第1 京都大学法科大学院とは
京都大学には,法曹養成のための専門職大学院である法科大学院がある。
法学未修者のための3年課程と,法学既修者のための2年課程が設けられている。
この記事では,令和8年(2026年)10月31日に確認した大学の公表資料に基づき,入試,費用及び司法試験実績を整理する。
学部・学科としての法学部への入学と,法科大学院への進学は別である。
また,京都大学の大学院全般の難易度を,法科大学院の入試結果だけで判断することはできない。
第2 入試の課程・募集人数と出願時の注意
1 令和9年度の募集人数
京都大学法科大学院の募集要項案内に掲載された令和9年度募集要項では,募集人員は合計160人である。
| 課程 | 標準修業年限 | 令和9年度募集人員 |
|---|---|---|
| 法学未修者 | 3年 | 35人程度(特別選抜15人程度,一般選抜20人程度) |
| 法学既修者 | 2年 | 125人程度 |
既修者の募集には,3年次生出願枠30人以内及び法曹養成連携協定に基づく5年一貫型教育選抜20人程度が内数として含まれる。
これらを125人に足して募集人員を計算するものではない。
2 令和9年度の出願受付は終了している
令和9年度募集の出願期間は,未修者特別選抜が令和8年7月30日から8月5日,未修者一般選抜及び既修者枠が9月28日から10月5日であり,いずれも最終日午後5時必着とされていた。
令和8年10月31日の確認時点では,これらの出願受付は終了している。
大学は,参考用PDFだけでは出願手続を完了できず,冊子版の募集要項に同封された出願書類一式が必要である旨を案内している。
今後の受験では,前年の情報だけで準備を完結させず,志望する入学年度の募集要項と入試日程を確認する必要がある。
第3 他大学・非法学部・社会人から進学できるか
京都大学以外の大学の出身者も入学している。
大学の令和8年度入学試験結果では,入学者158人の出身大学は,京都大学87人,他大学71人とされている。
同じ資料の社会人は19人,大学資料の「非法学部出身者」(法律学以外の分野を専攻した者)は22人である。
両方に該当する人がいるため,重複を除いた人数は29人であり,19人と22人を単純に足した41人ではない。
未修者課程という区分と,非法学部出身という属性は同じではない。
大学の入試FAQによれば,法学部出身者も未修者一般選抜に出願でき,他学部出身でも独学などで法律学を修得した人は既修者枠に出願できる。
ただし,実際の出願資格は,当該年度の募集要項に照らして確認しなければならない。
未修者特別選抜は,他学部出身者又は社会人を対象とする選抜である。
この区分は学部名だけで決まるものではなく,法学部・法学科の出身者でも,法学以外の科目に重点を置いて学修したと認められる人は含まれ得る。
ここでいう社会人を会社員の職歴だけに限定して考えるのは適切ではなく,大学の定義及び提出資料の条件を確認する必要がある。
第4 難易度と司法試験合格率の読み方
1 入試の難易度と司法試験の成績を分ける
入学者数,志願者数及び司法試験合格率は,それぞれ異なる段階の数字である。
司法試験の合格率が高いという情報だけでは,入試に受かりやすいかどうかは判断できない。
志願者数を合格者数で割る場合も,延べ人数か実人数か,選抜区分が同じかを確認する必要がある。
2 令和7年の各年別実績
大学の司法試験結果の各年別表では,令和7年の受験者は219人,合格者は128人,合格率は58.45%である。
| 各年別表の区分 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 全体 | 219人 | 128人 | 58.45% |
| 法学未修者 | 67人 | 13人 | 約19.4% |
| 法学既修者 | 152人 | 115人 | 約75.7% |
未修者・既修者の割合は,同表の人数から小数第1位に丸めて計算したものである。
これらはその年の受験者を分母とする数字であり,入学者全員が最終的に合格する割合や,ある入学年度の学生の合格率を表すものではない。
大学は各年別の結果とは別に,修了年度別の累積合格状況も公表している。
1年間の合格率と,複数年の受験機会を含む累積合格率を同じ指標として比較しないことが大切である。
第5 学費はいくらか
京都大学の令和8年度入学料・授業料の表では,法科大学院の入学料は28万2000円,授業料は年額80万4000円である。
令和9年度募集要項にも,入学料28万2000円,授業料年額80万4000円が予定額として記載されている。
| 標準修業年限で修了する場合 | 入学料と授業料の合計 |
|---|---|
| 既修者2年課程 | 189万円 |
| 未修者3年課程 | 269万4000円 |
合計は,入学料28万2000円に,年額80万4000円の授業料を2年分又は3年分足した単純計算である。
検定料3万円,保険料,教材費,生活費等は含めていない。
未修者課程では共通到達度確認試験の受験料も別に案内されている。
入学料・授業料は改定される場合があり,留年などで在学期間が延びれば負担も変わる。
大学の経済的支援案内には,日本学生支援機構の貸与奨学金,入学料・授業料の免除又は徴収猶予,専門実践教育訓練給付に関する情報があるが,それぞれ申請・審査・対象要件がある。
すべての入学者が同じ支援を受けられることを前提に費用を計算しない方がよい。
第6 よくある質問
1 京都大学には法科大学院がありますか
ある。
京都大学法科大学院には,未修者3年課程と既修者2年課程がある。
出願先や必要書類は,京都大学の大学院全般の案内だけでなく,法科大学院の公式募集要項で確認する必要がある。
2 京都大学法科大学院のレベルはどのくらいですか
入試と司法試験を分けて考える必要がある。
司法試験については,大学の令和7年の各年別表で全体の合格率は58.45%であるが,未修者・既修者では内訳が大きく異なる。
自分の志望課程,選抜方法及び準備状況と合わせて検討するのが適切である。
3 法科大学院で一番入りやすい大学はどこですか
本記事で確認した京都大学の公式資料だけから,特定の大学を挙げることはできない。
大学ごとに課程,試験科目,選抜方式及び出願資格が異なり,倍率の低さだけで自分にとっての合格可能性を判断することもできない。
京都大学を検討する場合は,志望する課程の募集要項と過去の入試結果を対応させて確認する必要がある。
4 京都大学大学院の難易度も同じように判断できますか
法科大学院の数字を,京都大学の大学院全体に当てはめることはできない。
研究科・専攻や専門職大学院ごとに,出願資格と選抜内容を確認する必要がある。
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第8 出典
① 京都大学法科大学院「募集要項について」,令和9年度学生募集要項(参考用PDF)
③ 京都大学法科大学院「選抜結果」(令和8年度結果概要)
確認日は令和8年10月31日である。
制度や募集条件の確認には,実際に出願する年度の大学公式資料を用いる必要がある。