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早稲田大学法科大学院の入試対策―2027年度の民訴・憲法・刑訴の評価ポイント(AI作成)

第1 公式の評価資料を答案対策に使う

早稲田大学法科大学院は,2026年10月12日の公表ページで,2027年度入学者選抜試験の法学既修者試験・論述試験について,問題,出題意図及び評価のポイントを案内している。
本記事では,そのうち民事訴訟法・憲法・刑事訴訟法の3科目を取り上げ,設問の読み方と答案の点検方法を整理する。

ここで扱うのは,2026年に実施された2027年度入学者選抜の資料である。
大学の評価資料に書かれた指摘と,それを踏まえて本記事が提案する学修方法を区別する。
以下の点検項目は,本記事による整理であり,大学が公表した独立の配点表や合否基準ではない。

志願者数・合格者数などの選抜結果は,早稲田大学法科大学院の2027年度選抜―志願増と未修者合格者の構成変化を参照されたい。
入試結果の集計と,個々の答案に求められる内容は,分けて読むことが大切である。

第2 民事訴訟法―二重起訴と確認の利益を混同しない

1 まず,設問ごとに求められた立場を確認する

大学の民事訴訟法の評価資料は,先に債務不存在確認の訴えが提起され,その後に同じ権利について給付の訴えが提起された事例を扱っている。
設問1では民事訴訟法142条の適用を肯定する立場,設問2では適用を否定する立場からの論証を求め,設問3ではそれらを踏まえた態度決定と裁判所の処理を問う,という構成が説明されている。

したがって,最初から自分が支持する見解だけを書けば足りる問題ではない。
学修時には,問題文にある当事者の主張と設問の要求を対応させ,どの立場から何を説明する段階なのかを整理するとよい。

2 論点の名前だけでなく,検討する位置を確かめる

評価資料が評価ポイントとして挙げているのは,当事者及び事件対象の同一性,原告と被告が入れ替わっている点,確認の訴えと給付の訴えは権利保護形態が異なるが同一の権利を目的とする点,給付訴訟には債務名義取得の利益もある点などである。
同資料は,これらの点をどう評価するかが評価ポイントになるとし,この問題をめぐる学説上の対立の議論を理解できているかも評価ポイントになるとしている。

同資料は,多くの受験答案が先行する債務不存在確認訴訟の確認の利益を論じ,それを二重起訴禁止原則の適用要件の問題として扱っていたことを批判している。
同資料によれば,先行訴訟の確認の利益は,後訴が二重起訴禁止原則に該当するか否かが確定した後に生じる問題である。
本記事は,この指摘を,確認の利益に一切触れてはいけないという意味ではなく,検討の順序を取り違えないためのものとして読む。

答案を書いた後は,論点名を拾えたかだけでなく,設問への答えになる位置でその論点を論じたかを点検したい。
反訴や別訴に関する一般的な整理と,この事例で問われた二つの訴えの関係は,同じ問題として一括処理しない。

第3 憲法―判例に基づく判断と私見を書き分ける

1 条例の問題と処分の問題を分ける

大学の憲法の評価資料は,集会のために会館を利用できなかった者の主張について,条例自体の憲法適合性と,個別の使用不許可処分の適否を分けて検討する構成を示している。
同資料は,審査基準を定立して当てはめれば足りるとする論証パターン的な解答から受験生が抜け出せていないとも指摘している。
本記事としては,何を対象にした主張・判断なのかが分からない答案にしないことが重要と考える。

同資料は,二つの事例が泉佐野市民会館事件と上尾市福祉会館事件を模したものであり,判例を踏まえた裁判所の判断と,その当否に関する私見の双方を述べる必要があると説明している。
判例の結論を紹介する部分と,自分がその結論を支持し,又は異なる結論を採る理由を述べる部分を区別して準備したい。

2 二つの判決の事実関係と結論を比べる

最高裁平成7年3月7日第三小法廷判決(平成元年(オ)第762号,民集49巻3号687頁)は,泉佐野市民会館の使用不許可について,その事案の具体的事情の下で,憲法21条及び地方自治法244条に違反しないと判断した。
これに対し,最高裁平成8年3月15日第二小法廷判決(平成5年(オ)第1285号,民集50巻3号549頁)は,上尾市福祉会館の使用不許可処分を違法とし,原判決を破棄して差し戻した。

両判決を読む際は,結論だけを暗記せず,主催者側の行動,妨害や混乱の危険を裏付ける事情,警備による対応の可能性などを比較したい。
なお,大学の評価資料は,判例と異なる結論を述べること自体を排除せず,その理由を私見の部分で説明する必要があるとしている。

関連する判例の整理と具体的な検討項目は,公園・広場で政治的集会を不許可にできるか―泉佐野市民会館・上尾市福祉会館・金沢市庁舎前広場事件に掲載している。

第4 刑事訴訟法―要証事実から伝聞性を考える

1 同じ供述を,何の証明に使うのか

大学の刑事訴訟法の評価資料は,答案で伝聞法則の趣旨と伝聞証拠の意義を明らかにした上で,証言の証拠能力を検討することを求めている。
本記事の読みでは,説明の中心にあるのは,供述の中身を真実として用いるのか,どの事実の証明に用いるのかという区別である。

同資料は,一方の設問では,ある行動をしていたという事実の立証に用いる供述を伝聞証拠として整理し,他方の設問では,被害者が被告人を嫌っていたという心理状態の立証に用いる供述を取り上げている。
供述の文言だけを見て伝聞・非伝聞の結論を決めず,要証事実と推論の過程を先に示す練習が有用である。

2 心理状態という語だけで結論を決めない

評価資料は,後者について通説による非伝聞の整理を示す一方,現在の心理状態の供述を伝聞証拠とする有力説に立つ場合には,伝聞例外による証拠能力の検討が問題となることにも言及している。
特定の用語を書けば自動的に証拠能力が認められる,という読み方は適切ではない。

学修用の答案では,①何を立証したいのか,②その供述からどのような過程でその事実を導くのか,③伝聞証拠に当たるか,④必要な場合にどの伝聞例外を検討するか,を順に説明してみるとよい。
この順序は,本記事が大学の説明を基に整理した点検方法である。

異なる問題で心理状態の供述を検討する例として,令和3年司法試験刑事系第2問の模範解答・評価56項目も参照されたい。
司法試験の問題と法科大学院入試の問題は別の問題であり,それぞれの問題文と公式資料に即して検討する必要がある。

第5 答案を書いた後の点検表

次の表は,本記事による学修上の提案である。
大学の公式な採点項目や配点を再現したものではない。

科目点検すること避けたい誤り
民事訴訟法設問が求める立場と検討の順序を示したか関連する論点を,問われていない位置で論じる
憲法判例に基づく判断と自分の評価を分けたか判例の紹介と私見が混ざり,結論の理由が分からなくなる
刑事訴訟法要証事実と供述からの推論を明示したか供述の形式や用語だけで伝聞性を決める

まず問題文を読んで答案を書き,その後に出題意図と評価資料を読み,どの段階で設問の要求から外れたのかを確かめる方法が考えられる。
修正時には結論だけを書き換えず,設問への対応,規範と事実の結び付き,採用しなかった立場への説明を見直したい。

第6 よくある質問

1 評価のポイントは模範解答そのものか

本記事で扱う資料は,大学が公表した評価上の着眼点である。
その要点を読むことと,設問の要求に沿った一続きの答案を自分で書けることは区別する必要がある。
本記事の点検表も,大学が作成した配点表ではない。

2 判例と違う結論を書くと,直ちに評価が下がるのか

憲法の評価資料は,取り上げられた判例と異なる結論を述べること自体を排除せず,理由を私見の部分で説明する必要があるとしている。
この記述を,全科目・全設問で結論が自由であるという一般則へ広げることはできない。

3 この3科目だけで入試対策が完結するか

本記事の対象は,公表資料のうち3科目に限られる。
他の科目を含む法学既修者試験の問題・出題意図等は,大学の2027年度入学者選抜試験・合格者の概要等の公表ページから確認されたい。
未修者試験の問題の掲載については,同ページの注記を確認されたい。

第7 出典と整理の範囲

① 早稲田大学「2027年度入学者選抜試験 合格者の概要等」の公表ページ(2026年10月12日)。
本文で案内した3科目の評価資料に基づき,大学の指摘と本記事の学修上の提案を区別して整理した。

② 民事訴訟法・憲法・刑事訴訟法の各「評価のポイント」(各PDF1頁)。
本記事は独自の配点,大学の公式な合否判定基準又は他年度の評価基準を示すものではない。

③ 泉佐野市民会館事件及び上尾市福祉会館事件の判決本文。
前記第3では,大学の説明と区別して,裁判所公表本文により事案の結論を確認した。