メインコンテンツへスキップ
       

令和5年司法試験国際関係法(私法系)第2問の模範解答と評価項目―34項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和5年司法試験の国際関係法(私法系)第2問について,認知の方式・無効と,外国財産分与裁判の間接管轄を解説する。
公式資料から独自に抽出した評価項目と,それを踏まえた模範解答を掲載する。

第1 この記事の対象と結論

本問の早見表
項目内容
対象令和5年度 国際私法第2問
問題・基準時問題文と設問の指定及び第7の出典・確認範囲による。問題の与件と指定された法令の時点を前提とする。
資料出題の趣旨・採点実感に基づく分析。版・対象範囲・留保は第7の確認状態を参照。
評価項目34項目(重み5:8項目)
重みの合計132(本記事独自の整理であり,公式の配点ではない。)
答案の字数1957字(答案部分の見出しを含み,空白・改行を除く可視文字数)
判例・法改正の留保第7の法令・裁判例と資料の範囲を参照。既存の確認日・参照頁・未確認部分の留保を引き継ぐ。
年度別の案内令和5年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目(AI作成)

本記事は,令和5年司法試験の国際関係法(私法系)第2問を対象とする。
評価項目は34件であり,法務省の公式採点基準又は項目別配点ではない。
認知の方式は有効であるとし,生父不明時の無効請求は否定する。
生父Bの証明後は親子関係の抵触を調整してBY関係を優先し,無効を認める構成を採る。
財産分与裁判の間接管轄は非同一説から否定するが,公式資料が唯一の結論を指定した事項ではない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準

1 評価項目の示し方

一つの評価項目には一つの判定対象を置き,根拠欄には出題の趣旨・採点実感の頁と記述の要旨を示す。
「記載なし」は関連範囲を読んだ結果であり,未閲覧を意味しない。
「許容分岐」は番号18の調整方法の例であり,番号19~22を全ての答案に累積して要求するものではない。
注意6項目も表に含め,正しい事項との二重加点には用いない。
番号25は判例を用いた発展的説明の条件付き項目である。

2 5段階の重み付けの基準

重み5はその設問の判断を大きく分ける核心,重み4は結論を理由付きで支える主要な論証・当てはめ,重み3は通常押さえる法的処理・事情の評価,重み2は論証を補強する説明・個別事情・補助的注意,重み1は補充的な引用・記述範囲の確認を示す。 条件付き項目を含み,重み5を全て必須とみなさない。

重要度は1~5の重みだけで示す。「注意」は誤りを避ける趣旨であり,重要度や減点点数を表す区分ではない。条件のある項目は,その構成・段階を採る場合に適用する。同じ理解や同じ誤りを複数の項目で重ねて評価しない。重み,項目数及び重みの合計は本記事の整理であり,法務省の項目別配点,難易度,得点又は合否の予測を示すものではない。

第3 本問の概要

1 問題文と事実関係

甲国籍Aと乙国籍Bの間にYが生まれ,日本国籍Xは血縁を欠くYを甲国で認知した。
設問1は,甲国での意思表示と日本への報告を区別して方式を判断し,Bの父性が不明の場合と証明された場合の認知無効を問う。
国際裁判管轄は認められ,反致は成立しないという前提を維持する。

設問2は独立した問いであり,甲国へ帰国したAが離婚・財産分与の裁判を得て,財産分与300万円について日本で執行判決を求める。
判断対象は民事訴訟法118条1号だけであり,送達・公序・相互保証の成否は論じない。

2 設問が求めること

設問が求めること
設問立場・対象指定・仮定・除外答えるべき到達点
設問1小問1甲国での認知の方式国際管轄は認められ,反致は成立しない。甲国の意思表示と日本への報告を区別する。
設問1小問2認知の無効Bの父性が不明の場合と証明された場合を区別。親子関係の準拠法と両関係の調整を論じる。
設問2財産分与300万円の執行判決独立した問い。民訴法118条1号だけ。離婚と財産分与の間接管轄を区別して示す。

第4 評価項目と重み

1 設問1・小問1

本記事で重み5とした評価項目は,元番号8・11・16・17・18・26・27・32の8項目である。条件付きの構成や注意事項を含み,これらを一つの答案にすべて累積して記載する趣旨ではない。

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
1認知方式を親族関係の法律行為の方式と性質決定し,通則法34条へ接続する。439頁・設問1小問1:親族関係についての法律行為の方式と性質決定され50頁・設問1小問1:その方式については通則法第34条の規定により準拠法が決定される
2実質的成立準拠法の方式と行為地法の方式の選択的適用を示す。439頁・設問1小問1:選択的適用され50頁・設問1小問1:いずれかの法の方式を満たす場合には
3甲国を行為地として甲国法②の面前意思表示を事実に当てはめる。439頁・設問1小問1:甲国法50頁・設問1小問1:甲国法②の方式を満たしている
4戸籍法41条1項の報告的届出を創設的な認知方式の根拠にしない。2記載なし50頁・設問1小問1:届出はいわゆる報告的届出
5方式の送致範囲で甲国法①の実質的成立要件を判断しない。2記載なし50頁・設問1小問1:送致範囲が法律行為の方式のみ

2 設問1・小問2

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
6認知無効を親子関係の成立の裏面と性質決定し通則法29条を用いる。439頁・設問1小問2:認知の実質的成立要件の準拠法50頁・設問1小問2:認知の実質的成立要件については、通則法第29条による
7出生時の父・認知時の認知者・子の本国法を示し,日本法と甲国法に連結する。439頁・設問1小問2:子の出生の当時における父の本国法50頁・設問1小問2:日本法(Xの本国法)と甲国法(Yの本国法)
8選択的連結の裏面として,日本法・甲国法の双方で無効を要することを示す。539頁・設問1小問2:日本法でも甲国法でも認知が無効となる必要がある50頁・設問1小問2:日本法でも甲国法でも認知が無効とされる必要がある
9日本法上はXY間の血縁不存在を認知無効の理由とする。439頁・設問1小問2:日本法では認知の無効が認められる50頁・設問1小問2:日本法では認知は無効となる
10認知者自身も改正前民法786条の利害関係人として無効を主張できる。4記載なし50頁・設問1小問2:認知者も民法第786条の利害関係人に当たり
11甲国法③の7年の期間を2012年1月と2019年7月に当てはめ,無効が認められないとする。539頁・設問1小問2:出訴期間制限にかかり50頁・設問1小問2:甲国法③の定める出訴期間制限にかかり
12生父Bの不明とXY間の血縁不存在の不明を混同しない。2記載なし51頁・設問1小問2:XがYの実父でないことは問題文中に記載されている
13認知に反対の事実として他の男性との血縁又は親子関係成立まで要求しない。2記載なし51頁・設問1小問2:XY間に血縁関係がないことを意味するに過ぎない
14BY間を別の非嫡出親子関係とし,出生時の父Bの乙国法を29条1項で指定する。440頁・設問1小問2:子の出生当時のBの本国法である乙国法51頁・設問1小問2:子の出生当時のBの本国法である乙国法
15乙国法④の事実主義によって,認知なくBY間の法律上の父子関係が成立することを示す。440頁・設問1小問2:いわゆる事実主義51頁・設問1小問2:乙国法④はいわゆる事実主義を採用しており
16従前の認知無効否定を維持するとXY・BYの両親子関係が併存することを示す。540頁・設問1小問2:いずれもが成立していることになり51頁・設問1小問2:XY間の親子関係と、BY間の親子関係のいずれもが成立している
17併存の原因を,単位法律関係ごとの準拠法指定・適用結果の持寄りという構造から説明する。540頁・設問1小問2:国際私法の基本的構造から生じた51頁・設問1小問2:単位法律関係ごとに準拠法を選択して
18両関係の調整について自己の見解の理由と事案への適用を示す。540頁・設問1小問2:自己の見解を説得的に論じる51頁・設問1小問2:自己の見解を説得的に論じる
19BY関係成立を理由にXY関係を排除する構成を採るなら,その優先理由を説明する。4記載なし51頁・設問1小問2:BY間の親子関係が成立している以上XY間の親子関係は問題となり得ない
20公序で無効を認める構成を採るなら,公序の根拠と内国関連性を論ずる。4記載なし51頁・設問1小問2:国際私法上の公序に反する
21公序を否定し無効を認めない構成を採るなら,内国関連性不足などを理由付ける。4記載なし51頁・設問1小問2:事案の内国関連性が十分でなく公序違反とならず
22真実の血縁に沿うBY関係を優先する構成を採るなら,子の利益との関係を理由付ける。4記載なし51頁・設問1小問2:真実の血縁関係に沿っているBY間を優先

3 設問2

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
23間接管轄を承認国日本の立場から判断する。440頁・設問2:承認国である日本の立場から判断52頁・設問2:承認国である日本の立場から判断
24同一説・非同一説の対立を踏まえ,採用する基準を理由付ける。440頁・設問2:同一説52頁・設問2:いずれを採用するかについて自己の見解を理由付け
25平成26年4月24日判決を用いるなら,人事・家事事件を直接扱う判例ではないと区別する。4記載なし52頁・設問2:人事・家事事件に関するものではないが
26離婚附帯の財産分与について人訴法3条の4第2項を入口にする。540頁・設問2:人事訴訟法第3条の4第2項52頁・設問2:人訴法第3条の4第2項に基づき検討
27離婚管轄だけでは足りず,家事法3条の12の財産分与管轄原因を別に要求する。540頁・設問2:家事事件手続法第3条の1252頁・設問2:管轄原因があるときに限り
28日本の直接管轄規定の日本を判決国甲国へ読み替えて審査する。4記載なし52頁・設問2:日本を判決国に読み替えて
29家事法3条の12第1号について,相手方Xの住所が甲国にないと当てはめる。440頁・設問2:同条第1号から第3号まで52頁・設問2:家事事件手続法第3条の12
30第2号について,双方の甲国籍を欠くと当てはめる。440頁・設問2:同条第1号から第3号まで52頁・設問2:家事事件手続法第3条の12
31第3号について,最後の共通住所は東京であって甲国ではないと当てはめる。440頁・設問2:同条第1号から第3号まで52頁・設問2:家事事件手続法第3条の12
32第4号又は非同一説の具体的事情を検討し,間接管轄の結論まで導く。540頁・設問2:同条第4号52頁・設問2:一般論を具体的に適用して結論を示す部分
33甲国法⑤⑥の管轄判断を日本側の間接管轄の根拠に置き換えない。2記載なし52頁・設問2:甲国法⑥
34民訴118条1号のみを問う設問で,他号の成否を論じない。2記載なし52頁・設問2:第1号以外の要件までも論じていた

4 重みの分布

重み5=8件,重み4=13件,重み3=5件,重み2=8件,重み1=0件,総数34件,重みの合計は132である。
合計は独自分析の集計であり,公式得点や合格可能性を示さない。

重み5は次の項目である。
番号8:選択的連結の裏面として,日本法・甲国法の双方で無効を要することを示す。
番号11:甲国法③の7年の期間を2012年1月と2019年7月に当てはめ,無効が認められないとする。
番号16:従前の認知無効否定を維持するとXY・BYの両親子関係が併存することを示す。
番号17:併存の原因を,単位法律関係ごとの準拠法指定・適用結果の持寄りという構造から説明する。
番号18:両関係の調整について自己の見解の理由と事案への適用を示す。
番号26:離婚附帯の財産分与について人訴法3条の4第2項を入口にする。
番号27:離婚管轄だけでは足りず,家事法3条の12の財産分与管轄原因を別に要求する。
番号32:第4号又は非同一説の具体的事情を検討し,間接管轄の結論まで導く。

第5 模範解答

1 答案の前提と表記

令和5年7月12日当時の法令・判例を基準にする。
民法786条は令和6年4月1日施行改正前の規定であり,後の7年の出訴期間を日本法へ遡及して適用しない。
以下の答案は見出し・句読点を含み改行を除いて1963字である。
設問1小問2では適応としてBY関係を優先し,設問2では非同一説を採る。

2 答案

第1 設問1

1 小問1
認知の方式は,親族関係についての法律行為の方式として,法の適用に関する通則法(以下「通則法」という。
)34条により定める。
同条1項の実質的成立準拠法による方式のほか,2項の行為地法に適合する方式も選択的に有効となる。
Xは甲国K市の身分登録所で,登録官吏に対しYを認知する意思を表示しているから,行為地法である甲国法②の方式を満たし,本件認知は方式上有効である。
その後の戸籍法41条1項による証書提出は,外国で成立した身分行為の報告であり,日本法上の創設的な認知の届出ではない。
血縁の有無も実質的成立要件の問題である。

2 小問2
(1)認知の無効は親子関係の成立の裏面として,通則法29条による。
同条1項前段・2項前段により,子の出生時の父の本国法,認知時の認知者の本国法及び子の本国法を選択的に適用する。
XY間では,父としてのXの出生時の本国法及び認知時の本国法は日本法,認知時のYの本国法は甲国法である。
選択的連結は親子関係の成立を容易にして子を保護するものであり,一方の法で有効なら関係を維持する。
したがって,認知無効を認めるには日本法でも甲国法でも無効が認められなければならない。

(2)Bが生父であることが不明の場合
XY間の血縁がないことは確定している。
日本法上,血縁を欠く認知は無効であり,認知者自身も民法786条の利害関係人として無効を主張できる。
民法785条は有効な認知の撤回を禁ずるものであり,無効主張を一律に排除するものではない。
血縁がないと知って認知した場合も同様である(最判平成26年1月14日)。
反対の事実とは認知者との血縁の不存在であり,他の男性の父性の証明までは要しない。
しかし,甲国法③の出訴期間は認知から7年である。
2012年1月上旬の認知に対する2019年7月の提訴は期間経過後であり,甲国法による無効は認められない。
よって,Xの請求は認められない。

(3)Bが生父であることが証明された場合
BY間は別の非嫡出親子関係であり,通則法29条1項前段により,Y出生時の父Bの本国法である乙国法による。
同法④は事実主義を採り,認知を要せず血縁の証明によって父子関係が成立するから,Bの認知がなくてもBY間の法律上の父子関係が成立している。
他方,XY間については前述の選択的適用により認知無効が認められないため,そのままでは二つの父子関係が併存する。
これは,各単位法律関係ごとに異なる準拠法を指定し,それぞれの結論を持ち寄るために生じる抵触であり,Bの父性の判明だけで甲国法③の期間制限が消えるわけではない。
そこで,法体系間の矛盾を除く適応として,両関係の優先を調整すべきである。
認知無効を制限する子の地位の安定という利益は,Bとの法律上の父子関係が確保される場合には相対的に弱まる。
真実の血縁に即して成立するBY関係を優先し,血縁を欠くXの認知による関係を排除するのが相当である。
よって,この場合はXの認知無効請求を認める。

第2 設問2

1 財産分与裁判は日本法上の家事事件に関する裁判であり,家事事件手続法79条の2によって民事訴訟法118条を準用する。
民事執行法24条5項により,執行判決には民事訴訟法118条1号の間接管轄を要する。
間接管轄は承認国である日本の立場から判断する。
直接管轄基準をそのまま用いる同一説に対し,承認という事後的な判断では身分関係の安定等も考慮する必要があるため,非同一説を採る。
ただし,外国法上の管轄のみで足りるのではなく,日本の直接管轄基準を出発点とし,承認の適否から具体的事情を検討する。
最判平成26年4月24日は人事・家事事件自体の判例ではないが,その判断方法を本問でも参考にする。

2 離婚に附帯する財産分与について,人事訴訟法3条の4第2項は,離婚の管轄だけでなく家事事件手続法3条の12各号の管轄原因を要求する。
甲国法⑥のように離婚の管轄から当然に財産分与の管轄を導くことはできない。
日本を甲国に読み替えると,同条1号について相手方Xは日本に居住する。
2号について双方が甲国籍を有するわけではなく,3号について最後の共通住所は東京であるから,いずれも満たさない。
4号及び非同一説の具体的事情を検討しても,Xの住所は明らかで,日本での裁判を困難とする事情はない。
Aの母国でYとの生活が続くことは承認に積極的な事情ではあるが,対象は財産分与であって子の監護そのものではなく,甲国での長期居住だけで日本在住のXに対する財産裁判の管轄を認めるのは相当でない。
Xは管轄を争った上で予備的に本案を争ったのであり,甲国の管轄を受け入れたともいえない。
したがって,甲国の財産分与裁判の間接管轄は認められず,民事訴訟法118条1号の要件は具備されていない。

以上

3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説

評価項目と答案の対応表

主な評価項目及び条件付きの項目の参照箇所を示す。注意は誤った記述を避けるための項目であり,別構成の記載を一律に求めるものではない。
表に掲げない番号は,4~5・10・12~13・25・28・33~34である。対応する設問の答案と,以下の解説を併せて参照する。

評価項目と答案の対応(重み5・4及び条件付きの項目)
番号重み評価項目答案の該当箇所・留保
14認知方式を親族関係の法律行為の方式と性質決定し,通則法34条へ接続する。答案第1の1
24実質的成立準拠法の方式と行為地法の方式の選択的適用を示す。答案第1の1
34甲国を行為地として甲国法②の面前意思表示を事実に当てはめる。答案第1の1
64認知無効を親子関係の成立の裏面と性質決定し通則法29条を用いる。答案第1の2
74出生時の父・認知時の認知者・子の本国法を示し,日本法と甲国法に連結する。答案第1の2
85選択的連結の裏面として,日本法・甲国法の双方で無効を要することを示す。答案第1の2
94日本法上はXY間の血縁不存在を認知無効の理由とする。答案第1の2
115甲国法③の7年の期間を2012年1月と2019年7月に当てはめ,無効が認められないとする。答案第1の2
144BY間を別の非嫡出親子関係とし,出生時の父Bの乙国法を29条1項で指定する。答案第1の2
154乙国法④の事実主義によって,認知なくBY間の法律上の父子関係が成立することを示す。答案第1の2
165従前の認知無効否定を維持するとXY・BYの両親子関係が併存することを示す。答案第1の2
175併存の原因を,単位法律関係ごとの準拠法指定・適用結果の持寄りという構造から説明する。答案第1の2
185両関係の調整について自己の見解の理由と事案への適用を示す。答案第1の2
194BY関係成立を理由にXY関係を排除する構成を採るなら,その優先理由を説明する。答案第1の2。条件・構成の選択は評価項目欄及び従来の解説による。別構成を累積要求しない。
204公序で無効を認める構成を採るなら,公序の根拠と内国関連性を論ずる。答案第1の2。条件・構成の選択は評価項目欄及び従来の解説による。別構成を累積要求しない。
214公序を否定し無効を認めない構成を採るなら,内国関連性不足などを理由付ける。答案第1の2。条件・構成の選択は評価項目欄及び従来の解説による。別構成を累積要求しない。
224真実の血縁に沿うBY関係を優先する構成を採るなら,子の利益との関係を理由付ける。答案第1の2。条件・構成の選択は評価項目欄及び従来の解説による。別構成を累積要求しない。
234間接管轄を承認国日本の立場から判断する。答案第2
244同一説・非同一説の対立を踏まえ,採用する基準を理由付ける。答案第2
265離婚附帯の財産分与について人訴法3条の4第2項を入口にする。答案第2
275離婚管轄だけでは足りず,家事法3条の12の財産分与管轄原因を別に要求する。答案第2
294家事法3条の12第1号について,相手方Xの住所が甲国にないと当てはめる。答案第2
304第2号について,双方の甲国籍を欠くと当てはめる。答案第2
314第3号について,最後の共通住所は東京であって甲国ではないと当てはめる。答案第2
325第4号又は非同一説の具体的事情を検討し,間接管轄の結論まで導く。答案第2

(1) 認知の方式と選択的連結

答案第1の1は番号1~5,第1の2⑴・⑵は番号6~13に対応する。
番号8・11の骨格は,選択的に成立を認める規則の裏面として両法で無効を要し,甲国法の期間経過によって無効を否定する点である。
認知の報告と創設,認知者との血縁不存在と生父特定を混同してはならない。

(2) 二つの父子関係の調整

答案第1の2⑶は番号14~18,採用分岐は番号22に対応する。
番号16・17・18は,二つの関係の成立を一度並置し,国際私法の分割指定から生じる矛盾を説明してから,調整理由を示すための項目である。
Bの父性が証明されても,甲国法の7年の制限自体が消えるわけではない。

公式資料は,BY関係の成立によるXY関係の排除,公序による無効,内国関連性不足による維持,真実の血縁関係の優先などを許容例として挙げる。
各構成の理由と効果を一貫させればよく,本文の採用した結論だけを正解としない。

(3) 間接管轄と附帯財産分与

答案第2は番号23~34に対応する。
番号26・27は,人事訴訟法3条の4第2項から家事事件手続法3条の12へ接続し,離婚管轄と財産分与管轄を区別する点である。
番号32は,第1~3号で終わらず,第4号又は非同一説の具体的事情を結論まで論ずる点である。

平成26年4月24日判決は人事・家事事件を直接扱った判例ではない。
本答案は承認の事後性等を理由にその方法を参考にし,A・Yの甲国の生活基盤も評価した上で財産分与の間接管轄を否定している。
子の監護を直接問う場合や追加事情がある場合へ,この結論を一般化しない。

第6 関連記事

1 同じ年度の司法試験の模範解答

令和5年度司法試験国際関係法(私法系)第1問の模範解答と評価項目
令和5年司法試験租税法第2問の模範解答と評価項目
令和5年司法試験民事系第1問の模範解答と評価項目
令和5年度司法試験の主要7科目の模範解答
令和5年度司法試験論文式試験の選択科目8科目の模範解答と評価項目

2 同じ科目の別の年度の記事

3 国際家族法の関連記事

国際離婚の手続選択と日本の国際裁判管轄・準拠法
国際養育費の請求と回収
外国での認知と日本の戸籍・認知無効

第7 出典及び確認状態

1 公式資料

令和5年司法試験問題・選択科目の46~47頁。
出題の趣旨の39~40頁の国際関係法(私法系)第2問。
採点実感・選択科目の47頁の科目総論,50~52頁の第2問及び52~53頁の関連総論。

2 法令

法の適用に関する通則法29・34条。
民法・令和5年6月14日施行版785・786条。
人事訴訟法・同日施行版3条の4第2項。
家事事件手続法・同日施行版3条の12・79条の2。
民事執行法・同日施行版24条5項,及び民事訴訟法118条。

3 裁判例

最高裁平成26年1月14日第三小法廷判決(平成23年〔受〕第1561号,民集68巻1号1頁)の多数意見1~3頁。
最高裁平成26年4月24日第一小法廷判決(平成23年〔受〕第1781号,民集68巻4号329頁)の3頁。

4 確認状態

公式資料の状態
資料状態確認範囲・留保
出題の趣旨実読済み原記事の確認記録に基づく。対象の版・頁・関連範囲は原記事から保持した記録による。
採点実感実読済み原記事の確認記録に基づく。関連範囲,資料間の相違と未確認部分の留保は原記事から保持した記録による。

公式資料の対象範囲と上記法令・判決原文を確認した。
評価項目の抽出・重みと,親子関係の適応・間接管轄の具体的結論は本記事の分析であり,法務省が公表した模範解答ではない。
甲国・乙国法は問題文の所与に従い,実在国の法内容を推測して補っていない。
関連記事は現在の実務解説であり,試験当時の法状態を変更する根拠にしない。