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情報公開請求書の書き方―文書名が分からない場合の特定と補正(AI作成)

情報公開請求では,行政機関の内部で使われている正式な文書名まで知っている必要はない。
必要なのは,請求先が対象となる行政文書を特定できるように,名称その他の事項を書くことである。

本記事は,国の行政機関に対する情報公開法上の開示請求を扱う。
地方公共団体の条例,独立行政法人等の制度及び裁判所の司法行政文書開示手続では,根拠法令や書式を別に確認する必要がある。

第1 請求書に必要な事項

情報公開法4条1項が求めるのは,請求者の氏名又は名称及び住所又は居所,法人等であれば代表者の氏名,並びに行政文書の名称その他の対象文書を特定するに足りる事項である。
請求先の現行書式を使い,連絡先等の案内事項も確認する。

「行政文書の名称等」の欄では,何について知りたいかという問題意識を,どの既存文書の開示を求めるかという形へ具体化する。
例えば「なぜこの事業を実施したのか」という質問だけでは,行政機関に回答文書の新規作成を求めているのか,既存の検討資料を求めているのかが明確にならない。

知りたい理由が事業採用の経緯であれば,決裁文書,検討会の議事録及び配布資料など,その経緯が記録されている文書を挙げる方法が考えられる。
ただし,それらの文書が実際に作成・保有されているかは別の問題である。

第2 文書名が分からない場合の書き方

正式名称が分からなくても,事業名,会議名,対象期間,文書の種類,作成又は取得した部署などを組み合わせ,対象を絞り込むことができる。
財務省の公式案内も,請求対象が特定できるよう具体的に記載し,不明な場合は情報公開窓口に問い合わせるよう案内している。

次は,実在の案件を前提としない記載例である。

> 令和8年4月1日から同年6月30日までに開催された「○○事業検討会」の議事録及び当該会議で配布された資料。
会議の正式名称が異なる場合は,○○事業の実施方針を検討するために同期間中に開催された会議の上記文書を対象とする。

この例では,期間,会議の役割及び文書の種類を示している。
「正式名称が異なる場合」の記述も,あらゆる関連文書へ範囲を広げる趣旨ではなく,同じ対象を別の呼び方で特定する趣旨である。

反対に,「○○に関する資料一切」という表現だけでは,対象が十分に特定できるか,想定を超える範囲になるかが分かりにくい。
決裁文書だけが必要なのか,電子メールや会議資料も必要なのかを,窓口との相談で明らかにするとよい。

第3 請求前に確認できること

行政文書ファイル管理簿や行政機関の公表資料から,ファイル名,対象年度及び担当部署の手掛かりを調べる。
e-Gov文書管理の公式案内も,管理簿で得た名称や内容等を請求書へ記載する方法を示している。

管理簿のファイル名は特定の手掛かりになるが,その名称だけで希望する文書全部が含まれるとは限らない。
既に公開された資料に引用されている決裁番号,会議名又は資料名があれば,窓口へ併せて伝える。

相談では,「この文書名で通じるか」「どの機関・部署が保有しているか」「期間や文書の種類をどこまで具体化すればよいか」を確認する。
情報公開法22条1項も,行政機関の長が容易かつ的確な請求のための情報提供その他の措置を講ずる旨を定めている。

第4 補正を求められたとき

開示請求書に形式上の不備があると認めるとき,行政機関の長は,相当の期間を定めて補正を求めることができる。
この場合,補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない(情報公開法4条2項)。

補正依頼を受けたら,まず,不備とされる事項,補正期限,窓口が想定している対象文書及び補正後の対象範囲を確認する。
単に「全部お願いします」と繰り返すよりも,候補となる文書名やファイル名を示してもらい,自分の求める範囲と照らす方が具体的である。

補正案に同意する前には,当初求めた文書の一部を意図せず外していないかも確認する。
例えば「決裁文書のみ」と直せば,会議資料や別途保有されている関連文書を対象から外す結果になり得る。

補正に要した日数は,原則30日の開示決定等の期限に算入しない(同法10条1項ただし書)。
補正を求められた日,回答した日,補正が完了したと扱われた日を記録しておくと,期限を確認しやすい。

第5 特定できないことと不存在は違う

対象を特定できない場合と,対象を特定した上で行政機関がその文書を保有していない場合は,区別する必要がある。
文書が存在しないという結果だけから,請求書の書き方が悪かったとはいえない。

不存在を理由とする不開示決定を受けたときは,請求対象がどのように解釈されたか,作成されなかったのか,保存期間満了等で保有しなくなったのか,別の機関が保有する可能性があるかを確認する。
個別の不存在判断の当否は,決定理由と対象文書に関する事実に即して検討する。

第6 提出方法と関連する手続

提出方法は,請求先の最新の公式案内で確認する。
書面提出のほか,対応する機関ではオンラインの開示請求も案内されている。
平成13年の解説書に記載された当時の提出方法を,現在の全機関に共通する制限として扱うことはできない。

開示請求の対象や審査会等の全体像は,行政機関等に対する情報公開請求の基礎を参照されたい。

第7 出典

行政機関の保有する情報の公開に関する法律2条2項,4条,10条1項及び22条1項。

財務省「情報公開(開示請求)の手続等について」。

e-Gov文書管理「文書管理について」。

法令は令和8年10月24日現在施行中の条文を基準とする。
記載例及び相談時の確認事項は,上記の制度を踏まえた本記事の説明であり,行政機関が公表した定型文ではない。