,引き下げる事情にもならないというのが同手引きの整理である。
2 弁護士業務支援AIの想定事例
同手引き22頁~25頁は,RAGを用いる弁護士業務支援AIが実在しない裁判例を出力し,弁護士がその実在性を十分に確認しないまま依頼者に不利な訴訟追行をした架空事例を検討する。
同手引きは,弁護士は専門家としての注意義務を負い,裁判例の実在性は事件処理上極めて重要であるから,AI出力だけに依拠して調査確認が不足した場合に責任が否定されることは考えにくいとする。
この事例からは,AIの利用それ自体ではなく,出典原文への到達,事件番号・裁判年月日・裁判所・判示内容の照合,依頼された論点との射程確認までを誰が行ったかが重要であることが分かる。
判例データベースの検索結果,裁判所ウェブサイトの掲載状況,書籍・雑誌の要約及び生成AIの回答は,それぞれ情報の性質と収録範囲が異なるため,確認できた範囲を混同してはならない。
3 開発者・提供者の責任が限定されるとは限らない
最終判断を人が行う設計であれば,不適切な出力と損害との間に人の判断が介在し,開発者・提供者の第三者に対する責任が否定される方向に働くことがある。
もっとも,性能限界,想定用途,重要なリスク又は必要な検証方法を説明しなかった場合や,権利侵害の高度な危険を認識しながら合理的な防止措置を設けなかった場合は,説明又は設計上の過失が争点となり得る。
責任の有無は,「最終判断は利用者が行う」と利用規約に書いたことだけでは決まらない。
画面表示,販売時の説明,実際の自動化範囲,出力の確信度表示,人への引継ぎ機能及び警告が,利用者にどのような行動を期待させたかを具体的に確認する必要がある。
第4 依拠/代替型AIでは業務プロセス全体を評価する
1 該当性を判断する二つの要素
経済産業省の手引きは,人の判断又は行動の全部若しくは一部を代替する前提で提供され,AIの判断に依拠して用いることが予定される類型を「依拠/代替型AI」とする。
同手引きによれば,この類型として扱う前提は,①AIに判断を委ねる必要性があり,②必要な人の関与を含む業務プロセス全体として,通常人と同等以上の精度又は安全性を備えていることである。
単に人件費を減らせることや自動化率が高いことだけで,依拠/代替型AIとして人の確認を省略できるわけではない。
誤りが生命・身体,重要な財産又は権利に及ぼす影響が大きい業務では,人への引継ぎを含めた全体設計の精度及び安全性を厳しく検討する必要がある。
2 利用者の義務は構築・運用・監視へ移る
依拠/代替型AIでは,人が全件を再判断しなかったこと自体を直ちに過失とするのではなく,AIを組み入れた業務プロセスを適切に構築し,運用したかが中心となる。
具体的には,対象業務と許容誤差の設定,導入前評価,高リスク案件の人への引継ぎ,入力データの品質管理,権限管理,異常検知,苦情・誤回答のフィードバック,モデル又は検索基盤の変更管理及び停止判断が問題となる。
導入時に精度を確認していても,モデル更新,RAGの参照資料変更,外部サイトの変化又は利用状況の変化により性能は変わり得る。
そのため,導入時の試験結果だけでなく,運用中の監視記録,既知の不具合への対応及び事故後の再発防止措置が重要となる。
3 開発者・提供者に求められる説明と設計
依拠/代替型として提供する開発者・提供者には,人の判断を代替する前提に対応した精度・安全性を実現・維持するための設計と,利用者が適切な業務プロセスを組めるだけの説明が求められ得る。
性能限界,検証条件,既知の失敗類型,更新の影響,推奨される人の関与及び外部ツール利用のリスクを,どの時点でどの程度説明したかが重要である。
もっとも,提供者が必要な情報を全て保有するとは限らず,利用者固有の業務,入力データ,接続先及び権限設定によって初めて生じるリスクもある。
開発者,提供者及び利用者の責任分担は,情報と制御可能性がどこにあったかを基礎として個別に判断すべきである。
第5 AIエージェントでは権限と連鎖を調べる
1 責任追及の対象となる者
AIエージェントは,目標に向けて情報を収集し,外部ツールを選択し,複数の処理を連鎖的に実行することがある。
現行の民法及び製造物責任法に基づく損害賠償の検討では,AIエージェントそのものではなく,これを用いて業務を行う者,その使用者,開発者,提供者又は組込み製品の製造業者等の行為と責任要件を検討することになる。
AIエージェントが補助/支援型か依拠/代替型かは,「エージェント」という名称だけでは決まらない。
実際に与えられた権限,人の承認が入る地点,予定された精度,誤作動時の影響及び停止可能性によって判断する必要がある。
2 カスタマーサポートの想定事例
経済産業省の手引き70頁~73頁は,顧客対応AIエージェントが,社内情報では補助対象外である講座について,インターネット上の情報を参照して補助対象であると誤回答し,購入を勧誘した架空事例を扱う。
同手引きは,重要な商品説明についてAI単独で十分な精度を実現できない場合の人への引継ぎ,誤回答のフィードバック,業務プロセスの改善及びAIによる回答である旨の表示等を論点として挙げる。
この場面では,顧客と契約関係を持ち,説明内容を業務として用いた販売事業者の責任がまず問題となる。
その上で,提供者が外部情報・外部ツールの利用に伴う重要なリスクを十分に説明したか,必要な制御機能を設けたか,販売事業者が社内情報を優先する設定や人への引継ぎを適切に構築したかを分けて検討する。
3 権限が広いほど事故経路を細分化する
AIエージェントが送信,購入,契約申込み,決済,ファイル削除又はシステム変更まで行える場合,一つの誤出力が複数の外部行為に連鎖する。
紛争時には,①誰が目的を設定したか,②どの情報を取得したか,③どのツールをどの権限で呼び出したか,④どの段階で人が承認できたか,⑤警告又は異常を誰が認識できたか,⑥停止後にどの損害を防げたかを時系列で確認する。
権限の最小化,重要操作の承認,実行回数・金額・対象の上限,外部送信先の制限,監査ログ,緊急停止及び復旧手順は,単なる情報セキュリティ対策ではない。
誰が損害を予見し,回避し,又は拡大を防止できたかを判断する証拠にもなる。
第6 責任主体を分ける実務上の確認表
| 主体 | 主に確認する事項 | 責任を基礎付け得る事情 | 責任を否定・限定する方向の事情 |
|---|---|---|---|
| AI利用者・導入企業 | 利用目的,最終判断者,承認点,入力データ,監視,停止判断 | 出力の無検証利用,不適切な権限付与,既知の誤りの放置,人への引継ぎ不足 | 合理的な導入評価,適切な人の関与,継続監視,迅速な停止・是正 |
| 使用者 | 従業員の事業執行性,選任・監督,社内ルール | 業務としての誤回答,教育・監督又は確認体制の不足 | 事業執行性又は従業員の不法行為要件がないこと等 |
| AI提供者 | 仕様,販売時説明,警告,更新,障害対応,ログ | 性能限界・重要リスクの説明不足,誘発的な表示,必要な制御機能の欠如 | 用途に即した明確な説明,合理的な設計・試験,利用者側固有設定が原因であること等 |
| AI開発者 | 学習・評価,モデル特性,既知の不具合,改善可能性 | 高度な危険を認識しながら合理的措置を取らなかったこと等 | 当時の知見では予見困難であり,合理的な評価・低減措置を講じたこと等 |
| 製造業者等 | 動産への組込み,引渡時の欠陥,拡大損害 | AI又はソフトウェアの不具合により組込み製品が通常有すべき安全性を欠いたこと | 純粋なソフトウェアであること,製品自体の損害のみであること,法定免責事由等 |
この表は結論を自動的に決めるものではない。
同一企業が開発者,提供者及び利用者を兼ねる場合もあり,一つの事故で契約責任,不法行為責任及び製造物責任が選択的又は重複して主張される場合もある。
第7 初動で保存すべき証拠
1 まず現状を固定する
AI関連事故は,モデル,設定,参照資料及び外部サイトが更新されると,同じ入力でも同じ出力を再現できないことがある。
事故を認識した時点で,保存期間の延長又は自動削除の停止を検討し,保存対象,担当者,取得日時,取得方法及びハッシュ値を記録することが重要である。
被害を受けた側では,①画面・音声・メール等の回答,②入力内容と前後の会話,③日時・URL・アカウント・応答識別子,④契約書・利用規約・広告表示,⑤支払・代替取引・修理等の損害資料,⑥苦情申出と相手方の回答を保存する。
利用企業では,これに加えて,①システムプロンプト及び設定,②利用したモデル・サービス・RAGの版,③参照資料と検索結果,④人の確認・承認記録,⑤ツール呼出しと権限,⑥監視・警告・停止の記録,⑦提供者から受けた説明と更新通知を保存する。
開発者・提供者側では,モデル又はサービスの版,評価条件,リリース記録,既知の不具合,利用者への説明,API・障害ログ及び事故後の変更履歴が重要となる。
もっとも,個人情報,通信の秘密,営業秘密又は第三者の権利を無視して全データを無制限に収集するのではなく,争点と保存目的を定め,アクセス権及び取扱履歴を管理する必要がある。
2 証拠の保有者と取得負担を対応させる
事故の直後は,誰がどの証拠を持っているかを一覧化する。
被害者が持つ表示・損害資料,利用企業が持つ運用・承認記録,提供者が持つサービス・API記録,開発者が持つ評価・変更記録を区別し,低い負担で消失を防げる証拠から確保する。
相手方だけが持つログについては,対象期間,アカウント,応答識別子,モデル又は機能を特定した上で,削除停止と保存を早期に求めることが考えられる。
不存在又は取得不能との回答があった場合も,その回答日時,理由,保存期間及び代替資料の有無を記録する。
3 調査の拡張条件と停止条件を決める
初動調査は,確認できた事実,資料上の説明,そこからの推認及び不明点を分ける。
高額損害,生命・身体被害,同種苦情,継続中の自動実行,重要な法的期限又はログ消失のおそれが判明した場合は,調査範囲の拡張,専門家の関与又は運用停止を検討する。
反対に,損害との因果関係がなく,追加取得しても主要仮説を識別できず,保存済み資料で必要な判断ができる場合は,調査の停止又は範囲縮小を検討する。
停止理由を記録することで,後から同種事象が判明した場合にも調査を再開しやすくなる。
第8 消滅時効を早期に確認する
1 契約上の請求
民法166条によれば,債権は,債権者が権利を行使できることを知った時から5年間行使しないとき,又は権利を行使できる時から10年間行使しないときに,原則として時効により消滅する。
契約の締結時期,債権の発生時期及び経過措置によって適用関係が変わり得るため,事故発生日だけから期限を判断してはならない。
2 不法行為上の請求
民法724条によれば,不法行為による損害賠償請求権は,被害者又は法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき,又は不法行為の時から20年間行使しないときに,原則として時効により消滅する。
人の生命又は身体を害する不法行為については,民法724条の2により,前者の期間が5年間となる。
AI事故では,開発者,提供者又は実際の処理経路が当初分からないことがある。
「加害者を知った時」の評価に関わり得るため,主体を特定するために行った照会,回答及び技術調査の経過も保存すべきである。
3 製造物責任上の請求
製造物責任法5条は,損害及び賠償義務者を知った時から3年,製造業者等が製造物を引き渡した時から10年を原則とし,生命又は身体を侵害した場合の前者を5年とする。
身体に蓄積した物質による損害その他一定期間経過後に症状が現れる損害については,長期期間の起算点に特則がある。
時効の完成猶予・更新,契約上の通知期間,保証期間又は証拠保存期間は別問題である。
請求可能性があるときは,最も遅いと思われる期限ではなく,あり得る最も早い期限を基準に対応を決める必要がある。
第9 裁判例の蓄積と本記事の限界
1 AI民事責任を正面から判断した裁判例
本記事の作成に当たり,裁判所ウェブサイトの裁判例検索及び公開ウェブ情報を確認したが,本記事の補助/支援型・依拠/代替型という枠組みにより生成AI又はAIエージェントの民事責任を正面から判断した国内裁判例全文は確認できなかった。
裁判所ウェブサイトは全裁判例を収録していないため,この検索結果は裁判例が存在しないことを意味しない。
本記事作成時には,判例秘書その他の有料判例データベースへログインして本文検索を行っていない。
そのため,有料データベースの全収録範囲を確認したとの趣旨ではなく,裁判例を根拠として個別案件を判断する際には追加調査が必要である。
2 カーナビルート案内事件
経済産業省の手引き11頁は,補助/支援型の参考裁判例として,福島地裁平成30年12月4日判決・平成30年(ワ)第37号・判例時報2411号78頁を紹介する。
消費者庁の「PL法関連訴訟一覧」No.414も,カーナビは運転者の判断を補助するにすぎず,ルート案内と車両の擦過痕との相当因果関係が認められないとされた旨を掲載し,判例秘書L07351486等の収録情報を掲げる。
同判決は裁判所ウェブサイト未掲載であり,本記事作成時には判決全文を判例秘書で直接確認していない。
したがって,本記事は判決理由の独自な要約又はAI一般への直接適用をせず,経済産業省の手引き及び消費者庁の公表一覧が紹介する範囲に限って参照する。
この裁判例から直ちに「最終判断に人が介在すれば開発者・提供者は責任を負わない」と一般化することはできない。
具体的な警告,利用者が現場で危険を把握できる程度,システムの表示内容及び出力と損害との因果関係が事案ごとに異なるからである。
第10 関連記事
弁護士法72条とAIリーガルサービスは,生成AIによる法律事務の取扱いが弁護士法72条との関係で問題となる場面を扱う。
同記事はサービス提供の適法性,本記事は損害発生後の民事責任という異なる論点を扱う。
OpenAI実験環境で発生したAIエージェントの暴走事例は,過大な権限,外部通信,監視及び停止設計の問題を具体例から扱う。
本記事は,それらの技術的・運用上の措置が,損害の予見可能性,結果回避可能性及び証拠の観点でどのように責任判断へつながるかを整理する。
学習履歴オフの生成AIへの秘密情報入力と第三者開示は,秘密保持義務及びデータ取扱いを扱う。
秘密情報の入力が損害につながった場合の賠償責任を検討するときも,入力主体,契約条件,保存・再利用の実態及び損害との因果関係を分けて確認する必要がある。
第11 出典
1 法令
① 民法(e-Gov法令検索)(令和8年9月7日閲覧。415条,416条,418条,709条,715条,719条,722条,724条及び724条の2を確認)
② 製造物責任法(e-Gov法令検索)(令和8年9月7日閲覧。2条から5条までを確認)
2 裁判例・公的な裁判例一覧
① 福島地裁平成30年12月4日判決・平成30年(ワ)第37号・判例時報2411号78頁(裁判所ウェブサイト未掲載。判例秘書L07351486等の収録表示は下記消費者庁一覧で確認したが,判決全文は本記事作成時に直接確認していない)
② 消費者庁「PL法関連訴訟一覧」(令和8年3月24日現在,No.414,PDF113頁を確認)
③ 裁判所ウェブサイト「裁判例検索」(令和8年9月7日検索。全裁判例を収録するものではない)
3 所管行政機関の解説・手引き
① 経済産業省「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き〔第1.0版〕」(令和8年4月公表,令和8年6月15日最終更新。3頁~4頁,9頁~17頁,22頁~25頁及び70頁~73頁を確認)
② 経済産業省「『AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き』を公表しました」(令和8年4月9日公表,令和8年6月9日更新)
③ 消費者庁「製造物責任法の概要Q&A」(令和8年9月7日閲覧。Q3,Q5,Q7,Q19及びQ21を確認)
4 関連記事
① 弁護士法72条とAIリーガルサービス
② OpenAI実験環境で発生したAIエージェントの暴走事例
③ 学習履歴オフの生成AIへの秘密情報入力と第三者開示