メインコンテンツへスキップ
       

結婚前の貯金・相続財産・へそくりは財産分与の対象?特有財産の証明方法(AI作成)

第1 名義や「へそくり」という呼び方だけでは決まらない

1 法的な名義と離婚時の清算を区別する

結婚前から有する財産や,一方が相続又は贈与により取得した財産は,原則として夫婦の協力で形成した財産と区別する。
他方,婚姻中に夫婦の協力で形成した預金は,一方名義の口座に入っていても財産分与の対象となり得る。
「自分名義だから全部対象外」「相手に知らせていない貯金だから自分だけのもの」とは判断できない。

民法762条が定める夫婦間の財産の帰属と,民法768条による離婚時の財産分与は,分けて理解する必要がある。
婚姻中の給与が入る一方名義の口座も,名義だけで財産分与の対象から外れるわけではない。

本記事は,令和8年10月16日現在の民法,裁判所及び法務省の案内と,大阪家裁掲載「財産目録の作成方法」PDF2頁・5頁~6頁に基づき,預貯金の原資と証明方法を説明する。
株式・投資信託の値上がり,配当,再投資等は,婚前の株式・投資信託・NISAと財産分与を参照されたい。

2 呼び方より,いつ・何を原資に取得したか

財産の説明主に確認すること
結婚前の貯金婚姻時残高と,その後の入出金・残存部分
相続した預金相続の内容,入金,その後の移動・使用
親からもらった金銭誰への贈与か,金額,送金,取得財産
へそくり原資が給与・家計の残りか,婚前・相続資金か
別口座へ移した金銭移転元と移転先の連続性,同じ資金の重複計上

「へそくり」は,財産分与の対象性を決める独立した法的区分ではない。
どの原資を,いつ,どこへ貯めたのかを確認することが出発点となる。

第2 結婚前の貯金をどう示すか

1 婚姻時と基準日の両方を確認する

大阪家裁の資料6頁は,婚姻前に取得した預金が現在残高に含まれている場合,婚姻時の通帳や取引履歴による特有性の立証が考えられると説明している。
婚姻時に200万円あったという資料と,現在又は基準日の残高だけでは,途中の移動や使用が分からないことがある。
同じ金銭がどのように残っているかを示すことが重要である。

通帳の表紙・口座情報,婚姻時残高,基準日残高に加え,必要な期間の取引履歴を対応させる。
通帳を更新して履歴が省略された場合や口座を解約した場合は,取引履歴等を取得できるか金融機関へ早めに確認する。

2 同じ口座に給与が入る場合

婚前の預金と婚姻後の給与等が同じ口座で動く場合は,入金の原資と出金の使途を分けて整理する。
混在したことだけから直ちに全部が清算対象になるとも,婚姻時残高をいつでもそのまま差し引けるとも断定できない。
入出金の経過と基準日に残る財産との対応が争点になる。

例えば,婚前資金を別の預金へ移してそのまま保有している場合と,生活費として支出した後に給与で残高が回復した場合では,説明すべき経過が異なる。
機械的に古い残高を引くのではなく,その金銭が現在のどの財産に対応するのかを資料で示す。

第3 相続・贈与で取得した財産

1 相続で取得した財産と遺産分割を混同しない

親から相続した財産を,自分の離婚に際して配偶者へ分けるかという問題と,親の遺産を相続人同士で分ける遺産分割は別の問題である。
相続による取得内容を示す遺産分割協議書等と,現実の入金・登記の資料をそろえる。
その後,預金の払戻し,不動産の売却,別資産の購入等があれば,資金の行先まで確認する。

相続した財産についても,婚姻中の維持への協力等が争われることはある。
相続という取得原因だけで,あらゆる事情の検討が不要になるわけではない。

2 親から住宅の頭金を出してもらった場合

まず,親からの金銭が夫婦の一方への贈与なのか,夫婦双方への贈与なのか,借入れなのかを区別する。
贈与契約書,送金記録,購入契約書及び当時の説明等を対応させ,誰の原資として主張するのかを明確にする。

大阪家裁の資料6頁は,取得代金の一部を親が拠出した場合について,取得代金に占める割合と現在の評価額を用いて特有財産部分を示す方法を説明している。
ただし,親が関与したという事実だけで一定割合を控除できるという意味ではなく,取得価格と資金拠出の双方の裏付けが必要である。

3 相続資金等で別の財産を買った場合

大阪家裁の資料は,贈与又は相続の金銭で取得した財産についても,取得全体の原資なのか,一部の原資なのかを分けて記載する方法を示している。
現金のまま残っていない場合も,取得資金と購入財産のつながりを示すことが重要である。
証券口座へ移った場合は,証券口座の残高増加の検証も参照されたい。

第4 財産目録では残高と特有財産の主張を分ける

1 主張する控除額だけ残高を減らさない

大阪家裁の資料2頁は,基準日の預金残高をそのまま記載した上で,特有財産欄へ別に記載して控除する等の方法を示している。
残高欄そのものを直接減らすと,通帳等の客観資料と食い違い,どこを争っているかが不明になるためである。
この記載方法は同庁の資料に基づくものであり,提出先の書式・指示も確認する。

例えば,基準日残高500万円のうち200万円を婚前財産と主張する場合は,残高500万円と,控除を求める200万円の理由・証拠を分けて示す。
相手がその控除を争う場合には,控除額が確定したものとして合計額を説明しない。

2 資料対応表を作る

記録する項目記載する内容
取得婚姻前・相続・贈与の別,日付,金額
原資の資料当時の通帳,協議書,送金記録等
その後の移動移転先口座,売却・購入,使用した金額
基準日の財産口座・資産の特定,残高又は数量
主張と争い控除を求める額,相手の反論,不足資料

この表は説明を整理するための提案であり,裁判所指定の書式ではない。
「親からもらった」という説明を繰り返すより,取得から基準日までの対応を具体化することに意味がある。

第5 資料が足りないときと合意時の注意点

1 不明な部分を確定額として扱わない

資料が見つからない場合は,取得時期・原資について確認できる資料と,現在財産へのつながりが分からない部分を分ける。
金融機関や親族の資料,購入時の書類等で補えるか検討する。
相手に情報が偏る場合には,必要な情報と争点を具体化して裁判所の情報開示命令等を検討するが,すべての過去取引が自動的に取得される制度ではない。

2 全体の清算額と期限を確認する

特有財産の控除が認められるかという問題と,夫婦全体で最終的にいくら払うかという問題は同じではない。
他の預貯金,自宅,負債及び各人が取得する財産を含めて清算する。
離婚後の家裁への申立期間は,令和8年4月1日以後の離婚では5年,同日前の離婚では2年である。

合意では,どの財産・どの原資の争いを解決したのか,資料未確認の財産をどう扱うのかを明確にする。
離婚手続全体は,離婚の手続と決めることで説明している。

第6 根拠資料

① 民法762条・768条:https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
② 家事事件手続法152条の2・258条3項:https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052
③ 裁判所「家事事件Q&A・財産分与」:https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kazi/index.html
④ 大阪家裁掲載「財産目録の作成方法」PDF2頁・5頁~6頁:https://www.courts.go.jp/osaka/vc-files/osaka/2022nendo/R4_11_8kazimousitatesyo/R5_2_20koushin/R5_2_20/R5_zaisanmokuroku_sakuseihouhou.pdf

本記事は生成AIを用い,法令及び上記資料の該当箇所を照合して作成した。
大阪家裁の資料は目録作成の実務案内であり,混在預金に関するすべての紛争について同じ控除を命じる全国一律の算定基準ではない。