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Google Maps・Google Earth・Street Viewを資料・ブログ・動画で使う条件-印刷,埋込み,スクリーンショット及び広告(AI作成)

第1 結論

1 三つの製品を同じルールで扱わない

Google Maps,Google Earth及びStreet Viewは,いずれも地理情報を表示するサービスであるが,Googleが公表する利用条件は同じではない.
弁護士が準備書面,証拠説明資料,依頼者向け資料,講演資料,ブログ,SNS又は動画で地図画像を使うときは,①製品,②通常地図・航空写真・衛星画像・Street Viewの別,③印刷・ウェブ・動画等の媒体,④商業又は販売促進目的,⑤埋込み・リンク・スクリーンショット・APIの別,⑥表示される帰属表示を固定して判断する必要がある.

Googleの現行Geo Guidelinesを大づかみに整理すると,Google Mapsは一定の印刷,ウェブ埋込み及び非販売促進のオンライン動画で利用しやすい一方,Google Earthは商業又は販売促進目的での利用が強く制限され,Street Viewは印刷利用及びスクリーンショットの切出しが認められていない.
「Googleの地図だから使える」,「出典を書けば足りる」,「裁判資料だから自由に使える」という一括判断はできない.

2 迷ったときの安全な順序

場所又は経路を知らせるだけなら,第一にGoogle Mapsへの通常のリンク又はGoogleが提供する埋込み機能を検討する.
紙面では短縮リンク又はQRコードでGoogle Mapsの場所へ誘導する方法も,Googleが許容例として挙げている.

画像が本当に必要な場合は,Google Mapsの通常地図を基本とし,利用目的に必要な範囲でスクリーンショット又はGoogle提供機能を使い,画面に表示されたGoogle及び第三者データ提供者の帰属表示を残す.
Google Earth又は衛星画像は商業・販売促進用途かを先に確認し,Street Viewは画像を切り出さず,ウェブでは埋込み又はAPI,映像では端末上の製品をそのまま操作する場面に限定する.

本記事は令和8年9月16日現在のGoogle公式ページ及び日本の著作権法を基準にしている.
Googleの規約及びガイドラインは変更され得るため,実際の利用直前に対象製品,媒体及び表示中の帰属表示を再確認する必要がある.

第2 最初に確認する法的な層

1 日本の著作権法とGoogleの利用条件を分ける

著作権法10条1項6号は,地図及び学術的な性質を有する図面,図表,模型その他の図形の著作物を例示している.
地理上の位置,道路の存在,距離その他の事実それ自体と,情報の取捨選択,縮尺,記号,配色,注記,写真又は画像の表現は分けて考える必要がある.

スクリーンショットの保存又は印刷は複製権,ブログ掲載は公衆送信権,加工又は大幅な描き替えは翻案権又は同一性保持権との関係が問題となり得る.
引用その他の権利制限が成立する場合はあるが,画像を装飾又はアイキャッチとして置くことは,説明・批評・検証のための引用であるとの説明が難しい.

これに対し,GoogleのGeo Guidelines,Google Maps追加利用規約,Google Earth追加利用規約及びGoogle Maps Platformの規約・技術文書は,Googleが提供する製品を利用する際の許諾・契約・運用条件である.
日本法上の権利制限規定とGoogleの条件は別の層であり,一方の確認だけで他方の問題がなくなるわけではない.

2 Googleの「fair use」という説明を日本法の引用と混同しない

GoogleのGeo Guidelinesは,米国法上のfair useその他の各国の類似概念により利用できる場合があると説明し,Google自身はfair useに該当するか判断できないとしている.
日本で利用する場合は,この記載自体が著作権法32条の引用を認めるものではない.

引用を根拠とするときは,公表された著作物であること,公正な慣行に合致すること,引用目的上正当な範囲であること,本文と引用部分を明確に区別すること,自分の説明が実質的な本体であること及び著作権法48条による出所明示を確認する.
契約への同意,APIの利用条件,技術的制限及び帰属表示は,法定引用とは別に検討する.

3 利用時点の版と証拠を保存する

令和8年9月16日確認時点で,Google Maps End User Additional Terms of Serviceは令和8年1月27日最終更新,Google Earth End User Additional Terms of Serviceは令和7年6月4日最終更新と表示されている.
Geo Guidelinesには媒体別の具体例があり,Google Maps Platformのサービス別条件及びAPIの表示要件は別ページで更新されている.

素材台帳には,利用した製品,通常地図・衛星画像・Street Viewの別,取得URL,取得日,利用媒体,部数,商業・販売促進目的の有無,画像の加工,表示された帰属文言,利用条件のURL及び公開版を保存する.
ウェブ規約は変更され得るため,利用時点のPDF保存又は画面保存とSHA-256等による同一性記録を残すことが望ましい.

第3 媒体別の早見整理

1 印刷資料

Google Mapsは,書籍本文5000部まで,新聞・雑誌・学術誌等の定期刊行物,会社報告書・提案書・プレゼンテーション等のビジネス文書,及び5000部までの広告物における補助的な案内図を許容例としている.
他方,5000部を超える書籍,書籍の表紙,旅行ガイド等の中核となる案内地図,商品・包装,広告の主たる又は創作的要素としての使用を禁止例としている.

Google Earthも書籍本文5000部まで,定期刊行物及びビジネス文書を印刷の許容例としているが,同じページはGoogle Earthコンテンツを商業又は販売促進目的に使用できないと明記している.
有料出版物,営業資料又は顧客獲得用パンフレットだから当然に許されるとはせず,通常地図で足りる場合はGoogle Maps又は自作の略図へ切り替えるのが安全である.

Street View画像は,書籍,教科書,雑誌,新聞,広告,パンフレット及び商品を含む全ての印刷用途で利用できないとされている.
端末画面を撮影した画像又はスクリーンショットを紙へ印刷する方法も,Street View画像の印刷利用を回避する方法にはならない.

2 ウェブサイト及びアプリ

Google Mapsへの通常のリンク又はGoogleが用意する埋込み機能は,個別の許可を求めずに利用できる.
法律事務所の所在地案内,裁判所までの経路又は相談会場の案内では,地図画像を自分のサーバーへ保存するより,公式の共有リンク又は埋込みを優先する.

ウェブサイト又はアプリへ商業的に統合し,独自のマーカー,検索,経路又は場所情報を提供する場合は,Google Maps PlatformのAPI,料金,サービス別条件,表示要件及びプライバシーポリシー等を確認する.
APIが自動表示するGoogle Maps及び第三者提供者の帰属表示を削除,隠蔽又は改変してはならない.

Google Earthはウェブサイト又はアプリへ埋め込むことができないとされている.
非商業目的のニュース,ブログ,教育,娯楽又は解説であれば,適切な帰属表示を付けて少数の静止画像をエクスポートして利用できるとされるが,不動産広告,企業紹介,工事現場紹介,ウェブサイトのヘッダー,SNSバナー及びデジタル広告等の商業又は販売促進用途は認められていない.

Street Viewは,Google Mapsが提供するHTMLによる埋込み又はGoogle Maps Platformのウェブ・モバイルAPIで利用できる.
しかし,Street Viewのスクリーンショットを撮り,埋込み元から切り離してウェブサイト又はSNSへ掲載することは,目的を問わず認められていない.

3 デジタル広告及びSNS

Google Mapsの通常地図をデジタル広告で使う場合は,帰属表示を残し,製品及び画像の見た目を大幅に変更しないという一般条件を確認する.
衛星表示はGoogle Earthと同様の商業上の制約を受けるため,通常地図と同じ感覚で広告動画又は広告バナーへ使用しない.

Google Earthはデジタル広告,企業の販売促進,会社紹介,SNSバナー等に使用できないとされている.
Street Viewをデジタル広告で利用できるのは,Google Maps APIを利用する場合,又はGoogle Mapsが提供するHTML・URLで埋め込み若しくはリンクする場合に限られ,切り出した静止画像は利用できない.

SNS投稿で場所を紹介するだけなら,Google Mapsの共有機能から生成したリンクを用いるのが安全である.
地図又は画像を添付ファイルとして再投稿する場合は,製品別条件,帰属表示,第三者権利及びプラットフォームによる自動トリミングを確認する.

4 テレビ,映画及びオンライン動画

Google Mapsをテレビ,映画又はストリーミング作品で使う場合は,端末上で俳優がGoogle Mapsを操作する場面を含め,GoogleのEntertainment and Media手続による承認申請が必要とされている.
教育,解説,娯楽等を主目的とするYouTube等のオンライン動画は個別許可不要とされるが,適切な帰属表示が必要である.

Google Mapsを販売促進用のオンライン動画で使う場合は承認申請が必要であり,利用できるのは通常地図画像に限られる.
衛星表示はGoogle Earthと同じ商業上の制約を受ける.

Google Earth及びEarth Studioは,ニュース,テレビ番組,映画,ドキュメンタリー,音楽動画及び教育目的の映像で,個別許可を求めずに利用できるとされている.
画面上の帰属表示は常に必要であり,Googleは利用登録も求めている.
広告,コマーシャル,不動産会社の物件紹介動画,企業又は団体の販売促進動画には利用できない.

Street Viewをテレビ,映画又はオンライン動画で使えるのは,俳優又は出演者がパソコンやスマートフォン上で製品をそのまま操作している文脈を直接撮影する場合に限られる.
画像を製品から切り離して背景映像等に使うことはできず,利用には承認申請が必要である.

第4 Google Mapsの具体的な使い方

1 法律事務所内の検討資料及び依頼者向け資料

Google Mapsの通常地図を,場所又は移動経路を説明するため会社報告書,提案書又はプレゼンテーション等に印刷することは,Googleの許容例に含まれる.
ただし,表示された帰属表示を残し,必要部分を示す範囲を超えて大量に複製せず,地図を別の地図データベース又は案内サービスへ転用しない.

依頼者向け資料をメールで送る場合,紙の許容例だけで判断せず,リンク,共有機能又はPDF化した画像の別を記録する.
場所の確認だけなら,画像を貼り付けるよりGoogle Mapsへのリンクを送る方が,情報更新,帰属表示及び証拠保存の面で扱いやすい.

2 事務所案内,セミナーチラシ及び名刺

Google Mapsは,名刺,パンフレット,配布資料及びチラシ等で,場所を示す補助的な案内図として5000部まで利用する例を挙げている.
地図が広告の中心的又は創作的な要素となる場合,地図そのものを商品価値として利用する場合,又は5000部を超える場合は許容例の範囲外である.

事務所案内では,地図画像を大きく装飾的に置くより,Google Mapsの短縮リンク又はQRコードと住所・最寄駅を自分の文章で示す方法が安全である.
オンライン版では画像を再利用せず,公式の埋込みへ切り替える.

3 スクリーンショットへの書込み

Geo Guidelinesは,Google Mapsのスクリーンショットへ点,線,ラベル等を加えることを認めているが,製品の見た目を大幅に変え,地図の配色を変更し,又は帰属表示を削除することを認めていない.
Google My Maps又はGoogle Maps Platformのスタイル機能で目的を達成できる場合は,Google提供機能を優先する.

スクリーンショットをトリミングするときは,Google,地図データ提供者及び画像提供者の表示が欠けていないかを確認する.
注釈が元の地図情報であるか,利用者が後から加えた説明であるかを色,凡例又は注記で区別し,Googleがその評価又は結論を示したような表示にしない.

第5 Google Earth及び衛星画像の注意点

1 研究・教育と営業・販売促進を分ける

Google Earth及びEarth Studioは,研究,教育,映画及び非営利利用等で利用できるとされている一方,商業又は販売促進目的での利用を認めていない.
法律事務所のブログに広告が表示されること,個別記事が事件の解説を目的とすること及び事務所の集客に間接的に役立つことをどう評価するかは,Geo Guidelinesだけから常に明確になるわけではない.

このため,事務所紹介,受任実績,物件案内,広告又はサービス販売と結び付くページではGoogle Earth画像を避ける.
研究・教育的な記事で少数の静止画像を利用する場合も,記事の目的,画像の必要性,広告との関係及び帰属表示を記録し,通常地図又は公的オープンデータから作成した図で代替できないかを検討する.

2 衛星表示をGoogle Mapsの通常地図と同一視しない

Google Maps上で選択できる衛星表示であっても,販売促進用のオンライン動画についてはGoogle Earthと同じ商業上の制約を受けるとGeo Guidelinesが明記している.
画面上のサービス名だけで判断せず,実際に使用するコンテンツが通常地図,航空写真又は衛星画像のいずれかを記録する必要がある.

衛星画像にはGoogle以外の画像提供者が表示されることがあり,「Google」とだけ記載しても十分な帰属表示にならない場合がある.
撮影日,画像提供者,解像度及び現況との時間差も,証拠又は説明資料の正確性に関わる.

3 3Dモデルその他の派生利用をしない

Google Earth,Google Earth Pro又はEarth Studioの出力を使い,第三者ツールで3Dモデルを再構築し,又は類似するコンテンツ・製品・サービスを作成することは認められていない.
大量画像の取得,連続キャプチャ及び地図データベースの作成も,追加利用規約の大量ダウンロード・競合データセット等の禁止に抵触し得る.

案件の分析に3D地理情報が必要であれば,Google Earthの画面をデータ源として再構築するのではなく,国土地理院その他の利用条件が明確な一次データを選び,そのデータの規約に従って作成する.

第6 Street Viewの注意点

1 印刷及びスクリーンショットは禁止されている

GoogleのGeo Guidelinesは,Street View画像を全ての印刷目的に利用できないとし,ウェブ又はアプリについても,Street View画像のスクリーンショットを取得し,又は埋込み元から切り離して利用することを目的を問わず認めていない.
書籍,雑誌,新聞,準備書面,証拠説明資料,講演資料,広告及びパンフレットのいずれであっても,Googleの許諾ルートに依拠してStreet Viewの静止画像を印刷することはできない.

裁判の証拠として必要な場合に日本の著作権法41条の2が適用される可能性と,Googleの利用条件上の禁止は別の問題である.
法令上の必要性を理由に利用するときは,必要な範囲,代替証拠,出所明示,権利者利益への影響及び規約との関係を個別に記録し,通常の実務運用としてスクリーンショット利用を広げない.

2 ウェブでは埋込み又はAPIを使う

ウェブサイトで現地の様子を示す必要がある場合は,Google Mapsが提供するHTMLによるStreet View埋込み又はGoogle Maps PlatformのAPIを利用する.
埋込みを使えば,Googleが画像を更新又は削除したときに表示へ反映されるため,古い切出し画像を自分のサーバーへ残す問題を避けられる.

商業的に統合する場合は,APIのサービス別条件,料金,キャッシュ・保存制限,帰属表示,利用者向け規約及びプライバシーポリシーを確認する.
埋込み画面を画像化してSNS又は印刷物へ転用しない.

3 人物・住居・車両等のプライバシーを別に確認する

Googleは識別可能な顔及びナンバープレートをぼかす技術を使用し,住居,車両又は身体等の追加ぼかし申請手続を設けている.
しかし,自動的なぼかしがあることは,特定の人物,住居,事業所又は出来事を記事や証拠で取り上げることについて,肖像,プライバシー,名誉,営業秘密その他の問題がないことを意味しない.

画像の撮影時期,場所,建物の外観,表札,掲示物,車両及び周辺状況から個人又は案件が特定され得るかを確認する.
事件関係者の安全又は秘密に関わる場合は,Street Viewを埋め込まず,自作の概略図又は文章による説明へ置き換える.

第7 裁判資料及び法律事務所での利用例

1 準備書面・証拠説明資料へ場所を示す場合

まず,住所,道路名,交差点名,距離等の事実だけで足りるかを確認し,国土地理院地図,法務局の地図,現地写真,測量図その他の証拠との関係を整理する.
Google Mapsを使う場合は,通常地図の必要部分,取得日時,表示範囲,縮尺及び帰属表示を保存し,後から加えた矢印又は説明を明示する.

現行著作権法41条の2は,裁判手続又は行政審判手続のため必要な場合に,目的上必要な限度で複製等を認め,著作権者の利益を不当に害しないこと及び原則として出所明示を求める.
同条及び関係法令が定める裁判手続の電子提出等に伴う公衆送信等も対象となり得るが,ブログ,依頼者向け一般資料又は広告への二次利用まで許す規定ではない.なお,同条に関する令和5年改正の施行日は令和6年1月1日であり,令和8年5月21日は民事訴訟手続の全面デジタル化の施行日であるため,両者を混同しない.

Street ViewについてはGoogleの許諾条件上スクリーンショットを認めていないため,現地写真,公的図面,埋込み画面の閲覧又は必要性を限定した法的検討のいずれを採るかを案件ごとに決める.
裁判資料として提出した画像を,その後ブログ記事へそのまま掲載しない.

2 講演資料及び配布レジュメ

Google Mapsの通常地図はプレゼンテーション等のビジネス文書の許容例に含まれるが,帰属表示をスライド外へ追い出し,又は配布版で切り落としてはならない.
投影版とPDF配布版の双方で,Google及び第三者提供者の表示が読める大きさかを確認する.

Google Earthは講演の性質が教育・研究か,事務所又はサービスの販売促進かを区別する.
Street View画像はスライドへ貼り付けず,インターネット接続下で公式サービスをそのまま表示する必要性がある場合も,講演録画又はアーカイブ配信との関係を別に検討する.

3 法律事務所ブログ及びSNS

事務所所在地又は会場案内は,Google Mapsへのリンク又は公式埋込みを基本とする.
事故現場,不動産,工事現場又は店舗の位置を解説する記事では,地図の必要性,事件関係者の特定可能性,現在情報との時間差及び広告的利用の有無を確認する.

Google Earth画像を事務所紹介,取扱分野又は受任勧誘の視覚素材として使わず,Street Viewのスクリーンショットをアイキャッチ画像又はSNS画像にしない.
通常地図のスクリーンショットを記事で使う場合も,装飾ではなく位置関係を説明する必要性を明示し,帰属表示を画像の近くに残す.

第8 帰属表示と画像加工

1 表示中のGoogle及び第三者提供者を残す

Google Maps,Google Earth及びStreet Viewの全ての利用では,Google及び該当する第三者データ提供者への帰属表示が必要である.
表示文言は地域,表示内容及び画像の種類によって変わるため,定型的に「出典:Google Maps」と書き足すだけでは足りない場合がある.

Googleが提供する埋込み,API,Google Earth Pro又はEarth Studioのエクスポートを使うと,必要な帰属表示が自動的に付される場合がある.
提供機能を優先し,画面下部の表示を画像内に残す.

2 切除・隠蔽・末尾への移動をしない

帰属表示をトリミングで切り落とし,文字やロゴを重ねて隠し,又は読めない大きさへ縮小してはならない.
画像から離して書籍末尾,動画のエンドクレジット又はウェブサイトのフッターだけに記載する方法も認められていない.

スクリーンショットを直接埋込みの外で使う場合は,画像に表示された標準の帰属文言を画像の近くに,平均的な閲覧者が読める状態で置く.
Google以外の画像提供者が表示されている場合は,その提供者名も含める.

3 APIでは新しいGoogle Maps表示要件を確認する

Google Maps Platformの現行開発者文書は,新しい実装について,単にGoogleではなくGoogle Mapsのロゴ又はテキストによる帰属表示を用いるよう案内している.
Google Maps Platformのコンテンツと自社データ又は他社データを,境界線,背景,余白等によって視覚的に区別することも求めている.

APIごとに,場所写真,レビュー,第三者データ,キャッシュ・保存,利用者向け規約及びプライバシーポリシーの条件が異なる.
一般的なGeo GuidelinesだけでAPI実装を完了したとせず,実際に用いるAPIの最新ドキュメントを確認する.

第9 掲載・配布前のチェックリスト

1 対象と媒体

①Google Maps,Google Earth,Earth Studio又はStreet Viewのいずれか,②通常地図,航空写真,衛星画像又はパノラマ画像のいずれか,③印刷,PDF,ウェブ,アプリ,SNS,テレビ,映画又はオンライン動画のいずれかを記録する.
④部数,⑤有料配布,⑥営業・広告・販売促進との関係,⑦オンライン動画の目的,⑧API又は埋込みの有無も固定する.

同じ画像を講演スライド,配布PDF,ブログ,SNS及び録画動画へ流用する場合,媒体ごとに別の判定が必要である.
最初の媒体で許されることから,二次利用も許されると推論しない.

2 取得・加工・帰属表示

Google提供の共有,埋込み,印刷,エクスポート又はAPI機能を優先し,非公式なダウンロード又は連続キャプチャを避ける.
帰属表示,第三者提供者,取得日,表示範囲及び縮尺を保存し,トリミング,注釈,色変更又は合成の内容を記録する.

Street Viewのスクリーンショット,Google Earthの商業・販売促進利用,帰属表示の切除,大量ダウンロード,地図データセット化又は3Dモデル再構築に当たらないかを確認する.
不明な場合は通常のリンク,自作略図,公的オープンデータ又は現地写真へ置き換える.

3 内容の正確性と第三者権利

Google Maps及びGoogle Earthの追加利用規約は,現実の状況と地図結果又はコンテンツが異なる場合があるため,独立した判断を行うよう求めている.
裁判又は法律相談で重要な道路形状,距離,建物,境界,撮影時期又は店舗情報は,現地,公的資料,測量図その他の証拠で確認する.

地図画像の利用条件が整っても,人物の肖像・プライバシー,住居・表札,車両,秘密情報,商標,事件関係者の安全及び誤認表示の問題は残る.
Googleのぼかし処理又は帰属表示を,第三者権利の処理又は内容の正確性の保証として扱わない.

第10 確認結果の位置付け

1 確認できたこと

令和8年9月16日,Google公式のGeo Guidelines,Google Maps及びGoogle Earthの追加利用規約,Google Maps Platformのサービス別条件・帰属表示文書,Google Mapsの共有・埋込み案内及びStreet Viewのぼかし案内を確認した.
日本法については,e-Gov法令検索の著作権法及び文化庁令和8年度著作権テキストにより,地図・図形の著作物,複製・公衆送信,引用,出所明示及び裁判手続等における複製等を確認した.

Googleの媒体別説明はGoogle自身が公表する利用許諾・契約・運用条件であり,日本法の解釈又は裁判例ではない.
本記事は,Googleが示す許容例及び禁止例を日本の法律実務で使える確認順序へ整理したものである.

2 確認していないこと

Googleとの個別契約,Google Maps Platformの個別アカウントに適用される料金プラン又は特約,Entertainment and Mediaの個別承認結果,国又は地域ごとの第三者データ提供者条件は確認していない.
特定のスクリーンショット又は広告案についてGoogleから個別回答を得たものでもない.

Google Maps,Google Earth又はStreet Viewの利用条件を直接判断した日本の裁判例について,判例秘書による網羅的検索は行っていない.
したがって,本記事は裁判例が存在しないとの結論を示すものではない.

第11 関連する山中弁護士ブログの記事

1 リンク・埋込みと著作権

通常のリンク,公式埋込み及び自分のサーバーへ保存して公開する転載の区別については,「ウェブ上のリンク・YouTube・X埋込みと著作権―リツイート最高裁判決を含む(AI作成)」を参照されたい.
Google Maps又はStreet Viewでも,リンク,埋込み,API及びスクリーンショットは同じ利用行為ではない.

2 資料作成一般の権利処理

他人の文章,写真,図表,ロゴ,地図及びフリー素材を資料又はブログへ使う場合は,対象,利用行為,閲覧者,公開範囲,許諾・権利制限及び第三者権利を分けて確認する必要がある.
一般的な素材台帳,引用,写真・人物,表・統計,ロゴ及びフリー素材の確認手順とは重複させず,本記事はGoogleの三製品と媒体別条件に焦点を当てた.

第12 出典

1 Googleの公式条件

① Google「Brand Resource Center-Google Maps, Google Earth, and Street View」(媒体別の許容例,禁止例及び帰属表示,令和8年9月16日確認)
② Google「Google Maps End User Additional Terms of Service」(令和8年1月27日最終更新)
③ Google「Google Earth End User Additional Terms of Service」(令和7年6月4日最終更新)
④ Google「Legal Notices for Google Maps/Google Earth and Google Maps/Google Earth APIs
⑤ Google for Developers「Policies and attributions for Maps JavaScript API」(令和8年9月16日確認)
⑥ Google Maps Help「Share, send, or print directions from Google Maps」(共有,埋込み及び印刷機能)
⑦ Google Maps Help「Blur Street View Imagery」(令和8年9月16日確認)
⑧ Google Cloud「Google Maps Platform Service Specific Terms」及び「Google Maps Platform Core Services Summary」(令和8年9月16日確認)

2 日本法の一次資料・公的資料

著作権法(昭和45年法律第48号)2条,10条1項6号,20条,21条,23条,27条,32条,41条の2及び48条(e-Gov法令検索,令和8年9月16日確認)
② 文化庁「令和8年度著作権テキスト」(地図・図形の著作物,複製・公衆送信,引用及び裁判手続等における複製等,令和8年9月16日確認)及び「令和5年通常国会 著作権法改正について」(著作権法41条の2等の改正及び令和6年1月1日の施行日)