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弁護士のClaude Code Skills活用法―調査・書面作成・記事更新を手順書にする(AI作成)

第1 Skillsでできることを整理する

Claude CodeのSkills(スキル)は,繰り返し使う作業手順をファイルにまとめ,必要な場面で参照させる仕組みである。
法律事務所では,便利な指示文の収集から始めるより,何を入力し,どの資料まで読み,何を成果物とし,どこで止めるかを決めることが役立つ。

本記事では,公開資料の調査メモ,書面の点検及びブログ更新を例に,手順書を作る考え方を説明する。
機能の説明はAnthropic社の公式資料に基づき,業務への当てはめは本記事の提案として示す。
以下の例は,各事務所で動作確認済みの配布用スキルではない。
製品仕様の確認日は令和8年10月25日である。

1 毎回の説明を,必要なときに読む手順へ移す

公式資料では,スキルの中心となるファイルはSKILL.mdであり,説明,手順及び必要に応じた補助ファイルを持たせることができる。
名前と説明から候補が見つかり,必要になったときに本文や追加資料が読み込まれる。
よく使う作業であれば,毎回長い指示を貼る代わりに,共通の手順と今回の対象を分けられる。

例えば「判例を調べて」という一文だけでは,判例の実在確認,本文の読取り,評釈の整理及び記事への引用が一緒になりやすい。
「判決本文の取得と読取りが済んでいなければ,解説だけから判旨を書かない」という手順を共通化し,今回の争点と対象期間を個別に指定する方法が考えられる。

スキルの自動選択だけに頼る必要はない。
公式資料は,利用者による呼出しが有効なスキルについて,スラッシュコマンドによる呼出しも案内している。
まず作業名を明示して呼び出し,読ませる資料と成果物を人が確認する形から試すと,対象を絞りやすい。

2 スキル,CLAUDE.md及びメモリを使い分ける

全ての作業に共通する方針はCLAUDE.md,特定の作業に必要な手順はスキル,作業中に得た継続的な知見はメモリというように,役割を分けて整理できる。
ただし,ファイルに書いたことが必ず実行されるわけではない。
公式資料も,指示から外れる場合には手順の見直しや,必要に応じたフックの利用を案内している。

「必ず原文を確認する」と書くことと,原文の取得記録がなければ後段へ進めない仕組みを置くことは異なる。
説明の仕方は手順書にまとめ,例外なく守る必要がある条件は,権限設定,検査処理及び人の承認も組み合わせて確かめる。

第2 法律事務所の手順書に残す6項目

1 適用場面と入力資料

最初に,どの作業で使い,どの作業では使わないかを書く。
「公開された判決と解説記事を比較する作業」など,開始条件を具体化する。
入力資料については,ファイル名,URL,版,対象日及び読取り範囲を記録する。
URLを渡しただけで,リンク先や添付PDFまで読んだことにはしない。

2 成果物と根拠の対応

成果物は,文章だけでなく根拠表も含めて決める。
例えば「結論,根拠の該当箇所,解説側の追加説明,未確認事項」の4欄にする。
引用する裁判例であれば,裁判所,裁判年月日,事件番号及び実際に読んだ本文の場所を対応させる。
判例秘書等のデータベースに接続できたことと,対象判決の本文を確認したことも分けて記録する。

3 停止条件と更新責任

原文を取得できない,資料の版が合わない,指定した対象と違うファイルが返るといった場合の扱いを決める。
空欄を推測で埋めることを避け,確認できた範囲と残る作業を成果物に残す。

手順自体にも確認日と管理者を付ける。
法令,製品仕様及び事務所の運用が変わった場合には,関連する手順を再点検する。
前の事件でうまく動いた記録は参考になるが,今回の資料や結論の正しさを証明するものではない。

第3 公開資料の調査メモを作る例

1 解説と元資料を別々に読む

動画やまとめ記事を入口にした調査では,まず話題,紹介された資料及び参照先を抜き出す。
次に,元資料を取得して対応箇所を読み,元資料の記載,解説者の評価及び自分の提案を分ける。
以下は,そのための指示文の例である。

対象は指定された公開資料と,その説明に直接必要な元資料とする。
資料ごとに取得先,確認日及び読取り範囲を記録する。
主張ごとに,原文で確認した事項,解説者の説明,自分の推論及び未確認事項を分ける。
元資料が未取得の場合は,その資料の内容を確認済みとして書かない。

この例で必要なのは,詳しい文章を作る能力だけではない。
どの資料に戻れば検証できるかを,読者と次の担当者に残すことである。
裁判例の検索結果やデータベースの要旨だけを見た場合は,判決本文を読んだ場合と区別する。

2 NotebookLMの引用表示を最終確認にしない

Googleの公式ヘルプによれば,YouTube動画をNotebookLMへ取り込む場合に対象となるのは字幕のテキストである。
字幕の引用だけでは,映像内の画面,図表又は実演操作まで確認できない。
ウェブページの取込みでも,HTMLの本文テキストと,画像,埋込み動画及びリンク先の内容を同一視できない。

NotebookLMで資料の見通しを付け,Claude Codeで比較表や原稿を作る分担は考えられる。
ただし,引用が付いた回答であっても,その根拠が主張の全体を支えるか,適用時点が合うか,裁判例の事案が違わないかは原資料に戻って確認する。
製品の組合せだけで,法律調査の正確性が保証されるわけではない。

第4 書面を点検する例

1 編集できる範囲を入力に含める

書面の点検では,対象となる版と,変更できる範囲を先に固定する。
誤字脱字の修正,主張の整理及び法的な評価の再検討では作業が異なる。
相手方の主張や証拠の記載を,自分の認定した事実へ書き換えないことも手順に含める。

今回の対象は指定した書面だけとする。
変更案には,元の記載,変更後の記載及び変更理由を付ける。
資料の記載と評価を分け,資料にない事実を追加しない。
法令又は裁判例を加える場合は,原文を確認した根拠と適用時点を示す。
指定された変更範囲を超える提案は,本文へ反映せず別欄に記す。

2 文章の読みやすさと根拠の点検を分ける

文章を読みやすく整えた結果,条件,例外又は留保が落ちることがある。
そこで,整文後の差分を確認し,重要な命題が根拠と対応しているかをもう一度点検する。
「原文に近い自然な文章になった」という評価だけで,法的な検証を終えない。

実際の事件資料を扱う場合は,その入力,保存及び外部送信の可否を別途確認する。
公開資料だけで試した手順を,設定確認なしに事件資料へ広げない。
導入物と処理経路の点検については,スキル・プラグインを導入するときの確認事項も参照されたい。

第5 ブログ記事を更新する例

1 現在の本文と変更案を対応させる

ブログ更新では,検索結果や以前の原稿から直接書き直すより,現在保存されている本文を基準に変更箇所を示す方法が考えられる。
本文,題名,説明文及びAI要約は別の項目として扱う。
AI要約が保存されているかどうかも確認してから変更範囲を決める。

現在の本文を取得し,変更前と変更後が対応する差分を作る。
追加する主張には根拠を付ける。
変更対象に含めていない題名,URL,公開日,分類及び説明文は維持する。
原稿作成と本番への保存・公開を別の工程にし,原稿作成の依頼だけでは公開しない。

2 公開後の確認まで手順に含める

本番更新が別途承認された段階では,保存した値の読戻しと,読者が見る公開画面の確認を行う。
目次のリンク,表の読みやすさ及び参照先も確認対象になる。
AIが「更新した」と述べたことや,ローカルに完成した原稿があることだけで,公開状態を判断しない。

アクセス数を考える場合も,スキルの本数や記事数を増やすこと自体を目標にしない。
既存記事と同じ疑問に答える内容なら,既存記事を充実させる選択がある。
独立した読者の疑問に答える記事を作り,関連する記事をつなぐことを基本とする。

第6 導入時に誤解しやすい点

1 allowed-toolsを権限の上限と考えない

現在のClaude Codeの公式資料では,スキルのallowed-toolsは,そのスキルを呼び出すターンで指定したツールを事前承認するための設定であり,その他のツールを全て禁止する一覧ではない。
他のツールには通常の権限規則が適用される。
禁止する操作は,別の権限設定も確認する必要がある。

SKILL.mdに「公開しない」と書くことも,公開用の権限を取り除くことと同じではない。
付属スクリプト,依存物,接続先及び認証情報を含めて点検し,架空資料で通常の処理と停止条件を試してから利用範囲を広げる。

2 成功した例だけで採用しない

原資料がない入力,版の異なる資料及び対象外のファイルを与えた場合に,手順どおり停止するかを確かめる。
担当者が成果物を確認できる記録も残す。
成果物の品質と,実行権限が想定どおり制限されているかは,それぞれ確認する。

動画等で紹介された時間短縮や収益の増加は,紹介者の経験として読むべきである。
同じ効果が法律事務所でも得られるとは限らない。
本記事も,特定のスキルを導入すれば誤りがなくなる,又はアクセス数が増えると保証するものではない。

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第8 出典・参考資料

Anthropic社・Skillsの公式ドキュメント:https://code.claude.com/docs/en/skills

Anthropic社・メモリの公式ドキュメント:https://code.claude.com/docs/en/memory

Anthropic社・Agent Skillsの設計説明:https://www.anthropic.com/research/equipping-agents-for-the-real-world-with-agent-skills

Google・NotebookLMのソース取込みに関する公式ヘルプ:https://support.google.com/gemininotebook/answer/16215270?hl=en

むっちょ【Claude Code攻略】のSkills紹介動画:https://www.youtube.com/watch?v=nTY6Xh74fiQ(企画の端緒として参照。
機能の裏付けは上記公式資料により確認。)