メインコンテンツへスキップ
       

予備試験の大学別合格率・合格者数―令和7年の全体・大学生比較(AI作成)

第1 大学別の合格率を見る前に

1 本記事で比較する二つの集計

令和7年の予備試験について,本記事で比較する「大学別・全体」の最終合格者6人以上の12大学では,東京大学が受験者802人・最終合格者97人で,合格率は12.09%である。
同じ東京大学でも,「出願時大学生」に限ると受験者441人・最終合格者76人で,17.23%となる。
大学名だけでなく,どの集団の数字かを確認する必要がある。

本記事は,中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会(第123回,令和8年3月4日)の配布資料として文部科学省が掲載する法務省の資料「令和7年司法試験予備試験受験状況(大学別・全体)」と「令和7年司法試験予備試験受験状況(大学生)」を用いる。
前者は最終合格者について大学卒業・大学(1年)~(4年)・大学中退の内訳を示し(出願者・受験者にこの内訳はない),後者は出願時の大学生を対象とする別表である。
「大学別・全体」の合計は受験者8,999人・最終合格者388人であり,法務省の最終学歴別集計の大学卒業・大学在学中・大学中退の人数の和と一致する。
令和7年予備試験全体の受験者12,432人・最終合格者452人とは一致せず,法科大学院修了者等は各大学の数字に入っていないとみられる。

2 合格率の計算方法と基準時点

本記事の合格率は,「最終合格者数÷受験者数×100」で計算し,小数第3位を四捨五入して小数第2位まで表示したものである。
出願者数を分母にはせず,短答式・論文式・口述の各段階だけの合格率とも区別する。

原資料の属性は令和7年3月の出願時点によるものであり,データは出願者の自己申告に基づく。
大学生の学年も出願時点の学年であり,原表の注記によれば,令和7年7月~令和8年1月の受験時には年度が1年加わる。

出典:大学別・全体の公式資料及び大学生の公式資料。

第2 主な12大学の合格者数・合格率を比較する

以下は,「大学別・全体」表で最終合格者が6人以上の12大学を取り出し,同じ大学の大学生表の数字を並べたものである。
掲載順は全体の最終合格者数が多い順であり,同数の大学は合格率の高い順に置いた。
同数の大学に優劣を付けるものでもない。

大学名全体・受験者全体・最終合格者全体・合格率大学生・受験者大学生・最終合格者大学生・合格率
東京大学8029712.09%4417617.23%
慶應義塾大学878586.61%511458.81%
早稲田大学818425.13%306309.80%
京都大学299299.70%1592113.21%
中央大学901262.89%449163.56%
一橋大学210157.14%1211310.74%
大阪大学163127.36%9066.67%
名古屋大学12297.38%74912.16%
同志社大学22094.09%8455.95%
明治大学33082.42%11743.42%
上智大学11565.22%3812.63%
法政大学19463.09%6945.80%

単位は人数欄が人,合格率欄が%である。
この12大学に載らない大学でも合格者はおり,この表は全大学の一覧ではない。
出典は大学別・全体表1頁と大学生表1頁である。

第3 合格率順と合格者数順は一致しない

1 比較する12大学を合格率順に並べる

第2の12大学について,「大学別・全体」の合格率が高い順に並べると,次のとおりとなる。
この順位の対象は,あくまで第2の掲載条件を満たした12大学である。

順位大学名合格率最終合格者数/受験者数
1東京大学12.09%97/802
2京都大学9.70%29/299
3名古屋大学7.38%9/122
4大阪大学7.36%12/163
5一橋大学7.14%15/210
6慶應義塾大学6.61%58/878
7上智大学5.22%6/115
8早稲田大学5.13%42/818
9同志社大学4.09%9/220
10法政大学3.09%6/194
11中央大学2.89%26/901
12明治大学2.42%8/330

例えば,慶應義塾大学は最終合格者58人,京都大学は29人である一方,合格率はそれぞれ6.61%,9.70%である。
合格者数が多いことと,受験者に占める合格者の割合が高いことは別の情報である。
大学を比較するときは,どちらか一方だけでなく,分母となる受験者数も併せて見る必要がある。

2 人数条件を付けずに「合格率1位」といえない理由

大学生表には,京都府立医科大学の受験者1人・最終合格者1人という行があり,この行の合格率は100.00%となる。
「大学別・全体」の表でも,大阪音楽大学の受験者1人・最終合格者1人(100.00%),産業医科大学の受験者3人・最終合格者2人(66.67%)という行がある。
少人数の集計では1人の結果によって割合が大きく変わるため,「東京大学の合格率が最高」と人数条件なしで断定することは適切でない。
本記事では,12大学の比較条件を明示した表と,次の大学生表の個別表示校一覧を分けている。

出典:大学生の公式資料及び大学別・全体の公式資料2頁。

第4 大学生表の個別表示校一覧

以下は,大学生表の原資料で大学名等が個別表示されている55行に,「その他」と「合計」を加えた一覧である。
原資料の行順を維持しており,合格率や受験者数で並べ直したランキングではない。
学校名はブラウザーのページ内検索でも探せる。

大学名受験者数最終合格者数合格率
慶應義塾大学511458.81%
中央大学449163.56%
東京大学4417617.23%
早稲田大学306309.80%
京都大学1592113.21%
一橋大学1211310.74%
明治大学11743.42%
同志社大学8455.95%
大阪大学9066.67%
北海道大学8744.60%
名古屋大学74912.16%
日本大学7011.43%
九州大学7145.63%
法政大学6945.80%
立命館大学6000.00%
東北大学6046.67%
神戸大学4612.17%
関西大学5300.00%
上智大学3812.63%
近畿大学4212.38%
立教大学3812.63%
関西学院大学4012.50%
大阪公立大学(大阪市立大学)36411.11%
青山学院大学3200.00%
千葉大学3300.00%
岡山大学3239.38%
放送大学1600.00%
新潟大学1715.88%
広島大学2229.09%
東京都立大学(首都大学東京)2100.00%
武蔵野大学1900.00%
成蹊大学1600.00%
香川大学1100.00%
東洋大学700.00%
学習院大学1119.09%
三重大学1000.00%
創価大学700.00%
熊本大学9111.11%
琉球大学900.00%
北海学園大学800.00%
大阪経済法科大学700.00%
京都産業大学500.00%
信州大学400.00%
筑波大学6116.67%
東京外国語大学4125.00%
北九州市立大学4125.00%
白鷗大学400.00%
横浜国立大学400.00%
中央大学法学部通信教育課程200.00%
山形大学2150.00%
お茶の水女子大学200.00%
京都工芸繊維大学100.00%
京都府立医科大学11100.00%
群馬大学100.00%
長崎大学100.00%
その他26400.00%
合計3,6542647.22%

原資料で最終合格者欄が空欄の行(「その他」を含む)は,この一覧では0人と表示した。
個別表示行の最終合格者を足すと原表の合計264人に達するため,「その他」の最終合格者も0人と読める。
個別表示行の人数と「その他」を合算すると,受験者3,654人・最終合格者264人となり,原表の合計に一致する。
なお,法務省の職種別集計の「大学生」は受験者3,601人で,最終学歴別の大学在学中(受験者3,654人)とは区分が異なる。

出典:令和7年司法試験予備試験受験状況(大学生)1頁。

第5 数字を読むときの注意点

1 未掲載校を受験者ゼロとしない

二つの原資料には,短答式試験合格者がいる大学のみ大学名を個別表示するという注記がある。
したがって,個別に大学名がないことは,受験者がいないことを意味しない。
他方,短答式試験合格者がいない学校から最終合格者は出ないので,その表で個別表示のない学校の最終合格者は0人と読める。
実際に,個別表示行の最終合格者の和は,各表の合計(全体388人,大学生264人)に一致する。
大学名が見つからないときは,表の掲載条件と「その他」の行を確認する必要がある。

2 大学の教育効果や個人の合格確率とは区別する

この二つの表から分かるのは,自己申告された大学別・出願時属性別の受験結果である。
学習時間,予備校利用,受験回数などを同じ条件にそろえた比較ではないため,大学の教育によって生じた差や,特定の受験生が今後合格する確率を表すものとはいえない。

3 複数年を比較するときは同じ区分にそろえる

年度をまたいで比較する場合は,受験者を分母とするか,大学生だけか,全体かという条件をそろえる必要がある。
複数年を合算する場合も,各年の合格率の単純平均と「合格者数の合計÷受験者数の合計」は別の計算である。
同じ人の再受験を含み得る年別人数の合算を,個人の累積合格確率と呼ぶこともできない。

第6 よくある質問

1 予備試験の合格率が高い大学はどこですか

令和7年の「大学別・全体」のうち最終合格者6人以上の12大学で比較すると,東京大学が12.09%で最も高い。
ただし,大学生だけの集計や少人数の大学を含む比較では数字と順位が変わるため,対象年・区分・人数条件とセットで読む必要がある。
具体的な人数は第2,合格率順は第3,大学生表の全個別表示校は第4に示した。

2 予備試験で大学別の合格者数はどのくらいですか

令和7年の「大学別・全体」では,東京大学97人,慶應義塾大学58人,早稲田大学42人である。
大学生だけに限ると,それぞれ76人,45人,30人となる。
第2の比較表では,区分ごとの受験者数も併記している。

3 同じ大学の合格率が記事によって違うのはなぜですか

年度や集計区分,分母が出願者数か受験者数か,対象とする試験段階が最終合格かどうかを確認する必要がある。
例えば東京大学は,本記事の全体表では12.09%,出願時大学生の表では17.23%となる。
異なる対象の割合を同じ数字として比較しないことが大切である。

4 表に載っていない大学は合格者ゼロですか

大学名の個別表示には,短答式試験合格者がいる大学のみという条件がある。
第4の一覧は出願時大学生の表なので,そこに載っていなくても,大学卒業者等の最終合格者がいる大学はある(例:明治学院大学,静岡大学は「大学別・全体」で各1人)。
他方,その表に個別表示がない学校は,短答式試験合格者がいない学校であり,その表の区分では最終合格者も0人と読める。
ただし,受験者は「その他」の行に含まれるから,受験者まで0人と置くことはできない。

5 予備試験に1年で合格するのは難しいですか

この二つの大学別表には,学習開始時期や学習期間の欄がない。
したがって,この大学別合格率から,学習1年以内の人の合格率や自分が1年で合格する可能性を判断することはできない。
受験科目や年間の試験日程を確認する場合は,次の制度記事を参照されたい。

第7 制度・採点・合格後の進路を調べる

予備試験の受験資格・科目・年間スケジュールは,予備試験とはで扱っている。
配点や合格点は,予備試験の合格点・採点基準,合格後の任官等は,予備試験合格者のその後の進路を参照されたい。

第8 出典

① 法務省配布・文部科学省掲載「令和7年司法試験予備試験受験状況(大学別・全体)」資料1-7,PDF2頁。
② 法務省配布・文部科学省掲載「令和7年司法試験予備試験受験状況(大学生)」資料1-6,PDF1頁。
③ 法務省配布・文部科学省掲載「令和7年司法試験予備試験口述試験(最終)の結果について」資料1-1,PDF4頁。
④ 中央教育審議会大学分科会法科大学院等特別委員会(第123回)配布資料。