メインコンテンツへスキップ
       

令和3年司法試験国際公法第2問の模範解答と評価項目―出題の趣旨・採点実感から抽出した26項目と5段階の重み付け(AI作成)

令和3年司法試験の国際関係法(公法系)第2問について,完成答案と公式資料から独自に抽出した26項目を示す。
評価項目と重みは法務省の公式採点基準・項目別配点ではない。

第1 この記事の対象と結論

本問は,島の領域権原,海洋境界未画定時の資源利用,沿岸警備隊の発砲事件を扱う。
設問1・2はB国の主張,設問3はA国の仲裁付託と違法性の主張が対象である。
答案は令和3年5月12日を基準とし,後発判例を当時の法源へ取り込んでいない。

令和3年司法試験・選択科目の問題(PDF38~39頁)

島の帰属は植民地時代の法的権原を先に検討し,次に公権力の行使を評価する。
帰属とは独立に力による現状変更の禁止も検討できる。
探査と開発は場所と態様を区別し,発砲事件は海洋法条約上の義務違反として仲裁管轄と本案をつなぐ。

重み5は番号1・2・7・11・14・17・20の7項目である。
番号7は領域権原構成と代替的な撤退請求の構成であり,番号20は自制義務を条約紛争の根拠に採る場合の接続である。
重み5であっても,これらを全ての答案へ累積して要求しない。

第2 評価項目の示し方と重み付けの基準

1 評価項目の示し方

各項目は答案から充足の有無を判断できる単位に分け,必須・高評価・負例・許容分岐を表示した。
番号は記事全体を通じて連続し,負例も重みと分布に含める。
負例に当たらないことと,積極的な規範・当てはめを書いたことは区別する。

出題の趣旨は問題の構造と許容される構成を,採点実感は評価上の留意点と典型的な誤りを確認するために用いた。
表の引用は短い抜粋であり,PDFの改行は表示のためにつないでいる。
「記載なし」は本問及び関連共通部分を読んだ範囲での表示であり,未読を意味しない。

2 5段階の重み付けの基準

重み基準
5採点実感が評価の分かれ目とした事項,又は答案の骨格そのもの。
4出題の趣旨が検討を求め,採点実感も取り上げた事項。
3どちらか一方が明示する中核の理由付け。
2一方が軽く触れる補強,又は典型的な誤り。
1一方が控えめに触れる事項。

本記事の重み4は「両資料が取り上げた事項」という基準である。
全てについて採点実感が「高く評価した」と述べたという意味ではない。
件数の割当てや3段階評価からの一律換算は行っていない。

第3 本問の概要

A国とB国はC国の植民地から独立し,河口のサールーガ島の帰属と周辺国境が未解決となっている。
両側の水路は植民地時代には航行可能で,島の帰属規定はない。
B行政区当局は住民の島利用への課税を管轄し,B国は独立後にこれを引き継いだ。
A国は1987年に軍隊と警察を派遣して立入りを制限した。

両国は2005年にICJへの付託と資源利用の暫定取極へ原則合意したが,具体的合意は成立していない。
B国は2010年に係争海域を含む探査を始め,A国主張線より1キロメートルB国側の資源について2016年に開発を始めた。
2018年にはA国船籍のX号にB国沿岸警備隊が発砲し,2発が命中して負傷者が生じた。

第4 評価項目と重み

1 設問1―島の権原と撤退請求

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
1【必須】独立時の植民地行政境界を承継するウティ・ポシデティス原則を示す。5PDF39頁:現状承認の原則PDF40頁:現状承認の原則
2【必須】拘束力ある文書による権原を先に検討し,確定できない場合に実効的支配を検討する。5PDF39頁:そのような文書により境界が決定できない場合PDF40頁:適用に順番があること
3【必須】両水路が可航で島の帰属規定がなく,植民地法令だけでは帰属を確定できないと当てはめる。4PDF39頁:植民地時代の行政区の境界に関する規定によってはPDF40頁:旧植民地時代の境界を示す法律等
4【必須】実効的支配を国家としての主権行使意思を示す行為として評価する。4PDF39頁:主権を行使する意思の表示に当たる行為PDF40頁:主権者としての行為
5【必須】住民の利用に対する植民地当局・独立後B国の課税権行使を権原の根拠に結び付ける。3PDF39頁:課税権の行使の経緯関連範囲に記載なし
6【必須】B国主権を基礎にA国側水路の中間線が国境となることを示す。3PDF40頁:A国側の水路の中間線関連範囲に記載なし
7【許容分岐】帰属の確定と独立して,未解決地域の力による現状変更・支配継続の禁止から撤退を構成する。 条件:力による現状変更を独立根拠とする枝。権原枝と代替的。5PDF40頁:力により現状を変更し,支配を継続することPDF40頁:力による現状の変更
8【負例】帰属が不明確というだけで無主地とせず,先占の法理を誤用しない。2関連範囲に記載なしPDF40頁:サールーガ島を無主地と位置付け

2 設問2―暫定取極と資源利用

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
9【必須】暫定取極を,境界紛争の解決まで海域を実際的に利用するための制度として示す。4PDF40頁:海域利用を実現するための制度PDF41頁:係争海域の利用を可能にする規定
10【必須】74条3項・83条3項の努力義務を合意達成義務と区別する。4PDF40頁:合意を達成する義務は負わないPDF41頁:合意を達成することが義務とされておらず
11【必須】最終合意への到達を危うくし又は妨げない自制義務を示す。5PDF40頁:自制義務PDF41頁:自制義務
12【負例】石油・天然ガス探査を56条1項(a)の資源探査と分類し,海洋科学調査として処理しない。3関連範囲に記載なしPDF41頁:資源の探査に当たる
13【必須】2010年の探査を自制義務に照らして具体的に評価する。4PDF40頁:自制義務に配慮した主張PDF41頁:自制義務に配慮しつつ
14【必須】2016年の開発地点がA国主張線よりB国側1キロメートルにあるため,確実な自国海域での権利行使と論じる。5PDF40頁:確定している海域PDF41頁:確実な海域
15【高評価】A国又は係争海域の大陸棚資源に影響しないとのB国の主張を示す。3PDF40頁:資源に影響を与えない関連範囲に記載なし

3 設問3―仲裁管轄と発砲の違法性

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
16【必須】手段選択宣言がないことを287条3項の附属書Ⅶ仲裁のみなし受諾に結び付ける。4PDF40頁:仲裁裁判所が管轄権を有するPDF41頁:附属書Ⅶによって組織される仲裁裁判所
17【必須】発砲事件について,条約の解釈又は適用に関する紛争が存在することを286条の入口として示す。5PDF40頁:国連海洋法条約の解釈又は適用に関する紛争が存在することPDF41頁:紛争の存在という要件
18【必須】交渉提案にB国が応じない事実から,283条の意見交換義務を尽くし第1節で未解決と論じる。4PDF40頁:第283条の意見を交換するA国の義務PDF41頁:第1節に定める方法によって解決が得られなかったこと
19【必須】本件主題が297条の制限で排除されず,298条の選択除外宣言もないと論じる。4PDF40頁:第297条の適用対象ではないPDF41頁:選択的除外の宣言をしていない
20【高評価】発砲による実力排除を74条3項・83条3項の自制義務違反と定式化し,管轄の入口と本案を接続する。 条件:自制義務を条約紛争の根拠に採る枝。301条等の適切な別構成を排除しない。5PDF40頁:第83条第3項の下での義務に違反PDF41頁:自制義務の違
21【高評価】島・周辺国境についての未成立の特別合意と,発砲事件の紛争解決を区別する。3PDF40頁:別途の合意関連範囲に記載なし
22【必須】係争海域の一方的取締りが両国間の紛争を悪化させる危険を指摘する。3PDF40頁:両国間の紛争を悪化させる可能性関連範囲に記載なし
23【必須】武力行使禁止を発砲に適用し,国連憲章2条4項及び慣習法違反との主張を示す。4PDF41頁:国連憲章第2条第4項及び慣習国際法PDF41頁:負傷者が出る
24【必須】2発の命中・負傷という具体的事実を過剰な武器使用の評価に用いる。4PDF41頁:負傷者が出ておりPDF41頁:負傷者が出るような
25【必須】法執行措置であっても生命を危険にさらす過剰な実力行使は許されないと論じる。4PDF41頁:法執行措置の一環であったとしてもPDF41頁:サイガ号(第2)事件

4 答案全体

番号評価項目重み出題の趣旨採点実感
26【高評価】各設問で関係規範を理由とともに事実へ当てはめ,指定国の主張と具体的結論を示す。3関連範囲に記載なしPDF41頁:適切な結

5 重みの分布

重み1は0項目,重み2は1項目,重み3は7項目,重み4は11項目,重み5は7項目である。
総項目数は26項目,重みの単純合計は102である。
これは公式得点や合格可能性を示さない。

番号1:独立時の植民地行政境界を承継するウティ・ポシデティス原則を示す。
重み5の理由は,領域権原の出発点となる骨格。

番号2:拘束力ある文書による権原を先に検討し,確定できない場合に実効的支配を検討する。
重み5の理由は,採点実感が適用順序の不理解を問題視し,主ルートを決める骨格。

番号7:帰属の確定と独立して,未解決地域の力による現状変更・支配継続の禁止から撤退を構成する。
重み5の理由は,領域帰属と独立した撤退請求ルートの骨格。
選択枝であり全答案に累積要求しない。
適用条件は,力による現状変更を独立根拠とする枝。
権原枝と代替的。

番号11:最終合意への到達を危うくし又は妨げない自制義務を示す。
重み5の理由は,未画定期間の活動の適法性を決める骨格。

番号14:2016年の開発地点がA国主張線よりB国側1キロメートルにあるため,確実な自国海域での権利行使と論じる。
重み5の理由は,開発を係争海域内と誤認すると結論を逆転させる場所の骨格。

番号17:発砲事件について,条約の解釈又は適用に関する紛争が存在することを286条の入口として示す。
重み5の理由は,採点実感が言及の少なさを問題視した強制裁判の入口。

番号20:発砲による実力排除を74条3項・83条3項の自制義務違反と定式化し,管轄の入口と本案を接続する。
重み5の理由は,採点実感が評価を与えた請求定立。
採用時の管轄・本案接続の骨格。
適用条件は,自制義務を条約紛争の根拠に採る枝。
301条等の適切な別構成を排除しない。

第5 模範解答

1 答案の前提と表記

次の答案は改行を除き2454字である。
法務省の公式答案ではなく,一つの整合的な構成例である。
設問1・2ではB国が可能な主張を,設問3ではA国が仲裁付託と違法性について可能な主張を示す。

問題文に探査方法の特定はないため,2010年の探査について地震探査と断定せず,恒久的な物理的変化を伴わない場合の主張を示す。
資源への影響がないとの点も,問題文で確定した事実とB国の主張を分ける。

2 答案

1 設問1

(1)B国は,サールーガ島が自国領であり,A国の軍隊・警察の駐留は領域主権を侵害するとして,その撤退を請求する。

植民地から独立する国家間では,独立時の行政区画上の境界を国際境界として承継するウティ・ポシデティス原則が妥当する。
ところが,植民地法令は航行可能な水路の中間線を境界とするだけで,当時は島の両側が航行可能であり,島の帰属も明定されていない。
A国とC国との決定もこの部分を留保しているから,明確な法的権原をA国に認めることはできない。

そこで,植民地時代の行政権行使及びこれを引き継ぐ独立後の実効的支配を検討する。
私人の放牧・農業利用だけでは国家権能の表示とはいえないが,その活動への課税をB行政区当局が管轄し,独立後もB国が課税権を行使したことは,国家としての権能行使である。
これは不明確な境界の実際の理解を示す。
B国は島の主権を承継し,国境がA国側の水路の中間線にあると主張できる。
帰属不明確というだけでは無主地でなく,先占による取得を論ずるべきではない。

(2)A国は現在の可航水路と1987年以降の支配を援用し得る。
しかし,1980年には帰属をめぐる紛争が顕在化しており,その後の一方的な支配強化を権原改善の根拠にはできない。
後の浅水化だけから独立時の島の帰属も確定できない。
環境保護という目的も,他国領の占拠を当然に正当化しない。
したがって,B国は従前の公権力行使を根拠として主権の承継を主張し,侵害の停止として軍隊・警察の撤退を求め得る。

(3)独立の構成として,B国は力による現状変更の禁止も援用できる。
領域の帰属が未解決であっても,武力による威嚇又は武力の行使によって現状を一方的に変更し,支配を継続することは許されない。
A国は軍隊と警察を派遣し,従前のB国民の利用を排除して島を支配している。
大規模な戦闘がなくても,B国はこの実力による支配の中止として撤退を求め得る。
環境保護の目的だけでは正当化されない。

2 設問2

(1)石油・天然ガスの探査は,海洋の科学的調査一般ではなく,資源探査である。
沿岸国は,排他的経済水域の資源探査・開発について主権的権利を有し(国連海洋法条約56条1項(a)),大陸棚の資源探査・開発について排他的な主権的権利を有する(77条)。
地質的に一体の大陸棚であることは,その全体が両国の共有になることを意味しない。

境界未画定の場合,74条3項及び83条3項は,実際的な暫定取極を締結するためあらゆる努力をする義務と,最終的合意の成立を危うくし又は妨げない義務を課す。
前者は誠実な交渉の義務であって,取極の成立自体を必ず実現すべき義務ではない。
具体的取極は未成立であり,2005年の原則合意だけから一切の単独活動を禁止したとはいえない。

(2)2010年の探査について,B国は,係争海域の活動でも,海底に恒久的な物理的変化を生じさせず,資源を取得しない探査なら最終合意を害さず許されると主張できる。
ガイアナ対スリナム仲裁判決も,地震探査と掘削を区別する。
ただし,探査という名称だけでは足りず,掘削等を伴う場合には同様に正当化できない。
交渉不調だけで協力努力義務を免れるものでもない。

(3)2016年の開発は資源の取得を伴うが,発見地点はA国の主張線からも1キロメートルB国側にあり,両国の主張が重なる海域の外である。
B国は,自国の大陸棚における権利の行使であり,係争海域の単独開発とは異なると主張できる。
地質的一体性だけではこの権利を否定できず,B国は,A国又は係争海域の大陸棚資源に影響を与えず,自制義務に配慮した権利行使であると主張できる。
ただし,資源の連続性や採取による影響は地質的一体性だけから確定できず,影響がないとの点もB国の主張として位置付ける。

3 設問3

(1)A国は,係争海域でのB国による実力排除が最終合意を妨げ,74条3項・83条3項の自制義務に違反すると主張する。
これにより,発砲事件を条約の解釈又は適用に関する紛争として構成できる。
301条の違反も問題となる。
286条の強制手続には,このような紛争の存在,第1節の方法で未解決であること,第3節の制限・選択的除外がないことが必要である(288条1項参照)。

両国に287条1項の宣言がないため,附属書Ⅶ仲裁を受諾したものとみなされる(同条3項)。
A国は交渉及び第三者付託を提案したが,B国は協議に応じておらず,283条の意見交換のために無期限に待つ必要はない。

2005年の合意は島の帰属・周辺国境の紛争についてのもので,発砲事件を当然に含まない。
しかも特別合意は未締結であり,一方の請求で拘束的決定を得られる別手続を定めたとはいえず,282条による排除はない。
281条による平和的手段の選択も,未解決で追加手続を排除する合意がなければ妨げにならない。

297条の海洋科学調査・漁業の制限を石油資源探査へ直ちに転用できず,298条の軍事活動等の選択的除外宣言もない。
島の領有権そのものを仲裁判断の対象とせず,境界未画定でも発砲の適法性を判断できる請求として,付託が可能であると主張する。

(2)本案では,A国は,B国が自国の大陸棚権益を実力で確保するためX号を排除したとして,301条及び国連憲章2条4項の武力行使禁止に反すると主張する。
領域・境界の係争は武力行使の許可にならず,甲社の活動が違法でも武力による対抗措置は許されない。

B国が法執行と説明しても,海上取締りの実力行使は不可避で合理的かつ必要な限度に制限される。
サイガ号(第2)判決は,実力行使を可能な限り避け,避けられない場合も合理的かつ必要な限度にとどめ,人命への危険を避けるべきことを示す。
本件では停止命令への不服従後に発砲され,2発が命中して負傷者が生じた。
生命を危険にさらさない手段の検討や段階的警告を尽くした事情は示されず,A国は必要性・比例性を欠くと主張できる。
「威嚇射撃」というB国の呼称だけで適法とはならない。

以上

3 出題の趣旨・採点実感を踏まえた解説

(1) 答案と評価項目の対応

答案1(1)は番号1~6・8,1(3)は番号7に対応する。
答案2(1)は番号9~12,2(2)は番号13,2(3)は番号14・15に対応する。
答案3(1)は番号16~21,3(2)は番号22~25に対応し,番号26は答案全体を点検する。

(2) 権原と力による現状変更を分ける

明確な法的権原とそれに反する近時の実効支配を同列に比較してはならない。
本問では島の帰属が法令だけでは決まらないため,植民地当局による課税及び独立後の承継が意味を持つ。
帰属不明確という事情だけで無主地と認定し,先占を論じることはできない。

力による現状変更の禁止は,B国の主権が確定して初めて使えるという構成に限られない。
答案では未解決地域を軍隊・警察で支配し,従前の利用を排除すること自体を独立の撤退請求の根拠として示した。

(3) 探査と開発の場所を混同しない

問題文は,2010年の探査が係争海域を含むと明記する一方,開発の対象資源はA国主張線より更にB国側で発見されたとしている。
出題の趣旨PDF40頁には,探査と開発の説明を受けて「確定している海域に限定した活動」とする表現があるが,これを探査全域が係争海域外であるという事実認定へ広げない。
確実な自国海域における活動を正当化する主張を中心とし,係争海域に及ぶ探査は態様と自制義務を別に検討する。

ガイアナ対スリナム仲裁判決は,恒久的な物理的変化を伴う行為と地震探査を区別している。
これは探査なら無条件で許されるという意味ではない。
暫定取極の努力義務と自制義務は別であり,具体的合意が成立していないことだけで違反とも自由ともならない。

(4) 管轄を生む義務違反と本案を接続する

宣言がないことだけを書いても,仲裁管轄の入口は閉じない。
何について条約の解釈又は適用が争われているかを示す必要がある。
答案では係争海域の実力排除を74条3項・83条3項の自制義務違反に結び付け,301条の平和的利用も併記した。

サイガ号(第2)判決は,船舶の拿捕に際する実力行使を可能な限り避け,避けられない場合も合理的かつ必要な限度にとどめることを示している。
停止命令への不服従があっても,負傷者が生じる発砲が当然に正当化されるわけではない。
武力行使禁止と法執行上の過剰な実力行使の双方を区別して論じる。

(5) 答案の弱点と扱わなかった事項

島の帰属に関する各ICJ判例の原判決本文を全て独立確認した解説ではない。
出題の趣旨が挙げるベナン対ニジェール及びブルキナファソ対マリの位置付けは,公式資料の記述として示している。
具体的境界画定の幾何計算,外交的保護の個人別要件,未発生の抑留に対する早期釈放手続は本問答案に含めていない。

第6 関連記事

1 同じ年度の司法試験の別の模範解答

①令和3年度司法試験論文式試験の主要7科目の模範解答(AI作成)

2 本問の模範解答と関連する山中弁護士ブログの記事

①司法試験の過去問・参考答案一覧―令和元年~令和8年の年度別・科目別ガイド(AI作成)

第7 出典及び確認状態

1 公式資料

令和3年司法試験論文式試験問題・選択科目:PDF38~39頁。

令和3年司法試験論文式試験問題出題の趣旨:PDF39頁の第2問見出しから41頁の国際関係法(私法系)見出し直前まで。

令和3年司法試験の採点実感・公式掲載ページ/選択科目PDF:PDF39頁の科目共通部分,40頁の第2問見出し以後,41頁,42頁の教育への要望。

2 法令

国連海洋法条約英文:56条,74条3項,77条,83条3項,279~299条及び301条の本問関連部分。

国連憲章英文:2条3項・4項。

3 裁判例

サイガ号(第2)事件・1999年7月1日判決:PDF55~57頁,155~159段落の武器使用部分。

ガイアナ対スリナム仲裁判決・2007年9月17日:国連RIAA版PDF120~127頁・131~138頁の関連部分。

4 確認状態

確認日は令和8年10月16日である。
公式資料が述べる評価,条約・実読した原判決が示す規範,本問への当てはめ及び記事独自の重みを区別した。
国連海洋法条約,国連憲章,サイガ号及びガイアナ対スリナムの上記部分は原文を確認した。
島の権原に関するICJ原判決の独立確認には未了部分があるため,公式資料の記述を独立確認済みの判旨と扱っていない。