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技能実習制度とは―仕組み・期間と育成就労への移行(AI作成)

第1 技能実習制度とはどのような制度か

技能実習制度は,日本で培われた技能・技術・知識を開発途上地域等へ移転し,その地域の経済発展を担う人材の育成に寄与する制度である。単に外国人を採用するための制度として理解すると,制度の目的と実際の手続を取り違える。

技能実習法3条2項は,「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」と定める。雇用契約を結んで仕事に従事することと,技能実習が人手不足を埋めることを目的とする制度であるかどうかは,分けて考える必要がある。

本記事は,令和8年10月26日に取得した厚生労働省,出入国在留管理庁及び外国人技能実習機構等の公表資料に基づき,現行の技能実習制度の基本と,令和9年4月1日から始まる育成就労制度との関係を整理する。受入れ企業が新制度に向けて準備する具体的な事項は,育成就労の受入れ企業の準備と経過措置で扱っている。

第2 企業単独型と団体監理型は何が違うか

技能実習の受入れ方式には,企業単独型と団体監理型がある。企業単独型は,日本の企業等が海外の現地法人等の職員を受け入れる方式である。団体監理型は,営利を目的としない法人である監理団体が受け入れに関与し,その監理を受ける企業等で技能実習を行う方式である。

確認する点企業単独型団体監理型
受入れの仕組み海外の事業所等との一定の関係を前提に,日本の企業等が受け入れる監理団体による受入れと実習監理の下で,企業等が実習を行わせる
実習を行わせる者企業単独型実習実施者団体監理型実習実施者
在留資格の区分技能実習1号イ・2号イ・3号イ技能実習1号ロ・2号ロ・3号ロ

技能実習法2条は,実習実施者と技能実習生との雇用契約を制度の定義に位置付けている。団体監理型でも,監理団体と,実際に雇用して実習を行わせる企業等とは役割が異なる。受入れ企業は,監理団体に依頼したというだけで自社の労務管理を終えたと考えず,雇用条件と認定を受けた技能実習計画を照合することが有用である。

第3 技能実習は何年間できるか

技能実習は,1号が1年以内,2号と3号がそれぞれ2年以内という構成である。1号から3号まで進む場合の実習期間は最長5年となるが,誰でも最初から5年間の実習を認められるわけではない。

区分実習期間段階の意味
技能実習1号1年以内技能等を修得する段階
技能実習2号2年以内1号を修了し,技能等に習熟する段階
技能実習3号2年以内2号を修了し,技能等に熟達する段階

技能実習法9条1項は,期間のほか,技能実習計画の目標・内容,前段階の試験合格に係る目標の達成,実施体制,報酬等を認定基準としている。3号では実習実施者の高い水準の能力等も問題となるため,期間だけを見て移行できると判断してはならない。

さらに,育成就労制度の開始後は,技能実習3号への移行に経過措置上の制限がある。現行制度の一般的な「最長5年」という説明だけで,令和9年4月1日以降も全員が3号へ進めると理解しないことが重要である。

第4 技能実習・特定技能・育成就労は何が違うか

技能実習,特定技能及び育成就労は,目的と受入れ時点の技能の考え方が異なる。とりわけ,技能実習から特定技能への移行と,今後の育成就労から特定技能への移行を,同じ手続・同じ試験免除として扱わないようにする必要がある。

制度主な目的・位置付け確認する事項
技能実習技能等の移転を通じた国際協力認定された実習計画,1号から3号への移行,経過措置
特定技能一定の専門性・技能を有する人材を,人手不足分野で受け入れる分野・業務,技能・日本語能力の要件,受入れ機関の基準
育成就労人手不足分野で,原則3年間の就労を通じて特定技能1号水準の人材を育成・確保する育成就労計画,対象分野,技能・日本語の育成,転籍の条件

入管庁の育成就労制度Q&Aは,育成就労から特定技能1号へ移行する場合について,技能に係る試験と,日本語能力A2.2相当以上の試験への合格が要件となると説明している。これに対し,技能実習2号を良好に修了した者の移行には,試験免除の取扱いがある。従事する業務と実習した職種・作業の関連性など,具体的な適用条件は別に確認する必要がある。

特定技能の審査と技能実習からの移行は,特定技能ビザの審査基準を参照されたい。

第5 技能実習制度はいつ育成就労に変わるか

1 令和9年4月1日から新制度が始まる

育成就労制度の運用開始日は令和9年4月1日である。制度の開始に向けた申請受付と,実際に育成就労外国人として受け入れることができる日は同一ではない。

「技能実習制度の廃止」という言葉から,その日に全ての技能実習が終わり,全員の在留資格が自動的に変わると理解するのは正確でない。既存の技能実習には経過措置がある。

2 既に来日している技能実習生はどうなるか

入管庁Q&Aは,令和9年4月1日に既に来日している技能実習生について,引き続き認定計画に基づいて技能実習を続けることができると説明している。1号から2号への移行についても,技能実習計画の認定を受けることが前提となる。

他方,3号への移行については,施行日時点に技能実習2号で在留している者のうち,同日の時点で技能実習2号の活動を1年以上行っていることが必要とされる。経過措置の条件だけで通常の移行要件を全て満たすわけではないため,個人ごとの計画,在留資格及び実習期間を確認する必要がある。

3 施行後に来日する予定の者はどうなるか

入管庁Q&Aは,施行後も技能実習を継続できる者として,令和9年4月1日時点で既に来日している者のほか,同年3月31日までに技能実習計画の認定申請がなされ,原則として同年6月30日までに技能実習を開始する者を説明している。

申請日,認定日,入国日及び実習開始日はそれぞれ異なる。新たな受入れを計画するときは,どの日付の条件が問題となるかを区別し,公式の経過措置資料と照合することが必要である。具体的な準備時期は,育成就労の受入れ企業の準備と経過措置で整理している。

第6 技能実習生は転職・転籍できるか

技能実習生の実習先変更について,「理由を問わず自由に移れる」と説明することも,「どのような事情があっても移れない」と説明することも適切でない。外国人技能実習機構は,やむを得ない事情がある場合の実習先変更について,専用の案内を設けている。

暴力やハラスメント,賃金の不払いなどが疑われる場合には,現在の計画と在留資格を確認するとともに,機構の案内・相談窓口を利用して,安全確保や実習先変更の対応を検討することが有用である。新しい会社で働き始めることと,必要な手続が整うことを同じものとして扱わないようにする。

育成就労制度では,一定の条件の下で本人の意向による転籍も認める仕組みが設けられる。現行の技能実習の実習先変更と,新制度の本人意向による転籍は,適用される制度と条件を分けて確認する必要がある。

具体的な実習先変更は,外国人技能実習機構の案内及び母国語相談の案内を参照されたい。

第7 受入れ企業と実習生が次に確認すること

受入れ企業は,既存の技能実習生の管理と,新制度での採用準備を分けると整理しやすい。次の表は確認の順序の例であり,一律の法定書類一覧を示すものではない。

状況先に確認すること次の参照先
現在の技能実習を続ける認定計画,在留期限,実習段階,次の移行条件入管庁の経過措置に関する案内
育成就労で新たに受け入れる対象業務,開始予定日,計画認定と監理支援機関の手続当ブログの育成就労受入れ準備記事
特定技能へ移行する修了状況,業務の関連性,試験の要否,雇用条件当ブログの特定技能ビザ記事
実習先の問題を相談する安全,実習の状況,労働条件と記録,相談先機構の実習先変更・母国語相談の案内

どの在留資格や申請手続を確認すればよいか迷う場合は,在留資格の種類・手続・審査基準と関連記事一覧から関係する手続を確認できる。

第8 出典・関連記事

1 法令・公的資料

① 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律2条,3条及び9条。制度の定義,基本理念及び認定基準。e-Gov法令検索

② 厚生労働省「外国人技能実習制度について」。制度の目的及び見直しの説明。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/global_cooperation/index.html

③ 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」。制度の違い,開始時期,技能実習の経過措置及び特定技能への移行に関する設問。https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html

④ 出入国在留管理庁「育成就労制度の制度概要・関係法令」。改正法と施行日の案内。https://www.moj.go.jp/isa/03_00163.html

⑤ 外国人技能実習機構「やむをえない事情の転籍」及び「母国語相談(メール・電話)」。実習先変更と相談の案内。実習先変更/母国語相談

2 当ブログの関連記事

① 令和9年4月開始の育成就労―受入れ企業の準備,施行日前申請と技能実習の経過措置

② 特定技能ビザの審査基準――分野別基準,技能実習からの移行,受入れ機関の基準

③ 在留資格の種類・手続・審査基準――入国・在留審査要領と関連記事一覧