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弁護士に事件を依頼するときに知っておいてほしい大切なこと(AI作成)

第1 はじめに

1 本ページの対象

弁護士に事件を依頼した後も、事件の目標、事実及び資料を依頼者と弁護士が共有し、重要な判断を相談しながら進める必要があります。
本ページでは、民事事件を念頭に、依頼後の連絡、証拠の取扱い、和解及び回収可能性について、依頼者に知っておいていただきたい事項をまとめます。

2 最初に「何を実現したいか」を共有します

事件の進め方は、判決を得ること、早期に支払を受けること、継続的な取引又は生活関係を整理することなど、依頼者が実現したい結果によって変わります。
最初に聞いた事情だけで方針が固定されるわけではなく、相手方の主張、新たな資料、期限及び費用を踏まえて見直すことがあります。

弁護士から同じような事情を改めて尋ねたり、追加資料をお願いしたりするのは、相手方の反論又は新たな争点に対応するためです。
依頼者と弁護士は、①現在の目標、②直近の期限、③争点、④不足資料、⑤次の判断事項を共有する必要があります。

第2 証拠と資料

1 強い証拠が一つあっても、それだけで事件全体は決まりません

裁判では、請求を成立させるために必要な事実を主張し、争いがある事実を証拠によって裏付けます。
録音、メール、契約書その他の強い証拠が一つあっても、契約の相手方、因果関係、損害額、期限又は相手方の抗弁など、別の要件に不足があれば、請求全体が認められないことがあります。

資料を検討するときは、①何を証明する資料か、②誰がいつ作成したか、③前後の文脈は残っているか、④相手方が真正又は内容を争う可能性はあるか、⑤その資料が使えない場合に代替資料があるかを確認します。
最も強い証拠を一度外しても主張が成り立つかを考えると、一つの資料だけに依存した構成を発見しやすくなります。

2 資料は原本と全体の文脈を保ちます

書類、写真、録音及びメッセージは、問題部分だけを切り取らず、可能な限り前後関係が分かる状態で保存します。
書類へ説明を書き込みたい場合は、原本自体へ書き込まず、別紙又はコピーに記載します。

デジタル資料は、画面のスクリーンショットだけでなく、元のファイル、取得日時、取得端末、送信者又はアカウントが分かる情報及び公式機能による書出しを保存します。
ファイルのハッシュ値は、その後のファイルが同一であることの確認には役立ちますが、表示内容の真実性、アカウントの操作主体又は会話の文脈まで証明するものではありません。

無断録音については、録音の必要性、取得方法、録音する場所、会話内容及びプライバシー等によって法的評価が問題となり得ます。
一律に録音を勧めるのではなく、可能であれば事前に弁護士へ相談し、録音した場合は編集せずに原データと会話全体を保存します。

第3 相手方との連絡と裁判の進み方

1 相手方との直接連絡と裁判所への提出は事前に相談します

弁護士へ依頼した後は、相手方との連絡を弁護士経由とするのが原則です。
相手方から直接連絡があった場合又は緊急の連絡をせざるを得なかった場合は、内容を保存し、速やかに担当弁護士へ伝えます。

裁判所又は相手方へ提出する書面は、提出前に担当弁護士と内容及び提出時期を確認します。
他方で、相手方の書面及び弁護士が作成した書面には目を通し、事実関係の誤り、説明不足又は認否について気付いた点を伝える必要があります。

2 裁判に必要な期間と期日の進み方は事件ごとに異なります

審理期間及び期日の間隔は、事件の種類、争点、証拠量、鑑定又は証人尋問の有無、当事者の対応及び裁判所の状況によって異なります。
短時間の期日であっても、その間に当事者と代理人が準備書面及び証拠を作成していることがあります。

依頼者本人の出席が必要かどうかも期日の内容によって異なります。
本人尋問、和解条件の最終確認その他重要な場面では出席をお願いすることがあるため、担当弁護士の説明をご確認ください。

第4 和解と回収

1 和解は金額だけでなく、履行可能性まで確認します

和解は、判決による一律の結論とは異なり、支払時期、分割払い、秘密保持、物の引渡し、登記、謝罪その他の条件を組み合わせることができます。
もっとも、提示された金額が高くても、相手方が期限どおりに履行できなければ、現実の解決にはなりません。

和解条件を検討するときは、金額だけでなく、支払原資、支払時期、担保、不履行時の効果、清算範囲及び保全処分の取扱いを確認します。
詳しくは、民事訴訟の和解案・和解条項案の作り方及び資産額と実際に払える額の違いをご参照ください。

2 勝訴しても回収できるとは限りません

金銭の支払を命ずる判決又は和解調書を得ても、相手方が任意に支払わない場合は、預金、給与、不動産その他の財産に対する強制執行を検討することになります。
相手方に資産があるという情報だけでは足りず、財産の名義、所在地、換価可能性、担保及び差押禁止の有無を確認する必要があります。

民事執行法上の財産開示手続又は第三者からの情報取得手続を利用できる場合もありますが、それぞれ要件と取得できる情報が異なります。
提訴前から、判決を得られる可能性と回収可能性を分けて検討することが重要です。

第5 費用と不服申立て

1 弁護士費用と訴訟費用を区別します

判決で敗訴者の負担とされる訴訟費用と、依頼者が委任契約に基づいて弁護士へ支払う費用は同じではありません。
訴訟費用には印紙代、郵便料その他法定の費用が含まれますが、依頼した弁護士への報酬が当然に全額含まれるわけではありません。

不法行為による損害賠償請求などでは、相当な範囲の弁護士費用が損害として認められる場合があります。
委任契約上の着手金、報酬金、実費等については、依頼時の説明書及び委任契約書をご確認ください。

2 控訴・上告では期限と審理対象が異なります

第一審判決に対する控訴と、控訴審判決に対する上告では、申立期限、理由及び審理対象が異なります。
判決書を受け取った後に方針を検討する時間は限られるため、不服申立ての要否、費用及び追加資料を速やかに担当弁護士と確認する必要があります。

上告は単に事実認定に不満があるという理由だけで当然に認められる手続ではありません。
個別事件で利用できる不服申立てと見通しは、判決内容及び記録に基づいて検討します。

第6 方針に疑問があるときは、まず説明を求めます

依頼した弁護士を変更すること自体は可能ですが、費用の精算、記録の引継ぎ及び期限管理が必要になります。
方針又は説明に疑問があるときは、現在の見通し、選択肢、各選択肢の利点と不利益及び次の期限を具体的に尋ねるとよいでしょう。

依頼者の意思を尊重し、事件を速やかに処理し、必要に応じて進捗及び重要事項を報告・協議することは、弁護士職務基本規程が定める職務上の基本事項です。
依頼者と弁護士が、事実、資料、目標及びリスクを共有し、重要な判断を相談しながら進めることが、適切な事件処理につながります。

第7 出典・関連資料

日本弁護士連合会「弁護士職務基本規程」29条、35条及び36条等。

e-Gov法令検索「民事訴訟法」。

e-Gov法令検索「民事執行法」。