第1 AIが新しい法律回答を作るサービスなのか
「みんなの法律相談AI」は,弁護士ドットコムが提供する,対話を通じて事情を整理し,近い相談と弁護士の回答を探すサービスである。
令和8年10月25日に確認した公式案内は,表示するのは「みんなの法律相談」で弁護士が実際に回答した内容であり,AIが回答文を作ることはないと説明している。
そのため,利用する際は,AIが自分の事件について新しい法律上の結論を出す仕組みなのか,過去の相談と回答を探す仕組みなのかを区別する必要がある。
本記事は,公式案内と令和8年10月2日の会社発表に基づく説明である。
個別の相談情報を入力した実測結果ではない。
公式案内:https://www.bengo4.com/ask/
第2 公式に案内されている機能と利用条件
令和8年10月2日の会社発表は,β版について,無料・匿名で24時間365日利用できる対話・検索型アシスタントと説明している。
困っている事情を質問を重ねて整理し,過去の相談・弁護士回答から近いものを抽出して,テーマごとに提示する仕組みである。
同発表には,会話内容をまとめた「相談メモ」を生成し,実際に弁護士へ相談する際の資料などに使えるという説明もある。
これらは提供者が公表した機能の説明であり,検索結果の適合性や,個々の利用者の紛争解決を保証するものではない。
公式案内は,次の画面で利用規約と免責事項を確認してチャットを開始するよう案内している。
無料・匿名という表示だけで入力内容の保存・利用・第三者提供の条件まで判断せず,開始前にそのサービスに適用される条件を確認されたい。
会社発表:https://www.bengo4.com/corporate/news/article/4c0yjybeb6az/
第3 弁護士本人の回答でも,自分の結論とは限らない
実際の弁護士が書いた回答を読めることと,その弁護士が自分の資料を確認して回答したことは別である。
表示された相談では,自分の問題と似た言葉が使われていても,契約内容,証拠,出来事の時期,相手方の主張などが異なる可能性がある。
例えば「会社を辞める」という同じ悩みでも,問題となる契約や説明したい事情が異なれば,確認すべき点も変わる。
検索結果を読む際は,回答の結論だけを切り出さず,元の質問,回答日,前提とされる事実や留保を一緒に確認されたい。
また,検索で見つかった回答が当時の制度を前提にしている可能性もある。
現在の自分の問題に当てはめるときは,適用される時点と原資料を確かめる必要がある。
詳しく入力したことや,複数の回答が似ていることだけで,結論の正しさを確定しないことが大切である。
AI法律相談の一般的な使い方と限界:https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/10/11/ai-bengoshi-toha/
第4 相談メモを弁護士へ持参する際の使い方
相談メモは,自分の説明を準備するための補助資料として使うと整理しやすくなる。
次の情報を分けて残す方法が考えられる。
– AIとの対話で入力した事情と,入力していない事情。
– 見つかった過去の相談のURL,元の質問,回答日。
– 自分の事件と似ている点,異なる点,まだ分からない点。
– 契約書,メール,通知書などの原資料と時系列。
– 希望する解決と,既に迫っている期限。
生成された相談メモに抜けや言い換えがあれば,自分の説明や原資料と突き合わせて補ってください。
過去の回答を自分宛ての助言として提出するより,どの点が同じで,どの点が違うかを相談先に伝える方が,検討の前提を共有できる。
また,メモを作成したことと,弁護士が依頼を受けたことは別に確認されたい。
期限がある場合は,メモの完成や検索結果の追加を待ち続けず,その期限と連絡の目的を相談先へ伝えてください。
相談準備の詳しい整理方法:https://yamanaka-bengoshi.jp/2026/10/05/seisei-ai-kaitou-bengoshi-soudan-jijitsu-shouko/
第5 公開型の相談投稿と使い分ける
「みんなの法律相談」への公開投稿と,「みんなの法律相談AI」へのチャット入力は,同じサービス名の一部が使われていても取扱いを分けて確認する必要がある。
公開投稿の編集・削除・退会に関するFAQから,AIチャットの入力が公開されるか,いつ削除されるかを推測することはできない。
入力前には,対象サービスの利用規約・免責事項・情報の取扱いを確認し,入力しなくても整理できる個人情報や秘密情報は省く方法を考えてください。
具体的な資料を示す必要がある場合は,個別相談の連絡先と送付方法を確認することが先になる。
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第6 資料の位置付け
本記事は,公式案内で確認できる機能と,利用時に分けて考えたい事項を説明したものである。
サービス全体について弁護士法上の適法性を判定したり,個別の回答の正確性を保証したりするものではない。
機能・料金・利用条件は変更されることがあるため,利用前に公式案内を確認されたい。