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年金生活者支援給付金とは―対象者・金額・申請方法と支給日(AI作成)

第1 年金生活者支援給付金はどのような制度か

年金生活者支援給付金は,年金収入やその他の所得が一定の基準以下の年金受給者に,生活を支えるための給付を上乗せする制度である。
一度だけの臨時給付ではなく,支給要件を満たす間,継続して受け取る仕組みである。

対象者や金額は,老齢・障害・遺族の区分で異なる。
最初に受けている基礎年金の種類を確認し,次に所得や世帯の条件を確かめると,判断の順序を整理しやすい。

本記事は,令和8年11月3日に確認した日本年金機構と厚生労働省の公開資料に基づく。
金額は令和8年度の案内を用い,老齢の所得基準は令和8年10月分から令和9年9月分までの判定に対応する値を示す。
個人の受給資格や確定額は,請求書,支給決定通知書等と年金事務所で確認する必要がある。

制度の入口は,日本年金機構の年金生活者支援給付金にまとめられている。

第2 誰が対象となるのか

1 老齢・補足的老齢の対象要件

老齢の場合は,①65歳以上で老齢基礎年金を受けていること,②本人を含む世帯全員の市町村民税が非課税であること,③前年の年金収入金額とその他の所得の合計が基準内であることを確認する。
本人だけが非課税であることと,世帯全員が非課税であることは区別しなければならない。

令和8年10月分から令和9年9月分までの判定では,令和7年の収入・所得を確認する。
老齢と補足的老齢を分ける金額は,生年月日によって次のようになる。

生年月日老齢の所得基準補足的老齢の所得範囲
昭和31年4月2日以後82万6500円以下82万6500円超92万6500円以下
昭和31年4月1日以前82万4100円以下82万4100円超92万4100円以下

この表は所得の条件だけを示したものであり,年齢,老齢基礎年金の受給,世帯の非課税要件も満たす必要がある。
障害年金・遺族年金等の非課税収入は,この判定に用いる年金収入金額には含まれない。
旧法の老齢年金や旧共済の退職年金等にも対象となるものがあるため,年金の名称だけで判断できない場合は年金事務所へ確認する。

生年月日別の基準と対象年分は,日本年金機構の老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要で確認できる。

2 障害・遺族は老齢と同じ条件ではない

障害は障害基礎年金(旧法の障害年金等で政令で定めるものを含む),遺族は遺族基礎年金を受けていることが支給要件となる。
それぞれ前年の所得額が491万8000円以下であることが基準となり,扶養親族等がいる場合は限度額が加算される。
障害年金・遺族年金等の非課税収入は,判定に用いる所得に含まれない。

老齢の「世帯全員の市町村民税が非課税」という要件を,障害・遺族にも一律に当てはめてはならない。
扶養親族等の加算には年齢等による特例もあるので,個別の限度額は障害の概要又は遺族の概要で確認する。

3 区分に共通する不支給の事由

日本国内に住所がないとき,年金が全額支給停止のとき,刑事施設等に拘禁されているときは,年金生活者支援給付金は支給されない。
所得等の条件を満たすことだけで受給を確定せず,これらの事情も確認する必要がある。
共通の不支給事由は,厚生労働省のよくあるご質問の対象者に関する説明による。

第3 いくら受け取れるのか

1 給付の種類と月額

令和8年度の案内では,給付の種類によって次のように整理できる。
「全員が毎月5620円を受け取る」という制度ではない。

種類令和8年度の月額・計算の考え方
老齢5620円を基準とする納付済期間分と,免除期間分を計算して合算
補足的老齢納付済期間に基づく額に,所得に応じた調整支給率を掛ける
障害1級7025円
障害2級5620円
遺族5620円。2人以上の子が遺族基礎年金を受ける場合は人数で分ける

金額の案内は,日本年金機構の年金生活者支援給付金の金額についてのQ&Aに掲載されている。

2 老齢の基準額と本人の支給額を分ける

老齢の納付済期間分の月額は,原則として「5620円×保険料納付済期間÷480月」で計算する。
例えば納付済期間が360月で,計算に用いる被保険者月数が480月,免除期間分がない場合は,月額4215円となる。
これは他の支給要件を満たすことを前提とした計算例である。

免除期間がある場合は,その種類や本人の生年月日によって別の計算が必要であり,未納期間と免除期間を同じものとして扱ってはならない。
昭和16年4月1日以前生まれの人には分母となる月数の特例もある。
計算の基礎となる月数は年金証書や支給額変更通知書等で確認し,詳しい計算は第2の1で挙げた日本年金機構の老齢の案内と照合する。

第4 どうやって申請するのか

1 請求書が届いた場合と届いていない場合

受け取るには,年金生活者支援給付金の認定請求が必要である。
請求書の送付を受けた人は,記入事項と提出先を確認して手続を進める。
はがきが届いていないことだけで,対象外と決めつけるべきではない。

年金をこれから請求する場合,既に基礎年金を受けている場合等で手続の入口が異なる。
自分に合う入口は,日本年金機構の年金生活者支援給付金を請求する方の手続きで確認する。

2 電子申請には利用条件がある

日本年金機構は,令和7年1月以降に同機構からはがき型の請求書が届いた人を電子申請の利用対象として案内している。
利用には,マイナンバーカードの署名用電子証明書のパスワードの設定,マイナポータルの利用者登録,マイナポータルとねんきんネットの連携等の準備が必要となる。

請求書が届いていない人に,電子申請を一律に案内することはできない。
郵送等と電子申請を重複して行う前に,自分が利用対象となるかと申請状況を確かめるのがよい。
詳しい準備と申請後の確認方法は,日本年金機構の個人の方の電子申請による。

第5 いつから対象となり,いつ振り込まれるのか

1 支給開始月と初回振込日は異なる

原則として,認定請求の手続をした月の翌月分から支給対象となる。
ただし,その年の10月分の支給要件に該当する人が10月から12月までに認定請求をした場合は,9月30日に請求したものとみなされる(年金生活者支援給付金の支給に関する法律施行令12条の2)。
日本年金機構は,手続きが遅れると年金生活者支援給付金は受け取れなくなりますか。で,令和9年1月4日(月曜)までに同機構へ届くよう手続をすれば令和8年10月分にさかのぼって受け取ることができ,届かなかった場合は請求した月の翌月分からになると案内している。
また,新たに基礎年金の受給権を得た人については,受給権を得た日から3か月以内の請求に関する特例がある。
老齢基礎年金の繰上げ・繰下げの場合の起算日も含め,厚生労働省のよくあるご質問の支給開始に関する説明を確認する必要がある。

支給対象となる月と,実際に口座へ入金される日は別である。
請求後すぐに振込みがないことだけで,不支給になったと判断しないようにしたい。
支給決定通知書と振込通知書の内容を先に確認する。

2 年金と同じ口座に,別の振込みで支払われる

支払は原則として偶数月に2か月分をまとめて行われる。
年金と同じ受取口座で受け取るが,年金本体とは別の振込みとなるため,通帳等では年金の入金だけでなく給付金の入金も確認する。

具体的な支払日は,日本年金機構の年金生活者支援給付金の振り込みはいつですか。で,原則として偶数月の15日,15日が土日・祝日の場合はその直前の金融機関の営業日とされている。
初回の支払時期等は通知書で確認する必要があり,支給開始月だけから初回振込日を断定することはできない。

第6 夫婦・継続受給についてよくある疑問

1 夫婦2人とも受け取れるか

夫婦それぞれが支給要件を満たせば,2人とも受け取ることができる。
給付金は一人ひとりに支払われるものであり,夫婦に一括して1件の給付が出るわけではない。
老齢の場合は,それぞれの収入・所得に加え,世帯全員の非課税要件も確認する。

2 1回だけか,毎年申請するのか

支給要件を満たす限り,1回で終了する給付ではない。
既に受けている人については,原則として毎年新たに認定請求をする必要はないが,前年の所得等に基づく支給判定は毎年行われる。
手続が原則不要であることと,要件の確認がなくなることは異なる。

所得状況の確認等が必要となる場合には,届いた書類や照会の内容に従って対応する。
いったん支給要件を満たさなくなった後,再び該当するようになった場合には,再度の認定請求が必要となる。
再度の認定請求が必要となる点は,厚生労働省のQ&Aに説明されている。

第7 はがきが届かない・不該当通知が届いたとき

1 はがきの未着と受給資格は分けて確認する

令和8年度は,新たに対象となる人へのはがき型請求書を令和8年9月1日から順次送付すると案内されている。
送付対象と時期は,日本年金機構の令和8年度の請求書送付のお知らせで確認できる。
はがきに記載された提出期限を過ぎても手続はできると案内されている(第5の1)。

世帯構成の変更や税額の更正等で支給要件に該当するようになった場合には,自分で認定請求をする必要がある。
未着の場合は,年金の種類,前年の収入・所得,世帯の課税状況を整理し,年金事務所へ相談すると確認を進めやすい。

2 不該当の理由と,判定に使われた年を確認する

不該当通知書が届いた場合は,通知書に記載された理由を確認する。
主な理由には,前年の所得等が基準を超えたこと,老齢の世帯要件を満たさなくなったこと,年金が全額支給停止になったこと等がある。

令和8年度の支給判定の結果は,令和8年10月分から令和9年9月分までに反映される。
今月の収入だけを見て判定の誤りと決めず,判定対象年の所得と通知の理由を照合する必要がある。
その後の所得額の更正,世帯構成の変更,年金の支給再開等によって,再請求により受給できる場合もある。

3 入金がないときの確認順序

確認する順序としては,①認定請求を提出したか,②支給決定又は不該当の通知が届いているか,③支給対象月と支払月を取り違えていないか,④年金本体と別の入金を見落としていないか,⑤支給要件に関する事情が変わっていないか,と整理できる。
通知と実際の入金が一致しない場合は,通知書や通帳等を手元に用意して年金事務所に確認するのがよい。

第8 家族・成年後見人が手続を支えるとき

自筆が困難な場合の代筆や,成年後見人がはがき型請求書へ記入する場合の案内は,厚生労働省のQ&Aに掲載されている。
本人の氏名を記入する欄と,後見人の連絡先や差出人を記入する欄を混同しないことが大切である。

相談時に確認する資料としては,年金証書,支給決定・変更通知,不該当通知,請求書,前年の収入・所得と世帯の課税状況を確認できる資料,入金が分かる通帳等が考えられる。
これは確認を進めるための整理例であり,全てが一律の法定添付書類であるという意味ではない。
提出に必要な書類は,選択する請求手続の案内で別に確かめる。

第9 関連記事と確認資料

制度変更の年度別整理は,令和8年4月の厚生労働省制度変更―雇用,年金,医療・福祉給付の実務確認を参照されたい。
過年度との金額の比較は,令和7年4月の厚生労働省制度変更―雇用保険,育児・介護休業法,年金・手当の実務確認で扱っている。

現在の支給要件・金額・手続は,本文中に掲げた日本年金機構の各制度・手続案内と厚生労働省のQ&Aを確認されたい。
給付額の年度改定と,所得等に基づく10月からの支給判定を分けて確認することが重要である。