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弁護士は増えすぎなのか―人数・需要・地域差を分けて考える(AI作成)

第1 弁護士が増加する理由と人数の読み方

弁護士が「増えすぎ」かを考えるには,人数が増えたことと,仕事の需要に対して人数が過剰であることを分ける必要がある。
全国の人数だけでは,特定の地域や分野で相談先が足りているか,個々の弁護士がどれだけの仕事を得られるかまでは分からない。
本記事では,人数,需要,所得及び地域分布という四つの観点から,資料を読む際の確認点を整理する。
本記事の調査の基準日は令和8年11月1日である。

弁護士人口は,ある時点で登録している人の数である。
新たな登録によって入る人数と,死亡や本人の請求等による登録取消しで外れる人数の差が,その後の人数の変化につながる。
司法試験の合格者数は一定期間の合格者の数であり,登録している弁護士の総数とは異なる。

そのため,合格者数が以前より少なくなっても,登録する人数が登録を離れる人数を上回れば,弁護士人口は増え得る。
将来予測を読む場合も,合格者数,新規登録及び登録取消しなどについて,どのような仮定を置いた計算かを確認する必要がある。
予測された将来の人数を,既に実現した人数として扱うことはできない。

第2 事件数だけで仕事の需要は分かるか

需要を調べる際には,まず何の事件数を数えた統計かを確認する必要がある。
日弁連の統計資料(弁護士白書2020年版120頁)も,地方裁判所・簡易裁判所の民事第一審通常訴訟と,簡易裁判所の民事調停を区別し,制度変更の時期を注記している。
一つの種類の事件が減ったというだけで,すべての法律業務の需要が同じ割合で減ったとはいえない。

他方,企業内での勤務や裁判外の業務があるというだけで,裁判関係業務の減少を十分に補えるとも断定できない。
業務の件数,1件当たりの負担,得られる報酬及び費用を区別し,比較できる資料に基づいて検討する必要がある。

第3 所得と地域差を分けて考える

所得の変化を根拠にする場合は,対象年,回答者の範囲及び集計方法をそろえる必要がある。
収入と所得,平均値と中央値,所得総額と1人当たりの金額は,それぞれ意味が異なる。
詳しい数値と統計上の注意点は,弁護士の所得の平均値と中央値の推移―国税庁統計年報(2009年分~2024年分)と日弁連調査の違いで整理している。

全国の人数と地域の分布も別の問題である。
全国の人数が増えたことと,相談者の近くで希望する分野の弁護士へ相談できることとは,同じ指標で測ることができない。
人数の集計日,事務所所在地,地域の人口及び業務分野など,比較の条件を示すことが必要である。

第4 減員を求める声明をどう読むか

仙台弁護士会は,令和8年3月12日の会長声明で,司法試験合格者数の更なる減員を求めている。
声明は,人口や事件数の動向,地域的な偏在,弁護士の活動基盤などを論点にしている。
これは同会の政策的な提言であり,掲載された統計上の事実と,そこからどの政策を選ぶかという評価を分けて読む必要がある。

合格者数を減らすべきかという政策判断では,人数だけでなく,利用者が法律サービスへアクセスできること,業務を持続できる条件及び法曹養成の在り方も検討対象となる。
日弁連の令和4年の対処方針における統計の扱いについては,日弁連の「法曹人口政策に関する当面の対処方針」(2022年3月17日)はデータを公平中立に分析したか-統計の扱いの検証を参照されたい。

第5 よくある疑問

1 弁護士が増加している理由は何か

人数の面では,新たな登録で加わる人数が,登録取消しで外れる人数を上回ることが増加につながる。
司法試験の年間合格者数だけでは,その年末等の弁護士人口の増減は決まらない。
制度改革の影響を調べる場合も,合格者数と登録者数を別々に確認する必要がある。
合格者数の目標と推移の経緯は,日弁連の「法曹人口政策に関する当面の対処方針」(2022年3月17日)はデータを公平中立に分析したか-統計の扱いの検証の第2の1で確認できる。

2 弁護士が増えたら,全員が仕事を得られなくなるのか

人数の増加だけから,個々の弁護士の仕事の有無は判断できない。
地域,業務分野,勤務形態,仕事の獲得方法及び費用の違いを確かめる必要がある。
一部の高額報酬例や就職難の事例を,弁護士全体の状態として一般化することもできない。

3 民事訴訟が減れば,弁護士の需要も同じだけ減るのか

一つの種類の訴訟件数と,すべての法律業務の需要は同じ指標ではない。
ただし,別の業務があることだけで減少分を補えるともいえないため,業務ごとの規模と持続可能性を資料で確かめる必要がある。

第6 関連記事と出典

①弁護士の所得の平均値と中央値の推移―国税庁統計年報(2009年分~2024年分)と日弁連調査の違い
②日弁連の「法曹人口政策に関する当面の対処方針」(2022年3月17日)はデータを公平中立に分析したか-統計の扱いの検証
③仙台弁護士会「弁護士人口の急増を避けるため司法試験合格者数を年間1500人程度から適正な範囲にとどめること等を求める会長声明」(令和8年3月12日)
④日本弁護士連合会『弁護士白書2020年版』「民事第一審通常訴訟事件の新受件数の推移」120頁~121頁