第1 本記事の対象と結論
1 対象と資料
本記事は,福島県立大野病院で帝王切開の手術中に患者が死亡し,執刀した産婦人科医が業務上過失致死と医師法違反で起訴された事件(以下「大野病院事件」という。)を扱う。
判決は,福島地裁平成20年8月20日判決(平成18年(わ)第41号,判例秘書の判例番号 L06350366)であり,裁判所HPには掲載されていないため,判例秘書で判決の本文を確認した。
判決書の末尾には「平成20年9月17日」の日付があるが,本記事では判例秘書の書誌の判決日付(平成20年8月20日)によった。
事件の前後の数字と制度は,警察庁の集計を載せた厚生労働省の検討部会の資料,国会会議録,厚生労働省の統計及びe-Gov法令検索の条文で確認した。
本記事の基準日は令和8年10月25日である。
2 結論の要旨
①判決は,癒着胎盤と認識した後も胎盤の剥離を続けた医師について,大量出血の予見可能性と結果回避可能性を認めながら,剥離を中止すべき注意義務の証明がないとして,業務上過失致死を無罪とした。
②その理由として,刑罰を科す基準となる医学的準則は,その科目の臨床に携わる医師が当該場面に直面した場合に,ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じているといえる程度の一般性又は通有性を備えたものでなければならないとした。
③医師法21条の「異状」については,法医学的にみて普通と異なる状態で死亡していると認められる状態をいい,診療中の患者が診療を受けている当該疾病によって死亡したような場合は異状の要件を欠くとしたうえ,本件の死亡は過失のない診療行為をもってしても避けられなかった結果であるとして,医師法違反も無罪とした。
④警察庁の集計では,平成9年から平成23年までの間,医療事故の立件送致数は平成18年の98件が最も多く,平成23年は54件であった。
もっとも,医療事故について検察庁が公判請求をした件数の全国統計は,平成19年の国会答弁で「ございません」とされ,医療事故に限った全国の起訴件数を公表した資料も本記事の作成時に確認できなかったので,事件の後に起訴が減ったことを公的な統計で確かめることはできない。
⑤事件の後,産科医療補償制度が始まり,医療事故調査制度も設けられたが,医師法21条の文言は,平成20年の大綱案が掲げた当時の条文と現行の条文とで変わっていない。
第2 事件の経過と起訴
1 判決が認定した経過
判決によれば,患者は帝王切開の手術歴が1回ある全前置胎盤の妊婦であり,平成16年12月17日,同病院の産婦人科の一人医長であった医師の執刀で帝王切開を受けた。
児の娩出後,臍帯を牽引しても胎盤が剥離しなかったため,医師は手で胎盤を剥がし始め,途中からクーパー(手術用の鋏)も使って剥離を終えた。
胎盤の剥離中から出血が増え,医師は輸血の到着を待って子宮を摘出したが,患者は同日午後7時1分に死亡し,手術全体の総出血量(羊水を含む量)は2万0445mlであった。
判決は,同病院の安全管理マニュアルでは,医療過誤による死亡若しくは障害の発生又はその疑いがあるときは病院長が警察署へ届け出ることとされていたこと,病院長は医療準則に反する行為はなかったと判断して届出をしなかったこと,医師はこのマニュアルの定めを知らず,自ら届出もしなかったことを認定している。
2 公訴事実と求刑
公訴事実の第1(業務上過失致死)は,胎盤が子宮に癒着していると認識した時点で,直ちに剥離を中止して子宮摘出手術等に移行すべき注意義務があるのに,クーパーを用いて漫然と剥離を続けた過失により,大量出血させて失血死させたというものである。
公訴事実の第2(医師法違反)は,死体を検案して異状があると認めたのに,24時間以内に所轄警察署へ届け出なかったというものである。
求刑は禁錮1年及び罰金10万円であった。
医師は平成18年に逮捕され,同年3月10日に公判請求された。
平成18年3月17日の衆議院厚生労働委員会で,法務省刑事局長は「福島地検は、本年三月十日、福島県立大野病院の医師一名を業務上過失致死及び医師法違反により福島地裁に公判請求したものと承知をしております。」と答弁している。
このように,起訴されたのは業務上過失致死だけでなく,医師法21条の届出義務違反を含んでいた。
第3 業務上過失致死についての判断
1 予見可能性と結果回避可能性は認めた
判決は,医師が用手剥離の途中で胎盤と子宮の間に指が入らない状態に直面した時点で,胎盤が子宮に癒着しているとの認識をもったと認めた。
そのうえで,癒着胎盤と認識した時点で剥離を続ければ大量に出血し,患者の生命に危機が及ぶおそれのあることを予見する可能性はあったとした。
結果回避可能性についても,「結果回避可能性が有ったとすることの証明はなされていると解するのが相当である。」と判断している。
無罪の理由は,予見できなかったことではなく,剥離を中止すべき注意義務の証明がないことにある。
2 医学的準則は一般性又は通有性を要する
検察官は,癒着胎盤と認識した以上は直ちに剥離を中止して子宮摘出手術等に移行することが当時の医学的準則であったと主張し,その根拠として医学文献とこれに沿う鑑定を挙げた。
これに対し,判決は次のとおり述べた。
「臨床に携わっている医師に医療措置上の行為義務を負わせ,その義務に反したものには刑罰を科す基準となり得る医学的準則は,当該科目の臨床に携わる医師が,当該場面に直面した場合に,ほとんどの者がその基準に従った医療措置を講じていると言える程度の,一般性あるいは通有性を具備したものでなければならない。」
判決は,そう解さなければ,臨床で行われている医療措置と一部の医学文献の記載が食い違う場合に,医師が治療法を容易かつ迅速に選べなくなり,刑罰が科される基準も不明確になると説明している。
そして,産科の臨床経験が豊富な医師らの鑑定と証言から,用手剥離を開始した後は出血していても剥離を完了させ,子宮の収縮を期待しつつ止血操作を行い,それでも制御できない大量出血の場合に子宮を摘出するのが臨床上の標準的な医療措置であると認定した。
3 中止義務を立証するために必要とされた事項
判決は,医療行為を中止する義務を認めるには,検察官が,その医療行為に危険があることだけでなく,中止しない場合の危険性を具体的に明らかにしたうえで,より適切な方法が他にあることを立証しなければならないとした。
そのためには,少なくとも,相当数の根拠となる臨床症例,あるいは対比すべき類似性のある臨床症例の提示が必要不可欠であるとし,検察官がそのような臨床症例を提示していないことを指摘している。
結論として,判決は「被告人が従うべき注意義務の証明がないから,この段階で,公訴事実第1はその証明がないと言わなければならない。」とした。
4 鑑定と証言の評価
判決は,検察官の主張に沿う鑑定をした医師について,癒着胎盤の治療経験が助手として関わった1回に限られ,その鑑定や証言が主として医学書等の文献に依拠したものであることを理由に,臨床の標準的な医療措置を示すものとは理解しなかった。
これに対し,妊娠分娩に関する医療を専門とする大学の医師2人の癒着胎盤に関する医療措置についての証言は医療現場の実際をそのまま表現しているものと認め,地方の中規模病院の産婦人科医については標準的な医療措置についての知見を有しそれを実践していることがうかがわれるとして,この3人の鑑定・証言から臨床現場の標準的な医療措置をくみ取った。
この判決では,鑑定人の臨床経験と,意見が文献と臨床例のどちらに基づくかが,注意義務の判断に影響している。
第4 医師法21条についての判断
1 判決の解釈
医師法21条は,「医師は、死体又は妊娠四月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、二十四時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。」と定めている。
判決は,同条の「異状」について次のとおり述べた。
「ここで同条にいう異状とは,同条が,警察官が犯罪捜査の端緒を得ることを容易にするほか,警察官が緊急に被害の拡大防止措置を講ずるなどして社会防衛を図ることを可能にしようとした趣旨の規定であることに照らすと,法医学的にみて,普通と異なる状態で死亡していると認められられる状態であることを意味すると解されるから,診療中の患者が,診療を受けている当該疾病によって死亡したような場合は,そもそも同条にいう異状の要件を欠くと言うべきである。」
(引用中の「認められられる」は判決の原文のままである。)
そのうえで,判決は,本件の死亡は「癒着胎盤という疾病を原因とする,過失なき診療行為をもってしても避けられなかった結果と言わざるを得ない」として,医師法21条違反も成立しないとした。
判決は,刑事訴訟法336条により医師を無罪とし,平成25年3月15日の衆議院厚生労働委員会での厚生労働大臣政務官の答弁によれば,事件は「平成二十年の九月、無罪確定した」。
2 最高裁平成16年判決との関係
最高裁平成16年4月13日判決(平成15年(あ)第1560号,刑集58巻4号247頁)は,医師法21条の「検案」とは,医師が死因等を判定するために死体の外表を検査することをいい,自己の診療していた患者の死体であるか否かを問わないとした。
同判決は,業務上過失致死等の罪責を問われるおそれがある場合にも届出義務を負わせることは,憲法38条1項に違反しないとしている。
この最高裁判決が判断したのは「検案」の意義と憲法38条1項との関係であり,大野病院事件の判決は,「異状」の意味について判断した地方裁判所の判決である。
また,判決が「異状」に当たらないとした理由には,過失のない診療行為であったという認定が含まれているので,届出の時点で医師がこの判断をそのまま当てはめられるとは限らない。
3 平成31年の通知と質疑応答集
厚生労働省は,「医師による異状死体の届出の徹底について」(平成31年2月8日医政医発0208第3号)を出し,同年4月24日の医事課事務連絡で質疑応答集を示した。
質疑応答集は,同通知が医師法21条の届出を義務付ける範囲を新たに拡大するものではないこと,医療事故等の事案でも,死体を検案した医師が個々の状況に応じて個別に判断して異状があると認めるときに届出義務が生じることに変わりはないことを説明している。
届出の判断の詳細は,弁護士のための死亡診断書の実務と生命維持治療を終了した後の死亡と医師法21条・医療事故調査制度で整理している。
第5 事件の後の数字
1 警察への届出と立件送致
厚生労働省の「第8回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」(平成24年10月26日)の参考資料3は,警察庁刑事局捜査第一課の資料(平成23年12月末現在)として,医療事故関係の届出等の件数と立件送致数の推移を示している。
届出等には相談等を含み,解剖の結果,死因が病死と判明するなど医療行為と死因等の因果関係が認められなかったもの等も含まれる。
立件送致数は届出等を受けた年にかかわりなく1年間に立件送致・送付した数であり,平成9年以降に把握したものに対する数で,平成8年以前に把握したものに対する数は計上されていない。
| 年 | 医療関係者等の届出等 | 被害関係者等の届出等 | 立件送致数 |
|---|---|---|---|
| 平成9年 | 12件 | 7件 | 3件 |
| 平成10年 | 19件 | 9件 | 9件 |
| 平成11年 | 20件 | 13件 | 10件 |
| 平成12年 | 80件 | 33件 | 24件 |
| 平成13年 | 80件 | 17件 | 51件 |
| 平成14年 | 118件 | 42件 | 58件 |
| 平成15年 | 195件 | 39件 | 68件 |
| 平成16年 | 199件 | 43件 | 91件 |
| 平成17年 | 177件 | 30件 | 91件 |
| 平成18年 | 163件 | 21件 | 98件 |
| 平成19年 | 194件 | 43件 | 92件 |
| 平成20年 | 186件 | 32件 | 79件 |
| 平成21年 | 116件 | 30件 | 81件 |
| 平成22年 | 105件 | 24件 | 75件 |
| 平成23年 | 107件 | 32件 | 54件 |
届出等は事件の前から増えていた(立件送致数は平成8年以前に把握した分を含まないので,初めの数年の数は低めに出うる)。
平成9年から平成23年までの間では,立件送致数は平成18年の98件が最も多い。
同年は大野病院事件で医師が起訴された年でもある。
医療関係者等からの届出等は,無罪判決の翌年である平成21年に前年の186件から116件へ減っている。
ただし,資料は件数の増減の理由を示していない。
本記事の作成時に,平成24年以降の同じ形式の集計を,厚生労働省又は警察庁の公表資料で確認することはできなかった。
2 起訴件数の全国統計は確認できない
医療事故に限った起訴件数について,平成19年5月23日の衆議院法務委員会で,法務省刑事局長は「全国的な統計はございませんが、東京地検の刑事部におきましては、平成十三年がゼロ、平成十四年が三、平成十五年が一、平成十六年、十七年ともゼロでございます。」と答弁している。
この答弁は「検察庁で実際に公判請求をしている件数」についてのものであり,示された数字は東京地検刑事部の公判請求の件数であって,略式起訴を含む全国の起訴件数ではない。
本記事の作成時にも,医療事故に限った全国の起訴件数を公表した資料は確認できなかった。
したがって,大野病院事件の後に医療行為の起訴が減ったという説明を公的な統計で裏付けることはできず,相談の場面でも,現在は医療事故で起訴されることはないと言い切ることはできない。
3 産婦人科医の数と新規の入会者
厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師統計によれば,医療施設に従事する医師のうち主たる診療科が産婦人科・産科の医師数は,平成12年が1万1059人,平成14年が1万1034人,平成16年が1万0594人,平成18年が1万0074人であり,令和4年は1万1833人(産婦人科1万1336人と産科497人の合計)であった。
統計は各年12月31日現在の数であり,減少は事件が起きた平成16年12月より前の期間から始まっている。
令和8年5月21日の参議院厚生労働委員会で,厚生労働省医政局長は,産婦人科医の数が2004年の1万0594人から2006年には一時的に1万0074人まで減少し,その後増加に転じて2024年には1万1690人に増加したと答弁している。
答弁の2004年と2006年の数は統計の平成16年と平成18年の数と一致しており,同じ系列の数とみられるが,そうであれば,令和4年(2022年)の1万1833人から2024年の1万1690人へは減っていることになる。
日本産科婦人科学会の産婦人科医の新規入会者数は,厚生労働科学研究の報告書の図(男女別の棒グラフ)の数値を合計すると,2002年度が366人,2003年度が375人,2004年度が101人,2005年度が143人,2006年度が329人,2007年度が335人,2008年度が402人,2009年度が452人,2010年度が491人である。
同報告書は,2004年度から2005年度の大幅な減少を,初期臨床研修の必修化に伴うものと説明している。
国会では,当時の舛添要一厚生労働大臣が,平成19年10月15日の参議院予算委員会で大野病院事件の後に産婦人科医の数が減ったという趣旨を,平成20年11月13日の参議院厚生労働委員会で同事件の後に産科の希望者が少なくなっているという趣旨を答弁している。
もっとも,本記事の作成時に確認した範囲では,事件の影響だけを数字で切り分けた公的な資料は見当たらない。
第6 事件の後の制度
1 産科医療補償制度
平成21年2月19日の衆議院予算委員会第五分科会で,厚生労働省医政局長は,産科医療補償制度について,日本医療機能評価機構が運営組織であること,補償の対象が脳性麻痺であること及びこの制度は「平成二十一年一月一日以降に出生したお子さんが対象となっております」ことを答弁している。
その前の平成20年11月25日の参議院厚生労働委員会では,厚生労働大臣が「福島県立大野病院の産科医が逮捕されるというあの事件以来、ノーフォールト、無過失補償制度を何とか入れぬといけないなと思って努力をしてまいりました。」と述べている。
健康保険法施行令36条ただし書は,出産に係る事故のうち,生まれた子が当該事故により脳性麻痺にかかり,厚生労働省令で定める程度の障害の状態となったもの(特定出産事故)について,子の養育に係る経済的負担の軽減を図るための補償金の支払に備える保険契約を締結し,特定出産事故に関する情報の収集・分析等の措置を講じている病院等での出産であれば,出産育児一時金に3万円を超えない範囲で保険者が定める額を加算すると定めている。
2 死因究明の検討と大綱案
厚生労働省は,平成20年4月に公表した第三次試案を踏まえ,同年6月に「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」を示した。
大綱案は,医療事故死等の原因を調査する医療安全調査委員会を設け,医療法の改正で病院等の管理者に医療事故死等の届出義務を課すとともに,医師法21条の届出先を「検案をした地の所轄警察署長」に改めたうえでただし書を加え,その手続による報告又は届出を24時間以内にしたときは警察署への届出を要しないとする改正を含んでいた(大綱案1頁,7頁,10頁)。
3 医療事故調査制度
現在の医療事故調査制度は,平成26年法律第83号による医療法の改正で設けられ,平成27年10月1日から施行されている(同法附則1条5号)。
医療法6条の10第1項は,病院等の管理者が,勤務する医療従事者が提供した医療に起因し又は起因すると疑われる死亡・死産で,管理者が予期しなかったものとして厚生労働省令で定めるものを,医療事故調査・支援センターに報告しなければならないと定めている。
平成26年法律第83号の附則2条2項は,医師法21条の規定による届出と,医療事故調査・支援センターへの医療事故の報告,医療事故調査及び同センターの在り方を見直すこと等について検討を加え,公布後2年以内に法制上の措置その他の必要な措置を講ずるものとしていた。
同法は医師法そのものを改正していない。
医師法21条の文言は,大綱案(10頁)が「現行の医師法第21条」として掲げた条文と,令和8年10月25日にe-Gov法令検索で確認した現行の規定とで変わっておらず,大綱案のようなただし書も加えられていない。
厚生労働省は,平成27年9月24日に開いた医療事故調査制度の説明会の動画を,同月30日に同省のYouTubeチャンネルで公開しており,制度の目的と医師法21条との関係を説明している。
動画は制度の施行前(平成27年9月)の説明であり,その後の制度の運用や規定の変更の有無は動画からは分からない。
第7 実務での使い方
1 病院・医師から相談を受けたとき
大野病院事件では,院内の安全管理マニュアルが,医療過誤による死亡等の場合には病院長が警察署へ届け出ることとしていたが,病院長は届け出ず,医師はその定めを知らなかった。
医師法21条の届出義務を負うのは死体を検案した医師であるから,院内の手順でも,誰がどの資料に基づいて届出の要否を判断し,その判断と理由をどこに記録するかを定めておく必要がある。
医療事故調査・支援センターへの報告の要否は,これとは別に管理者が判断する。
医療行為の過失が刑事事件で問題となった場合,判決が示した「一般性あるいは通有性」の基準と,臨床症例による立証の必要性は,弁護方針を考える出発点になる。
もっとも,この判決は地方裁判所の判決であり,その後の裁判例を含めて個別に確認する必要がある。
2 患者・遺族から相談を受けたとき
民事の損害賠償請求を検討する場合の医療訴訟の手続や統計は,医療訴訟の統計(令和7年)と医療過誤事件の調査・立証・判例・消滅時効で整理している。
出産に関連して子が脳性麻痺にかかった場合は,産科医療補償制度の対象となるかも確認する。
第8 関連記事
治療の中止が殺人罪に問われた事件は,東海大学病院事件と川崎協同病院事件で整理している。
医療事故が起きた後の保険と初動は,医師賠償責任保険(日医医賠責)の仕組みと医療事故の初動で整理している。
医療事故調査制度のその後は,平成27年10月の厚生労働省制度変更で整理している。
第9 出典
1 裁判例
①福島地裁平成20年8月20日判決(平成18年(わ)第41号,判例秘書の判例番号 L06350366。判決書末尾の日付は平成20年9月17日)
②最高裁平成16年4月13日判決(平成15年(あ)第1560号,刑集58巻4号247頁)
2 法令
①医師法21条(e-Gov法令検索)
②刑法211条(e-Gov法令検索)
③医療法6条の10(e-Gov法令検索)
④健康保険法施行令36条(e-Gov法令検索)
⑤地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第83号)附則1条,2条(衆議院)
3 国会会議録
①平成18年3月17日衆議院厚生労働委員会(法務省刑事局長)
②平成19年5月23日衆議院法務委員会(法務省刑事局長)
③平成19年10月15日参議院予算委員会(厚生労働大臣)
④平成20年11月13日参議院厚生労働委員会(厚生労働大臣)
⑤平成20年11月25日参議院厚生労働委員会(厚生労働大臣)
⑥平成21年2月19日衆議院予算委員会第五分科会(厚生労働省医政局長)
⑦平成25年3月15日衆議院厚生労働委員会(厚生労働大臣政務官)
⑧令和8年5月21日参議院厚生労働委員会(厚生労働省医政局長)
4 行政資料・統計
①厚生労働省「第8回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」参考資料3(平成24年10月26日)
②厚生労働省「医療安全調査委員会設置法案(仮称)大綱案」(平成20年6月)10頁
③厚生労働省「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」結果の概要(医師)図4
④厚生労働科学研究 平成25年度分担研究課題成果報告書「産婦人科医師数の実態に関する研究」3頁図3
⑤厚生労働省医政局医事課長「医師による異状死体の届出の徹底について」(平成31年2月8日医政医発0208第3号)及び同課事務連絡「『医師による異状死体の届出の徹底について』に関する質疑応答集(Q&A)について」(平成31年4月24日)
⑥厚生労働省「医療事故調査制度説明会」(YouTube,平成27年9月30日公開)https://www.youtube.com/watch?v=724oAxnb0J4